JP2008017098A - Mimoアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置 - Google Patents

Mimoアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置 Download PDF

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山本  温
Hiroshi Iwai
岩井  浩
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Abstract

【課題】移動時においても伝送容量が高く、伝送品位も高いMIMO通信を行うことが可能なMIMOアンテナ装置を提供する。
【解決手段】MIMOアンテナ装置は、パッチアンテナ素子2,4と、これらのパッチアンテナ素子2,4によりそれぞれ受信された受信信号をMIMO復調して復調信号を出力するMIMO復調回路10とを備える。パッチアンテナ素子2,4はそれぞれ、互いに異なる無線信号を受信信号としてそれぞれ受信するように配置された給電点2a,2b及び給電点4a,4bを有する。MIMOアンテナ装置はさらに、各パッチアンテナ素子2,4毎に設けられ、給電点2a,2bのいずれか1つ及び給電点4a,4bのいずれか1つをそれぞれMIMO復調回路10に接続するスイッチ6,7と、MIMO復調後の復調信号に係る信号対雑音比が増大するように、各スイッチ6,7を制御するスイッチコントローラ12とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話機等を用いた移動体通信において通信容量を増大させて高速通信を実現しながら通信品質を良好に保つように制御される無線通信装置のためのアンテナ装置に関し、特にMIMOアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置に関する。
複数のアンテナを用いて複数のチャンネルの無線信号を同時に送受信するMIMO(Multi−Input Multi−Output)技術を採用したアンテナ装置として、例えば特許文献1に開示されたMIMOアンテナ装置がある。
特許文献1のMIMOアンテナ装置は、等間隔に配置された4つのアンテナ素子群と、本体部とにより構成されている。各アンテナ素子群は、互いに異なる偏波方向を有する4つのアンテナ素子をそれぞれ備えて構成される。一方、本体部は、各アンテナ素子に接続されたスイッチ部と、スイッチ部を介して受信信号を受信する信号受信部と、スイッチ部に対する制御信号を生成するアンテナ制御部と、アンテナ素子の組み合わせを生成し、選択素子情報をアンテナ制御部に通知するアンテナ選択部と、アンテナ選択部によって生成されたアンテナ素子によって受信された受信信号に基づいて、特定のアンテナ素子の組み合わせを決定し、決定素子情報をアンテナ制御部に通知するアンテナ決定部とを備えて構成される。この従来のMIMOアンテナ装置は、この構成により、各アンテナ素子群から1つずつアンテナ素子を選択するようにアンテナ素子の組み合わせを決定することで、アンテナ素子間の相関を低減し、伝送容量を十分に確保することを目的としている。
特許文献1のMIMOアンテナ装置では、まず、アンテナ素子間の相関を低減させるために、アンテナ素子間の相関が十分低くなるまでアンテナ素子群の間の距離を離す。また、複数のアンテナ素子の組み合わせを比較し、相関係数が低くなる組み合わせをスイッチ部により選択する。これらにより、アンテナ素子間の相関を低減することが可能になる。また、このMIMOアンテナ装置では、複数のアンテナ素子の組み合わせに対して伝送容量を計算し、伝送容量が最大となる組み合わせをスイッチ部により選択することにより、大きな伝送容量を得ることが期待できる。
さらに、MIMOアンテナ装置では、できるだけ大きな受信電力を得ることが、MIMO復調した後の複数の信号系列に係る合計の伝送速度の高速化につながる。特許文献1のMIMOアンテナ装置では、MIMOの同時通信チャンネル数より多くのアンテナ素子を備え、そのうちの受信信号強度の大きいアンテナ素子を選択してMIMO復調を行うことにより、このことを達成している。このようなアンテナ素子の選択は、特に、移動体通信において、移動局(使用者)の移動や周囲環境の時間的変化により主偏波及び交差偏波の信号強度が時間的に変化したり到来角度が変化したりする場合に特に有効である。また、偏波特性の異なるアンテナ素子を用いることで偏波方向の変化に対処し、アンテナ素子を切り換えるように制御することにより時間的変化を克服することができる。
以上により、特許文献1のMIMOアンテナ装置は、複数のアンテナ素子によりそれぞれ構成された複数のアンテナ素子群を備え、スイッチ部を用いて、最も相関の低いアンテナ素子の組み合わせ、もしくは最も伝送容量の大きいアンテナ素子の組み合わせを選択することによりアンテナ素子間の相関を低減し、伝送容量を向上させることが可能なMIMOアンテナ装置を提供することができる。
特開2004−312381号公報。 細矢良雄編,「電波伝搬ハンドブック」,リアライズ社,1999年1月。
従来のMIMOアンテナ装置には以下のような課題があった。特許文献1のMIMOアンテナ装置では、アンテナ素子間の相関を低下させるために十分な間隔が必要であり、アンテナアレーのサイズが大きくなるという欠点があった。例えば、相関を十分に低下させるためには、一般的には、アンテナ素子を、使用する電波の少なくとも1/2波長以上離す必要があることが知られている(例えば、非特許文献1の139ページ及び219ページを参照)。従って、日本の携帯電話で使用される約900MHzの周波数帯においてこのMIMOアンテナ装置を動作させる場合では、隣接するアンテナ素子群の間に16.7cm以上の間隔が必要になる。また、このMIMOアンテナ装置では、各アンテナ素子はダイポールアンテナで構成されているが、これは通常は1/2波長の長さを有する。さらに、このMIMOアンテナ装置では、各アンテナ素子群において4つのアンテナ素子が互いに異なる偏波方向を持つように、4つのアンテナ素子は互いに傾けて配置され、等しい角度差で互いに交差させられている。これらのことから、特許文献1のMIMOアンテナ装置は電波の波長に対して数倍の大きさになり、携帯電話機のような1波長のサイズもしくはそれ以下のサイズの小型機器に搭載することは不可能であった。
また、特許文献1のMIMOアンテナ装置では、全てのアンテナ素子の組み合わせについて相関係数の計算もしくは伝送容量の計算を実行するので、制御に時間がかかるという欠点もあった。すなわち、このMIMOアンテナ装置では、全てのアンテナ素子の組み合わせの中から最適な組み合わせを求めるために、制御に膨大な時間がかかる。従って、このMIMOアンテナ装置では、移動体通信装置の使用者の移動及び周囲環境の時間的変化により電波環境が時間的に変化する状況や、また、移動体通信装置の使用時における保持状態によってアンテナ装置の指向性及び偏波方向が時間的に変化する状況に追従した制御を行うことができなかった。以上のことから、特許文献1のMIMOアンテナ装置は、移動体通信には不適であると言わざるを得なかった。
一方、移動体通信が行われる電波伝搬環境は、基地局と移動局が見通し外となる場合が多く、多数回の反射、回折、散乱を繰り返して電波が届く場合多い。このような伝搬環境では、送信された電波の偏波面が傾き、受信信号は交差偏波成分を持つことが多い。一般的に、都市部では、交差偏波比(送信偏波成分/交差偏波成分)が約6〜9dBとなり、場合によっては5dBまで劣化することが知られている(例えば、非特許文献1の221ページを参照)。特許文献1のMIMOアンテナ装置では、交差偏波比を計算し、交差偏波比のしきい値との比較によりアンテナ素子の組み合わせを決定することで、交差偏波の問題に対処している。しかしながら、伝送容量がより高く、伝送品位も高いMIMO通信を行うためには、各アンテナ素子の受信信号に関してより高い受信信号強度が望まれるが、アンテナ素子を切り換えることによっては十分な受信信号強度を達成できない場合も想定される。
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、移動時においても伝送容量が高く、伝送品位も高いMIMO通信を行うことが可能なMIMOアンテナ装置及びそれを備えた移動体用の無線通信装置を提供することにある。
本発明の第1の態様に係るMIMOアンテナ装置によれば、
複数のアンテナ素子と、上記複数のアンテナ素子によりそれぞれ受信された受信信号をMIMO復調して復調信号を出力するMIMO復調回路とを備えたMIMOアンテナ装置において、
上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、各給電点を介して互いに異なる無線信号を受信信号としてそれぞれ受信するように配置された複数の給電点を有する多給電点アンテナ素子であり、
上記MIMOアンテナ装置はさらに、
上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられ、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちのいずれか1つを上記MIMO復調回路にそれぞれ接続するスイッチ手段と、
上記MIMO復調後の復調信号に係る信号対雑音比が増大するように、上記各多給電点アンテナ素子毎に上記複数の給電点のうちのいずれか1つを上記MIMO復調回路にそれぞれ接続させるべく上記各スイッチ手段を制御するスイッチ制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置はさらに、
上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された各受信信号の信号強度を、上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに比較する信号強度比較回路を備え、
上記スイッチ制御手段は、上記信号強度比較回路による比較結果に従って、上記各多給電点アンテナ素子毎に信号強度が最大となる給電点を上記MIMO復調回路にそれぞれ接続させるように上記各スイッチ手段を制御することを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置はさらに、
上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている各給電点を介して受信された受信信号の信号強度を、上記各多給電点アンテナ素子毎に所定のしきい値と比較する信号強度比較回路を備え、
上記スイッチ制御手段は、上記信号強度比較回路による比較結果に従って、上記各多給電点アンテナ素子毎に、上記複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている給電点を介して受信された受信信号の信号強度が上記しきい値以下になったときに、上記接続されている給電点以外のいずれか1つの給電点を上記MIMO復調回路にそれぞれ接続させるように上記各スイッチ手段を制御することを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったときに、上記多給電点アンテナ素子のうちの少なくとも1つにおける複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている給電点以外のいずれか1つの給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記スイッチ手段のうちの少なくとも1つを切り換えさせることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算された伝送容量がしきい値以下になったときに、上記多給電点アンテナ素子のうちの少なくとも1つにおける複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている給電点以外のいずれか1つの給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記スイッチ手段のうちの少なくとも1つを切り換えさせることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、
上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも2つは多給電点アンテナ素子であり、
上記少なくとも2つの多給電点アンテナ素子毎に設けられる上記スイッチ手段はともに、上記各多給電点アンテナ素子の給電点を1つずつ含みかつ互いに異なる給電点の組のうちのいずれか1つの組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続するように構成され、
上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算される固有値のうちの最小の固有値が最大になる給電点の組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記各スイッチ手段を切り換えさせることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、
上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも2つは多給電点アンテナ素子であり、
上記少なくとも2つの多給電点アンテナ素子毎に設けられる上記スイッチ手段はともに、上記各多給電点アンテナ素子の給電点を1つずつ含みかつ互いに異なる給電点の組のうちのいずれか1つの組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続するように構成され、
上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算される伝送容量が最大になる給電点の組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記各スイッチ手段を切り換えさせることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係るMIMOアンテナ装置によれば、
複数のアンテナ素子と、上記複数のアンテナ素子によりそれぞれ受信された受信信号をMIMO復調して復調信号を出力するMIMO復調回路とを備えたMIMOアンテナ装置において、
上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、各給電点を介して互いに異なる無線信号を受信信号としてそれぞれ受信するように配置された複数の給電点を有する多給電点アンテナ素子であり、
上記MIMOアンテナ装置はさらに、
上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられる合成器であって、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号を上記各多給電点アンテナ素子毎にそれぞれ電力合成し、上記電力合成された受信信号をそれぞれ上記MIMO復調回路に伝送する合成器を備えたことを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置はさらに、
上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられ、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに変化させる移相器と、
上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を、上記各多給電点アンテナ素子毎に検出する位相検出回路と、
上記位相検出回路により検出された位相に従って、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を、上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに一致させるように上記各移相器を制御する位相制御手段とを備え、
上記各合成器は、上記各移相器により位相制御された後の複数の受信信号を上記各多給電点アンテナ素子毎に電力合成し、上記電力合成された受信信号をそれぞれ上記MIMO復調回路に伝送することを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、当該多給電点アンテナ素子で受信された受信信号の信号強度が所定のしきい値以下になったときに、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を検出し、上記複数の受信信号の位相を一致させるように上記位相制御手段により上記各移相器を制御させることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算し、上記計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に上記位相検出回路に検出させ、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に一致させるように上記位相制御手段により上記各移相器を制御させることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を計算し、上記計算された伝送容量がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に上記位相検出回路に検出させ、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に一致させるように上記位相制御手段により上記各移相器を制御させることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置はさらに、
上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅をそれぞれ変化させる複数の振幅調整回路と、
上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられ、上記各振幅調整回路により振幅調整された後の複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに変化させる移相器と、
上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と、上記複数の受信信号間の相対的な位相とを、上記各多給電点アンテナ素子毎に検出する振幅位相検出回路と、
上記振幅位相検出回路により検出された振幅及び位相に従って、上記各多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を上記各多給電点アンテナ素子毎に最大化するように上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御する振幅位相制御手段とを備え、
上記各合成器は、上記各移相器により位相制御された後の複数の受信信号を上記各多給電点アンテナ素子毎に電力合成し、上記電力合成された受信信号をそれぞれ上記MIMO復調回路に伝送することを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記振幅位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、当該多給電点アンテナ素子で受信された受信信号の信号強度が所定のしきい値以下になったときに、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と、上記複数の受信信号間の相対的な位相とを検出し、当該多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を最大化するように上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記振幅位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、
当該多給電点アンテナ素子で受信された受信信号の信号強度が第1のしきい値以下であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号のみを上記MIMO復調回路に伝送させるように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号の信号強度が上記第1のしきい値以下であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のそれぞれを介して受信された受信信号を同相合成するように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
上記同相合成された受信信号の信号強度が上記第1のしきい値以下であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のそれぞれを介して受信された受信信号を最大比合成するように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記振幅位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、
上記最大比合成された受信信号の信号強度が第2のしきい値以上であるとき、当該多給点アンテナ素子の複数の給電点のそれぞれを介して受信された受信信号を同相合成するように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
上記同相合成された受信信号の信号強度が上記第2のしきい値以上であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号のみを上記MIMO復調回路に伝送させるように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号の信号強度が上記第2のしきい値以上であるとき、上記振幅位相制御手段による上記各振幅調整回路及び上記各移相器の制御を停止させることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算し、上記計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と上記複数の受信信号間の相対的な位相とを上記各多給電点アンテナ素子毎に上記振幅位相検出回路に検出させ、当該多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を上記各多給電点アンテナ素子毎に最大化するように上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする。
上記MIMOアンテナ装置において、上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を計算し、上記計算された伝送容量がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と上記複数の受信信号間の相対的な位相とを上記各多給電点アンテナ素子毎に上記振幅位相検出回路に検出させ、当該多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を上記各多給電点アンテナ素子毎に最大化するように上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする。
また、本発明の第1及び第2の態様に係るMIMOアンテナ装置において、上記複数のアンテナ素子はすべて、互いに同じ個数の給電点を備えた多給電点アンテナ素子であることを特徴とする。また、上記多給電点アンテナ素子はそれぞれ2つの給電点を備え、上記各給電点により、互いに直交する偏波方向を有する無線信号をそれぞれ受信することを特徴とする。さらに、上記複数のアンテナ素子は、上記複数のアンテナ素子でそれぞれ受信される無線信号の偏波方向が互いに平行になることがないように設けられた給電点をそれぞれ備えたことを特徴とする。
また、本発明によれば、本発明の第1及び第2の態様に係るMIMOアンテナ装置を備えたことを特徴とする無線通信装置が提供される。
本発明のMIMOアンテナ装置によれば、以下のような特有の効果が達成される。複数の給電点を備えた多給電点アンテナ素子を1つ以上備えたMIMOアンテナ装置であって、各多給電点アンテナ素子毎に、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介してそれぞれ受信される各無線信号の受信信号強度を比較して受信信号強度が最大となる給電点を選ぶことにより、もしくは、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介してそれぞれ受信された複数の無線信号を電力合成することにより、アンテナ素子間の不等中央値(アンテナ素子間の受信電力差)の低減と、高感度化によるMIMO伝送特性の向上とを実現することができる。さらに、単一のアンテナ素子に複数の給電点を設けて偏波特性の異なるアンテナ素子として動作させることにより、限られたアンテナ素子数とアレーサイズにおいて、偏波ダイバーシチもしくは偏波合成効果に起因する高い受信信号電力を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の実施形態を説明するため図面の全体にわたり、同様の作用を有する構成要素は同一の符号を付与し、その繰り返しの説明は省略する。
第1の実施形態.
まず、図1(a)及び(b)ならびに図10を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るMIMOアンテナ装置の構造を説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るMIMOアンテナ装置の構造の一例を示す斜視図であり、図1(b)は、そのMIMOアンテナ装置の構造を示す上面図である。また、図10は、図1(a)及び(b)の各パッチアンテナ素子2,4のうち、パッチアンテナ素子2の詳細構成を示す斜視図である。図1(a)及び(b)において、MIMOアンテナ装置は、所定の広さにわたって平面状に延在する接地導体1と、正方形形状の導体板にてなるパッチアンテナ素子2,4とを備えて構成される。正方形形状のパッチアンテナ素子2,4の各辺の長さは、図10に示す通り、送受信される電波の波長の1/4になるように構成される。パッチアンテナ素子2は、所定の長さを有する直線状の給電導体3a,3bによって支持され、パッチアンテナ素子4は、所定の長さを有する直線状の給電導体5a,5bによって支持され、これにより、パッチアンテナ素子2,4は接地導体1から所定の距離だけ離隔され、かつ接地導体1に平行に設けられ、板状逆Lアンテナ素子の構造を有する。給電導体3a,3b,5a,5bは、接地導体1上の貫通孔3ah,3bh,5ah,5bhをそれぞれ通過し、それにより、接地導体1の裏側(すなわち、パッチアンテナ素子2,4が存在する側とは逆の側)から接地導体1を貫通して設けられるとともに、接地導体1とは電気的に絶縁されている。給電導体3a,3bの各一端は、正方形形状のパッチアンテナ素子2の互いに隣接した2辺の各中点に位置した給電点2a,2bに、電気的かつ機械的に接続される。給電導体5a,5bの各一端も同様に、正方形形状のパッチアンテナ素子4の互いに隣接した2辺の各中点に位置した給電点4a,4bに、電気的かつ機械的に接続される。給電導体3a,3b,5a,5bの各他端は、接地導体1の裏側に設けられるMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路(図2参照)に接続される。また、正方形形状のパッチアンテナ素子2,4は、互いに対応する各辺の向きが平行となるように配置される。
パッチアンテナ素子2において、給電点2aを用いた場合に送受信される電波の偏波方向と、給電点2bを用いた場合に送受信される電波の偏波方向とは互いに直交する。また、パッチアンテナ素子4においても、給電点4aを用いた場合に送受信される電波の偏波方向と、給電点4bを用いた場合に送受信される電波の偏波方向とは互いに直交する。図1(a)では、このことを矢印により示している。
本明細書では一例として、2つのアンテナ素子2,4を備えた場合について説明するが、3つ以上のアンテナ素子を備えた構成も可能である。また、一例として、全てのアンテナ素子2,4に複数の給電点を備えた構造を示しているがこれに限定されるものでなく、複数のアンテナ素子のうちの少なくとも1つが複数の給電点を備えた構成であればよい。また、本実施形態では、各パッチアンテナ素子2,4の異なる2つの給電点をそれぞれ使用したときに送受信される電波の偏波方向が互いに直交する場合を例として説明したが、これに限定されるものでなく、各パッチアンテナ素子2,4では、90度以外の角度差を持った偏波方向が得られるように2つの給電点を配置することも可能である。さらに、1つのアンテナ素子に2つの給電点を備えた構成を示しているが、各アンテナ素子が3つ以上の給電点を備えた構成も可能である。本実施形態のMIMOアンテナ装置では、パッチアンテナ素子2,4を給電導体3a,3b,5a,5bにより支持するように構成したがこれに限らず、他の構成要素により支持するように構成してもよい。また、パッチアンテナ素子2,4は正方形形状に限定するものではなく、円形状などの他の形状であってもよい。さらに、アンテナ素子としてパッチアンテナ素子を用いることに限定するものではなく、偏波方向を変化させることが可能な他の任意のアンテナ素子を用いてもよい。
以下、本発明の第1の実施形態について、図1(a)及び(b)と図2とを参照しながら、図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置を受信用のMIMOアンテナ装置として用いる場合について説明する。
図2は、図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第1の実施例の構成を示すブロック図である。この回路は、以下に詳述するように、パッチアンテナ素子2に到来した無線信号を受信した際の受信信号強度に基づいて、給電点2a,2bのうちで当該受信信号強度が強くなる方に切り換え、パッチアンテナ素子4に到来した無線信号を受信した際の受信信号強度に基づいて、給電点4a,4bのうちで当該受信信号強度が強くなる方に切り換えることを特徴とする。それによりこの回路では、MIMO復調後の復調信号の信号対雑音比を増大させることができる。図2では、図1(a)及び(b)に示した構成要素のうちの接地導体1及び給電導体3a,3b,5a,5bは、説明の簡単化のために図示を省略している。
図2において、パッチアンテナ素子2の給電点2a,2bはスイッチ6の入力端子a,bにそれぞれ接続され、スイッチ6の出力端子はMIMO復調回路10に接続される一方、パッチアンテナ素子4の給電点4a,4bはスイッチ7の入力端子a,bにそれぞれ接続され、スイッチ7の出力端子はMIMO復調回路10に接続されている。複数の給電点を有するパッチアンテナ素子2,4に到来して受信された電波(以下、受信信号という。)は、給電点2a,2b,4a,4bを介して信号強度比較回路11に入力される。信号強度比較回路11は、給電点2a,2bを介してそれぞれ入力された受信信号の信号強度を比較するとともに、給電点4a,4bを介してそれぞれ入力された受信信号の信号強度を比較し、それぞれの比較結果をスイッチコントローラ12に送る。スイッチコントローラ12は、パッチアンテナ素子2に係る比較結果に基づいて、受信信号の信号強度が最大化されるように(又は増大するように)、給電点2aを用いてパッチアンテナ素子2を動作させる(すなわち、給電点2aをMIMO復調回路10に接続する)か、それとも給電点2bを用いてパッチアンテナ素子2を動作させる(すなわち、給電点2bをMIMO復調回路10に接続する)かを決定して、スイッチ6を切り換える。同様に、スイッチコントローラ12は、パッチアンテナ素子4に係る比較結果に基づいて、受信信号の信号強度が増大するように、給電点4aを用いてパッチアンテナ素子4を動作させるか、それとも給電点4bを用いてパッチアンテナ素子4を動作させるかを決定して、スイッチ7を切り換える。MIMO復調回路10は、スイッチ6,7を介して伝送された受信信号に対するMIMO復調を実行し、復調信号を生成して出力する。
ここでは一例として、図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置の構成に従って、2つのパッチアンテナ素子2,4が2つずつの給電点2a,2b,4a,4bを備えた場合の制御及び復調回路について説明するが、パッチアンテナ素子及び給電点の個数の増減に伴って制御及び復調回路の構成を変更可能であることは当業者には明らかであろう。なお、図2の制御及び復調回路を無線通信装置として実装する場合、無線周波信号を分離する高周波フィルタ、信号を増幅するための高周波増幅器、周波数変換するためのミキサー等の高周波回路や、中間周波数回路、信号処理回路等が含まれるが、説明の簡単化のために図2では省略した。本明細書に開示した他のMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路のブロック図でも、同様に省略している。
以下、本実施形態のMIMOアンテナ装置の動作原理について説明する。MIMOは、送信機及び受信機においてそれぞれ複数のアンテナ素子を用いて、同じ周波数帯域内で同時に送信された複数の信号系列を空間的に多重化することによって伝送容量を増大させ、MIMO復調後の複数の信号系列に係る合計伝送速度の増大を図る技術である。ここでは一例として、固有モード伝送方式をもとに説明を行う。送信機及び受信機のアンテナ素子の数をそれぞれn個とすると、受信信号yは次式で表すことができる。
Figure 2008017098
ここで、受信信号を表すyは、サイズがnのベクトルであり、その各要素は受信機の各アンテナ素子で受信された信号を表す。Hはサイズがn×nの行列であり、チャンネル行列と呼ばれ、その各要素Hijは、送信機のj番目のアンテナ素子と受信機のi番目のアンテナ素子との間の伝搬係数、すなわち、これらのアンテナ素子間で送受信される信号の位相回転量及び振幅減衰量を表す。また、送信信号を表すxは、サイズがnのベクトルであり、その各要素xは、送信機の各アンテナ素子から送信される信号であって、互いに直交する信号を表す。wはサイズがnのベクトルであり、その各要素は受信機の各アンテナ素子で受信された熱雑音を表す。
受信機においてチャンネル行列Hを取得するために、受信機は所定のパイロット信号xを予め記憶し、送信機はこの既知のパイロット信号xを受信機に伝送し、受信機が予め記憶したパイロット信号xと、受信信号y(すなわち伝送されたパイロット信号x)とに基づいて、式1からチャンネル行列Hを計算する。
ここで、チャンネル行列Hに対する特異値分解(Singlar Value Decomposition:SVD)を行うと、次式のようになる。
Figure 2008017098
数2において、U,Σ,Vはそれぞれサイズがn×nの行列であり、Σはそのi行目i列目の要素がσ(0≦i≦q)でありかつその他の要素が0である行列である。また、uとvはそれぞれ行列UとVのi番目の列ベクトルであり、それぞれ他の列ベクトルと直交している。qはチャンネル行列Hのランクであり、以下の説明ではq=nであるとする。上付き添字Hは複素共役転置を表す。ここで、行列UとVは、サイズがn×nの単位行列Iに対して次式を満足する。
Figure 2008017098
Figure 2008017098
さらに、固有値分解(Eigenvalue Decomposition:EVD)を行うと、次式が求まる。
Figure 2008017098
数5において、λはチャンネル行列の積HHの固有値であり、λ=σ である。
ベクトルu は、行列Uの要素となる他の行ベクトルと互いに直交しており、送信機の各アンテナ素子から送信される信号のウエイト(振幅と位相)に使用され、ベクトルuは、行列Uの要素となる他の列ベクトルと互いに直交しており、受信機の各アンテナ素子において受信される信号のウエイトに使用される。このようにウエイトを使用することにより直交した指向性が得られる。
ここで、数1より、受信信号電力はHx(Hx)=HHxxとなる。行列xxは送信信号電力を表す。ただし、ベクトルxの各要素は互いに直交した信号であるので、行列xxは対角行列diag[x ,x ,…,x ]となる。一方、行列HHは対角行列diag[λ,λ,…,λ]となる。すなわち、送信機及び受信機の各アンテナ素子において直交したウエイトを使用することにより複数の伝搬経路を分離することができ、このときの受信信号電力はλ となる。信号xが全て等しい場合、各伝搬経路における受信信号電力は固有値λの比になる。このとき伝送容量は次式で与えられる。
Figure 2008017098
ここで、SNRは総送信信号電力対雑音比であり、すなわちSNR/n=x である。CMIMOの単位は[bps/Hz]である。一方、通常の一対一通信(Single−Input Single−Output:SISO)の場合には、伝送容量は以下の式で得られる。
Figure 2008017098
数7において、hは伝搬係数であり、CSISOの単位は[bps/Hz]である。
例えば、数6と数7の比較を簡単化するため、hh=λ=λとし、SNR・λ/n≫1とする。このとき、数6の伝送容量は、次式のように計算される。
Figure 2008017098
一方、数7の伝送容量は、次式のように計算される。
Figure 2008017098
例えば、n=4、SNR・λ=1024の場合には、MIMO伝送容量CMIMO=4・(10−2)=32[bps/Hz]であり、SISO伝送容量CSISO=10[bps/Hz]であり、MIMO伝送容量はSISO伝送容量よりも増加していることが分かる。
以上のように、MIMOアンテナ装置では、互いに直交する指向性を複数の信号系列に割り振ることで空間的に信号を多重させ伝送容量を増加させ、それにより、MIMO復調後の複数の信号系列の合計の伝送速度の高速化を達成することができる。
数6によれば、チャンネル行列Hから計算される固有値λが大きいほど、MIMO伝送容量は増加することが分かる。固有値λはチャンネル行列Hの各要素により求まるので、上記のことは、チャンネル行列Hの各要素が大きいほど高速伝送が可能であることを意味している。また、数1に記したように、受信された信号には熱雑音ベクトルwが含まれる。実際の受信機では熱雑音成分を除去することができないので、このことがチャンネル行列Hから固有値λを計算する際の誤差要因となる。従って、できるだけ大きな受信信号電力を得ることが、MIMOアンテナ装置における伝送速度の高速化につながる。またチャンネル行列Hには、伝搬損失の他に送信機のアンテナ素子及び受信機のアンテナ素子の利得が含まれる。従って、同じ伝搬環境であればアンテナ素子の利得の高い方が望ましいことがわかる。
そこで、図1(a)及び(b)に示したように、1つのパッチアンテナ素子2に複数個の給電点2a,2bを備えることにより、当該パッチアンテナ素子2を、指向性及び偏波特性の異なる複数のアンテナ素子として動作させ、同様に1つのパッチアンテナ素子4に複数個の給電点4a,4bを備えることにより、当該パッチアンテナ素子4を、指向性及び偏波特性の異なる複数のアンテナ素子として動作させることを実現する。さらに、信号強度比較回路11が各給電点2a,2b,4a,4bを介してそれぞれ受信された受信信号の信号強度の比較を行うことと、スイッチコントローラ12が受信信号強度の強い給電点への切り換えを行うこととにより、常に安定した受信信号強度の達成と、MIMO伝送の高速化とを期待することができる。特に、移動体通信の場合には、使用者の移動及び周囲環境の時間的変化による主偏波特性や偏波特性の時間的変化が想定され、携帯端末装置の場合にはそれに加えて、使用時における保持状態が多様であることによるアンテナ装置の指向性及び偏波方向の変化が想定され、これらのことに対処するために、本実施形態のような切り換え制御が望まれる。また、携帯端末装置の使用者が給電点を手で覆うことによって、受信信号電力が大きく低下することがあるが、本実施形態の構成を採用することによりこのような受信信号電力低下を克服することが可能になる。
さらに、図1(a)に示したように,パッチアンテナ素子2の給電点2a,2bを介してそれぞれ受信される電波の偏波方向が直交している場合、またパッチアンテナ素子4の給電点4a,4bを介してそれぞれ受信される電波の偏波方向が直交している場合には、MIMOアンテナ装置は偏波ダイバーシチとして動作することが可能になる。この場合、特に、給電点2a,2bを切り換えてパッチアンテナ素子2の偏波特性を変化させ、給電点4a,4bを切り換えてパッチアンテナ素子4の偏波特性を変化させることにより、偏波方向の時間的変化に対処して克服することができる。
本実施形態の構成によれば、小型形状が望まれる携帯無線通信装置のためのMIMOアンテナ装置であって、より少ないアンテナ素子を用いてより大きな伝送容量を得ることが可能なMIMOアンテナ装置を実現できる。
さらに、図2の制御及び復調回路においては、制御を高速化かつ簡単化するために、MIMO復調後の複数の信号系列に係る所望の合計伝送速度を達成するために必要な受信信号強度のしきい値を予め設定し、受信信号強度がしきい値以下となったパッチアンテナ素子2,4に関してのみ、その各給電点を介して受信された受信信号の信号強度を比較して給電点を切り換えることも可能である。この場合、信号強度比較回路11は、パッチアンテナ素子2,4の給電点2a,2b,4a,4bのうちのMIMO復調回路10に接続されている給電点を介して受信された受信信号の信号強度を、パッチアンテナ素子2,4毎にこのしきい値と比較する。次いで、スイッチコントローラ12は、信号強度比較回路11による比較結果に従って、各パッチアンテナ素子2,4毎に、給電点2a,2b,4a,4bのうちのMIMO復調回路10に接続されている給電点を介して受信された受信信号の信号強度がしきい値以下になったときに、接続されている給電点以外の給電点をMIMO復調回路10に接続させるようにスイッチ6,7を制御する。これにより、制御の高速化が図れるとともに、常時制御を行う必要がないために消費電力の低減にも効果がある。このような消費電力の低減は、特に電池駆動の携帯無線通信装置において効果が大きい。
図3は、図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第2の実施例の構成を示すブロック図である。図3の制御及び復調回路は、図2のMIMO復調回路10、信号強度比較回路11及びスイッチコントローラ12に代えて、スイッチ6,7を制御するスイッチコントローラ12Aと、受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算し、計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったか否かに基づいてスイッチコントローラ12Aによりスイッチ6,7を切り換えさせるとともに、受信信号に対するMIMO復調を実行し、復調信号を生成して出力するMIMO復調回路10Aとを備えて構成される。
図3に示す構成によれば、MIMO復調回路10Aは、数1により無線信号の伝搬経路のチャンネル行列を計算し、次いで数5によりチャンネル行列の積HHの固有値λを計算し、そのうちの最小の固有値λが予め定めた固有値のしきい値以下になったときに、スイッチコントローラ12Aにスイッチ6,7の切り換えを実行させる。このとき、MIMO復調回路10Aは例えば、パッチアンテナ素子2,4のうちの少なくとも1つに関して、当該パッチアンテナ素子の複数の給電点のうちのMIMO復調回路10Aに接続されている給電点以外の給電点をMIMO復調回路10Aに接続させるように、スイッチコントローラ12Aによりスイッチ6,7のうちの少なくとも1つを切り換えさせる。いずれかのスイッチを切り換えた結果、最小の固有値λがしきい値を越えたならば、そのときのスイッチ6,7の接続状態で受信信号に対するMIMO復調を実行する。一方、いずれかのスイッチを切り換えてもなお最小の固有値λがしきい値以下である場合には、他のスイッチを切り換え、最小の固有値λがしきい値を越えるまでスイッチ6,7の切り換えを繰り返す。
それに代わって、MIMO復調回路10Aは、最小の固有値λがしきい値以下になったときに、スイッチ6,7の接続状態に係るすべての組み合わせを順に設定させるようにスイッチコントローラ12Aに切り換えを実行させ、各組み合わせの場合における固有値λをそれぞれ計算し、そのうちの最小の固有値λが最大化される場合の組み合わせをスイッチ6,7に設定することを最終的に決定して、この決定結果に従ってスイッチコントローラ12Aに切り換えを実行させてもよい。
さらに別の制御方法として、MIMO復調回路10Aは、最小の固有値λがしきい値以下になったときに、最初に、受信信号の信号強度が最も低いパッチアンテナ素子2,4の給電点を順次に切り換え、最小の固有値λがしきい値よりも大きくなるまで切り換えを繰り返すように、スイッチコントローラ12Aに切り換えを実行させる。それでもなお最小の固有値λがしきい値以下になる場合には、信号強度が最も低いパッチアンテナ素子2,4の給電点のうちで最も信号強度が強い給電点を接続するようにスイッチコントローラ12Aを制御し、その後、信号強度が次に低いパッチアンテナ素子2,4の給電点を順次に切り換え、最小の固有値λがしきい値よりも大きくなるまで切り換えを繰り返すように、スイッチコントローラ12Aに切り換えを実行させる。この時点でもなお最小の固有値λがしきい値以下になる場合には、信号強度が低いパッチアンテナ素子2,4から順次に上記手順で給電点の切り換えを実行するようにスイッチコントローラ12Aを制御する。
また、図3に示す構成によれば、MIMO復調回路10Aは、固有値λを計算することに代えて、数6を用いて送信機(図示せず。)との間のチャンネルにおける伝送容量を計算し、計算された伝送容量が予め定めた伝送容量のしきい値以下になったときに、スイッチコントローラ12Aにスイッチ6,7の切り換えを実行させてもよい。MIMO復調回路10Aは、固有値λを計算する場合について上で説明した方法と同様に、スイッチコントローラ12Aにスイッチ6,7の切り換えを実行させることができる。
このような制御を行うことで、常時制御を行う必要がないために消費電力の低減にも効果がある。このような消費電力の低減は、特に電池駆動の携帯無線通信装置において効果が大きい。
図4は、図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第3の実施例の構成を示すブロック図である。図4の構成では、パッチアンテナ素子2,4のそれぞれに関して、当該パッチアンテナ素子2,4の複数の給電点2a,2b,4a,4bのうちのいずれか1つずつを含みかつ互いに異なる給電点の組「2a,4a」及び「2b,4b」が予め構成され、これらの給電点の組をスイッチユニット8により切り換えることを特徴とする。
図4の制御及び復調回路は、図4のスイッチ6,7、図4のMIMO復調回路10A及びスイッチコントローラ12Aに代えて、連動したスイッチ6,7を含むスイッチユニット8と、スイッチユニット8を制御するスイッチコントローラ12Bと、スイッチコントローラ12Bによりスイッチユニット8を切り換えさせるとともに、受信信号に対するMIMO復調を実行し、復調信号を生成して出力するMIMO復調回路10Bとを備えて構成される。パッチアンテナ素子2の給電点2a,2bは、スイッチユニット8内のスイッチ6の入力端子a,bにそれぞれ接続され、スイッチ6の出力端子はMIMO復調回路10Bに接続される一方、パッチアンテナ素子4の給電点4a,4bは、スイッチユニット8内のスイッチ7の入力端子c,dにそれぞれ接続され、スイッチ7の出力端子はMIMO復調回路10Bに接続されている。スイッチ6,7は、給電点2a,4aの組をMIMO復調回路10Bに接続するか、又は給電点2b,4bの組をMIMO復調回路10Bに接続するように、連動して動作する。MIMO復調回路10Bは、図3の場合について説明したように、受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算する。次いで、MIMO復調回路10Bは、計算される固有値のうちの最小の固有値が最大になる給電点の組「2a,4a」又は「2b,4b」に含まれる各給電点をMIMO復調回路10Bに接続させるように、スイッチコントローラ12Bによりスイッチユニット8を切り換えさせる。あるいは、MIMO復調回路10Bは、固有値λを計算することに代えて、数6を用いて送信機(図示せず。)との間のチャンネルにおける伝送容量を計算し、計算される伝送容量が最大になる給電点の組「2a,4a」又は「2b,4b」に含まれる各給電点をMIMO復調回路10Bに接続させるように、スイッチコントローラ12Bによりスイッチユニット8を切り換えさせてもよい。
図4の回路では、スイッチユニット8内でスイッチ6,7が連動しているので、図3の場合と比較して制御が簡単化される。このような制御を行うことで、常時制御を行う必要がないために消費電力の低減にも効果がある。このような消費電力の低減は、特に電池駆動の携帯無線通信装置において効果が大きい。
また、MIMO復調回路10Bは、固有値あるいは伝送容量を計算し、その計算値が予め定めた固有値もしくは伝送容量のしきい値以下になったときに、給電点の組「2a,4a」及び「2b,4b」のいずれかに切り換えるようにスイッチコントローラ12Aにスイッチユニット8を制御させることにより、パッチアンテナ素子2,4の給電点2a,2b,4a,4bを変化させてもよい。
またさらに、図4の復調及び制御回路において、MIMO復調回路10Bは、各パッチアンテナ素子2,4に係る受信信号電力の和もしくは固有値の和が最大となる給電点の組「2a,4a」又は「2b,4b」を選択するように、スイッチコントローラ12Aにスイッチユニット8を切り換えさせることも可能である。この場合、限られた給電点の組「2a,4a」及び「2b,4b」の比較に基づいた切り換え制御を実行することによって制御の高速化が達成されるとともに、最適な給電点の組「2a,4a」又は「2b,4b」を選ぶことで信号電力を増加させMIMO復調後の複数の信号系列の合計の伝送速度を高速化させることできる。
図4の回路では、2つの給電点の組「2a,4a」及び「2b,4b」を切り換えるように構成したが、3つ以上の給電点の組(すなわち切り換えの数)を含むようなMIMOアンテナ装置を構成してもよいことは明らかであろう。
図5(a)は本発明の第1の実施形態の変形例に係るMIMOアンテナ装置の構造を示す斜視図であり、図5(b)はそのMIMOアンテナ装置の構造を示す上面図である。この変形例では、図5(a)及び(b)に示すように、正方形形状のパッチアンテナ素子4の各辺の向きを、正方形形状のパッチアンテナ素子2の各辺に対してそれぞれ45度傾けて配置する。パッチアンテナ素子4の給電点4a,4bは、図1(a)及び(b)の場合と同様に、正方形形状のパッチアンテナ素子4の互いに隣接した2辺の各中点に設けられる。このように、パッチアンテナ素子2,4の向きを互いに相違させるとともに、パッチアンテナ素子2に対する給電点2a,2bの位置関係と、パッチアンテナ素子4に対する給電点4a,4bの位置関係とを互いに相違させたことにより、パッチアンテナ素子2,4のそれぞれで送受信される電波の偏波方向が互いに平行になることはない。パッチアンテナ素子2の各辺の向きに対するパッチアンテナ素子4の各辺の向きの角度は、45度に限定するものではない。これにより、受信可能な偏波方向の自由度が増え、かつパッチアンテナ素子2で受信される電波とパッチアンテナ素子4で受信される電波との独立性が高まり、MIMO復調における固有値の分離が容易になり、より高速な無線伝送が可能になる。
実施形態に係るパッチアンテナ素子2,4は、以上説明したような板状逆Lアンテナ素子の構造を有するものに限定されず、異なる構造を有するアンテナ素子を用いてもよい。図11及び図12において、図10のパッチアンテナ素子2の変形例に係るパッチアンテナ素子2A,2Bの詳細構成の斜視図をそれぞれ示す。図11において、正方形形状のパッチアンテナ素子2Aは、その互いに隣接した2辺の各中点からパッチアンテナ素子2Aの中心に向かって所定距離だけ移動した位置において給電点2a,2bを備えている。給電点2a,2bには、図10の場合と同様に、各給電導体3a,3bの一端が電気的かつ機械的に接続される。図11のパッチアンテナ素子2Aの各辺の長さは、送受信される電波の波長の1/2になるように構成される。
また、図12において、正方形形状のパッチアンテナ素子2Bは、図11のパッチアンテナ素子2Aと同様の位置に給電点2a,2bを備えたことに加えて、各給電点2a,2bに近接した位置において、短絡導体3aa,3baを介して接地導体1に接続された接続点2aa,2baをそれぞれ備えたことを特徴とする。接続点2aa,2baは、各給電点2a,2bに近接した位置であって、正方形形状のパッチアンテナ素子2Bの互いに隣接した2辺の各中点に位置する。接続点2aa,2baには、直線状の短絡導体3aa,3baの一端がそれぞれ接続され、短絡導体3aa,3baの他端は接地導体1上の接続点3ab,3bbにそれぞれ接続される。短絡導体3aaは給電導体3aに対してほぼ平行に設けられ、短絡導体3baは給電導体3bに対してほぼ平行に設けられる。図12のパッチアンテナ素子2Bの各辺の長さは、送受信される電波の波長の1/4になるように構成される。以上の構成を備えたことにより、図12のパッチアンテナ素子2Bは板状逆Fアンテナ素子の構造を有する。
なお、図11及び図12では1つのパッチアンテナ素子のみをそれぞれ図示しているが、図1又は図5のパッチアンテナ素子4に対応する他のパッチアンテナ素子もまた、パッチアンテナ素子2A,2Bと同様に構成可能であることは明らかであろう。
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、1つのアンテナ素子に複数の給電点を備えることで小型化を達成し、またしきい値を用いた制御を実行することで制御の高速化を可能にするMIMOアンテナ装置を実現できる。
第2の実施形態.
以下、本発明の第2の実施形態について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第1の実施例の構成を示すブロック図である。この回路は、図1(a)及び(b)又は図5(a)及び(b)に示したMIMOアンテナ装置との組み合わせで使用され、図2のスイッチ6,7、信号強度比較回路11及びスイッチコントローラ12に代えて、電力合成器21,22を備えたことを特徴とする。図6において、パッチアンテナ素子2の給電点2a,2bは電力合成器21の入力端子にそれぞれ接続され、電力合成器21の出力端子はMIMO復調回路10に接続され、それにより、電力合成器21は、給電点2aを介して伝送された受信信号と、給電点2bを介して伝送された受信信号との電力合成を実行し、合成後の受信信号をMIMO復調回路10に伝送する。同様に、パッチアンテナ素子4の給電点4a,4bは電力合成器22の入力端子にそれぞれ接続され、電力合成器22の出力端子はMIMO復調回路10に接続され、それにより、電力合成器22は、給電点4aを介して伝送された受信信号と、給電点4bを介して伝送された受信信号との電力合成を実行し、合成後の受信信号をMIMO復調回路10に伝送する。MIMO復調回路10は、電力合成器21,22から伝送された受信信号に対するMIMO復調を実行し、復調信号を生成して出力する。
本実施形態によれば、パッチアンテナ素子2に備えられた複数の給電点2a,2bを介してそれぞれ受信された受信信号を合成し、パッチアンテナ素子4に備えられた複数の給電点4a,4bを介してそれぞれ受信された受信信号を合成することが可能になり、従って本実施形態のMIMOアンテナ装置では、より強い受信信号強度を達成することができる。特に、図1(a)及び(b)に示したように給電点2a,2bでそれぞれ受信される電波の偏波方向が互いに直交している場合には、電力合成器21は偏波合成器として動作することができる。電力合成器22もまた同様である。特に、本実施形態の構成は、移動体通信に関して使用者の移動及び周囲環境の時間的変化により主偏波及び交差偏波の信号強度の時間的変化及び到来角度変化が頻繁に起こる場合において、特に有効である。また、図1(a)及び(b)又は図5(a)及び(b)に示したMIMOアンテナ装置を携帯端末装置に実装した場合には、使用時における保持状態が多様であることに起因したアンテナ装置の指向性及び偏波の変化が想定されるが、本実施形態のような偏波合成を実行することによりそれを克服することが可能になる。また、携帯端末装置の使用者が給電点を手で覆うことによって大きく受信信号電力が低下することがあるが、本実施形態の構成を採用することによりそれを克服することが可能になる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第2の実施例の構成を示すブロック図である。図6の構成では、各給電点2a,2b,4a,4bを介してそれぞれ受信される受信信号の位相が逆相になり、単なる電力合成を行うだけでは相殺される可能性もある。図7の回路は、以下に詳述するように、図6の回路に対してさらに、給電点2a,2b,4a,4bと電力合成器21,22との間に、振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを備え、さらにこれらを制御するための振幅位相検出回路41及び振幅位相コントローラ42を備えたことを特徴とする。
図7において、パッチアンテナ素子2の給電点2aは振幅調整回路31a及び移相器32aを介して電力合成器21に接続され、給電点2bは振幅調整回路31b及び移相器32bを介して電力合成器21に接続される。パッチアンテナ素子4についても同様に、給電点4aは振幅調整回路31c及び移相器32cを介して電力合成器22に接続され、給電点4bは振幅調整回路31d及び移相器32dを介して電力合成器22に接続される。複数の給電点を有するパッチアンテナ素子2,4に到来して受信された電波(以下、受信信号という。)は、それぞれ給電点2a,2b,4a,4bを介して振幅調整回路31a,31b,31c,31dに伝送されるとともに、給電点2a,2b,4a,4bを介して振幅位相検出回路41に入力される。振幅位相検出回路41は、当該パッチアンテナ素子2,4の複数の給電点2a,2b,4a,4bに係る受信信号の振幅と、給電点2a,2bに係る受信信号間の相対的な位相及び給電点4a,4bに係る受信信号間の相対的な位相とを検出する。振幅位相コントローラ42は、検出された振幅に基づいて振幅調整回路31a,31b,31c,31dを制御することにより、給電点2a,2bを介して受信される各受信信号の信号強度比(すなわち振幅比)に比例した振幅ウエイトをこれら2つの受信信号にそれぞれ乗算し、給電点4a,4bを介してそれぞれ受信される各受信信号の信号強度比に比例した振幅ウエイトをこれら2つの受信信号にそれぞれ乗算する。振幅位相コントローラ42はさらに、各受信信号に対して振幅ウエイトを乗算した後で、検出された位相に基づいて移相器32a,32b,32c,32dを制御することにより、給電点2a,2bを介してそれぞれ受信される各受信信号の位相を一致させ、給電点4a,4bを介してそれぞれ受信される各受信信号の位相を一致させる。4つの受信信号の振幅及び位相が制御されたことにより、電力合成器21は、給電点2a,2bを介してそれぞれ受信される受信信号を最大比合成してMIMO復調回路10に入力し、同様に、電力合成器22は、給電点4a,4bを介してそれぞれ受信される受信信号を最大比合成してMIMO復調回路10に入力し、それにより、パッチアンテナ素子2,4毎に、常に最大限の信号強度を得ることが可能になる。MIMO復調回路10は、電力合成器21,22から伝送された受信信号に対するMIMO復調を実行し、復調信号を生成して出力する。
以上説明したように、図7の回路では、パッチアンテナ素子2,4毎に最大比合成を行うことで、常に安定しかつ信号強度の強い受信信号を得ることができる。また、図7の回路において、振幅位相コントローラ42は、振幅位相検出回路41により検出された振幅及び位相に従って、各パッチアンテナ素子2,4で受信される受信信号の信号対雑音比をパッチアンテナ素子2,4毎に最大化するように振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを制御している。振幅調整回路31a,31b,31c,31dにより受信信号の振幅を調整することにより、電力合成後の信号に対する雑音の影響を小さくすることができる。
また、図7において、MIMO復調後の複数の信号系列に係る所望される合計伝送速度を得るのに必要な信号強度のしきい値を予め設定し、パッチアンテナ素子2,4のうちでしきい値以下となったパッチアンテナ素子のみの給電点を介して受信される受信信号を最大比合成することも可能である。このために、振幅位相検出回路41は、各受信信号の信号強度をさらに検出し、検出された信号強度がしきい値以下になったときに、パッチアンテナ素子2,4の複数の給電点2a,2b,4a,4bを介して受信される受信信号の振幅と受信信号間の相対的な位相とを検出し、受信される受信信号の信号対雑音比をパッチアンテナ素子2,4毎に最大化するように振幅位相コントローラ42により振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを制御させる。この場合、例えば、振幅位相コントローラ42は、通常の場合では振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを初期状態(例えば、振幅調整率(入力振幅に対する出力振幅の割合をいう。)は1であり、移相量は0である。)に設定して合成を行い、信号強度がしきい値以下のときには、振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを制御して最大比合成を行う。これにより、制御の高速化が図れるとともに、常時制御を行う必要がないために消費電力の低減にも効果がある。このことは、特に電池駆動の携帯無線通信装置において効果が大きい。
図7の回路を簡単化するために、振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dのうちのいずれかのみを備え、受信信号の振幅又は位相の一方のみを変化させるように構成してもよい。例えば、移相器32a,32b,32c,32dのみを備えた場合には、図7の振幅位相検出回路41に代えて、給電点2a,2bを介してそれぞれ受信される受信信号間の相対的な位相及び給電点4a,4bを介してそれぞれ受信される受信信号間の相対的な位相を検出する位相検出回路を備え、また、振幅位相コントローラ42に代えて、検出された位相に基づいて給電点2a,2bを介してそれぞれ受信される受信信号の位相を一致させ、また給電点4a,4bを介してそれぞれ受信される受信信号間の位相を一致させるように移相器32a,32b,32c,32dを制御する位相コントローラを備える必要がある。このとき、位相コントローラは、各給電点を介して受信される受信信号間の相対的な位相に基づいて受信信号を各パッチアンテナ素子2,4毎に同相合成させるように移相器32a,32b,32c,32dを制御するか、又は、受信信号の信号強度がしきい値以下になったときに、各給電点を介して受信される受信信号間の相対的な位相に基づいて受信信号を各パッチアンテナ素子2,4毎に同相合成させるように移相器32a,32b,32c,32dを制御することができる。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第3の実施例の構成を示すブロック図である。図8の制御及び復調回路は、図7の振幅位相検出回路41に代えて、電力合成器21,22から出力される受信信号の信号強度を検出し、検出された信号強度が所望の合計伝送速度を得るのに必要な信号強度の下限のしきい値以下になったときに、複数の給電点2a,2b,4a,4bを介してそれぞれ受信される受信信号の振幅、給電点2a,2bを介してそれぞれ受信される受信信号間の相対的な位相、及び給電点4a,4bを介してそれぞれ受信される受信信号間の相対的な位相を検出する振幅位相検出回路41Aを備えて構成される。図8の回路では、振幅位相検出回路41Aはさらに、給電点2a,2b,4a,4bを介してそれぞれ受信される受信信号の信号強度を検出する。図8の振幅位相検出回路41Aは、電力合成器21,22から出力される受信信号の信号強度が下限のしきい値以下になったときに、次のような3つのステップからなる制御を実行することが可能である。ここでは、一例としてパッチアンテナ素子2に係る受信信号強度がしきい値以下になった場合について説明を行う。
振幅位相検出回路41Aは、通常の場合は、振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを初期状態に設定して、受信信号の合成を実行させる。例えば、振幅調整回路31a,31b,31c,31dの振幅調整率を1に設定し、移相器32a,32b,32c,32dの移相量を0に設定して、受信信号の合成を行う。
パッチアンテナ素子2に係る受信信号強度がしきい値以下となったことを振幅位相検出回路41Aが検出した場合、まず、第1のステップとして、振幅位相検出回路41Aにおける信号強度の検出結果をもとに、給電点2a,2bのうちで信号強度が強い方の給電点のみを介して受信された受信信号をMIMO復調回路10に入力させる。具体的には、例えば給電点2aを介して受信された受信信号の信号強度が強い場合には、振幅位相検出回路41Aは、振幅位相コントローラ42を制御して振幅調整回路31bの減衰量を大きくさせることによって(例えば40dB)、給電点2bを介して受信された受信信号の電力をほぼ0にする。このとき、振幅調整回路31aにおける振幅調整率は1であり、移相器32a,32bにおける移相量は0である。この状態で、振幅位相検出回路41Aは、電力合成器21から出力される受信信号強度としきい値との比較を行い、受信信号強度がしきい値よりも大きいならばそのまま通信を続ける。
逆に、受信信号強度がしきい値以下の場合には、第2のステップとして同相合成を行う。すなわち、振幅位相検出回路41Aは、振幅位相コントローラ42を制御して振幅調整回路31bの振幅調整率を1にして、振幅位相検出回路41Aの位相検出結果に基づき振幅位相コントローラ42を制御して移相器32a,32bの移相量を調整して、給電点2a,2bを介してそれぞれ受信された各受信信号の位相を揃えて合成させる。この状態で、振幅位相検出回路41Aは、電力合成器21から出力される受信信号強度としきい値との比較を行い、受信信号強度がしきい値よりも大きいならばそのまま通信を続ける。
逆に、受信信号強度がしきい値以下の場合には、第3のステップとして最大比合成を行う。このとき、振幅位相検出回路41Aは、振幅及び位相の検出結果に基づいて振幅位相コントローラ42を制御して振幅調整回路31a,31b及び移相器32a,32bを調整させて、給電点2a,2bを介してそれぞれ受信された各受信信号を最大比合成させる。なお、第3のステップの最大比合成を行っても受信信号強度がしきい値以下の場合には、引き続き第3のステップの制御を継続する。
このように、より演算量の少ない制御から順に行うことで、制御時間を短縮でき、また制御に必要な消費電力を少なくできるという効果がある。この場合、受信信号強度がしきい値を越えたことを振幅位相検出回路41Aが検出したときには、一つ演算量の軽い制御に切り換えることも可能である。
さらに、第1乃至第3のステップに関して、受信信号強度の上限に対するしきい値を定めることも可能である。一例として、第3のステップの制御を実行中の状態を基に説明を行う。伝搬環境は時間とともに変化するので、所定時間の経過後に、より強い受信信号強度が得られるようになったと仮定する。この場合には、第2のステップに係る制御もしくは第1のステップに係る制御を実行しても、さらには振幅及び位相の制御を実行しなくても(すなわち、振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを初期状態に設定する。)でも、下限のしきい値よりも大きい受信信号強度が得られる可能性がある。この場合には、少しでも軽い制御を行うことが望まれるため、上限のしきい値を設定し、受信信号強度が上限のしきい値を越えたことを振幅位相検出回路41Aが検出した場合には、第2のステップを実行し、第2のステップを実行中においても上限のしきい値を越えた場合には、第1のステップを実行し、さらに第1のステップを実行中においても上限のしきい値を越えた場合には、振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dの制御を停止するように制御の軽減を図ることができる。
これにより、より負荷の少ない制御を実行し、制御時間の短縮と消費電力の軽減とを実現することができる。また、上限と下限のしきい値を設けることにより、制御の切り換え回数を減らすことが可能になる。さらに、以上の2つの説明では、第1乃至第3のステップのうちでステップを1つずつ増減させる場合を例に説明を行ったが、第1のステップから直接に第3のステップに変化したり又はその逆に第3のステップから直接に第1のステップに変化したりする制御も可能である。また、上限及び下限のしきい値は、第1乃至第3のステップのうちで実行中のステップ毎に異なる値を設定して使用することも可能である。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第4の実施例の構成を示すブロック図である。図9の制御及び復調回路は、図7の振幅位相検出回路41及びMIMO復調回路10に代えて、複数の給電点2a,2b,4a,4bを介してそれぞれ受信された受信信号の振幅、給電点2a,2bを介してそれぞれ受信された受信信号間の相対的な位相、及び給電点4a,4bを介してそれぞれ受信された受信信号間の相対的な位相を検出する振幅位相検出回路41Bと、受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算し、計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったか否かに基づいて振幅位相検出回路41Bを動作させるとともに、受信信号に対するMIMO復調を実行し、復調信号を生成して出力するMIMO復調回路10Cとを備えて構成される。
MIMO復調回路10Cは、図3の場合について説明したように、受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算する。次いで、MIMO復調回路10Cは、計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったときに、パッチアンテナ素子2,4の複数の給電点2a,2b,4a,4bを介してそれぞれ受信された受信信号の振幅とこれらの受信信号間の相対的な位相とを振幅位相検出回路41Bに検出させ、受信される受信信号の信号対雑音比をパッチアンテナ素子2,4毎に最大化するように振幅位相コントローラ42により振幅調整回路31a,31b,31c,31d及び移相器32a,32b,32c,32dを制御させる。あるいは、MIMO復調回路10Cは、固有値を計算することに代えて、受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を計算し、計算された伝送容量がしきい値以下になったときに、振幅位相検出回路41B及び振幅位相コントローラ42を同様に動作させてもよい。
このような制御を行うことで、常時制御を行う必要がないために消費電力の低減にも効果がある。このことは、特に電池駆動の携帯無線通信装置において効果が大きい。
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、1つのパッチアンテナ素子に複数の給電点を備えることによりMIMOアンテナ装置の小型化を実現し、しきい値を用いた制御を実行することにより制御の高速化を達成し、さらに、パッチアンテナ素子毎に複数の給電点に係る受信信号を合成することにより信号電力を高くすることが可能なMIMOアンテナ装置を実現できる。
以上説明したMIMOアンテナ装置は、携帯電話機などの無線通信装置に実装することが可能である。
以上に示したように、本実施形態の構成によれば、小型形状が望まれる携帯無線通信装置において、より少ないアンテナ素子を用いてより大きな伝送容量を得ることが可能なMIMOアンテナ装置を実現できる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係るMIMOアンテナ装置の構造を示す斜視図であり、(b)は、そのMIMOアンテナ装置の構造を示す上面図である。 図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第1の実施例の構成を示すブロック図である。 図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第2の実施例の構成を示すブロック図である。 図1(a)及び(b)のMIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第3の実施例の構成を示すブロック図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るMIMOアンテナ装置の構造を示す斜視図であり、(b)は、そのMIMOアンテナ装置の構造を示す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第1の実施例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第2の実施例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第3の実施例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る、MIMOアンテナ装置の制御及び復調回路に係る第4の実施例の構成を示すブロック図である。 本発明の第1及び第2の実施形態に係るパッチアンテナ素子2の詳細構成を示す斜視図である。 図10のパッチアンテナ素子2の変形例に係る、パッチアンテナ素子2Aの詳細構成を示す斜視図である。 図10のパッチアンテナ素子2の変形例に係る、パッチアンテナ素子2Bの詳細構成を示す斜視図である。
符号の説明
1…接地導体、
2,4,2A,2B…パッチアンテナ素子、
2a,2b,4a,4b…給電点、
3a,3b,5a,5b…給電導体、
3ah,3bh,5ah,5bh…貫通孔、
2aa,2ba,3ab,3bb…接続点、
3aa,3ba…短絡導体、
6,7…スイッチ、
8…スイッチユニット、
10,10A,10B,10C…MIMO復調回路、
11…信号強度比較回路、
12,12A,12B…スイッチコントローラ、
21,22…電力合成器、
31a,31b,31c,31d…振幅調整回路、
32a,32b,32c,32d…移相器、
41,41A,41B…振幅位相検出回路、
42…振幅位相コントローラ。

Claims (22)

  1. 複数のアンテナ素子と、上記複数のアンテナ素子によりそれぞれ受信された受信信号をMIMO復調して復調信号を出力するMIMO復調回路とを備えたMIMOアンテナ装置において、
    上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、各給電点を介して互いに異なる無線信号を受信信号としてそれぞれ受信するように配置された複数の給電点を有する多給電点アンテナ素子であり、
    上記MIMOアンテナ装置はさらに、
    上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられ、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちのいずれか1つを上記MIMO復調回路にそれぞれ接続するスイッチ手段と、
    上記MIMO復調後の復調信号に係る信号対雑音比が増大するように、上記各多給電点アンテナ素子毎に上記複数の給電点のうちのいずれか1つを上記MIMO復調回路にそれぞれ接続させるべく上記各スイッチ手段を制御するスイッチ制御手段とを備えたことを特徴とするMIMOアンテナ装置。
  2. 上記MIMOアンテナ装置はさらに、
    上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された各受信信号の信号強度を、上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに比較する信号強度比較回路を備え、
    上記スイッチ制御手段は、上記信号強度比較回路による比較結果に従って、上記各多給電点アンテナ素子毎に信号強度が最大となる給電点を上記MIMO復調回路にそれぞれ接続させるように上記各スイッチ手段を制御することを特徴とする請求項1記載のMIMOアンテナ装置。
  3. 上記MIMOアンテナ装置はさらに、
    上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている各給電点を介して受信された受信信号の信号強度を、上記各多給電点アンテナ素子毎に所定のしきい値と比較する信号強度比較回路を備え、
    上記スイッチ制御手段は、上記信号強度比較回路による比較結果に従って、上記各多給電点アンテナ素子毎に、上記複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている給電点を介して受信された受信信号の信号強度が上記しきい値以下になったときに、上記接続されている給電点以外のいずれか1つの給電点を上記MIMO復調回路にそれぞれ接続させるように上記各スイッチ手段を制御することを特徴とする請求項1記載のMIMOアンテナ装置。
  4. 上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったときに、上記多給電点アンテナ素子のうちの少なくとも1つにおける複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている給電点以外のいずれか1つの給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記スイッチ手段のうちの少なくとも1つを切り換えさせることを特徴とする請求項1記載のMIMOアンテナ装置。
  5. 上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算された伝送容量がしきい値以下になったときに、上記多給電点アンテナ素子のうちの少なくとも1つにおける複数の給電点のうちの上記MIMO復調回路に接続されている給電点以外のいずれか1つの給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記スイッチ手段のうちの少なくとも1つを切り換えさせることを特徴とする請求項1記載のMIMOアンテナ装置。
  6. 上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも2つは多給電点アンテナ素子であり、
    上記少なくとも2つの多給電点アンテナ素子毎に設けられる上記スイッチ手段はともに、上記各多給電点アンテナ素子の給電点を1つずつ含みかつ互いに異なる給電点の組のうちのいずれか1つの組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続するように構成され、
    上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算される固有値のうちの最小の固有値が最大になる給電点の組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記各スイッチ手段を切り換えさせることを特徴とする請求項1記載のMIMOアンテナ装置。
  7. 上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも2つは多給電点アンテナ素子であり、
    上記少なくとも2つの多給電点アンテナ素子毎に設けられる上記スイッチ手段はともに、上記各多給電点アンテナ素子の給電点を1つずつ含みかつ互いに異なる給電点の組のうちのいずれか1つの組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続するように構成され、
    上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を上記復調信号に基づいて計算し、上記計算される伝送容量が最大になる給電点の組に含まれる各給電点を上記MIMO復調回路に接続させるように、上記スイッチ制御手段により上記各スイッチ手段を切り換えさせることを特徴とする請求項1記載のMIMOアンテナ装置。
  8. 複数のアンテナ素子と、上記複数のアンテナ素子によりそれぞれ受信された受信信号をMIMO復調して復調信号を出力するMIMO復調回路とを備えたMIMOアンテナ装置において、
    上記複数のアンテナ素子のうちの少なくとも1つは、各給電点を介して互いに異なる無線信号を受信信号としてそれぞれ受信するように配置された複数の給電点を有する多給電点アンテナ素子であり、
    上記MIMOアンテナ装置はさらに、
    上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられる合成器であって、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号を上記各多給電点アンテナ素子毎にそれぞれ電力合成し、上記電力合成された受信信号をそれぞれ上記MIMO復調回路に伝送する合成器を備えたことを特徴とするMIMOアンテナ装置。
  9. 上記MIMOアンテナ装置はさらに、
    上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられ、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに変化させる移相器と、
    上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を、上記各多給電点アンテナ素子毎に検出する位相検出回路と、
    上記位相検出回路により検出された位相に従って、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を、上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに一致させるように上記各移相器を制御する位相制御手段とを備え、
    上記各合成器は、上記各移相器により位相制御された後の複数の受信信号を上記各多給電点アンテナ素子毎に電力合成し、上記電力合成された受信信号をそれぞれ上記MIMO復調回路に伝送することを特徴とする請求項8記載のMIMOアンテナ装置。
  10. 上記位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、当該多給電点アンテナ素子で受信された受信信号の信号強度が所定のしきい値以下になったときに、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を検出し、上記複数の受信信号の位相を一致させるように上記位相制御手段により上記各移相器を制御させることを特徴とする請求項9記載のMIMOアンテナ装置。
  11. 上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算し、上記計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に上記位相検出回路に検出させ、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に一致させるように上記位相制御手段により上記各移相器を制御させることを特徴とする請求項9記載のMIMOアンテナ装置。
  12. 上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を計算し、上記計算された伝送容量がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号間の相対的な位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に上記位相検出回路に検出させ、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に一致させるように上記位相制御手段により上記各移相器を制御させることを特徴とする請求項9記載のMIMOアンテナ装置。
  13. 上記MIMOアンテナ装置はさらに、
    上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅をそれぞれ変化させる複数の振幅調整回路と、
    上記各多給電点アンテナ素子毎に設けられ、上記各振幅調整回路により振幅調整された後の複数の受信信号の位相を上記各多給電点アンテナ素子毎に互いに変化させる移相器と、
    上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と、上記複数の受信信号間の相対的な位相とを、上記各多給電点アンテナ素子毎に検出する振幅位相検出回路と、
    上記振幅位相検出回路により検出された振幅及び位相に従って、上記各多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を上記各多給電点アンテナ素子毎に最大化するように上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御する振幅位相制御手段とを備え、
    上記各合成器は、上記各移相器により位相制御された後の複数の受信信号を上記各多給電点アンテナ素子毎に電力合成し、上記電力合成された受信信号をそれぞれ上記MIMO復調回路に伝送することを特徴とする請求項8記載のMIMOアンテナ装置。
  14. 上記振幅位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、当該多給電点アンテナ素子で受信された受信信号の信号強度が所定のしきい値以下になったときに、上記複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と、上記複数の受信信号間の相対的な位相とを検出し、当該多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を最大化するように上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする請求項13記載のMIMOアンテナ装置。
  15. 上記振幅位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、
    当該多給電点アンテナ素子で受信された受信信号の信号強度が第1のしきい値以下であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号のみを上記MIMO復調回路に伝送させるように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
    当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号の信号強度が上記第1のしきい値以下であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のそれぞれを介して受信された受信信号を同相合成するように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
    上記同相合成された受信信号の信号強度が上記第1のしきい値以下であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のそれぞれを介して受信された受信信号を最大比合成するように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする請求項14記載のMIMOアンテナ装置。
  16. 上記振幅位相検出回路は、上記各多給電点アンテナ素子毎に、
    上記最大比合成された受信信号の信号強度が第2のしきい値以上であるとき、当該多給点アンテナ素子の複数の給電点のそれぞれを介して受信された受信信号を同相合成するように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
    上記同相合成された受信信号の信号強度が上記第2のしきい値以上であるとき、当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号のみを上記MIMO復調回路に伝送させるように、上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させ、
    当該多給電点アンテナ素子の複数の給電点のうちで信号強度が最大となる給電点を介して受信された受信信号の信号強度が上記第2のしきい値以上であるとき、上記振幅位相制御手段による上記各振幅調整回路及び上記各移相器の制御を停止させることを特徴とする請求項15記載のMIMOアンテナ装置。
  17. 上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路のチャンネル行列に関連付けられた固有値を計算し、上記計算された固有値のうちの最小の固有値がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と上記複数の受信信号間の相対的な位相とを上記各多給電点アンテナ素子毎に上記振幅位相検出回路に検出させ、当該多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を上記各多給電点アンテナ素子毎に最大化するように上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする請求項13記載のMIMOアンテナ装置。
  18. 上記MIMO復調回路は、上記受信された複数の無線信号の伝搬経路の伝送容量を計算し、上記計算された伝送容量がしきい値以下になったときに、上記各多給電点アンテナ素子の複数の給電点を介して受信された複数の受信信号の振幅と上記複数の受信信号間の相対的な位相とを上記各多給電点アンテナ素子毎に上記振幅位相検出回路に検出させ、当該多給電点アンテナ素子で受信される受信信号の信号対雑音比を上記各多給電点アンテナ素子毎に最大化するように上記振幅位相制御手段により上記各振幅調整回路及び上記各移相器を制御させることを特徴とする請求項13記載のMIMOアンテナ装置。
  19. 上記複数のアンテナ素子はすべて、互いに同じ個数の給電点を備えた多給電点アンテナ素子であることを特徴とする請求項1乃至18のうちのいずれか1つに記載のMIMOアンテナ装置。
  20. 上記多給電点アンテナ素子はそれぞれ2つの給電点を備え、上記各給電点により、互いに直交する偏波方向を有する無線信号をそれぞれ受信することを特徴とする請求項1乃至19のうちのいずれか1つに記載のMIMOアンテナ装置。
  21. 上記複数のアンテナ素子は、上記複数のアンテナ素子でそれぞれ受信される無線信号の偏波方向が互いに平行になることがないように設けられた給電点をそれぞれ備えたことを特徴とする請求項1乃至20のうちのいずれか1つに記載のMIMOアンテナ装置。
  22. 請求項1乃至21のうちのいずれか1つに記載のMIMOアンテナ装置を備えたことを特徴とする無線通信装置。
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