JP2001152015A - 耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた接着フィルム - Google Patents

耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた接着フィルム

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JP2001152015A JP33787799A JP33787799A JP2001152015A JP 2001152015 A JP2001152015 A JP 2001152015A JP 33787799 A JP33787799 A JP 33787799A JP 33787799 A JP33787799 A JP 33787799A JP 2001152015 A JP2001152015 A JP 2001152015A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性、耐熱性に優れ、かつ低弾性率な耐熱
性樹脂組成物とそれを用いた接着フィルムを提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 (A)アラミド構造を含有するシロキサ
ン変性ポリアミドイミド樹及び(B)2個以上のグリシ
ジル基を有するエポキシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低弾性率で耐熱性に
優れた各種プリント配線板、半導体パッケージ用接着
剤、封止材などに好適な耐熱性樹脂組成物及びそれを用
いた接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、多機能化に伴
い、プリント配線板や半導体パッケージの配線もより高
密度化、微細化が進んでいる。このため、接着剤や接着
フィルムに対しても、実装の際の高温プロセスに対応
し、かつ電子部品を搭載する際の熱応力を緩和できる、
高耐熱性、低弾性率材料が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より、耐熱性に優
れた樹脂であるポリイミドやポリアミドイミドに、シロ
キサン構造を導入した、低弾性率材料が開発されてき
た。特開平3−189127号公報、特開平4−264
003号公報などにはいずれもシロキサン変性ポリアミ
ドイミドが提案されている。しかしながら、これらの樹
脂は銅箔に対する接着力が十分でなく、また、ガラス転
移点以上の温度領域では樹脂の弾性率が著しく低下し、
耐熱性も十分でない。
【0004】また、特開平10―60111号公報には
シロキサン変性ポリアミドイミドにマレイミド基を2個
以上有する化合物を配合して、高温特性を改良すること
が提案されているが、この樹脂組成物は特に銅箔に対す
る接着性に劣る。本発明は、上記の欠点を解消すべく、
接着性、耐熱性に優れ、かつ低弾性率な耐熱性樹脂組成
物とそれを用いた接着フィルムを提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のものに関
する。 (1) (A)アラミド構造を含有するシロキサン変性
ポリアミドイミド樹及び(B)2個以上のグリシジル基
を有するエポキシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物 (2) (A)成分のアラミド構造を含有するシロキサ
ン変性ポリアミドイミド樹脂が、250℃における弾性
率が10MPa以上であることを特徴とする項(1)に
記載の耐熱性樹脂組成物。 (3) (A)成分のアラミド構造を含有するシロキサ
ン変性ポリアミドイミド樹脂において、含有するアラミ
ド構造が本質的に一般式(1式)で示されることを特徴
とする項(1)に記載の耐熱性樹脂組成物。
【化3】 (4) (A)成分のアラミド構造を含有するシロキサ
ン変性ポリアミドイミド樹脂が、本質的に一般式(2
式)で示される構造単位と、一般式(3式)で示される
構造単位とが不規則に配列してなる、シロキサン変性ポ
リアミドイミド樹脂である項(1)に記載の耐熱性樹脂
組成物。
【化4】 (ただし、式中R1及びR2は(1式)に同じであり、R
3及びR4はそれぞれ2価の有機基、R5及びR6はアルキ
ル基又は置換されていても良いフェニル基を示し、nは
1〜50の整数を示す) (5) (B)成分の2個以上のグリシジル基を有する
エポキシ樹脂が、フェノール類ノボラック型のエポキシ
樹脂である請求項1ないし項(4)に記載の耐熱性樹脂
組成物。 (6) 項(1)〜(5)のいずれかに記載の耐熱性樹
脂組成物を用いて得られる接着フィルム。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明の耐熱性樹脂は、(A)
アラミド構造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミ
ド樹脂、(B)2個以上のグリシジル基を含有するエポ
キシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物であって、低弾性率で
あり、接着性に優れ、かつガラス転移温度以上の高温に
おいても比較的高い弾性率を持つため、耐熱性にも優れ
ている。この樹脂をワニスとして支持基材上に塗布すれ
ば、銅箔などとの密着性に優れた接着フィルムを得るこ
とが出来る。
【0007】本発明では、接着フィルムと単に述べる
が、接着フィルムと接着シートの両方を意味する。
【0008】耐熱性や電気特性に優れた樹脂であるポリ
アミドイミドに、シロキサン構造を導入すると、弾性率
や可とう性、及び溶解性を改善することが出来る。さら
に、このシロキサン変性ポリアミドイミドに熱硬化樹脂
として、2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂
を配合すれば、接着力、耐熱性に優れた樹脂組成物とす
ることが出来る。
【0009】本発明では、この際、特にアラミド構造を
含有するシロキサン変性ポリアミドイミドと、2個以上
のグリシジル基を持つエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を
用いると、―70℃〜室温付近においては低弾性率であ
りながら、ガラス転移温度以上の温度においても弾性率
の低下がほとんど見られず、このため耐熱性に優れた材
料となることを見いだした。本発明は(A)アラミド構
造を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、
(B)2個以上のグリシジル基を含有するエポキシ樹脂
を含む耐熱性樹脂組成物である。
【0010】本発明で用いるアラミド構造を有するシロ
キサン変性ポリアミドイミドの合成法については特に制
限はなく、例えば、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン
酸を直接縮合させてアミノ基を両末端に有するアラミド
オリゴマーを製造し、これとトリメリット酸やピロメリ
ット酸を反応させる直接重縮合法や、芳香族ジアミンと
芳香族ジカルボン酸クロライドとの反応によって、アミ
ノ基を両末端に有するアラミドオリゴマーを製造し、こ
れとトリメリット酸やピロメリット酸を反応させる酸ク
ロライド法、さらに芳香族ジアミンとトリメリット酸や
ピロメリット酸を反応させてジイミドジカルボン酸を製
造し、これに芳香族ジカルボン酸を加え、芳香族ジイソ
シアネートを反応させるイソシアネート法などがあげら
れる。この中でも、イソシアネート法により合成した樹
脂は塩や酸が副生することなく、また未反応のモノマー
やオリゴマーの混入が少ないことのため特に好ましい。
【0011】本発明で用いる、アラミド構造を含有する
シロキサン変性ポリアミドイミドを、イソシアネート法
により合成する際には、シロキサンジアミンを含むジア
ミンの混合物の合計モル数に対し1.80〜2.20倍
モル量の無水トリメリット酸を反応させて、ジイミドジ
カルボン酸を合成すると好ましい。このジイミドジカル
ボン酸を製造するに際し、非プロトン性極性溶媒の存在
下に、50〜90℃で反応させ、さらに非プロトン性極
性溶媒の0.1〜0.5(10重量%〜50重量%)重
量比で芳香族炭化水素を投入し、120〜180℃で反
応を行う。反応終了後は芳香族炭化水素は蒸留などによ
り除去し続いて、芳香族ジカルボン酸を加え、芳香族ジ
イソシアネートと反応させてシロキサン含有ポリアミド
イミドを製造する。この際、反応触媒として例えばトリ
エチルアミンなどの塩基触媒を前記ジアミンの1.0〜
50モル%加え、70℃〜190℃、好ましくは90℃
〜150℃で2時間以上反応させる。生成したシロキサ
ン含有ポリアミドイミドは非プロトン性極性溶媒に溶解
し、溶媒のワニスとして製品とすることができる。
【0012】本発明で用いるシロキサンジアミンとして
は一般式(4式)で表されるものが用いられる。
【0013】
【化5】 (ただし、式中、R3及びR4はそれぞれ2価の有機基、
5及びR6はアルキル基又は置換されていても良いフェ
ニル基を示し、nは1〜50の整数を示す) R3及びR4の具体例としては、炭素数1〜6のアルキレ
ン基、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子等で置
換されていてもよいフェニレン基又は炭素数1〜3のア
ルキル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよいナフ
タレン基等のアリーレン基がある。R5及びR6におい
て、アルキル基は炭素数が1〜3のものが好ましく、フ
ェニル基に結合していてもよい置換基としては、炭素数
1〜3のアルキル基、ハロゲン原子等がある。
【0014】 この様なシロキサンジアミンとしては
(5式)で示すものが挙げられ、これらの中でもジメチ
ルシロキサン系両末端アミンであるアミノ変性反応性シ
リコーンオイルKF―8010(アミン当量450)、
X−22−161A(アミン当量840)、X−22−1
61B(アミン当量1500)、以上信越化学工業株式
会社製商品名、BY16−853(アミン当量650)、
BY16−853B(アミン当量2200)、以上東レダ
ウコーニングシリコーン株式会社製商品名などが市販品
として挙げられる。
【0015】
【化6】
【0016】これらのシロキサンジアミンを単独で、あ
るいはこれらのシロキサンジアミンと芳香族ジアミンの
混合物を無水トリメリット酸(以下、TMAと略す)と反
応させる。本発明で用いる混合溶媒は、ジアミン及びTM
Aと反応しない有機溶媒であり、使用する混合溶媒の種
類とその混合比は重要である。
【0017】本発明で使用する非プロトン性極性溶媒と
して、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、N―メチル−2―ピロリドン、
4−ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサン等が
例示できる。イミド化反応には、高温を有するため沸点
の高い、N―メチル−2―ピロリドン(以下、NMPと略
す)が、特に好ましい。これらの混合溶媒中に含まれる
水分量はTMAが水和して生成するトリメリット酸によ
り、十分に反応が進行せず、ポリマの分子量低下の原因
になるため0.2重量%以下で管理されていることが好
ましい。また、本発明で使用する非プロトン性溶媒は、
特に制限されないが、ジアミンと無水トリメリット酸を
あわせた重量の割合が、多いと無水トリメリット酸の溶
解性が低下し十分な反応が行えなくなることや、低いと
工業的製造法として不利であることから、10重量%〜
70重量%の範囲になることが好ましい。
【0018】本発明で用いる芳香族ジカルボン酸として
はテレフタル酸、イソフタル酸、(4,4−ジカルボキ
シル)ジフェニルエーテル、(4,4−ジカルボキシ
ル)ジフェニルスルホン、(4,4−ジカルボキシル)
ベンゾフェノン、(3,3−ジカルボキシル)ベンゾフ
ェノン、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナ
フタレン時カルボン酸等が例示できる。また、アジピン
酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等の酸を単独で、ある
いは組み合わせて用いることもできる。特にテレフタル
酸は、分子形状が直線上であるため、配向性に優れ、こ
のため生成したポリマーの耐熱性が優れることのため好
ましい。
【0019】本発明で用いる芳香族ジイソシアネートと
して具体的には、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(以下MDIと略す)、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフ
タレン−1,5−ジイソシアネート、o-、m-キシリレン
ジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等が例示
できる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、4、
4’―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、イシホロンジイソシアネートなどのイソシアネー
トを単独でまたは組み合わせて用いることができる。特
にMDIは、分子構造においてイソシアネート基が離れて
おり、ポリアミドイミドの分子中におけるアミド基やイ
ミド基の濃度が相対的に低くなり、溶解性が向上するた
め好ましい。
【0020】このようにして得られる、アラミド構造を
含有するシロキサン変性ポリアミドイミドは、特にガラ
ス転移温度以上の高温においても高い弾性率を維持でき
る。本発明では、250℃において1MPa以上、好ま
しくは10MPa以上の弾性率をもつアラミド構造を含
有するシロキサン変性ポリアミドを用いることが好まし
い。
【0021】本発明で用いる2個以上のグリシジル基を
含有するエポキシ樹脂に特に制限はない。例えば、ビス
フェニールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型
エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等
が挙げられる。特に、フェノール類ノボラック型のエポ
キシ樹脂を用いると、熱硬化後の高温弾性率が高くな
り、そのため耐熱性に優れることのため、好ましい。ま
た、エポキシ樹脂の硬化剤や硬化促進剤、難燃剤、消泡
剤などを併用してもかまわないことは当然である。
【0022】本発明のアラミド構造を含有するシロキサ
ン変性ポリアミドイミドと2個以上のグリシジル基を有
するエポキシ樹脂との配合比は重要である。本発明では
アミド基とエポキシ基との反応を利用して硬化反応を行
うが、エポキシ基が少なすぎると銅箔などとの接着力が
十分でなく、また多すぎると過剰分のエポキシ樹脂によ
りガラス転移温度が低下したり、室温での弾性率が向上
したりするため、エポキシ樹脂はシロキサン変性ポリア
ミドイミド100重量部に対して、1〜200重量部、
好ましくは3〜100重量部であることが好ましい。ま
た、硬化反応を低温で行うために、例えばイミダゾール
類のような硬化触媒を併用することが好ましい。
【0023】本発明の耐熱性樹脂組成物は、配合した
後、成分を分離させないために、1時間以上、よく攪拌
する必要がある。この際、泡が発生するため、泡が完全
に消えるまで室温で1日以上静置して、脱泡することが
好ましい。このようにして得られた耐熱性樹脂組成物
は、NMPなどの非プロトン性極性溶媒に可溶で、その
ままワニスとして用いることが出来る。
【0024】本発明の耐熱性樹脂組成物は、支持基材上
に塗布すれば、銅箔などとの密着性に優れた接着フィル
ムを得ることが出来る。この接着フィルムは、通常18
0℃以上、好ましくは200℃以上の加熱によって硬化
させることが出来る。この接着フィルムを用いて、銅箔
などとプレスを行うことにより、接着力、はんだ耐熱性
に優れた銅張り積層フィルムを得ることが出来る。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 (合成例1〜3)環流冷却器を連結したコック付き25
mlの水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1Lのセ
パラブルフラスコに、各種ジアミン(シロキサンジアミ
ン:KF―8010(信越化学工業株式会社製商品名、
アミン当量450)、芳香族ジアミン:BAPP(2、2―
ビス[4―(4―アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン)、TMA(無水トリメリット酸)、NMP(N−メ
チル−2−ピロリドン)を仕込み、80℃で30分間攪
拌した。そしてトルエン100mlを投入してから温度
を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に
所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなく
なっていることを確認し、水分定量受器にたまっている
流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、
トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、水分
定量受器をはずし、芳香族ジカルボン酸としてテレフタ
ル酸、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4−
ジフェニルメタンジイソシアネート)、トリエチルアミ
ンを投入し、110℃で2時間反応させた。反応終了
後、シロキサン含有ポリアミドイミドのNMP溶液を得
た。なお、合成例1はアラミド構造を含有するシロキサ
ン変性ポリアミドイミドであり、合成例2、3は、比較
のための、アラミド構造を含有しないシロキサン変性ポ
リアミドイミドである。
【0026】
【表1】
【0027】合成例1〜3で得られたワニスを、乾燥後
の膜厚が50μmになるようにPETフィルムに塗布し、
120℃で30分間乾燥させた。得られた接着フィルム
をPETフィルムから剥がして、ステンレス枠に固定し、
180℃で1時間熱処理した。このフィルムについて、
弾性率を測定した。測定には動的粘弾性測定装置のDVE
―V4(レオロジー株式会社製商品名)を用い、引張りモ
ード、チャック間距離20mm、測定温度50〜350
℃、昇温速度5℃/分、測定周波数10Hzの条件で、
250℃における貯蔵弾性率を測定した。その結果、ア
ラミド構造を含有する、合成例1のシロキサン変性ポリ
アミドイミドは250℃で30MPaの高い弾性率を示
したが、合成例2のシロキサン変性ポリアミドイミドは
200℃前後で溶融してしまった。合成例3のシロキサ
ン変性ポリアミドイミドも、250℃での弾性率は3M
Paであった。
【0028】(実施例1〜4)合成例1のアラミド構造
を含有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂と、エ
ポキシ樹脂としてYD―8125(東都化成製商品
名)、あるいはESCN195(住友化学製商品名)を
表2に示す配合量で配合し、さらに2―エチル―4―メ
チルイミダゾールをエポキシ樹脂に対して0.01当量
配合した。樹脂が均一になるまで約1時間攪拌した後、
脱泡のため24時間、室温で静置し樹脂組成物とした。
その樹脂組成物を、支持基材である離型PETフィルム上
に乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布し、120
℃、30分間乾燥させBステージの接着フィルムを得
た。
【0029】 その後、支持基材から接着フィルムを剥
がし、ステンレス製の枠に固定して、180℃、60分
間熱処理して硬化させた接着フィルムを得た。その硬化
した接着フィルムの特性値を測定し、結果を表2に示し
た。測定には動的粘弾性測定装置のDVE―V4(レオロジ
ー株式会社製商品名)を用い、引張りモード、チャック
間距離20mm、測定温度50〜350℃、昇温速度5
℃/分、測定周波数10Hzの条件で、各温度における
貯蔵弾性率を測定した。
【0030】また、得られた耐熱性樹脂組成物を、電解
粗化銅箔TSC―35(古河サーキットフォイル株式会
社製商品名)の粗化面に、乾燥後の膜厚50μmになる
よう塗布し、120℃で30分間乾燥して、銅箔付き接
着フィルムを製造した。この銅箔付き接着フィルムの樹
脂面と電解粗化銅箔TSC―35の粗化面とを、圧力1
0MPaで180℃1時間、プレスして、両面銅張り接
着フィルムを得た。この両面銅張り接着フィルムを25
mm角に切断し、288℃のはんだ高温槽に浮かべて、
銅箔にふくれが生じるまでの時間を調べた。結果を表2
に示した。さらに、この両面銅張り接着フィルムの銅箔
を10mm幅で剥がして、銅箔と樹脂との界面におけ
る、銅箔の接着力を、JISC6481に準じて測定し、
結果を表2に併せて示した。
【0031】(比較例1〜2)実施例2の比較例とし
て、合成例2、3で得られたアラミド構造を含有しない
シロキサン変性ポリアミドイミドを用いて、その他は同
様の配合、方法で樹脂組成物を得た。その樹脂組成物を
用いて得られた硬化フィルムの物性と、銅箔への接着
力、はんだ耐熱性を同様にして測定し、結果を表2に示
した。
【0032】
【表2】
【0033】表2の実施例1〜4はいずれも本発明の耐
熱性樹脂組成物によるものであり、50℃において低弾
性率でありながら、250℃の高温でも高い弾性率を維
持し、また、接着力、はんだ耐熱性にも優れていた。ア
ラミドを含有しないシロキサン変性ポリアミドイミドを
用いた比較例1、2は250℃の弾性率は十分でなく、
そのためはんだ耐熱性が劣った。さらに、エポキシ樹脂
として、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂を用い
た実施例4は、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用
いた実施例2よりも250℃で高い弾性率を示した。
【0034】
【発明の効果】本発明の耐熱性樹脂組成物は、低弾性率
で耐熱性が要求されるワニス、接着剤及び接着フィルム
等に使用でき、塗料分野、配線板・電気分野、自動車分
野、建築・建材分野等に幅広く使用することができる。
そして、それは従来の樹脂に比べて、特に耐熱性に優れ
るだけでなく、乾燥性、フィルム成形性、電気特性など
にも優れた特性を示す。また、溶媒に可溶であるため、
取り扱いも容易である。さらに樹脂組成物を接着フィル
ムとして層関絶縁性の接着剤として使用した場合、加熱
による機械特性の低下を防ぎ、層間絶縁抵抗や耐熱信頼
性が向上するほか、従来の樹脂系では対応できなかった
ような高温のプロセスにおいても用いることが出来る。
フロントページの続き (72)発明者 田中 勝 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J002 CD00X CD02X CD04X CD05X CD06X CM04W CP17W GF00 GQ05 4J004 AA02 AA11 AA13 AB04 BA02 FA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アラミド構造を含有するシロキサ
    ン変性ポリアミドイミド樹及び(B)2個以上のグリシ
    ジル基を有するエポキシ樹脂を含む耐熱性樹脂組成物
  2. 【請求項2】 (A)成分のアラミド構造を含有するシ
    ロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、250℃におけ
    る弾性率が10MPa以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分のアラミド構造を含有するシ
    ロキサン変性ポリアミドイミド樹脂において、含有する
    アラミド構造が本質的に一般式(1式)で示されること
    を特徴とする請求項1に記載の耐熱性樹脂組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】 (A)成分のアラミド構造を含有するシ
    ロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が、本質的に一般式
    (2式)で示される構造単位と、一般式(3式)で示さ
    れる構造単位とが不規則に配列してなる、シロキサン変
    性ポリアミドイミド樹脂である請求項1に記載の耐熱性
    樹脂組成物。 【化2】
  5. 【請求項5】 (B)成分の2個以上のグリシジル基を
    有するエポキシ樹脂が、フェノール類ノボラック型のエ
    ポキシ樹脂である請求項1ないし請求項4に記載の耐熱
    性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5に記載の耐熱性
    樹脂組成物を用いて得られる接着フィルム。
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