JP5047665B2 - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5047665B2
JP5047665B2 JP2007088299A JP2007088299A JP5047665B2 JP 5047665 B2 JP5047665 B2 JP 5047665B2 JP 2007088299 A JP2007088299 A JP 2007088299A JP 2007088299 A JP2007088299 A JP 2007088299A JP 5047665 B2 JP5047665 B2 JP 5047665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
mesa stripe
stripe portion
conductivity type
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007088299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008251649A (ja
Inventor
弘明 吉田谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP2007088299A priority Critical patent/JP5047665B2/ja
Publication of JP2008251649A publication Critical patent/JP2008251649A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5047665B2 publication Critical patent/JP5047665B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本発明は、半導体発光素子およびその製造方法に係り、特に、電極分離構造を有する半導体発光素子およびその製造方法に関する。
一般に、外部共振器型レーザあるいは分布反射型半導体レーザ等の複数の制御領域を有する半導体発光素子においては、各制御領域に印加される制御用電流の相互干渉を抑えるため、制御領域間の分離抵抗を高める電極分離溝が設けられる。
図8は電極分離溝63を有する半導体発光素子の上面図であって、領域Aから領域Bに漏れるリーク電流ILeakの流れ(実線および点線の矢印)を示している。電極分離溝63によって、領域Aと領域Bの境界近傍における電気抵抗が高くなるため、リーク電流ILeakを低減することができる。
このとき、十分にリーク電流ILeakを低減するためには、リーク電流ILeakのうち、電極分離溝63の下部を流れるリーク電流IT(点線の矢印)を抑えることが重要である。
このような電極分離溝を設けた半導体発光素子が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9は、上記提案に係る半導体発光素子7の光の導波方向に平行かつ電極分離溝73を含む断面図である。半導体発光素子7は、GaAs基板71上に積層されたp型AlGaAs埋め込み層72を備える。GaAs基板71の下面には電極73が形成され、p型AlGaAs埋め込み層72上には、電極分離溝73を挟んで電極74aおよび電極74bが形成されている。図7の点線の矢印で示すように、電極分離溝73の下部を流れるリーク電流ITは、p型AlGaAs埋め込み層72内を通過する。
特開平8−186314号公報([0013]、図1)
しかしながら、上記提案に係る半導体発光素子には、埋め込み層成長および電極形成完了後の素子に電極分離溝を形成することとなるため、製造工程が煩雑になるという課題があった。即ち、電極分離溝を形成したい箇所にマスクを形成してから電極を蒸着し、電極蒸着終了後、さらに逆パターンの耐エッチングマスクを形成して電極分離溝のエッチングを行うこととなるため、エッチング工程が煩雑になっていた。
また、典型的な素子の厚さ80〜100マイクロメートル(μm)に対して電極分離溝の深さが10μm程度であるため、半導体ウエハから個々の半導体発光素子を分離する素子分離工程において、電極分離溝から割れが生じやすく、歩留りが低下するという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、電極分離構造の形成を容易にすることができ、素子分離工程における歩留りを良好にすることができる半導体発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の半導体発光素子は、光の導波方向にストライプ状に形成されたメサストライプ部を有し、半導体基板上に形成される第1の領域および第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域とを電気的に分離する分離領域と、前記半導体基板の下方に形成された下方電極と、前記半導体基板の上方において、前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ形成された第1の上方電極および第2の上方電極と、を備え、前記第1の領域における前記メサストライプ部は、第1の導電型の前記半導体基板上に、少なくとも前記第1の導電型の第1クラッド層活性層、および前記第1の導電型と反対の第2の導電型の第2クラッド層が順次積層されてなり前記第2の領域における前記メサストライプ部は、前記半導体基板上に、少なくとも前記第1クラッド層および前記第2クラッド層が順次積層されてなり、前記メサストライプ部の側面には、前記第2の導電型の埋め込み層および前記第1の導電型の埋め込み層が交互に複数積層され、前記メサストライプ部および前記複数の埋め込み層の上面には、前記第2の導電型の上部埋め込み層が形成され、前記分離領域は、前記メサストライプ部の両側方に形成され、少なくとも前記第1クラッド層および前記第2クラッド層を有し、前記第1の領域における前記複数の埋め込み層および前記上部埋め込み層、前記分離領域における前記第1クラッド層および前記第2クラッド層、ならびに、前記第2の領域における前記複数の埋め込み層および前記上部埋め込み層からなる逆バイアス接合により、前記第1および第2の上方電極に駆動電流が印加される際に前記分離領域を介して前記第1および第2の領域間を流れるリーク電流を抑制することを特徴とする構成を有している。
この構成により、光が導波するメサストライプ部と分離領域とが離れているため、分離領域による光の散乱を抑えた電極分離構造を形成することができる。
また、本発明の請求項2の半導体発光素子は、前記分離領域が、前記メサストライプ部の両側方に前記複数の埋め込み層を介して形成されていることを特徴とする構成を有していてもよい。
また、本発明の請求項の半導体発光素子は、前記分離領域が、前記メサストライプ部の両側面に接して形成されていることを特徴とする構成を有していてもよい。
また、本発明の請求項の半導体発光素子の製造方法は、第1の導電型の半導体基板上に、前記第1の導電型の第1クラッド層、活性層、および前記第1の導電型と反対の第2の導電型の第2クラッド層を含む複数の半導体層を積層してダブルヘテロ構造基板を製造するダブルヘテロ構造基板製造段階と、前記ダブルヘテロ構造基板上に、絶縁性のメサストライプ部形成用の耐エッチングマスクを形成するとともに、前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクの側方に絶縁性の分離領域形成用の耐エッチングマスクを形成する耐エッチングマスク形成段階と、前記耐エッチングマスク形成後の前記ダブルヘテロ構造基板の少なくとも前記活性層の下面まで厚さ方向にエッチングするエッチング段階と、前記エッチング段階で除去された部分を、前記第2の導電型の埋め込み層および前記第1の導電型の埋め込み層を交互に複数積層して埋め込む第1の埋め込み段階と、前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクを除去する耐エッチングマスク除去段階と、前記第1の埋め込み段階で埋め込んだ前記複数の埋め込み層の上面および前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクが除去された部分の上面を、前記第2の導電型の上部埋め込み層で埋め込む第2の埋め込み段階と、を含むことを特徴とする。
この製造方法により、電極分離構造の形成を容易にすることができ、素子分離工程における歩留りが良好な半導体発光素子を製造することができる。
また、本発明の請求項5の半導体発光素子の製造方法は、前記分離領域形成用の耐エッチングマスクが、前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクの両側面から離れて配置されるものであってもよい。
また、本発明の請求項の半導体発光素子の製造方法は、前記分離領域形成用の耐エッチングマスクが、前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクの両側面に接して配置されるものであってもよい。
本発明は、メサストライプ部の両側方にリーク電流を阻害する分離領域を設けることにより、電極分離構造の形成を容易にすることができ、素子分離工程における歩留りを良好にすることができるという効果を有する半導体発光素子およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る半導体発光素子の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書においてリーク電流ILeakとは第1の領域から第2の領域に至る総リーク電流を指し、リーク電流IBとはリーク電流ILeakのうち、埋め込み層および分離領域を介して流れるリーク電流を指すものとする。
(第1の実施形態)
本発明に係る半導体発光素子の第1の実施形態を図1に示す。図1(a)は斜視図、図1(b)はA−A断面図、図1(c)はB−B断面図である。
即ち、第1の実施形態の半導体発光素子1は、n型InPからなる半導体基板11上に、n型InPからなる第1クラッド層12と活性層13とp型InPからなる第2クラッド層14とを有する第1の領域(光増幅領域21)と、第1クラッド層12と活性層13(ここでは活性導波路層もしくは導波路層として機能する)と第2クラッド層14とを有する第2の領域(位相制御領域22)と、光増幅領域21と位相制御領域22とを電気的に分離する分離領域19とを備える。活性層13は、例えばInGaAsPからなる多重量子井戸構造を有するものである。
そして、光増幅領域21および位相制御領域22は、光の導波方向にストライプ状に形成されるメサストライプ部15と、メサストライプ部15の側面に形成される埋め込み層16、17とを有する。分離領域19は、光の導波方向に沿って埋め込み層16、17内に形成され、第1クラッド層12と活性層13(ここでは発光層、活性導波路層、導波路層として機能しない)と第2クラッド層14を有する。なお、分離領域19は、メサストライプ部15の両側方に埋め込み層16、17を介して形成されている。
また、光増幅領域21および位相制御領域22は、メサストライプ部15の光の導波方向に連なって形成されており、光増幅領域21と位相制御領域22との境界には電極分離溝23が形成されている。電極分離溝23の深さは、半導体発光素子1の上面に対して2μm程度である。
また、メサストライプ部15の両側面を埋め込む埋め込み層16、17は、それぞれp型InPおよびn型InPからなる。そして、メサストライプ部15の上面を埋め込む埋め込み層18は、メサストライプ部15の上部の第2クラッド層14と組成の等しいp型InPからなっており、第2クラッド層14と共にp型クラッド層24を形成する。p型クラッド層24上にはp型InGaAsPからなるコンタクト層25が積層される。
コンタクト層25上には、p型金属電極である光増幅用電極26aおよび位相制御用電極26bが形成される。さらに半導体基板11の底面には、n型金属電極である電極27が形成されている。
次に、分離領域19におけるリーク電流IBの阻害の原理について説明する。
光増幅用電極26aおよび位相制御用電極26bにそれぞれ光増幅用電流および位相制御用電流が印加されると、埋め込み層16、17、18および分離領域19を介して光増幅領域21から位相制御領域22に至るリーク電流IBが生じる。
活性層13は厚さが0.1μm程度であり、かつ、不純物がドープされていないため電気抵抗が高く、リーク電流IBは、図1(b)の点線の矢印で示すように、第2クラッド層14を経由してpnpnp構造を通過する電流と、第1クラッド層12を経由してpnpnpnp構造を通過する電流とに分かれる。
しかしながら、p型InPからなる第2クラッド層14の厚さは0.2〜0.4μm程度であるため、第2クラッド層14を経由するリーク電流は阻害される。そして、第1クラッド層12を経由するリーク電流は、逆バイアスの方向となるpnpnpnp構造を通過するため、このリーク電流も阻害される。
なお、コンタクト層25のうち、分離領域19に挟まれたメサストライプ部15の上部に形成された部分(図1(c))を除去することにより、電極の分離機能をさらに高めることが可能である。また、分離領域19の第2クラッド層14上に、SiO2やSiNx膜等からなる絶縁層(図示せず)が形成されていてもよく、分離領域19に直接電流が流れ込まないため、リーク電流IBの増幅を妨げることができる。
以上説明したように、本発明の半導体発光素子1は、電極分離溝23の深さが2μm程度と浅いため、後述する半導体発光素子分離段階において、電極分離溝23から割れが生じるという問題を回避することができる。さらに、本発明の半導体発光素子1は、分離領域19および電極分離溝23を備えるためリーク電流IB、ひいては光増幅領域21から位相制御領域22に至るリーク電流ILeakを阻害することができる。
なお、本発明の半導体発光素子1は、電極分離溝を要する複数の制御領域を有するものであれば、図1に示した構成に限定されるものではなく、例えば、光増幅領域および位相制御領域に加えて、回折格子を含む分布反射型領域を備えた分布反射型半導体レーザ等としても適用可能である。
以下、本発明に係る半導体発光素子の製造方法について、図面を用いて説明する。
本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、図2および図3に示すように、(1)半導体基板11上に活性層13を含む複数の半導体層を積層してダブルヘテロ構造基板5を製造するダブルヘテロ構造基板製造段階と、(2)ダブルヘテロ構造基板上に、絶縁性のメサストライプ部形成用の耐エッチングマスク30aを形成するとともに、メサストライプ部形成用の耐エッチングマスク30aの側方に絶縁性の分離領域形成用の耐エッチングマスク30bを形成する耐エッチングマスク形成段階と、(3)耐エッチングマスク形成後のダブルヘテロ構造基板5の少なくとも活性層13の下面まで厚さ方向にエッチングするエッチング段階と、(4)エッチング段階で除去された部分に埋め込み層16、17を埋め込む第1の埋め込み段階と、(5)メサストライプ部形成用の耐エッチングマスク30aを除去する耐エッチングマスク除去段階と、(6)第1の埋め込み段階で埋め込んだ埋め込み層16、17の上面およびメサストライプ部形成用の耐エッチングマスク30aが除去された部分の上面に埋め込み層18を形成する第2の埋め込み段階とを含む。
なお、図2および図3においては、簡単のため縦横に2個ずつ素子が連なったウエハを図示している。
即ち、ダブルヘテロ構造基板製造段階(1)においては、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いてn型InPからなる半導体基板11上にn型InPからなる第1クラッド層12、例えばInGaAsP多重量子井戸からなる活性層13、p型InPからなる第2クラッド層14、InGaAsPからなるキャップ層(図示せず)を順次積層してダブルヘテロ構造基板5を製造する。
耐エッチングマスク形成段階(2)においては、例えば、プラズマCVD法を用いてSiNx膜(またはSiO2膜)を積層した後、レジストを塗布し、フォトリソグラフィによってマスクパターンを露光して、現像する。そして、フッ酸によるエッチングでマスクパターンをSiNxの形状に転写して、メサストライプ部形成用および分離領域形成用の耐エッチングマスク30a、30bを形成する。
エッチング段階(3)においては、上記により設計された耐エッチングマスク30a、30bと、塩酸、硫酸と過酸化水素水と水の混合液からなるエッチング液を用いて、第2クラッド層14、活性層13、第1クラッド層12をウェットエッチングまたはドライエッチングして、メサストライプ部15を形成する。
第1の埋め込み段階(4)においては、エッチング段階(3)で除去された部分にMOVPE法を用い、耐エッチングマスク30a、30bを成長阻害マスクとして利用して、p型InPからなる埋め込み層16およびn型InPからなる埋め込み層17を順次積層して埋め込む。
耐エッチングマスク除去段階(5)においては、メサストライプ部形成用の耐エッチングマスク30aをフッ酸で、InGaAsPからなるキャップ層を硫酸と過酸化水素水の混合液で除去して、メサストライプ部15の上面を表出する。
第2の埋め込み段階(6)においては、残存している耐エッチングマスク30bを成長阻害マスクとして利用して、第2クラッド層14と組成の等しいp型InPからなる埋め込み層18を積層し、その上部にp型InGaAsPからなるコンタクト層25をMOVPE法によって積層する。
さらに、半導体ウエハ製造段階(7)(図示せず)において、コンタクト層25上にp型金属電極である光増幅用電極26aおよび位相制御用電極26bを蒸着法で形成する。引き続き、フッ酸を用いることにより、耐エッチングマスク30bおよびその上部に蒸着された金属電極を除去する(リフトオフ)。さらに半導体基板11を研磨した後に半導体基板11の底面にn型金属電極である電極27を同様に形成して、アロイ、メッキ工程を行い、半導体ウエハを完成する。
次に、半導体発光素子分離段階(8)(図示せず)において、半導体ウエハを所定の位置(劈開面X−X)で劈開して、複数の半導体発光素子が横方向に連なったバーを形成する。
最後に、複数の半導体発光素子が横方向に連なったバーを劈開面X−Xに垂直な断面Y−Yで分離して、個々の半導体発光素子に分離する。なお、具体的な分離方法としては、劈開、ダイシング等がある。
以上説明したように、本発明に係る半導体発光素子の製造方法を用いると、埋め込み層成長の過程で電極分離溝23を形成することができるため、製造工程を簡易化することができる。
さらに、本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、素子の上面に対する電極分離溝23の深さが2μm程度となるため、半導体発光素子分離段階(8)において、電極分離溝23から割れが生じるという問題を回避することができる。
(第2の実施形態)
本発明に係る半導体発光素子の第2の実施形態を図4に示す。なお、第1の実施形態と同様の構成および製造工程については説明を省略する。第2の実施形態の半導体発光素子2は、図4の斜視図(a)およびB’−B’断面図(b)に示すように、上述の第1の実施形態の構成と比較して、分離領域29が、メサストライプ部15の両側面に接して配置される点が異なる。
また、半導体発光素子2の製造方法は、第1の実施形態の耐エッチングマスク形成段階(2)において用いる耐エッチングマスク30a、30bの素子1個辺りの形状が、図5に示すように十字形状となっている。
即ち、半導体発光素子2は、活性層13が十字形状となるため、メサストライプ部15の活性層から分離領域29中の活性層へ若干の電流の漏れおよび光の散乱が生じるが、第1の実施形態の半導体発光素子と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
本発明に係る半導体発光素子の第3の実施形態を図6に示す。図6(a)は斜視図、図6(b)は光の導波方向に沿った断面(C−C断面)の構造を示す断面図である。第3の実施形態の半導体発光素子3は、第1の実施形態の構成に回折格子311を備える波長制御領域31を加えた構成を有する。
第1および第2の実施形態においては、分離領域19、29を形成することにより、光増幅領域21と位相制御領域22との境界で電極を分離する構成について述べた。しかし、本実施形態においては、図2(2)に示す耐エッチングマスク30aの両側方に配置する耐エッチングマスク30bの対の数を増すことにより、図6に示すように、光増幅領域21および位相制御領域22に加えて、さらに波長制御用電極26cを備えた波長制御領域31などを形成し、素子の電極を光増幅用電極26a、位相制御用電極26bおよび波長制御用電極26cの3領域に分離することが容易に実現できる。また、同様の工程により、さらに多数の領域に電極を分離できることは言うに及ばない。
(第4の実施形態)
本発明に係る半導体発光素子の第4の実施形態を図7に示す。図7(a)は斜視図、図7(b)は光の導波方向に沿った断面(C’−C’断面)の構造を示す断面図である。
即ち、第4の実施形態の半導体発光素子4は、半導体基板11上に、第1クラッド層12と活性層13と第2クラッド層14とを有する光増幅領域21と、第1クラッド層12と同一の導電性を有する再成長第1クラッド層32、活性層13に接続する再成長導波路層33および第2クラッド層14と同一の導電性を有する再成長第2クラッド層34とを有する位相制御領域42と、光増幅領域21と位相制御領域42とを電気的に分離する分離領域39とを備える。
そして、光増幅領域21および位相制御領域42は、光の導波方向にストライプ状に形成されるメサストライプ部45(図示せず)と、メサストライプ部45の側面に形成される埋め込み層16、17とを有する。分離領域39は、光の導波方向に沿って埋め込み層16、17内に形成される。
そして、分離領域39は、第1クラッド層12、活性層13および第2クラッド層14、ならびに、再成長第1クラッド層32、再成長導波路層33および再成長第2クラッド層34を有する。
ここで、本実施形態の半導体発光素子4の製造工程を簡単に述べる。
まず、図2(1)に示すダブルヘテロ構造基板5の一部分を、少なくとも活性層13の下面までエッチングにより除去した後、この部分にMOVPE(有機金属気相成長)法などを用いて、第1クラッド層12と同一の導電性を有する再成長第1クラッド層32、再成長導波路層33、第2クラッド層14と同一の導電性を有する再成長第2クラッド層34を順次成長し、位相制御領域42を構成する再成長領域35を形成する。なお、この成長工程においては活性層13と再成長導波路層33が接続し、かつ、再成長第2クラッド層34の上面と第2クラッド層14の上面がほぼ一致するように調整する。
次に、再成長が完了した基板上面に図2(2)と同様な耐エッチングマスク30aおよび30bを形成する。ただし、分離領域39を形成するための耐エッチングマスク30bは、第2クラッド層14および再成長第2クラッド層34の上面における、両層の境界をまたぐように配置する。引き続き、図2(3)以降の工程を実施し光増幅領域21および位相制御領域42を有する本実施形態の半導体発光素子4を完成する。
第1から第3の実施形態の半導体発光素子においては、電極分離構造によって異なる機能を有する各領域は、一括成長されたダブルヘテロ基板からなっている。一方、本実施形態の半導体発光素子4においては、異なる機能を有する領域は異なる結晶成長領域からなっており、本発明の電極分離構造により各領域の機能をさらに好適に動作させることができる。
本実施形態では、2種の機能を集積した構造について述べたが、ダブルヘテロ構造基板5にエッチングおよび再成長工程を繰り返し施し、かつ、本発明の電極分離構造を適用することにより、さらに多数の機能領域を集積化することが容易に実現できる。
また、本実施形態では本発明の電極分離構造によって分離される領域を、それぞれ異なる再成長により形成することを述べたが、本発明の主旨は電極を分離する構造にあることから、素子における幾つかの機能を一括に成長したダブルヘテロ基板で担わせ、他の一つもしくは幾つかの機能を一つもしくは複数の再成長領域が担い得ることは明らかである。
なお、これまで示した第1から第4の実施形態の製造工程は、半導体発光素子における半導体基板11側をヒートシンクにボンディングして、素子を動作させる形態を念頭に置いて説明してきた。
一方、半導体発光素子の結晶成長面側をヒートシンクにボンディングする、いわゆるジャンクションダウンの状態で素子を動作させる形態においては、耐エッチングマスク30bを除去した場合、ボンディングに用いる、例えばAuなどの金属を介して分離領域に電流が直接流れ込む。このように流れる電流の経路は、逆バイアスとなる接合の数が少ないため電極を分離する効果が低減する。このため、ジャンクションダウンで素子を動作させる場合においては、分離領域に直接流れ込む電流を阻止するため、耐エッチングマスク30bを除去せず残留させておくことが望ましい。
以上のように、本発明に係る半導体発光素子およびその製造方法は、メサストライプ部の両側方にリーク電流を阻害する分離領域を設けることにより、電極分離構造の形成を容易にすることができ、素子分離工程における歩留りを良好にすることができるという効果を有し、外部共振器型レーザ、分布反射型半導体レーザ等として有効である。
本発明の第1の実施形態の半導体発光素子の斜視図および断面図 本発明に係る半導体発光素子の製造段階を示す斜視図 本発明に係る半導体発光素子の製造段階を示す斜視図 本発明の第2の実施形態の半導体発光素子の斜視図および断面図 第2の実施形態における耐エッチングマスク形成段階を示す斜視図 本発明の第3の実施形態の半導体発光素子の斜視図および断面図 本発明の第4の実施形態の半導体発光素子の斜視図および断面図 従来の電極分離溝を有する半導体発光素子の上面図 従来の半導体発光素子の電極分離溝を含む断面図
符号の説明
1、2、3、4 半導体発光素子
5 ダブルヘテロ構造基板
11 半導体基板
12 第1クラッド層
13 活性層
14 第2クラッド層
15、45 メサストライプ部
16、17、18 埋め込み層
19、29、39 分離領域
21 光増幅領域(第1の領域)
22、42 位相制御領域(第2の領域)
30a、30b 耐エッチングマスク
32 再成長第1クラッド層
33 再成長導波路層
34 再成長第2クラッド層

Claims (6)

  1. 光の導波方向にストライプ状に形成されたメサストライプ部を有し、半導体基板上に形成される第1の領域および第2の領域と、
    前記第1の領域と前記第2の領域とを電気的に分離する分離領域と、
    前記半導体基板の下方に形成された下方電極と、
    前記半導体基板の上方において、前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ形成された第1の上方電極および第2の上方電極と、を備え、
    前記第1の領域における前記メサストライプ部は、第1の導電型の前記半導体基板上に、少なくとも前記第1の導電型の第1クラッド層活性層、および前記第1の導電型と反対の第2の導電型の第2クラッド層が順次積層されてなり
    前記第2の領域における前記メサストライプ部は、前記半導体基板上に、少なくとも前記第1クラッド層および前記第2クラッド層が順次積層されてなり
    前記メサストライプ部の側面には、前記第2の導電型の埋め込み層および前記第1の導電型の埋め込み層が交互に複数積層され、
    前記メサストライプ部および前記複数の埋め込み層の上面には、前記第2の導電型の上部埋め込み層が形成され、
    前記分離領域は、前記メサストライプ部の両側方に形成され、少なくとも前記第1クラッド層および前記第2クラッド層を有し、
    前記第1の領域における前記複数の埋め込み層および前記上部埋め込み層、前記分離領域における前記第1クラッド層および前記第2クラッド層、ならびに、前記第2の領域における前記複数の埋め込み層および前記上部埋め込み層からなる逆バイアス接合により、前記第1および第2の上方電極に駆動電流が印加される際に前記分離領域を介して前記第1および第2の領域間を流れるリーク電流を抑制することを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記分離領域が、前記メサストライプ部の両側方に前記複数の埋め込み層を介して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記分離領域が、前記メサストライプ部の両側面に接して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 第1の導電型の半導体基板上に、前記第1の導電型の第1クラッド層、活性層、および前記第1の導電型と反対の第2の導電型の第2クラッド層を含む複数の半導体層を積層してダブルヘテロ構造基板を製造するダブルヘテロ構造基板製造段階と、
    前記ダブルヘテロ構造基板上に、絶縁性のメサストライプ部形成用の耐エッチングマスクを形成するとともに、前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクの側方に絶縁性の分離領域形成用の耐エッチングマスクを形成する耐エッチングマスク形成段階と、
    前記耐エッチングマスク形成後の前記ダブルヘテロ構造基板の少なくとも前記活性層の下面まで厚さ方向にエッチングするエッチング段階と、
    前記エッチング段階で除去された部分を、前記第2の導電型の埋め込み層および前記第1の導電型の埋め込み層を交互に複数積層して埋め込む第1の埋め込み段階と、
    前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクを除去する耐エッチングマスク除去段階と、
    前記第1の埋め込み段階で埋め込んだ前記複数の埋め込み層の上面および前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクが除去された部分の上面を、前記第2の導電型の上部埋め込み層で埋め込む第2の埋め込み段階と、を含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記分離領域形成用の耐エッチングマスクが、前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクの両側面から離れて配置されることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記分離領域形成用の耐エッチングマスクが、前記メサストライプ部形成用の耐エッチングマスクの両側面に接して配置されることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
JP2007088299A 2007-03-29 2007-03-29 半導体発光素子およびその製造方法 Active JP5047665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007088299A JP5047665B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 半導体発光素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007088299A JP5047665B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 半導体発光素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008251649A JP2008251649A (ja) 2008-10-16
JP5047665B2 true JP5047665B2 (ja) 2012-10-10

Family

ID=39976290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007088299A Active JP5047665B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 半導体発光素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5047665B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9587310B2 (en) 2001-03-02 2017-03-07 Applied Materials, Inc. Lid assembly for a processing system to facilitate sequential deposition techniques

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010169625A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Anritsu Corp ガス検知装置
JP2015109319A (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 日本電信電話株式会社 狭線幅レーザ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0750815B2 (ja) * 1990-08-24 1995-05-31 日本電気株式会社 半導体光集積素子の製造方法
JP3256772B2 (ja) * 1994-12-27 2002-02-12 日本電信電話株式会社 光半導体装置およびその製造方法
JPH09275240A (ja) * 1996-04-02 1997-10-21 Hitachi Ltd 導波路型光素子およびその作製方法
JP2004253602A (ja) * 2003-02-20 2004-09-09 Hitachi Ltd 光導波路素子およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9587310B2 (en) 2001-03-02 2017-03-07 Applied Materials, Inc. Lid assembly for a processing system to facilitate sequential deposition techniques
US10280509B2 (en) 2001-07-16 2019-05-07 Applied Materials, Inc. Lid assembly for a processing system to facilitate sequential deposition techniques

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008251649A (ja) 2008-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4938267B2 (ja) レーザダイオードの製造方法
CN110140264A (zh) 半导体激光二极管
JP2009059918A (ja) 光半導体デバイス
US9153942B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device
KR101262226B1 (ko) 반도체 발광 소자의 제조방법
JP5810720B2 (ja) 量子カスケード半導体レーザ、レーザ装置および量子カスケード半導体レーザの製造方法
JP2011009456A (ja) 半導体光素子、及びその製造方法
JP5047665B2 (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP2010056105A (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2008166371A (ja) 光半導体素子及びその製造方法
KR20080014613A (ko) 반도체 광 소자 및 그 제조 방법
KR100768535B1 (ko) 광소자
US10545285B2 (en) Hybrid optical assembly and method for fabricating same
JP2002232080A (ja) 電流閉じ込め構造を持つ半導体素子及びその製造方法
WO2019208697A1 (ja) 光半導体素子およびその製造方法ならびに光集積半導体素子およびその製造方法
JP2008053476A (ja) 半導体チップおよびその製造方法
US9917420B2 (en) Quantum cascade laser integrated device
JP2001244569A (ja) 半導体レーザ発光装置の製造方法
JP2005183621A (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP2017034080A (ja) 半導体発光素子
JP2011187529A (ja) 光半導体装置、光半導体装置の製造方法及び光半導体素子
JP2010238715A (ja) 半導体発光素子の製造方法および半導体発光素子
CN115149399A (zh) 光栅激光器及制备方法
JP2017054859A (ja) 半導体発光デバイス
JP2009059919A (ja) 光半導体デバイス及びその作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120718

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5047665

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250