JP5052464B2 - 有機電界発光表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、フルカラー表現のための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3基本色を得る手段として3色塗り分け法、白色有機ELにカラーフィルターを組みあわせる方法がある。
また、有機EL素子からの発光を色変換膜を用いて色変換して所望の色を得る方法では、様々な改良がなされているが、赤色への変換効率が低いこと等が問題として挙げられる。
(2L)/λ+Φ/(2π)=m
(Lは光学的距離、λは取り出したい光の波長、mは整数、Φは位相シフトであり、光学的距離Lが正の最小値となるように構成)
<1> 少なくとも2種の共振する距離が異なる共振器構造を有する有機電界発光表示装置であり、前記有機電界発光表示装置の電極の少なくとも一方を、以下の工程を含むことにより形成することを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法。
基板上に、順に、
(1)第1の電極を形成する工程
(2)レーザーアブレーション加工法により所定の形状よりも大きな形状に前記第1の電極を加工する第1のパターニング工程
(3)前記第1のパターニング工程で成形されたパターン上に第2の電極を形成する工程
(4)前記第1の電極と第2の電極とを積層して有する部分を前記所定の形状に加工する第2のパターニング工程
<2> 少なくとも2種の共振する距離が異なる共振器構造を有する有機電界発光表示装置であり、前記有機電界発光表示装置の絶縁層を、以下の工程を含むことにより形成することを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法。
基板上に、順に、
(1)第1の絶縁層を形成する工程
(2)レーザーアブレーション加工法により所定の形状よりも大きな形状に前記第1の絶縁層を加工する第1のパターニング工程
(3)前記第1のパターニング工程で成形されたパターン上に第2の絶縁層を形成する工程
(4)前記第1の絶縁層と第2の絶縁層とを積層して有する部分を前記所定の形状に加工する第2のパターニング工程
<3> 前記第2のパターニング工程がレーザーアブレーション加工法による加工工程である<1>又は<2>に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
<4> 前記第2のパターニング工程がフォトリソグラフィー法による加工工程である<1>又は<2>に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
1.有機EL表示装置
本発明の有機EL表示装置は、基板上に複数の画素を備え、各画素が波長の異なる光を射出する少なくとも2種の副画素より構成される。
図1に示されるように、本発明の表示装置は基板2の上に複数の画素4を縦横に並列にマトリクス型画面パネルを有する。各画素は、波長の異なる光を射出する少なくとも2種の副画素より構成される。好ましくは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の副画素より構成される(図2)。これらの副画素を独立に制御してそれぞれを独立の輝度で発光することにより、フルカラーを再現することができる。
図3は、本発明による1画素の構成を示す断面模式図である。
透明基板1上に半透過反射層4を有し、透明絶縁膜2を介して、各副画素に対応して透明電極3が厚みを変えて配置される。その上に、各副画素とも共通に有機電界発光層5及び光反射電極膜6を有する。半透過反射電極4と光反射電極膜6の間の光学的距離がR副画素部ではR光が共振する距離、G副画素部ではG光が共振する距離、B副画素部ではB光が共振する距離になるよう、透明電極3の厚みが3a,3b、3cに調整される(図4)。別の態様として、図5に示されるように、透明基板1上に、半透過反射層4を有し、その上に、透明絶縁膜12を厚みを変えて設置し、その上に透明電極13がそれぞれ各副画素に対応してパターン化されて配置される。その上に、図3に於けると同様に各副画素とも共通に有機電界発光層5及び光反射電極膜6が配置される。この態様では、半透過反射電極4と光反射電極膜6の間の光学的距離がR副画素部ではR光が共振する距離、G副画素部ではG光が共振する距離、B副画素部ではB光が共振する距離になるよう、透明絶縁膜12の厚みが画画素に対応したパターンで12a、12b、12cと設置される。
PL−1工程:薄膜第1層101の形成
透明基板11上に、薄膜第1層101を所定の領域(第1の領域)よりも広くパターン化して薄膜第1層101を形成する。
PL−2工程:薄膜第2層102の形成
薄膜第1層101の上に、薄膜第1層101を被覆し、さらに薄膜第2層102の所定の領域(第2の領域)よりも広くパターン化して薄膜第2層102を形成する。
PL−3工程:薄膜第3層103の形成
薄膜第2層102の上に、薄膜第1層101及び薄膜第2層102を被覆し、さらに薄膜第3層103の所定の領域(第2の領域)よりも広くパターン化して薄膜第3層103を形成する。
PL−4工程:所定の領域を形成する第2のパターニング
各領域の所定の広さより広い領域を第2のパターニングにより除去する。その結果、第1の領域、第2の領域及び第3の領域が、それぞれ、分離されて、所定の大きさで形成される。
順に、基板洗浄工程→ITO第1層を成膜→フォトレジストの塗布→ベーキング→マスク露光→フォトレジストの現像処理→ITOのエッチング処理→レジスト剥離(若しくはアルカリ溶解)(以上図7)により第1の領域のパターニングを行う。
続いて、基板洗浄→ITO第2層を成膜→フォトレジストの塗布→ベーキング→マスク露光→フォトレジストの現像処理→ITOのエッチング処理→レジスト剥離(若しくはアルカリ溶解)(以上図8)によりITO第1層の上にITO第2層がパターニングされて形成される。
更に続いて、基板洗浄→ITO第3層を成膜→フォトレジストの塗布→ベーキング→マスク露光→フォトレジストの現像処理→ITOのエッチング処理→レジスト剥離(若しくはアルカリ溶解)(以上図9)によりITO第2層の上にさらにITO第3層がパターニングされて形成される。このITO第3層パターニングの際、ITO第3層とITO第2層の積層部、及びITO第3層、ITO第2層及びITO第1層の積層部の電気的分離も同時に行われ、それぞれ電気的に独立してITOの厚みの異なる3つの領域が形成される。
ITO第1層を形成する工程(1)〜(3)は図10に於けると同じであり、レーザーアブレーション法により形成される。次に、基板洗浄後、工程(5)〜(6)によってITO第2層を形成する。この段階でのITO第2層のパターニングは、ITO第2層のパターニングの所定のパターニング領域より広く形成される。ITO第2層のパターニングはレーザーアブレーション法により形成される。続いて、基板洗浄後、同様にITO第3層を形成する(工程(8))。
次に、工程(9)〜(14)で示されるフォトリソグラフィー法によるパターニング工程を施す。該パターニングに際しては、マスク露光時のマスクは、各々の領域が所定の形状となるように選ばれ、ITO第3層単独よりなる第3の領域、ITO第3層とITO第2層の積層体より形成される第2の領域、及びITO第3層、ITO第2層、及びITO第1層の積層体より成る第1の領域が、それぞれ所定の形状で形成される。各々のレーザーアブレーション工程では、端部にバリが生じるが、フォトリソグラフィー法によるパターニング工程で、バリ部分が除去されるので、最終的に得られるパターンは、バリが無く、端部形状がスムーズである。
図中に示す所定の領域を表す形状記号は、説明上のイメージであり、構造として存在するものではない。
ITO第1層を成膜後、レーザーアブレーション法により所定の領域よりも広く(図面上では広い幅に)パターニングされる(工程(3))。洗浄後、ITO第2層を成膜する(工程(5))。その後、ITO第1層と同様に、レーザーアブレーション法により所定の領域よりも広く(図面上では広い幅に)パターニングされる(工程(6))。洗浄後、ITO第3層を成膜する(工程(8))。
次に、工程(9)で示されるレーザーアブレーション法によるパターニング工程を施す。工程(9)で示されるレーザーアブレーション法によるパターニング工程は、各々の領域が所定の形状を形成するパターニングであり、所定の形状となるようにマスクのが選択される。その結果、ITO第3層単独よりなる第3の領域、ITO第3層とITO第2層の積層体より形成される第2の領域、及びITO第3層、ITO第2層、及びITO第1層の積層体より成る第1の領域が、それぞれ所定の形状で形成される。所定の形状より広い形状のレーザーアブレーション工程で、生じた端部のバリは、最終の所定の形状のパターニングにより除去されるので、最終的に得られるパターンには、最終工程のレーザーアブレーションによるバリのみであり、レーザーアブレーション工程を複数回施しても端部形状のバリは最小限に留まるので、有機EL素子に本方法を用いたとしても電気的ショートなどのトラブルの発生を抑えることができる。
本発明に拠れば、レーザーアブレーション法を利用するが、そのバリ発生が最小限であり、少ない製造工程数であること、及び簡便である特性をフルに発揮できる。
本発明により得られる厚みの異なる薄層パターンは、共振器構造を有する有機EL表示装置に用いることができる。例えば、ITO等の透明電極の厚みを変えて共振距離を調整することができる。あるいは、透明光路長調整層として厚みの異なる絶縁層を設置して、共振距離を調整することができる。
共振器構造を導入することにより、表示装置の各副画素から射出される光はそれぞれ、高輝度かつスペクトル分布の狭い高彩度の光であり、各副画素から共振波長以外の波長成分の光の射出が抑制されるので、極めて高輝度、高彩度の光が得られる。さらに、これらの副画素からの光成分を混合して得られる1画素の光も、高輝度で高彩度である。
また、有機EL発光層として白色発光材料を用いて、R,G,B副画素とも有機EL発光層及び反射層等を共通に形成できる利点を有する。従って、表記装置の製造工程が更に簡易で、高い生産性が得られ、また、高精細化が容易である。
本発明に用いられるレーザーアブレーション加工法とは、レーザービームを固体物質表面に照射した際、このレーザーエネルギーを吸収した物質が大きなエネルギーをもつフラグメントとして飛散する現象、すなわちレーザーアブレーション現象を利用して微細加工を施す方法のことである。
本発明に於ける厚みの異なる薄層として、光路長調整層を用いることが好ましい。
光路長調整層は、透明な絶縁層材料であれば特に限定されず、無機物(SiO2、SiON、SiN、ITO、IZO等)や有機物(ポリカーボネート、ポリアクリレート、シリコーン樹脂等)の何れでも良い。
本発明に於ける光路長調整層に用いられる無機絶縁材料としては、従来知られている種々の金属酸化物、金属窒化物、金属フッ化物などを用いることができる。
金属酸化物の具体例としては、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等が挙げられ、金属窒化物の具体例としては、SiNx、SiNxOy等が挙げられ、金属フッ化物の具体例としては、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等が挙げられる。また、これらの混合物であっても良い。
本発明における有機電界発光素子は、発光層の他に、正孔輸送層、電子輸送層、ブロック層、電子注入層、および正孔注入層などの従来知られている有機化合物層を有しても良い。
1)層構成
<電極>
本発明における有機電界発光素子の一対の電極は、少なくとも一方は透明電極であり、もう一方は背面電極となる。背面電極は透明であっても、非透明であっても良い。
<有機化合物層の構成>
前記有機化合物層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機化合物層は、前記透明電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機化合物層の形状、大きさ、および厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
2)正孔輸送層
本発明に用いられる正孔輸送層は正孔輸送材を含む。前記正孔輸送材としては正孔を輸送する機能、もしくは陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば特に制限されることはなく用いることが出来る。本発明に用いられる正孔輸送材としては、低分子正孔輸送材、および高分子正孔輸送材のいずれも用いることができる。
本発明に用いられる正孔輸送材の具体例として、例えば以下の材料を挙げることができる。
これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明おいては、正孔輸送層と陽極の間に正孔注入層を設けることができる。
正孔注入層とは、陽極から正孔輸送層に正孔を注入しやすくする層であり、具体的には前記正孔輸送材の中でイオン化ポテンシャルの小さな材料が好適用いられる。例えばフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、及びスターバースト型トリアリールアミン化合物等を挙げることができ、好適に用いることができる。
正孔注入層の膜厚は、1nm〜300nmが好ましい。
本発明に用いられる発光層は、少なくとも一種の発光材料を含み、必要に応じて正孔輸送材、電子輸送材、ホスト材を含んでもよい。
本発明に用いられる発光材料としては特に限定されることはなく、蛍光発光材料または燐光発光材料のいずれも用いることができる。発光効率の点から燐光発光材料が好ましい。
上記オルトメタル化錯体の中でも、三重項励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率向上の観点から好適に使用することができる。
ホスト材の発光層における含有量としては0質量%〜99.9質量%が好ましく、さらに好ましくは0質量%〜99.0質量%である。
本発明においては、発光層と電子輸送層との間にブロック層を設けることができる。ブロック層とは発光層で生成した励起子の拡散抑制する層であり、また正孔が陰極側に突き抜けることを抑制する層である。
本発明においては電子輸送材を含む電子輸送層を設けることができる。
電子輸送材としては電子を輸送する機能、もしくは陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば制限されることはなく、前記ブロック層の説明時に挙げた電子輸送材を好適に用いることができる。
前記電子輸送層の厚みとしては、10nm〜200nmが好ましく、20nm〜80nmがより好ましい。
本発明おいては、電子輸送層と陰極の間に電子注入層を設けることができる。
電子注入層とは、陰極から電子輸送層に電子を注入しやすくする層であり、具体的にはフッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム等のリチウム塩、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属塩、酸化リチウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム、又は酸化マグネシウム等の絶縁性金属酸化物等を好適に用いることができる。
電子注入層の膜厚は0.1nm〜5nmが好ましい。
本発明に用いられる基板の材料としては、水分を透過させない材料又は水分透過率の極めて低い材料が好ましく、また、前記有機化合物層から発せられる光を散乱乃至減衰等のさせることのない材料が好ましい。具体的例として、例えばYSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、アリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、およびポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機材料、などが挙げられる。
前記有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、又は低吸湿性等に優れていることが好ましい。これらの材料は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
基板には、さらに必要に応じて、ハ−ドコ−ト層、およびアンダ−コ−ト層などを設けてもよい。
本発明における電極は、第1電極よび第2電極のいずれが陽極であっても陰極であっても構わないが、好ましくは第1電極が陽極であり、第2電極が陰極である。
本発明に用いられる陽極としては、通常、前記有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。
陽極は、無色透明であっても、有色透明であってもよく、該陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計を用いた公知の方法に従って測定することができる。
本発明に用いることの出来る陰極としては、通常、前記有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
例えば、前記陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
また、陰極と有機化合物層との間に前記アルカリ金属又は前記アルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を0.1nm〜5nmの厚みで挿入してもよい。
陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、前記陰極の材料を1nm〜10nmの厚みに薄く製膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
さらに、本発明における有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。
水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、および酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、及びシリコーンオイル類が挙げられる。
本発明における素子を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコ−ト法、ディップコ−ト法、キャスト法、ダイコ−ト法、ロ−ルコ−ト法、バ−コ−ト法、グラビアコ−ト法等の湿式製膜法いずれによっても好適に製膜することができる。
中でも発光効率、耐久性の点から乾式法が好ましい。湿式製膜法の場合、残存する塗布溶媒が発光層を損傷させるので好ましくない。
特に好ましくは、抵抗加熱式真空蒸着法である。抵抗加熱式真空蒸着法は、真空下で加熱により蒸散させる物質のみを効率的に加熱できるので、素子が高温に曝されないのでダメージが少なく有利である。
従来用いられてきた酸化シリコン等の封止剤は昇華点が高く、抵抗加熱で蒸着することは不可能であった。また、公知例に一般的に記載されているイオンプレーティング式などの真空蒸着法は、蒸着元部が数千℃と超高温となるため、被蒸着材料に熱的な影響を与えて変質させるため、特に熱や紫外線の影響を受けやすい有機EL素子の封止膜の製造方法としては適していない。
本発明における有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機EL素子の用途は特に限定されないが、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、あるいはTVモニター等広い表示分野に適用できる。
従来のフォトリソグラフィー法によるITO膜の薄膜のパターニング方法によって、ガラス基板上に2種類の厚みのITO膜を成膜し、幅2.0mmの短冊形状にパターニングを行う例である。順に、下記16工程よりなる。
(2)ITO第1層スパッタ
(3)レジスト塗布
(4)レジストベーク
(5)マスク露光
(6)レジスト現像
(7)露出したITOエッチング
(8)レジスト剥離
(9)基板洗浄
(10)ITO第2層スパッタ
(11)レジスト塗布
(12)レジストベーク
(13)マスク露光
(14)レジスト現像
(15)露出したITOエッチング
(16)レジスト剥離
上記比較例1におけるフォトリソグラフィー法によるパターニングの代わりにレーザーアブレーション法を用いた例である。順に、下記工程よりなる。
(2)ITO第1層スパッタ
(3)レーザーアブレーション
(4)基板洗浄
(5)ITO第2層スパッタ
(6)レーザーアブレーション
比較例2において、ITO第1層の第1段階パターニングをレーザーアブレーション法により、幅2.2mmにパターニングし、第2段階のパターニングをフォトリソグラフィー法に変更して幅2.0mmの短冊形状にパターニングを行う例である。
(2)ITOスパッタ
(3)レジスト塗布(レーザー照射により可溶化)
(4)レジストベーク
(5)レーザーアブレーション法によりレジストごと除去し2.2mm幅にパターニング
(6)レジスト現像(アブレーション残の内、レーザー照射された端部が溶解、約0.1mm幅にバリが残存)
(7)露出したITO端部エッチング処理(バリ部が溶解除去される)
(8)レジスト剥離
図11および図12に示されるように、ガラス基板上に3種類の厚みのITO膜を成膜し、幅2.0mmの短冊形状にパターニングを行う例を示す。第1段階、第2段階のパターニングを、所定の領域より広い幅(2.2mm)でレーザーアブレーションによりパターニングし、第3段階のパターニングを所定の幅(2.0mm)にフォトリソグラフィー法により行う薄膜のパターニング方法である。順に下記工程より成る。
(2)ITO第1層スパッタ
(3)レーザーアブレーションによるパターニング(2.2mm幅にパターニング)
(4)基板洗浄
(5)ITO第2層スパッタ
(6)レーザーアブレーションによるパターニング(2.2mm幅にパターニング)
(7)基板洗浄
(8)ITO第3層スパッタ
(9)レジスト塗布
(10)レジストベーク
(11)マスク露光(2.0mm幅にパターニング)
(12)レジスト現像
(13)露出したITOエッチング
(14)レジスト剥離
ITO膜付き基板に下記白色発光有機EL素子を作製した。
基板を洗浄し、酸素プラズマ処理を施した後、真空蒸着装置に投入して下記白色発光有機EL層を一様に成膜した。
N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記する)を厚み10nmで成膜した。
1,3−bis(carbazol−9−yl)benzene(mCPと略称)とmCPに対して発光材Aを15質量%、発光材Bを0.13質量%、発光材Cを0.13質量%となるように4元で共蒸着を行った。膜厚は30nmとした。
bis−(2−methyl−8−quinolinolate)−4−(phenylphenolate) aluminium(BAlqと略記する)を成膜した。厚みは40nmとした。
LiFを厚み0.5nmにして電子注入層とした。
金属電極(Al、100nm)を成膜した。
0.2mm厚みのポリエチレンナフタレート基板全面に、Ag蒸着膜を20nm成膜し、さらにSiO2膜をスパッタで20nm成膜した。この基板上に実施例2の手法で、3種類の厚みのITO電極を成膜した。ITO第1層のスパッタ厚みは56nmとし、第2層を33nm、第3層を48nmの厚みで成膜した。これにより、基板上にAg薄膜による半透過半反射層を備え、膜厚が48nm、81nm、137nmの厚みを持つITO電極を備えた基板が得られた。
上記の基板に比較例3と同じ有機EL素子を作製した。
光反射層を厚み100nmのAl膜、半透過半反射層を厚み20nmの銀薄膜とした場合、共振する光学的距離は、各色に対して下記のように見積もられる。
波長λの光を強めたいとき、以下の式のmが整数になるように光学距離を調節すればよい。ただし、nは光が通過する層の屈折率であり、φは反射層で光の位相がずれる量である。屈折率の異なる複数の層が積層されている場合には2ndの部分を2(n1*d1+n2*d2+・・・)とすればよい。
2nd/λ+φ/2π=m
実験により上記式のφを求めて、460nm,520nm,620nmを強める光学距離(半透過半反射層−反射層間距離、有機膜換算)を求めると、以下のようになる。
緑(520nm)を共振させる光学距離:242nm±153nm(242nm、395nm、548nm、−−−−)
赤(620nm)を共振させる光学距離:308nm±182nm(126nm、308nm、490nm、−−−−)
SiO2(20*1.45/1.7)+ITO(48*2.0/1.7)+OLED(130)で203nm
・ITO電極81nmの素子の有機膜換算光学距離:
SiO2(20*1.45/1.7)+ITO(81*2.0/1.7)+OLED(130)で242nm
・ITO電極137nmの素子の有機膜換算光学距離:
SiO2(20*1.45/1.7)+ITO(137*2.0/1.7)+OLED(130)で308nm
Claims (4)
- 少なくとも2種の共振する距離が異なる共振器構造を有する有機電界発光表示装置であり、前記有機電界発光表示装置の電極の少なくとも一方を、以下の工程を含むことにより形成することを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法。
基板上に、順に、
(1)第1の電極を形成する工程
(2)レーザーアブレーション加工法により所定の形状よりも大きな形状に前記第1の電極を加工する第1のパターニング工程
(3)前記第1のパターニング工程で成形されたパターン上に第2の電極を形成する工程
(4)前記第1の電極と第2の電極とを積層して有する部分を前記所定の形状に加工する第2のパターニング工程 - 少なくとも2種の共振する距離が異なる共振器構造を有する有機電界発光表示装置であり、前記有機電界発光表示装置の絶縁層を、以下の工程を含むことにより形成することを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法。
基板上に、順に、
(1)第1の絶縁層を形成する工程
(2)レーザーアブレーション加工法により所定の形状よりも大きな形状に前記第1の絶縁層を加工する第1のパターニング工程
(3)前記第1のパターニング工程で成形されたパターン上に第2の絶縁層を形成する工程
(4)前記第1の絶縁層と第2の絶縁層とを積層して有する部分を前記所定の形状に加工する第2のパターニング工程 - 前記第2のパターニング工程がレーザーアブレーション加工法による加工工程である請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
- 前記第2のパターニング工程がフォトリソグラフィー法による加工工程である請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
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