JP5043403B2 - X線透視撮影装置 - Google Patents
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Description
X線発生器から照射されるX線の照射線量を低くするためには、X線発生器に供給する電力を制御すれば良い。具体的には、本発明のX線透視撮影装置に、X線発生器への電力供給を制御する電力制御手段を設け、この電力制御手段により、X線発生器に供給する電力の大きさ、および、電力の供給時間の少なくとも一方を変化させる。供給する電力を変化させるには、X線発生器のX線管に供給する管電圧および管電流の少なくとも一方を低くすれば良い。この場合、X線の強度が低くなるので被検体への照射線量を低減させることができる。一方、電力の供給時間を短くするには、X線発生器に短時間電力を供給すれば良い。この場合、X線のパルス幅が短くなるので被検体への照射線量を低減させることができる。即ち、この方法は、X線発生器から照射されるX線の照射パターンが、通常線量照射と低線量照射とからなるので、被検体に到達するX線の照射パターンが、通常線量と低線量とからなるように構成される方法である。
X線発生器から照射されるX線をX線発生器と被検体との間で減弱させて、被検体に到達する照射線量を低減する方法としては、代表的には、X線発生器と被検体との間に軟線除去フィルタを挿入することが挙げられる。通常、X線発生器で発生させたX線には、エネルギーの高い硬線と、エネルギーの低い軟線が混在している。ここでいう硬線とは、被検体を透過してX線検出器で画像データとして検出することができる程度のエネルギーを有するX線のことを指し、それ以外のエネルギーを有するX線が軟線である。即ち、軟線は、被検体を透過しないエネルギーを有するX線であり、画像データとして検出されないにも拘らず被検体に照射されることになる。従って、軟線除去フィルタにより軟線を除去することにより、被検体に到達するX線の照射線量を低線量にする、即ち、被検体に対する被曝量を低減することができる。一方、硬線は、軟線除去フィルタにより減弱される割合が低いため、得られる画像データ(フィルタ透過画像データ)の輝度値が、フィルタなしで得られた画像データに比べて大幅に低下することがないので画像データの劣化を抑制することができる。
本発明のX線透視撮影装置は、図1に示すように、対向配置されたX線発生器3とX線検出器2との間で載置台6に乗った被検体4の透視画像を撮影する装置である。具体的な撮影手順として、まず初めに、X線発生器3から照射されて、被検体4を透過したX線をX線検出器2により画像データとして取得する。そして、この画像データをコンピュータ1内の画像処理部14により画像処理して透視画像とし、モニタ5に表示する。このとき、X線は、X線照射周期に基づいて間歇的に照射されており、1回のX線の照射に対応して1枚の画像データをX線検出器2により取得する。なお、コンピュータ1とモニタ5は、本発明の装置を総合的に操作する操作卓(図示せず)に設けられている。
X線発生器3は、被検体4にX線を照射する機器である。X線発生器3は、高圧発生器15から電力供給を受けてX線を発生させるX線管を有しており、一方向に向かってX線を照射することができるようになっている。また、X線発生器3のX線照射口にはX線の照射範囲を制限する可動絞り30が設けられている。
電力制御部11は、中央処理部10から入力されるX線の照射パターンに基づいて高圧発生器15を制御し、X線発生器3に供給する電力の供給量や供給時間を変化させる。電力制御部11で変更できるパラメータとしては、X線発生器2のX線管に供給する管電圧、管電流および管電流の供給時間である。ここで、X線発生器3から照射されるX線の照射線量は、X線の強度やX線の照射時間によって決定されるので、電力制御部11により被検体4に照射されるX線の照射線量を決定することができる。また、電力制御部11は、X線の照射間隔を変化させることもできる。
X線検出器2は、X線発生器3から照射され、被検体4を透過したX線を検出して画像データとして出力する機器である。本例においては、X線検出器2として、Flat Panel Detector(FPD)を使用した。FPDは、二次元アレイ状に配列された複数のX線検出素子からなり、これらの検出素子によりX線を電気信号(画像データ)に変換することができる。本発明のX線透視撮影装置では、X線検出器2の電気信号を読み出して人間の目で確認できる状態である透視画像にして表示装置(モニタ5)に表示することにより被検体4の診断等を行なうことができる。なお、X線検出器2として、FPDの他に、例えばイメージインテシファイヤとTVカメラの組み合わせなどの複数の透視画像を連続的に取得することができるものを使用することができる。
X線検出器制御部13は、X線検出器2に接続され、X線検出器2から画像データを読み出すことができる。ここで、X線検出器制御部13で読み出した画像データは、画像処理部14によりホワイトバランスの調節や、後述する輝度値補正、ノイズ除去などが行なわれる。
機構制御部12は、被検体4を載せる載置台6とX線発生器3とX線検出器2の位置関係を変更可能なように制御する。これら3つの構成の相対的位置関係を変更することで、種々の角度や距離から被検体4を撮影することができる。また、機構制御部12は、X線発生器3の向きを調節してX線の照射方向を変更したり、可動絞り30の絞り量を調節してX線の照射領域を変更したりすることができる。
画像処理部14は、X線検出器2で取得した画像データに種々の画像処理を施すことができる。具体的には、画像処理部14は、輝度値補正手段やノイズ除去手段を備えており、画像データの明度を調節する輝度値補正や、画像データのノイズを除去するノイズ除去処理などを行なうことができる。その他、ホワイトバランスの調節や白黒反転処理等、通常のX線透視撮影装置で使用できる画像処理を行なうことができる。
まず、中央処理部に記憶されるX線の照射パターンを参照して、取得した透視画像が、低線量照射により得られたものであるかを判断する。低線量照射である場合は、ステップS11に移行する。この判断は中央処理部が行なった。
低線量照射で得られた透視画像の画像データは、その輝度値が通常線量で得られた透視画像の画像データの約半分である。従って、取得した画像データの輝度値を2倍する。ここで、照射線量を通常線量の1/Xとした場合、得られる画像データの輝度値は、概ね1/Xとなるので、この場合は得られた画像データの輝度値をX倍すれば良い。輝度値の補正は画像処理部により行なった。
ステップS11で輝度値補正を行なった場合、低線量画像のノイズが強調されるため、ノイズ除去処理を行なう。ノイズ除去処理には、平滑化フィルタである加算平均フィルタやミディアンフィルタなどを使用することができる。このノイズ除去処理も、本実施例の装置では画像処理部により行なった。
実施例1では、通常線量画像と、通常線量の50%の線量による低線量画像とを交互に表示するX線透視撮影装置を説明した。本変形例では、被検体に対する照射線量を段階的に低減するようにしたX線透視撮影装置を説明する。なお、本変形例の装置の構成は実施例1と同様であり、実施例1とは異なるX線照射パターンでX線を照射するようにプログラムしたものである。従って、以下に、X線の照射パターンのみ説明する。
本例では、X線発生器から照射されるX線の照射線量は変更せずに、照射されたX線をX線発生器と被検体との間で減弱させることにより、被検体に対する照射線量を低減するX線透視撮影装置を説明する。
図5は、本例のX線透視撮影装置の概略構成図である。図5に示すように、本例の装置は、実施例1の装置に加えて軟線除去フィルタを備えるフィルタ挿脱手段(線量制御手段)20と、このフィルタ挿脱手段20を制御するフィルタ制御部16とを備える。
フィルタ制御部は、上述した回転体(フィルタ挿脱手段)の回転数を制御して、被検体に到達するX線の照射線量を所望の値にする。具体的には、フィルタ制御部は、間歇的にX線発生器から照射されるX線のうち、被検体へのX線の照射線量を低線量にしたいX線がX線発生器から照射されるときに、回転体の回転数を制御して、軟線除去フィルタがX線照射口の前に来るようにする。
6 載置台 30 X線可動絞り 31 X線照射口
10 中央処理部
11 電力制御部 12 機構制御部 13 X線検出器制御部 14 画像処理部
15 高圧発生器 16 フィルタ制御部
20 フィルタ挿脱手段 21 軟線除去フィルタ 22 本体部分
S1 中心軸 S2 光軸
Claims (5)
- 被検体にX線を間歇的に照射するX線発生器と、被検体を透過したX線の入射線量に応じた画像データを取得するX線検出器と、を備えるX線透視撮影装置であって、
被検体へのX線の照射線量を制御して、前記照射線量が通常線量になる照射と、前記照射線量が通常線量よりも低線量になる照射と、を組み合わせた照射パターンが繰り返されるようにし、前記通常線量の照射から前記低線量の照射、または、前記低線量の照射から前記通常線量の照射、に移行する際、前記照射線量を段階的に変化させ前記移行をさせることを特徴とする線量制御手段を備えたことを特徴とするX線透視撮影装置。 - 前記線量制御手段は、X線発生器へ供給する電力の大きさ、および、電力の供給時間の少なくとも一方を変化させることにより、前記照射線量を通常線量よりも低線量にするように制御する電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置
- 前記線量制御手段は、被検体に照射されるX線のうち、所定のエネルギー以下のX線を除去して前記照射線量を通常線量よりも低線量にする軟線除去フィルタと、このフィルタをX線発生器と被検体との間に挿脱するフィルタ挿脱手段とを備えたことを特徴とする請
求項1に記載のX線透視撮影装置。 - 前記低線量にて取得した画像データかを判断する中央処理部と、前記中央処理部にて前記低線量にて取得したものと判断された画像データに対し、前記通常線量から前記低線量に照射線量を低減したことによる画像データの輝度値の低下分を補正する画像処理部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
- 前記画像処理部は、前記輝度値の低下分を補正した画像データに対し、前記通常線量にて取得した画像データより強くノイズ除去処理を行なうことを特徴とする請求項4に記載のX線透視撮影装置。
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