JP5045233B2 - 金型装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リム部の表面部分が一対の外殻部材によって構成されるステアリングホイールについて、その外殻部材の成形に好適な金型装置に関するものである。
ステアリングホイールの一部(ハンドル部分)を構成する円環状のリム部として、その表面部分が、略円弧状の断面形状を有する一対の外殻部材により構成されたものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。このリム部では、各外殻部材が、合成樹脂により断面略円弧状に形成された基材部と、基材部の外側に積層された断面略円弧状の加飾部とを備えている。加飾部は、例えば木製の薄板を湾曲させることにより形成されている。そして、両外殻部材の対向する端部同士が接合されることで、両外殻部材が断面略円環状にされている。このリム部では、表面(意匠面)が木製の加飾部によって構成されるため、木製のステアリングホイールと同様の外観及び感触が得られる。
特開2004−306671号公報
上述したように、外殻部材では加飾部の表面が意匠面を構成することから、外殻部材における加飾部の位置はリム部の外観に大きく影響する。例えば加飾部が、リム部の略円形断面の外周縁に沿う方向について適正位置からずれていると、対向する外殻部材の接合部分において加飾部の端部間を通じて基材部が見え、見栄えが損なわれるおそれがある。そのため、加飾部は基材部に対し適正に位置決めされた状態で積層されていることが重要である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、加飾部が基材部に対し適正な箇所に位置する外殻部材を成形することのできる装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、リム部の表面部分が、一対の外殻部材をそれらの対向する端部において相互に接合させることにより構成され、前記各外殻部材が、合成樹脂により形成された基材部と、前記基材部の外側に積層された加飾部とを備えるステアリングホイールについて、前記各外殻部材を成形する際に用いられるものであり、成形凹部を有する第1金型と、成形突部を有し、前記成形凹部との間にキャビティを形成する第2金型とを備え、前記キャビティに前記加飾部が配置された状態で同キャビティに溶融樹脂が充填されることにより前記外殻部材を成形するようにした金型装置であって、前記第2金型における前記成形突部の両側のそれぞれの付け根部分近傍に、前記成形突部を覆った前記加飾部の両端部のそれぞれが挿入される溝設けられ、前記第2金型の前記両溝部には、前記キャビティの形成に先立ち、前記加飾部の両端部が挿入されることにより同加飾部が装着され、前記キャビティの形成後同キャビティ内に前記溶融樹脂が充填されて、前記加飾部が挿入された両溝部には、同溝部の内底面から離間した位置に前記加飾部の端部が位置し、前記加飾部の端部より先端には、溶融樹脂の余剰樹脂部が形成されるように構成されることを要旨とする。
上記の構成を有する金型装置を用いて各外殻部材を成形する際には、同金型装置が開かれ、加飾部が第1金型又は第2金型に装着される。続いて、両金型が相対移動により相互に接近させられて金型装置が閉じられる。この状態では、成形凹部と成形突部との間にキャビティが形成される。このとき、加飾部の各端部が対応する溝部に入り込むことで、加飾部は、その大部分が成形凹部及び成形突部間に位置し、かつ両端部が第2金型の両溝部内に位置した状態、すなわち位置決めされた状態となる。このように、溝部のない場合よりも、キャビティ内における加飾部の位置が決まりやすい。そのため、高い精度で加飾部の位置決めを行うための特別な手段(機構、装置等)は不要である。
そして、上記のように加飾部がインサートとして配置されたキャビティ内に溶融樹脂が充填され、加飾部が成形凹部の内壁面に密着させられた状態で溶融樹脂が硬化されることで、合成樹脂により形成された基材部と、基材部の外側に積層された加飾部とを備える外殻部材が得られる。ここで、基材部の形成は、上記のように加飾部がキャビティ内に位置決めされたうえで行われている。そのため、得られた外殻部材においても、加飾部は基材部に対し適正な箇所に位置している。
また、金型装置が閉じられてキャビティが形成される前に、加飾部の両端部を第2金型の両溝部に挿入するという簡単な作業を行うことで、加飾部は成形突部を覆った状態で第2金型に装着される。また、加飾部は溝部から抜け出にくく、第2金型に装着された状態に保持される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2金型において、前記溝部と前記成形突部の付け根部分との間には、同溝部開口と成形突部の付け根部分とを繋ぐ平面が形成され、前記平面は、前記基材部の端面と面一となるように構成されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1金型は固定型であり、前記第2金型は可動型であることを要旨とする。
上記の構成によれば、第2金型が第1金型に対し接近して接触することにより金型装置が閉じられる。この際、加飾部の両端部が上記のように両溝部に挿入されていて、同加飾部が第2金型に装着された状態に保持されている。このため、金型装置を閉じるために第2金型が第1金型側へ移動する過程で加飾部が同第2金型から脱落する現象が起こりにくい。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記第2金型には、前記キャビティに溶融樹脂を導くゲートが設けられていることを要旨とする。
上記の構成によれば、キャビティへの溶融樹脂の充填に際し、同溶融樹脂が第2金型に設けられたゲートを通過した後、キャビティに導かれる。この溶融樹脂により、加飾部は、その内側(反意匠面側)から外側(意匠面側)へ向けて押される。加飾部は、第1金型の成形凹部に押し付けられて同成形凹部の内壁面に密着する。そのため、加飾部の位置決めの精度が向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記外殻部材は略円弧状の断面形状を有し、前記成形凹部及び前記成形突部はそれぞれ略半円形の断面形状を有しており、前記ゲートは、前記成形突部の頂部において、前記成形凹部の最も深い箇所に向けて開口していることを要旨とする。
上記の構成によれば、キャビティへの溶融樹脂の充填に際し、溶融樹脂が成形突部の頂部におけるゲートの開口から成形凹部の最も深い箇所に向けてキャビティ内に流入する。この溶融樹脂により、加飾部が、その略円弧状断面の外周縁に沿う方向についての中央部分において押される。従って、略円弧状の断面形状を有する加飾部がバランスよく成形凹部に押し付けられ、加飾部の位置決めの精度が一層向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記第1金型及び前記第2金型は鉛直方向へ相対移動させられることにより開閉されるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、溝部の深さ方向が鉛直方向に合致する。加飾部の第2金型への装着に際しては、同加飾部を鉛直方向へ移動させながら、その端部を溝部に挿入する。この挿入を手作業により行う場合には、作業者は第2金型を見下ろしながら又は見上げながら、同端部を溝部に挿入することができ、両溝部と加飾部の両端部との位置関係を視認しつつ挿入作業を行うことができ、加飾部の第2金型に対する装着作業がしやすくなる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第2金型は、前記第1金型の下側に配置されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、加飾部の端部は、上方から溝部内に挿入される。この挿入の方向は、加飾部において重力の作用する方向と同じである。そのため、両方向が異なっている場合、例えば第1金型及び第2金型が水平方向に相対移動する場合等に比べ、加飾部が溝部から抜け出にくくなり、第2金型に装着された加飾部の脱落が起こりにくくなる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の発明において、前記加飾部の両端部について、前記溝部に挿入された箇所は、前記外殻部材の成形後に除去されるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、加飾部において溝部に挿入された部分(端部)が汚れたり、同部分と溝部の内壁面との間に溶融樹脂が入り込んで硬化したりしても、それらの加飾部の端部及び樹脂が除去される。そのため、上記汚れや余剰の樹脂に起因する意匠性の低下が起こりにくい。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1つに記載の発明において、記溝部は、前記加飾部の厚みよりも0.5〜1.0mm大きな幅を有することを要旨とする。このことは、加飾部の厚みと溝部の幅との偏差が0.5〜1.0mmであることと同義である。
溝部の幅が上記の条件を満たす値に設定されると、加飾部の端部が溝部に挿入された状態では、同端部と溝部の内壁面との間に僅かに隙間が生じ、上記端部は溝部内で移動し得る。そのため、ゲートからキャビティ内へ溶融樹脂が供給されて、加飾部が溶融樹脂によって押された場合、端部が溝部内で移動することで、加飾部の全体が第1金型側へスムーズに移動する。
また、上記端部と溝部の内壁面との隙間は僅かであり、ここに流入する溶融樹脂の量は少ないため、溶融樹脂の無駄な消費が抑制される。
なお、上記偏差が上記の範囲(0.5〜1.0mm)から外れていると、上述した作用及び効果は得られにくくなる。すなわち、上記偏差が0.5mmよりも小さいと、加飾部の端部と溝部の内壁面との隙間に流入する溶融樹脂の量が少なくなる。また、端部が溝部から抜け出にくくなり、加飾部が、装着された金型から脱落しにくくなる。その反面、加飾部の端部を溝部内に挿入しにくくなり、また、溝部内で端部が動きにくくなり、加飾部に対し、キャビティに供給される溶融樹脂から過大な力が加わるおそれがある。
一方、上記偏差が1.0mmよりも大きいと、加飾部の端部を溝部に挿入しやすくなり、また溝部内で端部が動きやすくなる。その反面、端部が溝部から抜け出やすくなり、加飾部が、装着された金型から脱落しやすくなる。また、端部と溝部の内壁面との隙間に流入する溶融樹脂の量が多くなる。
本発明の金型装置によれば、第2金型における成形突部の付け根部分の近傍に、成形突部を覆った加飾部の両端部が挿入される一対の溝部を設けたため、加飾部が基材部に対し適正な箇所に位置する外殻部材を成形することが可能となる。
以下、本発明を、自動車用ステアリングホイールのリム部における外殻部材を成形する際に用いられる金型装置に具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、外殻部材を一構成部品とする自動車用ステアリングホイールについて説明する。
図1に示すように、車両の運転席の前方には操舵軸(ステアリングシャフト)11が回転可能に設けられ、その操舵軸11にステアリングホイール12が取付けられている。ステアリングホイール12は、略円環状をなすリム部13(リング部と呼ばれる場合もある)、リム部13によって囲まれた空間に配置されたパッド部14、及びリム部13及びパッド部14を連結するスポーク部15を備えて構成されている。
ステアリングホイール12の上記構成部材(リム部13、パッド部14、スポーク部15)の各内部には、鉄、アルミニウム、マグネシウム、又はこれらの合金等によって形成された芯金が配設されている。芯金はステアリングホイール12の骨格部分をなすものである。この芯金のうち、リム部13内に位置するものは、略円環状をなすリム部芯金と呼ばれる。
図2は、図1の2−2線に沿ったリム部13の断面構造を示している。また、図3(A)は、リム部13の構成部材を分離して示した断面図である。リム部13は略円形の断面形状を有している。図2において、上側は車両後側(運転席側)を示し、下側は車両前側を示している。図2に示すように、リム部芯金16は、リム部13の断面の中心部分に配置されている。
なお、リム部13の正面形状は略円環(図1参照)であり、リム部13の周方向に直交する面での断面形状は上述したように略円形(図2参照)である。リム部13をいずれの方向から見た形状についても、外縁は略円形である。そこで、本実施形態では、断面形状について方向、位置等を特定する場合、「リム部13の断面について・・・」、「リム部13の断面の・・・」等と記載する。例えば、「リム部13の断面の外周縁に沿う方向」等である。また、こうした限定のない場合、例えば「リム部13の全周」、「リム部13の周方向」、「リム部13の内周側」、「リム部13の外周側」等は、正面形状についての記載であることを示すものとする。この場合の断面は、リム部13の周方向に直交する断面を意味する。
図2及び図3(A)の少なくとも一方に示すように、リム部13の断面について、リム部芯金16の周りには、発砲ポリウレタン等の軟質(弾性)材料によって形成された軟質部17が設けられている。リム部芯金16は、この軟質部17によってリム部13の全周にわたって被覆されている。
軟質部17において、車両後側の略半分は、略円弧状の断面形状を有する第1外殻部材20によって被覆されている。第1外殻部材20は、金型装置による成形と、端末処理とを行うことによって形成されたものである。これらの成形及び端末処理については後述する。第1外殻部材20は、合成樹脂により断面略円弧状に形成された第1基材部21と、第1基材部21の外側に積層された断面略円弧状の第1加飾部22とを備えている。第1基材部21の各端面21Aにおける内側(リム部芯金16側)の箇所にはリブ23が突設されている。
第1加飾部22は、断面略円弧状をなす木製の薄板と、その薄板の内側の面に貼り付けられた不織布とからなり、それら薄板及び不織布の両者で略0.2mmの厚みt1を有している(図3(B)参照)。また、第1加飾部22は、所定の周長L1aを有している(図3(A)参照)。不織布は薄板の強度を補い、形状を保持するためのものである。第1加飾部22の表面は、リム部13の車両後側における意匠面を構成している。第1加飾部22の各端面22Aは、第1基材部21の各端面21Aと同一平面上に位置している。
同様に、軟質部17において、車両前側の略半分は、略円弧状の断面形状を有する第2外殻部材30によって被覆されている。この第2外殻部材30は、金型装置による成形と、端末処理とを行うことによって形成されたものである。第2外殻部材30は、合成樹脂により断面略円弧状に形成された第2基材部31と、第2基材部31の外側に積層された断面略円弧状の第2加飾部32とを備えている。第2基材部31の端面31Aにおいて、上記各リブ23に対応する箇所(内側(リム部芯金16側)の箇所)には、それぞれ凹部33が設けられている。
第2加飾部32は、上記第1加飾部22と同様、木製の薄板と不織布とからなり、略0.2mmの厚みt2を有している(図3(C)参照)。また、第2加飾部32は、所定の周長L2aを有している(図3(A)参照)。第2加飾部32の各端面32Aは、第2基材部31の各端面31Aと同一平面上に位置している。第2加飾部32の表面は、リム部13の車両前側における意匠面を構成している。
そして、上記軟質部17を車両後側から被覆する第1外殻部材20と、同軟質部17を車両前側から被覆する第2外殻部材30とは、それらの対向する端部において相互に接合されている。この状態では、リブ23が凹部33に嵌合されている。また、第1基材部21の端面21Aが第2基材部31の端面31Aに接触するとともに、第1加飾部22の端面22Aが第2加飾部32の端面32Aに接触している。これらの第1外殻部材20及び第2外殻部材30によってリム部13の表面部分が構成されている。
ところで、図4及び図5は、第1外殻部材20及び第2外殻部材30について、金型装置によって成形された後であって、端末処理が行われる前の形態を示している。この形態を有する第1外殻部材20及び第2外殻部材30を、端末処理後のものと区別するために、ここでは第1外殻中間体40(図4)及び第2外殻中間体50(図5)というものとする。
また、第1外殻中間体40において、上記第1外殻部材20の第1基材部21に対応するものを第1基材中間体41といい、第1加飾部22に対応するものを第1加飾中間体42というものとする。同様に、第2外殻中間体50において、第2外殻部材30の第2基材部31に対応するものを第2基材中間体51といい、第2加飾部32に対応するものを第2加飾中間体52というものとする。
図4に示すように、第1加飾中間体42は、第1加飾部22の周長L1a(図3(A)参照)よりも長い周長L1bを有している。この周長L1bは、第1加飾部22の両端に、それぞれ所定の周長ΔL1を有する部分が加えられたものに相当する。上記両部分が加えられて長くなった第1加飾中間体42の端部を、ここでは余剰端部43というものとする。各余剰端部43の周長ΔL1は、金型装置のキャビティC内で第1加飾中間体42が動いても、後述する溝部74から抜け出ない値に設定されている。各余剰端部43の端面43Aは、第1基材部21の端面21A及び第1加飾部22の端面22A(図3(B)参照)よりも車両前側に位置している。また、第1基材中間体41の一部は、第1加飾中間体42の各余剰端部43の意匠面を除く箇所にも形成されている。この第1基材中間体41の部分を、ここでは余剰樹脂部44というものとする。両余剰端部43、及び余剰端部43毎の余剰樹脂部44によって、一対の余剰部45,45が構成されており、これらの余剰部45,45は端末処理により除去される。第1外殻中間体40から両余剰部45,45の除去されたものが上記第1外殻部材20である。
図5に示すように、第2加飾中間体52は、第2加飾部32の周長L2a(図3(A)参照)よりも長い周長L2bを有している。この周長L2bは、第2加飾部32の両端に、それぞれ所定の周長ΔL2を有する部分が加えられたものに相当する。上記両部分が加えられて長くなった第2加飾中間体52の端部を、ここでは余剰端部53というものとする。各余剰端部53の周長ΔL2は、金型装置のキャビティC内で第2加飾中間体52が動いても、後述する溝部74から抜け出ない値に設定されている。各余剰端部53の端面53Aは、第2基材部31の端面31A及び第2加飾部32の端面32A(図3(C)参照)よりも車両後側に位置している。また、第2基材中間体51の一部は、第2加飾中間体52の各余剰端部53の意匠面を除く箇所にも形成されている。この第2基材中間体51の部分を、ここでは余剰樹脂部54というものとする。両余剰端部53、及び余剰端部53毎の余剰樹脂部54によって、一対の余剰部55,55が構成されており、これらの余剰部55,55は端末処理により除去される。第2外殻中間体50から両余剰部55,55の除去されたものが上記第2外殻部材30である。
次に、上記第1外殻中間体40を成形する際に用いられる金型装置、及び第2外殻中間体50を成形する際に用いられる金型装置について説明する。なお、両金型装置は基本的には同様の構成を有している。そのため、ここでは、第1外殻中間体40を成形する際に用いられる金型装置についてのみ説明する。
図6及び図8の少なくとも一方に示すように、この金型装置は、互いに鉛直方向に並べられた状態で配置された第1金型60及び第2金型70を備えている。第1金型60は移動不能に設けられた固定型により構成され、第2金型70は鉛直方向へ移動可能に設けられた可動型により構成されている。第1金型60は、その下面をパーティング面61とし、第2金型70は、その上面をパーティング面71としている。第2金型70は、金型装置が閉じられるときには、パーティング面71において第1金型60のパーティング面61に接触し、同金型装置が開かれるときには第1金型60から離間する。
第1金型60には、パーティング面61において開口する断面略半円形の成形凹部62が設けられている。また、第2金型70には、パーティング面71から上方へ向けて突出する断面略半円形の成形突部72が設けられている。成形突部72の付け根部分において、リム部13の外周側近傍及び内周側近傍に対応する箇所には、上記第1外殻部材20のリブ23を成形するための凹部73がそれぞれ設けられている。また、上記各凹部73に対し、リム部13の内周側近傍及び外周側近傍に対応する箇所には、第1加飾中間体42の余剰端部43が挿入される溝部74がそれぞれ設けられている。図7に示すように、各溝部74の幅wは、下記の条件を満たすように、第1加飾中間体42の厚みt1(図3(B)参照)よりも0.5〜1.0mm大きな値に設定されている。表現を変えると、幅wは、厚みt1との偏差が0.5〜1.0mmとなるような値に設定されている。
条件1:第1加飾中間体42の余剰端部43が溝部74内で動き得ること。
条件2:余剰端部43を溝部74内に挿入しやすいこと。
条件3:余剰端部43と溝部74の内壁面との隙間に溶融樹脂80が流入しにくいこと。
なお、上記偏差が上記範囲(0.5〜1.0mm)から外れていると、上述した条件1〜3を全て満たすことが困難となる。すなわち、上記偏差が0.5mmよりも小さいと、余剰端部43と溝部74の内壁面との隙間G(図11参照)に流入する溶融樹脂80の量が少なくなる。また、余剰端部43が溝部74から抜け出にくくなり、第1加飾中間体42が、装着された金型(第2金型70)から脱落しにくくなる。その反面、余剰端部43を溝部74内に挿入しにくくなり、また、溝部74内で余剰端部43が動きにくくなり、第1加飾中間体42に対し、キャビティCに供給される溶融樹脂80から過大な力が加わるおそれがある。
一方、上記偏差が1.0mmよりも大きいと、余剰端部43を溝部74に挿入しやすくなり、また溝部74内で余剰端部43が動きやすくなる。その反面、余剰端部43が溝部74から抜け出やすくなり、第1加飾中間体42が、装着された金型(第2金型70)から脱落しやすくなる。また、余剰端部43と溝部74の内壁面との隙間Gに流入する溶融樹脂80の量が多くなる。
また、各溝部74の深さdは、キャビティC内で第1加飾中間体42が第1金型60側へ動いても、余剰端部43が溝部74から抜け出ない値に設定されている。こうした条件を満たす値として、深さdは5〜20mmに設定されている。
そして、金型装置が閉じられたときには、図6に示すように成形突部72の大部分が成形凹部62内に入り込み、それら成形凹部62の内壁面と成形突部72の外壁面との間にキャビティCを形成する。このキャビティCは、上記リブ23を含め第1外殻中間体40に対応した断面形状、すなわち断面略円弧状をなしている。
第2金型70内の所定箇所には、溶融樹脂80を上記キャビティCに導くためのゲート75が設けられている。このゲート75は、成形突部72の頂部72Aにおいて、成形凹部62の最も深い箇所62Aに向けて開口している。なお、図示はしないが、第1金型60には、射出装置のノズルが接触する樹脂注入口が設けられている。また、この樹脂注入口と上記ゲート75とを繋ぐランナが第1金型60及び第2金型70内に設けられている。
次に、上記2種類の金型装置を用いて第1外殻中間体40及び第2外殻中間体50を成形する手順について説明する。なお、この手順は、成形の対象(第1外殻中間体40及び第2外殻中間体50)に拘わらず略同様である。そのため、ここでは、第1外殻中間体40を成形する手順についてのみ説明する。
まず、図8に示すように、第2金型70を下動させて第1金型60から下方へ離間させ(金型装置を開き)、第1加飾中間体42を第2金型70に装着する。この装着に際しては、図9において二点鎖線で示すように、第1加飾中間体42を、その断面形状が倒立U字状となるように姿勢を整える。図9において矢印で示すように、成形突部72の上方から第1加飾中間体42を降ろす。この過程で、第1加飾中間体42によって成形突部72が覆われる。そして、第1加飾中間体42の各余剰端部43を、対応する溝部74内に挿入する。この際、各余剰端部43は、図9において実線で示すように溝部74の内底面に接触する位置まで挿入されてもよいし、溝部74の深さ方向の途中まで挿入されてもよい。溝部74に対する余剰端部43の挿入深さは大まかでよい。
なお、上記の第1加飾中間体42の装着作業は、例えば作業員の手作業によって行われてもよいし、機械によって自動的に行われてもよい。手作業により行う場合、作業者は第2金型70を見下ろしながら、余剰端部43を溝部74に挿入することで、両溝部74及び両余剰端部43の位置関係を視認しつつ挿入作業を行うことが可能である。
上記のように各余剰端部43が対応する溝部74に挿入されることで、第1加飾中間体42は第2金型70に装着される。第1加飾中間体42は、その余剰端部43が溝部74から抜け出にくく、第2金型70に装着された状態に保持される。特に、上記余剰端部43の挿入方向は、第1加飾中間体42において重力の作用する方向と同じである。そのため、両方向が異なっている場合、例えば第1金型60及び第2金型70が水平方向に相対移動される場合等に比べ、各余剰端部43が溝部74から抜け出にくく、第2金型70に対する第1加飾中間体42の装着状態の保持が確実に行われる。
続いて、図10において矢印で示すように、第2金型70を上動させて第1金型60に接近させる。この接近の途中で、上記第1加飾中間体42及び成形突部72が成形凹部62内に入り込んでいく。図11に示すように、パーティング面71がパーティング面61に接触すると、金型装置が閉じられた状態となる。第2金型70が上動を開始してから上記金型装置が閉じられるまでの期間には、第1加飾中間体42は、上記のように余剰端部43が溝部74に挿入されて第2金型70に装着された状態に保持されるため、同第2金型70から脱落しにくい。
金型装置が閉じられた状態では、成形凹部62と成形突部72との間に断面略円弧状のキャビティCが形成される。このとき、第1加飾中間体42は、その大部分が成形凹部62の内壁面と成形突部72の外壁面との間に位置し、かつ両余剰端部43が溝部74内に位置した状態、すなわち位置決めされた状態となる。このように、溝部74のない場合よりも、キャビティC内における第1加飾中間体42の位置が決まりやすい。この段階では、多くの場合、図11に示すように第1加飾中間体42の意匠面は成形凹部62の内壁面から離間している。
そして、図12に示すように、ゲート75を通じて溶融樹脂80を、上記のように第1加飾中間体42がインサートとして配置されたキャビティC内に供給する。この際、溶融樹脂80は、図12において矢印で示すように、成形突部72の頂部72Aにおけるゲート75の開口75Aから、成形凹部62の最も深い箇所62Aに向けて流れる。この溶融樹脂80により、第1加飾中間体42がその略円弧状断面の外周縁に沿う方向についての中央部分において上方へ押され、断面略円弧状をなす第1加飾中間体42がバランスよく成形凹部62に押し付けられる。キャビティCへの溶融樹脂80の流入が進むにつれ、この押しつけが第1加飾中間体42の全体にわたって行われ、第1加飾中間体42の意匠面の全体が成形凹部62の内壁面に密着する。そのため、溶融樹脂80が第1加飾中間体42の意匠面と成形凹部62の内壁面との間に入り込みにくい。第1加飾中間体42の意匠面上に溶融樹脂が付着しにくい。
ここで、第1加飾中間体42の余剰端部43が溝部74に挿入された状態では、同余剰端部43と溝部74の内壁面との間に僅かに隙間Gが生ずる。そのため、上記余剰端部43は溝部74内で移動し得る。上記のようにキャビティC内へ溶融樹脂80が供給されて、第1加飾中間体42が溶融樹脂80によって押された場合、余剰端部43が溝部74内で微動することで、第1加飾中間体42の全体が第1金型60側へスムーズに移動する。余剰端部43が溝部74内で動きにくい又は動けない場合とは異なり、第1加飾中間体42に対し溶融樹脂80の流動による過大な力が加わりにくい。
また、上記溶融樹脂80の一部が上記隙間Gに流入しても、その隙間Gが狭いため、ここに流入する溶融樹脂80の量は少ない。
また、上記第1加飾中間体42の上方への移動に伴い余剰端部43もまた上方へ動くが、溝部74から抜け出ることはない。溶融樹脂80がキャビティCに充填され、硬化することで、第1加飾中間体42の反意匠面側には、断面略円弧状をなし、かつ端部にリブ23を有する第1基材中間体41が、同第1加飾中間体42に密着した状態で成形される。この成形により、図6に示すように、第1基材中間体41の外側に第1加飾中間体42を積層してなる第1外殻中間体40が得られる。この第1外殻中間体40では、第1基材中間体41の端面41Aは、キャビティCの一部を形成する第2金型70によって適正な箇所、すなわち第1基材部21の端面21A(図3(B)参照)となる箇所に精度よく形成されている。また、上記余剰部45により、余剰端部43の端面43A(図4参照)は第1加飾部22の端面22A(図3(B)参照)よりも下方に位置している。同端面43Aが端面22Aよりも上方に位置することはない。
ここで、第1外殻中間体40の成形は、上記のように第1加飾中間体42がキャビティC内に位置決めされたうえで行われている。そのため、得られた第1外殻中間体40においても、第1加飾中間体42は第1基材中間体41に対し適正な箇所に位置している。
上記第1外殻中間体40の成形後、第2金型70を下動させる。この下動により、第1外殻中間体40が第2金型70に付いたまま金型装置が開かれる。図示しない突き出し機構を作動させて、成形突部72、凹部73及び溝部74から第1外殻中間体40を取り出す。そして、ゲート75により形成された余分な樹脂部分を、切削等により除去する。図4は、この段階での第1外殻中間体40を示している。
さらに、第1外殻中間体40の端末処理として、同第1外殻中間体40の両端部における余剰部45,45を切削等により除去する。ここで、上述したように、余剰端部43の端面43Aは必ず第1加飾部22の端面22Aよりも車両前側に位置している。そのため、端末処理が行われる前の段階で、端面43Aが端面22Aよりも車両後側に位置することはない。
そして、上記切削等が適正に行われると、図3(A)及び(B)に示すように、第1加飾部22の端面22Aが、第1基材部21の端面21Aと同一平面上に位置した、すなわち、端面22Aがきれいに揃えられた第1外殻部材20が得られる。
ところで、図4に示すように各余剰部45では、余剰端部43上に余剰樹脂部44が形成されているものの、この余剰樹脂部44は上記除去により第1加飾中間体42から分離される。また、仮に、余剰樹脂部44の形成過程で、余剰部45の表面に汚れ成分が付着しても、この余剰部45は上記除去により第1加飾中間体42から分離される。
このようにして得られた第1外殻部材20は、図3(A)に示すようにリム部13の製造に際し、軟質部17における車両後側の部分に被せられる。また、第2外殻部材30は、軟質部17における車両前側の部分に被せられる。各リブ23が対応する凹部33に嵌合され、第1外殻部材20及び第2外殻部材30が相互に接合される。この状態では、図2に示すように、第1加飾部22の端面22Aと第2加飾部32の端面32Aとが隙間のない状態で密着する。そのため、第1外殻部材20及び第2外殻部材30の接合部分において、両端面22A,32A間を通じて第1基材部21及び第2基材部31が見えることはない。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。なお、下記の(1)〜(10)は、第1外殻中間体40を成形する場合の効果であるが、第2外殻中間体50を成形する場合にも同様の効果が得られる。
(1)図11に示すように、第2金型70の成形突部72の付け根部分において、リム部13の内周側近傍及び外周側近傍に対応する箇所に、成形突部72を覆った第1加飾中間体42の両余剰端部43が挿入される一対の溝部74を設けている。そのため、金型装置が閉じられた状態で、第1加飾中間体42の余剰端部43を溝部74に挿入させることで、第1加飾中間体42のキャビティCにおける位置決めを行うことができる。その結果、高い精度で第1加飾中間体42の位置決めを行うために特別な手段(機構、装置等)を別途採用しなくてもすむ。
そして、キャビティC内に溶融樹脂80を供給し、第1加飾中間体42を成形凹部62の内壁面に密着させた状態で溶融樹脂80を硬化させることで、図6に示すように、断面略円弧状をなす第1基材中間体41と、その外側の適正な箇所に積層された第1加飾中間体42とからなる第1外殻中間体40を成形することができる。
(2)第1外殻中間体40の成形に際し、第1加飾中間体42の装着される対象としては、第1金型60及び第2金型70が挙げられる。本実施形態では、図9に示すように、溝部74を有する側の金型である第2金型70を第1加飾中間体42の装着対象としている。そのため、第1加飾中間体42の両余剰端部43を第2金型70の両溝部74に挿入するという簡単な作業を行うことで、成形突部72を覆った状態で第1加飾中間体42を第2金型70に装着するとともに、第1加飾中間体42をその装着状態に保持することができる。
(3)第1金型60を固定型とし、第2金型70を可動型としている。そして、上述したように、余剰端部43を溝部74に挿入することで、第1加飾中間体42を第2金型70に装着された状態に保持している。そのため、第1加飾中間体42の装着された第2金型70が、図10に示すように金型装置を閉じるために移動しても、第1加飾中間体42が第2金型70から脱落しにくくなる。
(4)キャビティCに溶融樹脂80を導くゲート75を、溝部74を有する側の金型である第2金型70に設けている。このため、図12に示すように、ゲート75からキャビティCに供給される溶融樹脂80によって第1加飾中間体42を内側(反意匠面側)から外側(意匠面側)へ向けて押して、第1加飾中間体42を成形凹部62の内壁面に密着させることができ、第1加飾中間体42の位置決めの精度を向上させることができる。
(5)図11に示すように、ゲート75を、成形突部72の頂部72Aにおいて、成形凹部62の最も深い箇所62Aに向けて開口させている。そのため、断面略円弧状をなす第1加飾中間体42を、その略円弧状断面の外周縁に沿う方向についてバランスよく成形凹部62に押し付けることができ、第1加飾中間体42の位置決めの精度を一層向上させることができる。
(6)第1金型60及び第2金型70を、鉛直方向へ相対移動させることにより開閉させるタイプとしている。そのため、図9に示すように、手作業により第1加飾中間体42を第2金型70に装着する際に、両溝部74及び第1加飾中間体42の両余剰端部43の位置関係を視認しつつ作業を行うことができ、第1加飾中間体42の第2金型70に対する装着作業性を向上させることができる。
(7)図10に示すように、溝部74を有する側の金型である第2金型70を第1金型60の下側に配置している。この配置により、第1加飾中間体42における余剰端部43の溝部74に対する挿入方向と、重力の作用する方向とを合致させている。そのため、上記両方向が異なっている場合、例えば、第1金型60及び第2金型70が水平方向に並べられた状態で配置された場合等に比べ、第1加飾中間体42を溝部74から抜け出にくくし、第2金型70に装着された第1加飾中間体42の脱落を抑止することができる。
(8)第1加飾中間体42について、溝部74に挿入された両余剰端部43(図4参照)を、第1外殻中間体40の成形後に除去するようにしている。そのため、余剰端部43と溝部74の内壁面との間に溶融樹脂が入り込んで硬化するものの、意匠性の低下を解消することができる。また、余剰端部43が、溝部74への挿入にともない又は挿入されているときに汚れても、意匠性の低下を解消することができる。
(9)図3(B)及び図7に示すように、溝部74の幅wを、第1加飾中間体42の厚みt1よりも0.5〜1.0mm大きく設定することで、第1加飾中間体42の余剰端部43が溝部74内で動けるようにしている。そのため、第1加飾中間体42が溶融樹脂80によって押されたとき、第1加飾中間体42の全体を第1金型60側へスムーズに移動させることができる。第1加飾中間体42、特に余剰端部43に過度な力が加わるのを抑制することができる。
また、第1加飾中間体42の余剰端部43と溝部74の内壁面との隙間G(図11参照)に流入する溶融樹脂80の量を少なくすることできる。
(10)上記(9)に関連するが、溝部74において、第1加飾中間体42の余剰端部43に形成される樹脂が薄いため、余剰端部43を除去する端末処理を容易に行うことができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・第2金型70におけるゲート75を上記実施形態とは異なる箇所で開口させてもよい。この場合には、キャビティCへの溶融樹脂80の流入位置及び流入方向が上記実施形態とは異なったものとなる。しかし、キャビティCに流入した溶融樹脂80によって第1加飾中間体42を成形凹部62の内壁面に押し付ける効果は得られる。
・本発明は、第2金型70が第1金型60の上側に配置された金型装置にも適用可能である。この場合、成形突部72及び溝部74は第2金型70の下面側に設けられる。第1加飾中間体42の余剰端部43の溝部74への挿入を手作業により行う場合には、作業者は第2金型70を見上げながら、同余剰端部43を溝部74に挿入することになり、両溝部74,74と、両余剰端部43,43との位置関係を視認しつつ挿入作業を行うことができ、第1加飾中間体42の第2金型70に対する装着作業がしやすい。
・本発明は、第1金型60及び第2金型70が水平方向に並べられた状態で配置されて水平方向に開く、いわゆる横開き式の金型装置にも適用可能である。この場合、第1加飾中間体42の余剰端部43は、第2金型70において水平方向を深さ方向とする溝部74に挿入されて、第1加飾中間体42が第2金型70に装着された状態に保持される。そのため、第1金型60及び第2金型70が鉛直方向に並べられて配置される上記実施形態ほどではないものの、第1加飾中間体42が第2金型70から脱落する不具合は起こりにくい。また、溝部74の幅wが、第1加飾中間体42の厚みt1よりも僅かに大きいことも、第1加飾中間体42の溝部74からの抜け落ちを抑制するうえで有効である。
・キャビティCの形成に先立ち第1加飾中間体42が装着される金型を、第2金型70(可動型)に代えて第1金型60(固定型)としてもよい。この場合、第1加飾中間体42の大部分を第1金型60の成形凹部62内に入り込ませて配置し、同第1加飾中間体42の余剰端部43を成形凹部62から露出させる。ただし、この場合には、第2金型70を第1金型60に接近させる過程で、第1加飾中間体42の余剰端部43が第2金型70の溝部74に確実に入り込むように、同余剰端部43の位置等を調整する必要がある。
上記のように固定型(第1金型60)側に第1加飾中間体42を装着すると、その装着後に、第1加飾中間体42が固定型(第1金型60)とともに移動することはない。第1加飾中間体42が装着当初の姿勢を維持する。そのため、同じ態様で第1加飾中間体42が装着されていることを前提とすると、第1加飾中間体42は可動型に装着された場合よりも脱落しにくいといえる。
・本発明は、第1金型60を可動型とし、第2金型70を固定型とした金型装置にも適用可能である。この場合には、第1加飾中間体42を第2金型70(固定型)に装着した状態で、第1金型60(可動型)を第2金型70に接近させることにより、金型装置を閉じるようにしてもよい。
本発明を具体化した一実施形態におけるステアリングホイールの概略正面図。 図1の2−2線に沿ったリム部の断面構造を示す部分断面図。 (A)は、軟質部に第1外殻部材及び第2外殻部材を装着する前の状態を示す部分分解断面図、(B)は(A)におけるX部を拡大して示す部分断面図、(C)は(A)におけるY部を拡大して示す部分断面図。 第1外殻中間体の断面構造を示す部分断面図。 第2外殻中間体の断面構造を示す部分断面図。 金型装置により第1外殻中間体を成形した状態を示す部分断面図。 図6におけるZ部を拡大して示す部分断面図。 金型装置を開いた状態を示す部分断面図。 第2金型に第1加飾中間体を装着した状態を示す部分断面図。 第1加飾中間体の装着された第2金型を上動させて第1金型に接近させる状態を示す部分断面図。 金型装置を閉じた状態を示す部分断面図。 溶融樹脂をキャビティに供給し、第1加飾中間体を押し上げて成形凹部の内壁面に密着させる状態を示す部分断面図。
符号の説明
12…ステアリングホイール、13…リム部、20…第1外殻部材、21…第1基材部、22…第1加飾部、30…第2外殻部材、31…第2基材部、32…第2加飾部、40…第1外殻中間体、41…第1基材中間体、42…第1加飾中間体、43,53…余剰端部(端部)、50…第2外殻中間体、51…第2基材中間体、52…第2加飾中間体、60…第1金型、62…成形凹部、62A…箇所、70…第2金型、72…成形突部、72A…頂部、74…溝部、75…ゲート、75A…開口、80…溶融樹脂、C…キャビティ、w…幅。

Claims (9)

  1. リム部の表面部分が、一対の外殻部材をそれらの対向する端部において相互に接合させることにより構成され、
    前記各外殻部材が、合成樹脂により形成された基材部と、前記基材部の外側に積層された加飾部とを備えるステアリングホイールについて、前記各外殻部材を成形する際に用いられるものであり、
    成形凹部を有する第1金型と、
    成形突部を有し、前記成形凹部との間にキャビティを形成する第2金型と
    を備え、前記キャビティに前記加飾部が配置された状態で同キャビティに溶融樹脂が充填されることにより前記外殻部材を成形するようにした金型装置であって、
    前記第2金型における前記成形突部の両側のそれぞれの付け根部分近傍に、前記成形突部を覆った前記加飾部の両端部のそれぞれが挿入される溝設けられ、
    前記第2金型の前記両溝部には、前記キャビティの形成に先立ち、前記加飾部の両端部が挿入されることにより同加飾部が装着され、
    前記キャビティの形成後同キャビティ内に前記溶融樹脂が充填されて、前記加飾部が挿入された両溝部には、同溝部の内底面から離間した位置に前記加飾部の端部が位置し、
    前記加飾部の端部より先端には、溶融樹脂の余剰樹脂部が形成されるように構成されることを特徴とする金型装置。
  2. 前記第2金型において、前記溝部と前記成形突部の付け根部分との間には、同溝部開口と成形突部の付け根部分とを繋ぐ平面が形成され、
    前記平面は、前記基材部の端面と面一となるように構成されるものである請求項1に記載の金型装置。
  3. 前記第1金型は固定型であり、前記第2金型は可動型である請求項2に記載の金型装置。
  4. 前記第2金型には、前記キャビティに溶融樹脂を導くゲートが設けられている請求項1〜3のいずれか1つに記載の金型装置。
  5. 前記外殻部材は略円弧状の断面形状を有し、前記成形凹部及び前記成形突部はそれぞれ略半円形の断面形状を有しており、前記ゲートは、前記成形突部の頂部において、前記成形凹部の最も深い箇所に向けて開口している請求項4の記載の金型装置。
  6. 前記第1金型及び前記第2金型は鉛直方向へ相対移動させられることにより開閉されるものである請求項2〜5のいずれか1つに記載の金型装置。
  7. 前記第2金型は、前記第1金型の下側に配置されている請求項6に記載の金型装置。
  8. 前記加飾部の両端部について、前記溝部に挿入された箇所は、前記外殻部材の成形後に除去されるものである請求項1〜7のいずれか1つに記載の金型装置。
  9. 前記溝部は、前記加飾部の厚みよりも0.5〜1.0mm大きな幅を有する請求項1〜8のいずれか1つに記載の金型装置。
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