JP5037739B1 - 母板加工用金型、加工板の製造方法、及び、製品板の製造方法 - Google Patents

母板加工用金型、加工板の製造方法、及び、製品板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プッシュバックされた多数の製品板(プリント回路板)が枠部に仮止めされており、かつ、外形の寸法精度が高い加工板(実装用基板)を製造可能な母板加工用金型、このような母板加工用金型を用いた加工板の製造方法、及び、このような加工板から製品板を製造する製品板の製造方法を提供すること。
【解決手段】母板加工用金型10aに、プリント回路板108をプッシュバックするための下パンチ22aと、横スリット106を形成するための横スリット形成ピン26を設け、かつ、横スリット形成ピン26を着脱自在とする。横スリット106を形成するときは、母板加工用金型10aに横スリット形成ピン26を取り付け、プッシュバック加工のみを連続して行うときは、横スリット形成ピン26を母板加工用金型10aから取り外す。
【選択図】図1

Description

本発明は、母板加工用金型、加工板の製造方法、及び、製品板の製造方法に関し、さらに詳しくは、製品板(プリント回路板)がプッシュバック法により枠部に仮止めされた加工板(実装用基板)を製造するための母板加工用金型、このような母板加工用金型を用いた加工板の製造方法、及び、このような方法により得られる加工板から製品板を得る製品板の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、電子機器に用いられるプリント回路板に対しても小型化、異形化の要求が増大している。一方、プリント回路板に電子部品を装着するためのチップマウンターや自動挿入機などの電子部品自動装着機(以下、これを「自装機」という。)は、搬送の関係から、ワークの大きさに上限と下限がある。また、自装機に使用するワークの外形は、実質的に長方形であること、すなわち、少なくとも一つの辺が直線で、これに直交する辺の少なくとも1つが直線であることが要求される。
そこで、小型、かつ異形のプリント回路板上に自装機を用いて電子部品を装着する場合には、まず、プリント配線母板に複数のプリント回路板を作り込み、Vカット法、プッシュバック法、ミシン目法等を用いて、プリント回路板がもとのプリント配線母板に仮止めされた状態とし、次いで、プリント配線母板の外形を自装機で搬送可能な大きさ、形状を有する基板(実装用基板)に切断する方法が用いられている。
この内、Vカット法は、プリント配線母板上に印刷されたプリント回路の境界線に沿ってV字形、U字型等の凹溝(Vカット)を入れ、プリント回路上に電子部品を実装した後、Vカットに沿って破断させる方法である。従って、Vカット法は、その外形が直線的であるプリント回路板に対してのみ適用可能である。
また、ミシン目法は、プリント回路板の境界線に沿って、多数の小孔をあけ、小孔に沿って破断させる方法である。ミシン目法は、破断後の境界線に凹凸が残るので、外形の寸法精度が要求されないプリント回路板に対してのみ適用可能である。なお、ミシン目に代えて、プリント回路板の境界線に沿って不連続な長孔を離散的に形成し、幅の狭い連結部で枠部に仮止めする方法も知られている。
一方、プッシュバック法は、上型及び下型でプリント配線母板を狭持しながら、所定の形状を有する刃物を用いてプリント回路板を打ち抜き、次いで、打ち抜かれたプリント回路板を元の穴にはめ込む方法である。プッシュバック法は、外形の寸法精度が高く、かつ、プリント回路板の形状に制約はないので、特に、異形のプリント回路板に電子部品を自動装着する場合に有効な方法である。
プッシュバック法を用いたプリント配線母板の加工は、一般に、
(1) 電気回路が印刷されたプリント配線母板にプッシュバック用の基準穴を形成し、
(2) プッシュバック用金型を用いて、プリント回路板のプッシュバック加工、及び、必要に応じて部品穴等の穿孔を行い、
(3) 外形切断用金型を用いてプリント配線母板の外形を切断し、所定個数のプリント回路板を含む実装用基板を母板から切り出す、
ことにより行われている。
しかしながら、プッシュバック加工は、一般に、プリント配線母板に強いせん断力が作用するため、反りが発生しやすい。プッシュバック加工と外形切断は、従来、別個の金型を用いて行うのが一般的であったが、母板に対してプッシュバック加工のみを連続して行うと母板に大きな反りが発生し、外形切断が困難になるという問題があった。また、プッシュバック加工用の金型と外形切断用の金型が必要となり、高コスト化を招くという問題があった。さらに、製造された実装用基板に反りが発生し、あるいは、相対的に大きな残留応力があると、枠部からプリント回路板を取り外すのが困難になるという問題があった。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、プリント配線母板からプリント回路板を打ち抜き、打ち抜かれた前記プリント回路板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、打ち抜かれた前記プリント回路板の少なくとも一方の側方に、前記プリント配線母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を順次形成することによって、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成するための縦スリット形成手段とを備えたプリント配線母板加工用金型が開示されている。
同文献には、
(1)プッシュバックされたプリント回路板の少なくとも一方の側方には、連続した縦スリットが形成されるので、従来の方法に比して、外形切断が簡略化される点、
(2)横スリット形成手段をさらに備えている場合には、プリント配線母板の搬送方向に並んだ各プリント回路板の間には、縦スリットと直交する不連続な横スリットが形成されるので、プッシュバック加工終了後に、所定の位置に形成された横スリットの連結部分を破断させるだけで、プッシュバックされた所定個数のプリント回路板を含む加工板が得られる点、及び、
(3)外形切断用の別個の金型又は外形切断工程が不要化又は簡略化されるので、金型コストを大幅に削減でき、作業性も向上する点、
が記載されている。
また、特許文献2には、
(1)母板を順方向送りしたときに第1の製品板のプッシュバック加工を行い、かつ、母板を反転方向送りしたときに新たに第2の製品板のプッシュバック加工を行うようにプッシュバック手段が設けられ、
(2)母板を順方向送りしたときに縦スリット素片が連通せず、かつ、母板を反転方向送りしたときに縦スリット素片が連通して連続した縦スリットとなるように縦スリット素片形成手段が設けられた母板加工用金型が開示されている。
同文献には、このような母板加工用金型を用いることにより、プレス能力の小さい小型のプレス機械を用いて、多数の製品板が組み込まれた大面積の加工板を製造することが可能となる点が記載されている。
さらに、特許文献3には、複数個の製品板のプッシュバック加工、縦スリット素片の形成及び横スリット素片の形成を複数個の金型に分けて行うための金型セットが開示されている。
同文献には、1個の加工板に作り込まれる製品板のプッシュバック加工を行うためのプッシュバック手段ををN個の母板加工用金型に分散して配置し、N回の順方向プレス加工により個々の製品板のプッシュバック加工を行わせると、1回のプレス加工によりすべての製品板のプッシュバック加工を行う場合に比べて、プレス圧力を約1/Nに下げることができる点が記載されている。
特許文献1に記載の方法は、小さな金型で比較的大きな基板を製造できるという利点がある。しかしながら、この方法では、実装用基板の端部に不連続な横スリットが形成されるため、実装用基板の外形に高い寸法精度が要求される場合には、別個の装置を用いて不連続部分を切断する必要がある。また、プッシュバックされたプリント回路板の間にも不連続な横スリットが形成されるため、プリント回路板の間に、相対的に大きな間隔が必要となる。そのため、材料歩留まりの向上には、限界がある。
一方、特許文献2、3に記載の方法は、実装用基板の基準辺となる縦スリット及び横スリットを形成することができるので、実装用基板の外形精度が高い。また、プッシュバックされたプリント回路板の間に不連続な横スリットが形成されないので、プリント回路板の間隔を究極まで狭くすることができる。
しかしながら、特許文献2、3に記載の方法を用いて、外形精度が高く、かつ、大型の実装用基板を製造するためには、相対的に大きな金型が必要となる。特に、少量多品種の実装用基板を製造する場合には、金型が大きくなるほど、製造コスト全体に占める金型コストの割合が大きくなる。
特開2003−089097号公報 特許第4341929号公報 特開2011−258899号公報
本発明が解決しようとする課題は、プッシュバックされた多数の製品板(プリント回路板)が枠部に仮止めされており、かつ、外形の寸法精度が高い加工板(実装用基板)を製造可能な母板加工用金型、このような母板加工用金型を用いた加工板の製造方法、及び、このような加工板から製品板を製造する製品板の製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような加工板を高い材料歩留まりで製造可能な母板加工用金型、このような母板加工用金型を用いた加工板の製造方法、及び、このような加工板から製品板を製造する製品板の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、少量多品種の加工板を製造する場合であっても、製造コスト全体に占める金型コストの割合の小さい母板加工用金型、このような母板加工用金型を用いた加工板の製造方法、及び、このような加工板から製品板を製造する製品板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る母板加工用金型は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記母板加工用金型は、
母板から一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、
前記プッシュバック手段に対して、前記母板の搬送方向の上流側及び/又は下流側に設けられ、前記母板の搬送方向に対して垂直方向に横スリット又は横スリット素片を形成するための横スリット形成手段とを備え、
前記横スリット形成手段は、前記母板加工用金型に対して着脱自在になっている。
(2)前記母板加工用金型は、
前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板に対して合計n回(n≧2)以上のプレス加工を行うことにより、
前記母板から、
(a)プッシュバックされた前記一群の製品板が枠部に仮止めされており、かつ、
(b)前記母板の搬送方向に沿ってn個の前記一群の製品板が並んでいる
加工板を製造するために用いられる。
(3)前記横スリット形成手段は、
1回のプレス加工により、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した前記横スリットが形成されるように、又は、
2回以上のプレス加工により、前記横スリット素片が互いに連通し、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した前記横スリットが形成されるように、
前記母板加工用金型に配置されている。
(4)前記母板加工用金型は、
前記横スリットを形成する時には、前記横スリット形成手段の全部又は一部を装着した状態で前記母板の加工を行い、
前記横スリットを形成しない時には、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板の加工を行うために用いられる。
本発明に係る母板加工用金型は、以下の構成をさらに備えていても良い。
(6)前記母板加工用金型は、
前記母板の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を形成するための縦スリット素片形成手段を備え、
前記縦スリット素片形成手段は、2回以上のプレス加工を行うことにより前記縦スリット素片が互いに連通し、前記加工板の搬送方向に対して平行な辺となる連続した縦スリットとなるように、前記母板加工用金型に配置されている。
本発明に係る加工板の製造方法の1番目は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)請求項1又は2に記載の母板加工用金型を用いて、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、前記母板の上流側の端部又は下流側の端部に連続した前記横スリットを形成する横スリット形成工程。
(2)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板から前記一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
本発明に係る加工板の製造方法の2番目は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)請求項3に記載の母板加工用金型を用いて、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、前記母板の上流側の端部又は下流側の端部に連続した前記横スリットを形成する横スリット形成工程。
(2)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板から前記一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
(3)前記横スリット形成工程及び/若しくは前記プッシュバック工程と同時に、又は、これらと独立して、前記縦スリット素片形成手段を用いて、前記縦スリット素片を形成する縦スリット素片形成工程。
さらに、本発明に係る製品板の製造方法は、本発明に係る方法により得られる加工板の枠部から製品板を分離させることを要旨とする。
母板を搬送しながら複数回のプッシュバック加工を行う場合において、横スリット形成手段を金型に設けると、加工板の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した横スリットを形成することができる。そのため、加工板の外形の寸法精度が向上する。
また、横スリット形成手段を金型に対して着脱自在とし、連続した横スリットを形成する時以外は横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で加工を行うと、プッシュバックされる製品板の間隔を究極まで狭くすることができる。そのため、材料歩留まりが向上する。
さらに、プッシュバックされた多数の製品板を含む加工板を製造し、かつ、連続した横スリットとを形成するために大きな金型を必要としない。そのため、少量多品種の加工板を製造する場合であっても、製造コスト全体に占める金型コストの割合を小さくすることができる。
図1(a)は、母板加工用金型(第1具体例)の下型の平面図である。図1(b)及び図1(c)は、それぞれ、図1(a)に示す母板加工用金型のB−B’線断面図、及び、C−C’線断面図である。 図1に示す母板加工用金型を用いたプリント配線母板の順方向プレス加工の工程図である。 図2に示す工程図の続きである。 図1に示す母板加工用金型を用いた順方向プレス加工(図4(a))+反転方向プレス加工(図4(b))の工程図である。
図5(a)は、母板加工用金型(第2具体例)の下型の平面図である。図5(b)は、図5(a)に示す母板加工用金型を用いたプリント配線母板の順方向プレス加工の工程図である。 図5(b)に示す工程図の続きである。 図5(a)に示す母板加工用金型を用いた順方向プレス加工(図7(a))+反転方向プレス加工(図7(b))の工程図である。
図8(a)は、母板加工用金型(第3具体例)の下型の平面図である。図8(b)は、図8(a)に示す母板加工用金型を用いたプリント配線母板の順方向プレス加工の工程図である。 図8(b)に示す工程図の続きである。 図9に示す工程図の続きである。
図11(a)は、母板加工用金型(第4具体例)の下型の平面図である。図11(b)は、図11(a)に示す母板加工用金型を用いたプリント配線母板の順方向プレス加工の工程図である。 図11(b)に示す工程図の続きである。 図12に示す工程図の続きである。 図11(a)に示す母板加工用金型を用いた順方向プレス加工(図14(a))+反転方向プレス加工(図14(b)、図14(c))の工程図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、プリント配線母板からプリント回路板を含む実装用基板を製造するための母板加工用金型、及び、このような金型を用いた実装用基板の製造方法について主に説明するが、本発明は、プリント配線母板以外の「母板」、実装用基板以外の「加工板」、プリント回路板以外の「製品板」についても適用することができる。
[1. 母板加工用金型]
本発明に係る母板加工用金型は、以下の構成を備えている。
(1)前記母板加工用金型は、
母板から一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、
前記プッシュバック手段に対して、前記母板の搬送方向の上流側及び/又は下流側に設けられ、前記母板の搬送方向に対して垂直方向に横スリット又は横スリット素片を形成するための横スリット形成手段とを備え、
前記横スリット形成手段は、前記母板加工用金型に対して着脱自在になっている。
(2)前記母板加工用金型は、
前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板に対して合計n回(n≧2)以上のプレス加工を行うことにより、
前記母板から、
(a)プッシュバックされた前記一群の製品板が枠部に仮止めされており、かつ、
(b)前記母板の搬送方向に沿ってn個の前記一群の製品板が並んでいる
加工板を製造するために用いられる。
(3)前記横スリット形成手段は、
1回のプレス加工により、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した前記横スリットが形成されるように、又は、
2回以上のプレス加工により、前記横スリット素片が互いに連通し、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した前記横スリットが形成されるように、
前記母板加工用金型に配置されている。
(4)前記母板加工用金型は、
前記横スリットを形成する時には、前記横スリット形成手段の全部又は一部を装着した状態で前記母板の加工を行い、
前記横スリットを形成しない時には、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板の加工を行うために用いられる。
「一群の製品板」とは、1回のプレス加工により形成される製品板の集合体をいう。例えば、1個の製品板を形成するためのプッシュバック手段を備えた金型の場合、「一群の製品板」とは、1回のプレス加工で形成される1個の製品板を言う。
一方、プッシュバック手段が母板の搬送方向に対して平行方向、及び/又は、垂直方向に複数個設けられている場合、「一群の製品板」とは、1回のプレス加工で形成される複数個の製品板を言う。
「順方向送り」とは、母板をある1つの方向(順方向)に間欠的に搬送することをいう。
「反転方向送り」とは、母板を順方向とは180°異なる方向(反転方向)に間欠的に搬送することをいう。
一定の方向に母板を搬送しながらプッシュバック加工のみを連続して行う場合、母板の搬送距離は、通常、一定である。一方、横スリット又は横スリット素片の形成を行う場合、横スリット又は横スリット素片のみが形成される場合と、横スリット又は横スリット素片の形成と同時に、一群の製品板のプッシュバック加工が行われる場合とがある。この場合、その搬送距離は、プッシュバック加工のみを連続して行う場合の搬送距離とは異なる場合がある。
母板の搬送方向に沿ってn個の一群の製品板が並んでいる加工板を製造する場合、最低、n回のプレス加工が必要となる。横スリット形成手段の形状、配置等によっては、さらに数回程度の付加的なプレス加工が必要となる場合がある。
(n+α)回のプレス加工をすべて順方向送りで行っても良く、あるいは、一部を反転方向送りで行っても良い。反転方向送りでのプレス回数は、特に限定されるものではなく、金型の構造や目的に応じて、任意に選択することができる。
「横スリットを形成する時」とは、連続した横スリットのみを形成する場合、又は、連続した横スリットに加えて、不連続な横スリット素片を形成する場合をいう。
「横スリットを形成しない時」とは、連続した横スリット及び不連続な横スリット素片のいずれも形成しない場合、又は、不連続な横スリット素片のみを形成し、連続した横スリットを形成しない場合をいう。
横スリットを形成する場合、横スリット形成手段の全部又は一部を装着した状態で母板の加工を行う。
例えば、横スリット形成手段が、1回のプレスにより連続した横スリットを形成するものである場合、横スリット形成手段の着脱は、一体的に行われる。
横スリット形成手段が、2回以上のプレス加工を行うことにより、横スリット素片が互いに連通し、連続した横スリットが形成されるもの(横スリット素片形成手段)である場合、横スリット形成手段の全部を取り付けた状態で複数回のプレス加工を行うと、連続した横スリットの他に、母板の内部に横スリット素片が形成される。この場合、余分な横スリット素片が製品板や枠部を損傷させない位置に形成されるときは、横スリット形成手段の着脱を、一体的に行っても良い。
また、横スリット素片形成手段の特定部分のみを取り外した状態で2回以上のプレス加工を行うと、連続した横スリットが形成されず、不連続な横スリット素片のみが形成される。余分な横スリット素片が製品板や枠部を損傷させない位置に形成されるときは、横スリット形成手段(横スリット素片形成手段)の着脱を部分的に行っても良い。
一方、余分な横スリット素片が製品板や枠部を損傷させる位置に形成されるときは、連続した横スリットのみが形成され、かつ、余分な横スリット素片が形成されないように、横スリット素片形成手段の着脱を部分的に行う必要がある。また、プッシュバック加工のみを連続して行うときは、横スリット素片形成手段の全部を取り外した状態でプレス加工を行う必要がある。
母板をステップ送りしながらプレス加工を行う場合において、母板の搬送距離は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な値を選択することができる。高い材料歩留まりを得るためには、製品板のプッシュバック加工のみを連続して行う際の母板の搬送距離は、t1+t2+t3以下とするのが好ましい。
ここで、「t1」は、横スリット又は横スリット素片を形成するためのピン又はピン誘導穴の搬送方向の長さである。
「t2」は、一群の製品板をプッシュバックするためのパンチ又はパンチ誘導穴に外接している長方形又は正方形であって、1辺が母板の搬送方向に対して平行であるもの(外接四角形)の搬送方向の長さである。例えば、金型が製品板をプッシュバックするための1個のパンチを備え、パンチの形状が長方形又は正方形であって、1辺が母板の搬送方向に対して平行である場合、外接四角形は、パンチ形状に等しい。
一方、複数個のパンチが母板の搬送方向に対して平行方向、及び/又は、垂直方向に並んでいる場合、外接四角形とは、複数個のパンチに外接する最小の長方形又は正方形であって、1辺が母板の搬送方向に対して平行であるものをいう。
「t3」は、横スリット又は横スリット素片を形成するためのピン又はピン誘導穴と外接四角形との間の搬送方向の距離である。
本発明に係る母板加工用金型は、上述した構成に加えて、以下の構成をさらに備えていても良い。
(6)前記母板加工用金型は、
前記母板の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を形成するための縦スリット素片形成手段を備え、
前記縦スリット素片形成手段は、2回以上のプレス加工を行うことにより前記縦スリット素片が互いに連通し、前記加工板の搬送方向に対して平行な辺となる連続した縦スリットとなるように、前記母板加工用金型に配置されている。
横スリット形成手段に加えて、縦スリット素片形成手段をさらに備えていると、加工板の基準となる辺であって、搬送方向に対して垂直な辺に加えて、搬送方向に対して平行な辺もまた、プレス加工により形成することができる。
縦スリット素片形成手段を備えた金型の場合、プレス加工のみで横スリットと縦スリットとが連通するように、縦スリット素片形成手段を配置するのが好ましい。プレス加工のみで横スリットと縦スリットとの間に不連続部分が生ずる場合、プレス加工の前又は後に、不連続部分を切断するための追加の加工を行う必要がある。
[2. 加工板の製造方法]
本発明の第1の実施の形態に係る加工板の製造方法は、以下の構成を備えている。
(1)横スリット形成手段を備えた母板加工用金型を用いて、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、前記母板の上流側の端部又は下流側の端部に連続した前記横スリットを形成する横スリット形成工程。
(2)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板から前記一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
本発明の第2の実施の形態に係る加工板の製造方法は、以下の構成を備えている。
(1)横スリット形成手段及び縦スリット素片形成手段を備えた母板加工用金型を用いて、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、前記母板の上流側の端部又は下流側の端部に連続した前記横スリットを形成する横スリット形成工程。
(2)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板から前記一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
(3)前記横スリット形成工程及び/若しくは前記プッシュバック工程と同時に、又は、これらと独立して、前記縦スリット素片形成手段を用いて、前記縦スリット素片を形成する縦スリット素片形成工程。
いずれの場合においても、横スリット形成工程とプッシュバック工程の順序は問わない。すなわち、先に横スリット形成工程を行い、次いでプッシュバック工程を行っても良く、あるいは、その逆であっても良い。いずれの順序で行っても、同じ効果が得られる。
縦スリット素片形成手段を備えた金型を用いて母板の加工を行う場合において、横スリット形成工程及びプッシュバック工程と独立して縦スリット素片形成工程が行われるときには、縦スリット素片の形成順序は、縦スリット素片形成手段の配置や母板の搬送方向などに応じて定まる。
また、1枚の母板に対して、横スリット形成工程とプッシュバック工程とを順次行っても良い。しかしながら、横スリット形成手段の着脱は、一般に煩雑であるので、1枚ごとにこれを行うのは非効率である。
そこでこのような場合には、1ロットの前記母板に対して、
(a)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、連続した前記横スリットを形成するためのプレス加工を行う工程、及び、
(b)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、連続した前記横スリットを形成しないようにプレス加工を行う工程
の内のいずれか一方の工程を行い、
次いで、1ロットの前記母板に対して他方の工程を行うようにしても良い。
いずれか一方の工程を連続して行うことにより、横スリット形成手段の着脱回数を最小限に抑えることができる。
[3. 具体例1]
[3.1. 母板加工用金型(1)]
図1(a)に、本発明の第1の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図を示す。なお、上型の底面図は、図示を省略してある。また、図1(b)及び図1(c)に、それぞれ、図1(a)に示す母板加工用金型のB−B’線断面図、及び、C−C’線断面図を示す。
図1において、母板加工用金型10aは、下型20と、上型50とを備えている。
[3.1.1. 下型(1)]
下型20は、下型ベース板22と、下型ストリッパー24とを備えている。下型ベース板22のほぼ中央には、プリント配線母板(図示せず)から一群のプリント回路板(図示せず)を打ち抜き、打ち抜かれた一群のプリント回路板を元の穴にはめ込むための下パンチ22a(プッシュバック手段)が設けられている。
なお、図1において、下パンチ22aの平面形状は長方形になっているが、これは単なる例示であり、下パンチ22aの形状は特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。
また、図1において、1個の下パンチ22aが設けられているが、これも単なる例示であり、下パンチの個数は、目的に応じて任意に選択することができる。例えば、母板の搬送方向に対して垂直方向に複数個の下パンチが並んでいても良く、あるいは、母板の搬送方向に対して平行方向に複数個の下パンチが並んでいても良い。
下型ベース板22の下パンチ22aの後方(プリント配線母板の搬送方向に対して下流側)には、1回のプレスにより連続した横スリット(実装用基板の基準となる辺であって、搬送方向に対して垂直であるもの)を形成するための横スリット形成ピン26(横スリット形成手段)が設けられている。横スリット形成ピン26は、下型20に対して着脱自在になっている。
なお、図1に示す例において、横スリット形成ピン26は、プリント配線母板の搬送方向に対して下流側に設けられているが、上流側に設けられていても良い。
また、図1に示す例において、横スリット形成ピン26は、1回のプレスにより連続した横スリットを形成可能な長さになっているが、横スリット形成ピン26を適当な長さに分割し、これらを搬送方向に沿って分散配置させても良い。横スリット形成ピン26を適当な長さに分割すると、1回のプレスで実装用基板の基準辺の長さより短いスリット(横スリット素片)が形成される。また、基準辺の長さより短いスリットを形成するためのピン(横スリット素片形成ピン)を搬送方向に沿って分散配置すると、プリント配線母板を搬送しながら複数回のプレスを行うことにより横スリット素片が互いに連通し、連続した横スリットを形成することができる。
下パンチ22aの側方には、実装用基板の基準となる辺であって搬送方向に対して平行方向であるもの(すなわち、実装用基板の枠部)に短いスリット(その先端が、プリント回路板に達しないスリット)を形成するための短スリット形成ピン28、28が設けられている。短スリット形成ピン28、28は必ずしも必要はないが、短スリット形成ピン28、28を設けると、実装用基板の枠部に短いスリットが形成されるので、プッシュバック加工後に実装用基板に発生する応力を緩和することができる。
短スリット形成ピン28、28の搬送方向の長さ(厚さ)は、横スリット形成ピン26の搬送方向長さに等しくなっている。また、短スリット形成ピン28の中心から横スリット形成ピン26の中心までの距離は、特に限定されないが、本実施の形態では、プッシュバック加工のみを連続して行う際の搬送距離に等しくなっている
下型ストリッパー24には、下パンチ22a、横スリット形成ピン26及び短スリット形成ピン28、28に対応する位置に、それぞれ貫通孔が設けられ、これらの側壁面に沿って下型ストリッパー24が上下動可能になっている。
また、下型ストリッパー24は、下型ベース板22の下方から遊挿される複数個のボルト30、30…によって上方向への移動が規制され、かつ、下型ベース板22と下型ストリッパー24の間に介挿される弾性部材32、32…によって上方向に付勢されている。弾性部材32、32…の材質は、特に限定されるものではないが、ウレタンゴムが好適な一例として挙げられる。
下型ストリッパー24の上面であって、下パンチ22aの左側には、プッシュバック加工の際の位置決めに用いられる位置決めピン34a、34bが設けられている。同様に、下パンチ22aの右側には、位置決めピン34a、34bに対応する位置に、位置決めピン36a、36bが設けられている。
位置決めピン34a−34b間の距離(又は、位置決めピン36a−36b間の距離)は、プリント回路板のプッシュバック加工のみを連続して行う際のプリント配線母板の搬送距離に相当する。材料歩留まりが問題とならない場合、プリント配線母板の搬送距離は、任意に選択することができる。
図1(a)に示す例において、プリント回路板のプッシュバック加工のみを連続して行う際の搬送距離は、t2+t3になっている。
なお、図1(a)において、
1は、横スリット形成ピン26の搬送方向の長さ、
2は、下パンチ22a(すなわち、外接四角形)の搬送方向の長さ、
3は、横スリット形成ピン26と下パンチ22aとの間の搬送方向の距離、
である。
その他、下型20には、上型50を誘導するためのガイドポスト、プリント回路板に部品穴を穿孔するためのピン誘導穴など、必要に応じて各種の部品が設けられるが、見やすくするために、これらの図示を省略してある。
[3.1.2. 上型(1)]
上型50は、通常、複数個のホルダが積層された積層構造を備えている。図1(b)及び図1(c)に示す例においては、見やすくするために、2つのホルダ52a、52bのみが図示され、その他は図示が省略されている。
上型50の最先端のホルダ52aには、スライドスペース54が設けられ、このスライドスペース54内に、プリント配線母板から一群のプリント回路板を打ち抜き、打ち抜かれたプリント回路板を元の穴にはめ込むための上型ストリッパー56(プッシュバック手段)が遊挿される。上型ストリッパー56は、下型20に設けられる下パンチ22aに対応する位置に設けられる。
上型ストリッパー56は、その先端がホルダ52aの表面から僅かに突出するように、ホルダ52bの上方から遊挿されるボルト58、58…によって支持され、かつ、下方向への移動が規制されている。また、ボルト58、58…は、ホルダ52b内に設けられる貫通孔60に沿って上下動可能になっている。
さらに、上型ストリッパー56の上面とホルダ52bの下面との間には、弾性部材62、62…が介挿され、弾性部材62、62…により、上型ストリッパー56を下方に付勢するようになっている。弾性部材62、62…の材質は、特に限定されるものではないが、ウレタンゴムが好適な一例として挙げられる。
さらに、上型50には、下型20に設けられた横スリット形成ピン26に対応する位置に、横スリット形成ピン誘導穴(ピン誘導穴)64(横スリット形成手段)が設けられている。
同様に、上型50には、下型20に設けられた短スリット形成ピン28、28に対応する位置に、短スリット形成ピン誘導穴66、66が設けられている。
その他、上型50には、下型20を誘導するためのガイドポスト誘導穴、プリント回路板に部品穴を穿孔するためのピン、プリント配線母板の抜きカスを上型50から取り除くための手段など、必要に応じて各種の部品が設けられるが、見やすくするために、これらの図示を省略してある。
[3.1.3. 母板加工用金型(具体例1)の一般的動作]
下型20の上面にプリント配線母板(図示せず)を載せ、上型50を下降させると、下パンチ22aが弾性部材62、62…の付勢力に抗して、上型ストリッパー56を上方に押し上げる。その結果、プリント配線母板からプリント回路板が打ち抜かれる。
一方、上型ストリッパー56が上方にスライドするに伴い、ホルダ52aが、弾性部材32、32…の付勢力に抗して下型ストリッパー24を下方に押し下げる。その結果、横スリット形成ピン26、及び、短スリット形成ピン28、28が下型ストリッパー24の上面から突き出し、プリント配線母板にスリットが形成される。
プレス終了後、上型50を上昇させると、弾性部材62が上型ストリッパー56を下方に押し下げる。また、これと同時に、弾性部材32が下型ストリッパー24を上方に押し上げる。そのため、打ち抜かれたプリント回路板が、プリント配線母板の元の穴の中にはめ込まれる。
[3.2. 母板加工用金型(1)を用いた実装用基板の製造方法]
図2〜図3に、本実施の形態に係る母板加工用金型10aを用いた実装用基板の製造方法の工程図を示す。
まず、図2(a)に示すように、予めプリント配線母板100の左側に、位置決めピン34a、34bを挿入するためのプッシュバック基準穴102a(1)、102a(2)、…、102a(n)、及び、102b(n)を形成しておく。同様に、プリント配線母板100の右側に、位置決めピン36a、36bを挿入するためのプッシュバック基準穴104a(1)、104a(2)、…、104a(n)、及び、104b(n)を形成しておく。
プッシュバック基準穴102a(k)−102a(k+1)間の距離(及び、104a(k)−104a(k+1)間の距離)は、プリント回路板のプッシュバック加工のみを連続して行う際のプリント配線母板の搬送距離(=t2+t3)に等しい。
一方、プッシュバック基準穴102a(n-1)−102b(n)間の距離(及び、104a(n-1)−104b(n)間の距離)は、t1+t2+t3より大きくなっている。これは、最後のプレス加工において横スリットを形成する際に、n個目のプリント回路板を横スリット形成ピン26で切断しないようにするためである。図2に示す例において、プッシュバック基準穴102a(n-1)−102b(n)間の距離は、(t2+t3)+(t1+t3)=t1+t2+2t3になっている。
次に、横スリット形成ピン26を装着した状態で、下型20の上にプリント配線母板100を載せる。この時、図2(a)に示すように、位置決めピン34b、36bを、それぞれ、プッシュバック基準穴102a(1)、104a(1)に挿入することによって、プリント回路板100の位置決めを行う。
この状態で1回目のプレスを行うと、プリント配線母板100の先端に、連続した横スリット106(1)が形成される。これと同時に、1個目のプリント回路板108(1)のプッシュバックが行われ、かつ、プリント回路板108(1)の両端には、短スリット110(1)、110(1)が形成される。
1回目のプレスが終了した後、下型20から横スリット形成ピン26を取り外す。この時、下型ストリッパー24の強度低下が問題となるときには、横スリット形成ピン26が挿入されていた下型ストリッパー24の空洞部分に補強板を挿入し、下型ストリッパー24を補強すると良い。この点は、上型50に設けられる横スリット形成ピン誘導穴64も同様である。
次に、図2(b)に示すように、プリント配線母板100を下流側に搬送し、プッシュバック基準穴102a(1)及び102a(2)に、それぞれ、位置決めピン34a、34bを挿入する。同様に、プッシュバック基準穴104a(1)及び104a(2)に、それぞれ、位置決めピン36a、36bを挿入する。
この状態で2回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(2)のプッシュバック、及び、短スリット110(2)、110(2)の打ち抜きのみが行われる。
以下、同様にして、プリント配線母板100を順方向に搬送しながら、プリント回路板108のプッシュバック及び短スリット110の打ち抜きのみを行う。
図3(a)に、(n−1)回目のプレス加工により、プリント回路板108(n-1)のプッシュバック及び短スリット110(n-1)、110(n-1)の打ち抜きが行われた後、さらにプリント配線母板100を下流側に搬送した状態を示す。この状態から、n回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(n)のプッシュバック、及び、短スリット110(n)、110(n)の打ち抜きのみが行われる。
最後に、図3(b)に示すように、下型20に、再度、横スリット形成ピン26を取り付ける。次いで、プッシュバック基準穴102b(n)、104b(n)に、それぞれ、位置決めピン34a、36aを挿入する。この状態で(n+1)回目のプレス加工を行うと、プリント配線母板100の上流側端部に、横スリット106(n)が形成される。
プレス加工終了後、図3(b)の一点鎖線に沿って、プリント配線母板100を切断すると、枠部にプリント回路板108(1)、108(2)…108(n)がはめ込まれた実装用基板が得られる。
得られた実装用基板は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。自動実装終了後、枠部を破断させることによって枠部とプリント回路板108を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
なお、横スリット形成ピン26が搬送方向に対して上流側に配置されている場合、基本的には、上述した手順とは逆の手順(すなわち、図3(b)→図3(a)→図2(b)→図2(a)の順)に加工を行えばよい。
また、
(1)まず、図4(a)に示すように、母板加工用金型10aを用いて、プリント配線母板100を順方向送りしながら、合計(n−1)回のプレス加工を行い、
(2)次いで、図4(b)に示すように、プリント配線母板100を反転方向送りしてn回目のプレス加工を行っても良い。
プッシュバック基準穴102a(n)−102b(n)間の距離がt1+t3である場合、プリント配線母板100を反転方向送りし、プッシュバック基準穴102b(n)、104b(n)に位置決めピン34b、36bを挿入すると、既に打ち抜かれたプリント回路板108(n-1)と、これから打ち抜くプリント回路板108(n)との間の距離は、t3に等しくなる。その結果、合計n回のプレス加工で、n個のプリント回路板108のプッシュバック加工と、横スリット106(1)、106(n)の形成を行うことができる。
また、横スリットピン26が必要となるのは、図2(a)の加工と、図3(b)又は図4(b)の加工を行うときのみである。
従って、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対してこれらの加工を行い、次いで、横スリットピン26を取り外した状態で、プリント回路板108のプッシュバック加工のみを連続して行っても良い。
あるいは、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対し、先にプッシュバック加工のみを連続して行い、次いで、横スリットピン26を取り付けた状態で、図2(a)の加工と、図3(b)又は図4(b)の加工を連続して行っても良い。
[3.3. 母板加工用金型(1)の作用]
プリント配線母板100を搬送しながら複数回のプッシュバック加工を行う場合において、横スリット形成ピン26(横スリット形成手段)を金型10aに設けると、実装用基板の基準となる辺であって、プリント配線母板100の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した横スリット106(1)、106(n)を形成することができる。そのため、実装用基板の外形の寸法精度が向上する。
また、横スリット形成ピン26(横スリット形成手段)を金型10aに対して着脱自在とし、横スリット106を形成する時以外は横スリット形成ピン26を取り外した状態で加工を行うと、プッシュバックされるプリント回路板108の間隔を究極まで狭くすることができる。そのため、材料歩留まりが向上する。
また、プッシュバックされた多数のプリント回路板108を含む実装用基板を製造し、かつ、連続した横スリット106(1)、106(n)を形成するために大きな金型を必要としない。そのため、少量多品種の実装用基板を製造する場合であっても、製造コスト全体に占める金型コストの割合を小さくすることができる。
さらに、1ロットのプリント配線母板に対してプッシュバック加工又は横スリット形成加工のいずれか一方を行い、その後で他方を行うようにすると、横スリット形成手段の着脱回数を最小限に抑えることができる。
[4. 具体例2]
[4.1. 母板加工用金型(2)]
図5(a)に、本発明の第2の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図を示す。図5(a)に示す母板加工用金型10bは、下型20に、下パンチ22a、横スリット形成ピン26、短スリット形成ピン28、28、及び、位置決めピン34a、34b、36a、36bが設けられている。これらの配置及び形状は、図1に示す母板加工用金型10aと同様である。
図5(a)に示す母板加工用金型10bは、これらに加えて、下型20の左側に、縦スリット素片形成ピン38a、38b、38cが設けられている。また、下型20の右側には、これらに対応する位置に、縦スリット素片形成ピン40a、40b、40cが設けられている。
これらの縦スリット素片形成ピン38a〜38c、40a〜40cは、プリント配線母板の少なくとも一方の側方に、プリント配線母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を形成するためのものである。これらの縦スリット素片形成ピン38a〜38c、40a〜40cは、2回以上のプレス加工を行うことにより縦スリット素片が互いに連通し、実装用基板の基準となる辺であって、搬送方向に対して平行な辺となる連続した縦スリットとなるように、母板加工用金型10bに配置されている。
具体的には、短スリット形成ピン28、28に隣接して、縦スリット形成ピン38b、38c、40b、40cが設けられている。縦スリット素片形成ピン38b−短スリット形成ピン28−縦スリット素片形成ピン38c(又は、縦スリット素片形成ピン40b−短スリット形成ピン28−縦スリット素片形成ピン40c)で打ち抜かれるT字型の打ち抜き穴の搬送方向の長さは、プッシュバック加工のみを連続して行うときのプリント配線母板の搬送距離より長くなっている。また、縦スリット素片形成ピン38c、40cは、最後の順方向プレス加工の際に形成される横スリットと、直前の順方向プレス加工で形成された縦スリットの末端との間が打ち抜かれるように、その長さが定められている。
縦スリット素片形成ピン38a、40aは、2回目のプレス加工の際に、既に打ち抜かれた横スリットと縦スリット素片との間を打ち抜くためのものである。
その他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[4.2. 母板加工用金型(2)を用いた実装用基板の製造方法]
図5(b)〜図6に、本実施の形態に係る母板加工用金型10bを用いた実装用基板の製造方法の工程図を示す。
まず、図5(b)に示すように、予めプリント配線母板100の左側に、位置決めピン34a、34bを挿入するためのプッシュバック基準穴102a(1)、102a(2)、…、102a(n)、及び、102b(n)を形成しておく。同様に、プリント配線母板100の右側に、位置決めピン36a、36bを挿入するためのプッシュバック基準穴104a(1)、104a(2)、…、104a(n)、及び、104b(n)を形成しておく。
プッシュバック基準穴102a、102b、104a、104bの位置は、図2と同様であるので説明を省略する。
次に、横スリット形成ピン26を装着した状態で、下型20の上にプリント配線母板100を載せる。この時、図示はしないが、位置決めピン34b、36bを、それぞれ、プッシュバック基準穴102a(1)、104a(1)に挿入することによって、プリント回路板100の位置決めを行う。
この状態で1回目のプレスを行うと、プリント配線母板100の先端に、連続した横スリット106(1)が形成される。これと同時に、1個目のプリント回路板108(1)のプッシュバックが行われ、かつ、プリント回路板108(1)の両端には、短スリット110(1)、110(1)が形成される。
さらに、プリント配線母板100の両端に、縦スリット素片112a、112aが形成される。なお、1回目のプレス加工が終了した時点では、縦スリット素片112a、112aと、横スリット106(1)とは、互いに連通していない。
1回目のプレスが終了した後、下型20から横スリット形成ピン26を取り外す。この時、下型ストリッパー24の強度低下が問題となるときには、横スリット形成ピン26が挿入されていた下型ストリッパー24の空洞部分に補強板を挿入し、下型ストリッパー24を補強すると良い。この点は、上型50に設けられる横スリット形成ピン誘導穴も同様である。
次に、図5(b)に示すように、プリント配線母板100を下流側に搬送し、プッシュバック基準穴102a(1)及び102a(2)に、それぞれ、位置決めピン34a、34bを挿入する。同様に、プッシュバック基準穴104a(1)及び104a(2)に、それぞれ、位置決めピン36a、36bを挿入する。
この状態で2回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(2)のプッシュバック、及び、短スリット110(2)、110(2)の打ち抜きが行われる。
さらに、縦スリット素片形成ピン38b−短スリット形成ピン28−縦スリット素片形成ピン38c(及び、縦スリット素片形成ピン40b−短スリットピン28−縦スリット素片形成ピン40c)により、縦スリット素片112aの長さが搬送方向に対して上流側に延長され、連続した縦スリット112となる。これと同時に、縦スリット素片形成ピン38a、40aにより、縦スリット112(縦スリット素片112a、112a)と横スリット106(1)の間が打ち抜かれる。
以下、同様にして、プリント配線母板100を順方向に搬送しながら、プリント回路板108のプッシュバック、並びに、短スリット110及び縦スリット素片112aの打ち抜きのみを行う。
図6(a)に、(n−1)回目のプレス加工により、プリント回路板108(n-1)のプッシュバック、並びに、短スリット110(n-1)、110(n-1)及び縦スリット素片112aの打ち抜きが行われた後、さらにプリント配線母板100を下流側に搬送した状態を示す。この状態から、n回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(n)のプッシュバック、並びに、短スリット110(n)、110(n)及び縦スリット素片112aの新たな打ち抜きが行われる。
最後に、下型20に、再度、横スリット形成ピン26を取り付ける。次いで、プッシュバック基準穴102b(n)、104b(n)に、それぞれ、位置決めピン34a、36aを挿入する。この状態で(n+1)回目のプレス加工を行うと、プリント配線母板100の上流側端部に、横スリット106(n)が形成される。
これと同時に、横スリット106(n)が縦スリット112と連通する。
本実施の形態においては、縦スリット素片形成手段を備えているので、プレス加工が終了した時点で、枠部116にプリント回路板108(1)、108(2)…108(n)がはめ込まれた実装用基板が得られ、追加の外形切断を必要としない。
得られた実装用基板は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。自動実装終了後、枠部116を破断させることによって枠部とプリント回路板108を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
なお、横スリット形成ピン26が搬送方向に対して上流側に配置されている場合、基本的には、上述した手順とは逆の手順(すなわち、図6(b)→図6(a)→図5(b)の順)に加工を行えばよい。
また、第1の実施の形態と同様に、
(1)まず、図7(a)に示すように、母板加工用金型10bを用いて、プリント配線母板100を順方向送りしながら、合計(n−1)回のプレス加工を行い、
(2)次いで、図7(b)に示すように、プリント配線母板100を反転方向送りしてn回目のプレス加工を行っても良い。
この場合、図5(a)のような縦スリット素片形成ピンの配置では、図7(b)に示すように、n回目のプレスが終了した時点で、横スリット106(n)と縦スリット112が完全に連通していない状態となる。従って、反転方向送りで両者を連通させるためには、追加の加工又は追加の手段が必要となる。
反転方向送りで横スリット106(n)と縦スリット112とを完全に連通させる方法としては、例えば、以下のような方法がある。
(1)プリント配線母板100にプッシュバック基準穴を形成する際、横スリット106(n)と縦スリット112との間の不連続部分を予め打ち抜いておく方法。
(2)縦スリット素片形成ピン38b、40bの長さを下流側に延長し、横スリット形成ピン26に接触させる方法。但し、この方法は、金型強度を著しく低下させない場合に限る。
(3)順方向送りで(n−1)回目のプレス加工を行う際に、横スリット106(n)と縦スリット112との間の不連続部分を打ち抜くための新たな縦スリット素片形成ピンを追加する方法。この場合、追加の縦スリット素片形成ピンは、図7(a)の破線の丸印で示した領域Aに配置する必要があるので、金型の長さを上流側に延長する必要がある。
(4)プッシュバックされるプリント回路板の形状が180°回転対象である場合には、図6(a)に示すように順方向送りで合計n回のプレス加工をした後、図7(b)に示すように反転方向送りで(n+1)回目のプレス加工を行う方法。この場合、プリント回路板108(n)のみ、プッシュバックを2回行うことになるが、プリント回路板の形状が180°回転対象であれば、特に問題はない。
(5)プレス加工終了後に、横スリット106(n)と縦スリット112との間の不連続部分を打ち抜く方法。
(6)プッシュバック基準穴を追加し、1回目のプレス加工(横スリットの形成+1個目のプリント回路板のプッシュバック加工)と2回目のプレス加工(2個目のプリント回路板のプッシュバック加工(図5(b)の加工))を順方向送り及び反転方向送りについてそれぞれ行い、残りの(n−4)個のプリント回路板のプッシュバック加工のみを順方向送り又は反転方向送りで行う方法。
また、横スリットピン26が必要となるのは、1回目のプレス加工と、図6(b)又は図7(b)の加工を行うときのみである。
従って、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対してこれらの加工を行い、次いで、横スリットピン26を取り外した状態で、プリント回路板108のプッシュバック加工のみを連続して行っても良い。
あるいは、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対し、先にプッシュバック加工のみを連続して行い、次いで、横スリットピン26を取り付けた状態で、1回目のプレス加工と、図6(b)又は図7(b)の加工を連続して行っても良い。
また、縦スリット素片形成ピン38a、40aを、縦スリット素片形成ピン38c、40cより上流側に配置し、
(a)1回目のプレスで、縦スリット素片形成ピン38a、40aによる縦スリット素片の打ち抜き(横スリット106(1)と縦スリット素片112aとの間の不連続部分の打ち抜き)のみを行い、
(b)2回目のプレスで、横スリット106(1)の打ち抜き、プリント回路板108(1)のプッシュバック、短スリット110(1)の打ち抜き、及び、縦スリット素片形成ピン38c、40cによる縦スリット素片112aの打ち抜きを行っても良い。
[4.3. 母板加工用金型(2)の作用]
プリント配線母板100を搬送しながら複数回のプッシュバック加工を行う場合において、横スリット形成ピン26(横スリット形成手段)を金型10bに設けると、実装用基板の基準となる辺であって、プリント配線母板100の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した横スリット106(1)、106(n)を形成することができる。そのため、実装用基板の外形の寸法精度が向上する。
また、横スリット形成ピン26(横スリット形成手段)を金型10bに対して着脱自在とし、横スリット106を形成する時以外は横スリット形成ピン26を取り外した状態で加工を行うと、プッシュバックされるプリント回路板108の間隔を究極まで狭くすることができる。そのため、材料歩留まりが向上する。
また、プッシュバックされた多数のプリント回路板108を含む実装用基板を製造し、かつ、連続した横スリット106(1)、106(n)とを形成するために大きな金型を必要としない。そのため、少量多品種の実装用基板を製造する場合であっても、製造コスト全体に占める金型コストの割合を小さくすることができる。
また、1ロットのプリント配線母板に対してプッシュバック加工又は横スリット形成加工のいずれか一方を行い、その後で他方を行うようにすると、横スリット形成手段の着脱回数を最小限に抑えることができる。
さらに、縦スリット素片形成手段を備えているので、プレス加工のみで、プリント回路板が枠部に仮止めされており、かつ外形の寸法精度が高い実装用基板が得られる。
[5. 具体例3]
[5.1. 母板加工用金型(3)]
図8(a)に、本発明の第3の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図を示す。図8(a)に示す母板加工用金型10cは、下型20に、横スリット形成ピン26、短スリット形成ピン28、28、及び、位置決めピン34a、34b、36a、36bが設けられている。これらの配置及び形状は、図1に示す母板加工用金型10aと同様である。
図8(a)に示す母板加工用金型10cにおいて、下パンチ22bは、三日月型になっている。また、プッシュバック加工のみを連続して行う際の搬送距離(位置決めピン34a−34b間の距離)は、下パンチ22bの中央の搬送方向長さt4より長く、かつ、下パンチ22bの外接四角形(図8(a)において、破線の四角形で表示)の搬送方向長さt2より短くなっている。
また、母板加工用金型10cは、これらに加えて、下型20の左側に、縦スリット素片形成ピン38a、38b、38cが設けられている。また、下型20の右側には、これらに対応する位置に、縦スリット素片形成ピン40a、40b、40cが設けられている。
上流側に設けられた縦スリット素片形成ピン38c、40cは、主として、縦スリット素片を上流側に向かって延長させるために用いられる。そのため、これらの搬送方向の長さは、プッシュバック加工のみを連続して行う際の搬送距離より長くなっている。
また、縦スリット素片形成ピン38a、38b、40a、40bは、それぞれ、横スリット形成ピン26に隣接して設けられている。これらは、主として、横スリット形成ピン26で形成される横スリットと、縦スリット素片形成ピン38c、40cで形成される縦スリット素片とを連通させるために用いられる。
その他の点については、第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[5.2. 母板加工用金型(3)を用いた実装用基板の製造方法]
図8(b)〜図10に、本実施の形態に係る母板加工用金型10cを用いた実装用基板の製造方法の工程図を示す。
まず、図8(b)に示すように、予めプリント配線母板100の左側に、位置決めピン34a、34bを挿入するためのプッシュバック基準穴102a(1)、102a(2)、…、102a(n)、及び、102b(n)を形成しておく。同様に、プリント配線母板100の右側に、位置決めピン36a、36bを挿入するためのプッシュバック基準穴104a(1)、104a(2)、…、104a(n)、及び、104b(n)を形成しておく。
これらの内、プッシュバック基準穴102a(k)−102a(k+1)(及び、プッシュバック基準穴104a(k)−104a(k+1))の間隔は、プッシュバック加工のみを連続して行う際の搬送距離(<t1+t2+t3)に等しくなっている。
一方、プッシュバック基準穴102a(n)−102b(n)(及び、プッシュバック基準穴104a(n)−104b(n))の間隔は、t1+t2+t3より大きくなっている。これは、最後のプレス加工において横スリットを形成する際に、n個目のプリント回路板を横スリット形成ピン26で切断しないようにするためである。図8(b)に示す例において、プッシュバック基準穴102a(n)−102b(n)間の距離は、>t1+t2+2t3になっている。
次に、図8(b)に示すように、横スリット形成ピン26を装着した状態で、下型20の上にプリント配線母板100を載せる。この時、位置決めピン34b、36bを、それぞれ、プッシュバック基準穴102a(1)、104a(1)に挿入することによって、プリント回路板100の位置決めを行う。
この状態で1回目のプレスを行うと、プリント配線母板100の先端に、連続した横スリット106(1)が形成される。これと同時に、1個目のプリント回路板108(1)のプッシュバックが行われ、かつ、プリント回路板108(1)の両端には、短スリット110(1)、110(1)が形成される。
さらに、プリント配線母板100の両端に、縦スリット素片112a…、112b…が形成される。なお、1回目のプレス加工が終了した時点では、縦スリット素片112b…と横スリット106(1)とは連通しているが、縦スリット素片112a…と横スリット106(1)とは、互いに連通していない。
1回目のプレスが終了した後、下型20から横スリット形成ピン26を取り外す。この時、下型ストリッパー24の強度低下が問題となるときには、横スリット形成ピン26が挿入されていた下型ストリッパー24の空洞部分に補強板を挿入し、下型ストリッパー24を補強すると良い。この点は、上型50に設けられる横スリット形成ピン誘導穴も同様である。
次に、図9(a)に示すように、プリント配線母板100を下流側に搬送し、プッシュバック基準穴102a(1)及び102a(2)に、それぞれ、位置決めピン34a、34bを挿入する。同様に、プッシュバック基準穴104a(1)及び104a(2)に、それぞれ、位置決めピン36a、36bを挿入する。
この状態で2回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(2)のプッシュバック、及び、短スリット110(2)、110(2)の打ち抜きが行われる。
さらに、縦スリット素片形成ピン38c、40cにより、縦スリット素片112a…の長さが搬送方向に対して上流側に延長される。これと同時に、縦スリット素片形成ピン38a、38b(及び、縦スリット素片形成ピン40a、40b)により、縦スリット素片112bの長さが搬送方向に対して上流側に延長される。この時点では、縦スリット素片112aと縦スリット素片112bとは、未だ連通していない。
次に、図9(b)に示すように、プリント配線母板100を下流側に搬送し、プッシュバック基準穴102a(2)及び102a(3)に、それぞれ、位置決めピン34a、34bを挿入する。同様に、プッシュバック基準穴104a(2)及び104a(3)に、それぞれ、位置決めピン36a、36bを挿入する。
この状態で3回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(3)のプッシュバック、及び、短スリット110(3)、110(3)の打ち抜きが行われる。
これと同時に、縦スリット素片112aが上流側に延長され、かつ、縦スリット素片形成ピン38a、40aにより、縦スリット素片112a−112b間が打ち抜かれ、連続した縦スリット112となる。
以下、同様にして、プリント配線母板100を順方向に搬送しながら、プリント回路板108のプッシュバック、並びに、短スリット110及び縦スリット素片112aの打ち抜きのみを行う。
図10(a)に、(n−1)回目のプレス加工により、プリント回路板108(n-1)のプッシュバック、並びに、短スリット110(n-1)、110(n-1)及び縦スリット素片112aの打ち抜きが行われた後、さらにプリント配線母板100を下流側に搬送した状態を示す。この状態から、n回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(n)のプッシュバック、並びに、短スリット110(n)、110(n)及び縦スリット素片112aの打ち抜きが行われる。
最後に、図10(b)に示すように、下型20に、再度、横スリット形成ピン26を取り付ける。次いで、プッシュバック基準穴102b(n)、104b(n)に、それぞれ、位置決めピン34a、36aを挿入する。この状態で(n+1)回目のプレス加工を行うと、プリント配線母板100の上流側の端部に、横スリット106(n)が形成される。
これと同時に、横スリット106(n)が縦スリット112と連通する。
本実施の形態においては、縦スリット素片形成手段を備えているので、プレス加工が終了した時点で、枠部116にプリント回路板108(1)、108(2)…108(n)がはめ込まれた実装用基板が得られ、追加の外形切断を必要としない。
得られた実装用基板は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。自動実装終了後、枠部116を破断させることによって枠部とプリント回路板108を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
なお、横スリット形成ピン26が搬送方向に対して上流側に配置されている場合、基本的には、上述した手順とは逆の手順(すなわち、図10(b)→図10(a)→図9(b)→図9(a)→図8(b)の順)に加工を行えばよい。
また、本実施の形態の場合、プリント回路板の形状が180°回転対象ではなく、かつ、個々のプリント回路板の外接四角形が重複するような搬送距離でプリント配線母板の搬送を行っているので、反転方向送りを行うと、プリント回路板の一部が破損する。しかしながら、一部のプリント回路板の破損を許容する場合、あるいは、プリント回路板が破損しないように、最後の搬送距離を調節する場合には、反転方向送りを行うことができる。
また、横スリットピン26が必要となるのは、図8(b)及び図10(b)の加工を行うときのみである。
従って、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対してこれらの加工を行い、次いで、横スリットピン26を取り外した状態で、プリント回路板108のプッシュバック加工のみを連続して行っても良い。
あるいは、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対し、先にプッシュバック加工のみを連続して行い、次いで、横スリットピン26を取り付けた状態で、図8(b)及び図10(b)の加工を連続して行っても良い。
[5.3. 母板加工用金型(3)の作用]
プリント配線母板100を搬送しながら複数回のプッシュバック加工を行う場合において、横スリット形成ピン26(横スリット形成手段)を金型10cに設けると、実装用基板の基準となる辺であって、プリント配線母板100の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した横スリット106(1)、106(n)を形成することができる。そのため、実装用基板の外形の寸法精度が向上する。
また、横スリット形成ピン26(横スリット形成手段)を金型10cに対して着脱自在とし、横スリット106を形成する時以外は横スリット形成ピン26を取り外した状態で加工を行うと、プッシュバックされるプリント回路板108の間隔を究極まで狭くすることができる。そのため、材料歩留まりが向上する。
また、プッシュバックされた多数のプリント回路板108を含む実装用基板を製造し、かつ、連続した横スリット106(1)、106(n)とを形成するために大きな金型を必要としない。そのため、少量多品種の実装用基板を製造する場合であっても、製造コスト全体に占める金型コストの割合を小さくすることができる。
また、1ロットのプリント配線母板に対してプッシュバック加工又は横スリット形成加工のいずれか一方を行い、その後で他方を行うようにすると、横スリット形成手段の着脱回数を最小限に抑えることができる。
さらに、縦スリット素片形成手段を備えているので、プレス加工のみで、プリント回路板が枠部に仮止めされており、しかも外形の寸法精度が高い実装用基板が得られる。
[6. 具体例4]
[6.1. 母板加工用金型(4)]
図11(a)に、本発明の第4の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図を示す。図11(a)に示す母板加工用金型10dは、下型20に、下パンチ22a、短スリット形成ピン28、28、及び、位置決めピン34a、34b、36a、36bが設けられている。これらの配置及び形状は、図1に示す母板加工用金型10aと同様である。
図11(a)に示す母板加工用金型10dは、1回のプレスにより連続した横スリットを形成するための横スリット形成ピンに代えて、横スリット素片形成ピン26a、26b、26cが設けられている。横スリット素片形成ピン26bは、横スリット素片形成ピン26a、26cにより形成される横スリット素片の間を打ち抜いて、連続した横スリットが形成されるように、その長さ及び配置が定められている。
図11(a)に示す例において、横スリット素片形成ピン26a、26cは、下パンチ22aの下流側に、横スリット素片形成ピン26bは、下パンチ22aの上流側に、それぞれ、分散して配置されている。横スリット素片形成ピン26a〜26cの搬送方向長さは、ともにt1になっている。また、横スリット素片形成ピン26a、26c−下パンチ22a間距離、及び、横スリット素片形成ピン26b−下パンチ22a間距離は、ともにt3になっている。
さらに、母板加工用金型10dは、上流側に、追加の位置決めピン34c、36cが設けられている。位置決めピン34c、36cは、主として、横スリット素片形成ピン26a〜26cで形成される横スリット素片を互いに連通させるために用いられる。
その他の点については、第1〜第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[6.2. 母板加工用金型(4)を用いた実装用基板の製造方法]
図11(b)〜図13に、本実施の形態に係る母板加工用金型10dを用いた実装用基板の製造方法の工程図を示す。
まず、図11(b)に示すように、予めプリント配線母板100の左側に、位置決めピン34a〜34cを挿入するためのプッシュバック基準穴102a(1)、102a(2)、…、102a(n)、及び、102b(2)、102b(3)、…102b(n)を形成しておく。同様に、プリント配線母板100の右側に、位置決めピン36a〜36cを挿入するためのプッシュバック基準穴104a(1)、104a(2)、…、104a(n)、及び、104b(2)、104b(3)、…104b(n)を形成しておく。
これらの内、プッシュバック基準穴102a(k)−102a(k+1)(及び、プッシュバック基準穴104a(k)−104a(k+1))の間隔は、プッシュバック加工のみを連続して行う際の搬送距離(=t2+t3)に等しくなっている。
一方、プッシュバック基準穴102b(k)、104b(k)は、主として横スリット素片を形成する際の基準穴として用いられる。また、プッシュバック加工のみを連続して行う時には、位置決めピン34c、36cを挿入するために補助的に用いられる。
そのため、図11(b)に示す例において、プッシュバック基準穴102a(k)−102b(k)間の距離、及び、プッシュバック基準穴104a(k)−104b(k)間の距離は、t1+t3に等しくなっている。
次に、図11(b)に示すように、横スリット素片形成ピン26a〜26cを装着した状態(この時点で、横スリット素片形成ピン26a、26cは、装着されていなくても良い)で、下型20の上にプリント配線母板100を載せる。この時、位置決めピン34c、36cを、それぞれ、プッシュバック基準穴102a(1)、104a(1)に挿入することによって、プリント回路板100の位置決めを行う。
この状態で1回目のプレスを行うと、プリント配線母板100の先端に、横スリット素片106b(1)が形成される。
1回目のプレスが終了した後、下型20から横スリット素片形成ピン26bのみを取り外す。この時、下型ストリッパー24の強度低下が問題となるときには、横スリット素片形成ピン26bが挿入されていた下型ストリッパー24の空洞部分に補強板を挿入し、下型ストリッパー24を補強すると良い。この点は、上型50に設けられる横スリット素片形成ピン誘導穴も同様である。
次に、図12(a)に示すように、プリント配線母板100を下流側に搬送し、プッシュバック基準穴102a(1)及び102b(2)に、それぞれ、位置決めピン34b、34cを挿入する。同様に、プッシュバック基準穴104a(1)及び104b(2)に、それぞれ、位置決めピン36b、36cを挿入する。
この状態で2回目のプレス加工を行うと、横スリット素片106b(1)の両端に、それぞれ、横スリット素片106a(1)、106c(1)が形成され、これらが連通して連続した横スリット106(1)となる。これと同時に、プリント回路板108(1)のプッシュバック、及び、短スリット110(1)、110(1)の打ち抜きが行われる。
2回目のプレスが終了した後、下型20から横スリット素片形成ピン26a、26cを取り外す。この時、下型ストリッパー24の強度低下が問題となるときには、横スリット素片形成ピン26a、26cが挿入されていた下型ストリッパー24の空洞部分に補強板を挿入し、下型ストリッパー24を補強すると良い。この点は、上型50に設けられる横スリット素片形成ピン誘導穴も同様である。
次に、図12(b)に示すように、プリント配線母板100を下流側に搬送し、プッシュバック基準穴102a(1)、102a(2)、102b(3)に、それぞれ、位置決めピン34a、34b、34cを挿入する。同様に、プッシュバック基準穴104a(1)、104a(2)、104b(3)に、それぞれ、位置決めピン36a、36b、36cを挿入する。
この状態で3回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(2)のプッシュバック、及び、短スリット110(2)、110(2)の打ち抜きが行われる。
次に、図12(c)に示すように、プリント配線母板100を下流側に搬送し、4回目のプレス加工を行う。
以下、同様にして、プリント配線母板100を順方向に搬送しながら、プリント回路板108のプッシュバック、及び、短スリット110の打ち抜きのみを行う。
図13(a)に、n回目のプレス加工により、プリント回路板108(n-1)のプッシュバック、及び、短スリット110(n-1)、110(n-1)の打ち抜きが行われた後、さらにプリント配線母板100を下流側に搬送した状態を示す。この時、横スリット素片形成ピン26bのみを再度、取り付ける。
この状態から、(n+1)回目のプレス加工を行うと、プリント回路板108(n)のプッシュバック、及び、短スリット110(n)、110(n)の打ち抜きが行われる。これと同時に、プリント配線母板100の上流側端部に、横スリット素片106b(n)が形成される。
最後に、図13(b)に示すように、下型20に、再度、横スリット素片形成ピン26a、26cを取り付ける。次いで、プッシュバック基準穴102b(n)、104b(n)に、それぞれ、位置決めピン34a、36aを挿入する。この状態で(n+2)回目のプレス加工を行うと、横スリット素片106b(n)の両端に横スリット素片106a(n)、106c(n)が形成され、これらが連通して連続した横スリット106(n)となる。
プレス加工終了後、図13(b)の一点鎖線に沿って、プリント配線母板100を切断すると、枠部にプリント回路板108(1)、108(2)…108(n)がはめ込まれた実装用基板が得られる。
得られた実装用基板は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。自動実装終了後、枠部を破断させることによって枠部とプリント回路板108を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
なお、
(1)まず、図14(a)に示すように、母板加工用金型10dを用いて、プリント配線母板100を順方向送りしながら、合計n回のプレス加工を行い、
(2)次いで、図14(b)に示すように、横スリット素片形成ピン26bを金型に取り付け、プリント配線母板100を反転方向送りして(n+1)回目のプレス加工を行い、
(3)さらに、図14(c)に示すように、横スリット素片形成ピン26bを取り外し、かつ、横スリット素片形成ピン26a、26cを取り付け、プリント配線母板100を反転方向送りして(n+2)回目のプレス加工を行っても良い。
また、横スリット素片形成ピン26a〜26cが必要となるのは、図11(b)、図12(a)、図13(a)、図13(b)、図14(b)及び図14(c)の加工を行うときのみである。
従って、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対してこれらの加工を行い、次いで、横スリット素片ピン26a〜26cを取り外した状態で、プリント回路板108のプッシュバック加工のみを連続して行っても良い。
あるいは、1枚又は1ロットのプリント配線母板100に対し、先にプッシュバック加工のみを連続して行い、次いで、横スリット素片ピン26a〜26cの全部又は一部を取り付けた状態で、横スリット素片形成加工を連続して行っても良い。
また、図12(a)の場合、横スリット素片形成ピン26bを取り外した状態で加工が行われるが、横スリット素片形成ピン26bにより形成される横スリット素片がプリント回路板に損傷を与えないときは、横スリット素片形成ピン26bを取り付けた状態のまま、2回目のプレス加工を行うことができる。この点は、連続してプッシュバック加工のみを行う場合も同様である。
また、図11(a)に示す母板加工用金型10dに対して、縦スリット素片形成手段をさらに設けると、プレス加工により連続した横スリットを形成すると同時に、連続した縦スリットも形成することができる。
さらに、横スリット素片形成ピンを4個以上に分割し、横スリット素片形成ピン26a、26cの下流側、又は、横スリット素片形成ピン26bの上流側に、追加の横スリット素片形成ピンを配置しても良い。多数の横スリット素片形成ピンを分散配置すると、金型は大型化するが、金型強度の低下を抑制できる。
[6.3. 母板加工用金型(4)の作用]
プリント配線母板100を搬送しながら複数回のプッシュバック加工を行う場合において、横スリット素片形成ピン26a〜26c(横スリット形成手段)を金型10dに設けると、複数回のプレス加工により、実装用基板の基準となる辺であって、プリント配線母板100の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した横スリット106(1)、106(n)を形成することができる。そのため、実装用基板の外形の寸法精度が向上する。
また、横スリット素片形成ピン26a〜26c(横スリット形成手段)を金型10dに対して着脱自在とし、横スリット106を形成する時以外は横スリット素片形成ピン26a〜26cの全部又は一部を取り外した状態で加工を行うと、プッシュバックされるプリント回路板108の間隔を究極まで狭くすることができる。そのため、材料歩留まりが向上する。
また、プッシュバックされた多数のプリント回路板108を含む実装用基板を製造し、かつ、連続した横スリット106(1)、106(n)を形成するために大きな金型を必要としない。そのため、少量多品種の実装用基板を製造する場合であっても、製造コスト全体に占める金型コストの割合を小さくすることができる。
また、1ロットのプリント配線母板に対してプッシュバック加工又は横スリット形成加工のいずれか一方を行い、その後で他方を行うようにすると、横スリット形成手段の着脱回数を最小限に抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る母板加工用金型は、プリント回路板がプッシュバック法により枠部に仮止めされた実装用基板を製造するための金型として用いることができる。
また、本発明に係る加工板の製造方法及び製品板の製造方法は、このような金型を用いた実装用基板の製造方法、及び、このような方法により得られる実装用基板から枠部を分離し、プリント回路板を得る方法として用いることができる。
10a〜10d 母板加工用金型
22a、22b 下パンチ(プッシュバック手段)
26 横スリット形成ピン(横スリット形成手段)
26a〜26c 横スリット素片形成ピン(横スリット形成手段)
38a〜38c 縦スリット素片形成ピン(縦スリット素片形成手段)
40a〜40c 縦スリット素片形成ピン(縦スリット素片形成手段)
100 プリント配線母板(母板)
106 横スリット
106a〜06c 横スリット素片
108 プリント回路板(製品板)
112 縦スリット
112a、112b 縦スリット素片
116 枠部

Claims (7)

  1. 以下の構成を備えた母板加工用金型。
    (1)前記母板加工用金型は、
    母板から一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、
    前記プッシュバック手段に対して、前記母板の搬送方向の上流側及び/又は下流側に設けられ、前記母板の搬送方向に対して垂直方向に横スリット又は横スリット素片を形成するための横スリット形成手段とを備え、
    前記横スリット形成手段は、前記母板加工用金型に対して着脱自在になっている。
    (2)前記母板加工用金型は、
    前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板に対して合計n回(n≧2)以上のプレス加工を行うことにより、
    前記母板から、
    (a)プッシュバックされた前記一群の製品板が枠部に仮止めされており、かつ、
    (b)前記母板の搬送方向に沿ってn個の前記一群の製品板が並んでいる
    加工板を製造するために用いられる。
    (3)前記横スリット形成手段は、
    1回のプレス加工により、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した前記横スリットが形成されるように、又は、
    2回以上のプレス加工により、前記横スリット素片が互いに連通し、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺となる連続した前記横スリットが形成されるように、
    前記母板加工用金型に配置されている。
    (4)前記母板加工用金型は、
    前記横スリットを形成する時には、前記横スリット形成手段の全部又は一部を装着した状態で前記母板の加工を行い、
    前記横スリットを形成しない時には、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板の加工を行うために用いられる。
  2. 以下の構成をさらに備えた請求項1に記載の母板加工用金型。
    (5)前記母板加工用金型は、前記製品板のプッシュバック加工のみを連続して行う際の前記母板の搬送距離がt1+t2+t3以下である前記母板の加工に用いられる。
    但し、
    1は、前記横スリット又は前記横スリット素片を形成するためのピン又はピン誘導穴の搬送方向の長さ、
    2は、前記一群の製品板をプッシュバックするための一群のパンチ又はパンチ誘導穴に外接している長方形又は正方形であって、1辺が前記母板の搬送方向に対して平行であるもの(外接四角形)の搬送方向の長さ、
    3は、前記横スリット又は前記横スリット素片を形成するためのピン又はピン誘導穴と前記外接四角形との間の搬送方向の距離。
  3. 以下の構成をさらに備えた請求項1又は2に記載の母板加工用金型。
    (6)前記母板加工用金型は、
    前記母板の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を形成するための縦スリット素片形成手段を備え、
    前記縦スリット素片形成手段は、2回以上のプレス加工を行うことにより前記縦スリット素片が互いに連通し、前記加工板の搬送方向に対して平行な辺となる連続した縦スリットとなるように、前記母板加工用金型に配置されている。
  4. 以下の構成を備えた加工板の製造方法。
    (1)請求項1又は2に記載の母板加工用金型を用いて、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、前記母板の上流側の端部又は下流側の端部に連続した前記横スリットを形成する横スリット形成工程。
    (2)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板から前記一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
  5. 以下の構成を備えた加工板の製造方法。
    (1)請求項3に記載の母板加工用金型を用いて、前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、前記母板の上流側の端部又は下流側の端部に連続した前記横スリットを形成する横スリット形成工程。
    (2)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、前記母板を所定回数の順方向送り、又は、所定回数の順方向送り+反転方向送りをしながら、前記母板から前記一群の製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記一群の製品板を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
    (3)前記横スリット形成工程及び/若しくは前記プッシュバック工程と同時に、又は、これらと独立して、前記縦スリット素片形成手段を用いて、前記縦スリット素片を形成する縦スリット素片形成工程。
  6. 1ロットの前記母板に対して、
    (a)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り付けた状態で、連続した前記横スリットを形成するためのプレス加工を行う工程、及び、
    (b)前記横スリット形成手段の全部又は一部を取り外した状態で、連続した前記横スリットを形成しないようにプレス加工を行う工程
    の内のいずれか一方の工程を行い、
    次いで、1ロットの前記母板に対して他方の工程を行う
    請求項4又は5に記載の加工板の製造方法。
  7. 請求項4から6までのいずれか1項に記載の方法により得られる加工板の枠部から製品板を分離させる製品板の製造方法。
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