JP5050414B2 - 可変舵角操舵装置、その操舵トルク検出方法、および自動車 - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような点に着目したもので、トーションバーをステアリング入力軸と同心に配置することなく操舵トルクを検出可能な可変舵角操舵装置、その操舵トルク検出方法、および自動車を提供することを課題としている。
上記第1段の遊星減速機構における遊星車からの入力によって上記リングに発生する反力を検出する反力検出装置を備えることを特徴とするものである。
上記反力検出装置は、上記第1段の遊星減速機構のリングに対して軸方向への変位が許容された状態で連結するリング状部材の軸方向端面と、そのリング状部材の軸方向端面と軸方向で隙間を持って対向する固定側端面と、上記リング状部材及び固定側端面を形成する部材と非接触で電磁結合して磁気回路を構成するトルク検出用コイルと、を備え、上記軸方向端面と固定側端面との回転変位を、上記トルク検出用コイルによって検出する。
ステアリング入力軸に入力された操舵トルクを上記リングに生じる反力によって検出することを特徴するものである。
上記検出は、上記第1段の遊星減速機構のリングに対して軸方向への変位が許容された状態で連結するリング状部材の軸方向端面と、そのリング状部材の軸方向端面と軸方向で隙間を持って対向する固定側端面とを備え、上記リング状部材及び固定側端面を形成する部材と非接触で電磁結合する磁気回路の電磁結合状態の変化によって検出する。
上記反力の検出は、上記第1段の遊星減速機構のリングに対して軸方向への変位が許容された状態で連結するリング状部材の軸方向端面と、そのリング状部材の軸方向端面と軸方向で隙間を持って対向する固定側端面とを備え、上記リング状部材及び固定側端面を形成する部材と非接触で電磁結合する磁気回路の電磁結合状態の変化によって検出する。
本発明に係る操舵トルク検出方法によれば、第1段の遊星減速機構のリングに発生する反力に基づき操舵トルクを検出するので、ステアリング入力軸と同軸に配置されるトーションバー等の操舵トルクを検出するための部品が不要となり、その分ステアリング軸を短くすることが出来る。
(第1実施形態)
(構成)
図1は本実施形態における可変舵角操舵装置を適用した車両の概略構成図であり、図中符号1は可変舵角機構である。この可変舵角機構1は、ステアリングホイール2の操舵角に対する操向輪3の転舵角の比である操舵比を可変するもので、ステアリングホイール2に連結されるステアリング入力軸3と、操向輪3に連結されるステアリング出力軸4との間の経路(トルク伝達経路)に設けられている。このステアリング入力軸3とステアリング出力軸4とでステアリング軸を構成している。
また、図中符号6は車両のダッシュパネル、符号7はR&P式ステアリングギヤであり、ステアリング出力軸4は、中間シャフト8(インタミシャフト)と連結され、ステアリングギヤを駆動して操向輪3の転舵を行う。
また本実施形態にあっては、可変舵角機構1のステアリングホイール2側にトルクセンサが設けられている。
この可変舵角機構1は、モータ10を備え、このモータ10の回転数及び回転方向を制御することにより、ステアリングホイール2からステアリング入力軸3に入力された入力を変速してステアリング出力軸4に出力する。モータ10に供給される電流は、後述する電子制御装置11により制御される。
電子制御装置11は、ステアリングホイール2の操舵角θを検出する操舵角センサや、車両速度Vを検出する車速センサの検出信号から目標転舵角を演算し、実転舵角が目標転舵角となるようにモータをフィードバック制御するようになっている。
上記第1段の遊星ローラ機構20と第2段の遊星ローラ機構30のサンローラ21、31は一体に連結(一体に形成)され、第1段の遊星ローラ機構20から第2段の遊星ローラ機構30への互いにサンローラ21、31を介してトルク伝達が行われるようになっている。
また、本実施形態のトルクセンサは、ステアリング入力軸3に発生するトルクを第1段の遊星ローラ機構20を介して検出する構造となっている。
上記第1段の遊星ローラ機構20のリングローラ24は、転がり軸受43(図1は複列アンギュラ玉軸受を例示)を介して当該第1段の遊星ローラ機構20のケース25に支持されている。本実施形態では、第1段の遊星ローラ機構20のケース25が上記転がり軸受43の外輪を構成し、軸受の内輪43aが、上記リングローラ24の外周と嵌合し一体的に回転するようになっている。これによって、上記第1段の遊星ローラ機構20のリングローラ24は、ケースに回転自在に支持された状態になっている。
ステアリング入力軸3と第1段の遊星ローラ機構20のキャリア23との連結部、及び離脱用コマ60とステアリング出力軸4(第二遊星減速機構のキャリア23)との連結部には、軸方向に所定の荷重(衝突時の荷重)が入力された場合に、そのせん断力により破断するように設計された移動規制部材としての離脱用樹脂カプセル63が設けられている。
ここで、ステアリング入力軸3と第一遊星減速機構のキャリア23、及び離脱用コマ60とステアリング出力軸4(第二遊星減速機構のキャリア23)の嵌合部は、セレーション嵌合となっている。
この図7に示すように、前述した離脱用樹脂カプセル63は、ステアリング入力軸3と第1段の遊星ローラ機構20のキャリア23との連結部と、ステアリング出力軸4と離脱用コマ60との連結部とに設けられており(図7(a)参照)、所定のせん断力(衝突荷重に相当するせん断力)により破断するようになっている(図7(b)参照)。
各ローラは必要伝達トルクTに応じて圧接力Fを発生するよう取り付けられており、このときの転がり伝達係数μは次式で表される。
μ=(T/r)/F ………(1)
Fs=Ts/(Ds/2) ………(2)
よって、サンローラ23はこの最大伝達力Fs以上の軸方向力を有すれば、トルク伝達時と同様に軸方向にも相対滑りが発生することになる。したがって、最大伝達力Fsを、車両前面衝突時の衝撃エネルギー吸収(以下、EAと称す。)要件として設定されている操舵系の収縮時の発生荷重よりも小さく設定することで、車両衝突時に本部位が収縮機構として機能することができる。
ステアリング入力軸3から入力される操舵トルクは、第1段の遊星ローラ機構20のキャリア23から第1段の遊星ローラ機構20の遊星ローラ22を介して第1段の遊星ローラ機構20のサンローラ21へ伝達される。続いて、第1段の遊星ローラ機構20のサンローラ21から第2段の遊星ローラ機構30のサンローラ31へ伝達され、そのサンローラ33から第2段の遊星ローラ機構30のキャリア33へ伝達され、最終的にステアリング出力軸4へ伝達される。
運転者のステアリングホイール2の操舵に伴い、当該ステアリングホイール2に連結したステアリング入力軸3が回転し、ステアリング入力軸3と一体になっている第1段の遊星ローラ機構20のキャリア23も回転する。第1段の遊星ローラ機構20のキャリア23が回転することで、第1段の遊星ローラ機構20の遊星ローラ22が公転し、その遊星ローラ22の回転はサンローラ23を介して第2段の遊星ローラ機構30に伝達されることで上述のようにトルクの伝達が行われる。
また、トルク検出用コイル52とトルク補償コイル55のインダクタンスの差をとることで温度などの外部条件によって発生する検出誤差を補償することが可能となり、安定したセンシング性能を得ることができる。
特に、本実施形態では、ステアリング軸の外周側に位置する第1段の遊星ローラ機構20のリングローラ24の反力を検出するため、トルク検出部がステアリング軸の収縮機構の邪魔にならない。
今、自車両が走行中に前方の障害物等と接触し、車両前面衝突が発生したものとする。このとき、運転者のステアリングホイール2への衝突、所謂二次衝突が発生し、ステアリングホイール2側からステアリングコラムに衝突による荷重が入力される。
図7は、二次衝突が発生した場合の可変舵角機構1の動作を示す図である。
二次衝突が発生し、ステアリングコラムに最大伝達力Fs以上の軸方向力が入力されると、サンローラに軸方向の相対滑りを生じさせる力が作用し、この力をせん断力として離脱用樹脂カプセル63が破断する。
そして、図7(a)に示す通常状態から、図7(b)に示すように、ステアリング入力軸3がサンローラ23を押し出してステアリング出力軸4内部に収容させながら、トルクセンサケース42とステアリング入力軸3とが一体でコラムアウターチューブ12内に摺動することで、可変舵角機構1が収縮状態となる。
ここで、上記説明では、第1段の遊星ローラ機構20のリングローラ24に生じた回転変位を、可動側矩形波部材50の固定側矩形波部材51に対する回転変化で発生した、トルク検出用コイル52の電圧変化で検出するトルク検出部の例を示したが、次の構成でリングローラ24に生じた回転変位を検出する構成は、別の例である。
ここで、上記実施形態においては、第1段の遊星ローラ機構20が第1段の遊星減衰機構を、第2段の遊星ローラ機構30が第2段の遊星減衰機構を、第1段の遊星ローラ機構20及び第2段の遊星ローラ機構30からなる可変舵角機構1が変速機構を構成する。リングローラ24がリングを、遊星ローラ22が遊星車を、サンローラ23が太陽車を構成する。トルク検出部が反力検出装置及び検出部を構成する。転がり軸受43が回転案内部材を構成する。トルクコントロールアーム46及びトーションバー47が拘束手段を構成し、トーションバー47が弾性部材を構成する。
(1)第1段の遊星減衰機構において、ステアリング入力軸3からキャリア23を介して遊星車にトルクが伝達されると、その遊星車からの入力によって、リングには、操舵トルクに応じて発生する反力が発生する。この反力を反力検出装置で検出することで、ステアリング軸よりも外周側の位置で操舵トルクを検出することが出来る。このため、ステアリング軸の収縮機構への影響も小さい。
特に、第1段の遊星減衰機構の外周側に位置するリングに発生する反力に基づき検出するので、ステアリング軸と同軸に操舵トルク検出のためのトーションバー47を配置する必要がない。
特に、第1段の遊星減衰機構の外周側に位置するリングに発生する反力に基づき検出するので、ステアリング軸と同軸に操舵トルク検出のためのトーションバー47を配置する必要がない。
特に、第1遊星ローラ機構の外周側に位置するリングに発生する反力に基づき検出するので、ステアリング軸と同軸に操舵トルク検出のためのトーションバー47を配置する必要がない。
特に、第1遊星ローラ機構の外周側に位置するリングに発生する反力に基づき検出するので、ステアリング軸と同軸に操舵トルク検出のためのトーションバー47を配置する必要がない自動車を提供出来る。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについて同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、図11及び図12に示すように、トーションバー47等の弾性部材を使用することなく、圧電素子81を利用して、第1段の遊星ローラ機構20のリングローラ24に発生する反力を検出するものである。
転がり軸受43における、リングローラ24と一緒に回転する内輪43aから、ステアリング入力軸3側に張り出した突起部80を設ける。その突起部80は、第1段の遊星ローラ機構20のケース25におけるステアリング入力軸3側の端面を覆うカバー70位置まで延びている。これによって、突起部80の先端部は、上記カバー70に設けられた孔70aに挿入され、円周方向で対向する、孔70a内面と突起部80先端部との間に圧電素子81が介挿されて構成されている。
なお、操舵方向に応じてリングローラ24に発生する反力の方向は反対側となる。図5では、突起部80の一方の面とカバー70の孔70aの側面との間に介挿される圧電素子81を図示しているが、反対側にも同様に圧電素子81が設けられている。
その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
運転者のステアリングホイール2の操舵に伴い、当該ステアリングホイール2に連結したステアリング入力軸3が回転し、ステアリング入力軸3と一体になっている第1段の遊星ローラ機構20のキャリア23も回転する。第1段の遊星ローラ機構20のキャリア23が回転することで、第1段の遊星ローラ機構20の遊星ローラ22が公転し、その遊星ローラ22の回転はサンローラ21,31を介して第2遊星減速装置に伝達されることで上述のようにトルクの伝達が行われる。
このリングローラ24は転がり軸受43に回転自在に支持されているが、その回転は、転がり軸受43の内輪43aを介して、上記突起部80及びカバー70に設けた孔70aで拘束される。そして、その回転を拘束する突起部80とカバー70の孔70aとの間に、リングローラ24が発生する反力が入力され、その入力による面圧が圧電素子81で検出される。
また、ステアリング軸の外周側でトルクを検出するので、ステアリングの収縮機構への影響は小さい。
その他の動作や作用は、上記第1実施形態と同様である。
ここで、上記突起部80とカバー70の孔70aとが拘束手段を構成し、圧電素子81が検出部を構成する。
(1)第1段の遊星減速機構のリングの回転を拘束する部分に発生する面圧を検出することで、操舵トルクに応じてリングに発生した反力を検出することが出来る。このとき、第1段の遊星減衰機構のリング及びそれに連結される部品を変位させることなく、ほぼ定位置で、リングが発生する反力が検出できる。
2 ステアリングホイール
3 ステアリング入力軸
4 ステアリング出力軸
20 第1段の遊星ローラ機構
21 サンローラ
22 遊星ローラ
23 キャリア
24 リングローラ
30 第2段の遊星ローラ機構
33 キャリア
43 転がり軸受
43a 内輪
46 トルクコントロームアーム
47 トーションバー
50 可動側矩形波部材
51 固定側矩形波部材
52 トルク検出用コイル
53 磁性部材
54 磁気回路
55 トルク補償コイル
60 離脱用コマ
63 離脱用樹脂カプセル
70 カバー
70a 孔
71 ポテンショメータ
72 可動レバー
73 ホール素子
74 永久磁石
76 第2のリンク部材
Claims (5)
- ステアリング入力軸とステアリング出力軸とが、複数列の遊星減速機構群からなる変速機構を介して連結され、第1段の遊星減速機構は、キャリアをステアリング入力軸に連結すると共に遊星車がリングに反力をとって回転する機構となっている可変舵角操舵装置であって、
上記複数列の遊星減速機構群は、太陽車同士が連結された第1段の遊星減速機構及び第2段の遊星減速機構からなり、上記ステアリング出力軸は第2段の遊星減速機構のキャリアに連結し、
上記第1段の遊星減速機構における遊星車からの入力によって上記リングに発生する反力を検出する反力検出装置を備え、
上記反力検出装置は、
上記第1段の遊星減速機構のリングに対して軸方向への変位が許容された状態で連結するリング状部材の軸方向端面と、そのリング状部材の軸方向端面と軸方向で隙間を持って対向する固定側端面と、上記リング状部材及び固定側端面を形成する部材と非接触で電磁結合して磁気回路を構成するトルク検出用コイルと、を備え、上記軸方向端面と固定側端面との回転変位を、上記トルク検出用コイルによって検出することを特徴とする可変舵角操舵装置。 - 上記反力検出装置は、上記リングを回転可能に支持する回転案内部材と、リングの回転を拘束する拘束手段と、を備え、上記回転案内部材の内輪が上記リング状部材を構成することを特徴とする請求項1に記載した可変舵角操舵装置。
- 上記拘束手段は、リングを初期位置に付勢する弾性部材であることを特徴とする請求項2に記載した可変舵角操舵装置。
- ステアリング入力軸とステアリング出力軸とが、複数列の遊星減速機構群からなる変速機構を介して連結され、第1段の遊星減速機構は、キャリアをステアリング入力軸に連結すると共に遊星車がリングに反力を取って回転する機構となっている可変舵角操舵装置の操舵トルク検出方法であって、
ステアリング入力軸に入力された操舵トルクを上記リングに生じる反力によって検出し、
その検出は、上記第1段の遊星減速機構のリングに対して軸方向への変位が許容された状態で連結するリング状部材の軸方向端面と、そのリング状部材の軸方向端面と軸方向で隙間を持って対向する固定側端面とを備え、上記リング状部材及び固定側端面を形成する部材と非接触で電磁結合する磁気回路の電磁結合状態の変化によって検出することを特徴とする可変舵角操舵装置の操舵トルク検出方法。 - 太陽車同士が連結された第1段の遊星減速機構及び第2段の遊星減速機構と、第1段の遊星減速機構のキャリアに連結されたステアリング入力軸と、第2段の遊星減速機構のキャリアに連結されたステアリング出力軸と、第1段の遊星減速機構のリングに発生する反力を検出する反力検出装置と、を備え、上記リングがケースを介して車体に支持されると共に、上記反力検出装置の検出に基づき可変舵角装置を制御し、
上記反力の検出は、上記第1段の遊星減速機構のリングに対して軸方向への変位が許容された状態で連結するリング状部材の軸方向端面と、そのリング状部材の軸方向端面と軸方向で隙間を持って対向する固定側端面とを備え、上記リング状部材及び固定側端面を形成する部材と非接触で電磁結合する磁気回路の電磁結合状態の変化によって検出することを特徴とする自動車。
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