JP5043687B2 - スイングボルト構造を含む工具 - Google Patents

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Description

この発明は、相対的に付勢力を受けて回動可能部分同士をクランプし合わせるための工具に関する。この発明はまた、たとえば当該工具に適用されるように、一体的にロックされた状態のスイングボルト構造に関する。
このような工具の例として液圧剪断機が挙げられる。これは、中でも、たとえば自動車事故、都市環境における捜索および救助、産業上の利用ならびに鉄道事故の場合に自動車、列車、船などの物体を切開するための十分な切断力を備えた剪断機を意味するものと理解される。液圧剪断機の場合、当該剪断機の回動可能部分(ブレードとも称される)は、外部または内部から駆動される液圧シリンダによってずらされ、これにより、非常に大きな切断力を関連する物体に加えることができる。このような工具の別の例として、物体の部品を押圧してばらばらにすることのできる液圧延展機が挙げられる。このような工具の別の例として、複合型の剪断機および延展機が挙げられる。
スイングボルト構造はこれらすべての工具に適用されて、上述の相互に回動可能な部分同士が中央の回動点を中心として回転することを可能にしつつ、同時に、可動部分同士をクランプして、所定の付勢力を受けてこれらを保持するようにする。付勢力が重要であるのは、それが主として、工具の有効性および構成要素の工具寿命を決定するからである。
一般に適用される構造においては、可動部分同士がフォーク状の構造の中でスイングボルトを中心として回転し、当該スイングボルトは外端部上にねじ山を備え、そこにナットがねじ留めされる。可動部分同士を押し合わせ、これにより付勢力を受けて当該可動部分同士を保持することはこの態様で実施される。次いで、フォーク状の構造および回動可能部分が互いにクランプされる。しかしながら、この公知の構造にはいくつかの欠点がある。
ナットおよびボルト頭部に高さがあるため、結果として、工具の側部にかなり大きな突出た部分が生じることとなる。突出た部分が比較的大きいので、特に、物体において、または当該物体付近においてごくわずかな空間しか利用できない場合、工具を操作することが困難になる。
さらなる欠点は、可動部分(剪断ブレードまたは延展機アーム)の回転方向に応じて、スイングボルトおよび/またはナット上に結果として大きな半径方向力が発生し、これにより、ナット自体がきつく締まるかまたは緩む可能性がある。この結果、付勢力が増大するかまたは失われる。このようにして付勢力を失うことで、工具の動作に非常に不利な影響が及ぼされる可能性がある。したがって、スイングボルト構造が付勢力を失うのを防ぐためにロッキングが必要となる。したがって、多くの場合、ボルト頭部は、特別の凹部にぴったりと嵌合し、このため同時に回転できなくなるように形成される。このような構造では、スイングボルトのナットはまた、不所望な緩みを防止するためにロックされなければならない。これは、たとえば、第1のナットの上に第2のナットをねじ留めするか、または、いわゆるロッキングナット、ロッキングプレートもしくはロッキングリングを用いることによって解決される。
このような力吸収式のロッキング構造の欠点は、それが摩擦によってその効果を獲得し
、大きな軸方向の力が回動構造に発生すると直ちにその効果を失うおそれがあることである。起り得る変形が原因で遊びが生じ、この結果、付勢力が失われてしまう。この種類のロッキング構造はさらに振動の影響を受けやすく、ロッキングリングはたとえば、硬化された部品の場合にはさほど適していない。これらの通常のロッキング構造の別の欠点は、良好な動作に必要な摩擦がまた、ナットに加えられるトルクの一部を用いるので、実際の付勢力のために有効に残される部分が小さくなることである。さらに、特別の工具を用いてナットが緩められる場合にどんな付勢力が残されるかを客観的に監視することができなくなる。摩擦力は、緩められる前には、実際に加えられるトルクよりも高い値を常に有することとなる。
既存のロッキング構造のさらなる欠点は、このような構造がかなりの付加的な高さを必要とし、これにより、限られた空間での作業がより困難になることである。
公知の工具のさらに他の欠点は、しばしば、回動可能部分同士上でいわゆるホルダをクランプすることによって、すなわち、当該工具のホルダのフォークをクランプすることによって、回動可能部分同士をクランプし合わせるが、この場合、回動可能部分同士、たとえば延展機要素同士または剪断ブレード同士が当該フォーク上に回転可能に装着されることである。したがって、ボルト頭部およびナットがホルダに及ぼす力が回動ブレードに伝達される。スイングボルトにおける極度の軸方向の負荷は、とりわけ、構造的に強固な物体の切断中に離れていく剪断ブレードによって引起こされるものであるが、結果として、上述のホルダの材料における応力を不均衡に分散させることとなり、この結果、スイングボルト構造のナットおよびボルト頭部にも不均衡に負荷がかけられてしまう。これによりボルトが破損するおそれがある。例外的な場合、スイングボルト構造の構成要素は、ホルダ、スイングボルト、ヒンジナットおよび任意のロッキングプレートまたはロッキングリングにおいて蓄積された運動エネルギのために過負荷破損が起り得る場合、外れてしまう可能性があり、これにより、工具のオペレータや場合によってはすぐ近くにいる人に危険を及ぼすおそれがある。
この発明の目的は、公知の工具または公知のスイングボルト構造の上述の欠点のうち少なくとも1つを回避することである。
この発明のさらなる目的は、スイングボルト構造の破損時にユーザおよび場合によっては近くにいる人に及ぶ危険を低減させるコンパクトで軽量な工具を提供することである。
この発明の第1の局面に従うと、この目的のために、相対的に付勢力を受けて回動可能部分をクランプし合わせるための工具が提供される。当該工具は、
・フォークを備えたホルダを含み、当該フォークの外端部の各々は開口部を備え、当該工具はさらに、
・当該フォークの端部間に装着可能であり、それらの回動点の位置に開口部を備える2つの回動可能部分と、
・ホルダのフォーク上に回動可能部分同士を装着する目的で、フォークおよび回動可能部分同士の開口部に配置されるべきスイングボルト構造とを含み、当該スイングボルト構造は、
・第1の外端部上に拡張部分を備え、もう一方の外端部上に第1の締付け手段を備えたスイングボルトと、
・ナットとを含み、当該ナットは、当該スイングボルトの当該もう一方の端部上における第1の締付け手段に当該ナットを締付けるための第2の締付け手段を備え、
スイングボルトの拡張部分およびナットは、所望の付勢力を受けて回動可能部分同士をクランプするために、使用中に回動可能部分同士に当接するように形成される。
これにより、回動可能部分同士は、選択的に、たとえばホルダのフォークを介在させずに直接クランプし合される。その第1の利点は、このスイングボルト構造を非常にコンパクトな形にすることができ、このため軽量にすることもできることである。スイングボルト構造のスイングボルトおよびナットはともに、工具のホルダのフォークの内部に留まるので、実質的には突出た部分がもはや存在せず、限られた空間での工具の取扱いが容易になる。
第1の好ましい実施例に従うと、スイングボルトの拡張部分およびナットは、使用中、フォークの外端部の方に向けられる回動可能部分同士の側部に直接的に当接する。この好ましい実施例においては、一方ではスイングボルトとナットとの間、他方では回動可能部分同士の間には部品は配置されない。これにより、当該スイングボルト構造は、スイングボルトおよびナットが間接的な態様で回動可能部分同士に当接している実施例におけるよりもはるかにコンパクトで軽量な形状にすることができる。
さらなる好ましい実施例においては、スイングボルト上に非円筒形が配置され、この形状はホルダのフォークにおける凹部と一致しているので、スイングボルト自体は回転不可能となる。ナットは、当然、付勢力を回動可能部分同士に伝達するために回転可能でなければならない。拡張部分は、さらに、遊びをいくらか考慮に入れつつホルダのフォークおよび回動可能部分同士が互いに保持されるように、スイングボルトおよびナットの両方の上に配置される。
別の好ましい実施例に従うと、スイングボルトの拡張部分および/またはナットは、傾斜した接触面を回動可能部分同士上に形成する目的で、少なくとも部分的に円錐形の部分を含む。スイングボルトおよびナットがこのように円錐形であるので、一方上のスイングボルトまたはナットと、他方上の回動可能部分同士との間における接触面同士の有する傾斜が進行し、力の2つの有効な線の間における有効距離がより長くなり、結果として、同じ力で、より大きな保持トルクが回動可能部分同士上にもたらされることとなる。
この発明のさらなる好ましい実施例に従うと、当該工具はスイングボルト構造をロックするためのロッキング手段を含む。当該ロッキング手段はスイングボルト構造内に配置される。これは、たとえば、上述のとおりナット上で第2のロッキングナットを用いる場合と同様に、スイングボルトおよびナット自体の外側にロッキング手段がさほど突出ないか、または全く突出ないことを意味するものと理解される。これにより、ロッキングリングの位置にあり、限られた空間では工具の扱いやすさを低減させることとなる過度に突出た部分をスイングボルト構造が有するのを防ぐことができる。
さらなる好ましい実施例に従うと、当該工具は、スイングボルト構造のナットをロックするためのロッキング手段を含み、当該ロッキング手段は、
・締付け手段を備えたスイングボルトの外端部上に配置される突出た部分と、
・当該スイングボルトの突出た部分に回転不可能に締付けられ得る第1のロッキングリングとを含み、当該ロッキングリングは外歯を備え、当該ロッキング手段はさらに、
・ナットに回転不可能に締付けられ得、ナットと第1のロッキングリングとの間に配置され得る第2のロッキングリングを含み、当該第2のロッキングリングは、第1のロッキングリングの外歯に係合可能な内歯を備える。
第2のロッキングリングを正確な態様で配置し、その外歯が第1のロッキングリングの内歯に係合することを可能にすることにより、ナットが正確な所定の付勢力をもたらすに至ると、ロッキングを確実にすることができる。
さらなる好ましい実施例においては、当該歯は、ナットが、比較的小さな角変位間隔(Δα)でスイングボルトに対してロックされ得るように形成される。この変位間隔は、好ましくは、1°〜5°、好ましくは1°〜3°の角変位間隔(Δα)などのように可能な限り小さくされる。この態様で歯を形成することにより、ナットを回転させる必要がなくなり、スイングボルト構造が正確な付勢力をもたらした場合、良好なロックがさらに確実にされる。
さらにより好ましい実施例においては、第2のロッキングリングは、予め定められた数の回転位置でのナットへの締付けを可能にするよう適合される。ロッキング手段における遊び、すなわち、スイングボルト上の突起と両方のロッキングリングとナットとの間における遊び(この遊びはロッキングリングの容易な配置または取外しを可能にするのに必要である)を用いて、第1および第2のロッキングリングの歯の数が、複数の上述の回転位置の数とは異なること、さらに、値360/(歯の数*回転位置の数)が上述の遊びよりも小さくなることが確実にされた場合、発生する歯のオフセットの結果として、ナットの実質的に任意のランダムな位置に、従って、ナットをスイングボルトにロックするための所望の付勢力で、ロッキングリングを配置することができる。
構造的に有利な実施例においては、スイングボルトの突出た部分は、それが、第1のロッキングリングをスイングボルトに回転不可能に締付けるために第1のロッキングリングに設けられた1つ以上の対応する内側の凹部に嵌合するように、形成される。
さらなる好ましい実施例に従うと、当該ナットは凹部の列を備え、そこに、第2のロッキングリング上に設けられた外側の突出部が係合して、いくつかの位置で第2のロッキングリングをナットに回転不可能に締付けることを可能にし得る。第2のロッキングリングが、組立てられた位置でナットから突出る少なくとも1つの突起を含む場合、たとえば、当該突出部が第2のロッキングリングの周辺面に設けられ、凹部がナットの周辺端縁に設けられ、突出部が組立てられた位置でナットの外側に突出る場合、第2のロッキングリングを手動で容易に取外すことができる。さらなる利点は、第2のロッキングリングが存在する限り、たとえば多角形のソケットレンチなどの手工具を用いてもナットを緩めることができなくなることである。これは、まずロッキングリングを取外してから次にナットを緩めることができるといった論理的順序を必要とする。
この発明のさらなる好ましい実施例に従うと、カバー要素が、フォークの外端部における開口部にわたって配置され得る。当該カバー要素は、中でも、極度な軸方向の過負荷に起因する破損の結果としてスイングボルト構造の部品が場合によっては外れてしまうのを防ぐ機能を有する。この機能により、オペレータや近くにいる人が負傷する可能性が大いに低減される。カバー要素のさらなる機能は、水分または場合によっては泥がスイングボルト構造に浸透する可能性をさらに低減させるように、外界からスイングボルト構造を保護することである。
さらなる好ましい実施例においては、スイングボルトの外端部は、使用中にカバー要素をスイングボルトのそれぞれの外端部に締付けるための締付け手段を備える。これにより、カバー要素は工具にロックされ得る。
所定の好ましい実施例においては、カバー要素はたとえば開口部を備え、当該開口部においては、配置された位置においてスイングボルトおよび関連するカバー要素に係合する締付けねじが配置され得る。
この発明の別の局面に従うと、たとえばこの明細書中に記載される工具において、一体的にロックされた状態のスイングボルト構造が設けられる。当該スイングボルト構造は、
・スイングボルトと、
・当該スイングボルトの外端部の端面上に設けられた突出た部分と、
・スイングボルトの当該外端部に締付けられ得るナットと、
・スイングボルトの突出た部分上に回転不可能に装着され得る第1のロッキングリングとを含み、当該ロッキングリングは外歯を備え、当該スイングボルト構造はさらに、
・ナット上に回転不可能に装着され得、ナットと第1のロッキングリングとの間に配置され得る第2のロッキングリングを含み、当該第2のロッキングリングは、第1のロッキングリングの外歯に係合し得る内歯を備える。
この発明のさらなる利点、特徴および詳細を、その好ましい実施例の以下の記載に基づいて説明する。その記載においては添付の図面が参照される。
図1および図2は、この発明に従ったスイングボルト構造の好ましい実施例が配置されている工具の例を示す。当該実施例は、液圧剪断機1に関し、これにより、乗用車、列車、船などの物体が切開され得る。剪断機の種類に応じて、当該剪断機で与えられる切断力は典型的には(ただし非限定的に)100〜500kNの間で変動する。他の実施例(図示せず)においては、当該工具は、延展機であるか、または延展機および剪断機の組合せである。これらの実施例においては、延展力は、典型的には(ただし非限定的に)20kN〜100kNの間で変動し得る。
剪断機1は、ホルダを備えたハウジング2を含み、ここでは、2つの圧力ロッドを備えた液圧シリンダ(図示せず)が、剪断ブレードを作動させることのできるような公知の態様で配置される。ホルダの外端部上にはフォーク状の構造が設けられており、その上方端部20および下方端部19が図、特に図1および図4に示される。外端部19、20は、第1の剪断ブレード5および第2の剪断ブレード6の両側に延在する。剪断ブレード5、6は刃先4を備えており、図示のとおり、スイングボルト構造によって相対的に回動し得る。
剪断ブレード5、6は、開口部9、10が配置されているそれぞれの突起7、8を含む。開口部9、10は、そこに液圧シリンダの上述の圧力ロッド(図示せず)を装着するために設けられる。剪断ブレード5、6はさらに開口部2、11をそれぞれ備え、その中に、上述のスイングボルト構造25が挿入され得る。剪断ブレード5、6はスイングボルト構造25に対して回動可能であり、このため、ブレード5、6は、圧力ロッドによって突起7、8にそれぞれ結合される液圧シリンダを作動させることによって開閉させることができる(方向P1、図1)。
図2および図4は、スイングボルト構造25のこの好ましい実施例をより詳細に示す。スイングボルト構造25はスイングボルト26および関連するナット32を含む。スイングボルト26は、直径が比較的小さい長手の本体から構成され、この明細書中ではボルト頭部とも称される拡張要素27が第1の端部29上に設けられる。スイングボルト26における反対側の端部30上に雄ねじのねじ山31が設けられており、そこには、ナット32の内側に設けられた雌ねじのねじ山33が係合し得る。外端部29の周縁に沿って、拡張要素27がわずかに突出たフランジ28をさらに備え、一方では、ロッキング要素49とも称される星型の突出た部分49がスイングボルト26の反対側の端面に設けられる。
スイングボルト26の拡張部分27の外径は、ホルダの下方部分19における開口部21の内径と実質的に一致しており、このため、拡張部分27はその中にぴったりと配置され得る。突出たフランジ28は、非円筒形、たとえば図1に示される多角形を有しており、これは、ホルダのフォークの外端部19における開口部の形と一致するので、スイング
ボルト25はこの外端部19に対して回転できない。ナット32の外径は、同様に、ホルダの上方部分20に設けられている開口部22の内径に対応する。結果として、拡張部分27の外周部およびナット32の外周部は、(図4に図示のとおり)組立てられた状態ではホルダの下方部分19および上方部分20のそれぞれの内面に当接することとなる。上述のとおり、長手の本体部分26は、それぞれの剪断ブレード5、6における開口部11および2の直径と同等のより小さな直径を有する。これは、組立てられた状態では、長手の部分26の外周部が、上述の開口部11および2の内側に当接することを意味する。
スイングボルト25が下方(P2)から挿入された場合に突抜け過ぎるのを防ぐために、スイングボルトのフランジ28は、ホルダの下方部分19における開口部11の端縁に沿って設けられる停止面(図示せず)上に位置することとなる。
こうして、スイングボルト25が開口部21、11、2、22を通して配置された後、ナット32が、ねじ山を備えたスイングボルト25の端部30に螺着される。ここで、ナット32は所定のトルクで締められる。こうして、特定の種類の剪断機に適した付勢力を剪断ブレード5、6に加えることができる。締められた状態では、剪断ブレード5、6は、スイングボルト25の拡張部分27とナット32とによってそれぞれ囲まれる。この発明に従ったスイングボルト構造25が剪断ブレード5、6に直接係合し、このため他のいずれの部分(たとえば、ホルダのフォークの部分)もクランプされないので、ナットに加えられるトルクは、剪断ブレードに対する所望の付勢力に最適に変換される。
特に図4から分かるように、好ましい実施例においては、移行部37は、拡張部分27とスイングボルト25の比較的狭い長手の部分26との間における移行の位置において実質的に直線的な形をとる。しかしながら、別の実施例においては、たとえば図5に示されるように、移行部39は円錐形を有する。ここで、移行部39の形は、剪断ブレード6における開口部11に沿って延在する移行部に適合される。
同様の態様で、ナット32は、図4に図示のとおり直線的な移行部38、または図5に図示のとおり円錐形の移行部41を備え得る。それぞれの移行部38、41の形は、もう一方の剪断ブレード5の開口部11の直線的または円錐形に延在する端縁部分に適合される。
円錐形の移行部39、41を備えた実施例においては、当該移行部は、一方上のスイングボルトおよびナットと、他方上の剪断ブレード5、6との間において、円錐形に先細になっている2つの接触面を備える。ここで付勢力が、ボルト頭部27およびナット32の円錐形の2つの接触面を介して回動可能部分5、6に対してある角度をなして伝えられ、これにより、より大きな付勢力を得ることが可能となり得る。
スイングボルト26上にナット32をロックするために、図示される実施例は特別なロッキング構造を提供する。ロック前の状態が図3Aに示され、ロックされた状態が図3Bおよび図3Cに示される。上述のように、スイングボルト26は、たとえば6つの突起61(図3A)で形成される星型のロッキング要素49を外端部30上に備える。ナット32は同様にいくつかの突起34を備え、それらの間に凹部が規定される。ナット32がトルクレンチで十分に締められて、剪断ブレード5、6に対する所望の付勢力が確実にされると、ナット32は、以下の態様でスイングボルト26に対してロックされる。
内部嵌合形状57および外歯44を備えた内側のリング43は、星型のロッキング要素49上にぴったりと合わせて配置される。次いで、内側のリング43の周りに外側のリング40が配置され、その内歯58は、内側のリング43の外歯44と一致する。外側のリング40は、ナット32の上部側における上述の凹部に嵌合する外側の突出部42を備え
る。
ロッキング構造は、スイングボルト25上のロッキング要素49と内側のロッキングリング43と外側のロッキングリング40とナット32における取付部との間、すなわち、突出部34とナット32の上部側にあり当該突出部34に一致する凹部との間に、予め定められた最小限の遊びを設けるように形成される。
この遊びは、たとえばS度の値を有し、たとえばS=1.5度である。ロッキングリング40、43にはさらに歯が形成され、これにより、ロッキングリングは相対的にロックされ得る。N個の歯が用いられ、当該歯が、完全な1回転をX1(=360/N)度に分割する。たとえば、N=67であれば、X1=5.37度である。ナット32における取付部に関して、大きなロッキングリング40がX2の位置に装着され得る。図示される実施例においては、大きなロッキングリング40が、X2=6となるように6つの位置に装着され得る。ここで、小さなロッキングリング43の外歯44および大きなロッキングリング40の内歯58の歯の数が、N=k+複数のX2に等しくなるよう選択されると、結果として、大きなロッキングリング40をX2のうちの1つの位置を通して回転させた場合、歯が、X(=k*X1/X2)度だけ有効に移動する。この場合、kは整数でなければならず、−X2/2<k<+X2/2となる。k=1である場合、これはX=0.89度に対応する。XがSよりも小さくない場合、これは、ロッキングリングがボルト25に対してナット32の実質的に任意のランダムな位置に嵌合することを意味する(X=0.89度はS=1.5度よりも小さい)。これにより、ナットは、正確に所望のトルクに設定されれば、常にロック可能となる。
スイングボルト構造25が上述の態様で配置され、ナット32が上述の態様でスイングボルト26に対してロックされると、2つのガード50、51が最終的にホルダの両側に配置される。この目的で、ガード50、51は長手方向の端縁52を備え、当該長手方向の端縁52は、フォークの下方部分19および上方部分20のそれぞれの底部端縁に沿って横方向に摺動し得る。図1は、ガード50、51がまだ装着されていない状態を示す。ガードが図1に示される位置で矢印P3の方向にずらされると、これらガードは、下方部分19および上方部分20の外端部にわたって容易に摺動し得る。使用中にガードが常に適所に留まることを確実にするために、これらガードはまたロックされ得る。ガード50、51は、この目的で、ロッキングねじ46が配置され得る開口部53を備える。ロッキングねじ46は、スイングボルト頭部27において、かつロッキング要素49に近接したスイングボルトの外端部において設けられた対応する開口部47にロックしてねじ込むことができる。しかしながら、ホルダ上にガードをロックする他の方法も想定可能である。
図3A、図3Bおよび図3Cに示される実施例においては、内側のリング43および外側のリング40が設けられている。別の実施例(図示せず)においては、内側のリング43は、ロッキング要素49ではなく、スイングボルトの外端部と一体的に形成される。この実施例においては、ロッキングリングは1つしかない。ナット32をロックする態様は上述の態様と一致する。別個の内側のリング43を備えた上述の実施例は、製造がかなり容易であるという利点を有する。
この発明に従ったスイングボルト構造は、以下に記載される態様で適用される。ナットを所望のトルクで締めた後、第1のロッキングリングがスイングボルトの突出た部分上に配置され得る。次いで、第2のロッキングリングは、第2のロッキングリングの内歯が第1のロッキングリングの外歯のどこかに係合し、同時に、第2のロッキングリングの突出た部分がナットの凹部に嵌合するように、配置され得る。当然、ナットの位置はここでは影響を受けないはずである。以前のロッキング構造においては、歯の数およびナットに対する係合の箇所はランダムに選択されており、これにより、第2のロッキングリングが必
ずしも嵌合しない可能性がある。この発明に従うと、まさにこのような理由で、常に整数ずつ増大または低減するナットにおける複数の数の凹部である歯が選択される。これにより、第2のロッキングリングの外側の突起がナットの凹部に嵌合し、同時に、第1および第2のロッキングリングの歯が互いに嵌合する位置を見出すことが実質的に常に可能となる。この態様では、ナットは、不所望な緩みを防ぐために、完全にぴったりと嵌合する態様でロックされる。当該ロッキングリングは、第2のロッキングリングの外側の突起がナットの外側にわずかに突出ることを可能にすることによって単純な態様で取外すことができる。加えて、第2のロッキングリングは、結果として、ソケットレンチが交換され得る前にまず取外されなければならない。これは、論理的で安全な方法を必要とする。
この発明は、この明細書中に記載されるこの発明の好ましい実施例に限定されない。上述のとおり、上述の液圧剪断機に加えて、この明細書中に記載される工具は、たとえば、延展および切断がともに可能な延展機または組合された装置を含む。求められる権利は、多くの変更例が想定され得る範囲内で、添付の特許請求の範囲によって規定される。
1対の液圧剪断機におけるスイングボルト構造の好ましい実施例を示す分解斜視図である。 スイングボルト構造の好ましい実施例を示す分解図である。 図1の好ましい実施例のロッキングを、それぞれロックされていない状態とロックされた状態とで示す詳細な斜視図である。 図1の好ましい実施例のロッキングを、それぞれロックされていない状態とロックされた状態とで示す詳細な斜視図である。 図3Bに示されるロックされた状態におけるロッキングを示す上面図である。 図1〜図3に示される好ましい実施例を示す詳細図である。 スイングボルトおよびナットの面取りされた接触面を備えた別の好ましい実施例を示す詳細図である。

Claims (25)

  1. 相対的に付勢力を受けて回動可能部分同士をクランプし合わせるための工具であって、
    フォークを備えたホルダを含み、前記フォークの外端部の各々は開口部を備え、前記工具はさらに、
    前記フォークの端部間に装着可能であり、それらの回動点の位置に開口部を備える2つの回動可能部分と、
    前記ホルダの前記フォーク上に前記2つの回動可能部分を装着する目的で、前記フォークおよび前記2つの回動可能部分における開口部に配置されるスイングボルト構造とを含み、前記スイングボルト構造は、
    第1の外端部上に拡張部分を備え、もう一方の外端部上に第1の締付け手段を備えたスイングボルトと、
    ナットとを含み、前記ナットは、前記スイングボルトの前記もう一方の端部上における前記第1の締付け手段に前記ナットを締付けるための第2の締付け手段を備え、
    前記スイングボルトの前記拡張部分および前記ナットは、使用中、所望の付勢力を受けて前記2つの回動可能部分同士をクランプするために前記2つの回動可能部分に当接するように形成される、工具。
  2. 前記スイングボルトの前記拡張部分および前記ナットは、使用中、前記フォークの外端部の方に向けられた前記2つの回動可能部分の側部に直接当接する、請求項1に記載の工具。
  3. 前記第1および第2の締付け手段は、それぞれ、雌ねじのねじ山および雄ねじのねじ山を含む、請求項1または2に記載の工具。
  4. 前記スイングボルトの前記拡張部分および/または前記ナットは、前記2つの回動可能部分上に直線的な接触面を形成する目的で、少なくとも部分的に直線的な部分を含む、請求項1から3のいずれかに記載の工具。
  5. 前記スイングボルトの前記拡張部分および/または前記ナットは、前記2つの回動可能部分上に傾斜した接触面を形成する目的で、少なくとも部分的に円錐形の部分を含む、請求項1から3のいずれかに記載の工具。
  6. 前記スイングボルトはスイングボルト頭部を含み、その少なくとも一部は非円筒形の外形を有し、その形状は、前記ホルダの前記フォークにおける関連する開口部において回転不可能に嵌合する、請求項1から5のいずれかに記載の工具。
  7. 前記2つの回動可能部分は、前記フォークの外端部の方に向けられた側部上に少なくとも部分的に円錐形の部分を含む、請求項1から6のいずれかに記載の工具。
  8. それぞれの前記円錐形の部分は、傾斜した接触面が前記スイングボルト構造と前記2つの回動可能部分との間に設けられるように互いと一致する、請求項5に記載の工具。
  9. 前記スイングボルト構造をロックするためのロッキング手段を含み、前記ロッキング手段は前記スイングボルト構造に配置される、請求項1から8のいずれかに記載の工具。
  10. 前記スイングボルト構造の前記ナットをロックするためのロッキング手段を含み、前記ロッキング手段は、
    締付け手段を備えた前記スイングボルトの外端部上に配置される突出た部分と、
    前記スイングボルトの前記突出た部分に回転不可能に締付けられ得る第1のロッキングリングとを含み、前記ロッキングリングは外歯を備え、前記ロッキング手段はさらに、
    前記ナットに回転不可能に締付けられ得、前記ナットと前記第1のロッキングリングとの間に配置され得る第2のロッキングリングを含み、前記第2のロッキングリングは、前記第1のロッキングリングの前記外歯に係合し得る内歯を備える、請求項1から9のいずれかに記載の工具。
  11. 前記歯は、比較的小さな角変位間隔(Δα)で前記スイングボルトに対する前記ナットのロックを可能にするよう形成される、請求項10に記載の工具。
  12. 前記第2のロッキングリングは、(X2)個の回転位置での前記ナットへの締付けを可能にするよう適合される、請求項10に記載の工具。
  13. 前記第1および第2のロッキングリングの歯の数(N)は、k+複数の前記(X2)個の回転位置に等しく、kは整数であり、−X2/2<k<+X2/2である、請求項12に記載の工具。
  14. 前記歯の数(N)はk+複数のX2に等しく、kは整数であり、−X2/2<k<+X2/2である、請求項13に記載の工具。
  15. 前記ロッキング手段における遊び(S度)は、360/(k*N*X2)度以上である、請求項12から14のいずれかに記載の工具。
  16. 前記第2のロッキングリングは、組立てられた位置において前記ナットから突出る少なくとも1つの突起を含む、請求項10から15のいずれかに記載の工具。
  17. 前記突出た部分は、それが、前記第1のロッキングリングを前記スイングボルトに回転不可能に締付けるために前記第1のロッキングリングに設けられた1つ以上の対応する内側の凹部に嵌合するように形成される、請求項10から16のいずれかに記載の工具。
  18. 前記ナットは凹部の列を備え、そこに、前記第2のロッキングリング上に設けられた外側の突出部が係合して、予め定められた(X2)個の位置で前記第2のロッキングリングを前記ナットに回転不可能に締付けることを可能にする、請求項10から17のいずれかに記載の工具。
  19. 前記突出部は前記第2のロッキングリングの周辺面に設けられ、前記凹部は前記ナットの周辺端縁に設けられ、前記突出部は組立てられた位置において前記ナットの外側に突出る、請求項18に記載の工具。
  20. カバー要素は、前記フォークの前記外端部における開口部にわたって配置され得る、請求項1から19のいずれかに記載の工具。
  21. 前記スイングボルトの前記外端部は、使用中に前記カバー要素を前記スイングボルトのそれぞれの外端部に締付けるための締付け手段を備える、請求項20に記載の工具。
  22. 液圧駆動手段が前記ホルダに設けられ、前記2つの回動可能部分上に装着されて前記部分の動きをもたらす、請求項1から21のいずれかに記載の工具。
  23. 前記工具は1対の液圧剪断機であり、その回動部分は剪断ブレードによって形成される、請求項1から22のいずれかに記載の工具。
  24. 前記工具は液圧延展機であり、その2つの回動可能部分は延展機要素によって形成される、請求項1から23のいずれかに記載の工具。
  25. 請求項1から24のいずれかに記載の工具の使用。
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