JP5045084B2 - 流体圧アクチュエータ - Google Patents

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本発明は、狭い隙間に設置可能な薄型の流体圧アクチュエータに関するものである。
汎用的な油圧シリンダなどの流体圧アクチュエ−タは、図8に示すような構造により、高圧な内圧や外力に対する剛性を確保している。
図8は、油圧シリンダなどの流体圧アクチュエータの一例を示す図である。このシリンダは両端が開放された筒状のシリンダチューブと、シリンダ内部を摺動するピストンと、ピストンに固着され外部に推力を取り出すロッドと、シリンダ開放端のロッド側を密封し内部をロッドが摺動可能に貫通するヘッドカバーと、ロッド側と反対側のシリンダ開放端を密封するキャップカバーと、シリンダチューブを強固に密封するためヘッドカバーとキャップカバーをシリンダチューブの外側で接続し引っ張るタイロッドと、ピストンに装着されたピストンパッキンと、ヘッドカバーに装着されたヘッドパッキンなどから構成されている。
このシリンダは、ロッド伸長時にはキャップ側ポートに圧油を供給し、ロッド側ポートから排油する。逆にロッド収縮時にはロッド側ポートに圧油を供給し、キャップ側ポートから排油する。
図8の構成の中で、ピストンの伸縮(ストローク)を制限する部材がヘッドカバー、キャップカバーおよびタイロッドであり、作動流体の圧力が高圧になるほど、また同じ圧力では、ピストンの受圧面積が大きくなるほど、ヘッドカバーとキャップカバーはストローク方向のカバーの厚みを大きくしなければならず、その結果シリンダ全体のストローク方向の長さを短くすること、すなわちシリンダを薄くすることが困難となる。
しかるに重量物を微小量だけリフトアップする薄型の油圧ジャッキや、圧延機内でロールチョックを固定する薄型のクランプシリンダ等、薄型の流体圧アクチュエータに対するニーズがある。
こうしたニーズに対して、シリンダを薄くした例として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。図9は、特許文献1に示された薄型シリンダの断面図である。図9に示すように、一端が開放され他端が底壁部により閉じられたシリンダ本体と、シリンダ本体の内面に、凹型の有底リング状ピストンを気密かつ摺動自在に収納し、前記シリンダ本体底壁部に立設され、前記ピストンの中央部を気密かつ摺動自在に貫通するガイドロッドと、ガイドロッドの先端に固着されたヘッドカバーから構成された薄型シリンダ(流体圧アクチュエータ)が考案されている。
さらに、圧延機のハウジング側に設けられる固定プレートおよび可動プレートから構成され、これらのプレートにシリンダおよびピストンが形成されたハウジングライナーと、前記ピストンに与圧を付与するための与圧機構と、前記シリンダに液圧を供給して前記ピストンを移動させて、前記ハウジングライナーが前記ロールチョックに接地しまたは所定幅になった時点で液圧の供給を停止して前記シリンダ内の液を封止する液圧供給手段とを備えた油圧シリンダが考案されている(例えば、特許文献2参照)。
なお、日本工業規格のJIS B0142では、「ピストンロッドが出ている側」を「ヘッド側」、「ピストンロッドが出ていない側」を「キャップ側」と呼んでいるが、従来規格では、それぞれロッド側、ヘッド側と呼んでいたため、ロッドが出ている側の表記が「ヘッド」「ロッド」と複数あって混同しやすい。
本明細書では、例えば、ロッド側のカバーの意から「ロッドカバー」と表記するとともに、引用文献に合わせて「ヘッドカバー」とも表記するように、ピストンロッドが出ている側は「ロッド」若しくは「ヘッド」という双方の表記を用いている。しかしながら、反対側のピストンロッドが出ていない側は、「キャップ」と単独の表記にしているため、当業者であれば文意から判断可能なものであると考える。
特開2002−276614号公報 特開2001−340907号公報
特許文献1に示された薄型シリンダでは、図9に示すようにピストンとロッドを兼ねた凹型の有底リング状ピストンを有し、凹部の内部にヘッドカバー(図8に示した汎用シリンダのヘッドカバーに相当する)を配しているため、ストローク方向の寸法を小さくし、シリンダ全長を薄くすることができるが、実際に、第1圧力室が加圧され、シリンダが最大伸長になる前にピストン先端が外力を受けて第1圧力室がさらに高圧になると、この高圧を、非常に薄いピストン底壁部も受けることになり、その薄さから耐えられる圧力は大きくできず、したがって、第1圧力室はあまり高圧にすることができないという問題がある。
ピストン底壁部を厚くする代わりに同じストロークを得るためにヘッドカバーを薄くしても、最大伸長によりピストンがヘッドカバーに突き当たる場合に今度は、第1圧力室の高圧により薄いヘッドカバーがピストン伸長方向に圧力を受けることになり、その薄さから耐えられる圧力は大きくできず、したがってヘッドカバーはあまり薄い構造にすることができない。
また、シリンダ中央部に固定のガイドロッドがあるため、ピストン底壁部の受圧面積が小さくなり、シリンダ外径に比して推力が出せない。そこで、ピストン底壁部の受圧面積を大きくすべくガイドロッドを細くしようとすると、ピストンが伸長した際にヘッドカバーに突き当たり、ピストン底壁部に加圧された推力がヘッドカバーに伝わり、ヘッドカバーをシリンダ底壁部に固着しているガイドロッドに推力が加わるので結局ガイドロッドを細くはできないことになる。
なお、ガイドロッドをシリンダ底壁部にボルト締結している場合は、ボルトのネジ山で全てのシリンダ推力を受けることになるため、強靭な構造とは言えない。
上記の理由により、特許文献1に示された薄型シリンダ(流体圧アクチュエータ)では、結局シリンダ外径に比して推力を大きくすることができない。
したがって、このような薄型シリンダをロールチョック固定装置に適用した場合、大荷重が必要な場合は、肉厚強化したシリンダをロールチョック固定装置に適用することになるので、ロールチョック固定装置をブロックに埋め込むためには、ロールチョック固定装置の厚みが大きいために、ブロック自体を新規に製作するか、既存のブロックを改造する場合でも、チョック固定装置が埋め込めるような寸法の追加工が必要となり、多大な設備投資が必要である。
一方、特許文献2に示された油圧シリンダでは、通常はシリンダの最大伸長はロールチョックとハウジングの隙間より大きくするので、ロールチョックがハウジング内に挿入されていれば最大伸長にならないため、ストッパー機構部に荷重が掛かることはなく、ピストン加圧部の肉厚構造で耐えうる最大圧力を掛けることができる。
したがって、ロールチョックの有無を検出するセンサによって、加圧の最大圧力を制御(調整)することで、ロールチョックが無い場合にはストッパー機構部が耐えうる低圧にし、ロールチョックが挿入されている場合だけ高圧にすることは可能である。
しかし、このようなセンサや制御といった手段は、誤動作などの異常事態が避けられないので、圧延機保全時などロールチョックが無い場合に誤動作するとストッパー機構部が破損し重大事故につながる可能性がある。
このため、ロールチョックに接触している程度すなわちロールチョックとハウジングとの間の隙間を詰めるだけで、積極的にロールチョックをそこから押すことができなかった。
最大圧力を増大させて大荷重にしたいというニーズに対しては、圧延機の異常時や保全時などの負荷抵抗体無の時に最大伸長した場合、ストッパー機構部がピストン荷重に耐えられないので実現できないという問題があった。このように、シリンダを薄型にするには強度上の課題がある。
また、圧力を受けるパッキンの構造は、図8や特許文献1のように、従来からピストンパッキンはピストン側に装着し、ロッドパッキンはロッドカバー(ヘッドカバー)に装着するのが一般的である。
図7は、従来のピストンパッキンの装着例を示す図である。ピストンに加わる圧力は、ピストンとシリンダチューブの隙間に入り、ピストンパッキン溝のOリングをチューブの摺動面に押し付け流体を密封する。図7(a)では、Oリングが隙間にはみ出すのを防止するバックアップリングが備えられている。図7(b)では、Oリングと摺動面が直接摩擦するのを防ぐ樹脂製リングが備えられている。
ここでパッキンとは、単体の部材を示すものではなく、上記のようにOリング、バックアップリング、樹脂リングの他、Tリング、Uパッキン、ダストシールなど、様々な単体および組み合わせが考えられる。
このように従来においては、いずれのパッキンにおいても、ピストンパッキンはピストン内に装着し、ロッドパッキンはロッドカバー内に装着しているため、ピストンやカバーの厚みからパッキン溝の幅を確保した残りの肉厚で、パッキンの受圧に対する剛性を得る必要がある。
つまりパッキン溝両側の壁のうち、高い圧力を受ける側の受圧壁αは、圧力で変形しない十分な肉厚が必要となる。図7(c)では、パッキン溝の受圧壁αの肉厚が小さく、受圧により変形が生じている例を説明している。
また、パッキン溝の受圧壁αが十分である場合でも、図7(d)のように、ピストンの断面積とロッドの断面積に大きな差があると、ロッド先端からの反力でピストン全体が変形してしまう。
従って、ピストンにピストンパッキンを装着する場合は、(パッキン溝の受圧壁αの厚み+パッキン溝の幅W1+パッキン溝の受圧壁βの厚み)、若しくはピストンの推力に耐える肉厚Phd、によりピストンの厚み寸法Pが決定するため、ピストンのストロークと関係なく、シリンダ薄型化に限界が生じる。
次に、ロッドパッキンの場合を考えることにする。図6は、従来のロッドパッキンの装着例を示す図である。図6(a)の場合は、図のようにロッドカバーにロッドパッキンを装着するため、ロッドカバーのロッド圧力を受ける側の受圧壁γに肉厚を要する。このときロッドに引張荷重が加わらない場合のように、ロッド圧力がピストン引き戻しの圧力のみであれば、一般的にキャップ圧力よりロッド圧力は低圧となり、ロッド圧力に応じてロッドパッキン溝の幅W2も受圧壁γの肉厚も薄くすることができる。
ただし、ロッド圧力が低圧でロッドパッキンの溝幅W2とロッドカバーのパッキン溝の受圧壁γを薄くできる場合においても、図6(b)のように、ピストンがストロークエンドに達するとロッドカバーに推力が加わるため、キャップ圧力に対する剛性がロッドカバー全体に必要とされる。
従って、従来のようにロッドパッキンをロッドカバーに装着する場合は、(パッキン溝の受圧壁γの厚み+パッキン溝幅W2+パッキン溝の受圧壁δの厚み)、若しくはピストン推力に耐える肉厚Eha、によりカバーの厚み寸法Eが決定するため、ピストンのストロークと関係なく、ロッドカバーも薄型化に限界が生じる。
つまり、従来のパッキン装着方法の場合、圧力条件が同じであれば、ストローク長短の量で変わるのはシリンダチューブの長さ(厚み)寸法だけであり、薄型シリンダで極端にストロークが短い場合にも、ピストンの厚みやロッドカバーの厚みを薄くすることができない(図5(a):ストロークSt大、図5(b):ストロークSt小の場合とも)。なお、図5において、ロッドパッキンより外側にダストシール等のパッキンを装着しているが、ダストシールの溝幅と溝幅両側の壁の肉厚がロッドカバーの肉厚に追加されることは自明である。
従来技術における課題を具体的に説明するため、図5(b)の詳細な寸法例を入れた図を図5(c)として示している。パッキンのストローク方向の寸法Wは、一般的に圧力と装着するパッキン溝の直径によって決定されるため、ピストンパッキン溝の幅はW1、ロッドパッキン溝の幅はW2で、ストロークStに関係なく固定値となる。ダストシールの幅は、キャップ圧力やロッド圧力とは関係なく、周囲環境の粉塵や水分等により寸法が前後するが、主に装着するパッキン溝の直径によってW3と決定する。
図5(c)のうち、最大キャップ圧により、キャップカバーの厚みt0、ピストンパッキン溝の幅W1、ピストンパッキン溝のロッド側厚み(受圧壁αの肉厚)許容値Phb、ロッドカバーの厚み許容値Ehaが決まり、最大ロッド圧により、ロッドパッキン溝の幅W2、ロッドパッキン溝の外側厚み(受圧壁γの肉厚)許容値Rrcが決まる。つまり、ピストン厚みPは、パッキン溝部の寸法から決定する場合、図7(c)のようにならないように、受圧壁αの肉厚を許容値Phb以上にし、且つ、キャップ圧力によるピストン変形防止から決定する場合、図4のようにロッドに荷重が加わることによるピストン変形がないよう、ピストン厚みPをピストン厚み許容値Phd以上にする。
従って、ピストン厚みPは、以下の(1)式のように表わすことができる。
P = max ( Phd, Phb+W1+t1 ) ・・・・・・・・・・(1)
一方、ロッドカバーの厚みEは、パッキン寸法から決定する場合、図5(c)のように、ロッドパッキンの厚みW2、ロッドパッキン溝の大気側厚み(受圧壁γの肉厚)許容値Rrc、ロッドパッキン溝のロッド圧力室側厚み(受圧壁δの肉厚)t2、ダストシール溝の幅W3、ダストシール溝の大気側厚みt3の和以上とし、且つ、キャップ圧力によるロッドカバー変形防止から決定する場合、図6(b)のようにならないよう、ピストン推力に耐える肉厚許容値Eha以上にする。
従って、ロッドカバーの厚みEは、以下の(2)式のように表わすことができる。
E = max ( Eha, W2+Rrc+t2+W3+t3 ) ・・・・・・・・・・(2)
以上より、従来のシリンダの全長(厚さ)Hは、シリンダのストロークをStとすると、以下の(3)式のように表わすことができる。
H = t0+St+P+E ・・・・・・・・・・(3)
このように従来技術の場合、ピストン厚みP((1)式)もロッドカバーの厚みE((2)式)も、ストロークStの関数ではなく、シリンダの全長HはストロークStが変わった分だけしか変えられないので、ストロークStが小さい場合においても、ピストン厚みPやロッドカバーの厚みEを薄くすることはできない。
このように、従来技術におけるシリンダ薄型化では、圧力条件(荷重条件)に応じた各部の厚み低減のみで、ピストンストロークに応じてピストンの厚みやロッドカバーの厚みを薄くすることが考えられていなかった。
薄型で大荷重を支持できるアクチュエータであれば、既存のブロックに最小限の追加工でチョック固定装置を埋め込むことが可能となるが、特許文献1および特許文献2に示された従来技術では、薄型という寸法制限と大荷重を支持できるという荷重制限を両立する適切なアクチュエータにはなり得なかった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、大荷重を支持できるような薄型の流体圧アクチュエータを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明は、以下のような特徴を有する。
本発明の請求項1に係る発明は、シリンダチューブの一端をキャップカバーで閉じたシリンダ本体と、シリンダ本体内に摺動可能に配されるピストンと、ピストンの伸長側に配されるロッドと、内側をロッドが摺動可能にシリンダチューブの他端を閉じるロッドカバーと、シリンダ本体内でシリンダチューブとキャップカバーとピストンとの間に構成されるキャップ圧力室と、シリンダ本体内でシリンダチューブとロッドカバーとピストンとロッドの間に構成されるロッド圧力室とを備えた流体圧アクチュエータにおいて
リンダチューブ側に装着したピストンパッキンと、ロッド側に装着したロッドパッキンとを備え、
キャップ圧を受けるピストンパッキンの受圧壁をロッドカバーで支持することを特徴とする流体圧アクチュエータである。
また本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の流体圧アクチュエータにおいて
ストンパッキンに対峙するピストンの摺動面と、ロッドパッキンに対峙するロッドカバーの摺動面とが、ストローク方向にオーバーラップしていることを特徴とする流体圧アクチュエータである。
本発明は、流体圧アクチュエータのパッキン装着に工夫をするようにしたので、例えば35MPa以上となる高圧な流体圧においても保持が可能であることを確認し、大荷重を支持できるような薄型の流体圧アクチュエータを提供することができた。本発明は、例えば圧延機のロールチョック固定装置として適用できる。
従来技術のシリンダをふまえて、本発明を実施するための最良の形態について、以下説明を行う。図5(c)に示した従来のシリンダと同じ構成で比較するため、ストロークStや、構成される部品、ピストンパッキンW1、ロッドパッキンW2などは、従来技術と同じものとする。また、ピストン変形がないピストン厚み許容値Phdや、ピストン推力に耐える肉厚許容値Eha、ロッドパッキン溝の大気側厚み(受圧壁γの肉厚)の許容値Rrcも、従来技術と同一とする。 キャップ圧を受けるパッキン溝の受圧壁αについては、従来の場合、その肉厚Phb自体で剛性を持つ必要があったが、本発明の場合、受圧壁αはロッドカバーとその固定ボルトにより支持されているため、必要肉厚はその分薄くPhb’となる。
図3は、本発明の実施形態1を示す断面図であり、ピストンパッキンをチューブに装着した場合の流体圧アクチュエータの構造例を示している。図中、1はピストン、2はピストンパッキン、3はキャップカバー、4はキャップ圧力室、5はシリンダチューブ、6はロッド、7はロッド圧力室、8はロッドカバー、9はロッドパッキン、および10はダストシールをそれぞれ表わす。
ピストンパッキン2を、ピストン1に対峙するシリンダチューブ5に装着しており、ロッドパッキン9は従来どおりロッドカバー8に装着している。従来、ピストン内にパッキンを装着していたとき必要だった、パッキン溝の壁βの厚みt1が不要となっている。また、従来のパッキン溝の受圧壁αの厚みPhbは、ロッドカバーとその固定ボルトにより支持されるため、必要肉厚はその分薄くPhb’となる。
本実施形態1の場合、ピストンの厚みP’は、ピストン自体の強度厚みや、チューブ側に装着したピストンパッキンやパッキン溝の受圧壁の肉厚、ストローク最大最小でもピストンがパッキンに当接するような位置関係から、必要となる最大の厚みとしなければならない。
すなわち、ピストン自体の強度を確保する厚み許容値Phdと(図4参照)、チューブ側に装着した、ピストンパッキン装着部の寸法W1+Phb’、ストロークしたときのパッキン摺動部の寸法W1+Stのうち最も大きいものが必要となり、ピストンの厚みP’は、以下の(4)式で表わされる(ピストンの厚みP’がストロークStの関数となる)。
P' = max ( Phd, W1+Phb’, W1+St ) ・・・・・・・・・・(4)
本発明では薄型のシリンダを想定しているため、ストロークStは比較的小さく、図3のようにピストンとロッドの断面積の差が小さい場合には、ピストンの厚み許容値を薄くできるためPhdも小さく、(4)式の関数maxで採用される値は、次の(5)式となる場合が多いと考えられる。
P’= W1 + Phb' ・・・・・・・・・・(5)
同様の仮定で、従来のピストン厚みPを表すと、次の(6)式となり、従来必要だったパッキン溝の壁t1が不要となり、チューブ側へ装着したことによる受圧壁αの肉厚減少分(Phb-Phb’)も薄くすることが可能である。
P = W1 + Phb + t1 ・・・・・・・・・・(6)
図2は、本発明の実施形態2を示す断面図であり、ピストンパッキンをピストンに対峙するチューブに、ロッドパッキンをロッドカバーに対峙するロッドにそれぞれ装着した場合の流体圧アクチュエータの構造例を示している。図中の符号は、図3と同様であり説明を省略する。
本実施形態2の場合、ロッドパッキン9がロッド6側に装着されているため、ロッドパッキンとダストシール10間のパッキン溝の壁が不要となっている。
そこでロッドカバーの厚みE’は、カバーの自体の強度厚みや、ロッドパッキンやダストシールを収める肉厚、ストローク最大最小でもロッドカバーがパッキンに当接するような位置関係から、必要となる最大の厚みとしなければならない。
すなわち、ピストン推力に耐える厚み許容値Ehaと、ロッドパッキン溝の受圧壁γの許容値Rrc、ストロークStやパッキン寸法との兼ね合いで、以下の(7)式となる。
E’ = max( Eha, Rrc+W2, t3+W3+W2+St ) ・・・・・・・・・・(7)
ピストンの厚みP’は、上述したの実施形態1と同じであり、ピストンの厚みP’及びロッドカバーの厚みE’が、ストロークStの関数となっている。
図3のように、ロッドカバーの厚み許容値Ehaを薄くできる場合で、ダストシールW3をロッドカバーに装着している場合には、(7)式の関数maxで採用される値は、パッキンを多く含むため、(8)式となる場合が多いと考えられる。
E’= t3 + W3 + W2 + St ・・・・・・・・・・(8)
同様の仮定で、従来のロッドカバーの厚みEを表すと、以下の(9)式となり、従来のロッドパッキン溝W2の壁の肉厚Rrcとt2の合計より、ストロークStが小さい分だけ、本実施形態2のロッドカバーは薄くすることが可能である。
E = t3 + W3 + W2 + Rrc + t2 ・・・・・・・・・・(9)
図1は、本発明の実施形態3を示す断面図であり、ピストンパッキンをピストンに対峙するチューブに、ロッドパッキンをロッドカバーに対峙するロッドに、それぞれ装着しているとともに、ピストンパッキンの摺動面とロッドパッキンの摺動面がLapだけオーバーラップするようになっている。
本実施形態3の場合、ピストンの厚みP”は、ピストン厚み許容値Phdにオーバーラップ量Lapを含めた厚み、パッキン装着部の寸法W1+Phb’、パッキン摺動部の寸法W1+Stのうち最も大きいものが必要となり、以下の(10)式となるため、ピストンの厚みP”がストロークStの関数となる。
P”= max ( Phd+Lap, W1+Phb’, W1+St ) ・・・・・・・・・・(10)
ロッドカバーの厚みE”は、摺動面のオーバーラップLapだけ薄くした値で、(11)式のように評価される。
E” = max( Eha, Rrc+W2-Lap, t3+W3+W2+St-Lap ) ・・・・・・・・(11)
この場合も、ピストンの厚みP”とロッドカバーの厚みE”が、ストロークStの関数となっている。従って、ストロークが一定以上長い場合は逆に不利であるが、本実施形態3は、薄型のシリンダでストロークが小さい場合を想定しているため、適用可能である。
上記、実施の形態1〜3の中から、ピストンの強度によるPhdやPhb’、ロッドカバーの強度によるEhaやRrc、摺動面オーバーラップ量Lapと、ストロークStとの兼ね合いで最もシリンダ全体が薄くなる方法をとればよい。
なお、本発明も従来技術も、キャップカバーの厚みt0はシリンダを取り付ける面の保持を得られる状況を想定して比較的薄くしているが、取り付け面の保持が不安定な場合は、相応の厚みが必要となるが、パッキンの装着方法に関わらず同じ厚みが必要となるため、上記比較とは無関係である。さらに、図中では省略したが、キャップカバーとロッドカバーを締結するタイロッドは、従来技術と同様に構成部材として必要である。
シリンダ各部の寸法を以下として、従来技術のシリンダと本発明の実施形態1〜3の場合を比較した(記号および各寸法は、図1〜3を参照)。
t0=11 mm W1=14 mm Phb= 14 mm
t1= 5 mm W2=10 mm Phb'=12 mm
t2= 3 mm W3= 7 mm Eha= 20 mm
t3= 2 mm Rrc=8 mm Phd= 16 mm
このとき、ストロークSt=0〜30mmまで変化させた場合のシリンダ全体の厚み(全長)を、従来技術と本発明で比較した実施例を、図10に示す。図10(a)では、ストロークとシリンダ厚を、長さ単位でプロットしているが、図10(b)では、従来技術でのシリンダ厚を100%としたときの実施形態1〜3でのシリンダ厚の割合で示している。従来技術のシリンダ厚は、ストロークStの分だけ長くなっているのみである。
このグラフから明らかなように、本発明はストロークが短いほど効果が高く、あるストローク以上では逆効果であることが分る。
そして、実施形態3であれば、ストロークが26mm以下の場合に、従来よりも薄くすることが可能であり、ストローク10mm以下で約20%もの低減となっている。また、実施形態2であれば、ストロークが15mm以下で、実施形態1であればストロークが19mm以下で従来よりも薄くすることが可能である。
さらに、実施形態1と実施形態2の違いである、ロッドパッキンを逆にするか否かは、上記の条件の場合、ストロークが10mm以下ではロッドパッキンも逆に装着した方がよい。
以上の実施例から、ストロークによってパッキンの装着方法を変えることで、シリンダ全体の薄型化、最小化を図ることが可能であることが確認できた。
ピストンパッキンをチューブに、ロッドパッキンをロッドにそれぞれ装着し、ピストンとロッドの摺動面をオーバーラップさせた場合の流体圧アクチュエータの構造例を示す図である。 ピストンパッキンをチューブに、ロッドパッキンをロッドにそれぞれ装着した場合の流体圧アクチュエータの構造例を示す図である。 ピストンパッキンをチューブに装着した場合の流体圧アクチュエータの構造例を示す図である。 ピストンの厚み不足で変形し不可となるシリンダの一例を示す図である。 従来のシリンダの構成例((a):ストローク大、(b):ストローク小、(c):寸法例)を示す図である。 従来のロッドパッキンの装着例を示す図である。 従来のピストンパッキンの装着例を示す図である。 油圧シリンダなどの流体圧アクチュエータの一例を示す説明図である。 特許文献1に示された薄型シリンダの断面を示す図である。 従来技術と本発明でシリンダ厚みを比較した実施例を示す図である。
符号の説明
1 ピストン
2 ピストンパッキン
3 キャップカバー
4 キャップ圧力室
5 シリンダチューブ
6 ロッド
7 ロッド圧力室
8 ロッドカバー
9 ロッドパッキン
10 ダストシール

Claims (2)

  1. シリンダチューブの一端をキャップカバーで閉じたシリンダ本体と、シリンダ本体内に摺動可能に配されるピストンと、ピストンの伸長側に配されるロッドと、内側をロッドが摺動可能にシリンダチューブの他端を閉じるロッドカバーと、シリンダ本体内でシリンダチューブとキャップカバーとピストンとの間に構成されるキャップ圧力室と、シリンダ本体内でシリンダチューブとロッドカバーとピストンとロッドの間に構成されるロッド圧力室とを備えた流体圧アクチュエータにおいて
    リンダチューブ側に装着したピストンパッキンと、ロッド側に装着したロッドパッキンとを備え、
    キャップ圧を受けるピストンパッキンの受圧壁をロッドカバーで支持することを特徴とする流体圧アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の流体圧アクチュエータにおいて
    ストンパッキンに対峙するピストンの摺動面と、ロッドパッキンに対峙するロッドカバーの摺動面とが、ストローク方向にオーバーラップしていることを特徴とする流体圧アクチュエータ。
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