JP2010258763A - 無線通信装置と無線通信方法とコンピュータ・プログラムおよび無線通信システム - Google Patents

無線通信装置と無線通信方法とコンピュータ・プログラムおよび無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】事前情報について信頼性の高い通信を行い、効率のよい無線通信を行うことができるようにする。
【解決手段】周波数チャネルF1を用いた第1の通信方式と第1の通信方式よりも高い周波数チャネルF2を用いた第2の通信方式で無線通信を行う。第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を第2の通信方式で送信する。第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信した無線通信装置は、ビームパターン毎の受信状況の観測を行い、受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信する。ビーム学習信号を送信した無線通信装置は、応答情報に基づき、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように通信を行うための事前情報を生成して第1の通信方式で送信する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、無線通信装置と無線通信方法とコンピュータ・プログラムおよび無線通信システムに関する。詳しくは、例えば、指向性アンテナのビームを通信相手の位置する方向に向けて、ミリ波を利用した通信を行う無線通信装置と無線通信方法とコンピュータ・プログラムおよび無線通信システムに関する。
無線通信では、短距離の無線アクセス通信や、画像伝送システム、簡易無線、自動車衝突防止レーダーなどを主な用途として、大容量・長距離伝送の実現や、無線装置の小型化、低コスト化など、利用促進に向けたミリ波通信の技術開発が行われている。ミリ波の波長は10mm〜1mm、周波数で30GHz〜300GHzに相当する。例えば、60GHz帯を使用する無線通信では、GHz単位でチャネル割り当てが可能であることから、非常に高速なデータ通信を行うことが可能となる。
ミリ波は、無線LAN(Local Area Network)技術などで広く普及しているマイクロ波と比較して、波長が短く強い直進性があり、非常に大きな情報量を伝送することができる。その反面、ミリ波は、反射に伴う減衰が激しいため、通信を行う無線のパスとしては、直接波や、せいぜい1回程度の反射波が主なものとなる。また、ミリ波は、伝搬損失が大きいために遠くまで無線信号が到達しない、という性質を持つ。
このようなミリ波の飛距離問題を補うために、送受信機のアンテナに指向性を持たせて、その送信ビーム並びに受信ビームを通信相手の位置する方向に向けて、通信距離を伸ばす方法が考えられる。ビームの指向性は、例えば送受信機にそれぞれ複数のアンテナを設け、アンテナ毎の送信重み若しくは受信重みを変化させることで制御することができる。ミリ波では、反射波はほとんど使用されず、直接波が重要になることから、ビーム形状の指向性が適しており、指向性として鋭いビームを使うことが考えられる。そして、アンテナの最適な指向性を学習した上で、ミリ波の無線通信を行うようにすればよい。
このようなミリ波通信では、例えば、電力線通信、光通信、音波通信のうちいずれか1つによる通信を利用した第2の通信手段によって送信アンテナの指向性方向を決定するための信号を伝送して、送信アンテナの方向を決定する。また、アンテナの方向の決定後、10GHz以上の電波を用いた第1の通信手段によって送受信機間の無線伝送をする無線伝送システムについて提案がなされている(例えば、特許文献1,2を参照)。
また、ミリ波帯を使用する無線PAN(mmWPAN:millimeter-wave Wireless Personal Area Network)の標準規格であるIEEE802.15.3cにも、アンテナの指向性を利用して通信距離を伸ばす方法が適用されている。
特許第3544891号公報 特許第3333117号公報
ところで、送受信機のアンテナに指向性を持たせ、その送信ビーム並びに受信ビームを通信相手の位置する方向に向けて通信を行う無線通信システムにおいても、無線通信を行う際にシステム内で干渉が生じると再送という無駄な処理が発生する。したがって、送受信のスケジュール等を示す情報(以下「事前情報」という)を無線通信装置に予め通信前に供給しておけば、事前情報に基づいて無線通信を行うことで、再送を生じさせることなく効率のよい通信を行うことが可能となる。しかし、事前情報の無線通信が高い信頼性を有していないと、無駄な処理を発生させることなく効率のよい無線通信を行うことができない。
そこで、この発明では、事前情報について信頼性の高い通信を行い、効率のよい無線通信を行うことができる無線通信装置と無線通信方法とコンピュータ・プログラム、および無線通信システムを提供することを目的とする。
この発明の第1の側面は、第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信するビーム学習信号生成部と、前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得する応答情報取得部と、前記応答情報に基づいて干渉がないように無線通信を行うための事前情報を生成して、該事前情報を前記第1の無線通信部から送信する事前情報生成部とを備える無線通信装置にある。
この発明においては、例えば10GHz未満の周波数チャネルである第1の通信方式と10GHz以上の周波数チャネルである第2の通信方式で無線通信が行われる。また、いずれのビームパターンで送信されたか識別可能とするビーム学習信号が生成されて、このビーム学習信号が第2の通信方式で、ビーム学習信号に応じたビームパターンで送信される。さらに、ビーム学習信号に対して応答された応答情報に基づき、第2の通信方式で複数の無線通信が同時に行われるように通信スケジュールが設定されて、この通信スケジュールを含む事前情報が第1の通信方式で、複数の無線通信装置に対して同時または個別に送信される。
この発明の第2の側面は、第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況の観測を行う受信状況観測部と、前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させる応答情報生成部とを備える無線通信装置にある。
この発明においては、第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信したとき、ビームパターン毎の受信状況の観測が行われて、受信状況が最適となるビームパターンを識別可能とする情報を含む応答情報が生成されて送信される。また、応答情報には通信可能な無線通信装置を示す情報が含められる。さらに、第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号の生成が行われて、応答情報とともに第2の通信方式で送信される。
この発明の第3の側面は、第1の無線通信部において、第1の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、第2の無線通信部において、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、ビーム学習信号生成部において、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信するステップと、応答情報取得部において、前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得するステップと、事前情報生成部において、前記応答情報に基づき、前記第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して、前記事前情報を前記第1の無線通信部から送信するステップとを有する無線通信方法にある。
この発明の第4の側面は、第1の無線通信部において、第1の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、第2の無線通信部において、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、受信状況観測部において、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測するステップと、応答情報生成部において、前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させるステップとを有する無線通信方法にある。
この発明の第5の側面は、第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部を備えた通信装置における通信処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、前記第1の通信方式にしたがって前記第1の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって前記第2の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信する手段と、前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得する手段と、前記応答情報に基づき、前記第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して、前記事前情報を前記第1の無線通信部から送信させる手段として機能させるためのコンピュータ・プログラムにある。
この発明の第6の側面は、第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部を備えた通信装置における通信処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、前記第1の通信方式にしたがって前記第1の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって前記第2の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測する手段と、前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させる手段として機能させるためのコンピュータ・プログラムにある。
この発明の第7の側面は、第1の通信方式と、第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式を用いて通信を行う複数の無線通信装置で構成されて、前記複数の無線通信装置は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置を有し、前記第1の無線通信装置は、前記第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信するビーム学習信号生成部と、前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得する応答情報取得部と、前記応答情報に基づき、前記第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して、前記事前情報を前記第1の無線通信部から送信する事前情報生成部を備え、前記第2の無線通信装置は、前記第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測する受信状況観測部と、前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させる応答情報生成部とを備える無線通信システムにある。
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
この発明によれば、第1の通信方式と第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式を用いて無線通信を行い、第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号が第2の通信方式で送信される。後述のとおり、第1の通信方式の周波数帯は第2の通信方式の周波数帯より低いことが望ましい。この送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報に基づき、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報が生成されて、この事前情報が第1の無線通信部で送信される。また、第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信した無線通信装置では、ビームパターン毎の受信状況の観測が行われて、受信状況の観測結果に基づいて応答情報が生成されて送信される。
このため、ビーム学習信号と応答情報に基づきビームパターンを最適に設定して第2の通信方式で通信を行うことができる。また、応答情報に基づき、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報が生成されて、この事前情報が例えば第2の通信方式よりも低い周波数帯である第1の通信方式で送信されるので、第2の通信方式を用いた場合に比べて高い信頼性で事前情報の通信を行うことができる。さらに、複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報が生成されているので、事前情報に基づき第2の通信方式で複数の無線通信を行っても干渉を生じることがなく、効率のよい無線通信を行うことができる。
無線通信システムの構成例を示す図である。 無線通信装置20の構成例を示す図である。 無線通信装置30の構成例を示す図である。 第2の通信方式を用いて応答情報の通信を行う場合の通信手順を例示した図である。 アンテナ202のビームパターンを例示した図である。 ビームパターンに応じてビーム学習信号系列を変更する場合の通信手順を例示した図である。 第1の通信方式を用いて応答情報の通信を行う場合の通信手順を例示した図である。 ビーム学習信号の通信と応答情報の通信を双方向で行った場合の通信手順を例示した図である。 時間効率の向上が可能な通信手順を例示した図である。 3台の無線通信装置で無線通信システムを構成した場合を示す図である。 5台の無線通信装置で無線通信システムを構成した場合を示す図である。 スケジュール用テーブルを例示した図である。 事前情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。 事前情報に基づいて通信を行う場合の通信手順(その1)を例示した図である。 事前情報に基づいて通信を行う場合の通信手順(その2)を例示した図である。 情報機器の構成例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明する。ミリ波を利用する無線通信システムは、複数の送受信アンテナを用い、鋭いアンテナ指向性(すなわち、ビーム形状のアンテナ指向性)を形成することで、その通信範囲を拡大することができる。しかし、通信相手の位置の方向にビームを向けることによって通信距離を伸ばすことができるものの、ビームを向けていない段階では、パケット同期をとることができない。例えば、ネットワークへの新規参入時や、端末の移動などにより通信相手との相対位置が変化したとき、パケット同期をとることができない。このため、パケットの到来を検知することさえできない。
そこで、本発明の無線通信システムでは、第1の通信方式と、第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の無線方式を併用して、最適なビームパターンを選択するために、送信側から1パケット毎に指向性を変えてパケットを第2の通信方式で送信する。受信側は、パケットを受信できたときに、送信側で望ましい指向性のビームパターンを使用したと推定する。また、望ましい指向性のビームパターンを用いて無線通信を行う前に、第1の通信方式を用いることで事前情報の通信を高い信頼性で行う。また、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報の生成を行う。
第1の通信方式は、例えば無線LAN規格として広範に普及しているIEEE802.11a/b/gで規定されているマイクロ波(5GHz帯等)を使用する。また、第2の通信方式は、第1の通信方式よりも高周波数帯、例えばVHT(Very High Throughput)規格で規定されているミリ波(60GHz帯)を使用する。
マイクロ波を使用する第1の通信方式は、ミリ波と比較して直進性が強くなく、反射時の減衰も小さいので、信頼性の高い事前情報の通信が可能となる。また、第2の通信方式は、ミリ波を使用するため、直進性が強く反射時の減衰の大きいことから、送信ビームおよび受信ビームを通信相手に向けて高い伝送レートで無線通信を行うことが可能となる。さらに、事前情報に基づいて無線通信を行うことにより、第2の通信方式で干渉を生じることなく複数の無線通信を行えるので、効率のよい無線通信が可能となる。なお、第1および第2の通信方式は、必ずしも5GHz帯や60GHz帯のように特定の周波数帯に限定されるものではない。また、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(2台の無線通信装置を用いた場合)
2.第2の実施の形態(3台以上の無線通信装置を用いた場合)
<1.第1の実施の形態>
[無線通信システムの構成]
図1は、無線通信システムの構成例を示している。無線通信システム10は、無線通信装置20と無線通信装置30からなる。
無線通信装置20,30は、上述した第1の通信方式および第2の通信方式の双方を用いて互いに無線通信することができるように構成されている。マイクロ波を使用する第1の通信方式は、ミリ波と比較して直進性が強くなく、反射時の減衰の小さい。したがって、無線通信装置20,30が第1の通信方式にしたがって無線通信を行うときには、送信ビームおよび受信ビームの指向性を考慮することなく互いに通信することができる。他方、第2の通信方式は、ミリ波を使用するため、直進性が強く反射時の減衰の大きい。無線通信装置20,30が第2の通信方式にしたがって無線通信を行うときには、送信ビームおよび受信ビームを通信相手にそれぞれ向けて無線信号を送受信することがより好ましい。
図2は、無線通信装置20の構成例を示している。無線通信装置20は、ブロードバンド・ルーターや無線アクセスポイントとして動作してもよい。
無線通信装置20は、アンテナ201,202と、送受信切換部203、周波数変換部204、指向性制御部205、ビーム学習信号生成部208、変復調部211、応答情報取得部212、事前情報生成部213を有している。また、無線通信装置20は、受信状況観測部215と送信データ符号化部221および受信データ復号化部222を有している。
アンテナ201は、第1の通信方式で無線通信を行うときに使用されるアンテナである。アンテナ201は、アンテナ202を用いて第2の通信方式で通信を行うための事前情報を、第1の通信方式にしたがって送信する。また、アンテナ201は、第1の通信方式で送信された信号を受信する。
アンテナ202は、第2の通信方式で無線通信を行うときに使用されるアンテナである。アンテナ202は、後述する指向性制御部205によって指向性が切り換え可能とされている。例えばアンテナ202を複数のアンテナで構成して、送受信に用いるアンテナを変更したり、信号の重み付けを調整することで指向性を切り換える。また、アンテナ202としてセクタ切り換えアンテナを用いて、セクタを変更することで指向性の切り換えを行うようにしてもよい。アンテナ202は、適切なビームパターンを学習するためのビーム学習信号や、高い伝送レートで伝送するデータ信号を、第2の通信方式にしたがって送信する。また、アンテナ202は、第2の通信方式で送信された情報データを受信する。
送受信切換部203は、周波数変換部204から供給された第1の通信方式の送信信号をアンテナ201、第2の通信方式の送信信号をアンテナ202に供給する。また、送受信切換部203は、アンテナ201で得られた第1の通信方式の受信信号と、アンテナ202で得られた第2の通信方式の受信信号を周波数変換部204に供給する。
周波数変換部204は、指向性制御部205から供給された送信信号を、第1の通信方式または第2の通信方式に対応した無線周波数の信号に変換して、送受信切換部203に出力する。また、周波数変換部204は、送受信切換部203から供給された無線周波数の信号を中間周波信号に変換して、指向性制御部205に出力する。
指向性制御部205は、アンテナ202のビームパターンを切り換える。また、指向性制御部205は、無線信号を送信するときに最適なアンテナ202のビームパターンの判別を行うとき、後述するビーム学習信号生成部208から供給されたビーム学習信号を周波数変換部204に出力する。なお、ビーム学習信号とは、最適なビームパターンの推測を行うときに送信する信号である。
指向性制御部205は、ビーム学習信号を送信する場合、アンテナ202のいずれのビームパターンで送信されたか識別可能となるようにビーム学習信号に対して処理を行う。指向性制御部205は、例えばビーム学習信号に対してアンテナ202のビームパターンに対応したパターン識別子を付加する。また、指向性制御部205は、例えばアンテナ202のビームパターンに応じてビーム学習信号系列を変更してもよい。このような処理を行うことで、ビーム学習信号を受信した無線通信装置では、受信信号のパターン識別子やビーム学習信号系列から送信側の無線通信装置におけるアンテナ202のビームパターンを判別できるようになる。なお、ビーム学習信号は、いずれのビームパターンで送信されたか識別可能に、ビーム学習信号生成部208で生成してもよい。
また、指向性制御部205は、周波数変換部204から供給された受信信号を変復調部211に出力する。また、無線信号の受信におけるアンテナ202の最適なビームパターンを判別するとき、指向性制御部205は、周波数変換部204から供給された受信信号と、アンテナ202のビームパターンを示す情報を受信状況観測部215に出力する。
ビーム学習信号生成部208は、アンテナ202の最適なビームパターンを推測するとき、ビーム学習信号を生成して指向性制御部205に出力する。
変復調部211は、アンテナ201,202で受信された信号の復調処理を行う。また、変復調部211は、アンテナ201,202から送信する信号の変調処理を行う。変復調部211は、アンテナ201で受信された信号に対して、第1の通信方式で用いられている復調方式で復調を行い、アンテナ202で受信された信号に対して、第2の通信方式で用いられている復調方式で復調を行う。変復調部211は、ビームパターンの推測を行っているときに、復調した受信信号を応答情報取得部212に出力する。変復調部211は、ビームパターンの推測が完了したのちに、復調した受信信号を受信データ復号化部222に出力する。
また、変復調部211は、事前情報生成部213から供給された事前情報を、第1の通信方式で用いられている変調方式で変調して、指向性制御部205に出力する。さらに、変復調部211は、送信データ符号化部221から供給された送信データを、第2の通信方式で用いられている変調方式で変調して、指向性制御部205に出力する。
応答情報取得部212は、変復調部211から供給された信号を復号して、ビーム学習信号を受信した無線通信装置からの応答情報を取得する。また、応答情報取得部212は取得した応答情報を事前情報生成部213に供給する。
応答情報は、後述するように無線通信装置30の受信状況観測部315で観測された受信状況の観測結果に基づいて生成された情報であり、受信状況が最適となるビームパターンを識別可能とする情報が含まれている。
事前情報生成部213は、応答情報取得部212から通知された応答情報に基づいて事前情報を生成する。事前情報は、第2の通信方式を用いた複数の無線通信を、干渉を発生することのなく行うための情報である。事前情報は、例えばスケジュールされた無線通信装置の送受信のタイミング、スケジュールされた無線通信装置の送信電力、スケジュールされた無線通信装置の送信における変調方式や符号化方式、送受信の指向性ビームパターン等が示される。
受信状況観測部215は、指向性制御部205を介して供給された信号に基づいて受信状況の観測を行う。受信状況観測部215は、ビームパターン毎の受信信号の受信電力や信号対雑音電力比等から、受信時において最も良好な受信特性を有するビームパターンを判別する。例えば、アンテナ202を複数のアンテナで構成して、指向性制御部205で受信した信号の重み付けを調整することで、ビームパターン毎の受信信号を生成する。受信状況観測部215は、ビームパターン毎の受信信号から、受信電力が最も大きく信号対雑音電力比等が良好な信号を選択する。さらに、受信状況観測部215は、選択した受信信号に対応するビームパターンを、応答情報の送信を行った無線通信装置との通信において、受信時のビームパターンとする。
送信データ符号化部221は、第2の通信方式で送信する送信データ、すなわち高い伝送レートで伝送するデータ信号を、事前情報で示された符号化方式で符号化して変復調部211に出力する。また、受信データ復号化部222は、変復調部211から供給された受信データに対して、事前情報で示された符号化方式に対応した復号化を行う。
図3は、無線通信装置30の構成例を示している。無線通信装置30は、アンテナ301,302と、送受信切換部303、周波数変換部304、指向性制御部305、変復調部311、受信状況観測部315、応答情報生成部316、事前情報取得部317を有している。また、無線通信装置30は、送信データ符号化部321と受信データ復号化部322を有している。
アンテナ301は、第1の通信方式で無線通信を行うときに使用されるアンテナである。アンテナ301は、第1の通信方式で送信された事前情報を受信する。
アンテナ302は、第2の通信方式で無線通信を行うときに使用されるアンテナである。アンテナ302は、後述する指向性制御部によって指向性が切り換え可能とされている。例えばアンテナ302を複数のアンテナで構成して、送受信に用いるアンテナを変更したり、信号の重み付けを調整することで指向性を切り換える。また、アンテナ302としてセクタ切り換えアンテナを用いて、セクタを変更することで指向性の切り換えを行うようにしてもよい。アンテナ302は、第2の通信方式で送信されたビーム学習信号やデータを受信する。また、アンテナ302は、高い伝送レートで伝送するデータ信号を、第2の通信方式で送信する。
また、アンテナ301またはアンテナ302は、第2の通信方式で通信を行うことができるようにするため応答情報を送信する。例えば、アンテナ301から応答情報を送信する場合、第1の通信方式で送信する。また、アンテナ302から応答情報を送信する場合、第2の通信方式で送信する。
送受信切換部303は、周波数変換部304から供給された第1の通信方式の送信信号をアンテナ301、第2の通信方式の送信信号をアンテナ302に供給する。また、送受信切換部303は、アンテナ301で得られた第1の通信方式の受信信号と、アンテナ302で得られた第2の通信方式の受信信号を周波数変換部304に供給する。
周波数変換部304は、指向性制御部305から供給された送信信号を、第1の通信方式または第2の通信方式に対応した無線周波数の信号に変換して、送受信切換部303に出力する。また、周波数変換部304は、送受信切換部303から供給された無線周波数の信号を中間周波信号に変換して、指向性制御部305に出力する。
指向性制御部305は、アンテナ302のビームパターンを切り換える。また、指向性制御部305は、周波数変換部304から供給された中間周波信号を変復調部311に出力する。また、無線信号の受信におけるアンテナ302の最適なビームパターンを判別するとき、指向性制御部305は、周波数変換部304から供給された中間周波信号と、アンテナ302のビームパターンを示す情報を受信状況観測部315に出力する。
変復調部311は、アンテナ301,302で受信された信号の復調処理を行う。また、変復調部311は、アンテナ301,302から送信する信号の変調処理を行う。変復調部311は、アンテナ301で受信された信号に対して、第1の通信方式で用いられている復調方式で復調を行い、アンテナ302で受信された信号に対して、第2の通信方式で用いられている復調方式で復調を行う。変復調部311は、ビームパターンの推測を行っているときに、後述する応答情報生成部316で生成された応答情報を第1または第2の通信方式で用いられている変調方式で変調して指向性制御部305に出力する。変復調部311は、例えばアンテナ301から応答情報を送信する場合、第1の通信方式で用いられている変調方式で応答情報を変調する。また、アンテナ302から応答情報を送信する場合、第2の通信方式で用いられている変調方式で応答情報を変調する。変復調部311は、ビームパターンの推測が完了したのちに、復調した受信信号を受信データ復号化部322に出力する。また、変復調部311は、送信データ符号化部321から供給された送信データを、第2の通信方式で用いられている変調方式で変調して、指向性制御部305に出力する。
受信状況観測部315は、指向性制御部305を介して供給された受信信号に基づいて受信状況の観測を行う。受信状況観測部315は、ビームパターン毎の受信信号の受信電力や信号対雑音電力比等を測定する。また、ビームパターン毎の受信信号の受信電力や信号対雑音電力比等から、受信時において最も良好な受信特性を有するビームパターンを判別してもよい。例えば、アンテナ202を複数のアンテナで構成して、指向性制御部205で受信した信号の重み付けを調整することで、ビームパターン毎の受信信号を生成する。受信状況観測部215は、ビームパターン毎の受信信号から、受信電力が最も大きく信号対雑音電力比が良好な信号を選択する。さらに、受信状況観測部215は、選択した受信信号に対応するビームパターンを、応答情報の送信を行った無線通信装置との通信において、受信時のビームパターンとする。
また、受信状況観測部315は、受信時のビームパターンでビーム学習信号を受信したとき、受信電力や信号対雑音電力比の観測結果や、受信状況が最も良好となったときのパターン識別子やビーム学習信号系列を応答情報生成部316に供給する。
応答情報生成部316は、受信状況観測部315で観測された受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成する。応答情報には、受信状況が最適となるビームパターンを識別可能とする情報を含める。例えば、応答情報は、ビームパターン毎の一部あるいはすべての受信電力を示すようにする。また、受信状況観測部で観測されたビームパターン毎の一部あるいはすべての信号対雑音電力比、受信状況観測部で観測された受信状況が良好なビームパターンの一部あるいはすべてのパターン識別子やビーム学習信号系列等を含むようにしてもよい。また、応答情報には、どのビームパターンでも通信ができないことを示す情報等を含むようにしてもよい。なお、応答情報は、これらに限定されることはなく、受信状況が最適となるビームパターンを識別可能とする情報であれば、他の情報を通知することは可能である。
事前情報取得部317は、変復調部211から供給された信号を復号して、無線通信装置20から送信された事前情報を得る。また、事前情報取得部317は、事前情報に基づき、送受信のタイミング、送信電力、送信における変調方式や符号化方式、送受信の指向性ビームパターン等の設定を行う。
送信データ符号化部321は、第2の通信方式で送信する送信データ、すなわち高い伝送レートで伝送するデータ信号を、事前情報で示された符号化方式で符号化して変復調部311に出力する。また、受信データ復号化部322は、変復調部311から供給された受信データに対して、事前情報で示された符号化方式に対応した復号化を行う。
なお、第1の通信方式で無線通信を行う第1の無線通信部は、アンテナ201,301、送受信切換部203,303、周波数変換部204、304等で構成される。また第2の通信方式で無線通信を行う第2の無線通信部は、アンテナ202,302、送受信切換部203,303、周波数変換部204、304、指向性制御部205,305等で構成される。
さらに、無線通信装置20,30の構成は、図2,3に示した構成に限られるものではない。例えば、無線通信装置20,30のそれぞれに、ビーム学習信号生成部、応答情報取得部、応答情報生成部を設けて、無線通信装置20,30のいずれからもビーム学習信号や応答情報の送信をできる構成としてもよい。また、無線通信装置20,30のそれぞれに事前情報生成部と事前情報取得部を設けて、構成を共通化してもよい。この場合、無線通信装置20で通信を管理するときは、無線通信装置20の事前情報生成部と無線通信装置30の事前情報取得部を動作させる。
次に、無線通信システム10の動作について説明する。無線通信システム10は、無線通信装置20と無線通信装置30間でデータ信号の伝送を行う場合、第2の通信方式で使用するアンテナのビームパターンを最適な状態に設定するためのトレーニング処理と事前情報の通信処理を、データ信号の通信前に行う。
トレーニング処理において、無線通信装置20は、第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して第2の通信方式で送信する。無線通信装置30は、ビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測して、この観測結果に基づいて応答情報を生成して送信する。無線通信装置20は、ビーム学習信号に対して応答された応答情報に基づき、最適なビームパターンを判別する。
事前情報の通信処理において、無線通信装置20は、応答情報に基づき、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して第1の通信方式で送信する。また。無線通信装置30は、受信した事前情報に基づき、第2の通信方式でデータ信号の通信を行う。
図4は、第2の通信方式を用いて応答情報の通信を行う場合の通信手順を例示している。なお、図4において、周波数チャネルF1は、第1の通信方式で用いる周波数チャネルであり、周波数チャネルF2は、周波数チャネルF1と異なる周波数であり、第2の通信方式で用いる周波数チャネルである。
無線通信装置20は、アンテナのビームパターン毎の受信状況を観測するためにビーム学習信号を周波数チャネルF2で送信する。この場合、無線通信装置20の指向性制御部205は、ビームパターン数に応じて、ビーム学習信号の送信回数またはビーム学習信号系列を設定する。
図5は、アンテナ202のビームパターンを例示している。アンテナ202のビームパターンがパターンPT1(指向性1)〜PT4(指向性4)のいずれかに切り換え可能とされている場合、無線通信装置20は、図4に示すように、ビームパターンのそれぞれでビーム学習信号の送信を行う。すなわち、ビーム学習信号の送信を4回行う。また、無線通信装置20は、各ビーム学習信号がいずれのビームパターンで送信が行われたかを識別できるように、パターン識別子の付加またはビーム学習信号系列の変更を行う。
無線通信装置30は、ビーム学習信号を受信して、受信信号が最良となるビーム学習信号やビームパターンを判別する。さらに、無線通信装置30は、受信信号が最良となるビームパターンを判別可能とする応答情報を生成して、周波数チャネルF2で送信する。なお、このときのアンテナ302のビームパターンは、例えばビーム学習信号を最も良好に受信できたときのパターンとする。
無線通信装置20は、応答情報の受信を行い、受信した応答情報に基づき、周波数チャネルF2を用いてアンテナ202からデータ信号を無線通信装置30に送信するときの最適なビームパターンを判別する。
また、無線通信装置20は、事前情報の生成を行い、生成した事前情報を周波数チャネルF1でアンテナ201から送信する。さらに、無線通信装置20は、生成した事前情報にしたがって、周波数チャネル2でデータ信号の送受信を行う。
無線通信装置30は、事前情報をアンテナ301で受信して、受信した事前情報にしたがって、周波数チャネル2でデータ信号の送受信を行う。
なお、図4では、2つの周波数チャネルを用いて通信を行う場合を示したが、さらに多くの周波数チャネルを用いて通信を行ってもよい。この場合、事前情報の通信に用いる周波数チャネルは、データ信号の通信に用いる周波数チャネルよりも周波数が低いチャネルとすることが望ましい。
このように、2以上の周波数チャネルを用いて通信を行う場合、事前情報の通信に用いる周波数チャネルは、データ信号の通信に用いる周波数チャネルよりも周波数が低いチャネルとすることが望ましい。すなわち、第1の通信方式の周波数帯は第2の通信方式よりも低い周波数帯であることが望ましい。このようにすることで、より確実にやり取りしなければならない事前情報を安定して送受信することができる。
図6は、ビーム学習信号を周波数チャネルF2で送信するとき、1つのビーム学習信号の中でビームパターンに応じてビーム学習信号系列を変更する場合の通信手順を例示している。このように、1つのビーム学習信号の中で、ビームパターンに応じてビーム学習信号系列を切り換えれば、フレーム効率の損失を回避することが可能となる。また、ビーム学習信号を受信したときに受信信号が最良となるパケット内の位置によっても、ビームパターンの識別を行うことが可能となる。
図7は、第1の通信方式を用いて応答情報の通信を行う場合の通信手順を例示している。2以上の周波数チャネルを用いて通信を行う場合、応答情報の通信に用いる周波数チャネルは、データ信号の通信に用いる周波数チャネルよりも周波数が低いチャネルとすることが望ましい。例えば、第1の通信方式で用いる周波数チャネルF1をマイクロ波の周波数チャネル、第2の通信方式で用いる周波数チャネルF2をミリ波の周波数チャネルとする。この場合、ミリ波に比べてマイクロ波の直進性が強くないことから、より確実にやり取りしなければならない応答情報を安定して送受信することができる。また、周波数チャネルF2で通信を行う場合のように、ビームパターンを最適に設定しなくとも通信が可能であることから、ビーム学習信号毎に応答情報を送信することも可能である。また、所定の数のトレーニングが終了する毎に応答情報を送信することも可能である。
図8は、無線通信装置20と無線通信装置30との間で、ビーム学習信号の通信と応答情報の通信を双方向で行った場合の通信手順を示している。この場合、上述したように、無線通信装置20,30のそれぞれに、ビーム学習信号生成部、応答情報取得部、応答情報生成部を設ける。図4,6,7では、無線通信装置20から送信されたビーム学習信号を無線通信装置30で受信したときの受信状況に応じて、無線通信装置20における送信時のビームパターンと無線通信装置30における受信時のビームパターンが決定される。また、このビームパターンを用いて、アンテナ302での送信やアンテナ202での受信が行われる。しかし、通信環境等によっては、アンテナ302での送信やアンテナ202での受信における最適なビームパターンが、アンテナ302での受信やアンテナ202での送信における最適なビームパターンと異なる場合も想定される。
この場合、無線通信装置30からビーム学習信号を送信して、ビーム学習信号を無線通信装置20で受信したときの受信状況に応じて、無線通信装置30における送信時のビームパターンと無線通信装置20における受信時のビームパターンを決定する。このようにビームパターンを決定すれば、無線通信装置20から無線通信装置30にデータ信号を送信する場合と、無線通信装置30から無線通信装置20にデータ信号を送信する場合のそれぞれで、ビームパターンを最適化できるようになる。
図9は、ビーム学習信号の通信と応答情報の通信を双方向で行う場合に、時間効率の向上が可能な通信手順を例示している。無線通信装置30は、応答情報を送信する場合、応答情報にビーム学習信号を付加して送信する。
このように、応答情報とビーム学習信号を一体化して送信すれば、トレーニング処理において、無線通信装置20と無線通信装置30との間で、送受信の回数を削減することが可能となり、時間効率を向上させることができる。
<2.第2の実施の形態>
図10は、3台の無線通信装置で無線通信システムを構成した場合を示している。無線通信システム10aは、無線通信装置20と2台の無線通信装置30-1,30-2を用いて構成される。なお、無線通信装置30-1,30-2は、図3に示す無線通信装置30と同様に構成されている。
ここで、無線通信装置20は、無線通信装置30-1,30-2と通信ができるものとする。また、無線通信装置30-1は、無線通信装置20,30-2と通信ができるものとする。無線通信装置30-2は、無線通信装置20,30-1と通信ができるものとする。
この場合、例えば無線通信装置20と無線通信装置30-1の間では、無線通信装置20,30-1間のビームパターン毎の受信状況に応じた情報に加えて、無線通信装置30-1,30-2間のビームパターン毎の受信状況に応じた情報も応答情報として扱うようにする。このように、自己の無線通信装置が介在しない通信における応答情報も取得できるようにすれば、無線通信を効率よく行うことができる事前情報を生成することが可能となる。
ここで、効率のよい無線通信が行えることを容易に理解可能とするため、例えば5台の無線通信装置で無線通信システムを構成した場合について具体的に説明する。図11は、5台の無線通信装置で無線通信システムを構成した場合を示している。無線通信システム10bは、無線通信装置20と4台の無線通信装置30-1〜30-4で構成されている。なお、無線通信装置30-1〜30-4は、図3に示す無線通信装置30と同様に構成されている。
無線通信装置20は、応答情報に基づいて、スケジュール用テーブルを生成する。スケジュール用テーブルは、無線通信装置間で通信が可能であるか否かを例えばマトリクス状に示したテーブルである。
ここで、図11に示すように、無線通信装置20は、例えば4台の無線通信装置30-1〜30-4と第2の通信方式で周波数チャネルF2を用いて通信が可能とされている。また、無線通信装置30-1と無線通信装置30-2間、および無線通信装置30-3と無線通信装置30-4間で、第2の通信方式で周波数チャネルF2を用いて通信が可能とされている。さらに、無線通信装置30-1と無線通信装置30-3,30-4間、無線通信装置30-2と無線通信装置30-3,30-4間で、第2の通信方式で周波数チャネルF2を用いた通信ができない状態とされている。
無線通信装置20は、自己の無線通信装置が介在しない通信における応答情報も取得できるようにする。すなわち、無線通信装置30-1〜30-4は、応答情報生成部で生成された応答情報に、通信可能な無線通信装置を示す情報を含めて送信する。例えば、無線通信装置30-1から無線通信装置20に供給される応答情報に、無線通信装置30-2,30-3,30-4から無線通信装置30-1に供給された応答情報を含めるものとする。また、無線通信装置30-2,30-3,30-4から無線通信装置20に供給される応答情報に、無線通信装置20が介在しない通信における応答情報を含めるようにする。また、応答情報に限らず、通信可能な無線通信装置に対して固有に割り当てられている識別情報等を含めるようにしてもよい。
このようにすれば、無線通信装置20は、無線通信装置30-1〜30-4からの応答情報に基づき、自己の無線通信装置が介在しない通信経路を把握することが可能となる。したがって、無線通信装置20おいて応答情報に基づいて、図12に示すスケジュール用テーブルを生成できる。なお、図12において、○印は通信が可能であることを示しており、×印は通信ができないことを示している。
無線通信装置20は、生成したスケジュール用テーブルを利用して、干渉が発生することのないように設定した通信スケジュール等を示す事前情報の生成を行い、生成した事前情報を各無線通信装置に送信する。例えば、無線通信装置30-1は、無線通信装置20と無線通信装置30-2とのみ通信可能であり、無線通信装置30-2は、無線通信装置20と無線通信装置30-1とのみ通信可能である。一方、無線通信装置30-3は、無線通信装置20と無線通信装置30-4とのみ通信可能であり、無線通信装置30-4は、無線通信装置20と無線通信装置30-3とのみ通信可能である。すなわち、無線通信装置30-1と無線通信装置30-2との通信は、無線通信装置30-3と無線通信装置30-4との通信と干渉することがない。したがって、無線通信装置20は、無線通信装置30-1と無線通信装置30-2との通信と、無線通信装置30-3と無線通信装置30-4との通信を、同時に並行して行うように通信スケジュールを決定できる。
図13は、事前情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。ステップST1で無線通信装置20は、ビーム学習信号の送信を行う。無線通信装置20は、周波数チャネルF2を用いて、ビーム学習信号を送信してステップST2に進む。
ステップST2で無線通信装置20は、スケジュール用テーブルの生成を行う。無線通信装置20は、ビーム学習信号の送信に応じて他の無線通信装置から供給された応答情報を受信する。また、無線通信装置20は、受信した応答情報に基づいてスケジュール用テーブルを生成してステップST3に進む。
ステップST3で無線通信装置20は、通信要求があるか否か判別する。無線通信装置20は、通信要求がないときステップST3に戻り、通信要求があったときステップST4に進む。
ステップST4で無線通信装置20は、事前情報の生成を開始してステップST5に進む。
ステップST5で無線通信装置20は、干渉を発生させることなく通信が可能であるか否か判別する。無線通信装置20は、スケジュール用テーブルを参照して、要求に応じた通信を行うときに他の通信との干渉を生じさせることなく通信が可能であると判別したときステップST6に進む。また、他の通信との干渉を生じさせることなく通信を行うことが不可能と判別したときステップST7に進む。
ステップST6で無線通信装置20は、送信機会の設定を行う。無線通信装置20は、他の通信との干渉を生じさせることなく通信が可能であることから、通信要求のあった通信に対する事前情報の生成を行いステップST4に戻る。
ステップST7で無線通信装置20は、事前情報の生成を終了してステップST8に進む。無線通信装置20は、ステップST5およびステップST6の処理を行うことで、干渉のない複数の通信に対する通信スケジュールを設定することができる。また、干渉のない複数の通信に対する通信スケジュールの設定が完了すると、ステップST5からステップST7に進み、事前情報の生成が終了される。
ステップST8で無線通信装置20は、事前情報の送信を行う。無線通信装置20は、ステップST4からステップST7の処理によって生成した事前情報を他の無線通信装置に送信する。
このように、図13に示す処理を行えば、各無線通信装置は、事前情報に基づいて通信を行うことで、他の通信と干渉を生じさせることなく、同一の周波数チャネルおよび同一時刻で、複数の通信を並列して行うことができる。
図14,図15は、図12のスケジュール用テーブルを利用して作成された事前情報に基づいて通信を行う場合の通信手順を例示している。無線通信装置20は、自身が生成した事前情報を他の無線通信装置に通知する場合、確実にやり取りしなければならない事前情報を安定して送受信するため、データ信号の通信を行う周波数チャネルF2より低い周波数チャネルF1で事前情報の送信を行う。
事前情報としては、スケジュールされた装置の送受信のタイミングを挙げることができる。また、事前情報として、スケジュールされた装置の送信における送信電力、スケジュールされた装置の送信における変調方式、スケジュールされた装置の送信における符号化方式を挙げることができる。さらに、事前情報として、スケジュールされた装置の送受信に用いるアンテナビームパターンやこれらに準ずる情報等を挙げることができる。
なお、図14では、事前情報を無線通信装置20からブロードキャストで送信した場合を示している。また、図15では、事前情報を無線通信装置20から無線通信装置毎にユニキャストした場合を示している。
図14,15において、例えば時点t1において、無線通信装置30-2から無線通信装置30-1への通信と、無線通信装置30-3から無線通信装置30-4への通信は同一周波数チャネルで行われる。これは先のスケジュールのテーブルより、両者の間で干渉が生じないことが確認されたため割り当てられたものである。また、時点t2においても、適切なアンテナのビームパターンを設定することで、同様に同一時刻、同一周波数での通信を干渉なく行うことが可能である。
さらに、図14,図15では、時点t1,t2で装置間のタイミングが同期しており、無線通信が同時に行われる場合を示しているが、干渉が発生しないようであれば非同期でスケジュールすることも可能である。
なお、無線通信装置20,30は、例えばコンピュータ装置、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報端末、携帯音楽プレーヤー、ゲーム機などの情報機器、あるいは、テレビジョン受像機やその他の情報家電機器に搭載される無線通信モジュールであってもよい。
図16には、モジュール化された無線通信装置20,30を搭載した情報機器50の構成例を示している。
CPU(Central Processing Unit)51は、オペレーティング・システム(OS)が提供するプログラム実行環境下で、ROM(Read Only Memory)52や記録部59に格納されているプログラムを実行する。例えば、受信パケットの同期処理またはその一部の処理をCPU51が所定のプログラムを実行するという形態で実現することもできる。
ROM52は、POST(Power On Self Test)やBIOS(Basic Input Output System)などのプログラム・コードを恒久的に格納する。RAM(Random Access Memory)53は、ROM52や記録部59に格納されているプログラムをCPU51が実行する際にロードしたり、実行中のプログラムの作業データを一時的に保持したりするために使用される。これらはCPU51のローカル・ピンに直結されたローカル・バス54により相互に接続されている。
ローカル・バス54は、入出力インタフェース部55に接続されている。入出力インタフェース部55には、ユーザインタフェース部56、入出力部57、表示部58、記録部59、通信部60、ドライブ61が接続されている。
ユーザインタフェース部56は、キーボードやマウスなどのポインティング・デバイス等を用いて構成されており、ユーザ操作に応じた操作信号を生成する。入出力部57は外部機器との間で種々のデータ等の入出力を行うためのインタフェースである。表示部58は、LCD(Liquid Crystal Display)またはCRT(Cathode Ray Tube)などからなり、各種情報をテキストやイメージで表示する。記録部59は、 HDD(Hard Disk Drive)等を用いて構成されている。記録部59は、オペレーティング・システムや各種アプリケーションなどCPU51が実行するプログラムをインストールしたり、データ・ファイルなどを保存したりするために使用される。
通信部60は、無線通信装置20,30をモジュール化して構成される無線通信インタフェースである。通信部60は、インフラストラクチャ・モード下でアクセスポイント若しくは端末局として動作し、あるいはアドホック・モード下で端末局として動作し、通信範囲内に存在するその他の端末局との無線通信を実行する。
ドライブ61は、装着されているリムーバブルメディア70、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどに記録されている種々のデータやコンピュータ・プログラム等の読み出しを行うためのものである。
上述した本発明によれば、第1の通信方式と第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式を用いて無線通信が行われて、第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号が第2の通信方式で送信される。この送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報に基づき、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報が生成されて、この事前情報が第1の無線通信部で送信される。また、第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信した無線通信装置では、ビームパターン毎の受信状況の観測が行われて、受信状況の観測結果に基づいて応答情報が生成されて送信される。このため、ビーム学習信号と応答情報に基づきビームパターンを最適に設定して第2の通信方式で通信を行うことができる。
また、応答情報に基づき、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報が生成されて、この事前情報が第2の通信方式とは異なる周波数帯を使用する第1の通信方式で送信される。このため、事前情報に基づき第2の通信方式で複数の無線通信を行えば干渉を生じることがなく、効率のよい無線通信を行うことができる。
さらに、第1の通信方式の周波数帯を第2の通信方式よりも低い周波数帯として無線通信を行うことで、より確実にやり取りしなければならない事前情報を安定して送受信することができる。例えば、大きな情報量の伝送を行うことができるように第2の通信方式でミリ波を用いた場合、ミリ波は強い直進性があることから通信相手の位置する方向にビームの指向性を精度よく設定しておかないと、安定して通信を行うことができない。しかし、第1の通信方式で第2の通信方式よりも低い周波数である例えばマイクロ波を用いれば、マイクロ波はミリ波に比べて直進性が強くないので、通信相手の位置する方向にビームの指向性を精度よく設定しておかなくとも安定して通信を行うことが可能となる。したがって、第1の通信方式の周波数帯を第2の通信方式よりも低い周波数帯として、第1の通信方式で事前情報を送信すれば、より確実にやり取りしなければならない事前情報の通信の信頼性を高めることができる。
なお、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この発明の実施の形態は、例示という形態で本発明を開示しており、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
この発明の無線通信装置と無線通信方法とコンピュータ・プログラムおよび無線通信システムでは、ビーム学習信号と応答情報に基づきビームパターンを最適に設定して第2の通信方式で通信を行うことができる。また、応答情報に基づき、第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報が生成されて、この事前情報が例えば第2の通信方式よりも低い周波数帯である第1の通信方式で送信されるので、第2の通信方式を用いた場合に比べて高い信頼性で事前情報の通信を行うことができる。さらに、複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報が生成されているので、事前情報に基づき第2の通信方式で複数の無線通信を行っても干渉を生じることがなく、効率のよい無線通信を行うことができる。したがって、短距離の無線アクセス通信や、画像伝送システム、簡易無線等に好適である。
10,10a,10b・・・無線通信システム、20,30,30-1〜30-4・・・無線通信装置、50・・・情報機器、51・・・CPU、52・・・ROM、53・・・RAM、54・・・ローカル・バス、55・・・入出力インタフェース部、56・・・ユーザインタフェース部、57・・・入出力部、58・・・表示部、59・・・記録部、60・・・通信部、61・・・ドライブ、70・・・リムーバブルメディア、201,202,301,302・・・アンテナ、203,303・・・送受信切換部、204,304・・・周波数変換部、205,305・・・指向性制御部、208・・・ビーム学習信号生成部、211,311・・・変復調部、212・・・応答情報取得部、213・・・事前情報生成部、215,315・・・受信状況観測部、221,321・・・送信データ符号化部、222,322・・・受信データ復号化部、316・・・応答情報生成部、317・・・事前情報取得部

Claims (16)

  1. 第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、
    前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、
    前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信するビーム学習信号生成部と、
    前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得する応答情報取得部と、
    前記応答情報に基づき、前記第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して、前記事前情報を前記第1の無線通信部から送信する事前情報生成部と
    を備える無線通信装置。
  2. 前記事前情報生成部は、前干渉が発生することのないように設定した通信スケジュールを前記事前情報に含める
    請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記事前情報生成部は、前干渉が発生することなく複数の無線通信が同時に行われるように設定した通信スケジュールを前記事前情報に含める
    請求項2記載の無線通信装置。
  4. 前記ビーム学習信号は、いずれのビームパターンで送信されたか識別可能として、
    前記第2の無線通信部は、前記ビーム学習信号に応じたビームパターンで、前記ビーム学習信号を第2の通信方式で送信する
    請求項2記載の無線通信装置。
  5. 前記第1の無線通信部は、前記事前情報を、複数の無線通信装置に対して同時または個別に送信する
    請求項2記載の無線通信装置。
  6. 前記第1の通信方式の周波数帯は、前記第2の通信方式よりも低い周波数帯である
    請求項1記載の無線通信装置。
  7. 第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、
    前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、
    前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測する受信状況観測部と、
    前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させる応答情報生成部と
    を備える無線通信装置。
  8. 前記応答情報生成部は、受信状況が最適となるビームパターンを識別可能とする情報を、前記応答情報に含める
    請求項7記載の無線通信装置。
  9. 前記第1の無線通信部は、前記応答情報生成部で生成された前記応答情報に、通信可能な無線通信装置を示す情報を含める
    請求項7記載の無線通信装置。
  10. 前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信するビーム学習信号生成部をさらに備え、
    前記第2の無線通信部は、前記応答情報生成部で生成された前記応答情報に前記ビーム学習信号を付加して送信する
    請求項7記載の無線通信装置。
  11. 前記第1の通信方式の周波数帯は、前記第2の通信方式よりも低い周波数帯である
    請求項7記載の無線通信装置。
  12. 第1の無線通信部において、第1の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、
    第2の無線通信部において、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、
    ビーム学習信号生成部において、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信するステップと、
    応答情報取得部において、前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得するステップと、
    事前情報生成部において、前記応答情報に基づき、前記第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して、前記事前情報を前記第1の無線通信部から送信するステップと
    を有する無線通信方法。
  13. 第1の無線通信部において、第1の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、
    第2の無線通信部において、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行うステップと、
    受信状況観測部において、前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測するステップと、
    応答情報生成部において、前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させるステップと
    を有する無線通信方法。
  14. 第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部を備えた通信装置における通信処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記第1の通信方式にしたがって前記第1の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、
    前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって前記第2の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、
    前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信する手段と、
    前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得する手段と、
    前記応答情報に基づき、前記第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して、前記事前情報を前記第1の無線通信部から送信させる手段として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
  15. 第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部を備えた通信装置における通信処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記第1の通信方式にしたがって前記第1の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、
    前記第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式にしたがって前記第2の無線通信部で無線通信を行わせる手段と、
    前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測する手段と、
    前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させる手段として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
  16. 第1の通信方式と、第1の通信方式と異なる周波数帯を使用する第2の通信方式を用いて通信を行う複数の無線通信装置で構成されて、
    前記複数の無線通信装置は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置を有し、
    前記第1の無線通信装置は、
    前記第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、
    前記第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、
    前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するためのビーム学習信号を生成して前記第2の無線通信部から送信するビーム学習信号生成部と、
    前記送信したビーム学習信号に対して応答された応答情報を取得する応答情報取得部と、
    前記応答情報に基づき、前記第2の通信方式を用いた複数の無線通信で干渉が発生することのないように事前情報を生成して、前記事前情報を前記第1の無線通信部から送信する事前情報生成部を備え、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記第1の通信方式にしたがって無線通信を行う第1の無線通信部と、
    前記第2の通信方式にしたがって無線通信を行う第2の無線通信部と、
    前記第2の通信方式で通信を行うときのビームパターンを特定するために前記第2の通信方式で送信されたビーム学習信号を受信して、ビームパターン毎の受信状況を観測する受信状況観測部と、
    前記受信状況の観測結果に基づいて応答情報を生成して送信させる応答情報生成部と
    を備える無線通信システム。
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