JP5039391B2 - 有機デバイスとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機化合物を用いた電界効果トランジスタに関する。更に詳しくは、本発明は、自己組織化膜を用いた有機トランジスタに関する。
有機デバイスは、低コスト化、フレキシブル化、大面積化が可能という理由から、太陽電池、EL素子、薄膜トランジスタへの応用が盛んに研究されている。しかしながら、未だ、寿命が短いといった課題が残されている。
有機デバイスを長寿命化できない一つの原因としては、基板または電極と有機層との密着性にあると考えられる。詳しく説明すると、基板もしくは電極部は一般に金属または金属酸化物といった無機化合物から構成されている。
しかしながら、有機デバイスにおいて半導体性、発光性、光電変換性などの機能を果たす層は有機化合物であるため、これら有機化合物と基板や電極を形成する無機化合物との親和性が低く、有機-無機界面での密着性が低いため、応力等による剥離を生じ易い。また、密着性の低い有機-電極界面では接触抵抗が高く、電流を流した場合の抵抗熱により、熱的な劣化をさらに促進させることも考えられる。
つまり、長寿命で移動度の高い有機デバイスを得るためには基板や電極との密着性を向上させることが重要であると考えられる。
そこで、近年、基板または電極と有機化合物とを共有結合させることにより密着性を向上させた自己組織化膜を用いた有機トランジスタが考案されている。
すなわち、特開2003−92411号公報(特許文献1)には高濃度に不純物注入された低抵抗シリコンのゲート電極上に共有結合で連結された絶縁層のアルキル鎖部位と半導体層のピレン部位を有する自己組織化膜とその上部にソース電極、ドレイン電極として金を真空蒸着により形成させた、いわゆるトップコンタクト型の有機トランジスタが開示されている。
特開2003-92411号公報
上記特許文献1ではゲート電極と共有結合で接続しているため下部電極との密着性は高いが、直接、有機物に電荷注入する上部電極(ソース、ドレイン電極)部は有機化合物と物理的に接触しているため密着性が低く、前述のような劣化を引き起こす問題が有った。
本発明によれば、基板と、前記基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された絶縁層と、前記絶縁層表面と片末端が共有結合した有機分子層と、前記分子層の他末端が共有結合した触媒層と、前記触媒層上に形成されたソース、ドレイン電極から構成されることを特徴とする有機トランジスタが提供される。
また、更に本発明によれば、基板上にゲート電極、ゲート絶縁層を形成させる第一の工程と、前記ゲート絶縁層表面上に有機分子層の片末端とを共有結合させて前記分子層を配列させる第二の工程と、前記分子層の他末端と触媒層とを共有結合させる第三の工程と、前記触媒層上にソース、ドレイン電極層を形成させる第四の工程を含む有機トランジスタの製造方法が提供される。
本発明の有機トランジスタの構造と作製方法によれば、ゲート電極−絶縁層−有機分子−ソース・ドレイン電極が共有結合で連結されているため、各層界面が強固に結合されることにより、各層間での剥離が無く、長寿命なデバイスを得ることが可能である。
また、触媒層と接合する有機分子層(以下、単に分子層ともいう)が非共有電子対を有する原子を含む官能基を末端部に有する分子層から構成されることで分子層が触媒金属と配位結合を形成するため剥離が無く、接触抵抗の低い、長寿命なデバイスを得ることが可能である。
また、有機分子層を複数の有機分子層を積層して形成させることで、デバイス作製の過程で、膜厚の制御が可能であることや、この積層した分子層末端に触媒層と共有結合する官能基や安定な終端官能基(終端分子層)など、種々の官能基を導入することが可能である。
また、分子層末端の官能基の選択的な変換、すなわち、触媒層と共有結合する官能基から共有結合しない終端官能基に変換、または、触媒層と共有結合しない前駆体官能基から共有結合する官能基に変換することで、共有結合する官能基の領域に選択的に触媒層を導入することができるため、ソース、ドレイン電極をパターニングすることが可能である。
さらに、前述の共有結合する官能基が、アミノ基またはピリジル基で、触媒層がパラジウムから構成されることにより、より配位能力が優れているため、触媒層、およびそれに続くソース、ドレイン電極を高精細にパターニングすることが可能である。
また、ソース、ドレイン電極を無電解めっきにより形成させることで、真空プロセスを用いずに電極を形成できる。
本発明の有機トランジスタの構造、材料及び製造方法について具体的に図1〜7を用いて説明する。
まず、構造について説明する。
図1は本発明の有機トランジスタの構造を模式的に描いたものである。本発明の有機トランジスタは、基板11と、ゲート電極12と、絶縁層13と、有機分子層14と、触媒層15と、ソース、ドレイン電極16、17から構成される。
絶縁層13はゲート電極12の上に形成され、ゲート電極が基板を兼ねてもよい。上記分子層は単分子層であっても、分子層が複数積層した積層膜であってもよい。
分子層が複数層からなる場合、有機膜の膜厚、パッキング密度の制御、表面の官能基変換が可能で自由なデバイス設計が可能という効果を生じる。
このような構造の有機トランジスタによれば、ゲート電極−絶縁層−有機分子−ソース・ドレイン電極が共有結合で連結されているため各層界面での剥離が無く、長寿命なデバイスを得ることが可能である。
次に、材料について説明する。
基板11に使用できる材料(ゲート電極、絶縁層を除く部分)としては、ディスプレイ用のTFT素子を考慮すると、透明性が高いものが好ましく、具体的には、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
さらに、フレキシブルディスプレイを考慮すると、アクリル樹脂、ポリエチレンスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂など高分子材料も好ましい。
ゲート電極層12に使用できる材料としては、低抵抗な導電体が好ましく、具体的には、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等の無機酸化導電物、不純物注入された低抵抗シリコン、アルミニウム、金、白金等の金属が挙げられる。さらにフレキシブルディスプレイを考慮すると、例えばドープド・ポリアニリンのような導電性高分子を用いることも好ましい。
次に絶縁層13は形成後の最表面に水酸基が露出されることが好ましい。
具体的には、SiO2、Al23等の無機酸化絶縁膜や、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール等の有機膜が挙げられる。
次に、有機分子層の主鎖骨格、官能基の位置、それぞれの層と共有結合する官能基の種類について説明する。
まず、主鎖骨格と官能基の位置について図2を用いて説明する。
分子層を形成する有機分子の骨格はπ共役化合物が好ましい。前記のπ共役化合物の具体的例としては、ベンゼン、ピリジン、チオフェン、ピロールなどの単環構造のもの(例えば図2a)参照)や、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセンのなどの縮環構造のもの(例えば、図2b)参照)や、ビフェニル、ビピリジル、ターフェニル、ターチオフェンなどの多環式構造のもの(例えば、図2c)参照)などが挙げられる。
前記骨格に対し官能基が結合する位置は、六員環骨格においては1,4−または2,5−位のようなパラ位が好ましく、五員環骨格においては2,5−位が好ましい。
このような構成によれば、基板に対して略垂直方向に連続的な積層が可能になり、配向性の高い有機膜を作製することができるため、キャリア移動度の高い有機層を形成することが可能になる。
次に、各層と結合する官能基について図3を用いて説明する。
絶縁層と結合する官能基はトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基や、トリクロロシリル基のようなトリハロゲンシリル基が好ましい(例えば、図3a)参照)。このような官能基によれば、絶縁層表面上の水酸基とシロキサン結合を形成し、基板と強固に共有結合するため密着性を向上させ、剥離による劣化を防ぐことできる。
複数の分子層から構成される場合、分子層を連結する官能基は化学反応を起こし共有結合を生じれば任意であるが、以下のものがより好ましい。
第一に常温、常圧、大気雰囲気下といった温和な条件下で反応が進行するものである。理由としては基板や電極にダメージが少ないためである。
第二に、分子層をπ共役結合で連結する手法である。理由としては分子鎖方向のπ共役を伸展することができ、キャリアの移動度が向上するためである。
第一の例としてはアミノ基を有する化合物とカルボキシル基を有する化合物の組合せが好ましく、塩酸N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(以下、EDCと略)やジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略)を用いることで、これらの化合物間にアミド結合を形成させることが可能である。
また、第二の例としては、エチニル基を有する化合物とハロゲン基を有する化合物の組合せが好ましく、パラジウム触媒および銅触媒を用いて反応させることにより、アセチレン結合で化合物どうしを連結することが可能である(例えば、図3b)参照)。
分子層の触媒層の触媒金属と共有結合する官能基としては、配位結合して触媒金属と錯体を形成可能な非共有電子対を持つものが好ましい。具体例としては、アミノ基、ピリジル基、ビピリジル基、エチレンジアミノ基などの窒素含有官能基やジメチルフォスフィン、ジフェニルフォスフィンなどのリン含有官能基が挙げられる(例えば、図3c)参照)。
非共有電子対を持つ官能基は、触媒金属と配位結合して錯体を形成することにより、有機層と金属層との間の剥離が生じ難く、劣化が少ない、かつ接触抵抗の低いデバイスを得ることが可能である。
次に触媒層について説明する。
触媒層を形成する触媒金属は、非共有電子対をもつ官能基と錯体形成可能であり、かつ金属イオンを、無電解めっきにより金属化させる触媒能を有しているものが好ましい。具体的にはパラジウム、パラジウム/スズが挙げられる。
さらに、パラジウムはアミノ基、ピリジル基、エチレンジアミノ基との配位結合形成性に優れているため、触媒層およびそれに続く電極層を高精細にパターニングすることが可能であり、特に好ましい。
次に、ソース、ドレイン電極層について説明する。
ソース、ドレイン電極層は触媒層により金属化(無電解めっき)されるものが好ましく、具体的には、ニッケル、コバルト、パラジウム、銅、銀、金などが挙げられる。なかでも、低抵抗な金属という理由から金または銅を用いることが好ましい。
次に、本発明の有機トランジスタの製造方法について、図4a)〜h)を用いて具体的に説明する。
まず、図4a)に示すように基板11上にゲート電極12を既知の手法、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等により形成し、さらに、ゲート電極12上に絶縁層13を既知の手法、例えば、熱酸化法、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法、スピンコート法、ゾルーゲル法等により形成する。
次に、図4b)に示すように、絶縁層13上に第一層目の有機分子層141を形成する。
次に続く、触媒層または分子層第二層目を共有結合で連結するためには均一な膜質で表面に官能基が露出した単分子膜が好ましい。シランカップリング剤は水存在下で自己重合し、系中で重合体を生じた場合、その重合体が基板と物理的、化学的に吸着すると基板上にグレインを生じる恐れがあるため、液相法であれば、無水トルエンなどの脱水溶媒を用いることが好ましく、また、気相法であれば、容器を窒素置換するなど、水分や湿度を制御した雰囲気下で形成させることが好ましい。
次に、図4c)に示すように、第一層目の分子層141上に第二層目以降の分子層142を形成する。既知の化学反応を用いて、連続的に積層することが好ましい。
図5を用いて詳しく説明すると、同一の官能基を二つもつ二種類の分子を交互積層する方法(A−A+B−B型(例えば、図5a)参照)と一つの分子に反応する二種類の官能基をもつ分子を連続積層する方法(A−B型(例えば、図5b)参照)に分けられる。
A−A+B−B型では、二種類の分子を用意する必要があるが、A−B型のように自己反応する恐れが無いため、単分子層ずつ積層することが可能である。
また、A−B型では、自己反応を防ぐため官能基Bを保護することが好ましい(官能基B’)。保護したものを積層した後、保護基を外し、次の分子層を積層することが好ましい。この手法によれば、一種類の分子だけ使用するため、製造コストを低減できる。
上記のように分子層を複数層積層することで、デバイス作製の過程で、有機膜の膜厚の制御が可能であり、分子層表面に種々の官能基を導入することが可能である。
次に図4d)に示すように、複数の分子層142上に選択的に触媒層との共有結合形成領域143と共有結合非形成領域144を作り分ける。
図6を用いて詳しく説明する。第一の手法として、まず、触媒層と共有結合する官能基を持つ分子層61を積層し、次に、既知の手法、例えばフォトリソグラフィーなどにより触媒層と共有結合する官能基を保護する。そこへ、触媒層と共有結合しない安定な官能基を持つ分子層、または官能基を持たない分子層(終端分子層)62を積層する。最後に保護膜(レジスト膜)を除去することにより、触媒層との共有結合形成領域と共有結合非形成領域を作り分ける(図6a))。
上記の手法の触媒層と共有結合する官能基は、非共有電子対を持ち、終端分子層と共有結合をするものが好ましく、具体的にはアミノ基が好ましい。また、終端分子層には安定な表面を提供し、触媒の接着を防げる分子層が好ましく、無置換ベンゼンやアルカンなどの炭化水素化合物が好ましい。
第二の手法として、まず、触媒層との共有結合性官能基の前駆体分子層63を積層する。次に選択的に光や熱などの外部刺激を与え、前駆体官能基を触媒層と共有結合する官能基に変換することで、触媒層と共有結合する領域と共有結合しない領域を作り分ける(図6b))。
上記手法の外部刺激は、光が好ましく、光化学反応を起こさせることで、非接触で、簡便に官能基変換することが可能である。具体的には、図7a)に示すように、カルバミン酸2−ニトロベンジルエステル基を光照射により、触媒層と共有結合するアミノ基に変換する手法が挙げられる(例えば、Ann Caviani Peaseら、“Light-generated oligonuculeotide arrays for rapid DNA sequence analysis"、Proc. Natl. Acad. Sci.、USA、91巻 (1994)、5022〜5026頁)。
また、上記手法のように一段階の反応で官能基変換する方法以外にも、複数の段階の反応により、官能基変換を行っても構わない。
具体的には図6b)に示すようにクロロメチル基を光照射によりホルミル基へ変換した後、アンモニアと反応させることでアミノ基に変換する手法が挙げられる(例えば、S. L. Brandowら、“Fabricatin of Patterned Amine Reactivity Templates Using 4-Chloromethylphenylsiloxane Self-Assembled Monolayer Films”、Langmuir、15巻、(1999)、5429〜5432頁)。
上記手法によれば、触媒層と共有結合しない領域は光化学反応に敏感な官能基を有する前駆体官能基で終端されずホルミル基で終端されるため、安定な表面を得ることが可能である。
次に、図4e)に示すように、分子層14上に触媒層15を形成させる手法について説明する。
触媒層を形成する金属の塩化物塩の水溶液に表面に結合可能な分子層を持つ基板を浸漬する。触媒種を溶解する溶媒は、pHやイオン種、イオン濃度が制御された緩衝溶液を用いることが好ましく、触媒層の生成速度が安定し、均一な触媒層を得ることができる。さらに分子層へのダメージの少ないpH領域であるpH2〜10の範囲で触媒層を形成させることが好ましい。この手法によれば、分子層が配位子となり、触媒層の触媒金属に配位結合することができるため、剥離が無く、接触抵抗の低いデバイスを作製することが可能である。
最後に図4f)に示すように、触媒層15上にソース、ドレイン電極16、17を形成する。
まず、以下の表1に示したように電極を形成させたい金属錯体と還元剤の組み合わせからめっき液を調製する。
Figure 0005039391
Figure 0005039391
次に触媒層を形成した基板を数時間、浸漬し、余分に付着したイオン種、金属種を洗浄することにより電極を形成する。この時、電極を形成する速度は溶液の温度やpHの依存性が大きいため、温度を一定に保つことのできる加熱装置を用い、pHを安定させるため、溶液中に緩衝剤を添加しておくことが好ましい。さらに分子層へのダメージの少ないpH領域であるpH2〜10の範囲で電極形成させることが好ましい。
上記手法により有機トランジスタを作製することができる。
以下の実施例は、本願発明を説明することを目的としており、本願発明をなんら制限するものではない。
実施例1
図8a)〜図8j)は本発明の有機トランジスタの作製方法を模式的に示したものである。
工程1:
まず、図8a)に示すようにハイドープドn型シリコンのゲート電極層81上に100nmの熱酸化膜の絶縁層83が形成された基板を準備した。次にアセトンに浸漬し超音波洗浄により脱脂した後、酸素プラズマ処理により付着した有機化合物を除去し、清浄な表面(水酸基表面)を露出した。
工程2:
次に、図8b)に示すように第一層目の分子層841を形成した。具体的には、テフロン(登録商標)ボトルに前記基板とp−アミノフェニルメトキシシランを封入し、100℃、120分間、オーブンにて加熱し、アセトンで超音波洗浄した。
工程3:
次に、図8c)に示すように分子層第二層目842を積層した。具体的には、まず、積層する分子としてテレフタル酸を用い、それの飽和水溶液を調製した。次に塩酸N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDC)と第1層目分子層841が形成された基板をテレフタル酸溶液に浸漬し、3時間、室温で撹拌した。最後に超純水で超音波洗浄し、基板に物理吸着している溶質を除去した。
工程4:
次に、図8d)に示すように分子層第三層目843を積層した。具体的には、まず、EDC水溶液を調製し、そこに第2層目分子層が形成された基板を浸漬した。次にその水溶液に積層する分子として1,4−フェニレンジアミン塩酸塩を添加し、3時間、室温で撹拌した。最後に、超純水で超音波洗浄し、基板に物理吸着している溶質を除去した。
工程5:
次に、図8e)に示すように、上記の工程3および4を8回繰り返して、ジカルボン酸とジアミンの交互積層、計11層の分子層を積層した。
工程6:
次に、図8f)に示すように前駆体分子層844を積層した。具体的には、まず、前駆体分子として4−(クロロメチル)ベンゾイックアシッドを用い、それのジメチルホルムアミド溶液を調製した。次に、EDCと、複数の分子層843が形成された基板を浸漬し、3時間、室温で撹拌した。最後にジメチルホルムアミドでよく濯ぎ、アセトンで超音波洗浄し、基板に物理吸着している溶質を除去した。
工程7:
次に、図8g)に示すように光照射による官能基変換を行った。具体的には、まず、透明基板として石英上に、クロムを蒸着により製膜し、フォトリソグラフィーによりチャネル長がそれぞれ、20μm、40μm、60μm、80μmおよび100μmで、チャネル幅はすべて400μmの電極パターンが形成できるようにそれぞれクロム被膜を剥いだフォトマスクを作製した。次に、フォトマスクの上から大気雰囲気下で193nmの紫外光を照射し、選択的にメチルクロロ基をホルミル基に変換した(図8h)参照)。
工程8:
次に、図8i)に示すようにホルミル基をアミド化および還元により触媒が共有結合形成可能なアミノ基に変換した。具体的には、メタノールに酢酸アンモニウムとシアノ水素化ホウ素ナトリウムを溶解させ、そこへ選択的にホルミル化された基板を浸漬し、3時間、室温で撹拌した。最後にアセトンで超音波洗浄し、基板に物理吸着している溶質を除去した。
工程9:
次に、図8j)に示すように分子層84上に触媒層85を担持させた。具体的には、触媒層として、パラジウムを用い、それの塩化物塩である四塩化パラジウム酸ナトリウム・三水和物(Na2PdCl4 ・3H2O)を少量の塩化ナトリウム水溶液に溶解後、2−(モルフォリノ)エタンスルフォン酸緩衝溶液を加え、触媒溶液を調製した。
次に、分子層84が形成された基板を触媒溶液に浸漬し、室温で30分間、静置した。最後に、超純水でよく洗浄し、過剰に付着した触媒を除去した。
工程10:
次に、図8k)に示すようにソース、ドレイン電極86、87を形成した。具体的には、まず、ソース、ドレイン電極として金を用い、その塩化物塩である四塩化金酸ナトリウム(NaAuCl4)0.47gを水100mlに溶解し、さらにチオ硫酸ナトリウム(Na223)1.6g、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)1.0g、塩化アンモニウム(NH4Cl)0.26gおよびL-アスコビン酸ナトリウム(C67NaO6)4.4gを添加することによりめっき液を調製した(各試薬の量をご記入下さい)。
これをウォーターバスで60℃に加熱し、触媒層85が形成された基板を4分間浸漬した。基板を浸漬後、電子顕微鏡で電極の膜厚を測定したところ100nmであった。最後に、超純水でよく洗浄し、過剰に付着した金や溶質を除去した。
上記のような手法によりチャネル長が20μm、40μm、60μm、80μmまたは100μmで、チャネル幅がすべて400μmのトップコンタクト型トランジスタをそれぞれ作製した。
作製した素子の評価として、シリコン半導体と金属電極とのオーミックコンタクトを評価する手法としてよく用いられるTML法(Transmission Line Model)によりソース、ドレイン電極の接触抵抗を測定した。
具体的には図9に示すように、各チャネル長のソース−ドレイン電極間の抵抗値Rtotalを測定した。式(1)よりチャネル長Lに対し、抵抗値Rtotalをプロットすることにより得られた直線のy切片から電極の接触抵抗Rcを算出した。
Figure 0005039391
比較例
前記工程1〜4に従い、ハイドープドn型シリコンのゲート電極層とシリコン熱酸化膜の絶縁層を基板上にp−アミノフェニルメトキシシラン、テレフタル酸および1,4−フェニレンジアミンを積層し、分子層3層目までを形成した。
次に、テレフタル酸と1,4−フェニレンジアミンの交互積層を7回行い、計10層の分子層を形成した。さらに、終端分子層としてアニリンを積層し、計11層の分子層を形成した。
最後に、ソース、ドレイン電極として金を真空蒸着にて100nm形成し、有機層−上部電極界面が物理的に接触したトランジスタを作製した。
上記実施例と同様にTML法により接触抵抗を測定したところ、本発明で作製した素子に比べ、10倍大きい接触抵抗値を示した。
この結果から、本発明のトランジスタは接触抵抗が低く、密着性に優れた長寿命な素子であると言える。
本発明の有機トランジスタの構造と作製方法によれば、ゲート電極−絶縁層−有機分子−ソース・ドレイン電極が共有結合で連結されているため、各層界面が強固に結合されることにより、各層間での剥離が無く、長寿命なデバイスを得ることが可能である。
また、触媒層と接合する有機分子層が非共有電子対を有する原子を含む官能基を末端部に有する分子層から構成されることで分子層が触媒金属と配位結合を形成するため剥離が無く、接触抵抗の低い、長寿命なデバイスを得ることが可能である。
また、有機分子層を複数の有機分子層を積層して形成させることで、デバイス作製の過程で、膜厚の制御が可能であることや、この積層した分子層末端に触媒層と共有結合する官能基や安定な終端官能基(終端分子層)など、種々の官能基を導入することが可能である。
また、分子層末端の官能基の選択的な変換、すなわち、触媒層と共有結合する官能基から共有結合しない終端官能基に変換、または、触媒層と共有結合しない前駆体官能基から共有結合する官能基に変換することで、共有結合する官能基の領域に選択的に触媒層を導入することができるため、ソース、ドレイン電極をパターニングすることが可能である。
さらに、前述の共有結合する官能基が、アミノ基またはピリジル基で、触媒層がパラジウムから構成されることにより、より配位能力が優れているため、触媒層、およびそれに続くソース、ドレイン電極を高精細にパターニングすることが可能である。
また、ソース、ドレイン電極を無電解めっきにより形成させることで、真空プロセスを用いずに電極を形成できる。
本発明の有機トランジスタの概略図である。 本発明の有機トランジスタの分子骨格の一例を示す図である。 本発明の有機トランジスタの官能基の一例を示す図である。 本発明の有機トランジスタの製造工程を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタの積層方法の一例を示す概略図である。
本発明の有機トランジスタの官能基のパターニングを示す概略図である。 本発明の有機トランジスタの官能基変換の一例を示す図である。 本発明の有機トランジスタの製造工程を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタの接触抵抗の測定方法を示す概略図である。
符号の説明
11:基板、
12:ゲート電極、
13:絶縁層、
14:複数の分子層、
141:第一層目の分子層、
142:第二層目以降の分子層、
143:触媒層との共有結合形成領域、
144:触媒層との共有結合非形成領域、
15:触媒層、
16、17:ソース、ドレイン電極。
61:触媒層と共有結合性官能基を持つ分子層
62:終端分子
63:触媒層との共有結合性官能基の前駆体分子層
81:ゲート電極、
83:絶縁層、
841:第一層目の分子層、
842:第二層目の分子層、
843:第三層目の分子層、
844:前駆体分子層、
84:分子層、
85:触媒層、
86、87:ソース、ドレイン電極
91:基板、ゲート電極、
92:絶縁層、
93:分子層(半導体層)、
94:触媒層、
95:ソース、ドレイン電極

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された絶縁層と、前記絶縁層表面上の水酸基と片末端が共有結合した有機分子層と、前記分子層の他末端が共有結合した触媒層と、前記触媒層上に形成されたソース、ドレイン電極から構成されることを特徴とする有機トランジスタ。
  2. 前記触媒層と共有結合する前記分子層の他末端が、非共有電子対を有する原子を含む官能基を有し、この官能基が前記触媒層と配位結合している請求項1に記載の有機トランジスタ。
  3. 記官能基が、アミノ基またはピリジル基であり、前記触媒層がパラジウムを含む請求項に記載の有機トランジスタ。
  4. 前記分子層が複数の分子層から形成されることを特徴とした請求項1に記載の有機トランジスタ。
  5. 基板上にゲート電極、ゲート絶縁層を形成させる第一の工程と、前記ゲート絶縁層表面上の水酸基に有機分子層の片末端を共有結合させて前記分子層を配列させる第二の工程と、前記分子層の他末端と触媒層とを共有結合させる第三の工程と、前記触媒層上にソース、ドレイン電極層を形成させる第四の工程を含む有機トランジスタの製造方法。
  6. 第二の工程が、前記ゲート絶縁層上に共有結合させる有機分子層を配列後、有機分子層を複数層積層し、この積層した分子層末端に前記触媒層と共有結合する領域と共有結合しない領域を選択的に作り分ける第五の工程を含む請求項5記載の有機トランジスタの製造方法。
  7. 第五の工程が、前記積層した分子層末端に触媒層と共有結合しない官能基を有する前駆体分子層を積層し、この官能基を選択的に前記触媒層と共有結合する官能基に変換する工程を含む請求項6に記載の有機トランジスタの製造方法。
  8. 第五の工程が、前記積層した分子層末端に前記触媒層と共有結合する官能基をもつ分子層を積層し、選択的に触媒層と共有結合しない終端分子層を積層する工程を含む請求項6に記載の有機トランジスタの製造方法。
  9. 第四の工程におけるソース・ドレイン電極層を形成させる工程が、無電解めっきにより電極を形成させる工程を含む請求項5に記載の有機トランジスタの製造方法。
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