JP5053954B2 - 止着テープ及びその製造方法、並びにテープ型おむつ - Google Patents

止着テープ及びその製造方法、並びにテープ型おむつ Download PDF

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本発明は、止着テープ及びその製造方法、並びにテープ型おむつに関する。更に詳しくは、おむつの前身頃と後身頃とを固定するために用いられ、基材からフック材が剥離し難く、且つ、基材の先端部分の折れ曲りが防止されて基材の先端部分とフック材との係合が有効に防止された止着テープ及びその製造方法、並びにこのような止着テープを備えたテープ型おむつに関する。
一般に、テープ型おむつは、例えば、図14に示すテープ型おむつ150のように、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ140を更に備えた使い捨ておむつである(例えば、特許文献1及び2参照)。
このようなテープ型おむつ150によれば、着用者の排泄物はトップシート18の液透過性の部分(図中ではセンターシート18a)を透過して吸収体22に吸収されるとともに、通常、液不透過性の材料で構成されるバックシート20によって外部への漏洩が防止され、排泄物をおむつ内部に保持することができる。また、止着テープ140によっておむつの前身頃2と後身頃6とを相互に固定することで、着用者に容易に装着させることができるという利点をも有するものである。
ところで、従来、テープ型おむつのファスニングシステムとしては、粘着剤の粘着力により固定を行う粘着ファスナーが汎用されていたが、近年では、凸部材(フック材)と凹部材(ループ材)の機械的結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)への移行が進行しつつある。
このような止着テープは、図15に示すように、上記したメカニカルファスナーのフック材144を、基材148の表面に付設させることによって形成されている。フック材の付設方法については、例えば、フック材の裏面に接着剤を塗布して接合する方法、又は、基材として、熱可塑性の樹脂フィルムで表面を被覆した基材を用い、上記した接着剤と併用して、フック材の端部を一定の幅でヒートシールして基材の表面に接合する方法が用いられていた。図15においては、フック材144のそれぞれの端部144aを、フック材144の表面側から基材148側に向けて帯状に加熱押圧することによってヒートシールした例を示している。
特開2005−279005号公報 特開2005−319319号公報
しかしながら、特許文献1の止着テープは、着色されたサイドパネルから識別するための識別部をエンボス加工によって形成したものであるが、識別部のみをエンボス加工するため、フック材の接合強度が低く、基材からフック材が剥離し易いという問題があった。
また、例えば、特許文献2の止着テープは、フック材の端部のみを均一な深さで押圧して基材に圧着させたものであるが、止着テープを使用する際には、フック材の端部に比較的大きな応力が掛かるため、上記特許文献1の止着テープと同様に、基材からフック材が剥離し易いという問題があった。また、フック材の剥離を防止するために、例えば、フック材の端部の押圧部分の幅を広く設計すると、フック材の係合に使用される面積が減少してしまうため、止着テープの係合力が著しく低下してしまうという問題もあった。
また、このような止着テープは、止着テープの基材として布材を用いた場合に、図16に示すように、メカニカルファスナーのフック材144が止着テープ140の基材148と係合してしまう場合があった。このような場合、おむつの着用者ないし介護者は、基材148から一旦フック材144を引き剥がすという煩瑣な操作を強いられることになるし、仮に、フック材144が止着テープ140の基材148と係合した状態のまま使用すると、フック材144の係合に使用される面積が減少してしまうため、止着テープ140の係合力が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、おむつの前身頃と後身頃とを固定するために用いられ、基材からフック材が剥離し難く、且つ、基材の先端部分の折れ曲りが防止されて基材の先端部分とフック材との係合が有効に防止された止着テープ及びその製造方法、並びにこのような止着テープを備えたテープ型おむつを提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、フック材の基材先端側端部と基材根元側端部とのそれぞれに、フック材の表面側から基材側に向けて押圧された凹部を形成し、少なくとも基材先端側の凹部を、フック材の基材先端側の端部から基材の表面にはみ出すように、即ち、フック材と基材とに跨って形成することによって、前記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の止着テープ及びその製造方法、並びにテープ型おむつが提供される。
[1] おむつの前身頃と後身頃とを固定するために用いられ、基材と前記基材の表面に付設されたメカニカルファスナーのフック材とを備え、前記フック材は、基材先端側の端部及び基材根元側の端部に、前記フック材の一方の側縁から他方の側縁にかけて、前記フック材の表面側から前記基材側に向けて押圧された基材先端側凹部と基材根元側凹部とがそれぞれ形成されるとともに、前記フック材の中央部に、前記フック材の前記一方の側縁から前記他方の側縁にかけて、ドット状に二列、千鳥状に押圧された中央凹部が形成されており、少なくとも前記基材先端側凹部は、前記フック材と前記基材とに跨るように、前記フック材の前記基材先端側の端部から前記フック材の外側領域に至って形成され、且つ、前記基材先端側凹部は、押圧深さの深い深凹部と、前記深凹部よりも押圧深さが浅い浅凹部とから構成されてなり、前記基材先端側凹部及び前記基材根元側凹部は、前記押圧により前記フック材の止着力を喪失したものであるとともに、加圧のみ、ヒートシール、又は超音波溶着によって形成されたものである止着テープ。
] 前記基材根元側凹部は、前記フック材と前記基材とに跨るように、前記フック材の前記基材根元側の端部から前記フック材の外側領域に至って形成されている前記[1]に記載の止着テープ。
] 前記基材先端側凹部は、前記基材先端側凹部が形成された領域における、前記基材先端側から前記基材根元側までの距離L1が、前記基材の先端から前記基材先端側凹部が形成された領域までの距離L2よりも長くなるように形成されている前記[1]又は[2]に記載の止着テープ。
] 長尺基材シートの一方の面に、前記長尺基材シートの長手方向に沿って帯状の長尺フック材を載置接合して長尺シート積層体を得るシート積層工程と、得られた前記長尺シート積層体の前記長尺フック材のそれぞれの側縁部を、前記長尺フック材の表面側から前記長尺基材シート側に向けて所定の幅で押圧して凹部を形成するとともに、前記長尺シート積層体の前記長尺フック材の中央部を、ドット状に二列、千鳥状に押圧して中央凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部を形成した前記長尺シート積層体を、所定の幅で切り離すことにより複数の止着テープを得る止着テープ切離工程と、を備え、前記凹部形成工程において、前記長尺フック材の少なくとも一方の側縁部に形成する凹部を、前記長尺フック材と前記長尺基材シートとに跨るように、前記長尺フック材の前記一方の側縁部から前記長尺フック材の外側領域に至って形成し、且つ、少なくとも得られる前記止着テープの先端側の前記凹部を、押圧深さの深い深凹部と、前記深凹部よりも押圧深さが浅い浅凹部とによって形成し、前記長尺フック材の前記凹部における止着力を前記押圧により喪失させるとともに、前記長尺フック材のそれぞれの側縁部を、加圧のみ、ヒートシール、又は超音波溶着して前記凹部を形成する止着テープの製造方法。
] 前記凹部形成工程において、前記長尺フック材の他方の側縁部に形成する凹部を、前記長尺フック材と前記長尺基材シートとに跨るように、前記長尺フック材の前記他方の側縁部から前記長尺フック材の外側領域に至って形成する前記[4]に記載の止着テープの製造方法。
] 前記止着テープ切離工程において、前記凹部を形成した前記長尺シート積層体を、切断の軌跡が前記長尺シート積層体の長手方向に沿ってS字カーブを描くように切断して2枚の止着テープ中間体を得、得られた前記各止着テープ中間体の前記S字カーブ状に形成された側縁の谷部と直線状に形成された側縁との間を切り離すことによって、複数の前記止着テープを得る前記[4]又は[5]に記載の止着テープの製造方法。
] 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えるとともに、前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成されており、前記後身頃の左右の各側縁から延出するように配置され、前記前身頃と前記後身頃とを固定するための止着テープを更に備えたテープ型おむつであって、前記止着テープが、前記[1]〜[]のいずれかに記載の止着テープであるテープ型おむつ。
本発明の止着テープは、おむつの前身頃と後身頃とを固定するために用いられる止着テープであり、基材からフック材が剥離し難く、且つ、基材の先端部分の折れ曲りが防止されて基材の先端部分とフック材との係合が有効に防止された止着テープである。また、仮に、基材の先端部分がフック材に係合してしまった場合であっても、フック材から基材の先端部分を容易に引き剥がすことができる。
また、本発明の止着テープの製造方法は、上述した本発明の止着テープを簡便に且つ低コストに製造することができる。
更に、本発明のテープ型おむつは、上記した本発明の止着テープを備えたものであり、基材からフック材が剥離し難く、且つ、基材の先端部分の折れ曲りが防止されて基材の先端部分とフック材との係合が有効に防止されているため、フック材に係合された基材を引き剥がすという煩瑣な操作を強いられることなく、簡単且つ容易に使用することができる。
以下、本発明の止着テープ及びその製造方法、並びにテープ型おむつを実施するための最良の形態について、具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える止着テープ及びその製造方法、並びにテープ型おむつを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において「テープ型おむつ」とは、図1に示すテープ型おむつ1のように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、後身頃6を前身頃2に対して固定するための止着テープ10を更に備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
[1]止着テープ:
まず、本発明の止着テープの一の実施形態について説明する。本発明の止着テープは、図1〜図4に示される止着テープ10のように、おむつの前身頃2と後身頃6とを固定するために用いられ、基材48と、この基材48の表面に付設されたメカニカルファスナーのフック材44とを備え、このフック材44は、基材48の先端側48a(以下、「基材先端側48a」ということがある)の端部44a、及び基材48の根元側48b(以下、「基材根元側48b」ということがある)の端部44bに、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、フック材44の表面側から基材48側に向けて押圧された基材先端側凹部60と基材根元側凹部61とがそれぞれ形成されている。即ち、フック材44の基材先端側48aの端部44aに基材先端側凹部60が形成され、フック材44の基材根元側48bの端部44bに基材根元側凹部61が形成されている。
そして、本発明の止着テープ10においては、少なくとも基材先端側凹部60は、フック材44の基材先端側48aの端部44aから、フック材44を付設した基材48の表面にはみ出すように形成されている。即ち、基材先端側凹部60は、フック材44の基材先端側48aの端部44aと、フック材44を付設した基材48とに跨るように、フック材44の基材先端側48aの端部44aからフック材44の外側領域に至って形成されている。
なお、本発明の止着テープ10においては、少なくとも基材先端側凹部60が、フック材44の基材先端側48aの端部44aとフック材44を付設した基材48とに跨るように、フック材44の基材先端側48aの端部44aからフック材44の外側領域に至って形成されているため、この基材先端側凹部60は、フック材44の厚みよりも、凹部の深さが深くなるように形成されている。
このように構成することによって、基材48に対してフック材44が強固に接合され、基材48からフック材44が剥離し難くなる。また、基材先端側凹部60が、フック材44の基材先端側48aの端部44aから、基材48の表面を含む外方の領域(外側領域)に至って形成されることによって、基材48の先端部分の折れ曲りが防止されて基材48の先端部分とフック材44との係合が有効に防止される。なお、仮に、基材48の先端部分が折れ曲って基材48の先端部分がフック材44に係合してしまった場合であっても、フック材44から基材48の先端部分を容易に引き剥がすことが可能である。
また、本発明の止着テープにおいては、上記基材先端側凹部が基材側にはみ出して形成されるため、フック材の接合強度を確保しつつ、フック材の係合に使用される面積の減少を抑制することができ、止着テープの係合力の低下を軽減することが可能となる。
ここで、図1は、本発明の止着テープを用いたテープ型おむつの一の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。図2は、本発明の止着テープを用いたテープ型おむつの一の実施形態を示す拡大図であり、図1に示すテープ型おむつの止着テープ部分を拡大して示す図である。図3は、図2示す止着テープのフック材が付設された部位を更に拡大した拡大図である。図4は、図3に示す止着テープをA−A’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。
上記した基材先端側凹部及び基材根元側凹部は、フック材の表面側が圧縮されて形成されたものであれば、例えば、フック材と基材とを圧力をかけて単に圧着させたもの(即ち、加圧のみで形成されたもの)であってもよいし、圧力とともに熱を加えてフック材と基材とを融着させたものであってもよい。例えば、上記フック材は、接着剤等によって基材に接合され、更にフック材の両端部を押圧して上記基材先端側凹部及び基材根元側凹部が形成されたものであってもよいし、また、接着剤等によってフック材と基材とが接合又は仮接合されるとともに、フック材の両端部が更にヒートシールや超音波溶着によって基材先端側凹部及び基材根元側凹部の形成とともに再度接合されたものであってもよい。
なお、本発明の止着テープにおいては、図2及び図3に示すように、基材根元側凹部61についても、フック材44の基材根元側48bの端部44bから、フック材44を付設した基材48の表面にはみ出すように形成されていることが好ましい。即ち、基材根元側凹部61は、フック材44の基材根元側48bの端部44bと、フック材44を付設した基材48とに跨るように、フック材44の基材根元側48bからフック材44の外側領域に至って形成されていることが好ましい。このように構成することによって、基材根元側48bの端部44bからのフック材44の剥離を有効に防止することができる。
また、本発明の止着テープは、長尺基材シートの一方の面に、その長尺基材シートの長手方向に沿って帯状の長尺フック材を載置接合し、その長尺基材シートを、例えば、長手方向に沿ってS字カーブを描くように切断して2枚の止着テープ中間体を得、得られた各止着テープ中間体を個々の幅に切断することによって連続的に製造することができる。このため、基材先端側凹部と基材根元側凹部とを対称的な形状とすることにより、止着テープの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
上記基材先端側凹部及び基材根元側凹部は、例えば、対向配置された一対のエンボスロール間に、基材とフック材を挟み込み、フック材の表面側から基材側に向けて押圧することによって形成することができる。この際、少なくとも基材先端側凹部を形成するエンボスロールについては、基材先端側凹部がフック材と基材とに跨ってフック材の基材先端側の端部からフック材の外側領域に至って形成されるような位置に配置し、フック材と、フック材の基材先端側の端部より外側の基材の一部とを押圧して、上記基材先端側凹部を形成する。
また、フック材を基材に接合するための接着剤としては、例えば、従来公知のホットメルト接着剤等を挙げることができる。
本発明の止着テープ10は、図2〜図4に示すように、基材先端側凹部60及び基材根元側凹部61のそれぞれが、凹部の形成時における押圧によって、フック材44の止着力をそれぞれ喪失したものである。
このように構成することによって、止着テープ10の基材48の先端部分が、フック材44の表面側に折れ曲がった場合に、基材48の先端部分とフック材44とがより係合し難くなる。また、仮に、止着テープ10の先端部分が内側に向けて折れ曲がってフック材44に係合してしまった場合であっても、止着テープ10の先端部分を摘み易くして、係合した止着テープ10の先端部分をフック材44から簡単に引き剥がすことができる。
このような基材先端側凹部60及び基材根元側凹部61(以下、これらを単に「凹部」ということがある)は、メカニカルファスナーのフック材が基材側に向けて押圧されるとともに、このフック材を構成する複数の突起が押圧時に塑性変形することによって形成されたものを挙げることができる。
また、図2〜図4に示す止着テープ10においては、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、それぞれのフック材44の端部44a,44bが帯状に一定の幅且つ一定の押圧深さで押圧されて、基材先端側凹部60及び基材根元側凹部61が形成された場合の例を示しているが、例えば、図5及び図6に示すように、基材先端側48aの端部44a及び基材根元側48bの端部44bのそれぞれが、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、所定のパターンを有するように繰り返し押圧されて基材先端側凹部60及び基材根元側凹部61が形成されていてもよい。即ち、図5及び図6に示す止着テープ10aにおいては、フック材44の基材先端側48a及び基材根元側48bと、それぞれに対応する基材48の表面とに、斜め縞状の凹部の繰り返しによって、基材先端側凹部60及び基材根元側凹部61が形成された場合の例を示している。
このように、基材先端側凹部60及び基材根元側凹部61は、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、フック材44の端部44a,44bの少なくとも一部が押圧されて形成されていればよい。例えば、基材先端側凹部60と基材根元側凹部61とは、上記パターンの向きが逆向きになるように形成されたものであってもよい(所謂フィシュボーンタイプ)。なお、上記したように、基材先端側凹部60及び基材根元側凹部61が、所定のパターンを有するように繰り返し押圧されて形成されたものである場合における、その繰り返しパターンについては、図5に示すような、斜め縞状の繰り返しパターンに限定されることはなく、例えば、縦縞状、横縞状、十字状、V字状等の種々の形状であってもよい。
ここで、図5は、本発明の止着テープの他の実施形態における、フック材が付設された部位を拡大した拡大図であり、図6は、図5に示す止着テープをB−B’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。図5及び図6に示す止着テープ10aにおいて、図3に示した止着テープ10の各要素と共通する要素については、図3と同一の符号を付して説明を省略する。
また、本発明の止着テープにおいては、例えば、基材先端側凹部が、押圧深さの深い深凹部と、前記深凹部よりも押圧深さが浅い浅凹部とから構成されていている。このように、基材先端側凹部が、押圧深さの異なる凹部の繰り返しによって構成された凹部であ
このように構成することによって、基材とフック材とがより剥離し難くなる。また、基材とフック材との接合部分に反りや波打ちが生じ難くなるため、おむつの前身頃と後身頃とを固定するために用いた場合に、おむつの装着感を向上させることができる。例えば、ヒートシールや超音波溶着によって基材にフック材を接合した場合には、フック材と基材との熱収縮率の差によって生じる反りや波打ちは、押圧深さが浅く、フック材と基材との接合時における自由度の高い浅凹部によって緩和され、反りや波打ち、しわ等の発生が有効に抑制される。
例えば、図7及び図8に示す止着テープ10bは、基材先端側凹部60が、押圧深さの深い深凹部60aと、深凹部60aよりも押圧深さが浅い浅凹部60bとから構成された場合の例を示している。図7及び図8においては、フック材44の基材先端側48a及び基材根元側48bと、それぞれに対応する基材48の表面とに、斜め縞状の深凹部60aと浅凹部60bとが、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、所定のパターン(即ち、一定の繰り返し間隔)で形成されている。
このように、基材先端側凹部60は、異なる押圧深さの複数の凹部から構成されていてもよい。なお、図6及び図7においては、深凹部60aと浅凹部60bとのそれぞれが、フック材44の基材先端側48aの端部44aと、フック材44を付設した基材48とに跨るように、フック材44の基材先端側48aの端部44aからフック材44の外側領域に至って形成されているが、例えば、図示は省略するが、深凹部が、フック材の基材先端側の端部からフック材の外側領域に至って形成され、且つ、浅凹部が、フック材の基材先端側の端部のみに形成されていてもよい。即ち、例えば、浅凹部が、フック材の基材先端側の端縁で途切れている場合や、浅凹部の押圧深さがフック材の厚さよりも浅く、基材の表面まで凹部が形成されない場合等であっても、深凹部がフック材の基材先端側の端部からフック材の外側領域に至って形成されていれば、上述した、基材からフック材が剥離し難く、且つ、基材の先端部分の折れ曲りが防止されて基材の先端部分とフック材との係合が有効に防止されるという本発明の効果を発現させることができる。
ここで、図7は、本発明の止着テープの他の実施形態における、フック材が付設された部位を拡大した拡大図であり、図8は、図7に示す止着テープをC−C’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。図7及び図8に示す止着テープ10bにおいて、図3に示した止着テープ10の各要素と共通する要素については、図3と同一の符号を付して説明を省略する。
なお、本発明の止着テープにおいては、図7及び図8に示すように、基材根元側凹部61についても、上記した基材先端側凹部60と同様に、押圧深さの深い深凹部61aと、深凹部61aよりも押圧深さが浅い浅凹部61bとから構成されていてもよい。
上記した深凹部と浅凹部とから構成された凹部は、例えば、フック材の表面側を押圧するロールとして、深凹部と浅凹部との配列パターンに対応した凸部が押圧面に形成されたパターンロールを用いることによって形成することができる。
具体的なパターンロールの構成としては、例えば、その押圧面に、深凹部の配列パターンに対応した高凸部(深凹部の反転形状)と、浅凹部の配列パターンに対応した低凸部(浅凹部の反転形状)とから構成された凸部が形成されたものを挙げることができる。このようなパターンロールを用いることによって、上記高凸部によって深凹部が形成され、低凸部によって浅凹部が形成される。
また、凹部の形成を超音波溶着によって行う場合には、超音波溶着用の超音波ホーンと超音波ホーンの受け台としての受けロールとのうちの一方の押圧面に、深凹部に対応した高凸部と、浅凹部に対応した低凸部とから構成された凸部が形成されたものを用いることが好ましい。なお、通常、超音波ホーンの押圧面はプレーン面とした方が好ましいため、超音波ホーンの受けロールの押圧面に上記凸部を形成することがより好ましい。このような場合には、超音波ホーンを基材の裏面側に配置し、また、超音波ホーンの受けロールをフック材の表面側に配置して超音波溶着を行う。押圧面に凸部を形成した超音波ホーンの受けロールとしては、例えば、上述したパターンロールと同様に構成されたものを好適に用いることができる。また、超音波ホーンとしては、ロール状の超音波ホーンを用いることもできるし、ロール状ではない固定式等の超音波ホーンを用いることもできる。
また、図3に示すように、基材先端側凹部60は、基材先端側凹部60が形成された領域における、基材先端側48aから基材根元側48bまでの距離L1(即ち、図3における帯状の基材先端側凹部60の幅)が、基材48の先端から基材先端側凹部60が形成された領域までの距離L2(即ち、基材48の先端から基材先端側凹部60の端部までの距離)よりも長くなるように形成されていることが好ましい。このように構成することによって、基材の先端部分とフック材との係合がより有効に防止される。
従来の止着テープにおいては、図16に示すように、メカニカルファスナーのフック材144が止着テープ140の基材148と係合してしまう場合があり、このような場合、おむつの着用者ないし介護者は、基材148から一旦フック材144を引き剥がすという煩瑣な操作を強いられることになるし、仮に、フック材144が止着テープ140の基材148と係合した状態のまま使用すると、フック材144の係合に使用される面積が減少してしまうため、止着テープ140の係合力が低下してしまうという問題があった。
上記したように、基材48の先端から基材先端側凹部60が形成された領域までの距離L2よりも、基材先端側凹部60が形成された領域における、基材先端側48aから基材根元側48bまでの距離L1が長くなるように、基材先端側凹部60が形成されることにより、基材48の先端がフック材44側に折り返されたとしても、基材先端側凹部60によって、基材48の先端部分とフック材44との係合が有効に防止され、上記煩雑な操作を強いられることや、止着テープ10の係合力が低下してしまうという問題を生じることがない。
また、フック材の表面のみに凹部を形成し、この凹部によって、フック材と基材との係合を防止しようとすると、フック材に形成する凹部の基材先端側から基材根元側までの距離(即ち、凹部の幅)が大きくなり、凹部以外のフック材の係合に使用される面積が減少し、止着テープの係合力が著しく低下してしまう。また、おむつを構成する部材としては比較的高価なフック材において、本来の係合機能を喪失又は低下させてしまう部位を大きく取ることは、製造コストの点においても好ましくない。
なお、上記した、「基材先端側凹部60が形成された領域における、基材先端側48aから基材根元側48bまでの距離L1」の具体的な長さについては特に制限はないが、例えば、4〜12mmであることが好ましく、6〜10mmであることが更に好ましい。
このように構成することによって、フック材に十分な止着力を残すことができる。また、押圧をヒートシールや超音波溶着によって行う場合には、ヒートシール等による十分な接合強度を発現させることができる。
図4に示すように、止着テープ10を構成する基材48の裏面については、フック材48表面の押圧の凹凸が出現しておらず、平面状に構成されていることが好ましい。
基材の裏面を平面状にする場合には、基材の裏面側を押圧するロールとして、その表面が平坦なプレーンロールを用いればよい。
また、本発明の止着テープにおいては、この基材の裏面に、上記フック材に止着可能なループ材(以下、「裏面側ループ材」ということがある)が付設されていてもよい。
この裏面側ループ材は、基材先端側凹部及び基材根元側凹部のそれぞれを形成した後に、基材の裏面側に接合されたものであることが好ましい。上記裏面側ループ材は、ホットメルト接着剤等を用いて接合することができる。
このように構成することによって、例えば、図9に示すように、後身頃6の左右の各側縁6a,6bに、本発明の止着テープ10x,10yが2個ずつ配置されたテープ型おむつ1とした場合に、各側縁6a,6bにおける一方の止着テープ10xをフロントパッチ12に止着し、他方の止着テープ10yを、フロントパッチ12に止着した一方の止着テープ10xの裏面の裏面側ループ材に対して止着させることもできる。
このような止着テープは、着用者の体型、具体的には、ウエスト周り、脚周りの寸法に合わせてテープ位置、締め付け具合を調節できるという点で優れている。
ここで、図9に示すテープ型おむつ1は、後身頃6の左右の各側縁6a,6bに、本発明の止着テープ10が2個ずつ配置されたものである(止着テープ10x,10y)。
例えば、基材の裏面に、又は基材の裏面に裏面側ループ材を付設した場合には裏面側ループ材の表面に、凹凸が出現していると、一の止着テープの裏面に他の止着テープを止着させた場合に、上記凹凸によって十分な止着力が得られず、他の止着テープが外れ易くなってしまうことがある。
また、本発明の止着テープにおいては、フック材の基材先端側の端部及び基材根元側の端部に形成された凹部(基材先端側凹部及び基材根元側凹部)とは別に、フック材の中央部分の一部に、他の凹部(以下、「中央凹部」ということがある)が形成されてい
このような中央凹部が形成された止着テープとしては、例えば、図10に示すような、フック材44の中央部分の一部が、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、所定の間隔でドット状に押圧された中央凹部63aが形成された止着テープ10cや、図11に示すように、フック材44の中央部分の一部が、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、所定の幅で押圧された中央凹部63bが形成された止着テープ10d等を挙げることができる。
ここで、図10及び図11は、本発明の止着テープの更に他の実施形態における、フック材が付設された部位を拡大した拡大図である。図10及び図11に示す止着テープ10c,10dにおいて、図3に示した止着テープ10の各要素と共通する要素については、図3と同一の符号を付して説明を省略する。
上記中央凹部を形成することによって、フック材の中央部分の浮き、反り、波打ち等を有効に防止することができる。
なお、この中央凹部の形状については、図10に示すような、フック材44の一方の側縁44xから他方の側縁44yにかけて、所定の間隔でドット状に二列、千鳥状に押圧された中央凹部63aを挙げることができる。このように構成することによって、フック材44の中央部分の止着力を大幅に低下させることなく、上述した中央凹部63aによる効果を効率的に発現させることができる。
この中央凹部の押圧深さについては特に制限はないが、中央凹部は、中央凹部によって、フック材の中央部分を基材と圧着させることができる程度の押圧力によって押圧されたものであることが好ましい。具体的には、基材先端側凹部の押圧深さと同程度の押圧深さであることが更に好ましい。
「フック材」とは、メカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)の凸部材であり、凹部材であるループ材との機械的結合により固定を行うことができるものである。このフック材は基材の表面に付設される。「フック材」としては、例えば、表面に多数の突起(鉤状、きのこ状、錨状等)が形成されたものが用いられる。
一方、「ループ材」としては、表面にループ状の繊維が配置されたもの等が用いられることが多い。このループ材の表面にフック材を重ね合わせ、フック材の多数の突起をループ材の表面に係合させることにより、両部材を剥離可能な状態に、且つ、強固に固着させることができる。
例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、止着テープ10の基材48にメカニカルファスナーのフック材44が付設されている。一方、前身頃2には、メカニカルファスナーのループ材52からなるフロントパッチ12が配置されており、フック材44を固定することが可能なように構成されている。
このような構成によって、おむつの後身頃6を前身頃2に対して固定することができ、おむつを着用者に装着させることが可能となる。図9は、図1に示すテープ型おむつ1の使用状態を示す図であり、止着テープ10を用いて、テープ型おむつ1を着用者に装着させた状態を示すものである。
なお、このようなフック材の素材としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、脂肪族ポリアミド(所謂ナイロン)、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維を用いることができる。特に、ポリエチレンやポリプロピレンを好適に用いることができる。このような素材は、凹部の形成時に、例えば、加熱されたパターンロールを用いることによって、凹部の形成と、ヒートシールによる基材への接合とを同時に行うことが可能となる。
「基材」は、フック材44を付設し、且つ止着テープ10を後身頃6の左右の各側縁6a,6bに固定することによって、止着テープ10の本体として機能するものである。
この基材の素材としては、スパンボンド、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)、カードエンボス、レジンボンド等の各種不織布からなるシート材を用いることができる。強度の面を考慮すると、スパンボンド不織布からなるシート材を用いることが好ましい。
不織布の構成材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、脂肪族ポリアミド(所謂ナイロン)、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維を挙げることができる。この場合、合成繊維は単繊維であってもよいし、芯鞘構造等を有する複合繊維であってもよい。一般に、単繊維を使用する場合は、ポリオレフィンが多く用いられるが、強度の面を考慮するとポリエステルを用いることも好ましい。
また、基材の素材として、複数の不織布やフィルムを積層した積層体を用いることもできる。フィルムの積層体を用いる場合には、フック材を配置する面と反対側の面に、フック材と係合し易い不織布又はループ材(裏面側ループ材)を配置すると、図9に示すように、一の止着テープ10xの裏面側に、他の止着テープ10yを止着させることができる。
[2]止着テープの製造方法:
次に、本発明の止着テープの製造方法の一の実施形態について説明する。本発明の止着テープの製造方法は、長尺基材シートの一方の面に、長尺基材シートの長手方向に沿って帯状の長尺フック材を載置接合して長尺シート積層体を得るシート積層工程と、得られた長尺シート積層体の前記フック材のそれぞれの側縁部を、長尺フック材の表面側から長尺基材シート側に向けて所定の幅で押圧して凹部を形成する凹部形成工程と、凹部を形成した長尺シート積層体を、所定の幅で切り離すことにより複数の止着テープを得る止着テープ切離工程と、を備え、凹部形成工程において、長尺フック材の少なくとも一方の側縁部に形成する凹部を、長尺フック材と長尺基材シートとに跨るように、長尺フック材の一方の側縁部から長尺フック材の外側領域に至って形成するものである。
このように構成することによって、これまでに説明した本発明の止着テープを簡便且つ低コストに製造することができる。
以下、本発明の止着テープの製造方法について、各工程毎に更に具体的に説明する。ここで、図12A〜図12Cは、本発明の止着テープの製造方法の一の実施形態における各工程を示す平面図である。なお、図12Aは、シート積層工程を示し、図12Bは、凹部形成工程を示し、図12Cは、止着テープ切離工程を示す。
[2−1]シート積層工程:
本発明の止着テープの製造方法においては、まず、図12Aに示すように、長尺基材シート78を用意し、この長尺基材シート78の一方の面に、長尺基材シート78の長手方向に沿って帯状の長尺フック材74を載置接合して長尺シート積層体71を得る(シート積層工程)。
長尺シート積層体71を形成する場合には、長尺基材シート78と長尺フック材74とを予め接着剤92によって接合、又は仮接合することが好ましい。図12Aに示すシート積層工程においては、長尺フック材74の裏面に接着剤92を塗布し、接着剤92が塗布された裏面を長尺基材シート78に重ね合わせて長尺シート積層体71を形成している。なお、長尺フック材74としては、接着剤92を裏面に予め塗布したものを用いるようにしてもよい。
[2−2]凹部形成工程:
次に、図12Bに示すように、得られた長尺シート積層体71の長尺フック材74のそれぞれの側縁部74a,74bを、長尺フック材74の表面側から長尺基材シート78側に向けて所定の幅で押圧して凹部80を形成する(凹部形成工程)。
この凹部形成工程においては、長尺フック材74の少なくとも一方の側縁部74aに形成する凹部80aを、長尺フック材74の一方の側縁部74aから、長尺フック材74が載置された長尺基材シート78の表面にはみ出すように形成する。すなわち、凹部80aを長尺フック材74と長尺基材シート78とに跨るように、長尺フック材74の側縁部74aから長尺フック材74の外側領域に至って形成する。
上記した凹部80は、例えば、対向配置された一対のエンボスロール間に、長尺シート積層体71を挟み込み、長尺フック材74の表面側から長尺基材シート78側に向けて押圧することによって形成することができる。
なお、凹部形成工程においては、長尺基材シート78の裏面側を押圧するロールとして、長尺基材シート78との接触面が平坦なプレーンロールを用いることが好ましい。
凹部形成工程において長尺基材シート78と長尺フック材74との接合を行う場合には、押圧用のロールを加熱させて、長尺基材シート78と長尺フック材74とをヒートシールする。
一方、長尺基材シート78と長尺フック材74との接合を既に行っている場合には、押圧用のロールを必ずしも加熱させる必要はなく、単に、押圧用のロールによって押圧するのみであってもよい。
また、この凹部形成工程においては、長尺フック材74の他方の側縁部74bに形成する凹部80bを、長尺フック材74の他方の側縁部74bから、長尺フック材74が載置された長尺基材シート78の表面にはみ出すように形成してもよい。すなわち、凹部80bを長尺フック材74と長尺基材シート78とに跨るように、長尺フック材74の側縁部74bから長尺フック材74の外側領域に至って形成してもよい。
[2−3]止着テープ切離工程:
次に、図12Cに示すように、凹部80a,80bを形成した長尺シート積層体71を、所定の幅で切り離すことにより複数の止着テープ70を得る(止着テープ切離工程)。上記のような方法によれば、多数の止着テープを簡便に効率よく製造することが可能となる。
この止着テープ切離工程は、例えば、図12Cに示すように、長尺シート積層体71を、切断の軌跡が長尺シート積層体71の長手方向に沿ってS字カーブを描くように切断して2枚の止着テープ中間体72を得、得られた各止着テープ中間体72のS字カーブ状に形成された側縁の谷部と直線状に形成された側縁との間を切り離すことによって、複数の止着テープ10を得る方法を挙げることができる。
なお、このシートの切断方法としては、上記切断の軌跡が、長尺フック材74を幅方向に跨ぐようにS字状に切断する方法を挙げることができる。このように構成することによって、各止着テープ中間体72のS字カーブ状に形成された山部側にフック材44がそれぞれ配置されることとなる。
長尺シート積層体71の切断は連続的な形状に切断する限り特に制限はないが、通常は、図12Cに示すように、その軌跡が連続的なS字状、即ち、周期的な波型となるように切断することが好ましい。これにより、止着テープを一時に多数得ることが可能となる。
このようにして各止着テープ中間体を得た場合には、得られた各止着テープ中間体のS字カーブ状に形成された側縁の谷部と直線状に形成された側縁との間を切り離すことによって、複数の止着テープを得る。上記のような方法によれば、多数の止着テープを簡便に効率よく製造することが可能となる。
具体的には、図13に示すように、各止着テープ中間体72のS字カーブ状に形成された側縁の谷部102と直線状に形成された側縁104との間を切り離すことによって、複数の止着テープ70を得る。図示の例では、各止着テープ中間体72のS字カーブ状に形成された側縁の谷部102と直線状に形成された側縁104との間を、側縁104と直交する方向に切り離すことによって、複数の止着テープ70を得ている。
このように止着テープ中間体を切り離すことによって、複数の止着テープを得ることができる。但し、この「切り離し」に先立って、フック材及び止着テープの仮止めを行っておくことが好ましい。自由端を有する止着テープが遊動している状態であると、連続的な生産を行う際に、その自由端が製造設備に引っかかる等の不具合の原因となるおそれがあるからである。
例えば、止着テープ中間体を、フック材が付設された部位と直線状に形成された側縁との間においてフック材を内側とするように折り返し、フック材を長尺基材シートの表面に仮止めをした後、S字カーブ状に形成された側縁の谷部と直線状に形成された側縁との間を切り離すことが好ましい。S字カーブ状に形成された側縁の谷部と直線状に形成された側縁との間を切り離す前に仮止めをすることにより、複数の止着テープについての折り返し作業を一時に且つ連続的に行うことができ、「切り離し」の後に前記折り返し作業を行った場合と比較して、安定的且つ効率的に、前記折り返し作業を行うことができる。
図13に示す製造方法は、止着テープ中間体72を、フック材が付設された部位と直線状に形成された側縁104との間においてフック材84を内側とするように折り返し、フック材84を長尺基材シート78の表面に仮止めをした後(仮止め部86)、S字カーブ状に形成された側縁の谷部102と直線状に形成された側縁104との間を切り離した例である。
[3]テープ型おむつ:
次に、本発明のテープ型おむつの一の実施形態について具体的に説明する。本発明のテープ型おむつは、その止着テープとして、既に説明した本発明の止着テープを備えるものである。より具体的には、吸収体と、吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えるとともに、前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成されており、後身頃の左右の各側縁から延出するように配置され、前身頃と後身頃とを固定するための止着テープを更に備え、その止着テープが、上記した本発明の止着テープであるテープ型おむつである。
[3−1]止着テープ:
本発明のテープ型おむつは、その止着テープとして、既に説明した本発明の止着テープを備えるものであれば、他の構成について制限はない。但し、後身頃の左右の各側縁に、本発明の止着テープが2個ずつ配置されていることが好ましい。
例えば、図1及び図5に示すテープ型おむつ1は、後身頃6の左右の各側縁6a,6bに、本発明の止着テープ10が2個ずつ配置されたものである。このように、止着テープが2個ずつ配置されたテープ型おむつは、1個ずつ配置されたテープ型おむつと比較して、着用者の体型、具体的には、ウエスト周り、脚周りの寸法に合わせてテープ位置、締め付け具合を調節できるという点で優れている。
本発明のテープ型おむつは、本発明の止着テープが融着によっておむつ本体に接合されたものであることが好ましい。融着によって接合することで、接着剤を用いた接着等と比較して、強固な接合を図ることができ、おむつ本体から止着テープが脱落する事態を有効に防止することができる。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつ本体の後身頃6の側縁6a,6b、より具体的にはサイドシート19によって構成されるサイドフラップ8の両側縁に、超音波融着によって本発明の止着テープ10を接合した例である。
[3−2]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装される。より具体的には、吸収体は少なくとも股下部に介装され、この吸収体が前身頃や後身頃にまで及んでいてもよい。
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。図1に示すテープ型おむつ1は、吸収体22として、砂時計型の吸収体を用いた例である。
なお、吸収体には、その表面側に(例えば、吸収体とトップシートとの間に)、尿や体液等の液体を拡散させるためのシート(セカンドシート)を付帯的に配置してもよい。このセカンドシートを付設すると、着用者の姿勢等に起因して、トップシート裏面側の空間が十分に形成されないような場合でも、尿や体液等の吸収速度が低下し難く、吸収速度の低下による尿や体液等の漏れを防止することが可能となる。
セカンドシートを構成する材料としては、親水性で液透過性の材料、例えば、織布、不織布、多孔性プラスチック、フラッフパルプ等を挙げることができる。これらの構成素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、パルプ、或いはこれらの複合繊維等を挙げることができる。パルプとしては、カーリーセルロースファイバー等のけん縮繊維を好適に用いることができる。
[3−3]トップシート:
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その裏面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。通常、少なくとも吸収体の表面近傍については、着用者の尿や体液を透過させ得る液透過性の材料によって構成される。少なくとも一部が液透過性材料により構成されている限り、必ずしもトップシート全体が液透過性材料で構成されている必要はない。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。不織布の種類についても特に制限はなく、エアースルー(カード熱風)、カードエンボス、スパンボンド等の各種製法によって製造された従来公知の不織布を好適に用いることができる。
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。また、おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面には、液透過性材料により構成されたトップシート(センターシート)が配置され、サイドフラップの部分には、更に別のシート(サイドシート)が配置されていてもよい。図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート18(センターシート18a)を配置し、おむつのサイドフラップ8部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるサイドシート19を配置した例である。
[3−4]バックシート:
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
その配置方法については特に制限はないが、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、おむつの外形と一致するように、バックシート20を配置する構成を採用することができる。但し、必ずしもこのような構成を採用する必要はなく、吸収体で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体の存在する部分に液不透過性材料からなるバックシートを配置してもよい。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[3−5]立体ギャザー:
着用者の排泄した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを備えていてもよい。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(所謂「横漏れ」)を有効に防止することができる。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、撥水性のシート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その立体ギャザー伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
なお、立体ギャザーは、トップシートやバックシートとは全く別個のシート材により形成してもよいが、トップシート(例えば、センターシート)やサイドシート等を折り返すことにより形成してもよい。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、サイドシート19を折り返すことにより立体ギャザー26(26a,26b)を形成した例である。但し、立体ギャザーは、サイドシート以外の部材を折り返すことにより形成してもよい。
この立体ギャザーは、股下部からの漏れを防止するため、少なくとも股下部に形成されていればよいが、前身頃や後身頃に形成されていてもよい。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの長手方向に沿って、股下部4から前身頃2と後身頃6の双方にかけて連続的に、一対の立体ギャザー26(26a,26b)が形成された例を示すものである。なお、立体ギャザー26(26a,26b)には、その先端部に立体ギャザー伸縮材36(36a,36b)が設けられている。また、立体ギャザーは、少なくとも一対形成する必要があるが、二対以上形成してもよい。
立体ギャザーはおむつの内側に向かって傾倒する内倒しギャザーであってもよいし、おむつの外側に向かって傾倒する外倒しギャザーであってもよい。また、高さ方向の一部に、曲げ部や折り返し部を形成した立体ギャザー(所謂、C折りギャザーやZ折りギャザー等)とすることもできる。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、立体ギャザー26(26a,26b)を内倒しギャザーとした例である。
[3−6]各種伸縮材:
テープ型おむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。また、脚周り伸縮材を配置すると、おむつを交換する際に吸収体の両側で脚周り伸縮材が収縮するため、股下部近傍が椀状に変形し、凹部が形成される。このため、尿や体液がその凹部に溜まり、尿や体液をこぼすことなく、容易におむつの交換を行うことができる。
例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの長手方向に沿って、直線的に二本の脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムによって構成されている。但し、脚周り伸縮材は、必ずしも直線的に配置する必要はなく、例えば、おむつの脚周り開口部のカーブに沿って曲線的に配置してもよい。
脚周り伸縮材は、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、立体ギャザー26の起立線46より外側の部分に、脚周り伸縮材40が配置されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザーの十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
なお、図1に示すテープ型おむつ1は、脚周り伸縮材40の形状、配置位置、配置数等を左右対称とした例を示したが、これらが左右非対称なものも本発明の範囲に含まれる。そして、図1に示すテープ型おむつ1では、脚周り伸縮材40が片側につき二本配置された例を示したが、一本だけ配置されていてもよいし、三本以上配置されていてもよい。また、複数の脚周り伸縮材を用いる場合、その太さや伸張率等も目的に応じて適宜設定すればよく、全て同じものを用いる必要はない。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
なお、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り伸縮材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り伸縮材を配置してもよい。
なお、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、後身頃6の左右の各側縁6a,6bに、止着テープ10をそれぞれ2個ずつ配置した場合には、後身頃6の端縁に沿ってウエスト周り伸縮材42が付設されるとともに、少なくとも股下部4の両側縁に沿って脚周り伸縮材40を付設することが好ましい。
前記のような構成により、2個の止着テープ10のうち上側に配置された止着テープ10とウエスト周り伸縮材42が一体となって、着用者のウエスト周りにおけるおむつのフィット性を向上させることができる。また、2個の止着テープ10のうち下側に配置された止着テープ10と脚周り伸縮材40が一体となって、着用者の脚周りにおけるおむつのフィット性を向上させることができる。この効果は、上側に配置された止着テープ10を前身頃2の端縁と略同一方向に止め付け、下側に配置された止着テープ10を前身頃2の端縁側(おむつ上側)に向かって引き上げるように止め付けた場合に特に大きくなる。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、110〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[4]テープ型おむつの製造方法:
以下、本発明のテープ型おむつの製造方法を、図1に示すテープ型おむつ1を製造する場合の例で説明する。まず、バックシート20の材料となる長尺のシート材(バックシート材)の表面に、親水性シートに包まれた吸収体22及び脚周り伸縮材40を載置し、更にその表面にトップシート18の材料となる長尺のシート材(トップシート材)を載置することにより、おむつの中間体となる積層体(おむつ連続体)を得る。この際、トップシート材は、センターシート18aに相当するトップシート材と、サイドシート19に相当するサイドシート材の2種類が使用される。サイドシート19に相当するサイドシート材には折り返し部分を設けることによって、立体ギャザー26が形成されている。
前記のようにして得られたおむつ連続体は、おむつの脚周り開口部に相当する部分を円弧状に切り抜いて切除し(Rカット)、脚周り開口部を形成する。最後に、おむつの後身頃6の側縁6a,6bに、本発明の止着テープ10を付設し、おむつ連続体を個々のおむつに切断することにより、テープ型おむつ1を製造する。この際、後身頃6の左右の各側縁部と止着テープ10の末端部とはヒートシール等の融着によって接合することが好ましい。
なお、上記のような方法の他、予めトップシート材に止着テープを付設しておき、バックシート材の表面に、親水性シートに包まれた吸収体及び脚周り伸縮材を載置し、更にその表面に止着テープが付設されたトップシート材を載置することにより、おむつ連続体を得てもよい。また、前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、テープ型おむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
本発明の止着テープは、おむつの前身頃と後身頃とを固定するための止着テープとして好適に利用することができる。また、本発明のテープ型おむつは、乳幼児用、或いは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用のおむつとして好適に利用することができる。
本発明の止着テープを用いたテープ型おむつの一の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 本発明の止着テープを用いたテープ型おむつの一の実施形態を示す拡大図であり、図1に示すテープ型おむつの止着テープ部分を拡大して示す図である。 図2示す止着テープのフック材が付設された部位を更に拡大した拡大図である。 図3に示す止着テープをA−A’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の止着テープの他の実施形態における、フック材が付設された部位を拡大した拡大図である。 図5に示す止着テープをB−B’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の止着テープの他の実施形態における、フック材が付設された部位を拡大した拡大図である。 図7に示す止着テープをC−C’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の止着テープを用いたテープ型おむつを使用した状態を示す斜視図である。 本発明の止着テープの更に他の実施形態における、フック材が付設された部位を拡大した拡大図である。 本発明の止着テープの更に他の実施形態における、フック材が付設された部位を拡大した拡大図である。 本発明の止着テープの製造方法の一の実施形態における、シート積層工程を説明する平面図である。 本発明の止着テープの製造方法の一の実施形態における、凹部形成工程を説明する平面図である。 本発明の止着テープの製造方法の一の実施形態における、止着テープ切離工程を説明する平面図である。 本発明の止着テープの製造方法の一の実施形態における、止着テープ切離工程の他の例を説明する平面図である。 従来のテープ型おむつを示す一部切り欠き断面図であり、従来のテープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 図14示す止着テープのフック材が付設された部位を更に拡大した拡大図である。 従来の止着テープを示す側面図である。
符号の説明
1,150:テープ型おむつ、2:前身頃、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、8:サイドフラップ、10,10a,10b,10x,10y:止着テープ、12:フロントパッチ、18:トップシート、18a:センターシート、19:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、26,26a,26b:立体ギャザー、36,36a,36b:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:フック材、44a:端部(基材先端側の端部)、44b:端部(基材根元側の端部)、44x:一方の側縁(フック材の一方の側縁)、44y:他方の側縁(フック材の他方の側縁)、46:起立線、48:基材、48a:基材先端側、48b:基材根元側、52:ループ材、60:基材先端側凹部(凹部)、60a:深凹部、60b:浅凹部、61:基材根元側凹部(凹部)、61a:深凹部、61b:浅凹部、63a,63b:中央凹部(凹部)、70:止着テープ、71:長尺シート積層体、72:止着テープ中間体、74:長尺フック材、74a:側縁部(長尺フック材の一方の側縁部)、74b:側縁部(長尺フック材の他方の側縁部)78:長尺基材シート、80,80a,80b:凹部、84:フック材、86:仮止め部、102:谷部、104:側縁、140:止着テープ、144:フック材、144a:端部(フック材の端部)、148:基材。

Claims (7)

  1. おむつの前身頃と後身頃とを固定するために用いられ、
    基材と前記基材の表面に付設されたメカニカルファスナーのフック材とを備え、
    前記フック材は、基材先端側の端部及び基材根元側の端部に、前記フック材の一方の側縁から他方の側縁にかけて、前記フック材の表面側から前記基材側に向けて押圧された基材先端側凹部と基材根元側凹部とがそれぞれ形成されるとともに、前記フック材の中央部に、前記フック材の前記一方の側縁から前記他方の側縁にかけて、ドット状に二列、千鳥状に押圧された中央凹部が形成されており、
    少なくとも前記基材先端側凹部は、前記フック材と前記基材とに跨るように、前記フック材の前記基材先端側の端部から前記フック材の外側領域に至って形成され、且つ、前記基材先端側凹部は、押圧深さの深い深凹部と、前記深凹部よりも押圧深さが浅い浅凹部とから構成されてなり、
    前記基材先端側凹部及び前記基材根元側凹部は、前記押圧により前記フック材の止着力を喪失したものであるとともに、加圧のみ、ヒートシール、又は超音波溶着によって形成されたものである止着テープ。
  2. 前記基材根元側凹部は、前記フック材と前記基材とに跨るように、前記フック材の前記基材根元側の端部から前記フック材の外側領域に至って形成されている請求項1に記載の止着テープ。
  3. 前記基材先端側凹部は、前記基材先端側凹部が形成された領域における、前記基材先端側から前記基材根元側までの距離L1が、前記基材の先端から前記基材先端側凹部が形成された領域までの距離L2よりも長くなるように形成されている請求項1又は2に記載の止着テープ。
  4. 長尺基材シートの一方の面に、前記長尺基材シートの長手方向に沿って帯状の長尺フック材を載置接合して長尺シート積層体を得るシート積層工程と、
    得られた前記長尺シート積層体の前記長尺フック材のそれぞれの側縁部を、前記長尺フック材の表面側から前記長尺基材シート側に向けて所定の幅で押圧して凹部を形成するとともに、前記長尺シート積層体の前記長尺フック材の中央部を、ドット状に二列、千鳥状に押圧して中央凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部を形成した前記長尺シート積層体を、所定の幅で切り離すことにより複数の止着テープを得る止着テープ切離工程と、を備え、
    前記凹部形成工程において、前記長尺フック材の少なくとも一方の側縁部に形成する凹部を、前記長尺フック材と前記長尺基材シートとに跨るように、前記長尺フック材の前記一方の側縁部から前記長尺フック材の外側領域に至って形成し、且つ、少なくとも得られる前記止着テープの先端側の前記凹部を、押圧深さの深い深凹部と、前記深凹部よりも押圧深さが浅い浅凹部とによって形成し、
    前記長尺フック材の前記凹部における止着力を前記押圧により喪失させるとともに、前記長尺フック材のそれぞれの側縁部を、加圧のみ、ヒートシール、又は超音波溶着して前記凹部を形成する止着テープの製造方法。
  5. 前記凹部形成工程において、前記長尺フック材の他方の側縁部に形成する凹部を、前記長尺フック材と前記長尺基材シートとに跨るように、前記長尺フック材の前記他方の側縁部から前記長尺フック材の外側領域に至って形成する請求項に記載の止着テープの製造方法。
  6. 前記止着テープ切離工程において、前記凹部を形成した前記長尺シート積層体を、切断の軌跡が前記長尺シート積層体の長手方向に沿ってS字カーブを描くように切断して2枚の止着テープ中間体を得、
    得られた前記各止着テープ中間体の前記S字カーブ状に形成された側縁の谷部と直線状に形成された側縁との間を切り離すことによって、複数の前記止着テープを得る請求項4又は5に記載の止着テープの製造方法。
  7. 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えるとともに、
    前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成されており、
    前記後身頃の左右の各側縁から延出するように配置され、前記前身頃と前記後身頃とを固定するための止着テープを更に備えたテープ型おむつであって、
    前記止着テープが、請求項1〜のいずれか一項に記載の止着テープであるテープ型おむつ。
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