JP5050764B2 - 絶縁樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、ポリアミドイミド樹脂の製造方法としては、例えば、無水トリメリット酸と、芳香族ジイソシアネートとを反応させる工程を備える、いわゆるイソシアネート法が知られている。このイソシアネート法の例としては、芳香族トリカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとをジアミン過剰条件で反応させ、次いでジイソシアネートを反応させる方法(例えば、特許文献1、2参照)等がある。
例えば、特許文献1、2、5、6に記載の製造方法の場合、分子量の高いポリアミドイミド樹脂を得ることが困難であるという問題がある。ポリアミドイミド樹脂の分子量が低いと、これを含有する樹脂組成物をフィルム状の接着剤とするときにおけるフィルム形成性が十分でない傾向にある。
一方、特許文献4に記載の製造方法の場合は、フィルム形成に十分な程度の高い分子量のポリアミドイミド樹脂が得られ、耐熱性もある程度向上するものの、特に吸湿したときの接着性や、配線板の製造工程で行われるアルカリ過マンガン液処理に対する耐薬品性が不十分である。これは導入したシロキサン構造が低弾性率や耐薬品性に優れているが、ケイ素−酸素結合がアルカリ過マンガン酸液よって容易に切断され、アルカリ過マンガン酸液に対する耐薬品性が低いことに起因する。
さらに、特許文献7に記載の樹脂は、耐薬品性や弾性率制御という点で良好であるが、200〜280℃の高温領域での耐熱性が不十分である。
1.ジイミドジカルボン酸(a1)、両末端にカルボキシル基を有するカルボン酸末端ポリブタジエン(a2)及び両末端にカルボキシル基を有するカルボン酸末端水素化ポリブタジエン(a3)を含むカルボン酸末端化合物(A)と、ジイソシアネート(B)とを反応させて得られる重量平均分子量が10,000〜500,000のポリアミドイミド樹脂(U)、マレイミド化合物(V)並びに有機過酸化物(W)を含有し、(1)硬化物のガラス転移温度が200℃以上、(2)動的粘弾性測定装置を用いて測定した硬化物の貯蔵弾性率が25℃で100〜2,000MPa、250℃で10〜1,000MPaであることを特徴とする絶縁樹脂組成物。
2.カルボン酸末端化合物(A)とジイソシアネート(B)の合計質量中の量として、ジイミドジカルボン酸(a1)の配合量が1〜30質量%、カルボン酸末端ポリブタジエン(a2)の配合量が1〜40質量%、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン(a3)の配合量が10〜50質量%である上記1の絶縁樹脂組成物。
3.カルボン酸末端化合物(A)が、さらにカルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)含むものである上記1又は2の絶縁樹脂組成物。
4.カルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)の配合量が30質量%以下である上記3の絶縁樹脂組成物。
5.カルボン酸末端化合物(A)のカルボキシル基の合計に対するジイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル比が1〜1.5である上記1〜4のいずれかの絶縁樹脂組成物。
6.ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対して、マレイミド化合物(V)を10〜100質量部含有する上記1〜5のいずれかの絶縁樹脂組成物。
7.ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対して、有機過酸化物(W)を0.1〜5質量部含有する上記1〜6のいずれかの絶縁樹脂組成物。
8.さらに、多官能エポキシ化合物(Y)と多官能アミン(Z)を含有する上記1〜7のいずれかの絶縁樹脂組成物。
9.ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対して、多官能エポキシ化合物(Y)を10〜100質量部、多官能アミン(Z)を1〜20質量部各々含有する上記8の絶縁樹脂組成物。
第1段階においては、無水トリメリット酸の酸無水基部分が、ジアミンのアミノ基と反応して開環し、アミド酸が生成する反応が主として進行し、第2段階においては、一旦開環していたアミド酸部分が、脱水閉環してイミド基が生成する反応が主として進行すると見られる。
無水トリメリット酸とジアミン化合物を反応させる第1段階の反応に用いられる非プロトン性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などが挙げられる。
第1段階の反応における反応温度は0〜100℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は5〜60分、好ましくは10〜30分である。
第2段階の反応における反応温度は150〜200℃、好ましくは160〜180℃であり、反応時間は1〜4時間、好ましくは2〜3時間である。
なお、脱水閉環反応の終了後、温度を150〜200℃程度に保持して水と共沸可能な芳香族炭化水素を反応溶液中から除去しておくことが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂(U)中の各カルボン酸末端化合物の配合量は、カルボン酸末端化合物(A)とジイソシアネート(B)の合計質量中の量として、ジイミドジカルボン酸(a1)が1〜30質量%、カルボン酸末端ポリブタジエン量(a2)が1〜40質量%、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン量(a3)が10〜50質量%、カルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)が0〜30質量%であることが好ましい。
ジイミドジカルボン酸(a1)を上記範囲とすることにより本発明の特徴である低弾性率化が可能となる。また、カルボン酸末端ポリブタジエン量(a2)、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン量(a3)およびカルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)を上記範囲とすることにより、低弾性率化と共に、耐熱性との両立が可能となる。
これらの反応に用いられる溶液としては、ジイミドジカルボン酸の合成反応後の反応溶液に他のカルボン酸末端化合物を配合した溶液をそのまま用いてもよいし、これに必要に応じて他の溶媒を加えてもよい。なお、ジイミドジカルボン酸の合成に際して芳香族炭化水素溶媒を用いた場合には、この芳香族炭化水素溶媒を除去したものを用いることが好ましい。
塩基性触媒を用いる場合、反応温度は130〜180℃とすることが好ましい。
下記一般式(7)において、Wはポリアミドイミド樹脂におけるジイミドジカルボン酸(a1)のモル数、Xはカルボン酸末端ポリブタジエン(a2)のモル数、Yはカルボン酸末端水素化ポリブタジエン(a3)のモル数、Zはカルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)のモル数を示すことになる。なお、カルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)は必須ではないため、Zは0である場合が含まれる。nについては、一般式(2)〜(4)の場合と同じ意味を有する。
なお、本発明において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定を行い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算して得られる値である。
マレイミド化合物(V)は、ポリブタジエン中の二重結合をラジカルによる架橋反応させる上で、非常に重要である。なぜなら、ポリブタジエン中の二重結合は、ラジカル発生剤を添加しても、単独重合成が低いために架橋反応が進行しない。一方で、二重結合に隣接してカルボニル基を有するマレイミド化合物は、その電子吸引性からポリブタジエンの二重結合と交互共重合性に適した化合物であり、本発明のポリアミドイミド樹脂の硬化並びに、耐熱性及び耐薬品性の付与に欠かせない化合物である。
マレイミド化合物(V)の含有量は、ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対し、10〜100質量部であることが好ましい。10質量部以上とすることにより、ポリアミドイミドの硬化が進行して耐熱性が向上し、100質量部以下とすることにより、室温領域の弾性率が一般のポリイミド樹脂やエポキシ樹脂よりも低下し、ポリブタジエン変性ポリアミドイミドの可とう性が得られるようになる。
添加する有機過酸化物(W)の量は、ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましい。有機過酸化物(W)を0.1質量部以上とすることにより、耐熱性が良好となり、5質量部以下とすることにより、ビスマレイミドやポリブタジエンの副反応による特性低下を避けることができる。
本発明の絶縁樹脂組成物に使用される多官能エポキシ化合物(Y)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などが例示される。本発明においてはこれらの多官能エポキシ化合物を単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
添加する多官能エポキシ化合物(Y)の量は特に制限されないが、ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対し、10〜100質量部であることが好ましい。エポキシ化合物を10質量部以上とすることにより、流動性や銅との接着力が低下することがなく、100質量部以下とすることにより、絶縁樹脂組成物においてブタジエン変性ポリアミドイミドの低弾性率性が損なわれることや、多官能エポキシ化合物の物性が支配的になることがない。
本発明においては、多官能エポキシ化合物の硬化剤として、多官能アミン(Z)を使用することが特に好ましい。多官能アミンは、絶縁樹脂組成物中にあるマレイミド化合物と、マイケル付加して反応する。すなわち、多官能アミンを用いることにより、ポリアミドイミド樹脂(すなわち、ポリブタジエン変性ポリアミドイミド)、マレイミド化合物、多官能アミン及び多官能エポキシ化合物が反応して、均一な樹脂組成物を得ることができる。
この中で芳香族多官能アミンを使用すると室温領域でのエポキシ化合物と多官能アミンとの反応速度が低下するので、長時間のワニスに使用する場合には好適である。
本発明の絶縁樹脂組成物中には、上記の成分の他に、必要に応じて、ゴム系エラストマー、難燃剤としてのリン系化合物、無機充填剤、カップリング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、イオントラップ剤等をさらに含有させてもよい。
本発明の絶縁樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は200℃以上であれば、十分な耐熱性の信頼性が確保される。
また、本発明の絶縁樹脂組成物の硬化物は、動的粘弾性測定装置を用いて測定される貯蔵弾性率が25℃で100〜2,000MPa、好ましくは100〜1,000MPaであり、250℃で10〜1,000MPa、好ましくは10〜500MPaである。
本発明の絶縁樹脂組成物は、特に硬化物の高温での貯蔵弾性率の低下が小さく、接着性や耐薬品性などにも優れることから、特に電子材料用の絶縁材料、接着材、配線板材料などに極めて有用である。
実施例および比較例では、以下の方法で銅張積層板を製造し、性能を評価した。
製造例および比較製造例において得られた絶縁樹脂組成物のワニスを、銅箔〔古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F3−WS−18〕上に乾燥後45μmになるように塗布し、130℃で9分加熱して乾燥させて、一方表面上に樹脂組成物層が形成された銅箔を得た。
次いで、この銅箔上の樹脂組成物層上に銅箔(F3−WS−18)を積層し、185℃で加熱しながら、2.5MPaで1時間プレスし、銅箔の間に厚さ45μmの樹脂組成物層を備える銅張積層板を得た。
得られた銅張積層板、硬化物について、下記方法によりピール強度、288℃はんだ耐熱性、動的粘弾性、ガラス転移温度、耐デスミア性および基板のそり量を測定することにより評価した。
(1)ピール強度:
銅張積層板の銅をエッチングすることにより5mm幅の回路を作製し、それを試験片として、JISC6481に準拠して測定した。
(2)288℃はんだ耐熱性:
50mm×50mmの両面銅張積層板の評価基板を作製し、TMA試験装置〔デュポン(株)製TMA2940〕を用い、288℃のはんだ浴に浮かべ、評価基板の膨れが発生するまでの時間を測定した。
(3)貯蔵弾性率:
動的粘弾性測定装置を用い、両面銅張積層板から両面の銅箔をエッチングにより除去したものを試験片とし、測定幅5mm、チャック間距離20mm、昇温速度5℃/分、温度範囲:40℃〜300℃、ひずみ量3μm(0.015%)、周波数10Hzで25℃および250℃の弾性率を測定した。
(4)ガラス転移温度(Tg):
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置〔デュポン(株)製TMA2940〕を用い、評価基板の熱膨張特性を観察することにより測定した。
(5)耐デスミア性:
50mm×50mmの両面銅張積層板の銅箔をエッチングにより除去したものを試験片とし、粗化液として、KMnO4:60g/リットルとNaOH:40g/リットルを加えた水溶液を作製し、70℃に加温して、サンプルを10分間浸漬処理した。続いて中和液としてSnCl2:30g/リットルとHCl:300ml/リットルを加えた水溶液を用い、サンプルを室温で5分間浸漬処理して中和した。その後、乾燥して重量を測定し、デスミア処理前後の重量変化を評価した。
(6)基板そり量:
両面の銅箔を除去した厚さ0.2mmのガラスクロスエポキシ積層板〔日立化成工業(株)社製、商品名:MCL−E−679F〕の片面上に、上記樹脂組成物層が形成された銅箔を樹脂組成物層が接するように重ね、185℃で加熱しながら、2.5MPaで1時間プレス後、銅箔をエッチング除去し、樹脂組成物層とガラスクロスエポキシ積層からなる基板を作製し、該基板を50×50mmに切断し、レーザ三次元形状測定装置を用いて、そり量を測定した。
ディーンスターク還流冷却器、温度計及び撹拌器を備えた2Lのセパラブルフラスコに、ジアミン化合物である(4,4'−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン〔新日本理化(株)製、商品名:ワンダミンHM(WHM)〕を44.1g(0.21mol)、無水トリメリット酸(TMA)を82.1g(0.43mol)及び非プロトン性極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1200g投入して反応溶液とし、これを80℃で30分間撹拌した。
続いて、反応溶液に水と共沸可能な芳香族炭化水素であるトルエン200mLを加え、
160℃で2時間還流した。水分定量受器に理論量の水がたまり、水の流出が見られなくなっていることを確認後、水分定量受器中の水とトルエンを除去し、反応溶液の温度をさらに190℃まで上昇させて、反応溶液中のトルエンを除去した。
その後、反応溶液を室温まで冷却してから、カルボン酸末端ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:C−1000〕を102.7g(0.053mol)、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:CI−1000〕を115.5g(0.053mol)及びジイソシアネートである、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を91.0g(0.36mol)加え、反応溶液を190℃に上昇させて2時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂AのNMP溶液を得た。
製造例1と同じ装置を用い、ジアミン化合物に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン〔BAPP、和歌山精化工業(株)製〕を62.1g(0.15mol)、TMAを58.7g(0.31mol)及びNMPを1200g投入して反応溶液とし、これを80℃で30分間撹拌した。その後の脱水、脱トルエン工程後、反応溶液を室温まで冷却してから、カルボン酸末端ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:C−1000〕を95.3g(0.050mol)、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:CI−1000〕を64.3g(0.030mol)、カルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴムを〔宇部興産(株)製、商品名:CTBN1300x8〕75.6g(0.020mol)及びMDIを71.5g加え、反応溶液を190℃に上昇させて2時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂BのNMP溶液を得た。
製造例1と同じ装置を用い、ジアミン化合物に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン〔BAPP、和歌山精化工業(株)製〕を47.9g(0.12mol)、TMAを45.3g(0.24mol)及びNMPを1200g投入して反応溶液とし、これを80℃で30分間撹拌した。その後の脱水、脱トルエン工程後、反応溶液を室温まで冷却してから、カルボン酸末端ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:C−1000〕を115.2g(0.059mol)、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:CI−1000〕を95.8g(0.044mol)、カルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム〔宇部興産(株)製、商品名:CTBN1300x13〕を53.7g(0.015mol)及びMDIを67.3g(0.27mol)加え、反応溶液を190℃に上昇させて2時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂CのNMP溶液を得た。
製造例1と同じ装置を用い、ジアミン化合物である(4,4'−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン〔新日本理化(株)製、商品名:ワンダミンHM(WHM)〕を43.3g(0.21mol)、TMAを79.9g(0.42mol)及びNMPを1200g投入して反応溶液とし、これを80℃で30分間撹拌した。その後の脱水、脱トルエン工程後、反応溶液を室温まで冷却してから、カルボン酸末端ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:C−1000〕を40.0g(0.020mol)、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:CI−1000〕を183.1g(0.082mol)及びMDIを88.5g(0.35mol)加え、反応溶液を190℃に上昇させて2時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂DのNMP溶液を得た。
製造例1と同じ装置を用い、ジアミン化合物である(4,4'−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン〔新日本理化(株)製、商品名:ワンダミンHM(WHM)〕を44.9g(0.21mol)、TMAを82.9g(0.43mol)及びNMPを1200g投入して反応溶液とし、これを80℃で30分間撹拌した。その後の脱水、脱トルエン工程後、反応溶液を室温まで冷却してから、カルボン酸末端ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:C−1000〕を145.0g(0.074mol)、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン〔日本曹達(株)製、商品名:CI−1000〕を71.2g(0.030mol)及びMDIを92.9g(0.37mol)加え、反応溶液を190℃に上昇させて2時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂EのNMP溶液を得た。
製造例1と同じ装置を用い、ジアミン化合物に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン〔BAPP、和歌山精化工業(株)製〕を161g(0.39mol)、TMAを167.2g(0.87mol)及びNMPを1200g投入して反応溶液とし、これを80℃で30分間撹拌した。その後の脱水、脱トルエン工程後、反応溶液を室温まで冷却してから、MDIを124.2g(0.50mol)加え、反応溶液を190℃に上昇させて2時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂FのNMP溶液を得た。
製造例1と同じ装置を用い、ジアミン化合物である反応性シリコーンオイルX−22−161−B〔信越化学工業(株)製、商品名、アミン当量1,500〕を122.7g(0.072mol)、3,3'−ジアミノジフェニルメタン(DDM、和光純薬製試薬)を57.3g(0.29mol)、TMAを153.9g(0.80mol)及びNMPを1200gを投入して反応溶液とし、これを80℃で30分間撹拌した。その後の脱水、脱トルエン工程後、反応溶液を室温まで冷却してから、MDIを114.3g(0.46mol)加え、反応溶液を190℃に上昇させて2時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂GのNMP溶液を得た。
製造例1で得たポリアミドイミド樹脂Aの溶液に、ジフェニルメタンビスマレイミド〔BMI、大和化成工業(株)製〕を、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、30質量部加え、更に過酸化物であるジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン〔日本油脂(株)製、商品名:パーブチルP〕を1.0質量部加え、撹拌し、樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第2表に示す。
製造例2で得たポリアミドイミド樹脂Bの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部加え、更に過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第2表に示す。
製造例3で得たポリアミドイミド樹脂Cの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部加え、更に過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第2表に示す。
製造例4で得たポリアミドイミド樹脂Dの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部加え、更に過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第2表に示す。
製造例5で得たポリアミドイミド樹脂Eの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部加え、更に過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第2表に示す。
製造例1で得たポリアミドイミド樹脂Aの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを10質量部加え、更に過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第2表に示す。
製造例1で得たポリアミドイミド樹脂Aの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを50質量部加え、更に過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第2表に示す。
製造例3で得たポリアミドイミド樹脂Cの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部、過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部、エポキシ化合物としてDER331L〔ダウ・ケミカル日本(株)製、商品名〕を20質量部及びBAPPを10質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第3表に示す。
製造例3で得たポリアミドイミド樹脂Cの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部、過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部、エポキシ化合物としてNC−3000H〔日本化薬(株)製、商品名〕を20質量部、BAPPを8質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第3表に示す。
製造例3で得たポリアミドイミド樹脂Cの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部、過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部、エポキシ樹脂としてNC−3000H〔日本化薬(株)製、商品名〕を40質量部、BAPPを16質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第3表に示す。
製造比較例1で得たポリアミドイミド樹脂Fの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部、過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第3表に示す。
製造比較例1で得たポリアミドイミド樹脂Fの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部、過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部、エポキシ化合物としてNC−3000Hを20質量部、BAPPを8質量部加え、実施例1と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第3表に示す。
製造比較例2で得たポリアミドイミド樹脂Gの溶液に、ポリアミドイミド樹脂固形分100質量部に対し、BMIを30質量部、過酸化物であるパーブチルPを1.0質量部、エポキシ化合物としてNC−3000Hを20質量部、BAPPを8質量部加え、実施例6と同様の方法で樹脂組成物のワニスを得た。評価・測定結果を第3表に示す。
従って、本発明の絶縁樹脂組成物を電気基板材料等に用いることで、耐熱性、接着性及び耐薬品性が優れると共に、基板のそりの低減に有効である。
Claims (9)
- ジイミドジカルボン酸(a1)、両末端にカルボキシル基を有するカルボン酸末端ポリブタジエン(a2)及び両末端にカルボキシル基を有するカルボン酸末端水素化ポリブタジエン(a3)を含むカルボン酸末端化合物(A)と、ジイソシアネート(B)とを反応させて得られる重量平均分子量が10,000〜500,000のポリアミドイミド樹脂(U)、マレイミド化合物(V)並びに有機過酸化物(W)を含有し、(1)硬化物のガラス転移温度が200℃以上、(2)動的粘弾性測定装置を用いて測定した硬化物の貯蔵弾性率が25℃で100〜2,000MPa、250℃で10〜1,000MPaであることを特徴とする絶縁樹脂組成物。
- カルボン酸末端化合物(A)とジイソシアネート(B)の合計質量中の量として、ジイミドジカルボン酸(a1)の配合量が1〜30質量%、カルボン酸末端ポリブタジエン(a2)の配合量が1〜40質量%、カルボン酸末端水素化ポリブタジエン(a3)の配合量が10〜50質量%である請求項1に記載の絶縁樹脂組成物。
- カルボン酸末端化合物(A)が、さらにカルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)含むものである請求項1又は2に記載の絶縁樹脂組成物。
- カルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム(a4)の配合量が30質量%以下である請求項3に記載の絶縁樹脂組成物。
- カルボン酸末端化合物(A)のカルボキシル基の合計に対するジイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル比が1〜1.5である請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁樹脂組成物。
- ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対して、マレイミド化合物(V)を10〜100質量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁樹脂組成物。
- ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対して、有機過酸化物(W)を0.1〜5質量部含有する請求項1〜6のいずれかに記載の絶縁樹脂組成物。
- さらに、多官能エポキシ化合物(Y)と多官能アミン(Z)を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁樹脂組成物。
- ポリアミドイミド樹脂(U)100質量部に対して、多官能エポキシ化合物(Y)を10〜100質量部、多官能アミン(Z)を1〜20質量部各々含有する請求項8に記載の絶縁樹脂組成物。
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