JP5047722B2 - ボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機 - Google Patents

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Description

この発明は、ボールねじ軸と、このボールねじ軸と螺合するナット体と、ボールねじを回転させる駆動手段によって例えば射出ノズルの移動を制御するボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機に関する。
従来、電動式射出成形機は、射出装置と、固定金型及び可動金型から成る金型装置を備え、前記射出装置の加熱シリンダ内において加熱されて溶融させられた樹脂を射出ノズルから射出し、型閉めした金型装置のキャビティに充填するように構成している。
この種の電動式射出成形機の成形サイクルは、まず、計量工程が行われ、前記加熱シリンダ内において樹脂が蓄えら、金型装置の型閉めが行われた状態で射出工程が行われる。射出ノズルから射出された樹脂は、金型装置内のキャビティ空間に充填され、次に、キャビティ空間内の樹脂の圧力を保持する保圧工程を経て金型装置を冷却させてキャビティ空間内の樹脂を冷却する冷却工程を行う。そして、キャビティ内の樹脂を固化させられることによって成形品になり、型開工程後、金型装置から成形品が取り出される。
ところで、前記射出工程においては、射出ノズルを金型装置に押圧するノズルタッチを行い、成形品の取り出し後は、金型装置から射出ノズルを離すノズルバックが行われているが、前記射出ノズルの移動機構として、ボールねじ軸と、このボールねじ軸と螺合するナット体と、ボールねじを回転させる駆動モータを用いる場合、制御手段によって駆動モータを正方向及び逆方向に駆動するように制御して固定金型に対して射出ノズルを進退させている。
図6は従来の射出成形機の動作を示すタイムチャートであり、タイミングt1で型閉が開始される。このとき、駆動モータは停止させられ、射出ノズルは後退位置で待機している。次に、タイミングt2で型閉が終了すると前記駆動モータが正方向に駆動され、射出ノズルは前進を開始して固定金型に押圧するノズルタッチが行われ、タイミングt3でノズルタッチの終了により、ノズルタッチ位置に到達すると、射出工程が開始され、射出ノズルから射出された樹脂が前記キャビティ空間に充填される。次に、冷却工程が行われ、キャビティ空間内の樹脂が冷却されるとともに、冷却工程が行われる間に次の計量工程が開始される。
次に、冷却後、タイミングt4からノズルバッグが行われ、射出ノズルが金型装置から離されてタイミングt5で設定後退位置に到達した時、前記駆動モータが停止し、冷却工程が完了するとともに型開きが開始され、タイミングt6で金型装置から成形品が取り出される。
ところで、射出ノズルの移動機構として用いられるボールねじの定格寿命(L)は下記の式で求めることができる。
Figure 0005047722
また、定格寿命(L)が求められると寿命時間は、下記の式で求めることができる。
Figure 0005047722
すなわち、ボールねじの寿命時間は、ストローク長さが短い程、寿命時間は長く、また、成形サイクルの効率化を図るために、ノズルタッチとノズルタッチを行う際の射出ノズルの移動量を極力、少なく抑え、射出ノズルの移動に伴うロスタイムを抑えようにしている。このため、従来の射出成形機は、ノズルタッチとノズルタッチを行う際の射出ノズルの移動は、1mm程度に設定されていた。このため、射出ノズルは極めて微小なストロークで駆動される。このように、ボールねじのストロークが極端に少ない状態で射出ノズルを駆動する場合、逆にボールねじのストロークの寿命を極端に低下させてしまう。すなわち、ボールねじ軸はナット体と螺合し、その内部にグリース潤滑材を充填することにより潤滑しているが、前述したように、射出ノズルの移動ストロークが極めて微小なことから、ナット体内に充填したグリース潤滑材がナット体の中で十分、攪拌され難く、ナット体に収容される各ボールの同じ箇所に常に大きな負荷が加わることになる為、ボールねじの早期磨耗を引き起こす。このような、潤滑性を考慮すると、ボールねじの回転数Sとした場合、S≧4、すなわち、最低、ボールねじが4回転して進む距離が最小移動ストロークであり、一般に射出成形機に用いられるボールねじが4回転して進む距離(最小移動ストローク)は40mm程度である。したがって、本願発明における「ボールねじに設定された最小移動ストローク」とは、ボールねじの潤滑性を考慮したボールねじのストロークであり、具体的には少なくとも、ボールねじが4回転して進む距離と定義する。しかし、実際には前述したように射出成形機に用いられるボールねじの移動ストロークは、1mm程度であるから、定期的に潤滑剤を給脂してもボールねじが短時間で寿命になってしまい、結果として射出成形機においては、ボールねじを早期に交換するなど成形サイクルの効率化を阻害する要因となっていた。
そこで、この種の射出成形機において、ボールねじの損傷を防止するための技術として、特許文献1には、通常の成形サイクルの動作時と異なる駆動条件でボールねじ軸を回転させてナット体内の潤滑性を高めるための循環調整工程を定期的に行うようにした電動式射出成形機のボールねじ循環装置が提案されている。
特開平11−198206号公報
しかしながら、特許文献1で示す電動式射出成形機のボールねじ循環装置は、ナット体内のボールを循環させる時期として、電動式射出成形機の運転時間又は運転ショット数に基づいて成形サイクルとは全く異なるタイミングで行われる。このボールねじ循環調整工程は、通常の成形サイクに比べ、ボールねじを低速、低トルク、かつ、長いストロークで駆動するものであるから、ナット体内のボールを循環させる循環調整工程中においては、全く、成形サイクルを全く行わない。換言すれば、運転時間又は運転ショット数に応じて、射出成形機の成形サイクルを停止し、ナット体内のボールを循環させるための循環調整工程を射出成形機の成形サイクルとは別工程(通常の成形サイクルの動作時と異なる駆動条件)で行うことから、射出成形機の成形サイクルの効率が低下する、といった課題を有していた。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ロスタイムが発生することなく、ナット体の耐久性を高め、ナット体の早期の損傷を防止することができるボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載のボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機は、型閉工程、ノズルタッチ工程、成形材料の計量・射出・冷却工程、ノズルバック工程、型開工程、製品取出工程を順次繰り返す成形サイクルを行う電動式射出成形機の射出ノズルの移動機構として、ボールねじ軸と、ナット体と、ボールねじを回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とで構成するとともに、前記射出ノズルは、前記制御手段により、電動式射出成形機の金型装置に押圧させるノズルタッチと金型装置から離すノズルバックとを繰り返すように制御されており、前記ノズルバック工程時に前記ノズルバックの移動ストロークが前記ボールねじの最小移動ストロークより短い条件下において、成形に必要な最小移動ストロークまで射出ノズルを後退させ、さらに前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退動作を続行させる循環調整工程を前記成形サイクルの型開工程、製品取出工程、型閉工程の何れかの工程時に並行して行うことを特徴とする。
請求項1の構成により、駆動手段によりボールねじを回転駆動すると、ボールねじ軸とナット体との螺合により、被移動体が往復動させる移動工程を繰り返す。この被移動体の移動ストロークは、少なくともボールねじに設定された最小移動ストロークとなるので、被移動体の移動工程において、ナット体内に充填したグリース潤滑材がナット体の中で攪拌され、十分な潤滑性が確保される。また、ボールねじの寿命を保つための循環調整工程を型開、製品取り出し、型開といった他の工程と平行させて行えば、射出ノズルの後退位置を、前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退動作を続行させる循環調整工程においてロスタイムが発生しないため、成形サイクルの短縮化が可能となる。
本発明の請求項1記載のボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機によれば、型閉工程、ノズルタッチ工程、成形材料の計量・射出・冷却工程、ノズルバック工程、型開工程、製品取出工程を順次繰り返す成形サイクルを行う電動式射出成形機の射出ノズルの移動機構として、ボールねじ軸と、ナット体と、ボールねじを回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とで構成するとともに、前記射出ノズルは、前記制御手段により、電動式射出成形機の金型装置に押圧させるノズルタッチと金型装置から離すノズルバックとを繰り返すように制御されており、前記ノズルバック工程時に前記ノズルバックの移動ストロークが前記ボールねじの最小移動ストロークより短い条件下において、成形に必要な最小移動ストロークまで射出ノズルを後退させ、さらに前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退動作を続行させる循環調整工程を前記成形サイクルの型開工程、製品取出工程、型閉工程の何れかの工程時に並行して行うことで、電動式射出成形機の成形サイクルの効率を落とすことなく、ボールネジの早期の損傷を防止することができる。
本発明は、ボールねじ軸と、このボールねじ軸と螺合するナット体と、ボールねじを回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段によって被移動体を微小な移動ストロークで往復動させるように制御するボールねじの駆動制御装置において、前記被移動体の移動ストロークが、前記ボールねじに設定された最小移動ストロークより短い条件下では、少なくとも前記被移動体の後退位置を前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退させるボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機である。
これにより、駆動手段によりボールねじを回転駆動すると、ボールねじ軸とナット体との螺合により、被移動体が往復動させる移動工程を繰り返す。この被移動体の移動ストロークは、少なくともボールねじに設定された最小移動ストロークとなるので、被移動体の移動工程において、ナット体内に充填したグリース潤滑材がナット体の中で攪拌され、十分な潤滑性が確保される。
また、本発明は、ボールねじの駆動制御装置が電動式射出成形機に組み込まれてボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機である。
これにより、電動式射出成形機の成形サイクル中にナット体内に充填したグリース潤滑材がナット体の中で攪拌され、十分な潤滑性が確保される。
また、本発明は、型閉工程、ノズルタッチ工程、成形材料の計量・射出・冷却工程、ノズルバック工程、型開工程、製品取出工程を順次繰り返す成形サイクルを行う電動式射出成形機の射出ノズルの移動機構として、ボールねじ軸と、ナット体と、ボールねじを回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とで構成するとともに、前記射出ノズルは、前記制御手段により、電動式射出成形機の金型装置に押圧させるノズルタッチと金型装置から離すノズルバックとを繰り返すように制御されており、前記ノズルバック工程時に前記ノズルバックの移動ストロークが前記ボールねじの最小移動ストロークより短い条件下において、成形に必要な最小移動ストロークまで射出ノズルを後退させ、さらに前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退動作を続行させる循環調整工程を前記成形サイクルの型開工程、製品取出工程、型閉工程の何れかの工程時に並行して行うボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機である。
これにより、電動射出成形機の成形サイクルにおいて射出ノズルは、ボールねじ軸と、ナット体及びボールねじを回転させる駆動手段によって駆動され、金型装置に射出ノズルを押し付けるノズルタッチと、金型装置から射出ノズルを引き離すノズルバックを繰り返し行うように制御されるが、射出ノズルのノズルタッチとノズルバックの移動ストロークを、ボールねじの最小移動ストロークとすることにより、ノズルタッチとノズルバックを行う際、ナット体内に充填したグリース潤滑材がナット体の中で攪拌され、十分な潤滑性が確保される。
さらに、ボールねじの寿命を保つための循環調整工程を型開、製品取り出し、型開といった他の工程と並行させて行えば、射出ノズルの後退位置を、前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退動作を続行させる循環調整工程においてロスタイムが発生しないため、成形サイクルの短縮化が可能となる。
このように、本発明のボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機は、型閉工程、ノズルタッチ工程、成形材料の計量・射出・冷却工程、ノズルバック工程、型開工程、製品取出工程を順次繰り返す成形サイクルを行う電動式射出成形機の射出ノズルの移動機構として、ボールねじ軸と、ナット体と、ボールねじを回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とで構成するとともに、前記射出ノズルは、前記制御手段により、電動式射出成形機の金型装置に押圧させるノズルタッチと金型装置から離すノズルバックとを繰り返すように制御されており、前記ノズルバック工程時に前記ノズルバックの移動ストロークが前記ボールねじの最小移動ストロークより短い条件下において、成形に必要な最小移動ストロークまで射出ノズルを後退させ、さらに前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退動作を続行させる循環調整工程を前記成形サイクルの型開工程、製品取出工程、型閉工程の何れかの工程時に並行して行うものであるから、射出ノズルをボールねじで駆動する場合、成形サイクルの高速化に伴って、ボールねじによる射出ノズルの移動ストロークは極めて微小に設定されているが、ボールねじによって往復動する射出ノズルの移動ストロークを、少なくともボールネジに設定された最小移動ストロークとすることによって、ボールネジの早期の損傷を防止することができる。
さらに、型開工程、製品取出工程、型閉工程の何れかの工程時にナット体の循環調整ストロークを組み込むことで、電動式射出成形機の成形サイクルの効率を落とすことなく、ボールネジの早期の損傷を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を電動竪型射出成形機に適用した場合を例にして添付図面を参照して説明する。
図1及図2で示すように、本実施例の電動竪型射出成形機10は、基台11上に、型締装置12と、射出ノズル13を備えたバレル13aおよびホッパ14等を備えた射出装置15などが設けられている。射出装置15は、移動機構として図3に示すように、ボールねじ16と、このボールねじ16のボールねじ軸16aと、このボールねじ軸16aと螺合するナット体17と、このナット体17内において前記ボールねじ軸16aの案内溝16bに沿って転動する硬球からなるボール18と、前記ナット体17を回転させることによってボールねじ軸16aに沿って前後進させる駆動手段として正逆回転可能な電動モータ19と、この電動モータ19を制御する制御手段20とを備え、該制御手段20によって被移動体としての前記射出ノズル13を基台11に設けたガイド部材(図示しない)に沿って往復動(図1において矢印A方向)するように制御している。
前記型締装置12は、基台11に対して昇降可能な上金型25を有している。上金型25は、サーボモータ等の図示しない駆動源によって昇降駆動され、降下したときにターンテーブル27に設けた下金型26に対して型締めし、これら金型25,26の間に形成されるキャビティ(図示しない)に射出装置15に設けた射出ノズル13から溶融樹脂を射出する。また、前記下金型26を固定するターンテーブル27は前記基台11に設けた回転軸28を中心に水平に回動し、上金型25の真下に位置した状態で図示しない位置決め装置によって位置決めされる。そして、成形後、ターンテーブル27を回動させ、下金型26を開放した位置に下金型26を回転移送して下金型26内の成形品をエジェクタ装置(図示せず)によって取り出すように構成している。
次に上記構成により本発明に係る電動竪型射出成形機10の動作について説明する。まず、計量工程においては、射出装置15のスクリュー(図示しない)を回転させて後退させ、ホッパ14から供給された樹脂は、加熱シリンダ内において加熱されて溶融させられ、その溶融樹脂の溜まるのに伴ってスクリューが後退する。
次に、射出工程においては、上金型25と下金型26を型閉した後、上金型25と下金型26に射出ノズル13を押し付けるノズルタッチを行う。すなわち、電動モータ19によりナット体17を回転させることによって射出装置15の支持部材15aを前記ボールねじナット体17の回転に伴って移動し、上金型25と下金型26との間に射出ノズル13を押し付ける。この後、射出装置15のスクリューを前進させ、該スクリューの前方に溜められた樹脂が射出ノズル13から射出され、上金型25と下金型26との間に形成されたキャビティに充填される。
次に、冷却工程が行われ、キャビティ空間内の樹脂が冷却されるとともに、冷却工程が行われる間に次の計量工程が開始される。また、計量工程が完了後、ノズルバッグが行われる。すなわち、電動モータ19を駆動し、ナット体17を逆回転させ、上金型25と下金型26から射出ノズル13を離し、射出ノズル13が後退位置に到達した時、駆動モータ19の回転を停止する。そして、冷却工程完了後に、上金型25を上昇させて型開きが開始される。この上金型25の型開き後、ターンテーブル27を回動させ、下金型26を開放位置まで回転移送させた後、下金型26内の成形品を図示しないエジェクタ装置によって取り出すように構成している。
このような電動竪型射出成形機10においては、成形サイクルを効率的に行うためには、ノズルタッチを行う際の射出ノズル13の移動ストロークを極力、少なく抑え、射出ノズル13の移動に伴うロスタイムを抑えようにしている。このため、射出ノズル13を駆動するボールねじ16は極めて短いストロークで駆動されるだけでなく、同じ位置で使用されることが多いため、同じ箇所のボールねじ16には常に局部的に大きな負荷が加わり、これがボールねじ16の寿命を短縮化する要因となっている。そこで、電動竪型射出成形機10の成形サイクル中、少なくとも予めボールねじ16に設定される最小移動ストローク分、射出ノズル13を移動させて、ボールねじ16の同じ箇所に常に大きな負荷が加わらないための循環調整工程を組み込む。なお、本実施例におけるボールねじ16の最小移動ストロークは、ボールねじナット体17が概ね4回転して進む40mmとする。
前記循環調整工程について図4のタイムチャートを参照して説明する。図4に示すように、射出ノズル13は、成形に必要なノズル後退位置aまで下げ、冷却工程完了後に型開工程を開始、その冷却工程中、型開工程から製品取出工程の間まで射出ノズル13をボールねじ16の最小移動ストロークまで後退させる動作を続行させ、他方、製品取出工程から型閉工程が開始されるまでの間に射出ノズル13を成形に必要なノズル後退位置aまで近付け、型閉工程の終了後、射出ノズル13を上金型25と下金型26に押圧するノズルタッチを行う。すなわち、タイミングt1で型閉が開始されるが、このとき、射出ノズル13は後退位置cから上金型25と下金型26に向かって移動しながら上金型25と下金型26の型閉動作が行して行われる。この射出ノズル13の後退位置cは、少なくとも予めボールねじ16に設定される最小移動ストローク分を確保した位置であり、具体的には40mmである。すなわち、図6で示す従来の射出ノズル13の後退位置bは、成形に必要な最低の後退位置b(例えば1mm)であるが、本実施例においては、ボールねじ16の最小移動ストロークとなる後退位置c(例えば40mm)である。そして、タイミングt2で型閉するまでに射出ノズル13は必要な最低の後退位置b(例えば1mm)まで移動する。タイミングt2で型閉が完了すると、前記駆動モータ19を正方向に駆動され、射出ノズル13は前進を開始して上金型25と下金型26に押圧するノズルタッチが行われ、タイミングt3でノズルタッチが終了した時点で射出工程、冷却工程が行われる。冷却が開始された後(計量完了後)のタイミングt4からノズルバッグが行われ、これと行してタイミングt5で後退位置に到達した時、前記駆動モータ19が停止し、冷却工程が完了するとともに型開きが開始され、タイミングt6で金型装置から成形品が取り出される。この時、タイミングt4からノズルバッグを開始した射出ノズル13は、後退位置bからさらに移動してボールねじ16の最小移動ストロークとなる後退位置cまで移動する。すなわち、後退位置bからボールねじ16の最小移動ストロークとなる後退位置cまで移動するまでがボールねじ16の循環調整となり、このボールねじ16の循環調整が電動竪型射出成形機10の成形サイクルに組み込まれることになる。
以上のように本実施例によれば、射出成形機、特に電動竪型射出成形機10においては、成形サイクルを効率的に行うためには、射出ノズル13の移動に伴うロスタイムを抑えるために、射出ノズル13の移動ストロークは、極めて微小(例えば1mm)に設定されていたが、冷却工程後のタイミングt4から行われる射出ノズル13のノズルバッグ工程時において、射出ノズル13に設定された最小移動ストローク分、射出ノズルを移動させて後退位置cまで下げることで、ナット体17内に充填したグリース潤滑材がナット体17の中で攪拌され、ナット体17に収容される各ボール18に局部的に大きな負荷も加わらない。さらに、電動竪型射出成形機10の成形サイクルの中にボールねじ16の最小移動ストロークまで射出ノズル13を後退させる循環調整工程が組み込まれているから、従
来のように、電動竪型射出成形機10の成形サイクルとは別工程、ノズルバックより長いストロークで射出ノズル13を移動させる場合に比べ、成形サイクルを能率良く行なうことができ、サイクルタイムを短縮化することができる。
以上のように、本実施例では、ボールねじの循環調整を電動竪型射出成形機10の成形サイクルに組み込むことによって、成形サイクルを能率良く行なうことができるとともに、グリース潤滑材による循環も確保できるから、ボールねじ16の早期の損傷を抑えてボールねじ16の寿命を長期に渡って安定的に保つことができる。なお、図4に示す成形サイクルでは、型開、製品取出、型閉工程と行させて射出ノズル13をボールねじ16の最小移動ストローク(40mm)まで後退させる循環調整工程を行うように制御した例を示したが、例えば図5に示すように、ノズルバックとノズルタッチの際、射出ノズル13に設定された最小移動ストローク分、射出ノズルを移動させて後退位置cまで下げ、冷却工程が終わったタイミングt5から型開工程を開始し、製品取出後、型閉工程が終了したタイミングt2から射出ノズル13を上金型25と下金型26に押圧するノズルタッチを開始してもよい。
以上、本発明を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、前記実施例においては、電動竪型射出成形機10を例にして説明したが、必ずしも電動竪型射出成形機10に限らず、移動機構としてボールねじ軸16aとナット体17との螺合により被移動体を移動する各種の機構に適用可能であり、また、被移動体としても必ずしも射出ノズル13に限定されるものではない。
本発明の電動竪型射出成形機の概要を示す正面図である。 同上、電動竪型射出成形機の概要を示す平面図である。 同上、ボールねじ軸とナット体との螺合を示す一部を切欠斜視図である。 同上、ボールねじ軸の循環調整工程を他の成形工程と行させた場合を示す成形サイクルのタイムチャート図である。 同上、ボールねじ軸の循環調整工程を他の成形工程と別工程で行う場合を示す成形サイクルのタイムチャート図である。 従来の電動竪型射出成形機の成形サイクルを示すタイムチャート図である。
10 電動竪型射出成形機
13 射出ノズル
15 射出装置
16 ボールねじ
16a ボールねじ軸(移動機構)
17 ナット体(移動機構)
19 電動モータ(駆動手段)
20 制御手段
25 上金型
26 下金型

Claims (1)

  1. 型閉工程、ノズルタッチ工程、成形材料の計量・射出・冷却工程、ノズルバック工程、型開工程、製品取出工程を順次繰り返す成形サイクルを行う電動式射出成形機の射出ノズルの移動機構として、ボールねじ軸と、ナット体と、ボールねじを回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する制御手段とで構成するとともに、前記射出ノズルは、前記制御手段により、電動式射出成形機の金型装置に押圧させるノズルタッチと金型装置から離すノズルバックとを繰り返すように制御されており、
    前記ノズルバック工程時に前記ノズルバックの移動ストロークが前記ボールねじの最小移動ストロークより短い条件下において、成形に必要な最小移動ストロークまで射出ノズルを後退させ、さらに前記ボールねじの最小移動ストローク分まで後退動作を続行させる循環調整工程を前記成形サイクルの型開工程、製品取出工程、型閉工程の何れかの工程時に並行して行うことを特徴とするボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機。
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