JP2010030397A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面からの反力が操舵部材に伝達されることを抑制できる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2に連結された操舵軸5と、操舵補助用の電動モータ4とを備えている。操舵軸5は、トーションバー17を介して相対回動可能に連結された入力軸18および出力軸19とを含み、電動モータ4は、操舵軸5とは同軸に配置された中空のロータ6を含む。また、ロータ6は、第1および第2の端部10,11を有し、出力軸19は、ロータ6の第1の端部10の内周に嵌合された第1の出力軸28と、第2の端部11の内周に嵌合された第2の出力軸29とを含む。ロータ6の第1の端部10および第1の出力軸28は、弾性部材を介して互いに連結されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
自動車等の車両には、ステアリング装置が備えられている。例えば下記特許文献1では、操舵補助用の電動モータを備える電動パワーステアリング装置が開示されている。
この特許文献1に係る電動パワーステアリング装置では、電動モータが、操舵軸に対して同軸となるように配置されている。操舵部材と転舵機構とは、操舵軸を介して機械的に連結されている。
特開2006−103642号公報
例えば車両が悪路を走行しているとき、転舵輪を介して転舵機構に伝わる路面入力(いわゆる逆入力)が、操舵軸を介して操舵部材に伝達されるため、操舵フィーリングが損なわれるおそれがある。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、路面からの反力が操舵部材に伝達されることを抑制できる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、操舵部材(2)に連結された操舵軸(5)と、操舵補助用の電動モータ(4)と、を備え、上記操舵軸は、トーションバー(17)を介して相対回動可能に連結された入力軸(18)および出力軸(19)とを含み、上記電動モータは、上記操舵軸とは同軸に配置された中空のロータ(6)を含み、上記ロータは、第1および第2の端部(10,11)を有し、上記出力軸は、上記ロータの上記第1の端部の内周に嵌合された第1の出力軸(28,128)と、上記ロータの上記第2の端部の内周に嵌合された第2の出力軸(29)とを含み、上記ロータの上記第1の端部および上記第1の出力軸は、弾性部材(35,46)を介して互いに連結されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置(1)である。
本発明によれば、ロータに伝達された路面入力が第1の出力軸に伝達されることを抑制することができる。これにより、路面入力が操舵部材に伝達されることを抑制でき、ひいては、操舵フィーリングの低下を抑制することができる。
また、上記ロータの上記第1の端部の上記内周および上記第1の出力軸の外周の少なくとも一方に設けられた凸部(37)が、他方に設けられた凹部(40)に嵌合している場合がある(請求項2)。この場合、凸部と凹部との嵌合により、凸部と凹部との間で確実にトルクを伝達することができる。したがって、ロータの第1の端部と第1の出力軸との間で確実に力を伝達することができる。
また、上記操舵部材に上記操舵軸の軸方向(X1)の力が負荷されたときに、上記ロータの上記第1の端部および上記第1の出力軸が、軸方向に相対移動可能である場合がある(請求項3)。この場合、操舵部材に運転者が衝突するいわゆる二次衝突のときに、ロータの第1の端部と第1の出力軸とが軸方向へ相対移動するので、操舵部材から運転者に加わる衝撃を低減することができる。
また、上記入力軸は、連結軸(21)を介してトルク伝達可能に連結された第1および第2の入力軸(22,23)を含み、上記連結軸は、第1および第2の入力軸の相対回動を抑制する減衰力を発生する減衰部材(21)を含む場合がある(請求項4)。この場合、路面入力が、減衰部材を含む連結軸を介して連結された第1および第2の入力軸に伝達されるときに減衰される。これにより、路面入力が操舵部材に伝達されることを一層抑制することができる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す縦断面図である。また、図2は、図1におけるII−II線に沿う電動パワーステアリング装置1の図解的な横断面図である。本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、いわゆるコラムダイレクト式の電動パワーステアリング装置である。
図1および図2を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して図示しない転舵輪を転舵する転舵機構としてのステアリング機構3と、操舵補助用の電動モータ4とを備えている。
ステアリングホイール2とステアリング機構3は、操舵軸5等を介して機械的に連結されており、ステアリングホイール2の回転は、操舵軸5を介してステアリング機構3に伝達される。ステアリング機構3に回転が伝達されることで、転舵輪が転舵される。ステアリング機構3としては、例えばラックアンドピニオン機構が挙げられる。
また、電動モータ4は、操舵軸5とは同軸に配置されている。電動モータ4は、例えばインナーロータ型のブラシレスモータであり、操舵軸5とは同軸に配置された筒状をなす中空のロータ6と、ロータ6を同軸的に取り囲む環状のステータ7とを含む。ロータ6は、操舵軸5とは同軸に配置された筒状のロータコア8と、このロータコア8の外周に取り付けられたマグネット9からなるものである。ロータ6は、第1の端部10(図1では、上端部)および第2の端部11(図1では、下端部)を有しており、操舵軸5にトルク伝達可能に連結されている。電動モータ4のトルクは、ロータ6から操舵軸5に伝達され、操舵軸5からステアリング機構3に伝達される。これにより、操舵が補助される。
また、図1に示すように、操舵軸5は、筒状のジャケット12およびハウジング13からなる筒状のステアリングコラム14を挿通している。操舵軸5は、複数の軸受15を介して、ステアリングコラム14に回転可能に保持されている。図示はしないが、操舵軸5は、ステアリングコラム14を介して車体側部材に取り付けられている。
ジャケット12は、その軸方向に相対摺動可能に嵌合された複数の筒状体からなるものであり、軸方向に収縮可能となっている。また、ハウジング13は、ロータ6およびステータ7を収容する筒状のモータハウジング16を含む。電動モータ4の一部は、モータハウジング16により構成されている。電動モータ4は、モータハウジング16の軸長L1(軸方向長さ)に対してモータハウジング16の外径D1が相対的に大きい扁平型のモータである。
また、操舵軸5は、トーションバー17を介して相対回動可能に連結された入力軸18および出力軸19を含む。ステアリングホイール2に一定値以上の操舵トルクが入力されると、入力軸18および出力軸19は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転する。このときステアリングホイール2に入力された操舵トルクは、入力軸18および出力軸19の相対回転変位量に基づいてトルクセンサ20によって検出される。トルクセンサ20のトルク検出結果は、図示しないECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に入力される。
また、入力軸18は、減衰部材としての連結軸21を介してトルク伝達可能に連結された第1の入力軸22および第2の入力軸23を含む。第1および第2の入力軸22,23間でのトルクの伝達は、連結軸21を介して行われる。連結軸21は、ダンパーとして機能するものであり、第1および第2の入力軸22,23の相対回動を抑制する減衰力を発生する。入力軸18に入力された荷重は、この連結軸21によって減衰される。連結軸21は、例えば合成ゴムや合成樹脂などにより形成された弾性を有する部材である。
図1に示すように、第1および第2の入力軸22,23は、それぞれ筒状をなしている。第1の入力軸22は、第2の入力軸23よりも大径にされている。第1および第2の入力軸22,23は、操舵軸5の軸方向X1に収縮可能となっている。トーションバー17の一端部(図1では、上端部)は、第2の入力軸23内に挿入されており、第2の入力軸23と同行回転可能に連結されている。
また、連結軸21は、同軸的に連結された円柱状の第1の嵌合部24および第2の嵌合部25を含む。連結軸21の第1の嵌合部24は、第1の入力軸22の一端部(図1では下端部)に内嵌されており、第2の嵌合部25は、第2の入力軸23の一端部(図1では上端部)に内嵌されている。
図2に示すように、第1の嵌合部24の外周には、雄セレーション26が形成されており、第1の入力軸22の一端部の内周には、雄セレーション26に対応する雌セレーション27が形成されている。雄セレーション26および雌セレーション27は互いに噛み合わされている。第1の嵌合部24および第1の入力軸22の一端部は、セレーション嵌合されている。これにより、第1の嵌合部24および第1の入力軸22の一端部間で力が確実に伝達される。
図示はしないが、第2の嵌合部25の外周および第2の入力軸23の一端部の内周にも、それぞれ、雄セレーションおよび雌セレーションが形成されており、第2の嵌合部25および第2の入力軸23の一端部は、セレーション嵌合によりトルク伝達可能に連結されている。
なお、第1の嵌合部24と第1の入力軸22との連結方法、および第2の嵌合部25と第2の入力軸23との連結方法は、セレーション嵌合に限らず、凹部に凸部を嵌合させて凸部と凹部との間で力を確実に伝達できるその他の方法(例えばスプライン嵌合)であってもよい。
一方、図1に示すように、出力軸19は、ロータ6を介してトルク伝達可能に連結された第1の出力軸28および第2の出力軸29を含む。第1の出力軸28は、同軸的に連結された小径部30および大径部31からなるものであり、トーションバー17の他端部(図1では、下端部)と同行回転可能に連結されている。第1の出力軸28の大径部31の外周は、ロータ6の第1の端部10の内周に嵌合されている。第1の出力軸28の大径部31とロータ6とは、弾性部材としての複数の樹脂ピン35によってトルク伝達可能に連結されており、樹脂ピン35が破断することにより操舵軸5の軸方向X1に相対移動可能となっている。第1の出力軸28の大径部31とロータ6との具体的な連結方法については、後述する。
また、第2の出力軸29は、それぞれ同軸的に連結された軸部32、板部33、および筒状部34を含む。第2の出力軸29の筒状部34は軸部32の一部を取り囲んでおり、筒状部34の外周がロータ6の第2の端部11の内周に例えば圧入により嵌合されている。第2の出力軸29の筒状部34とロータ6の第2の端部11とは、トルク伝達可能に連結されており、操舵軸5の軸方向X1に相対移動不能となっている。
ロータ6の内径(具体的には、ロータコア8の内径)は、第1の端部10から第2の端部11に向かう所定範囲で一定とされており、第2の端部11において相対的に大きくされている。第1の出力軸28の大径部31は、ロータ6の第1の端部10から第2の端部11に向かって軸方向X1に移動可能となっている。例えば車両の衝突により運転者がステアリングホイール2に衝突して(いわゆる二次衝突して)、所定値以上の力(操舵軸5の軸方向X1への力)がステアリングホイール2に負荷されると、この力がステアリングホイール2から第1の出力軸28に伝達され、樹脂ピン35が破断してロータ6の第1の端部10に対して第1の出力軸28が軸方向X1へ移動するようになっている。これにより、二次衝突のときに、ステアリングホイール2から運転者に加わる衝撃を低減することができる。
図3は、図1におけるIII−III線に沿う電動パワーステアリング装置1の図解的な横断面図である。以下では、図3を参照して、第1の出力軸28の大径部31とロータ6との連結方法について具体的に説明する。
第1の出力軸28の大径部31とロータ6とは、合成樹脂製の複数の樹脂ピン35(弾性部材)を介して連結されている。具体的には、大径部31の外周に、雄セレーション36を構成する複数の凸部37と、樹脂ピン35を嵌合させるための複数(例えば4つ)のピン嵌合孔38が形成されている。4つのピン嵌合孔38は、大径部31の外周において、周方向に等間隔を隔てて配置されている。
また、ロータ6(具体的には、ロータコア8)の第1の端部10には、雄セレーション36に対応する雌セレーション39を構成する複数の凹部40と、樹脂ピン35をロータコア8の厚み方向に貫通させるための複数(例えばピン嵌合孔38と同数)のピン貫通孔41とが形成されている。複数のピン貫通孔41は、ロータ6の周方向に等間隔を隔てて配置されている。
第1の出力軸28の大径部31は、雄セレーション36と雌セレーション39との位相が一致し、さらに、対応するピン嵌合孔38とピン貫通孔41との位相が一致するように、ロータ6の第1の端部10の内周に嵌合されている。そして、対をなすピン嵌合孔38およびピン貫通孔41に共通の樹脂ピン35が例えば圧入されている。これにより、第1の出力軸28の大径部31とロータ6の第1の端部10とが、複数の樹脂ピン35を介して連結されている。
第1の出力軸28およびロータ6の一方に加わるトルクの大きさが所定値未満であれば、このトルクは、複数の樹脂ピン35を介して第1の出力軸28およびロータ6の第1の端部10の一方から他方に伝達される。また、第1の出力軸28およびロータ6の一方に入力されたトルクの少なくとも一部は、各樹脂ピン35の弾性により吸収され、第1の出力軸28およびロータ6の第1の端部10の一方から他方へのトルクの伝達が抑制される。複数の樹脂ピン35により吸収できるトルクの大きさは、樹脂ピン35の本数や、各樹脂ピン35の強度などを変更することにより調節することができる。
一方、第1の出力軸28およびロータ6の一方に加わるトルクの大きさが所定値以上であれば、各樹脂ピン35が弾性変形して、対応する凸部37と凹部40とが直接接触する。そして、対応する凸部37と凹部40との間でトルクが伝達される。また、各樹脂ピン35が破断した場合に、第1の出力軸28およびロータ6の一方にトルクが加わると、対応する凸部37と凹部40とが直接接触して、対応する凸部37と凹部40との間でトルクが伝達される。
すなわち、この第1の実施形態では、第1の出力軸28の大径部31の外周およびロータ6の第1の端部10の内周に、それぞれ、雄セレーション36および雌セレーション39を形成することにより、相対的に大きなトルクが第1の出力軸28およびロータ6の一方に入力された場合や、各樹脂ピン35が破断した場合であっても、ロータ6の第1の端部10と第1の出力軸28との間でトルクを確実に伝達することができる。
なお、この第1の実施形態では、所定値以上の力(軸方向X1への力)がステアリングホイール2に負荷されロータ6の第1の端部10と第1の出力軸28とが軸方向X1へ相対移動するとき、上記所定値以上の力により各樹脂ピン35が破断して、第1の出力軸28の大径部31とロータ6の第1の端部10との連結が解除されるようになっている。ロータ6の第1の端部10と第1の出力軸28とが軸方向X1へ相対移動するときの力は、樹脂ピン35の本数や、各樹脂ピン35の強度などを変更することにより調節することができる。
図4は、モータハウジング16の図解的な外観図である。
図4を参照して、モータハウジング16は、取付部材42と車体側部材43との連結により車体B1に取り付けられている。取付部材42は、例えば全体として環状または筒状をなしており、モータハウジング16が嵌合される環状または筒状の嵌合部44と、車体側部材43に連結される連結部45とを有している。取付部材42の軸長(軸方向への長さ)は、モータハウジング16の軸長(軸方向への長さ)よりも短くされている。
モータハウジング16は、嵌合部44の内周に例えば圧入されている。モータハウジング16に対する嵌合部44の位置は、電動パワーステアリング装置1が車体B1に組み付けられたときに、車体側部材43における取付部材42の取付位置と連結部45の位置とが一致するように調節されている。
すなわち、車体側部材43における取付部材42の取付位置に合わせて、モータハウジング16に対して取付部材42をモータハウジング16の軸方向に移動させることができるようになっており、車体B1に対する電動パワーステアリング装置1の取付の自由度が高められている。
以上のように本実施形態では、複数の樹脂ピン35によって、第1の出力軸28およびロータ6の第1の端部10間でのトルクの伝達が抑制される。したがって、ロータ6に伝達された路面入力(路面からの力)が第1の出力軸28に伝達されることを抑制することができる。これにより、路面入力がステアリングホイール2に伝達されることを抑制でき、ひいては、操舵フィーリングの低下を抑制することができる。また、路面入力が第1の出力軸28に伝達されたとしても、この路面入力は、入力軸18に伝達されたときに減衰部材としての連結軸21によって減衰されるので、路面入力がステアリングホイール2に伝達されることを一層抑制することができる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置1の図解的な横断面図である。この図5において、上述の図1〜図4に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図4と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態と上述の第1の実施形態との主要な相違点は、第1の出力軸128の大径部31の外周全域に雄セレーション36が形成されており、さらに、大径部31の外周全域に合成樹脂によるコーティングが施されていることにある。大径部31の外周全域は、樹脂コーティング層46(弾性部材)により覆われている。
第1の出力軸128の大径部31は、雄セレーション36と雌セレーション39との位相が一致するように、ロータ6の第1の端部10の内周に嵌合されている。これにより、第1の出力軸128の大径部31とロータ6の第1の端部10とが、樹脂コーティング層46を介して連結されている。また、第1の出力軸128の大径部31がロータ6の第1の端部10の内周に嵌合された状態で、樹脂コーティング層46は、ロータ6の第1の端部10の内周に例えば圧入されている。樹脂コーティング層46をロータ6の第1の端部10の内周に圧入することにより、第1の出力軸128の大径部31とロータ6の第1の端部10との操舵軸5の軸方向X1への相対移動を規制することができる。この規制力は、例えば樹脂コーティング層46の厚みを変更させて、ロータ6の第1の端部10の内周に対する樹脂コーティング層46の圧入代を変更することにより調節することができる。
この第2の実施形態では、第1の出力軸128およびロータ6の一方に加わるトルクが、樹脂コーティング層46を介して第1の出力軸128およびロータ6の第1の端部10の一方から他方に伝達される。また、第1の出力軸128およびロータ6の一方に入力されたトルクの少なくとも一部は、樹脂コーティング層46の弾性により吸収され、第1の出力軸128およびロータ6の第1の端部10の一方から他方へのトルクの伝達が抑制される。さらに、樹脂コーティング層46が第1の出力軸128から剥がれたとしても、対応する凸部37と凹部40とが直接接触して、第1の出力軸128およびロータ6の第1の端部10の一方から他方にトルクが確実に伝達される。樹脂コーティング層46により吸収できるトルクの大きさは、合成樹脂の種類や、膜厚などを変更することにより調節することができる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、上述の第1および第2の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上述の第1および第2の実施形態では、ロータ6の第1の端部10と第1の出力軸28および第1の出力軸128とを連結する弾性部材として、樹脂ピン35または樹脂コーティング層46が用いられている場合について説明したが、弾性部材としては、樹脂ピン35および樹脂コーティング層46に限らず、合成ゴム製のピンや、合成ゴムのコーティング層などのその他の部材を用いてもよい。
また、上述の第1および第2の実施形態では、第1の出力軸28および第1の出力軸128の大径部31とロータ6の第1の端部10とが、樹脂ピン35または樹脂コーティング層46を介してセレーション嵌合されている場合について説明したが、第1の出力軸28および第1の出力軸128の大径部31とロータ6の第1の端部10との連結方法はこれに限られない。具体的には、例えば、第1の出力軸28および第1の出力軸128の大径部31とロータ6の第1の端部10とが、樹脂ピン35または樹脂コーティング層46を介してスプライン嵌合されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す縦断面図である。 図1におけるII−II線に沿う電動パワーステアリング装置の図解的な横断面図である。 図1におけるIII−III線に沿う電動パワーステアリング装置の図解的な横断面図である。 モータハウジングの図解的な外観図である。 本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の図解的な横断面図である。
符号の説明
1・・・電動パワーステアリング装置、2・・・ステアリングホイール(操舵部材)、4・・・電動モータ、5・・・操舵軸、6・・・ロータ、10・・・第1の端部、11・・・第2の端部、17・・・トーションバー、18・・・入力軸、19・・・出力軸、21・・・連結軸(減衰部材)、22・・・第1の入力軸、23・・・第2の入力軸、28・・・第1の出力軸、29・・・第2の出力軸、35・・・樹脂ピン(弾性部材)、37・・・凸部、40・・・凹部、46・・・樹脂コーティング層(弾性部材)、X1・・・(操舵軸の)軸方向

Claims (4)

  1. 操舵部材に連結された操舵軸と、
    操舵補助用の電動モータと、を備え、
    上記操舵軸は、トーションバーを介して相対回動可能に連結された入力軸および出力軸とを含み、
    上記電動モータは、上記操舵軸とは同軸に配置された中空のロータを含み、
    上記ロータは、第1および第2の端部を有し、
    上記出力軸は、上記ロータの上記第1の端部の内周に嵌合された第1の出力軸と、上記ロータの上記第2の端部の内周に嵌合された第2の出力軸とを含み、
    上記ロータの上記第1の端部および上記第1の出力軸は、弾性部材を介して互いに連結されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1において、上記ロータの上記第1の端部の上記内周および上記第1の出力軸の外周の少なくとも一方に設けられた凸部が、他方に設けられた凹部に嵌合していることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または2において、上記操舵部材に上記操舵軸の軸方向の力が負荷されたときに、上記ロータの上記第1の端部および上記第1の出力軸が、軸方向に相対移動可能であることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、上記入力軸は、連結軸を介してトルク伝達可能に連結された第1および第2の入力軸を含み、上記連結軸は、第1および第2の入力軸の相対回動を抑制する減衰力を発生する減衰部材を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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