1.第1実施形態
図1に示すように、第1実施形態のパチンコ遊技機1は遊技盤2を備え、遊技盤2には、遊技者のハンドル3操作により発射された遊技球が転動しながら落下していく遊技領域4が、レール5で囲まれて形成されている。なお、本明細書において、上下とは遊技領域4に向かって上下をいい、左右とは遊技領域4に向かって左右をいい、前後とは遊技領域4に向かって手前方向を前、背面方向を後というものとする。
遊技領域4の中央部には、表示画面6aを備える画像表示装置6が配設されている。画像表示装置6は、液晶表示器などで構成され、表示画面6aに、公知のデモ表示、図柄変動表示、リーチ演出、大当たり演出などを表示する。
表示画面6aの周縁部前方には、センター役物40が配設されている。センター役物40は、遊技盤2に対して後方から取り付けるベース枠体41(図2参照)を有するとともに、全体として表示画面6aを囲う枠形状をしており、上部の前面には文字や図形等を表現した上側装飾部42が配されている。センター役物40の右側部40aには、ボクサーを模った人形部材43が設けられている。センター役物40の下部には、遊技球を後述する始動入賞口9に案内可能なステージ44が形成されている。
ステージ44の左右方向中央部の下方には、大当たり抽選の契機となる始動入賞口9(以下「始動口」ともいう)、及び、開放時に始動入賞口9に遊技球を招き入れる電動チューリップ10(以下「電チュー」という)が配設されている。始動入賞口9の下方には、大当たり時に開口する大入賞口11が配設されている。なお、実施形態のパチンコ遊技機では、始動入賞口9への遊技球の入賞を契機として、主制御基板30(図10参照)において乱数が取得され、取得された乱数が判定されることにより、大当たり抽選が行われる。
遊技領域4の下部には、アウト口12、及び、4つの普通入賞口13が配設されている。また、表示画面6aの左方には、遊技球が通過可能なゲート14が配設されている。なお、遊技領域4には、図示しない釘が多数突設されている。
その他、遊技盤2には、特別図柄保留ランプ15、普通図柄保留ランプ16、特別図柄表示器17、及び、普通図柄表示器18などが配設されている。
センター役物40の右側部40aつまり人形部材43の裏面側には、可動役物装置50が配設されている。可動役物装置50は、図2に示すように、ボクサーの右腕の肩から肘までを模った第1アーム51と、ボクサーの右腕の肘から拳までを模った第2アーム70と、第1アーム51及び第2アーム70を駆動する駆動源としての電動モータ80と、第2アーム70を駆動させる駆動機構85と、第2アーム70の先端部71の軌跡を案内するガイド機構104とを備え、各部材が、センター役物40のベース枠体41に組みつけられて構成されている。なお、各部材には、電動モータ80を除いて、合成樹脂により成形されたものが一般的に使用される。
可動役物装置50は、電動モータ80の動力により、第1アーム51及び第2アーム70を格納位置から露出位置へと回転駆動させ、あたかもボクサーがストレートパンチを繰り出したかのような演出を行なう装置である(図1二点鎖線参照)。ここで、格納位置とは、第1アーム51及び第2アーム70が人形部材43の裏面側に隠れて正面からは見えない位置をいう(図1破線,図4,5参照)。また、露出位置とは、格納位置にある第1アーム51及び第2アーム70が、それぞれ、元部51b,70bを回転中心として表示画面4a前方の仮想鉛直面上を正転し、表示画面6aの前方上部に現れた位置をいう(図1二点鎖線,図8,9参照)。なお、実施形態において、第1アーム51について正転とは、遊技盤2の前面側から見て時計方向へ回転することをいい、第2アーム70について正転とは、遊技盤2の前面側から見て反時計方向に回転することをいう。
第1アーム51は、図2,3に示すように、ボクサーの右腕の肩から肘までを模った長尺薄板状のリンク部材である。第1アーム51は、前後方向に分離可能な2つの部材から構成されており、後方側に配置される後側パネル52に対して、前方側から前側パネル60が、ねじ(タッピンねじ)58により固定されている。
後側パネル52は、長尺薄板状の本体部53と、本体部53の元部53b側から延設される突出片部54とから構成されている。突出片部54には、後述するねじりコイルばね102の一端102aを係止させる係止部55が設けられている。また、後側パネル52には、後側パネル52と前側パネル60とを連結するためのねじ58を挿通させる孔部56が、長手方向に沿って4つ、後側パネル52の先端部の周縁に1つ設けられている。後側パネル52の先端部52aには、後述する駆動機構85を構成する第4連動ギア96の後方突出部97が挿通される挿通孔57が形成されている。
前側パネル60は、長尺薄板状の本体部61と、本体部61から後方に延設される壁部62とから構成されている。前側パネル60の裏面側には、後述する駆動機構85を構成する各ギア86,93,94,95,96に対応した5つの収納領域63が形成されている。先端部60aの収納領域63を除いた各収納領域63には、中心部に、後側パネル52と前側パネル60とを連結するためのねじ58を螺着可能なボス部64が設けられている。各ボス部64は、略円筒形状に形成されており、後述する駆動機構85を構成する固定ギア86、及び、第1〜第3連動ギア93,94,95を挿通可能としている。前側パネル60の先端部60aには、後述する駆動機構85の第4連動ギア96の前方突出部98が挿通される挿通孔65が、形成されている。なお、前側パネル60の先端部60aの周縁にも、後側パネル52と前側パネル60とを連結するためのねじ58に対応した孔部67が設けられている。
また、前側パネル60の元部60b側の壁部62には、内側に、円弧状の内側ギア部66が形成されている。内側ギア部66は、後述する電動モータ80の出力軸82に取り付けられるピニオンギア83と噛み合うものである。
なお、図示しないが、前側パネル60の前面60cには、ボクサーの腕を模した模様が施され、可動役物装置50の意匠性が高められている。
後側パネル52と前側パネル60との間には、第2アーム70を回動させるための駆動機構85が配設される。駆動機構85は、図2,3に示すように、第1アーム51の元部51b側から先端部51a側にかけて、固定ギア86、第1連動ギア93、第2連動ギア94、第3連動ギア95、第4連動ギア96の順に配置される。
固定ギア86は、略1/3円弧の扇状ギア部87を備え、右縁側の取付部88を利用して、センター役物40のベース枠体41に対して、図示しないねじにより固定される。また、固定ギア86は、後面から後方へ延設される円筒部89を備え、この円筒部89に、前側パネル60の元部60bに形成されたボス部64が回動可能に挿通される。すなわち、第1アーム51は、前側パネル60の元部60bに形成されたボス部64を回動中心として、回動することとなる。
また、この円筒部89には、第1アーム51を正転方向に付勢するねじりコイルばね102(付勢手段に相当)が取り付けられる。ねじりコイルばね102の一端102aは、後側パネル52の突出片部54に設けられた係止部55に係止され、他端102bは、固定ギア86に設けられた係止部90に係止される。
さらに、固定ギア86の上部左方には、略円弧状に切り欠かれた切欠部91が形成されている。切欠部91には、後述する電動モータ80の出力軸82に取り付けられるピニオンギア83が配置される。ピニオンギア83は、前側パネル60の元部60b側に設けられた内側ギア部66と噛み合う。これにより、電動モータ80が作動されると、第1アーム51が回動することとなる。
第1連動ギア93は、固定ギア86の扇状ギア部87と噛み合う。第1連動ギア93は、軸孔93aを利用して、前側パネル60の元部60b側から2つ目のボス部64に対して回動可能に挿通される。第2連動ギア94は、第1連動ギア93と噛み合う。第2連動ギア94は、軸孔94aを利用して、前側パネル60の元部60b側から3つ目のボス部64に対して回動可能に挿通される。第3連動ギア95は、第2連動ギア94と噛み合う。第3連動ギア95は、軸孔95aを利用して、前側パネル60の元部60b側から4つ目のボス部64に対して回動可能に挿通される。
第4連動ギア96は、第3連動ギア95と噛み合う。第4連動ギア96は、後方に突出した後方突出部97と、前方に突出した前方突出部98とを備え、両突出部97,98を後側パネル52及び前側パネル60の挿通孔57,65にそれぞれ回動可能に挿通させる。後方突出部97には、ねじ(タッピンねじ)74を螺着するための孔部(図示省略)が設けられている。前方突出部98には、後述する第2アーム70の突出部73を嵌合可能な嵌合部99が設けられている。
そして、このように構成された駆動機構85(固定ギア86及び第1〜第4連動ギア93,94,95,96)と、ピニオンギア83、及び、ねじりコイルばね102を挟んで、後側パネル52と前側パネル60とは、ねじ58固定される。
第2アーム70は、図2に示すように、ボクサーの右腕の肘から拳までを模った長尺薄板状のリンク部材である。第2アーム70の元部70bには、後方へ突出する突出部73が設けられている。突出部73は、縦断面を略楕円形状とされて、中心に、第2アーム70を第4連動ギア96に固定するためのねじ74を螺着する孔部73aを有している。第2アーム70は、この突出部73を、前側パネル60の前方から第4連動ギア96の嵌合部99に嵌合させて、第4連動ギア96の後方からねじ74を締められることにより、第4連動ギア96に対してずれ不能に固定される。これにより、第2アーム70は、第4連動ギア96とともに回動することとなる。すなわち、第2アーム70は、突出部73を回動中心として、第1アーム51に対して回動可能に取り付けられることとなる。
第2アーム70の先端部71は、グローブをはめたボクサーの拳を模した略長方形状の装飾部とされており、元部70bと比べて大きくて重く形成されている。先端部71の後面には、中心Oから右下に偏心した位置(図2に示す第2アーム70が水平の状態にあるときを基準とする)に、後述するガイド機構104のスライダー120に第2アーム70の先端部71を軸支させるための支持軸部72が、設けられている。
なお、第2アーム70は、図4に示すように、長手方向の長さ寸法L2を、第1アーム51の長手方向の長さ寸法L1と略同等として形成されている。
可動役物装置50の駆動源となる電動モータ80は、図2に示すように、実施形態ではステッピングモータ80とされ、取付フランジ81を利用して、センター役物40のベース枠体41の窓部41a右方に対して後方からねじ固定される。電動モータ80の出力軸82(回動駆動軸に相当)は、ベース枠体41に設けられた孔部41bからベース枠体41の前方へ突出される。出力軸82には、ピニオンギア83が取り付けられる。なお、ステッピングモータ80は、出力軸82の回動角度をステップ数により任意に制御可能であるため、第1アーム51及び第2アーム70を格納位置から露出位置に回動させ、また、露出位置から格納位置に回動させる往復動作を容易に実現できる。
ガイド機構104は、図2に示すように、第2アーム70の先端部71の軌跡を案内するガイドレール105と、ガイドレール105に沿って始点位置Sから終点位置Eまで往復移動可能なスライダー120とを備える。ここで、スライダー120の始点位置Sとは、図4に示すように第1アーム51及び第2アーム70が格納位置にあるときのスライダー120の位置(ガイドレール105の右端側の位置)をいい、スライダー120の終点位置Eとは、図8に示すように第1アーム51及び第2アーム70が露出位置にあるときのスライダー120の位置(ガイドレール105の左端側の位置)をいう。
ガイドレール105は、センター役物40のベース枠体41の窓部41a上方に配設されるもので、ベース枠体41と一体で形成される後側レール部106と、後側レール部106に対向して前方側から図示しないねじ等により取り付けられる前側レール部112とを備えて構成されている。
後側レール部106は、左右方向に沿って水平に延びる上下2本の板壁部108,109から構成され、上側板壁部108と下側板壁部109との間には、後述するスライダー120の後面側に取り付けられるローラ124,124が配置される。なお、下側板壁部109の上面が、スライダー120を案内する案内面109aとなる。
前側レール部112は、左側から見て略コ字状とされて右方に向かって延び、上壁部113と下壁部114との間には、後述するスライダー120の前面側に取り付けられるローラ124,124が配置される。なお、下壁部114の上面が、スライダー120を案内する案内面114aとなる。前側レール部112の案内面114aは、後側レール部106の案内面109aに対して同じ高さ位置で平行に設けられる。
なお、ガイドレール105の左端部には、スライダー120を終点位置Eで規制するためのストッパ壁部116が設けられている。ストッパ壁部116には、スポンジなどの弾性部材117が取り付けられており、終点位置Eに来たスライダー120の左端部がストッパ壁部116に当接する際の衝撃力を緩和可能としている。
スライダー120は、前方から見て、略T字形状に形成されており、左右方向に沿って水平に延びるスライダー本体部121と、スライダー本体部121の左右方向の略中央部位Cから下方へ延設される連結部130とを備えている。なお、スライダー120は、後側レール部106と前側レール部112との間に挟まれて、両レール部106,112の間から連結部130を下方へ延ばして、ベース枠体41に組み付けられる。
スライダー本体部121は、ガイドレール105の案内面109a,114aに沿う方向を長手方向とする略長方形状とされ、前面と後面とにそれぞれ2つずつ軸部122,122,122,122を有している。左側の軸部122,122と右側の軸部122,122とは、スライダー本体部121に対して、左右方向の略中央部位Cを基準として対称に設けられている。各軸部122,122,122,122には、ローラ124,124,124,124が装着される。各ローラ124,124,124,124は、後側レール部106および前側レール部112の案内面109a,114a上に配置されて、可動役物装置50の作動時に案内面109a,114a上を転動する。なお、実施形態では、各ローラ124,124,124,124が、ガイドレール105に案内される被案内部に相当する。
また、スライダー本体部121は、右端部に検知板部126を有している。検知板部126は、ガイドレール105の右端部に設けられた遮光型のフォトセンサ128(位置検知手段に相当)に検知される部位である。なお、図4,5に示すように、検知板部126が、フォトセンサ128の発光素子と受光素子との間に入って、発光素子が発生させた光を遮断している状態が、ガイドレール105上のスライダー120の始点位置Sとなる。
連結部130は、上下方向に延びる薄板状とされ、下方には、第2アーム70の先端部71を軸支するための軸支孔131(連結孔に相当)が設けられている。軸支孔131は、上下方向(ガイドレール105の案内面109a,114aに直交する方向)に長い長溝とされ、軸支孔131には、第2アーム70の支持軸部72が上下動可能に挿通される。軸支孔131に挿通された支持軸部72の後方からは、抜け止め用の円形部材132がねじ133固定される。これにより、スライダー120は、第2アーム70の先端部71に連結される。
次に、図4〜9に基づいて、上記のように構成される可動役物装置50の動作を説明する。通常時、第1アーム51及び第2アーム70は、図4,5に示すように、人形部材43の裏面側(表示画面6aの右方側)の格納位置に、長手方向を鉛直方向(上下方向)に略沿わせて配置されている。このとき第1アーム51及び第2アーム70は、互いに前後方向で略重合しており、コンパクトに配置されている。
また、このとき、ねじりコイルばね102は、図5に示すように、第1アーム51により圧縮された状態にあり、第1アーム51を正転方向(時計回り方向)に付勢している。なお、電動モータ80(ステッピングモータ)を励磁しておけば、この付勢力に対抗して第1アーム51を格納位置に保持することができる。
また、このとき、スライダー120は、フォトセンサ128に検知板部126を検知された位置、すなわちガイドレール105左端の始点位置Sにあり、第2アーム70の先端部71の支持軸部72は、スライダー120の軸支孔131内において上端側に位置している。
この状態から、電動モータ80が作動されると、図6,7に示すように、第1アーム51及び第2アーム70は、交差角θ(図6参照)を広げるように伸展動作する。
具体的に説明すれば、電動モータ80が作動(所定ステップ数回転)されると、ピニオンギア83は、図4,5に矢印で示す方向に回転するため、内側ギア部66によりピニオンギア83に連結されている第1アーム51は、元部51bを回転中心として、正転(図4,5に矢印で示す方向に回転)する。
このとき、固定ギア86の扇状ギア部87に連結されている第1連動ギア93から、第2アーム70に固定されている第4連動ギア96までの各連動ギア(第1連動ギア93、第2連動ギア94、第3連動ギア95、第4連動ギア96)は、それぞれ、第1アーム51の正転に連動して図4,5に矢印で示す方向に回転する。そのため、第2アーム70も、第1アーム51との交差角θを広げるように、元部70bを回転中心として、正転(図4,5に矢印で示す方向に回転)する。このようにして、第1アーム51及び第2アーム70は、格納位置から交差角θを広げるように伸展していく。なお、第1アーム51及び第2アーム70が伸展していく際には、第1連動ギア93は、扇状ギア部87の下端側87aに噛み合っている状態(図4参照)から扇状ギア部87の左端87側bに噛み合っている状態(図8参照)まで回転することになる。
そして、このような両アーム51,70の動きに伴って、ガイドレール105の案内面109a,114a上をローラ124が転動していき、スライダー120は、始点位置Sから左方へ円滑に移動していく。ここで、第2アーム70の先端部71は、ガイドレール105から離れる方向に中心Oから偏心した位置で、スライダー120に軸支されているため、第2アーム70の先端部71とガイドレール105との間隔X(図4参照)が小さくても、第2アーム70が回動されて先端部71が向きを変える際に(換言すれば、先端部71が拳を上向きにしている状態から右向きにする際に)、先端部71の最大突出軌跡部Uがガイドレール105に衝突することはない。すなわち、ガイドレール105と先端部71との間隔Xを小さくしたままで、第2アーム70の先端部71の軌跡を、中心Oがガイドレール105の案内面109a,114aと平行に直動する軌跡とすることができ(図4,6,8参照)、これにより、あたかもボクサーが右ストレートを繰り出しているかのような動作を表現することができるとともに、遊技者に対してスライダー120を露出させることのない意匠性の良い可動役物装置50とすることができる。なお、このとき、第2アーム70の先端部71の支持軸部72は、スライダー120の軸支孔131内において下端側に摺動する(図6参照)。
また、第2アーム70が、スライダー本体部121の左右方向の略中央部位Cに連結されていることから、スライダー120の移動が安定し、かつ、ガイドレール105の案内面109a,114a上を転動するローラ124,124,124,124が、スライダー本体部121の左側の端部(前進方向の端部)と右側の端部(後退方向の端部)に設けられて、ガイドレール105の上側の壁部108,113と下側の壁部107,114との間に転動できる程度の間隙を有して挟まれて配置されていることから、スライダー120は、移動する際、スライダー本体部121の左端を中心に反時計方向に回ることも、右端を中心に時計方向に回ることも抑制される(図6に示す矢印参照)。よって、スライダー120は、ガイドレール105に対してガタつくことなくバランスよくスムーズに直動していくことができる。
なお、第1アーム51及び第2アーム70の正転開始時には、ねじりコイルばね102の付勢力が第1アーム51を正転させる方向に働くため、第1アーム51は、ねじりコイルばね102の付勢力に補助されて円滑に始動される。また、先端部をスライダー120に軸支された第2アーム70は、単に、元部70bを第1アーム51の先端部51aに回動自在に連結されているだけでなく、第1アーム51の回動に連動して動作する駆動機構85によって駆動されるため、スムーズに正転される。
最終的に、電動モータ80(ステッピングモータ)が所定ステップ数回転されると、図8,9に示すように、第1アーム51は格納位置から略90度回動し、第2アーム70は格納位置から略180度回動して、露出位置に変位する。すなわち、第1アーム51及び第2アーム70は、表示画面6aの前方上部(上側装飾部42の下方)で、長手方向を水平方向(左右方向)に略沿わせた状態となる。
このようにして、可動役物装置50では、第1アーム51及び第2アーム70が、瞬時にもしくは比較的短時間で図4に示す格納位置から、図6に示す状態を経て、図8に示す露出位置まで変位する。換言すれば、第1アーム51及び第2アーム70は、格納位置から露出位置へと瞬間的に伸展して(両アーム51,70の交差角θを広げるように伸展して)、図8に示す状態になり、あたかもボクサーがストレートパンチを繰り出したかのような斬新な演出効果を実現する。なお、この可動役物装置50では、第2アーム70の先端部71の中心Oが直線の奇跡を描いて遊技盤2前方を水平に横断するため、図4,6,8に示すように、ストレートパンチの動作をリアルに表現することが可能となっている。
また、このとき、スライダー120は、左端部をストッパ壁部116の弾性部材117に当接させることにより、移動による衝撃を緩和されて、終点位置Eで停止される。このように、移動したスライダー120を弾性部材117に当接させることで、可動役物装置50にかかる機械的な負担を軽減させ、可動役物装置50の破壊の虞れを低下させている。
また、この露出位置においては、第1アーム51及び第2アーム70が長手方向を水平方向に略沿わせた状態となるため、第2アーム70の先端部71に働く重力による第1アーム51の元部51bを中心とした回転モーメントM(図8参照)が、最も大きく両アーム51,70に作用することになるが、第2アーム70の先端部71がガイド機構104により支持されているため、第1アーム51及び第2アーム70は安定して略水平の状態に保持される。なお、この回転モーメントMは、実施形態のように、第2アーム70の先端部71が大きく重い場合や、第2アーム70の長手方向の長さ寸法L2(図4参照)が第1アーム51の長手方向の長さ寸法L1(図4参照)と比べて同等以上と長い場合には、特に大きく作用するため、第1アーム51及び第2アーム70は回動する際に前後方向に大きくぶれ易くなるところ、実施形態では、第2アーム70の先端部71をガイド機構104に支持させているため、第1アーム51及び第2アーム70の挙動をぶれのない安定した挙動とすることができ、何度動作させても同じ挙動を繰り返す可動役物装置50とすることができる。
ストレートパンチを繰り出す動作を終了した後は、電動モータ80が逆回転されて、第1アーム51及び第2アーム70は、交差角θ(図6参照)を狭めるように屈曲動作して、露出位置から格納位置に復帰される。
具体的に説明すれば、電動モータ80が逆回転されると、ピニオンギア83は、図8,9に矢印で示す方向に回転するため、内側ギア部66によりピニオンギア83に連結されている第1アーム51は、元部51bを回転中心として、逆転(図8,9に矢印で示す方向に回転)する。
このとき、固定ギア86の扇状ギア部87に連結されている第1連動ギア93から、第2アーム70に固定されている第4連動ギア96までの各連動ギア(第1連動ギア93、第2連動ギア94、第3連動ギア95、第4連動ギア96)は、それぞれ、第1アーム51の逆転に連動して図8,9に矢印で示す方向に回転する。そのため、第2アーム70も、第1アーム51との交差角θを狭めるように、元部70bを回転中心として、逆転(図8,9に矢印で示す方向に回転)する。
このようにして、第1アーム51及び第2アーム70は、露出位置から交差角θを狭めるように屈曲していく。すなわち、第1アーム51及び第2アーム70は、図8,9に示す状態から、図6,7に示す状態を経て、図4,5に示す状態へと、上述した伸展動作とは反対の挙動により屈曲していく。なお、第1アーム51及び第2アーム70が屈曲していく際には、第1連動ギア93は、扇状ギア部87の左端側87bに噛み合っている状態(図8参照)から扇状ギア部87の下端側87aに噛み合っている状態(図4参照)まで回転することになる。
そして、このような両アーム51,70の動きに伴って、スライダー120は、終点位置Eから始点位置Sへと移動する。なお、このときも始点位置Sから終点位置Eへ移動した際と同様、第2アーム70がスライダー本体部121の左右方向の略中央部位Cに連結され、スライダー本体部121に取り付けられたローラ124,124,124,124がガイドレール105の上側の壁部108,113と下側の壁部107,114との間に挟まれて配置されていることから、スライダー120の移動が安定し、スライダー120は、ガタつくことなく円滑に始点位置Sへと戻っていく。
そして、フォトセンサ128によりスライダー本体部121の検知板部126が検知されると(すなわち、スライダー120が始点位置Sに到達したことを検知されると)、電動モータ80は停止され、電動モータ80(ステッピングモータ)を制御するためのステップ数がリセットされる。
なお、このとき、ねじりコイルばね102は、逆転して格納位置に戻ってきた第1アーム51に圧縮されるため、再び第1アーム51を正転方向に付勢した状態となる。
このようにして、可動役物装置50では、第1アーム51及び第2アーム70が、瞬時にもしくは比較的短時間で図8に示す露出位置から、図6に示す状態を経て、図4に示す格納位置まで変位する。換言すると、第1アーム51及び第2アーム70は、露出位置から格納位置へと瞬間的に屈曲して(両アーム51,70の交差角θを狭めるように屈曲して)、図4に示す状態になり、あたかもストレートパンチを繰り出したボクサーが素早く腕を元に戻したかのような動作を実行する。
次に、図10に基づいて、第1実施形態のパチンコ遊技機1の電気系統を説明する。図10において、パチンコ遊技機1の電気系統は、主制御基板(遊技制御基板)30、払出制御基板31、演出制御基板32、画像制御基板33、及び、ランプ制御基板34を備え、払出制御基板31及び演出制御基板32は主制御基板30に接続され、画像制御基板33及びランプ制御基板34は演出制御基板32に接続されている。なお、本明細書では、演出制御基板32、画像制御基板33、及び、ランプ制御基板34を、まとめて副制御基板35というものとする。各基板は、図10図示のように、CPU、ROM、RAM等を備え、さらに、演出制御基板32は継続して日時を計測するRTC(リアルタイムクロック)を備えている。
主制御基板(遊技制御基板)30は、大当たり判定を行う判定手段を有して、利益に関わる制御を行うものである。主制御基板30には、始動入賞口9内に設けられて始動入賞口9に入賞した遊技球を検出する始動口SW(スイッチ)19、電チュー10を開放する電チューソレノイド20、ゲート14に設けられてゲート14を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、大入賞口11内に設けられて大入賞口11に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW22、大入賞口11を開口させる大入賞口ソレノイド23、各普通入賞口13内にそれぞれ設けられて各普通入賞口13に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW24、特別図柄保留ランプ15、普通図柄保留ランプ16、特別図柄表示器17、及び、普通図柄表示器18がそれぞれ接続され、図10の矢印で示すように、各スイッチからは主制御基板30に信号が入力され、各ソレノイド及びランプには主制御基板30から信号が出力される。
また、主制御基板30は、図10に示すように、払出制御基板31に各種コマンドを送信するとともに、払出の監視のために払出制御基板31から信号を受信する。払出制御基板31には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ25が接続され、払出制御基板31は、主制御基板30から受信したコマンドに従って払出駆動モータ25を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、主制御基板30は、図10に示すように、演出制御基板32に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板32は、画像制御基板33との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板33には画像表示装置6及びスピーカ26が接続され、画像制御基板33は演出制御基板32から受信したコマンドに従って、画像表示装置6の表示画面6aに画像を表示し、スピーカ26から音声を出力する。
また、演出制御基板32は、ランプ制御基板34との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板34には枠ランプ27、盤ランプ28、電動モータ80が接続されている。ランプ制御基板34は、演出制御基板32から受信したコマンドに従って、枠ランプ27、盤ランプ28を点灯・消灯する。また、ランプ制御基板34は、演出制御基板32から受信したコマンドに従って、電動モータ80を作動させる。電動モータ80が正転されると、上述したように、第1アーム51及び第2アーム70が正転し、あたかもボクサーがストレートパンチを繰り出したかのような動作が実行され、電動モータ80が逆転されると、上述したように、第1アーム51及び第2アーム70が逆転し、あたかもボクサーが繰り出したストレートパンチを素早く元に戻したかのような動作が実行される。
以上説明したように、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、第2アーム70の先端部71にスライダー120が連結されているため、電動モータ80が作動されると、第2アーム70の先端部71がガイドレール105に沿った水平の軌跡を描いて円滑に移動できる。また、第2アーム70の先端部71がガイド機構104に支持されているため、第1アーム51及び第2アーム70がぶれることなく安定した挙動で円滑に正転することができる。特に、実施形態のように、第2アーム70の長手方向の長さ寸法L2が第1アーム51の長手方向の長さ寸法L1と同等以上の長さを有している場合や、第2アーム70の先端部71が大きくて重い場合であっても、第1アーム51及び第2アーム70を安定して動作させることが可能となる。また、第2アーム70の先端部71がガイド機構104に支持されているため、第1アーム51及び第2アーム70の動作に伴ってパチンコ遊技機1が受ける負荷が軽減され、繰り返しの動作に対して耐久性を向上させることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、スライダー120が始点位置Sにあるとき、第1アーム51が、ねじりコイルばね102により正転方向に付勢されているため、第1アーム51を正転させる力として、電動モータ80による動力に加えて、ねじりコイルばね102による付勢力が補助的に働き、第1アーム51を素早く円滑に始動させることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、被案内部となるローラ124,124,124,124がガイドレール105の案内面109a,114aに沿って左右に所定の離隔距離W(図6等参照)で配置されており、スライダー120は、ガイドレール105の案内面109a,114aに対する被案内部の接触距離(実施形態では、左右のローラ124の離隔距離Wをいう)を維持しながら、略水平に移動していく(図4,6,8参照)。よって、スライダー120は、ガタつきを少なくして、安定して直動することができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、第2アーム70が、連結部130を介して、スライダー本体部121における左右に配置されたローラ124,124,124,124の略中央部位Cに支持されているため、スライダー本体部121のガイドレール105に対する配置が安定する。さらに、ローラ124,124,124,124が、ガイドレール105の上側の壁部108,113と下側の壁部107,114との間に挟まれて配置されているため、スライダー120が、移動する際に、左右に配置されたローラ124,124,124,124の略中央部位Cを中心として時計回りに回転することも、反時計回りに回転することも規制される(図6に示す矢印参照)。よって、スライダー120が、ガイドレール105上をガタつかずに安定して移動することができ、第1アーム51及び第2アーム70の動作を円滑にすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、スライダー120が、ガイドレール105の案内面109a,114a上を転動するローラ124を有しているため、ガイドレール105に沿って移動する際、摩擦抵抗を少なくして円滑に移動することができる。そのため、第1アーム51及び第2アーム70の動作を円滑にすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、第2アーム70が、先端部71の中心Oからガイドレール105に対して離れる側に偏心した位置に設けられた支持軸部72を、ガイドレール105の案内面109a,114aと略直交する方向に延びる軸支孔131に挿入させて、スライダー120に軸支されているため、第2アーム70の先端部71の形状が、略長方形状のように中心Oから周縁までの距離が一定の長さでない形状とされていても、第2アーム70の先端部71とガイドレール105との間隔X(図4参照)を大きくあけずに、第2アーム70の先端部71の最大突出軌跡部Uをガイドレール105にぶつけることなく第1アーム51及び第2アーム70を回動させることができる。これにより、第1アーム51及び第2アーム70が回動する際に、スライダー120の連結部130を遊技者に対して露出させることがなく、意匠性のよい可動役物装置50とすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、スライダー120が終点位置Eにあるとき、第1アーム51及び第2アーム70が、長手方向を水平方向に略沿わせて配置されるが、第2アーム70の先端部71がガイド機構104により支持されているため、スライダー120の終点位置Eで両アーム51,70が略水平となって、第2アーム70の先端部71に働く重力による第1アーム51の元部51bを中心とした回転モーメントM(図8参照)が、最も大きく両アーム51,70に作用しても、第1アーム51及び第2アーム70は安定して略水平の状態に保持される。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、スライダー120が始点位置Sにあるとき、第2アーム70が、第1アーム51に対して前後方向で略重合して配置されるため、始動前の両アーム51,70の配置スペースに関して左右方向の幅寸法を最も小さくすることができ、両アーム51,70をコンパクトに配置することができる。そして、第1アーム51及び第2アーム70は、このようなコンパクトな配置から、回動されて表示画面6aの前方へ大きく露出していくため、遊技者に対してインパクトを与えるダイナミックな演出をすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、スライダー120の始点位置Sに、スライダー120の位置を検知するフォトセンサ128が設けられ、このフォトセンサ128による検知に基づいて、電動モータ80を停止させるため、スライダー120の始点位置Sを毎回同位置に設定することができ、第1アーム51及び第2アーム70の毎回の動作を一定にすることができる。
2.第2実施形態
次に、図11,12に基づいて、第2実施形態のパチンコ遊技機1Aについて説明する。なお、第2実施形態における可動役物装置140において、第1実施形態における可動役物装置50と同様の構成については、第1実施形態における可動役物装置50と同様の符号を付して説明を省略する。
上述した第1実施形態のパチンコ遊技機1における可動役物装置50では、スライダー本体部121の右端部に、検知板部126を設けて、スライダー120が始点位置Sにあるとき、検知板部126がフォトセンサ128の受光素子と発光素子との間に入り込んで始点位置Sが検知されるように構成したが、図11,12に示す第2実施形態のパチンコ遊技機1Aにおける可動役物装置140では、第1アーム51の元部51b側の端部に、切欠部141が形成され、スライダー148が始点位置Sに到達したときに、係止手段142のストッパ片部143が切欠部141に係合するとともに、係止手段142に設けられた検知板部144が、フォトセンサ146の受光素子と発光素子との間に入り込んで始点位置Sが検知されるように構成されている(図12参照)。
この場合、図11に示すように、係止手段142は、ベース枠体41に対して回動自在に軸支され、圧縮コイルばね145を用いた付勢機構により、常時、ストッパ片部143を切欠部141と係合させる方向(図11図示矢印の方向)に付勢されている。そして、ストッパ片部143は、第1アーム51が逆転されるのに伴って第1アーム51の元部51b側の壁部62上を切欠部141へと向かって移動し、第1アーム51が格納位置に至ったとき、図12に示すように、圧縮コイルばね145の付勢力により係止手段142が時計方向に回動されて、ストッパ片部143が切欠部141に係合される。これにより、第1アーム51は、第1アーム51を正転方向に付勢するねじりコイルばね102の付勢力に対抗して、格納位置に保持されることになる。なお、この係止手段142による第1アーム51に対する格納位置での保持力は、電動モータ80が作動されれば、簡単に係合が解除される程度の保持力とされている。
また、ストッパ片部143が切欠部141に係合されると、図12に示すように、係止手段142に設けられた検知板部144が、ベース枠体41における固定ギア86の上方に配置されたフォトセンサ146に検知される。これにより、スライダー148の始点位置Sが検知され、電動モータ80が停止される。
なお、ガイド機構104のスライダー148は、ガイドレール105に対するスライダーの配置の安定性を最良とすることを考慮しなければ、第1実施形態のスライダー120のように前面から見て略T字形状としなくても、図11に示す第2実施形態のスライダー148のように前面から見て略L字形状(すなわち、水平に延びえるスライダー本体部149と、スライダー本体部149の右端部から下方へ延びる連結部150とを備えるスライダー148)としてもよい。
3.変更例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない限りにおいて種々の構成を採り得る。
例えば、第1実施形態の可動役物装置50では、第2アーム70を駆動する駆動機構85は、固定ギア86および第1〜第4連動ギア93,94,95,96のギア列により構成したが、プーリとベルトなどの巻き掛け伝動機構を用いて構成してもよい。この場合、第1アーム51の元部51bと第2アーム70の元部70bとにそれぞれプーリを配置し、これらのプーリに対してベルトを巻き掛けて、第1アーム51の回動に伴って、第2アーム70が回動するように構成する。
また、第1実施形態では、ガイドレール105の案内面109a,114aは略水平に延びる形状とされて、先端部71の中心Oが略水平の軌跡を描くように、第2アーム70の先端部71を案内する構成としたが、ガイドレールにより案内される軌跡は水平に限られるものではなく、例えば、第2アーム70の先端部71の中心Oが波打つような軌跡となるように構成するなど自由に変更可能である。
また、第1実施形態では、スライダー120は、ガイドレール105に沿う方向を長軸とする略長方形状のスライダー本体部121を有する構成としたが、ガイドレール105に案内されるスライダー本体部を、軸形状などガイドレール105に沿う方向に延びのない形状として構成してもよい。
また、第1実施形態では、スライダー120が被案内部としてガイドレール105の案内面109a,114a上を転動するローラ124,124,124,124を有する構成としたが、ローラ124を有さずとも、スライダー本体部の下面を、ガイドレール105に沿う方向に延びる被案内面(被案内部に相当)として、ガイドレール105の案内面109a,114aに対して面接触させ、スライダーが案内面109a,114a上を摺動するように構成してもよい。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機では、第1アーム51及び第2アーム70は、格納位置では、鉛直方向に長手方向を沿わせた屈曲状態とされ、露出位置では、水平方向に長手方向を沿わせた伸展状態とされて、遊技盤2の前方で右から左へ第2アーム70の先端部71を移動させる構成としたが、両アーム51,70の配置の向きはこれに限られるものではなく、例えば、格納されているときは、水平方向に長手方向を沿わせた屈曲状態、露出するときは、鉛直方向に長手方向を沿わせた伸展状態として、遊技盤2の前方で下から上へ第2アーム70の先端部71が移動するよう構成してもよい。
また、第1実施形態では、スライダー120の始点位置Sにのみ検知板部126を検知するフォトセンサ128を設けたが、スライダー120の始点位置Sのみならず、スライダー120の終点位置Eにもフォトセンサを設けるとともに、スライダー120の左端部にも検知板部を設けて、スライダー120が終点位置Eに到達した際にも、フォトセンサによる検知に基づいて、電動モータ80を停止させるように構成してもよい。このように構成すれば、脱調などが生じて電動モータ80が入力したステップ数と異なる回転をした場合であっても、所定の終点位置Eでスライダー120を停止させることができるため、可動役物装置50の毎回の挙動を一層安定させることができる。