JP5048724B2 - ホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルター - Google Patents

ホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルター Download PDF

Info

Publication number
JP5048724B2
JP5048724B2 JP2009166325A JP2009166325A JP5048724B2 JP 5048724 B2 JP5048724 B2 JP 5048724B2 JP 2009166325 A JP2009166325 A JP 2009166325A JP 2009166325 A JP2009166325 A JP 2009166325A JP 5048724 B2 JP5048724 B2 JP 5048724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording material
light
recording
prism
refractive index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009166325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011022294A (ja
Inventor
逸人 亀野
泰信 吉城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jasco Corp filed Critical Jasco Corp
Priority to JP2009166325A priority Critical patent/JP5048724B2/ja
Publication of JP2011022294A publication Critical patent/JP2011022294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5048724B2 publication Critical patent/JP5048724B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Description

本発明はホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルターに関する。
レーザ光等の短波長の単色光を試料に照射し、試料からの散乱光をレンズで集光して回折格子で分光すると、該散乱光には入射光と同じ波長の光成分の他に、波長の異なった光成分も含まれている。入射光と同じ波長をもつ散乱光をレーリ散乱光といい、波長の異なる散乱光をラマン散乱光という。
ラマン散乱光は入射光の振動数に対し、試料固有の振動数が結合したものである。またラマン散乱光の強度は、入射光の強度と試料濃度に比例する。したがって、ラマン散乱光を分光分析することにより、試料中の成分の同定と定量が可能となる。
しかし、一般にラマン散乱光は、レーリ散乱光の10−6〜10−12倍と極めて微弱な光であるため、ラマン散乱光を高精度で測定するためには、レーリ散乱光を除去してラマン散乱光のみを取り出さなければならない。
すなわち、ラマン散乱光のラマンシフトが微少である場合、該ラマン散乱光とレーリ散乱光との波長の差も当然微少となるため、レーリ散乱光に混ざった微弱なラマン散乱光を検出することは非常に困難である。このため、前記レーリ散乱光を除去するために各種フィルターが用いられているが、一般的なものとしてホログラフィック・ノッチフィルターがある。
特許文献1に記載されているように、一般的なホログラフィック・ノッチフィルターは、例えば図1に示すようにレーザ光の物体光波面L1と参照光波面L2を乾板10を挟んで反対方向より入射させることにより製造される。この場合には、図2に示すように、ホログラム作成用の2光束L1,L2の干渉による干渉縞12は、支持体14に支持された感光層(記録材料)16の面とほぼ平行に生じ、干渉縞の間隔は、感光層16の屈折率をnとすると、使用するレーザの波長の1/2nとなる。
そして、図2に示す干渉縞を現像定着処理して記録することにより、図3に示すような周期的な屈折率変調層が数十層重なったノッチフィルターが得られる。
この屈折率変調層の位置xにおける屈折率の大きさn(x)は、次の数式1で表される。
(数1)
n(x)=n+(1/2)nsin(2πx/P)
ここで、nは平均屈折率(=(n+n)/2)、nは最大屈折率、nは最小屈折率、nは屈折率の変調幅(=(n−n))、Pは屈折率変調の周期である。
こうして製造されたホログラフィック・ノッチフィルターには例えば図4に示すような正弦波的な屈折率変調(最大屈折率n:最小屈折率nが1:1)が記録されている。そして、この製造されたホログラフィック・ノッチフィルターに上記のような散乱光を照射すると、ある波長域に一次の干渉が生じる。この干渉を利用すれば、照射された散乱光のうち、その波長域の散乱光を除去することができる。例えば、図5に示した波長−透過率の関係を表す透過率曲線のように、ある特定波長λを中心とする波長域に一次の干渉による吸光ピークP1が生じる。したがって、このホログラフィック・ノッチフィルターに散乱光を照射すると該波長域に対応する波長の散乱光を吸光するので、このフィルターは一種の多層膜干渉フィルターとして働く。
しかし、この多層膜干渉フィルターは図5の吸光ピークP1に見られるようにバンド幅が十分に狭いものとは言えない。例えば、レーリ散乱光とラマン散乱光の波長の差が小さい場合には、レーリ散乱光と共にラマン散乱光まで除去される恐れがあるのでさらにバンド幅を狭くする必要がある。
(ホログラフィック・ノッチフィルターの吸光度とバンド幅の関係)
ここで、ホログラフィック・ノッチフィルターにおける吸光度、バンド幅、及び層数との関係は次の数式2で表される。
(数2)
吸光度(O.D.)= log(100/T)
=(1.36×BW×N)−log(4/n
ここで、Tは最小透過率、BWは以下に示すバンド幅、Nは屈折率変調層の層数、nは基板の屈折率である。
またバンド幅は次の数式3で表される。
(数3)
バンド幅(BW)=(n)/(2n
上記の数式2及び数式3から分かるように屈折率の変調幅nを大きくすれば吸光度もそれに比例して大きくなるが、バンド幅も大きくなってしまう。したがって、バンド幅が狭く、かつ吸光度の高いホログラフィック・ノッチフィルターを製造するためにはバンド幅を変えず屈折率変調層の層数Nを増やすことによって吸光度を大きくすることになる。
しかし、特許文献2に示されているように、記録材料を厚くして層数Nを大にすると、記録材料中において記録光の吸収が生じ、均一な露光ができなくなる。また、現像時に現像の不均一が発生し易く、記録材料中の各位置での屈折率変調が均一にならないという問題がある。
そのほか、ノッチフィルターの厚さが大になると、フィルターの使用時に使い勝手が悪くなるという問題がある。例えば、散乱光に対して垂直の位置にあるフィルターを傾けて散乱光をフィルターに照射した場合に、フィルターの屈折率の影響をうけて出射光の出射位置が入射位置から大きくずれることになる。したがって、フィルターを薄膜化する方が望ましい。しかし、従来技術では、上記制約により吸光度を高くしバンド幅を狭くしたときは、層数Nを大きくしなければならないので、フィルターを薄膜化することは出来ないことになる。
(バンド幅の狭い高次の干渉の利用)
それらの問題に対処するために、特許文献1においては、二次以上の高次の干渉を生ずるノッチフィルターが製造されている。高次の干渉を利用するのは、製造されたフィルターに対して試料からの散乱光を照射すると、得られる透過率曲線において狭いバンド幅で高い吸光度を示す吸光ピークが得られるからである。
例えば二次の干渉を生ずるフィルターを製造するには、図6に示すように、記録材料16に非正弦波的な屈折率変調(例えば、最大屈折率n:最小屈折率nが3:1)を記録する。このような非正弦波的な屈折率変調を記録したフィルターに上記の散乱光を照射すると、図7に示すように、得られる透過率曲線には、波長λにおける吸光ピークP1に加えて、二次干渉に基づく吸光ピークP2が波長λに生じるのである。図7に見られるように、吸光ピークP2は吸光ピークP1に比してバンド幅が狭く、高い吸光度を示す。
(吸光ピークP2の位置調整)
このとき、除去したい光の波長域に吸光ピークP2が生じない場合は、吸光ピークP2を望ましい波長域に生じるように調整することを要する。
吸光ピークP1を長波長側にシフトし、吸光ピークP2を除去したい光の波長域に発生させるために、特許文献1においては、記録光に対する記録材料の角度を調整して露光している。これにより、除去したい光の波長の位置に二次の干渉が生じるよう干渉縞を記録することができる。そうして製造されたフィルターは、バンド幅が非常に狭く、しかも強い吸光度を示す吸光ピークP2が長波長側にシフトされて除去したい光の波長域に吸光ピークP2を生じさせることができる。
(記録材料への入射角と波長シフトの関係)
ここで吸光ピークP2を正確に除去したい光の波長域に生じさせるためには、記録材料への入射角と波長シフトの関係を把握しておくことを要する。吸光ピークを除去したい光の波長域の中心に生じさせるには入射角をどの程度にすべきかあらかじめ計算しておくことが必要となるためである。例えば、図8(A)のように二光束の記録光20を記録材料16に対して垂直に露光し、記録光20を互いに干渉させて記録することにより製造されたノッチフィルターは、図8(B)のように吸光ピークが一定の波長域λに現れる。そして二次干渉による吸光ピークを長波長側にシフトするには図9(A)のように記録材料16を傾けて露光することを要する。なお、前記記録材料中へ入射された記録光の進行方向と前記記録材料の厚さ方向との角度を記録材料中での記録光の傾斜角度と定義する(以下、同様である。)。
図9(A)に示されているように、記録材料16を傾けることにより、記録材料16に対し散乱光を垂直に照射したときに吸光ピークを示す波長λが波長λ2sにシフトする。このときの記録材料中での記録光の傾斜角度θと波長シフトは図9(B)中にも記載されている次の数式4の関係が成り立つ。
(数4)
λ2s=λ/cosθ
一次干渉を長波長側にシフトさせて、二次干渉による吸光ピークが除去したい特定光の波長位置に生じるように、この数式4の関係を利用する。すなわち、除去したい光の波長域に吸光ピークP2が生じるようλ2Sの位置を調整するために、記録光20の記録材料16への入射角度をあらかじめ計算しておく。次に、この計算した入射角度となるよう記録材料16の傾斜を調整して、記録光20を照射する。そして、記録材料16に干渉縞を記録する。こうしてホログラフィック・ノッチフィルターが製造される。
以上のように二次干渉による吸光ピークを除去したい光の波長域に生ずるように記録材料を傾けて記録光の入射角を調整してから記録光を照射することにより、特定波長の光の吸光度が高くかつバンド幅の狭いホログラフィック・ノッチフィルターを製造することができる。このように製造すれば屈折率変調層の層数Nを増やす必要がないので、フィルターの屈折率変調の不均一の問題が生じず、またフィルターの薄膜化が可能となる。なお高次干渉の次数としては二次干渉に限定されず、三次以上の干渉を用いることも可能である。
(次数と吸光ピークの半値巾の関係)
上記のように高次の干渉を利用した場合に、吸光度とバンド幅を同一としたときの層数Nを決定するために、ホログラフィック・ノッチフィルターを設計する上で目安が必要となる。吸光度と層数Nが同一という条件で、干渉の次数が増えるにつれバンド幅がどの程度狭まるかについて以下のような事実が得られている。
先述したように同一の次数の干渉を利用すれば、吸光度、バンド幅BW、及び層数Nの間には数式2及び数式3の関係が成り立つから、吸光度はバンド幅BW、又は層数Nに比例して増加することになる。すなわち、同一の次数の干渉を利用する場合において吸光度を高くすることとバンド幅を狭めることはトレードオフの関係にあると言える。しかし、一次の干渉の代わりに高次の干渉を利用した場合は、吸光度を低下させず、さらに層数Nを同一にしてもバンド幅BWを狭めることが可能となる。具体的には干渉の次数、バンド幅、及びそれぞれの次数のピーク波長の関係について示した図10の関係が成り立つ。
一次の干渉を使用したときと高次の干渉を使用したときとを比較する。層数、吸光度を同一とし、一次の干渉を利用した場合のバンド幅を1としたとき、二次の干渉では約1/2となり、三次の干渉では約1/3となる。このように高次の干渉を利用すればバンド幅BWを狭くすることができる。換言すれば、バンド幅BWを一定にし、吸光度を同一とした場合は、一次の干渉を利用した場合の層数を60としたとき、二次の干渉では30層でよく、三次の干渉では20層でよいことになる。
(吸光ピークが生じる波長と記録材料への入射角の関係)
また、高次の干渉を所定の波長域に生じさせるために吸光ピークが生じる波長と記録材料への入射角の関係を知っておく必要がある。
吸光ピークが生じる波長λについての、記録材料の屈折率n、各層の膜厚d、視射角(記録材料への入射角の補角)θとの関係について、ブラッグの回折の原理に基づき、次の数式5が成り立つ。
(数5)
2dsin(90°−θ)=2dcosθ=mλ/n
ここにおいて、mは干渉の次数である。数式5によれば、視射角θに応じてλが波長側へシフトすることが分かる。しかしながら記録材料への視射角θを0度に限りなく近づけても記録材料中での記録光の傾斜角度は屈折率の影響を受け入射角より小さくなるので、その傾斜角度の最大値は制限されることになる。
さらに記録光を屈折率の大きい記録材料に直接入射させると入射面で屈折して記録材料中での記録光の傾斜角度がより小さくなるので、記録光の入射角をできるだけ大きくしても十分でない場合がある。例えば空気の屈折率を1.0としたとき、屈折率1.5の記録材料に対して入射角を大きくとって入射させたとしても、該記録材料中での記録光の傾斜角度が41.8度を超えるような角度で記録光を露光することはできない。
なお、このように該記録材料中での記録光の傾斜角度θの最大が41.8度となることについては以下の数式6を計算することにより求められる。
(数6)
sinθ=(n/n)sinθ
ここで、nは空気の屈折率、nは記録材料の屈折率、θは空気中から直接記録材料に入射させる場合の入射角である。
上記式に空気の屈折率nに1.0、記録材料の屈折率nに1.5、および入射角θに近似値90°を代入すると、sin(41.8°)≒(1.0/1.5)・sin(90°)となる。
垂直に照射した場合と当該角度で照射した際の長波長シフトの幅を調べるために、数式4を使用してθとλからλ2Sの波長を計算し比較すると、垂直に照射して記録された場合の波長λの約1.3倍程度の波長までしか、吸光ピークが生じる波長を長波長側へシフトすることができないことが分かる。
特開2001−51123 特開2002−328235
吸光ピークを長波長側へシフトさせる際の上述のシフト幅の制限を超えて望ましい波長域に二次以上の高次の干渉を発生させ、狭いバンド幅で、かつ吸光度の高い回折格子としてホログラフィック・ノッチフィルターを製造する方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルターを提供することにある。
上記課題を解決するためには一次干渉を長波長シフトさせ、望ましい波長域に二次以上の高次の干渉が生じるように調整するために記録材料中での記録光の傾斜角度を大きくしなければならない。
そこで、請求項1に記載のホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法は、記録材料にレーザ等の単色光を露光することにより形成される干渉縞を周期的な屈折率変調として記録するホログラフィック・ノッチフィルター製造方法において、裏面に銀又はアルミニウムを蒸着してミラー面とした透明な材質よりなる支持体に支持された記録材料の表面に、記録材料と略同一の屈折率を有するプリズムをその底面が密接するように載置し、記録光を所定の角度でプリズムの入射面から入射させ、プリズムと記録材料との界面を通過した記録光と、記録光が前記ミラー面で反射した反射光とを干渉させる一光束露光系を使用して、除去すべき光の波長λに対し、2次以上の高次干渉が波長λで生じるように非正弦的な屈折率変調を記録することを特徴とする。
また、請求項2及び3に記載されているように、プリズムの形状としては、プリズムに入射する記録光に対して垂直な入射面を持ち、プリズムから出射する記録光に対して垂直な出射面を持つのが好適である。
また、請求項4に記載されているように、プリズムは記録材料の全表面を覆う以上に大きい面積の底面を有するのが好適である。
また、請求項5に記載されているように、プリズムと記録材料との界面に空隙が発生するのを防止するために記録材料と略同一の屈折率を有するオイルを介在させるのが好適である。
また、請求項6に記載されているように、記録材料は、重クロム酸ゼラチン、フォトポリマー、フォトレジスト、または銀塩系感光材料であるのが好適である。
また、本発明のホログラフィック・ノッチフィルターは、請求項7に記載されているように、裏面をミラー面とした透明な支持体に支持されている記録材料の表面に前記記録材料と略同一の屈折率を有するプリズムが底面を密接して載置されている露光系を使用し、前記プリズムを経由して前記記録材料中へ入射される記録光の進行方向と前記記録材料の厚さ方向との角度であり、数式7で示される角度θを傾斜角度とする前記記録光と、前記記録光の前記ミラー面からの反射光とを干渉させる一光束露光を行うことにより、
除去すべき光の波長λに対し、二次以上の高次の干渉が波長λで生ずるように非正弦波的な屈折率変調が記録されていることを特徴とする。
(数7)
sinθ ≧ n/n
ここで、nは空気の屈折率、nは記録材料の屈折率
なお、請求項7に記載のホログラフィック・ノッチフィルターは、前記高次の干渉を下記の数式8の条件であっても除去すべき光の波長λに対応する波長域に生じるように屈折率変調を記録することができる。
(数8)
2d≦mλ/n
ここで、nは記録材料の屈折率、dは各層の膜厚、λは干渉を生じさせる波長、mは干渉の次数である。上記の式は、空気中において記録光の記録材料に対する視射角を近似的に0°としたとき{2dcos(0°)=mλ/n}において得られる高次の吸光ピークの波長λよりも、さらにλを長波長側にシフトさせることができることを示すものである。
以上説明したように、本発明においては記録材料と略同一の屈折率を有するプリズムの底面を記録材料の表面に密接させ、記録光を先にプリズムに入射させ、プリズムと記録材料の界面を通過させる構成をとっているので、記録光をプリズムを経由させずに直接記録材料に入射する場合と比較すると長波長シフトの幅を大きくすることができ、除去したい光の波長域に高次の干渉を生じさせることが可能となる。また、プリズムから記録材料に入射させる際、界面で屈折することなく、ほぼ直線で入射させることができるので非常に露光の操作性がよい。
そして、製造されたホログラフィック・ノッチフィルターは高次の干渉を利用するので透過率曲線に形成される吸光ピークのバンド幅が狭く、当該吸光ピークに対応する波長域での吸光度が高い。それゆえに、屈折率変調層の層数Nを増やす必要がなく、ホログラフィック・ノッチフィルターの薄膜化が可能となる。
二光束で記録材料を露光する際の説明図である。 図1に示した露光処理により記録材料(感光層)に干渉縞が記録された乾板を 概念的に示した図である。 正弦波的な屈折率変調の説明図である。 正弦波的な屈折率変調(最大屈折率n:最小屈折率n=1:1)の説明図 である。 図4に示した屈折率変調を記録したノッチフィルターの透過率曲線を示す図で ある。 非正弦波的な屈折率変調の説明図である。 図6に示した非正弦波的な屈折率変調を記録したノッチフィルターの透過率曲 線を示す図である。 (A)は一般的な二光束露光法の説明図、(B)は記録材料を垂直に置いた時 の吸光ピークの位置(nm)を示した説明図である。 (A)は一般的な二光束露光法において角度θ傾けたときの説明図、 (B)は記録材料を垂直に置いたときの吸光ピークの位置(nm)を一点鎖線 で示し、そこから角度θ傾けたときの吸光ピークの位置(nm)を実線で示 した長波長側へのシフトの説明図である。 屈折率変調を記録したノッチフィルターの干渉の次数とバンドの半値巾の 関係を示した図である。 本発明の製造方法で使用する露光系の構成図である。
<本発明で使用する露光系>
本発明は、図11に示すように、支持体14の裏面に銀又はアルミニウムを蒸着した薄膜状のミラー18を形成させており、透明なガラス板である支持体14に支持された重クロム酸ゼラチンよりなる記録材料16の表面に、記録材料16と略同一の屈折率を有するプリズム30を、その底面33が密接するように、載置している。この支持体14は記録材料16を支持することにより記録材料16の反りを防いでいる。
<露光方法>
上記の露光系を使用し、図11に示すように、記録光20をプリズム30の入射面31から所定の角度で入射させ、プリズム30と記録材料16との界面を通過させた記録光20と、記録光20が支持体14のミラー18で反射した反射光20rとを干渉させるように一光束露光を行い、除去すべき光の波長λに対し、2次以上の高次の干渉が波長λで生じるように、記録材料16中に図6に示したような非正弦波的な屈折率変調を記録してホログラフィック・ノッチフィルターを製造する。なお、ホログラフィック・ノッチフィルターが製造された後、ノッチフィルターとして不要なミラー18を除去する。
記録材料16の表面に記録材料16と略同一の屈折率を持つプリズム30をその底面33が密接するように載置していることにより、記録光20はプリズム30と記録材料16の界面で屈折することなく略一直線状に入射させることができる。そして、これにより記録光20の記録材料中での記録光の傾斜角度を大きくすることができる。この傾斜角度を90度近い角度まで調整することができるので、散乱光中に存在する除去したい光の波長の散乱光が長波長側にあっても波長域に干渉が生ずるよう十分に長波長側へシフトすることができる。すなわち、本発明は、プリズムを経由して記録光を記録材料に入射させているので以下の条件でも入射することができる。
(数7)
sinθ≧n/n
<プリズムの形状>
また、プリズム30を以下の二つの条件を満たすような形状にするのが好適である。
第一に、記録光20が外からプリズムへ入射するときプリズムの入射面31での反射を避けるため、記録光20が入射面に対して垂直にプリズム30へ入射するようなプリズム形状とするのが好適である。
第二に、記録光20のミラー面における反射光がプリズム30から外へ出射するときプリズム30と空気との屈折率差によりプリズム30の出射面32において出来るだけ反射しないようにする必要がある。なぜなら、反射した記録光20が再度記録材料16に入射し多重干渉する恐れがあるからである。したがって、記録光20が出射面32に対して垂直にするのが好適であり、少なくとも臨界角以下の角度でプリズム30から出射するようなプリズム形状とすることを要する。
また、プリズム30は記録材料16の表面積よりもやや大きい底面33を持つことが好ましい。このことは次の理由による。
<端面入射による多重干渉の防止>
記録光の進行方向とプリズムの底面との角度を下記の数式9に記載されている角度θとして記録光20を入射させると、記録材料16とプリズム30の界面以外のプリズムの底面33の部分に照射された記録光20は、プリズム30と空気の間に屈折率差があるので、図11の点線で示す記録光20のようにプリズムの底面33にて全反射を起こす。したがって、該記録光20は、プリズムの底面33から出射しないので、記録材料16の端面から入射することがなく、界面からの入射した記録光20と多重干渉するのを防ぐことができる。
(数9)
sinθ>n/n
ここで、θは記録光の進行方向とプリズムの底面との角度、nはプリズム30の屈折率、nは記録材料16の屈折率である。
<空気層の存在による反射の防止>
上記構成において記録材料16に入射または出射するときにプリズム30と記録材料16の間に空気層が存在すると記録光20が空気層との界面において反射する恐れがある。例えば、記録光20がプリズム30から記録材料16に入射するときにその界面において反射すると鮮明なホログラムが得られない。一方、ミラーからの反射光が記録材料16からプリズム30に出射するときに記録光20の記録材料中での記録光の傾斜角度が大きい場合、記録光20がミラー18で反射した後、記録材料16から出射するときの出射角も当然に大きくなる。そうすると、その反射光が記録材料16からプリズム30に出射するときに、空気層との界面で反射し、多重干渉する恐れもある。
そこで、空気層が形成されないようにプリズム30と記録材料16の界面に記録材料16と略同一の屈折率を有するオイル41を介在させるのが好適である。これにより記録光20が記録材料16に入射、または記録材料16から出射するとき、記録材料16とプリズム30の界面での反射が防止される。なお、オイル41には主にシリコーンオイルが使用されるが、他のオイルも使用することができる。
<記録材料、支持体の材質>
また上記実施の形態で記録材料としてホログラム材料である重クロム酸ゼラチンを使用したが、これに限定されず、フォトポリマー、フォトレジスト、銀塩感光剤等も用いられる。
支持体には記録材料を保持して、かつ透明な材料を用いる必要がある。例えば光学窓材料(BK7、ソーダガラス等)が用いられる。
なお、本発明は一光束露光法を用いているので、二光束露光法と比べて空気の揺らぎなどの影響を受けにくく、鮮明な像が得られ、露光系を比較的簡便にすることができる。
また、本発明は支持体の裏面にミラー18を蒸着させているので、記録光20は記録材料中での記録光の傾斜角度が小さい場合であってもホログラフィック・ノッチフィルターが製造できることは言うまでもない。
10 記録材料
12 干渉縞(周期的な屈折率変調)
14 支持体
16 記録材料(感光層)
18 ミラー
20 記録光
30 プリズム
31 プリズムの入射面
32 プリズムの出射面
33 プリズムの底面
41 オイル

Claims (6)

  1. 記録材料にレーザ等の単色光を露光することにより形成される干渉縞を周期的な屈折率変調として記録するホログラフィック・ノッチフィルター製造方法において、
    裏面に銀又はアルミニウムを蒸着してミラー面とした透明な材質よりなる支持体に支持された前記記録材料の表面に、前記記録材料と略同一の屈折率を有するプリズムをその底面が密接するように載置して、記録光を所定の角度で前記プリズムの入射面から入射させ、前記プリズムと前記記録材料との界面を通過した記録光と、前記記録光が前記ミラー面で反射した反射光とを干渉させる一光束露光を行い、除去すべき光の波長λに対し、2次以上の高次干渉が波長λで生じるように非正弦的な屈折率変調を前記記録材料に記録することを特徴とするホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法。
  2. 請求項1の製造方法において、
    前記プリズムがプリズムに入射する記録光に対して垂直な入射面を持つものであることを特徴とするホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法。
  3. 請求項1の製造方法において、
    前記プリズムが前記記録材料の全表面を覆う以上に大きい面積の底面を有するものであることを特徴とするホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法。
  4. 請求項1の製造方法において、
    前記プリズムと前記記録材料との界面に、前記記録材料と略同一の屈折率を有するオイルを介在させることを特徴とするホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法。
  5. 請求項1の製造方法において、
    前記記録材料は、重クロム酸ゼラチン、フォトポリマー、フォトレジスト、または銀塩系感光材料であることを特徴とするホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法。
  6. 裏面をミラー面とした透明な支持体に支持されている記録材料の表面に前記記録材料と略同一の屈折率を有するプリズムがその底面を密接して載置されている露光系を使用し、前記プリズムを経由して前記記録材料中へ入射される記録光の進行方向と前記記録材料の厚さ方向との角度であり、数式7で示される角度θを傾斜角度とする前記記録光と、前記記録光の前記ミラー面からの反射光とを干渉させる一光束露光を行うことにより、
    除去すべき光の波長λに対し、二次以上の高次の干渉が波長λで生ずるように非正弦波的な屈折率変調が前記記録材料に記録されていることを特徴とするホログラフィック・ノッチフィルター。
    (数7)
    sinθ ≧ n/n
    ここで、n1は空気の屈折率、n2は記録材料の屈折率
JP2009166325A 2009-07-15 2009-07-15 ホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルター Active JP5048724B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009166325A JP5048724B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 ホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009166325A JP5048724B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 ホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011022294A JP2011022294A (ja) 2011-02-03
JP5048724B2 true JP5048724B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=43632438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009166325A Active JP5048724B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 ホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5048724B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2810241B2 (ja) * 1990-12-27 1998-10-15 キヤノン株式会社 ホログラムを用いた投射型表示装置
JPH06167615A (ja) * 1992-09-03 1994-06-14 Nippondenso Co Ltd ホログラフィー装置
JPH06102808A (ja) * 1992-09-22 1994-04-15 Asahi Glass Co Ltd ホログラムの製造方法
JP4242974B2 (ja) * 1999-08-10 2009-03-25 日本分光株式会社 ホログラフィックノッチフィルタ製造方法
JP2002099195A (ja) * 2000-09-21 2002-04-05 Sharp Corp 位相型体積ホログラム光学素子の作製方法
JP5099319B2 (ja) * 2007-07-17 2012-12-19 大日本印刷株式会社 ホログラム撮影光学系

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011022294A (ja) 2011-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
van Wolferen et al. Laser interference lithography
FR2726641A1 (fr) Procede et dispositif pour profiler des surfaces en utilisant une optique de diffraction
JPH04212105A (ja) ホログラフフィルター
JP2010521699A (ja) ノッチフィルタシステム
JP2009265101A (ja) 光ビームの波面を解析するための方法、位相格子および装置
JP4862051B2 (ja) 三波横方向せん断型のコンパクト色消し光学干渉計
JP4181119B2 (ja) 斜入射干渉計用干渉縞パターン弁別器
JP2005533244A (ja) 光学分光装置、光学分光方法、光センサ、及びその使用方法
JPH06318029A (ja) 多重ホログラフィ要素の製造システムおよび方法
JPH10512955A (ja) 光学装置、及び該装置を物体の光学的検査に用いる方法
Maystre Diffraction gratings
JP5048724B2 (ja) ホログラフィック・ノッチフィルターの製造方法、及びその方法によって製造されたホログラフィック・ノッチフィルター
JP2007515689A (ja) 交互の多層スタックを持つ2次元回折格子ネットワーク、その製法そしてそれらのネットワークを備える分光器
US6661547B2 (en) Multi-structure holographic notch filter and a method of manufacturing the same
Neff et al. Enhanced directed radiative surface plasmon emission from periodically corrugated noble metal films
Pen et al. Spectral properties of a cascade of holographic reflection gratings separated by a uniform layer
JP4242974B2 (ja) ホログラフィックノッチフィルタ製造方法
Owen The impact of volume phase holographic filters and gratings on the development of Raman instrumentation
Rallison et al. Fabrication and testing of large-area VPH gratings
JP2011232239A (ja) 光学系
JP2003279324A (ja) 膜厚測定方法および膜厚測定装置
JP4324507B2 (ja) 振動計測装置
CN117687136B (zh) 一种拼接光栅对准精度检测方法
CN117687135B (zh) 一种虚实光栅对准方法
JP4650390B2 (ja) 回折格子製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120626

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120719

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5048724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250