JP5048032B2 - 感圧性接着シート - Google Patents

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Description

本発明は、剥離シートを有する感圧性接着シートに関する。
感圧性接着シートは、通常、プラスチックフィルムおよび紙などの基材の表面に剥離剤層が形成された剥離シート(セパレータ、剥離ライナともいう)と、感圧性接着剤層を有する支持基材とから構成される。感圧性接着シートの使用時には、剥離シートを感圧性接着剤層から剥離する。
従来の感圧性接着シート用の剥離シートは、その感圧性接着剤層に接する側の表面に剥離剤を塗布し硬化させることによって作製されてきた。このような剥離剤としては、例えばシリコーン系剥離剤がその優れた剥離性のために一般に利用されてきた。
しかし、シリコーン系剥離剤を使用した従来の剥離シートは、感圧性接着剤層からの剥離性能に優れるという利点がある反面、当該剥離シートの剥離後に、感圧性接着剤層表面にシリコーン系剥離剤の微量成分が付着するという問題を有する。シリコーン系剥離剤が付着した感圧性接着剤層は、シリコーン系剥離剤が付着していないものと比較して、被接着物への接着強度が著しく低下してしまう。
また、感圧性接着シートは、各種精密電子機器(例えば、ハードディスクドライブなど)の製造時における接合材料として使用されるようになってきているが、このような用途においては、剥離シートの感圧性接着剤層からの剥離時に感圧性接着剤層に付着したシリコーン系剥離剤に含まれる成分が電子機器内部を腐食させたり、電子機器を誤動作させたりするおそれがあるので、シリコーン系剥離剤の使用を抑制する動きがある。従って、このような用途の感圧性接着シートに使用される剥離シートとしては、シリコーン系剥離剤を含まないものが望ましい。
シリコーン系剥離剤を用いることの上記問題点に鑑み、シリコーン系剥離剤を使用しない剥離シートとして、各種エチレン系重合体(例えば低密度ポリエチレンなど)を用いた剥離シートを感圧性接着シートに使用することがこれまでに種々提案されてきた。
しかし、従来のエチレン系重合体剥離シートは、感圧性接着剤が比較的高い接着力を有する場合に、表面の剥離力が大きくなる(すなわち、剥がしにくくなる)ことが多く、用い得る感圧性接着剤が制限されるという問題があり、また剥離する場合でも剥離力が依然大きく使用しづらいという問題があった。そのため、従来のエチレン系重合体剥離シートは、必ずしも実用的なレベルで満足できるものではなかった。
本発明は、エチレン系重合体を用いた剥離シートにおける上記の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、従来のエチレン系重合体を使用した剥離シートと比較して感圧性接着剤層からの剥離力が適度に低減された、すなわち剥離性能に優れた剥離シートを提供すること、および当該剥離シートを用いた感圧性接着シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、剥離シートに含まれるエチレン系重合体において、
〈1〉当該エチレン系重合体の非晶領域のプロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)および当該スピン−スピン緩和時間(T2)から測定される非晶領域の割合を特定の範囲内に調整すること、あるいは
〈2〉当該エチレン系重合体を含む剥離シートの表面を原子間力顕微鏡で測定して得られるベアリング比を、特定の範囲内に調整すること、
により、従来のエチレン系重合体を用いた剥離シートと比較して剥離力が一段と低減され実用に供し得る適度な剥離力を有する(すなわち、剥離性能に優れた)剥離シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]剥離シートを有する感圧性接着シートであって、
前記感圧性接着シートは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルと改質用モノマーとの共重合仕込み重量比が100:1〜90:15である、UV重合法によって得られるアクリル酸エステル系重合体を主剤とする感圧性接着剤層を有し、
前記感圧性接着剤層上に貼付される前記剥離シートは、単層構造または積層構造を有し、単層構造を有する場合には前記剥離シート自体が、また積層構造を有する場合には前記剥離シートの最外層の少なくとも片面がエチレン系重合体を含む層であり、前記エチレン系重合体が以下のa)およびb)の物性値を共に満足する剥離シートである:
a)前記エチレン系重合体の非晶領域におけるプロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)が30℃において130〜350μsである;および
b)前記スピン−スピン緩和時間(T2)から計算される前記エチレン系重合体の非晶領域の割合が7〜17%である、ことを特徴とする感圧性接着シート。
[2]剥離シートを有する感圧性接着シートであって、
前記感圧性接着シートは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルと改質用モノマーとの共重合仕込み重量比が100:1〜90:15である、UV重合法によって得られるアクリル酸エステル系重合体を主剤とする感圧性接着剤層を有し、
前記感圧性接着剤層上に貼付される前記剥離シートは、単層構造または積層構造を有し、単層構造を有する場合には前記剥離シート自体が、また積層構造を有する場合には前記剥離シートの最外層の少なくとも片面がエチレン系重合体を含む層であり、前記エチレン系重合体からなる表面を原子間力顕微鏡により測定して得られたベアリング比が−30〜15である、ことを特徴とする感圧性接着シート。
[3]前記エチレン系重合体が、炭素数3〜10の直鎖または分枝鎖を有するα−オレフィンとエチレンとの共重合体であることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の感圧性接着シート。
[4]前記剥離シートと前記感圧性接着剤との剥離力が、剥離速度300mm/分の条件で50〜3000mN/50mmであることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感圧性接着シート。
本発明によれば、シリコーン系の剥離剤を剥離シートに用いることなく、〈1〉非晶領域のプロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)および当該緩和時間(T2)から算出される非晶領域の割合が特定の範囲内である、エチレン系重合体を含む剥離シート、あるいは〈2〉表面のベアリング比が特定の範囲内である、エチレン系重合体を含む剥離シート、のいずれかを用いることにより、従来のエチレン系重合体を用いた剥離シートと比較して優れた剥離性能を有する剥離シートを得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本明細書中の用語「シート」には、シートおよびテープの形態が包含される。すなわち、本明細書中の用語「剥離シート」は、剥離シートおよび剥離テープを包含し、用語「感圧性接着シート」は、感圧性接着シートおよび感圧性接着テープを包含する。
本発明の感圧性接着シート用の剥離シートは、単層構造または積層構造を有し、単層構造の場合には当該剥離シート自体が、また積層構造の場合には当該剥離シートの最外層の少なくとも片面が、後述する特定の物性を有するエチレン系重合体を含むことを特徴とする。
本発明において用いられるエチレン系重合体は、以下の〈1〉または〈2〉により規定される特定の物性を有することを必須の要件とする:
〈1〉当該エチレン系重合体の非晶領域のプロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)が30℃において130〜350μsであり、かつ、当該スピン−スピン緩和時間(T2)から測定される非晶領域の割合が7〜17%であること、または、
〈2〉当該剥離シートの表面を原子間力顕微鏡で測定して得られたベアリング比が−30〜15であること。
以下、上記〈1〉、〈2〉のそれぞれの物性について説明する。
〈1〉の物性について
本発明において、「プロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)」および「緩和時間(T2)」とは、パルス核磁気共鳴吸収測定装置(以下、パルスNMRという)により測定される、プロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)を意味する。
このパルスNMRを用いた緩和時間(T2)測定のために各種の方法が開発されているが、本発明では、高分子材料の結晶領域、非晶領域および結晶領域と非晶領域との中間に位置する界面領域のそれぞれの緩和時間(T2)を測定するのに適した方法として、公知のソリッドエコー法を採用した。なお、その測定条件は、下記実施例の段落0073に記載した通りである。
ソリッドエコー法で高分子材料を測定すると、高分子材料の結晶領域、非晶領域、および結晶領域と非晶領域との中間に位置する界面領域に対応した3種類の緩和時間(T2)が得られる。
これらの緩和時間(T2)は、高分子材料の分子鎖の運動性に依存する。すなわち、分子鎖の運動性が最も大きい非晶領域では、緩和時間(T2)は最も長くなり、界面領域における緩和時間(T2)がその次に長くなり、そして分子鎖の運動性が最も低い結晶領域では緩和時間(T2)は最も短くなる。
また、ソリッドエコー法では、これらの緩和時間(T2)から、高分子材料の結晶領域、非晶領域および界面領域のそれぞれに存在するプロトンの数を算出することができ、このプロトンの数を以下の式に当てはめることにより、高分子材料の非晶領域に存在するプロトンの割合、すなわち非晶領域の割合を算出することができる:
非晶領域の割合(%)={(非晶領域のプロトン数)/[(結晶領域のプロトン数)+(非晶領域のプロトン数)+(界面領域のプロトン数)]}×100
非晶領域の割合は、パルスNMRでの緩和時間(T2)の測定と同時に求めることができる。
本発明者らの検討の結果、剥離シートに用いたエチレン系重合体の非晶領域の緩和時間(T2)およびこの緩和時間(T2)から算出されるプロトンの数を用いて上記式から算出された非晶領域の割合が、感圧性接着剤層からの剥離シートの剥離性能に影響することを突き止めた。具体的には、本発明者らは、剥離シートの実使用条件となる30℃において、当該エチレン系重合体の非晶領域の緩和時間(T2)が130〜350μs、好ましくは170〜280μsであって、かつ、これらの緩和時間(T2)から計算される当該エチレン系重合体の結晶領域、界面領域および非晶領域のそれぞれにおけるプロトンの数から上記式により算出される非晶領域の割合が7〜17%、好ましくは10〜14%である場合に、剥離性能に優れた剥離シートが得られることを見出した。
上記剥離シートにおいて、30℃における非晶領域の緩和時間(T2)が130μs未満の場合、剥離時における剥離シート表面のエチレン系重合体の分子鎖の運動性が低くなり、剥離シートを感圧性接着剤層から剥離することが困難になったり、また、剥離後の感圧性接着剤層表面の形状がパルス状になったりするという問題を生じる。また、この緩和時間(T2)が350μsより大きくなると、エチレン系重合体の分子鎖の運動性が大きくなりすぎて、得られた剥離シートの表面の耐熱性が低下するため、実用上好ましくない。
上記エチレン系重合体における非晶領域の割合が7%未満の場合、剥離時における剥離シート表面のエチレン系重合体の分子鎖の運動性が低くなり、剥離シートを感圧性接着剤層から剥離することが困難になったり、また、剥離後の感圧性接着剤層表面の形状がパルス状になったりするという問題を生じる。またエチレン系重合体における非晶領域の割合が17%よりも大きくなると、剥離シートが柔らかくなり自立性がなくなるため、実用に適さない。
〈2〉の物性について
本発明の剥離シートは、エチレン系重合体を含む剥離シートの表面(より具体的には、表面近傍)を、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope、AFMともいう)で測定したときのベアリング比が−30〜15、好ましくは−20〜10である。
本発明の剥離シートにおいて、ベアリング比は、エチレン系重合体を含む剥離シート表面の面方向に対する深さ方向の表面粗さの分布を原子間力顕微鏡により測定し、この分布を解析することにより、面方向に対する表面粗さの変化の程度として求められる。具体的には、まず、原子間力顕微鏡におけるカンチレバーのターゲットアンプリチュ−ド(target amplitude)を、試料表面に対するカンチレバーのタッピング力に応じて設定し、そして、各ターゲットアンプリチュ−ドの設定下にて、試料表面の面方向に対する深さ方向の表面粗さの分布をそれぞれ測定する。次いで、各ターゲットアンプリチュ−ドの設定下において得られた表面粗さの分布のそれぞれについてベアリングカーブを求める。ベアリングカーブは、試料表面の面方向に対する表面粗さの分布を統計的に解析するために一般的に用いられている方法である。得られたこれらのベアリングカーブを差分することにより、試料表面の面方向に対する深さ方向の表面粗さの変化の程度、すなわちベアリング比を得る。なお、その測定条件は、下記実施例の段落0074に記載した通りである。
本発明の剥離シートの感圧性接着層からの剥離力を好ましい範囲内の値とするためには、エチレン系重合体を含む剥離シート表面のベアリング比が−30〜15の範囲内にあることが好ましい。これは、ベアリング比がかかる範囲内にある場合、剥離シート表面の面方向に対する深さ方向の表面粗さの変化が小さく、かつ、当該剥離シートの表面近傍におけるエチレン系重合体の結晶性が適度に低いためである。
ベアリング比が15を越える場合、剥離シートを感圧性接着層から剥離しにくくなったり、剥離後の感圧性接着剤層の表面の形状がパルス状になったりするという問題を生じるので、好ましくない。これは、ベアリング比がかかる範囲内にある場合、剥離シート表面の面方向に対する深さ方向の表面粗さの変化が大きく、かつ、剥離シートの表面近傍での結晶性が高すぎるためである。
一方、ベアリング比が−30未満である場合、剥離に大きな力を要し、好ましくない。これは、剥離シートの最表面からごく内部での結晶ラメラに由来する凹凸が最表面の凹凸より大きくなるので、感圧性接着剤層から剥離シート内部にレプテーションして結晶ラメラに入り込んだ接着剤表面のポリマー鎖が引き抜かれにくくなるためであると考えられる。
ここで、本明細書中における「剥離性能に優れている」および「適度な剥離力を有する」とは、具体的には剥離シートの感圧性接着剤層からの剥離力が50mN/50mm〜3000mN/50mm、好ましくは100mN/50mm〜2000mN/50mmの範囲内にあることを意味する。剥離力が3000mN/50mmを越えると、剥離シートを感圧性接着剤層から剥離することが困難になり、作業性が著しく低下するという問題を生ずる。一方、剥離力が50mN/50mmより小さいと、剥離シートと感圧性接着剤層との十分な接着力が得られず、保存および運搬時に剥離したり、実際の貼付時に予期せずに剥離したりするという問題を生ずる。
(剥離シート)
本発明の剥離シートに使用されるエチレン系重合体は、上記で規定するような特定の物性〈1〉または〈2〉のいずれかを満足する限り、いかなる材料であってもよいが、具体的には、当該エチレン系重合体は、例えばエチレンモノマー単独からなるポリエチレン(ホモポリエチレン)、またはエチレンとエチレン以外の少なくとも1種のモノマー成分(コモノマー)とを共重合させたエチレン系共重合体である。
上記のようなエチレン系重合体を剥離シートに用いた場合、接着剤層と貼り合わせた時に接着剤層表面のポリマー鎖がレプテーションにより剥離シートの表面からその内部に入り込み易く、このため接着剤層と剥離シートとの間で適度な接着力が発揮され、一方、剥離する時には剥離シート表面から接着剤層表面のポリマー鎖が引き抜かれ易く、容易に剥離できるという特徴を有する。本発明者らは、この知見を元に、多数のエチレン系重合体を上記〈1〉、〈2〉の物性について試験したところ、これらの物性が、剥離シートの剥離性能を制御するための有力なパラメータとなり得ることを見出した。
さらに、本発明者らは、エチレン系重合体の中でも、特にエチレンとα−オレフィンとの共重合体(すなわち、エチレン系共重合体)には本発明の物性を有するものが多数存在することを見出し、剥離シートとして用いるのに好ましいエチレン系共重合体を以下のように選択した。すなわち、本発明で用いるエチレン系重合体において、エチレンと共重合させるコモノマーとしては、例えば炭素数3〜10、好ましくは炭素数4〜8、そしてより好ましくは炭素数6〜8の直鎖または分枝鎖を有するα−オレフィンが挙げられ、通常、プロピレン、ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、へキセン、へプテン、オクテンなどであり、好ましくは1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンであり、そしてより好ましくは1−へキセンおよび1−オクテンである。
本発明の物性を有するエチレン系重合体としては、具体的には、エチレン−1−へキセン共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスLL AF204A)、エチレン−1−オクテン共重合体(出光石油化学(株)製、モアテック0628D)、エチレン−1−へキセン共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、ハーモレックス LL NH−745A)などが挙げられる。
上記エチレン系重合体は、その分子鎖構造は直鎖状であっても分枝鎖状であってもよいが、本発明で規定する上記物性〈1〉または〈2〉を満足する材料の選択が容易であるという点から、分子鎖が直鎖状のエチレン系重合体が好ましい。
上記のエチレン系重合体は、本発明の剥離シートに用いる際には、本発明で規定する上記物性〈1〉または〈2〉を満たすかぎり、単独で用いても、または2種以上を混合して用いてもよく、あるいは必要に応じて当該エチレン系重合体以外の他の樹脂および/または添加物と混合して用いてもよい。
本発明の剥離シートは、単層または積層のいずれかの構造をとり得る。
本発明の剥離シートが単層構造である場合は、上記のエチレン系重合体を、押出し成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法などの公知の成形法でシート状に成形することにより作製する。この剥離シートの厚みは、その用途に応じて適宜選択することができるが、通常は15μm〜300μmであり、好ましくは30μm〜200μmであり、より好ましくは50μm〜150μmである。
本発明の積層構造を有する剥離シートは、剥離シート基材の感圧性接着剤層に接する側または両側に、上記エチレン系重合体を積層して最外層とすることによって得られる。
具体的には、上記積層構造を有する剥離シートは、エチレン系重合体を、例えば押出しラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ホットメルトラミネーションなどの公知の積層法によって剥離シート基材の少なくとも片側に積層することにより得られる。このような積層構造を有する剥離シートの厚みは、その用途に応じて適宜選択することができるが、通常30μm〜300μmであり、好ましくは50μm〜200μmであり、より好ましくは70μm〜150μmである。
上記積層構造を有する剥離シートに用いられる剥離シート基材の材料としては、プラスチック、金属、紙などが用いられる。上記剥離シート基材に用いられるプラスチックとしては、具体的には、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン)など)、ポリプロピレン(例えば、イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンなど)、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。上記剥離シート基材に用いられる金属としては、アルミニウム、ステンレス、銅、亜鉛、金、銀、ニッケル、クロムなどが挙げられ、これらは箔として使用してもよいし、あるいは他の基材上に蒸着させて使用してもよい。上記剥離シート基材に用いられる紙としては、和紙、クラフト紙、上質紙、クレープ紙、グラシン紙、クレーコート紙などが挙げられる。
(感圧性接着剤層)
本発明の感圧性接着シートは、本発明の剥離シートと、感圧性接着剤層とを含むことを特徴とする。
上記感圧性接着剤層は、上記剥離シートまたは後述する支持基材のいずれかの表面に、溶剤系、エマルジョン系またはホットメルト系のいずれかの形態で、後述する感圧性接着剤を公知の方法により塗布し、その後乾燥させることによって形成される。この感圧性接着剤層は、その乾燥後の厚みが1μm〜70μm、好ましくは20μm〜50μmとなるように形成される。
(ポリアクリル酸エステル系感圧性接着剤)
上記感圧性接着剤としては、例えばポリアクリル酸エステル系感圧性接着剤が好ましい。ポリアクリル酸エステル系感圧性接着剤は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを、当業者が通常用いる重合法(例えば、溶液重合法、エマルジョン重合法、UV重合法など)によって重合させて得られるアクリル酸エステル系重合体を主剤とする。
具体的には、上記アクリル酸エステル系重合体は、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルモノマーを重合させて得られる単独重合体である。このような単独重合体に用いられるアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルモノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートであり、より好ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレートである。
上記アクリル酸エステル系重合体の重合において、溶媒を用いる場合、好ましくはトルエン、酢酸エチルなどの溶媒が用いられる。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。
得られたアクリル酸エステル系重合体の重量平均分子量は、好ましくは15万〜120万、より好ましくは25万〜100万である。
また、上記アクリル酸エステル系重合体は、上記で説明したアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルのモノマーと、当該モノマーと共重合可能な改質用モノマー(アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、スチレンおよび酢酸ビニルからなる群から選択される少なくとも1種)との共重合体(アクリル酸エステル系共重合体)であってもよい。
上記アクリル酸エステル系共重合体は、上記アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルと、上記改質用モノマーとを、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどの重合開始剤の存在下で、必要に応じてトルエン、酢酸エチルなどの溶媒中で(溶媒を用いる場合)重合させて得られる。
上記アクリル酸エステル系共重合体において、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルと改質用モノマーとの共重合仕込み重量比は、通常100:1〜90:15であり、好ましくは100:3〜90:10である。
上記アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常30万〜180万であり、好ましくは50万〜150万であり、そしてより好ましくは70万〜130万である。
上記で得られたアクリル酸エステル系単独重合体または共重合体に、必要に応じて各種の添加剤を加えることにより、ポリアクリル酸エステル系接着剤が調製される。このような添加剤としては、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤などが挙げられる。
上記のようなアクリル酸エステル系単独重合体または共重合体を含むポリアクリル酸エステル系感圧性接着剤は、本発明の剥離シートの感圧性接着剤層からの剥離性能をさらに向上させることができるので好ましい。
(ポリエステル系感圧性接着剤)
本発明の感圧性接着シートの感圧性接着剤層に好ましい感圧性接着剤としては、上述したポリアクリル酸エステル系感圧性接着剤以外に、ポリエステル系感圧性接着剤もまた挙げられる。
上記ポリエステル系感圧性接着剤は、脂肪族系ポリオールと脂肪族系または脂環族系の多塩基酸とを重縮合させて得られるポリエステル系重合体を含む。中でも、特に、脂肪族系ポリオールとして脂肪族系ポリカーボネートジオールと、脂肪族系または脂環族系の多塩基酸とを重縮合させて得られたポリエステル系重合体が好ましい。
ここで、上記ポリエステル系重合体における「脂肪族系ポリカーボネートジオール」とは、下記式
Figure 0005048032
[上記式中、RおよびR’はそれぞれ独立して、炭素数2〜20の直鎖状または分枝鎖状の炭化水素基である]で示される、脂肪族系カーボネート残基を含むジオールである。上記式におけるnは、この脂肪族系ポリカーボネートジオールと、後述する多塩基酸との重縮合により得られるポリエステル重合体の重量平均分子量を1万〜30万、好ましくは3万〜20万の範囲内とするように適宜選択される数である。
上述の脂肪族系ポリカーボネートジオール以外の脂肪族系ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールまたはオクタデカンジオールなどの直鎖状のジオールが挙げられる。
上記脂肪族系ポリオールと反応させる脂肪族系または脂環族系の多塩基性酸は、炭素数が2〜20個の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格としたものが好ましい。この脂肪族炭化水素基は直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。
上述の脂肪族系または脂環族系の多塩基性酸としては、具体的には、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,2−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、n−ヘキシルアジピン酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、あるいはそれらの酸無水物、エステルおよび酸ハライド(例えば、酸クロリドなど)などの誘導体が挙げられる。
上記脂肪族系ポリオールと、上記脂肪族系または脂環族系の多塩基性酸との反応は、ポリエステルの合成で通常用いられる公知の方法で行うことができ、これによりポリエステル系重合体が得られる。
上記ポリエステル系重合体の重量平均分子量は、通常1万〜30万であり、好ましくは3万〜20万である。
上記ポリエステル系重合体を含むポリエステル系感圧性接着剤は、上記で得られたポリエステル系重合体に、必要に応じて各種の添加剤を加えて調製される。このような添加剤としては、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤などが挙げられる。
上述したポリアクリル酸エステル系およびポリエステル系の感圧性接着剤は、いかなる形態でも感圧性接着剤の調製過程に用いることができるが、溶剤系、エマルジョン系およびホットメルト系のうちのいずれかの形態で用いることが取り扱い上好ましい。また、上述した感圧性接着剤は、単独で用いてもよいし、あるいは本発明の感圧性接着シートにおいてその接着性を損なわない限り、2種以上を混合して用いても、さらに他の重合体とともに公知の混合または撹拌方法で混合して用いてもよい。
(支持基材)
本発明の感圧性接着剤シートは、支持基材を備える。この支持基材は、感圧性接着剤層の剥離シートに接する側とは反対の側に設けられる。この支持基材の厚みは、通常10μm〜300μmであり、好ましくは50〜200μmである。
上記支持基材の材料としては、プラスチック、金属、紙などが用いられる。上記支持基材に用いられるプラスチックとしては、具体的には、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン)など)、ポリプロピレン(例えば、イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンなど)、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。上記支持基材に用いられる金属としては、アルミニウム、ステンレス、銅、亜鉛、金、銀、ニッケル、クロムなどが挙げられ、これらは箔として使用してもよいし、あるいは他の基材上に蒸着して使用してもよい。上記支持基材に用いられる紙としては、和紙、クラフト紙、上質紙、クレープ紙、グラシン紙、クレーコート紙などが挙げられる。
本発明の感圧性接着シートは、まず、剥離シートに感圧性接着剤を直接塗布し乾燥させて感圧性接着剤層を形成した後、当該感圧性接着剤層の剥離シート材に接する側とは反対の側に支持基材を貼り合わせることにより得ることができる。
あるいは、本発明の感圧性接着シートは、まず、支持基材の片面に感圧性接着剤層を形成し、次いで感圧性接着剤層上に剥離シートを貼り合わせることによっても得ることができる。
本発明の感圧性接着シートは、支持基材の両面に感圧性接着剤層と剥離シートとをそれぞれ備える両面型の感圧性接着シートとしてもよい。
また本発明の感圧性接着シートは、例えば支持基材の一方の表面に感圧性接着剤層が接し、かつ支持基材の他方の表面(背面)に前記剥離シートの最外層が接するような構造としてもよい。このような構造を有する感圧性接着シートは、自背面との剥離性に優れている。
上述した本発明の感圧性接着シートの各形態は、本発明が感圧性接着テープである場合においてもまた好適である。すなわち本発明が感圧性接着テープである場合、片面または両面のいずれの感圧性接着テープであってもよいし、あるいは自背面との剥離性にすぐれた感圧性接着テープであってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは単なる例示であり、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
<測定方法1:エチレン系重合体のプロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)の測定方法および当該緩和時間(T2)を用いた非晶領域の割合の評価方法>
パルスNMR(JNM−MU25A型、日本電子データム株式会社製)を用いて、後述する実施例および比較例で剥離シートに用いたエチレン系重合体について、プロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)をソリッドエコー法により測定した。
(測定条件)
サンプル:実施例および比較例で用いたエチレン系重合体を、1mm×10mm、厚み100μmの短冊状に切断して、所定のサンプル管に入れた。
RFパルス幅:2.0μS
RFパルス間隔:8.0μS
パルス系列繰り返し時間:2.0S
測定温度:30℃
具体的には、上記緩和時間(T2)は、試料をソリッドエコー法にて上記条件下で測定して得られた自由誘導減衰シグナルの値を、線形最小二乗法にて統計処理して算出するが、この際の係数として、ワイブル係数1または2を当てはめて、エチレン系重合体の結晶領域、非晶領域および界面領域の緩和時間(T2)をそれぞれ算出した。さらに、得られた緩和時間(T2)より、結晶領域、非晶領域および界面領域のプロトン数をそれぞれ算出し、そしてこのプロトン数を用いて、エチレン系重合体の全領域に対する非晶領域の割合を、以下の式に基づいて算出した。
非晶領域の割合(%)=[(非晶領域のプロトン数)/[(結晶領域のプロトン数)+(非晶領域のプロトン数)+(界面領域のプロトン数)]]×100
<測定方法2:原子間力顕微鏡による、剥離シート表面のベアリング比の評価方法>
原子間力顕微鏡Dimension3000(ビーコ株式会社製)を用いて、後述する実施例および比較例で用いた剥離シート表面のベアリング比を測定した。原子間力顕微鏡のカンチレバーは、タッピングモード用の単結晶シリコン製、カンチレバー長125μm、フォースコンスタント21.78N/m、共振周波数260〜410kHzのものであった。測定は、室温23℃にて、タッピングモードで行った。カンチレバーのタッピング力が弱い場合、ターゲットアンプリチュ−ドを2Vに設定し、タッピング力が強い場合、ターゲットアンプリチュ−ドを5Vに設定した。この2つのターゲットアンプリチュ−ド設定下で、剥離シートの表面近傍にて、試料表面の面方向に対する深さ方向の表面粗さの分布をそれぞれ測定した。これら表面粗さの分布の結果から、表面粗さの統計的解析方法として一般に用いられているベアリングカーブを、2つの設定についてそれぞれ求めた。5Vに設定したターゲットアンプリチュ−ドにおけるベアリングカーブから、2Vに設定したターゲットアンプリチュ−ドにおけるベアリングカーブを差分することにより、試料表面の面方向に対する深さ方向の表面粗さの変化の程度(ベアリング比)を得た。
<測定方法3:剥離試験>
後述の実施例および比較例で作製した感圧性接着シートのそれぞれを用いて、幅50mm、長さ150mmに切断した厚さ170μmの試料を2個ずつ用意した。これらの各試料の剥離シート側を剛性の板状体に貼り付け、そして万能引張試験機(オリエンテック社製、RTM−100)を用いた公知の剥離試験法(180°角剥離試験)によって支持基材を剥離させ、各試料の剥離力を測定した。この測定は、温度23℃、60%RHの雰囲気中で、万能引張試験機のクロスヘッドのスピード300mm/分の条件で行った。
<実施例1>
(1−1:剥離シートの作製)
エチレン−1−へキセン共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスLL AF204A)を、40φ一軸混練押出し機を用いて200℃の押出し温度で押出し成形し、厚みが100μmの単層の剥離シートを作製した。
(1−2:感圧性接着剤の調製)
n−ブチルアクリレート100重量部およびアクリル酸5重量部を、トルエン(n−ブチルアクリレートおよびアクリル酸の合計1kgに対して約0.3L)中、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2重量部の存在下にて、溶液重合法によって重合させて、重量平均分子量が50万のポリアクリル酸系共重合体のトルエン溶液を得た(固形分:30重量%に調製)。次いで、このアクリル酸系共重合体100重量部あたりメラミン系架橋剤を1.5重量部、イソシアネート系架橋剤を3重量部配合して、ポリアクリル酸エステル系感圧性接着剤を調製した。
(1−3:感圧性接着シートの作製)
上記1−2で得られたポリアクリル酸エステル系感圧性接着剤を、乾燥後の厚みが30μmとなるように、厚み25μmのポリエステルからなる支持基材の片面にバーコーターにより塗布し、120℃で3分間乾燥して、感圧性接着剤層を有する支持基材を形成した。この支持基材の感圧性接着剤層側に上記(1−1)で作製した剥離シートを貼り合わせることにより、本発明の感圧性接着シートを作製した。
<実施例2>
エチレン系重合体として、エチレン−1−オクテン共重合体(出光石油化学(株)製、モアテック0628D)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧性接着シートを作製した。
<実施例3>
エチレン系重合体として、エチレン−1−へキセン共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、ハーモレックス LL NH−745A)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧性接着シートを作製した。
<比較例1>
エチレン系重合体として、エチレン−1−オクテン共重合体(ダウケミカル社製、アフィニティー PL1850)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧性接着シートを作製した。
<比較例2>
エチレン系重合体として、エチレン−1−オクテン共重合体(ダウケミカル社製、ダウレックス 2740E)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧性接着シートを作製した。
<比較例3>
エチレン系重合体として、エチレン−1−へキセン共重合体(ダウケミカル社製、ハーモレックス LL NC−499A)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧性接着シートを作製した。
実施例1〜3および比較例1〜3の剥離シートの非晶領域の緩和時間(T2)および当該緩和時間から算出される非晶領域の割合、ベアリング比、ならびに感圧性接着シートとしたときの剥離力を、以下の表1にまとめる。
Figure 0005048032
表1に示されるように、剥離シートに含まれるエチレン系重合体の非晶領域における緩和時間(T2)および当該緩和時間(T2)から算出される非晶領域の割合が本発明で規定した特定の範囲を満足する感圧性接着シート、または剥離シートの表面のベアリング比が本発明で規定した特定の範囲を満足する感圧性接着シートは、上記物性値を満足しないエチレン系重合体を使用した比較例と比べて、剥離力が大幅に低減して好適な範囲内の値となる(すなわち、優れた剥離性能を有する)ことがわかる。

Claims (4)

  1. 剥離シートを有する感圧性接着シートであって、
    前記感圧性接着シートは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルと改質用モノマーとの共重合仕込み重量比が100:1〜90:15である、UV重合法によって得られるアクリル酸エステル系重合体を主剤とする感圧性接着剤層を有し、
    前記感圧性接着剤層上に貼付される前記剥離シートは、単層構造または積層構造を有し、単層構造を有する場合には前記剥離シート自体が、また積層構造を有する場合には前記剥離シートの最外層の少なくとも片面がエチレン系重合体を含み、かつシリコーン系剥離剤を含まない層であり、前記エチレン系重合体が以下のa)およびb)の物性値を共に満足する剥離シートである:
    a)前記エチレン系重合体の非晶領域におけるプロトンのスピン−スピン緩和時間(T2)が30℃において130〜350μsである;および
    b)前記スピン−スピン緩和時間(T2)から計算される前記エチレン系重合体の非晶領域の割合が7〜17%である、ことを特徴とする感圧性接着シート。
  2. 剥離シートを有する感圧性接着シートであって、
    前記感圧性接着シートは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルと改質用モノマーとの共重合仕込み重量比が100:1〜90:15である、UV重合法によって得られるアクリル酸エステル系重合体を主剤とする感圧性接着剤層を有し、
    前記感圧性接着剤層上に貼付される前記剥離シートは、単層構造または積層構造を有し、単層構造を有する場合には前記剥離シート自体が、また積層構造を有する場合には前記剥離シートの最外層の少なくとも片面がエチレン系重合体を含み、かつシリコーン系剥離剤を含まない層であり、前記エチレン系重合体からなる表面を原子間力顕微鏡により測定して得られたベアリング比が−30〜15である、ことを特徴とする感圧性接着シート。
  3. 前記エチレン系重合体が、炭素数3〜10の直鎖または分枝鎖を有するα−オレフィンとエチレンとの共重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の感圧性接着シート。
  4. 前記剥離シートと前記感圧性接着剤との剥離力が、剥離速度300mm/分の条件で50〜3000mN/50mmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感圧性接着シート。
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