JP5053087B2 - アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置 - Google Patents

アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5053087B2
JP5053087B2 JP2007521184A JP2007521184A JP5053087B2 JP 5053087 B2 JP5053087 B2 JP 5053087B2 JP 2007521184 A JP2007521184 A JP 2007521184A JP 2007521184 A JP2007521184 A JP 2007521184A JP 5053087 B2 JP5053087 B2 JP 5053087B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adaptive control
signal
adaptive
received
signal quality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007521184A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2006112279A1 (ja
Inventor
山本  温
晃一 小川
岩井  浩
芳雄 小柳
彰 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007521184A priority Critical patent/JP5053087B2/ja
Publication of JPWO2006112279A1 publication Critical patent/JPWO2006112279A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5053087B2 publication Critical patent/JP5053087B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • H04B7/08Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station
    • H04B7/0837Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station using pre-detection combining
    • H04B7/0842Weighted combining
    • H04B7/0848Joint weighting
    • H04B7/0857Joint weighting using maximum ratio combining techniques, e.g. signal-to- interference ratio [SIR], received signal strenght indication [RSS]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/2605Array of radiating elements provided with a feedback control over the element weights, e.g. adaptive arrays
    • H01Q3/2611Means for null steering; Adaptive interference nulling
    • H01Q3/2629Combination of a main antenna unit with an auxiliary antenna unit
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B17/00Monitoring; Testing
    • H04B17/30Monitoring; Testing of propagation channels
    • H04B17/309Measuring or estimating channel quality parameters
    • H04B17/318Received signal strength
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • H04B7/08Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station
    • H04B7/0802Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station using antenna selection
    • H04B7/0805Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station using antenna selection with single receiver and antenna switching
    • H04B7/0814Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station using antenna selection with single receiver and antenna switching based on current reception conditions, e.g. switching to different antenna when signal level is below threshold

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Description

本発明は、例えば移動体通信システムの携帯無線通信装置などにおいて通信品質を良好に保つために提供される、複数のアンテナ素子を用いてアダプティブ制御して無線信号を受信するためのアダプティブアンテナ装置と、それを用いた無線通信装置に関する。
例えば、特許文献1において開示された第1の従来例に係るアダプティブアンテナ装置を備えたアレーアンテナの制御装置においては、受信信号の到来角度を予め与える必要がなく、所望波に主ビームを向けかつ干渉波にヌルを向けるように適応制御するために以下の構成を有する。適応制御コントローラは、1つの励振素子と、6個の非励振素子を備えてなるエスパアンテナであるアレーアンテナを適応制御するために設けられる。ここで、適応制御コントローラは、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号をアレーアンテナの励振素子により受信したときの受信信号y(n)と、学習シーケンス信号と同一であり学習シーケンス信号発生器で発生された学習シーケンス信号d(n)とに基づいて、スペクトルの循環定常性に基づいた適応制御処理を実行してアレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値xを計算して設定する。
また、例えば、特許文献2において開示された第2の従来例に係るアダプティブアンテナ装置においては、アレーブランチを複数配置した適応アンテナ装置において、小型化及び低消費電力化を図るために、以下の構成要素を備える。
(1)空間相関が小さくなるように、すなわち、d≫λの間隔dで配置した複数の給電アンテナ素子。ここで、λは無線信号の波長である。
(2)これらの給電アンテナ素子のそれぞれに対して空間相関が大きくなるように、すなわち、d<λ/2の間隔dで配置した複数の無給電アンテナ素子。
(3)これらの無給電アンテナ素子をそれぞれ終端する可変リアクタンス素子。
(4)給電アンテナ素子による受信信号を用いて可変リアクタンス素子を制御するリアクタンス制御部。
(5)複数の給電アンテナ素子による受信信号にそれぞれ重み付け回路により重み付けし、合成回路により合成し、その合成出力信号の信号対干渉及び雑音比(S/(I+N))とが最大となるように重み付け回路を制御する重み付け制御部。
特開2003−087051号公報。 特開2004−064743号公報。
しかしながら、第1の従来例に係るアダプティブアンテナ装置には、以下のような問題点があった。第1の従来例では、1つのアンテナ素子と、複数の無給電素子により指向性を制御するために、アンテナ素子と無給電素子を最適な配置する必要があり、アレーアンテナ装置の大きさと形状に制限があった。第1の従来例の場合は、直径が1/2波長、高さが1/4波長であるサイズが必要となる。すなわち、現在の携帯電話機が使用している無線周波数帯である900MHz帯や2GHz帯では波長がそれぞれ0.33m,0.15mと、携帯電話機のサイズに比べて長いために、第1の従来例のアンテナサイズが携帯電話機のサイズに比較して大きくなり、携帯電話機にそのまま使用することができない。また、指向性の制御に制約があることと、制御アルゴリズムが複雑になるという問題点があった。
また、第2の従来例に係るアダプティブアンテナ装置においては、複数のエスパアンテナを並置し、かつリアクタンス制御と、適応制御のための重み付け制御とを併用するために、装置構成が大型になるとともに、制御処理も複雑になるという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を十分に抑圧することができるアダプティブアンテナ装置及び無線通信装置を提供することにある。
第1の発明に係るアダプティブアンテナ装置は、
複数のアンテナ素子と、
可変リアクタンス素子が接続された少なくとも1本の無給電素子と、
上記複数のアンテナ素子により受信された各受信信号に対してアダプティブ制御して、上記アダプティブ制御後の各受信信号を合成受信信号として出力する第1の適応制御処理を実行するアダプティブ制御手段と、
上記無給電素子に接続された可変リアクタンス素子の素子値をリアクタンス制御する第2の適応制御処理を実行するリアクタンス制御手段と、
上記合成受信信号の信号品位を検出する信号品位検出手段と、
上記第1の適応制御処理と、上記第2の適応制御処理とのうちの一方の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき、所定の通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき、他方の適応制御処理を実行するように制御する装置制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記アダプティブアンテナ装置において、上記複数のアンテナ素子により無線信号を受信しないとき、上記無給電素子から上記可変リアクタンス素子を切り離し、上記無給電素子により受信された受信信号を受信する別の受信手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、上記第1の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上でないとき上記第2の適応制御処理を実行するように制御することを特徴とする。
さらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、上記第2の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上でないとき上記第1の適応制御処理を実行するように制御することを特徴とする。
またさらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記第2の適応制御処理は互いに異なる複数のアダプティブ制御法を用いた適応制御処理を含み、
上記装置制御手段は、上記各アンテナ素子によりそれぞれ受信された各受信信号の最大受信電力に基づいて、上記複数のアダプティブ制御法を用いた適応制御処理のうちの1つを選択して実行することを特徴とする。
ここで、上記第2の適応制御処理は、
(1)信号対雑音比を含む評価関数を最大又は最小になるように上記可変リアクタンス素子の素子値を制御する第1のアダプティブ制御法と、
(2)ビット誤り率を含む評価関数を最大又は最小になるように上記可変リアクタンス素子の素子値を制御する第2のアダプティブ制御法と、
(3)信号対雑音比とビット誤り率とを含む評価関数を最大又は最小になるように上記可変リアクタンス素子の素子値を制御する第3のアダプティブ制御法と
を含み、
上記装置制御手段は、上記最大受信電力が所定の第1のしきい値未満であるとき、上記第1のアダプティブ制御法を用いて上記第2の適応制御処理を実行し、上記最大受信電力が上記第1のしきい値以上でかつ上記第1のしきい値よりも大きい所定の第2のしきい値未満であるとき、上記第2のアダプティブ制御法を用いて上記第2の適応制御処理を実行し、上記最大受信電力が上記第2のしきい値以上であるとき、上記第3のアダプティブ制御法を用いて上記第2の適応制御処理を実行することを特徴とする。
第2の発明に係るアダプティブアンテナ装置は、
複数のアンテナ素子と、
上記複数のアンテナ素子の少なくとも一部に対応して設けられる複数の可変リアクタンス素子と、
上記複数のアンテナ素子の少なくとも一部に対応して設けられる複数の受信アダプティブ制御器と、
上記各アンテナ素子をそれぞれ、上記対応する各可変リアクタンス素子と上記各対応する受信アダプティブ制御器のうちの一方に選択的に接続するように切り換えるスイッチ手段と、
上記複数のアンテナ素子の少なくとも一部により上記スイッチ手段を介して受信された各受信信号に対してアダプティブ制御して、上記アダプティブ制御後の各受信信号を合成受信信号として出力する第1の適応制御処理を実行するアダプティブ制御手段と、
上記複数のアンテナ素子の少なくとも一部に上記スイッチ手段を介して接続された上記各可変リアクタンス素子の素子値をリアクタンス制御する第2の適応制御処理を実行するリアクタンス制御手段と、
上記合成受信信号の信号品位である信号品位を検出する信号品位検出手段と、
上記各アンテナ素子により受信された各受信信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段と、
上記複数のアンテナ素子のうちの一部を用いて、上記検出された各受信信号の信号レベルに基づいて、上記第1の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき所定の通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上でないとき上記第1の適応制御処理において用いたアンテナ素子以外のアンテナ素子を用いて上記第2の適応制御処理を実行するように制御する装置制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、第1のステップにおいて、上記検出された各受信信号の信号レベルのうち最大の信号レベルを有する受信信号の信号品位を上記信号品位検出手段により検出させ、上記検出された信号品位が上記しきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき、第2のステップにおいて、上記検出された各受信信号の信号レベルのうち最大の信号レベルを有する受信信号と2番目の信号レベルを有する受信信号との合成受信信号の信号品位を上記信号品位検出手段により検出させ、上記検出された信号品位が上記しきい値以上であるとき上記通信処理を実行することを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、上記第2のステップの処理の前において、上記最大の信号レベルを有する受信信号を受信したアンテナ素子以外の少なくとも1本のアンテナ素子を用いて、上記リアクタンス制御手段により上記第2の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が上記しきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき上記第2のステップの処理を実行することを特徴とする。
さらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、第1のステップにおいて、上記検出された各受信信号の信号品位のうち最大の信号品位を有する受信信号の信号品位を上記信号品位検出手段により検出させ、上記検出された信号品位が上記しきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき、第2のステップにおいて、上記検出された各受信信号の信号品位のうち最大の信号品位を有する受信信号と2番目の信号品位を有する受信信号との合成受信信号の信号品位を上記信号品位検出手段により検出させ、上記検出された信号品位が上記しきい値以上であるとき上記通信処理を実行することを特徴とする。
またさらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、上記第2のステップの処理の前において、上記最大の信号品位を有する受信信号を受信したアンテナ素子以外の少なくとも1本のアンテナ素子を用いて、上記リアクタンス制御手段により上記第2の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が上記しきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき上記第2のステップの処理を実行することを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、上記第2のステップの処理の後における第3のステップにおいて、上記最大の信号品位を有する受信信号を受信したアンテナ素子以外の、上記第2の適応制御処理を実行していない残りの少なくとも1本のアンテナ素子を用いて、上記リアクタンス制御手段により上記第2の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が上記しきい値以上であるとき上記通信処理を実行することを特徴とする。
さらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記装置制御手段は、上記第3のステップの処理の後において、上記第3のステップで検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき、上記複数の受信アダプティブ制御器に接続される複数のアンテナ素子を用いて、上記第1の適応制御処理を実行することを特徴とする。
第3の発明に係る無線通信装置は、上記アダプティブアンテナ装置と、
上記アダプティブアンテナ装置により受信された受信信号を受信する無線受信回路とを備えたことを特徴とする。
従って、本発明に係るアダプティブアンテナ装置及びそれを用いた無線通信装置によれば、上記第1の適応制御処理と、上記第2の適応制御処理とのうちの一方の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき、所定の通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき、他方の適応制御処理を実行するように制御する。もしくは、上記複数のアンテナ素子のうちの一部を用いて、上記検出された各受信信号の信号レベルに基づいて、上記第1の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき所定の通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上でないとき上記第1の適応制御処理において用いたアンテナ素子以外のアンテナ素子を用いて上記第2の適応制御処理を実行するように制御する。それ故、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。また、無線信号の波長をλとする。
第1の実施形態.
図1は本発明の第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図1において、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置は、無線通信装置に設けられ、受信された無線信号に対して適応制御を行ってより高い信号品位で無線通信を行うための処理を実行する。アダプティブアンテナ装置は、それぞれ給電素子である2本のアンテナ素子1a,1bと、1本の無給電素子11と、受信アダプティブ制御回路2と、アナログ/ディジタル変換回路5(以下、アナログ/ディジタル変換をA/D変換という。)と、コントローラ6と、信号合成器7と、復調器8と、判定器9と、受信電力レベル検出器10と、出力端子T1とを備えて構成される。なお、2本のアンテナ素子1a,1bの間隔dは好ましくは、λ/4ないしλ/2の範囲で設定され、より好ましくは、λ/2に設定される。また、各アンテナ素子1a,1bと、無給電素子11との間の間隔dは好ましくは、λ/8ないしλ/2の範囲で設定され、より好ましくは、λ/4又はλ/2に設定される。
図1において、各アンテナ素子1a,1bによりそれぞれ受信された各無線信号はA/D変換回路5及び受信アダプティブ制御回路2に入力される。A/D変換回路5は各アンテナ素子1a,1bに対応したA/D変換器を備え、各A/D変換器は各アンテナ素子1a,1bによりそれぞれ受信された各無線信号をそれぞれディジタル信号にA/D変換した後、コントローラ6に出力する。
受信アダプティブ制御回路2は、2個の可変利得増幅器3a,3bと、2個の移相器4a,4bと、入力される2つの無線信号を電力合成する加算器である信号合成器7と、可変リアクタンス素子12とを備えて構成され、これら2個の可変利得増幅器3a,3bの可変振幅量及び2個の移相器4a,4bの移相量、並びに可変リアクタンス素子12のリアクタンス値はコントローラ6により制御される。アンテナ素子1aにより受信された無線信号は可変利得増幅器3a及び移相器4aを介して信号合成器7に出力され、アンテナ素子1bにより受信された無線信号は可変利得増幅器3b及び移相器4bを介して信号合成器7に出力される。信号合成器7は入力される2個の無線信号を加算することにより合成して、合成後の無線信号を復調器8及び受信電力レベル検出器10に出力する。受信電力レベル検出器10は、入力される合成後の無線信号の受信電力レベルを検出し、検出した受信電力レベルを示す信号をコントローラ6に出力する。また、無給電素子11により受信された無線信号は、一端が接地された可変リアクタンス素子12により終端される。
復調器8は信号合成器7から入力される無線信号を所定のディジタル復調方式で復調信号であるベースバンド信号に復調して出力端子T1及び判定器9に出力する。判定器9は入力されるベースバンド信号に含まれる予め参照パターン期間内の参照パターンに基づいてビット誤り率を測定してコントローラ6に出力する。コントローラ6は詳細後述するアダプティブ制御方法を用いて、最良の信号品位を有する無線信号を受信して復調するように受信アダプティブ制御回路2内の、2個の可変利得増幅器3a,3bの可変振幅量及び2個の移相器4a,4bの移相量、並びに可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を制御する。なお、図1において、周波数を分離する高周波フィルタ、無線信号を増幅するための高周波増幅器、無線信号を所定の中間周波数の中間周波信号に変換するための混合器等の高周波回路や、中間周波数回路、信号処理回路等が含まれるが、図1では省略した。すなわち、受信アダプティブ制御回路2においては、搬送波周波数で実行してもよいし、中間周波信号に周波数変換した後の中間周波において実行してもよい。また、受信アダプティブ制御回路2において、各可変利得増幅器3a,3bと、各移相器4a,4bの信号処理の順序は図1に限定されず、逆であってもよい。
まず、アダプティブアンテナ装置のアダプティブ制御方法について以下に説明する。アダプティブアンテナ装置は、所望の電波が到来してくる方向にアンテナの放射パターンを最大にし(すなわち、アンテナの放射パターンのうちの主ビームを所望波方向に実質的に向け)、妨害となる干渉波の方向に放射パターンにヌルを向けて(すなわち、アンテナの放射パターンのうちのヌルを実質的に干渉波方向に向けて)、安定した無線通信を実現するアダプティブ制御技術を用いている。通常、アダプティブアンテナ装置は、図1に示すように、各アンテナ素子1a,1b毎に、振幅調整回路である可変利得増幅器3a,3bと、移相器4a,4bとを備え、各アンテナ素子1a,1bで受信された無線信号(又は、無線信号から周波数変換された中間周波信号)に対して振幅差と位相差を与えることにより、最大の所望信号電力と、最小の干渉信号電力を実現するように制御する。
各アンテナ素子1a,1bにより受信された無線信号には、通常、所望波信号とともに熱雑音成分が受信される。さらに、隣接基地局からの同一周波数の同一チャンネル干渉波や、所望波であるが大きな経路を経由して到来したために時間的な遅れを生じる遅延波も受信される場合がある。遅延波は、テレビジョン放送やラジオ放送等のアナログ無線通信システムにおいて、例えばテレビジョン受像機で表示されるゴーストとして画面表示の品質を劣化させる。一方、ディジタル無線通信システムでは、熱雑音、同一チャンネル干渉波や遅延波は、いずれもビット誤りとして影響を及ぼし、直接的に信号品位を劣化させる。ここで、所望波電力をCとし、熱雑音電力をNとし、同一チャンネル干渉波と遅延波を含む干渉波電力をIとすると、アダプティブアンテナ装置は、好ましくは、信号品位を改善させるために、C/(N+I)を最大にするようにアダプティブ制御する。
次いで、具体的に、アダプティブアンテナ装置のアダプティブ制御動作について図1を参照して以下に説明する。
各アンテナ素子1a,1bにより受信された無線信号はA/D変換回路5によりディジタル信号x(t)(本実施形態においては、4つの要素を持つ信号ベクトルである。)に変換され、コントローラ6に入力される。コントローラ6は、受信アダプティブ制御回路2から出力される無線信号y(t)が最も信号品位が良くなるような、受信アダプティブ制御回路2内の可変利得増幅器3a,3bの振幅量と、移相器4a,4bの移相量を決定する。以下に、これらの振幅量と移相量を含む重み付け係数の算出方法を以下に示す。なお、重み付け係数Wiは振幅量Aiと移相量φiにより、次式により定義される。
[数1]
Wi=Ai・exp(j・φi) (1)
ここで、jは虚数単位である。また、iは1,2の値をとり、それぞれ、各アンテナ素子1a,1bにより受信された無線信号を処理する系統に対応する。重み付け係数Wiを要素とする重み付け係数ベクトルWを定義して、以下に、重み付け係数Wiを求める方法について示す。
重み付け係数Wiを求める方法にはいくつか方法があるが、ここでは最急降下法(LMS: Least Means Squares)を用いた例を示す。この手法では、アダプティブアンテナ装置は予め既知の所望波に含まれる信号系列である参照信号r(t)を予め格納しており、受信された無線信号に含まれる信号系列が参照信号に近くなるように制御する。ここでは、一例としてコントローラ6に参照信号r(t)が予め格納されている場合を示す。具体的には、コントローラ6は、無線ディジタル信号x(t)に対して、振幅量と移相量の成分を持った重み付け係数w(t)を乗算するように受信アダプティブ制御回路2を制御する。この重み付け係数w(t)を無線ディジタル信号x(t)に乗算した乗算結果と、参照信号r(t)との残差e(t)について次式を用いて求める。
[数2]
e(t)=r(t)−w(t)×x(t) (2)
ここで、残差e(t)は正又は負の値をとる。従って、式(2)により求めた残差e(t)の2乗した値の最小値を漸化的に繰り返し計算により求める。すなわち、複数(m+1)回目の繰り返し計算により得られた重み付け係数w(t,m+1)はm回目の重み付け係数w(t,m)を用いて次式により得られる。
[数3]
w(t,m+1)=w(t,m)+u×x(t)×e(t,m) (3)
ここで、uはステップサイズと呼ばれ、ステップサイズuが大きいと重み付け係数wが最小値に収束する繰り返し計算回数が少なくなるという利点があるが、ステップサイズuが大き過ぎると最小値付近で振動してしまうという欠点がある。従って、ステップサイズuの選定にはシステムにより十分注意する必要がある。逆に、ステップサイズuを小さくすることにより重み付け係数wは安定して最小値に収束する。しかしながら、繰り返し計算回数は増加する。繰り返し計算数が増加すると重み付け係数を求めるのに長い時間がかかる。仮に、重み付け係数wの算出時間が周囲環境の変化時間(例えば、数ミリ秒)よりも遅い場合には、この重み付け係数wによる信号品位の改善は不可能となる。そこで、ステップサイズuを決定する場合にはできるだけ高速かつ安定な収束の条件を選ぶ必要がある。また、残差e(t,m)は次式により定義される。
[数4]
e(t,m)=r(t)−w(t,m)×x(t) (4)
この式(4)の値を用いて式(3)を漸化的に更新する。なお、重み付け係数wを求めるための最大繰り返し計算回数は、重み付け係数算出時間が無線システムの切り替え時間よりも遅くならないように設定する。
ここでは、一例として最急降下法に基づく無線通信システムのアダプティブ制御のための判定法を説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、より早く判定が可能なRLS(Recursive Least-Squares)法、SMI(Sample Matrix inversion)法を用いることも可能である。この方法により判定は早くなるが、判定器9における計算が複雑になる。また、信号系列の変調方式がディジタル位相変調のような一定の包絡線を持つような低包絡線変調である場合には、CMA(Constant Modulus Algorithm)を使用することも可能である。
次いで、本実施形態で用いることができる種々のアダプティブ制御法について、以下に説明する。ここでは、以下の3つのアダプティブ制御法について説明する。
第1のアダプティブ制御法では、受信電力が大きくなるように、以下の数式で定義される評価関数yが最大になるように制御する。
[数5]
y=a・SNR (5)
式(5)において、SNRは受信電力と熱雑音の比である。また、aは予め決められた係数であり、評価関数yが評価しやすい大きさになるように定める。ここで、通常の無線通信システムでは通信可能な状態におけるSNRは正の実数であるので、係数aを正の実数とすることにより、評価関数値yは正の実数とすることができる。
また、評価関数値yを最大化する方法としては、例えば、摂動法が公知である。時刻(n−1)Tにおける評価関数をy((n−1)T)とし、リアクタンス値をΔX((n−1)T)だけ変化させた後の時刻(nT)における評価関数をy(nT)とする。ここで、nは初期値1から最大摂動回数Nまでの時刻パラメータの整数であり、Tは摂動に必要な時間(摂動周期)である。y(0)はリアクタンス値の摂動を行う前を表す。ここで、一例として時刻(nT)における評価関数y(nT)を次式に示す。
[数6]
y(nT)=a・SNR(nT) (6)
このとき、摂動量の差分y(nT)−y((n−1)T)が正の場合には、次に変化させるリアクタンス値の摂動量ΔX(nT)を前回の摂動量ΔX((n−1)T)のときと同様に変化させる。例えば、摂動量ΔX((n−1)T)が正で増加の場合には摂動量ΔX(nT)も正として増加させる。逆に、摂動量ΔX((n−1)T)が負で減少の場合には摂動量ΔX(nT)も負で減少させる。また、摂動量の差分y(nT)−y((n−1)T)が負の場合には、摂動量ΔX(nT)を摂動量ΔX((n−1)T)のときと逆に変化させる。例えば、摂動量ΔX((n−1)T)が正で増加させる場合には、摂動量ΔX(nT)は負として減少させる。逆に、摂動量ΔX((n−1)T)が負で減少させる場合には摂動量ΔX(nT)は正で増加させる。これを繰り返すことにより評価関数yを最大化させることができる。
また、各摂動量の振幅値(絶対値)|ΔX(nT)|を同じにすることにより制御の簡便化が図れる。一方、摂動量の振幅(絶対値)|ΔX(nT)|を摂動回数とともに小さくすることにより、より細かなリアクタンス値を得ることができ、制御の高精度化が図れる。摂動量の振幅の減少法の一例を示す。次式において、cとdは予め決められた正の実定数である。
[数7]
|ΔX(nT)|=c/n (7)
[数8]
|ΔX(nT)|=a・exp(−d・n) (8)
さらに、時刻パラメータnを1から変化させた場合に、摂動量の差分y(nT)−y((n−1)T)の符号が変化した場合に摂動を中止して、リアクタンス値Xを、X=j(X+ΔX((n−1)T))に設定する。ここで、Xはリアクタンス値の初期値である。これにより、最大摂動回数Nまで摂動を行うことを避けることにより高速化が図れる。
また、受信電力は変化範囲が大きいために、RSSI(Received Signal Strength Indicator;受信信号強度表示信号)等はデシベルの単位で得られることが多い。そこで、上記式(5)を次式のようにデシベル表記で表すことにより、これを回避することが可能になる。
[数9]
y=a・10・log10(SNR) (9)
次いで、第2のアダプティブ制御法について以下に説明する。当該第2のアダプティブ制御法では、ビット誤り率BERが小さくなるように、以下の数式で定義される評価関数yが最大になるように制御する。
[数10]
y=b/(BER) (10)
上記式(10)において、bは予め決められた係数であり、評価関数yが評価しやすい大きさになるように定める。ここで、誤り率BERは正の実数であるので、係数bを正の実数とすることにより、評価関数値yを正の実数とすることができる。誤り率BERは通信品質が良くなるにつれて小さくなるために、評価関数yとして式(10)のように逆数をとることが好ましい。
なお、評価関数yを最大化する方法としては、第1のアダプティブ制御法の受信電力の場合と同様である。また、誤り率BERは例えば0.5から10−6までの範囲を評価する場合もあり、非常に変化幅が広い。そこで、上記式(10)を次式のようにデシベル表記で表すことにより、変化幅を狭くすることもできる。
[数11]
y=b/{10・log10(BER)} (11)
さらに、第3のアダプティブ制御法について以下に説明する。第3のアダプティブ制御法では、受信電力が大きく、かつ誤り率BERも小さくなるように、次式で定義される評価関数yが最大になるように制御する。
[数12]
y=a・SNR+b/BER (12)
上記式(12)において、SNRは受信電力と熱雑音の比である。また、aとbは予め決められた重み付け係数であり、係数aと係数bの比を変化させることにより、SNRとBERに対する重要度を決めることができる。例えば、受信電力を重視する場合にはa/bを大きくし、逆に誤り率BERを重視する場合にはa/bを小さくする。ここで、SNRとBERは正の実数であるので、係数aと係数bを正の実数とすることにより、評価関数値yを正の実数とすることができる。
なお、評価関数値yを最大化する方法としては、第1のアダプティブ制御法の受信電力の場合と同様である。また、受信電力は変化範囲が大きいために、RSSI等、デシベルで得られることが多い。また、誤り率BERは例えば0.5から10−6までの範囲を評価する場合もあり、非常に変化幅が広い。そこで、上記式(12)を次式のようにデシベル表記で表すことにより、変化幅を狭くすることもできる。
[数13]
y=a・10・log10(SNR)−b・{10・log10(BER)} (13)
上記第1乃至第3のアダプティブ制御法において、評価関数値yを最大化する方法としては、摂動法に限られるものではない。上記式(5)、式(9)、式(10)、式(11)の右辺の逆数をとり、最小化する制御も可能である。この場合、式(12)と式(13)は右辺の項をそれぞれ逆数にする。さらに、これら第1乃至第3のアダプティブ制御法の選択方法としては、以下のように選択することが好ましい。
(1)第1のアダプティブ制御法は、受信電力が非常に小さい場合、例えば最小受信感度に近い場合に、無線通信を確保するために受信電力を最優先にするときに選択する。
(2)第2のアダプティブ制御法は、受信電力に余裕がある場合に選択する。
(3)第3のアダプティブ制御法は、通常のデータ通信や電話通信時に選択する。
さらに、上記のパラメータにおいて所定のしきい値を設けて切り替えることも可能である。これら第1乃至第3のアダプティブ制御法の選択処理については、図6を参照して詳細後述する。
図2は図1のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第1の実施形態に係る受信アダプティブ制御処理を示すフローチャートである。
図2のステップS1において、可変リアクタンス素子12のリアクタンス値Xを所定の初期値Xに設定される。この初期値Xの設定は、好ましくは、通話が主目的の無線通信システムの場合には通話時(例えば、頭部近接時)にアンテナ装置の放射特性が良くなるように定める。また、データ通信が主目的の無線システムの場合には、好ましくは、データ通信使用時(例えば、胴体前方に手で保持、もしくは胴体から離れているため自由空間時)にアンテナ装置の放射特性が良くなるように定める。しかしながら、本発明はこれに限らず、X=0などの所定値を設定してもよい。次いで、ステップS2においてA/D変換回路5から各アンテナ素子1a,1bの受信データを取得し、ステップS3において、取得された受信データに基づいて受信アダプティブ制御回路2において受信アダプティブ制御すべき振幅量と移相量を計算する。そして、ステップS4において、計算された振幅量と移相量に基づいて受信アダプティブ制御回路2を制御し、ステップS5において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品位を取得する。次いで、ステップS6において信号品位は所定のしきい値以上(例えば、誤り率BER>10−5であり、以下同様である。)であるか否かが判断され、YESのときはステップS7に進む一方、NOのときはステップS8に進む。ステップS7では、ステップS4のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、ステップS1に戻る。
ステップS8において、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる可変リアクタンス素子12の素子値Xを所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定する。ここで、用いるアダプティブ制御法は、例えば、詳細後述する図6のアダプティブ制御法の選択処理により選択されたアダプティブ制御法を用いる。次いで、ステップS9において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品位を取得し、ステップS10において信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS11に進む一方、NOのときはステップS8に戻る。ステップS11では、ステップS8のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、ステップS1に戻る。
ところで、アダプティブアンテナ装置が抑圧できる干渉波の数は、アンテナ素子数から1を引いた数であり、これよりも多い場合には全ての干渉波を抑圧することができない。しかしながら、第1の実施形態に係る受信アダプティブ制御処理により、例えば、干渉波の数がアンテナの数よりも多い場合にも無給電素子11に接続された可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を制御することにより抑圧することができる。また、干渉波がない場合においても、所望波の受信電力が弱いために所望の信号品位が得られない場合にも、無給電素子11に接続された可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を制御することにより、所望波の信号電力を増加させ、信号品位を改善することができる。以上のように、受信アダプティブ制御回路2内の可変利得増幅器3a,3b及び移相器4a,4bの制御に加えて、無給電素子11に接続された可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を制御することにより、常に最良の信号品位を取得することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、受信アダプティブ制御回路2を用いてアダプティブ制御して所定のしきい値以上の信号品位を得ることができないときは、可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を変化させて適応制御するので、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
以上の第1の実施形態において、2本のアンテナ素子1a,1bと、1本の無給電素子11とを備えているが、本発明はこれに限らず、複数本のアンテナ素子と、少なくとも1本(すなわち、1本又は複数本)の無給電素子を備えてもよい。
以上の第1の実施形態において、受信アダプティブ制御回路2を用いてアダプティブ制御して所定のしきい値以上の信号品位を得ることができないときは、可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を変化させて適応制御しているが、本発明はこれに限らず、リアクタンス制御を実行して所定のしきい値以上の信号品位を得ることができないときは、受信アダプティブ制御回路2を用いてアダプティブ制御してもよい。
以上の実施形態において、受信電力レベル検出器10は、受信信号の受信電力レベルを検出しているが、本発明はこれに限らず、信号電力レベル、信号電圧レベルなどを含む信号レベルを検出してもよい。
第1の実施形態の第1の変形例.
図3乃至図5は、図1のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第1の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理を示すフローチャートである。
図3のステップS21において、可変リアクタンス素子12のリアクタンス値Xを、図2のステップS1と同様に、所定の初期値Xに設定し、ステップS22において、受信アダプティブ制御回路2において初期値の振幅量と移相量を設定する。次いで、ステップS23において、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる可変リアクタンス素子12の素子値Xを所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定する。そして、ステップS24において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品位を取得し、ステップS25において信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS26に進む一方、NOのときは図4のステップS27に進む。ステップS26では、ステップS23のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、ステップS21に戻る。
図4のステップS27において、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる移相器4aの移相量を、所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定し、ステップS28において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品位を取得する。そして、ステップS29において、信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS30に進む一方、NOのときはステップS31に進む。ステップS30では、ステップS27のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、図3のステップS21に戻る。次いで、ステップS31において、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる移相器4bの移相量を、所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定し、ステップS32において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品位を取得する。そして、ステップS33において信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS34に進む一方、NOのときは図5のステップS35に進む。ステップS34では、ステップS31のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、図3のステップS21に戻る。
次いで、図5のステップS35において、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる可変利得増幅器3aの振幅量を、所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定し、ステップS36において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品位を取得する。そして、ステップS37において、信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS38に進む一方、NOのときはステップS39に進む。ステップS38では、ステップS35のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、図3のステップS21に戻る。次いで、ステップS39において、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる可変利得増幅器3bの振幅量を、所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定し、ステップS40において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品位を取得する。そして、ステップS41において、信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS42に進む一方、NOのときは図3のステップS21に戻る。ステップS42では、ステップS39のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、図3のステップS21に戻る。
以上説明したように、第1の実施形態の第1の変形例によれば、可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を変化させて適応制御したとき、所定のしきい値以上の信号品位を得ることができないときは、受信アダプティブ制御回路2内の移相器4a,4bの各移相量及び可変利得増幅器3a,3bの各振幅量を順次選択的に選択して最適値に変更してアダプティブ制御し、それをまた繰り返すように制御したので、可変リアクタンス素子12のみならず、各アンテナ素子1a,1bで受信された無線信号の振幅量と移相量とを最適に設定することができる。それ故、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
第1の実施形態の第2の変形例.
図6は図1のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第1の実施形態の第2の変形例に係るアダプティブ制御法の選択処理を示すフローチャートである。当該アダプティブ制御法の選択処理は、本明細書で開示された各受信アダプティブ制御処理に先立って、上述の3つのアダプティブ制御法から最適な1つの方法を選択するための処理である。なお、当該選択処理では、最小受信感度の受信電力近傍であってその受信電力よりも所定のマージンだけ高く設定される第1のしきい値Pth1と、最小受信感度の受信電力よりの十分に高く設定される(受信信号レベルが変動しても、無線通信に支障なく動作可能な受信電力である。)第2のしきい値Pth2(>Pth1)とを用いる。
図6のステップS101において、A/D変換回路5からの各受信信号の最大受信電力Prmaxを取得し、ステップS102においてPrmax<Pth1であるか否かが判断され、YESのときはステップS103に進む一方、NOのときはステップS104に進む。ステップS103では、確実に無線通信を実行するために、第1のアダプティブ制御法を選択し、当該選択処理を終了する。次いで、ステップS104においてPth1≦Prmax<Pth2であるか否かが判断され、YESのときはステップS105に進む一方、NOのときはステップS106に進む。ステップS105では、ある程度の受信電力で無線信号を受信して余裕があるので、第2のアダプティブ制御法を選択し、当該選択処理を終了する。ステップS106では、ほとんど最大の受信電力の無線信号を受信しているので、ほとんど問題なく通常の高速通信などを実行できるので、第3のアダプティブ制御法を選択し、当該選択処理を終了する。
以上説明したように、第1の実施形態の第2の変形例に係るアダプティブ制御法の選択処理によれば、受信電力に依存して最適なアダプティブ制御法を選択することができる。
第2の実施形態.
図7は本発明の第2の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置は、図7に示すように、図1の第1の実施形態に比較して、以下の点が異なる。
(1)受信アダプティブ制御回路2において、可変リアクタンス素子12を除外し、受信アダプティブ制御回路2と復調器8とにより、例えば携帯電話機のための第1の無線受信回路52aを備える。
(2)無給電素子又はアンテナ素子として動作する素子11に接続されるスイッチSW1と、可変リアクタンス素子12と、復調器8bとを備え、例えばテレビジョン受像機のための第2の無線受信回路52bを備える。
(3)コントローラ6は、第1の無線受信回路52a内の受信アダプティブ制御回路2の可変利得増幅器3a,3b及び移相器4a,4bを適応制御するとともに、第2の無線受信回路52b内の可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を適応制御する。
以下、上記の相違点について詳述する。図7において、素子11により受信された無線信号は、スイッチSW1の接点a側及び可変リアクタンス素子12を介して接地されるとともに、スイッチSW1の接点b側を介して復調器8bに入力される。復調器8bは、入力される無線信号を所定のディジタル復調方法を用いて復調して、出力端子T2を介して出力する。
以上のように構成されたアダプティブアンテナ装置において、第1の無線受信回路52aを用いて無線信号を受信するときは、スイッチSW1を接点a側に切り換える。このとき、無給電素子11に接続された可変リアクタンス素子12の素子値をリアクタンス制御することができ、第1の実施形態と同様の動作となる。一方、第2の無線受信回路52bを用いて無線信号を受信するときは(アンテナ素子1a,1bを用いて受信信号を受信しないとき)、スイッチSW1を接点b側に切り換える。このとき、無給電素子11はアンテナ素子となり、当該アンテナ素子により受信された無線信号はスイッチSW1の接点b側を介して復調器8bに入力され、復調器8bは、入力される無線信号を所定のディジタル復調方法を用いて復調して、復調後のベースバンド信号を出力端子T2を介して出力する。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、小型な移動体無線通信端末装置において、互いに異なる無線通信システムのための無線受信回路52a,52bを選択的に切り換えて、効率よく適応制御できる無線通信装置を実現できる。
第3の実施形態.
図8は本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第3の実施形態は、図8に示すように、図1の第1の実施形態に比較して、以下の点が異なる。
(1)受信アダプティブ制御回路2は、3つのアンテナ素子1a,1b,1cにそれぞれ接続された3つのスイッチSW11,SW12,SW13からなるスイッチ回路13と、各スイッチSW11,SW12,SW13の接点a側にそれぞれ接続された3つの可変リアクタンス素子12a,12b,12cと、各スイッチSW11,SW12,SW13の接点b側にそれぞれ接続された3組の可変利得増幅器及び移相器(3a,4a)(3b,4b)(3c,4c)とを備える。以下、上記相違点について以下に詳述する。
図8において、アンテナ素子1aにより受信された無線信号は、スイッチSW11の接点a側及び可変リアクタンス素子12aを介して接地されるとともに、スイッチSW11の接点b側、可変利得増幅器3a及び移相器4aを介して信号合成器7に入力される。また、アンテナ素子1bにより受信された無線信号は、スイッチSW12の接点a側及び可変リアクタンス素子12bを介して接地されるとともに、スイッチSW12の接点b側、可変利得増幅器3b及び移相器4bを介して信号合成器7に入力される。さらに、アンテナ素子1cにより受信された無線信号は、スイッチSW13の接点a側及び可変リアクタンス素子12cを介して接地されるとともに、スイッチSW13の接点b側、可変利得増幅器3c及び移相器4cを介して信号合成器7に入力される。なお、スイッチSW11,SW12,SW13はさらにそれぞれ、A/D変換回路5において受信信号をA/D変換するときに各アンテナ素子1a,1b,1cとA/D変換回路5の入力端との間でインピーダンス整合できるように、開放端子の接点cを有する。ここで、コントローラ6は、受信アダプティブ制御回路2内のスイッチSW11,SW12,SW13の切り換え、3組の可変利得増幅器及び移相器(3a,4a)(3b,4b)(3c,4c)の振幅量及び移相量を、以下に詳述するように適応制御する。
図9及び図10は図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態に係る受信アダプティブ制御処理を示すフローチャートである。
図9のステップS51において、まず、スイッチSW11を接点c側に切り換え、スイッチSW12を接点c側に切り換え、スイッチSW13を接点c側に切り換える。また、各可変リアクタンス素子12a,12b,12cの各リアクタンス値X(i=1,2,3)にはそれぞれ、第1の実施形態と同様に予め決められた初期値Xが初期設定される。次いで、ステップS52において、受信アダプティブ制御回路2内の可変利得増幅器3a,3b,3cの各振幅量を初期値1に設定し、移相器4a,4b,4cの各移相量を初期値0に設定した後、ステップS53において、A/D変換回路5から各アンテナ素子1a,1b,1cにより受信された受信信号の受信電力レベルを検出する。そして、ステップS54において、最大の受信電力レベルを有する受信信号を受信した1本のアンテナ素子を選択し、ステップS55において、選択されたアンテナ素子に接続されたスイッチ(SW11,SW12,SW13のうちの1つ)を接点b側に切り換え、未選択の2本のアンテナ素子にそれぞれ接続された2つのスイッチを接点a側に切り換える。また、ステップS56において、復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品質を取得し、ステップS57において、信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS58に進む一方、NOのときはステップS59に進む。ステップS58では、ステップS56の状態で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、ステップS51に戻る。
次いで、ステップS59において、最大の受信電力レベルを有する受信信号を受信した1本のアンテナ素子と、2番目の受信電力レベルを有する受信信号を受信した1本のアンテナ素子とを選択し、ステップS60において、選択された2本のアンテナ素子に接続されたスイッチ(SW11,SW12,SW13のうちの2つ)を接点c側に切り換え、未選択の1本のアンテナ素子に接続された1つのスイッチを接点a側に切り換える。そして、ステップS61において、A/D変換回路5から、上記選択された2本の各アンテナ素子により受信された受信信号の受信データを取得し、ステップS62において、上記選択された2本のアンテナ素子に接続された2つのスイッチを接点b側に切り換えた後、取得された受信データに基づいて受信アダプティブ制御回路2において受信アダプティブ制御すべき振幅量と移相量を計算し、計算された振幅量と移相量に基づいて、受信アダプティブ制御回路2を制御する。さらに、ステップS63において、復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品質を取得し、ステップS64において、信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS65に進む一方、NOのときは図10のステップS66に進む。ステップS65では、ステップS63の状態で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、ステップS51に戻る。
図10のステップS66では、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる、選択されなかった1本のアンテナ素子に接続された可変リアクタンス素子(12a,12b,12cのうちの1つ)の素子値Xを、所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定した後、ステップS67において、復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品質を取得する。ここで、可変リアクタンス素子の素子値Xをリアクタンス制御することにより、よりよいアダプティブアンテナ装置の放射パターンを得ることができる。そして、ステップS68において、信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS69に進む一方、NOのときはステップS70に進む。ステップS69では、ステップS66のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、図9のステップS51に戻る。ステップS70では、図11の3本のアンテナ素子を用いた受信アダプティブ処理を実行した後、図9のステップS51に戻る。
図11は図10のサブルーチンである3本のアンテナ素子を用いた受信アダプティブ処理(ステップS70)を示すフローチャートである。
図11のステップS71において、3本のアンテナ素子1a,1b,1cにそれぞれ接続されたスイッチSW11,SW12,SW13を接点c側に切り換えた後、ステップS72において、A/D変換回路5から各アンテナ素子1a,1b,1cの受信データを取得する。次いで、ステップS73において、3本のアンテナ素子1a,1b,1cにそれぞれ接続されたスイッチSW11,SW12,SW13を接点b側に切り換えた後、取得された受信データに基づいて受信アダプティブ制御回路2において受信アダプティブ制御すべき振幅量と移相量を計算し、計算された振幅量と移相量に基づいて、受信アダプティブ制御回路2を制御し、ステップS74においてステップS73のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、元のメインルーチンに戻る。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、3本のアンテナ素子1a,1b,1cのうち、各アンテナ素子1a,1b,1cで受信された受信電力レベルのうち最大の受信電力レベルの受信信号を受信した1本のアンテナ素子で受信したときの信号品位が所定のしきい値以上でなく、また、最大と2番目の受信電力レベルの受信信号を受信した2本のアンテナ素子で受信したときの信号品位が所定のしきい値以上でなく所望の信号品位を得ることができないときは、可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を変化させて適応制御することにより、よりよい放射パターンを得ることができる。また、当該可変リアクタンス素子12のリアクタンス値の適応制御で所望の信号品位を得ることができないときは、3本のアンテナ素子1a,1b,1cを用いて受信アダプティブ処理を実行するので、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
第3の実施形態の第1の変形例.
図12乃至図14は図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理を示すフローチャートである。第3の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理は、図9及び図10の受信アダプティブ制御処理に比較して、以下の点が異なる。
(1)ステップS57のNOの場合と、ステップS59との間に、ステップS81からステップS91までの処理を挿入した。以下、上記相違点について詳述する。
図12のステップS57でNOであるときは、ステップS81において、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる、選択されなかった2本のアンテナ素子のうちの1本のアンテナ素子に接続された可変リアクタンス素子(12a,12b,12cのうちの1つ)の素子値Xを、所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定する。次いで、ステップS82において復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品質を取得し、ステップS83において信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS84に進む一方、NOのときは図13のステップS85に進む。ステップS84では、ステップS81のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、ステップS51に戻る。
図13のステップS85では、受信電力レベル検出器10からの受信電力又は判定器9からの信号品位に基づいて、所定の評価関数yが最大となる、選択されなかった2本のアンテナ素子のうちの残りの1本のアンテナ素子に接続された可変リアクタンス素子(12a,12b,12cのうちの1つ)の素子値Xを、所定のアダプティブ制御法を用いて計算して設定した後、ステップS86において、復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品質を取得する。そして、ステップS87において、信号品位は所定のしきい値以上であるか否かが判断され、YESのときはステップS88に進む一方、NOのときはステップS89に進む。ステップS88では、ステップS85のアダプティブ制御で当該無線通信装置の通信処理を実行した後、図12のステップS51に戻る。
ステップS89において、スイッチSW11を接点c側に切り換え、スイッチSW12を接点c側に切り換え、スイッチSW13を接点c側に切り換える。また、各可変リアクタンス素子12a,12b,12cの各リアクタンス値Xにはそれぞれ、第1の実施形態と同様に予め決められた初期値Xが初期設定される。次いで、ステップS90において、受信アダプティブ制御回路2内の可変利得増幅器3a,3b,3cの各振幅量を初期値1に設定し、移相器4a,4b,4cの各移相量を初期値0に設定する。そして、ステップS91において、A/D変換回路5から各アンテナ素子1a,1b,1cにより受信された受信信号の受信電力レベルを検出し、ステップS59に進む。当該ステップS59以降の処理は、第3の実施形態と同様である。
以上説明したように、第3の実施形態の第1の変形例によれば、第3の実施形態の作用効果に加えて、3本のアンテナ素子1a,1b,1cのうち、各アンテナ素子1a,1b,1cで受信された受信電力レベルのうち最大の受信電力レベルの受信信号を受信した1本のアンテナ素子で受信したときの信号品位が所望の信号品位が得られないときに、選択されなかった2本のアンテナ素子のうちの1本のアンテナ素子に接続された可変リアクタンス素子の素子値Xをリアクタンス制御し、このときの信号品位が所望の信号品位が得られないときに、さらに残りの1本の1本のアンテナ素子に接続された可変リアクタンス素子の素子値Xをリアクタンス制御する。従って、第3の実施形態に比較して、リアクタンス制御を併用することにより、よりよいアダプティブアンテナ装置の放射パターンを得ることができ、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
第3の実施形態の第2の変形例.
図15及び図16は図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第2の変形例に係る受信アダプティブ制御処理を示すフローチャートである。第3の実施形態の第2の変形例に係る受信アダプティブ制御処理は、図9及び図10の受信アダプティブ制御処理に比較して、以下の点が異なる。
(1)ステップS53及びS54に代えて、ステップS53A,S54Aを実行する。
(2)ステップS59に代えて、ステップS59A,S59Bを実行する。
以下、上記相違点について詳述する。
図15のステップS52の処理を実行した後、ステップS53Aにおいて、3つのスイッチSW11,SW12,SW13のうち1つのスイッチのみを接点b側に選択的に順次切り換える(他のスイッチは接点a側に切り換える)ことにより、3本のアンテナ素子1a,1b,1cのうちの各1本のアンテナ素子を選択して、選択した1本のアンテナ素子で受信信号を受信する各場合において、復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品質を取得する。次いで、ステップS54Aにおいて、最大の信号品質を有する受信信号を受信した1本のアンテナ素子を選択した後、ステップS55に進む。
図15のステップS57でNOであるときは、S59Aにおいて、3つのスイッチSW11,SW12,SW13のうち1つのスイッチのみを接点b側に選択的に順次切り換える(他のスイッチは接点a側に切り換える)ことにより、3本のアンテナ素子1a,1b,1cのうちの各1本のアンテナ素子を選択して、選択した1本のアンテナ素子で受信信号を受信する各場合において、復調器8により受信信号を復調し、判定器9により判定された信号品質を取得する。次いで、ステップS59Bにおいて、最大の信号品質を有する受信信号を受信した1本のアンテナ素子と、2番目の信号品質を有する受信信号を受信した1本のアンテナ素子とを選択した後、ステップS60に進む。
以上説明したように、第3の実施形態の第2の変形例によれば、3本のアンテナ素子1a,1b,1cのうちの最大の信号品位の受信信号を受信できる1本のアンテナ素子を選択して受信信号を受信し、所望の信号品位が得られないときに、最大の信号品位の受信信号と2番目の信号品位の受信信号とをそれぞれ受信できる2本のアンテナ素子を選択して受信信号を受信するように適応制御する。従って、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
第3の実施形態の第3の変形例.
図17乃至図19は図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第3の変形例に係る受信アダプティブ制御処理を示すフローチャートである。第3の実施形態の第3の変形例に係る受信アダプティブ制御処理は、第3の実施形態の第1の変形例と、第3の実施形態の第2の変形例との組み合わせであって、図12乃至図14の第3の実施形態の第1の変形例に比較して、以下の点が異なる。
(1)図12のステップS53,S54に代えて、図15のステップS53A,S54Aを実行する。
(2)図13のステップS89乃至S91及びS59に代えて、図15のステップS59A,S59Bを実行する。
以上の第3の実施形態の第3の変形例では、3本のアンテナ素子1a,1b,1cのうちの最大の信号品位の受信信号を受信できる1本のアンテナ素子を選択して受信信号を受信し、所望の信号品位が得られないときに、選択されなかった2本のアンテナ素子のうちの1本のアンテナ素子に接続された可変リアクタンス素子の素子値Xをリアクタンス制御し、このとき所望の信号品位が得られないときに、残りの1本のアンテナ素子に接続された可変リアクタンス素子の素子値Xをリアクタンス制御し、このとき所望の信号品位が得られないときに、3本のアンテナ素子1a,1b,1cのうちの最大の信号品位の受信信号を受信できる1本のアンテナ素子を選択して受信信号を受信する処理に移行する。従って、最大の信号品位の受信信号を受信できる1本のアンテナ素子を選択して受信信号を受信し、所望の信号品位が得られないときに、よりより放射パターンを得るようにリアクタンス制御するので、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
第3の実施形態の第4の変形例.
図20は図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第4の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の選択処理を示すフローチャートである。当該選択処理は、第3の実施形態及びその各変形例に係る受信アダプティブ制御処理のいずれを選択するかを決定するための処理であり、受信アダプティブ制御処理に先だって実行される。なお、図20において、高速制御時とは、音声以外の例えば映像などの大容量データをコントローラが処理している場合、コントローラの制御時間に余裕がない場合をいう。また、低速制御時とは、音声などの小容量データをコントローラが処理している場合、コントローラの制御時間に余裕がある場合をいう。さらに、しきい値Pth1は、図6の場合と同様で、最小受信感度の受信電力近傍であってその受信電力よりも所定のマージンだけ高く設定される第1のしきい値をいう。
図20のステップS201において、A/D変換回路5からの各受信信号の最大受信電力Prmaxを取得し、ステップS202においてPrmax<Pth1かつ高速制御時であるか否かが判断され、YESのときはステップS203に進む一方、NOのときはステップS204に進む。ステップS203では、図9〜図10の受信アダプティブ処理を選択して実行し、当該選択処理を終了する。次いで、ステップS204において、Prmax<Pth1かつ低速制御時であるか否かが判断され、YESのときはステップS205に進む一方、NOのときはステップS206に進む。ステップS205では、図12〜図14の受信アダプティブ処理を選択して実行し、当該選択処理を終了する。さらに、ステップS206においてPrmax≧Pth1かつ高速制御時であるか否かが判断され、YESのときはステップS207に進む一方、NOのときはステップS208に進む。ステップS207では、図15〜図16の受信アダプティブ処理を選択して実行し、当該選択処理を終了する。また、ステップS208では、図17〜図19の受信アダプティブ処理を選択して実行し、当該選択処理を終了する。
図20の選択処理を実行することにより、最大受信電力やコントローラの制御時間の余裕度(すなわち、高速制御時か、低速制御時か;さらには、使用する回路規模を限定する場合は、電源容量又は使用する電流容量の余裕度も関連する。)に依存して、第3の実施形態及びその各変形例に係る受信アダプティブ制御処理を適切に選択することができる。
第3の実施形態とその各変形例について.
第3の実施形態とその各変形例においては、3本のアンテナ素子1a,1b,1cを備えているが、本発明はこれに限らず、2本のアンテナ素子又は4本以上のアンテナ素子を備えてもよい。また、各アンテナ素子1a,1b,1cにそれぞれ対応するように、スイッチSW11,SW12,SW13を介した、3組の受信アダプティブ制御器(1組の受信アダプティブ制御器は可変利得増幅器と移相器とからなる。)と、可変リアクタンス素子12a,12b,12cとを設けているが、本発明はこれに限らず、各アンテナ素子1a,1b,1cの少なくとも一部に対応するように、3組の受信アダプティブ制御器(1組の受信アダプティブ制御器は可変利得増幅器と移相器とからなる。)と、可変リアクタンス素子12a,12b,12cとを設けてもよい。すなわち、少なくとも一部のアンテナ素子をスイッチを介さず受信アダプティブ制御器又は可変リアクタンス素子に直接に接続してもよい。
以上のように構成することにより、指向性アダプティブ制御に使用するアンテナ素子を使用状況に応じて選択することが可能になる。例えば、安定した高速通信が必要な場合や、複数の異なった干渉波が到来するような環境で、制御時間や電源容量に余裕のある場合は3本のアンテナ素子を指向性アダプティブ制御に使用する。これは、指向性アダプティブ制御では、使用するアンテナ素子の本数分の無線通信回路が必要となるために電力の消費量が多いためである。また、その他の場合では、2本のアンテナ素子を選択する場合や、制御時間や電源容量に余裕がない場合には1本のアンテナ素子を選択し、残りの2つを無給電素子に接続することも可能である。また、1本又は2本のアンテナ素子を使用する場合には、アンテナ素子の選択も重要になってくる。例えば、2本のアンテナ素子を選択する場合において、アンテナ素子間隔が一番離れたものを選択することによりアンテナ素子間の相関が低くなり、より高い信号品位が得られる。
第4の実施形態.
図21は本発明の第4の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第4の実施形態は、第1の実施形態の装置回路の一部をディジタル化したものであり、図1の第1の実施形態に比較して、以下の点が異なる。
(1)A/D変換回路5を、アンテナ素子1a,1bと、受信アダプティブ制御回路2との間に挿入した。
(2)受信アダプティブ制御回路2内の回路のうち、可変利得増幅器3a,3b及び移相器4a,4bをそれぞれディジタル化し、可変利得増幅器53a,53b及び移相器54a,54bとした。
以下、上記相違点について詳述する。
図21において、アンテナ素子1aで受信された無線信号はA/D変換回路5内のA/D変換器によりディジタル無線信号にA/D変換された後、コントローラ6に出力されるとともに、受信アダプティブ制御回路2内の可変利得増幅器53a及び移相器54aを介して信号合成器7に出力される。また、アンテナ素子1bで受信された無線信号はA/D変換回路5内のA/D変換器によりディジタル無線信号にA/D変換された後、コントローラ6に出力されるとともに、受信アダプティブ制御回路2内の可変利得増幅器53b及び移相器54bを介して信号合成器7に出力される。
以上のように構成された第4の実施形態によれば、A/D変換回路5によりディジタル化されたディジタル無線信号に対して指向性アダプティブ制御を行うことができ、受信された無線信号に対して、第1の実施形態と同様に適応制御できる。例えば、受信アダプティブ制御回路2内の回路のうち、可変利得増幅器53a,53b及び移相器54a,54b並びに加算器7の各処理をディジタル計算機のソフトウェア処理で実行してもよい。これにより、信号処理を高速化でき、消費電力を軽減できる。
第5の実施形態.
図22は本発明の第5の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第5の実施形態は、第2の実施形態の装置回路の一部をディジタル化したものであり、図7の第2の実施形態に比較して、以下の点が異なる。
(1)A/D変換回路5を、アンテナ素子1a,1bと、受信アダプティブ制御回路2との間に挿入した。
(2)受信アダプティブ制御回路2内の回路のうち、可変利得増幅器3a,3b及び移相器4a,4bをそれぞれディジタル化し、可変利得増幅器53a,53b及び移相器54a,54bとし、受信アダプティブ制御回路2aを構成した。
以下、上記相違点について詳述する。
図22において、アンテナ素子1aで受信された無線信号はA/D変換回路5内のA/D変換器によりディジタル無線信号にA/D変換された後、コントローラ6に出力されるとともに、受信アダプティブ制御回路2a内の可変利得増幅器53a及び移相器54aを介して信号合成器7に出力される。また、アンテナ素子1bで受信された無線信号はA/D変換回路5内のA/D変換器によりディジタル無線信号にA/D変換された後、コントローラ6に出力されるとともに、受信アダプティブ制御回路2a内の可変利得増幅器53b及び移相器54bを介して信号合成器7に出力される。
以上のように構成された第5の実施形態によれば、A/D変換回路5によりディジタル化されたディジタル無線信号に対して指向性アダプティブ制御を行うことができ、受信された無線信号に対して、第2の実施形態と同様に適応制御できる。例えば、受信アダプティブ制御回路2a内の回路のうち、可変利得増幅器53a,53b及び移相器54a,54b並びに加算器7の各処理をディジタル計算機のソフトウェア処理で実行してもよい。これにより、信号処理を高速化でき、消費電力を軽減できる。
第6の実施形態.
図23は本発明の第6の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第6の実施形態は、第3の実施形態の装置回路の一部をディジタル化したものであり、図8の第3の実施形態に比較して、以下の点が異なる。
(1)A/D変換回路5を、アンテナ素子1a,1b,1cと、受信アダプティブ制御回路2との間に挿入した。
(2)受信アダプティブ制御回路2内の回路のうち、可変利得増幅器3a,3b,3c及び移相器4a,4b,4cをそれぞれディジタル化し、可変利得増幅器53a,53b,53c及び移相器54a,54b,54cとした。
以下、上記相違点について詳述する
図23において、アンテナ素子1aで受信された無線信号はスイッチSW11の接点b側を介してA/D変換回路5内のA/D変換器に入力され、当該A/D変換器は入力された無線信号をディジタル無線信号にA/D変換した後、コントローラ6に出力するとともに、受信アダプティブ制御回路2a内の可変利得増幅器53a及び移相器54aを介して信号合成器7に出力する。また、アンテナ素子1bで受信された無線信号はスイッチSW12の接点b側を介してA/D変換回路5内のA/D変換器に入力され、当該A/D変換器は入力された無線信号をディジタル無線信号にA/D変換した後、コントローラ6に出力するとともに、受信アダプティブ制御回路2a内の可変利得増幅器53b及び移相器54bを介して信号合成器7に出力する。さらに、アンテナ素子1cで受信された無線信号はスイッチSW13の接点b側を介してA/D変換回路5内のA/D変換器に入力され、当該A/D変換器は入力された無線信号をディジタル無線信号にA/D変換した後、コントローラ6に出力するとともに、受信アダプティブ制御回路2a内の可変利得増幅器53c及び移相器54cを介して信号合成器7に出力する。
以上のように構成された第6の実施形態によれば、A/D変換回路5によりディジタル化されたディジタル無線信号に対して指向性アダプティブ制御を行うことができ、受信された無線信号に対して、第3の実施形態と同様に適応制御できる。例えば、受信アダプティブ制御回路2a内の回路のうち、可変利得増幅器53a,53b及び移相器54a,54b並びに加算器7の各処理をディジタル計算機のソフトウェア処理で実行してもよい。これにより、信号処理を高速化でき、消費電力を軽減できる。
別の変形例.
図24は別の変形例に係る、可変容量ダイオード55により構成された可変リアクタンス素子12,12a,12b,12cを示す回路図である。上記の実施形態及びその変形例において、可変リアクタンス素子12,12a,12b,12cをそれぞれ図24の可変容量ダイオード55で構成し、それに印加する逆バイアス電圧を変化することによりリアクタンス値を変化させてもよい。
図25は別の変形例に係る、4個のリアクタンス素子56a,56b,56c,56dと、これらのリアクタンス素子56a,56b,56c,56dを選択的に切り換えるスイッチSW31とにより構成された可変リアクタンス素子12,12a,12b,12cを示す回路図である。上記の実施形態及びその変形例において、可変リアクタンス素子12,12a,12b,12cをそれぞれ、図25に示すように、4個のリアクタンス素子56a,56b,56c,56dと、これらのリアクタンス素子56a,56b,56c,56dを選択的に切り換えるスイッチSW31とにより構成してもよい。ここで、リアクタンス素子56a,56b,56c,56dは、例えば、それぞれ固定された素子値を有するキャパシタ、インダクタなどの受動素子、又は可変容量ダイオードなどの能動素子である。なお、リアクタンス素子の個数は4個に限定されず、複数個であってもよい。
以上の実施形態においては、信号品位は判定器9から出力される、例えばビット誤り率BERであるが、本発明はこれに限らず、受信電力レベル検出器10からの受信電力レベルなどの信号レベルや信号品質尺度を信号品位として用いてもよい。
以上詳述したように、本発明に係るアダプティブアンテナ装置及びそれを用いた無線通信装置によれば、上記第1の適応制御処理と、上記第2の適応制御処理とのうちの一方の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき、所定の通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき、他方の適応制御処理を実行するように制御する。もしくは、上記複数のアンテナ素子のうちの一部を用いて、上記検出された各受信信号の信号レベルに基づいて、上記第1の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき所定の通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上でないとき上記第1の適応制御処理において用いたアンテナ素子以外のアンテナ素子を用いて上記第2の適応制御処理を実行するように制御する。それ故、例えば移動体無線システムにおいて用いる比較的低い周波数帯においても、より少ないアンテナ素子数で干渉波を抑圧することができ、常に最良の信号品位を有する無線信号を受信することができる。
本発明の第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。 図1のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第1の実施形態に係る受信アダプティブ制御処理を示すフローチャートである。 図1のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第1の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第1の部分を示すフローチャートである。 第1の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第2の部分を示すフローチャートである。 第1の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第3の部分を示すフローチャートである。 図1のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第1の実施形態の第2の変形例に係るアダプティブ制御法の選択処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。 図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態に係る受信アダプティブ制御処理の第1の部分を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る受信アダプティブ制御処理の第2の部分を示すフローチャートである。 図10のサブルーチンである3本のアンテナ素子を用いた受信アダプティブ処理を示すフローチャートである。 図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第1の部分を示すフローチャートである。 第3の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第2の部分を示すフローチャートである。 第3の実施形態の第1の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第3の部分を示すフローチャートである。 図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第2の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第1の部分を示すフローチャートである。 第3の実施形態の第2の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第2の部分を示すフローチャートである。 図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第3の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第1の部分を示すフローチャートである。 第3の実施形態の第3の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第2の部分を示すフローチャートである。 第3の実施形態の第3の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の第3の部分を示すフローチャートである。 図8のアダプティブアンテナ装置のコントローラ6によって実行される第3の実施形態の第4の変形例に係る受信アダプティブ制御処理の選択処理を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。 別の変形例に係る、可変容量ダイオード55により構成された可変リアクタンス素子12,12a,12b,12cを示す回路図である。 別の変形例に係る、4個のリアクタンス素子56a,56b,56c,56dと、これらのリアクタンス素子56a,56b,56c,56dを選択的に切り換えるスイッチSW31とにより構成された可変リアクタンス素子12,12a,12b,12cを示す回路図である。
符号の説明
1a,1b,1c…アンテナ素子、
2,2a…受信アダプティブ制御回路、
3a,3b,3c,53a,53b,53c…可変利得増幅器、
4a,4b,4c,54a,54b,54c…移相器、
5…A/D変換回路、
6…コントローラ、
7…信号合成器、
8,8b…復調器、
9…判定器、
10…受信電力レベル検出器、
11…無給電素子、
12,12a,12b,12c…可変リアクタンス素子、
13…スイッチ回路、
52a,52b…無線受信回路、
55…可変容量ダイオード、
56a,56b,56c,56d…リアクタンス素子、
SW1,SW11,SW12,SW13,SW31…スイッチ、
T1,T2…端子。

Claims (4)

  1. 複数のアンテナ素子と、
    可変リアクタンス素子が接続された少なくとも1本の無給電素子と、
    上記複数のアンテナ素子により受信された各受信信号に対してアダプティブ制御して、上記アダプティブ制御後の各受信信号を合成受信信号として出力する第1の適応制御処理を実行するアダプティブ制御手段と、
    上記無給電素子に接続された可変リアクタンス素子の素子値をリアクタンス制御する第2の適応制御処理を実行するリアクタンス制御手段と、
    上記合成受信信号の信号品位を検出する信号品位検出手段と、
    上記第1の適応制御処理と、上記第2の適応制御処理とのうちの一方の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき、所定の通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が上記しきい値以上でないとき、他方の適応制御処理を実行するように制御する装置制御手段とを備え
    上記第2の適応制御処理は互いに異なる複数のアダプティブ制御法を用いた適応制御処理を含み、
    上記装置制御手段は、各上記アンテナ素子によりそれぞれ受信された各受信信号の最大受信電力に基づいて、上記複数のアダプティブ制御法を用いた適応制御処理のうちの1つを選択して実行し、
    上記第2の適応制御処理は、
    (1)信号対雑音比を含む評価関数を最大又は最小になるように上記可変リアクタンス素子の素子値を制御する第1のアダプティブ制御法と、
    (2)ビット誤り率を含む評価関数を最大又は最小になるように上記可変リアクタンス素子の素子値を制御する第2のアダプティブ制御法と、
    (3)信号対雑音比とビット誤り率とを含む評価関数を最大又は最小になるように上記可変リアクタンス素子の素子値を制御する第3のアダプティブ制御法と
    を含み、
    上記装置制御手段は、上記最大受信電力が所定の第1のしきい値未満であるとき、上記第1のアダプティブ制御法を用いて上記第2の適応制御処理を実行し、上記最大受信電力が上記第1のしきい値以上でかつ上記第1のしきい値よりも大きい所定の第2のしきい値未満であるとき、上記第2のアダプティブ制御法を用いて上記第2の適応制御処理を実行し、上記最大受信電力が上記第2のしきい値以上であるとき、上記第3のアダプティブ制御法を用いて上記第2の適応制御処理を実行することを特徴とするアダプティブアンテナ装置。
  2. 上記複数のアンテナ素子により無線信号を受信しないとき、上記無給電素子から上記可変リアクタンス素子を切り離し、上記無給電素子により受信された受信信号を受信する別の受信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のアダプティブアンテナ装置。
  3. 上記装置制御手段は、上記第1の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上でないとき上記第2の適応制御処理を実行するように制御することを特徴とする請求項1記載のアダプティブアンテナ装置。
  4. 上記装置制御手段は、上記第2の適応制御処理を実行し、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上であるとき上記通信処理を実行する一方、上記検出された信号品位が所定のしきい値以上でないとき上記第1の適応制御処理を実行するように制御することを特徴とする請求項1記載のアダプティブアンテナ装置。
JP2007521184A 2005-04-13 2006-04-07 アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置 Active JP5053087B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007521184A JP5053087B2 (ja) 2005-04-13 2006-04-07 アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005115393 2005-04-13
JP2005115393 2005-04-13
PCT/JP2006/307473 WO2006112279A1 (ja) 2005-04-13 2006-04-07 アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置
JP2007521184A JP5053087B2 (ja) 2005-04-13 2006-04-07 アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006112279A1 JPWO2006112279A1 (ja) 2008-12-11
JP5053087B2 true JP5053087B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=37115005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007521184A Active JP5053087B2 (ja) 2005-04-13 2006-04-07 アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7324047B2 (ja)
EP (1) EP1876671B1 (ja)
JP (1) JP5053087B2 (ja)
CN (1) CN101199083B (ja)
WO (1) WO2006112279A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7856215B2 (en) * 2006-12-06 2010-12-21 Broadcom Corp. Method and system for using a multi-RF input receiver for diversity selection
US8208527B2 (en) * 2007-01-30 2012-06-26 California Institute Of Technology Scalable reconfigurable concurrent filter for wide-bandwidth communication
JP5119870B2 (ja) * 2007-11-09 2013-01-16 ブラザー工業株式会社 無線タグ通信装置及び無線タグ通信システム
JP4922956B2 (ja) * 2008-01-28 2012-04-25 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 無給電素子を備えたマルチアンテナ装置
JP2010258763A (ja) 2009-04-24 2010-11-11 Sony Corp 無線通信装置と無線通信方法とコンピュータ・プログラムおよび無線通信システム
JP5161854B2 (ja) * 2009-09-29 2013-03-13 株式会社日立メディアエレクトロニクス 受信装置、受信装置のアンテナ切替え回路、及び受信装置のチューナモジュール
US8421684B2 (en) 2009-10-01 2013-04-16 Qualcomm Incorporated Methods and apparatus for beam steering using steerable beam antennas with switched parasitic elements
GB0918477D0 (en) 2009-10-21 2009-12-09 Univ Birmingham Reconfigurable antenna
RU2450422C1 (ru) * 2011-05-13 2012-05-10 Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "ВОЕННАЯ АКАДЕМИЯ СВЯЗИ имени Маршала Советского Союза С.М. Буденного" Министерства обороны Российской Федерации Многоканальное адаптивное радиоприемное устройство
EP2735100A4 (en) * 2011-07-22 2015-04-15 Blackberry Ltd ADAPTIVELY OPTIMIZED METHOD AND SYSTEM FOR SELECTION OF PARASITIC ELEMENTS FOR INTELLIGENT RADIATION CONTROL
US9219308B2 (en) * 2011-07-22 2015-12-22 Blackberry Limited Adaptively optimized method and system of parasitic element selection for smart beam steering
US9759807B2 (en) * 2013-10-25 2017-09-12 Texas Instruments Incorporated Techniques for angle resolution in radar
CN105577298B (zh) * 2014-11-05 2018-10-16 辰芯科技有限公司 一种自适应相位检测方法及系统
US10382002B2 (en) * 2015-03-27 2019-08-13 Tdk Corporation Apparatus and methods for tunable phase networks
JP6881437B2 (ja) * 2016-04-19 2021-06-02 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法
JP6687243B2 (ja) * 2016-08-19 2020-04-22 富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社 無線通信装置
JP7123625B2 (ja) * 2018-05-22 2022-08-23 キヤノン株式会社 アンテナ装置
WO2020144750A1 (ja) * 2019-01-09 2020-07-16 三菱電機株式会社 アレーアンテナ装置
US11916639B2 (en) * 2020-03-12 2024-02-27 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Antenna apparatus and method in an antenna apparatus for selectively combining antenna outputs

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5087555A (ja) * 1973-12-06 1975-07-14
JP2005033410A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Sony Corp アンテナ装置
JP2005045464A (ja) * 2003-07-25 2005-02-17 Ntt Docomo Inc 無線受信機、無線送信機及びインピーダンス制御方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4977616A (en) 1987-11-30 1990-12-11 Motorola, Inc. Antenna selection control circuit
CA1292584C (en) * 1987-11-30 1991-11-26 Henry Ludwig Kazecki Antenna selection control circuit
JPH05300129A (ja) * 1992-04-20 1993-11-12 Hitachi Ltd ダイバーシチ受信装置
GB9901789D0 (en) * 1998-04-22 1999-03-17 Koninkl Philips Electronics Nv Antenna diversity system
US6678508B1 (en) 2000-02-07 2004-01-13 Ericsson Inc. Power conservation method for mobile communications device with two receivers
JP3716919B2 (ja) * 2001-08-20 2005-11-16 日本電信電話株式会社 マルチビームアンテナ
JP3672856B2 (ja) 2001-09-07 2005-07-20 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 アレーアンテナの制御方法
JP2004064743A (ja) 2002-06-05 2004-02-26 Fujitsu Ltd 適応アンテナ装置
JP4170100B2 (ja) * 2003-01-10 2008-10-22 富士通株式会社 適応アンテナを用いる通信機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5087555A (ja) * 1973-12-06 1975-07-14
JP2005033410A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Sony Corp アンテナ装置
JP2005045464A (ja) * 2003-07-25 2005-02-17 Ntt Docomo Inc 無線受信機、無線送信機及びインピーダンス制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101199083A (zh) 2008-06-11
JPWO2006112279A1 (ja) 2008-12-11
WO2006112279A1 (ja) 2006-10-26
US7324047B2 (en) 2008-01-29
CN101199083B (zh) 2012-04-04
EP1876671B1 (en) 2012-01-04
EP1876671A1 (en) 2008-01-09
EP1876671A4 (en) 2009-07-29
US20060246953A1 (en) 2006-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5053087B2 (ja) アダプティブアンテナ装置及び無線通信装置
JP4753884B2 (ja) アダプティブアンテナ装置
US8190104B2 (en) MIMO antenna apparatus changing antenna elements based on transmission capacity
JP5058153B2 (ja) アダプティブ制御装置
US8200301B2 (en) Mobile wireless communication apparatus having a plurality of antenna elements
US20140162566A1 (en) Modal cognitive diversity for mobile communication systems
JP5102301B2 (ja) 携帯無線通信装置
US20060232483A1 (en) Adaptive antenna apparatus including adaptive controller for adaptive controlling at least two antenna elements
KR20080104311A (ko) 다중 송수신 안테나들을 이용하여 무선 링크 버짓을 최대화하고 지연­확산을 감소하기 위한 적응형 빔­조정 방법들
US7071874B2 (en) Radio terminal device, transmission directivity control method, and transmission directivity control program
US6836244B2 (en) Radio reception apparatus capable of selecting from adaptive array reception mode and single route reception mode, and method and program for controlling adaptive array processing
US10931345B2 (en) Radio frequency beamforming calibration systems and methods
JP2008017098A (ja) Mimoアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置
US6940453B2 (en) Apparatus and method for calibrating reception signal in mobile communication system
KR100499472B1 (ko) 순방향 링크에서의 적응 어레이를 이용한 빔포밍 시스템
JP3597694B2 (ja) 適応アンテナ装置
JP4837638B2 (ja) Mimoアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置
US6449468B1 (en) Mobile radiocommunication terminal comprising at least two antennas with a diversity of polarizations for signal reception
JP2004128847A (ja) アンテナアレイを備えた携帯通信装置及びその方法
JP2007096824A (ja) 無線受信装置及び無線受信方法
JP2001028509A (ja) ダイバーシチ受信装置及び携帯端末
JP2006238229A (ja) アダプティブアレー受信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5053087

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250