JP2010184326A - 母板加工用金型、加工板の製造方法、及び、製品板の製造方法 - Google Patents

母板加工用金型、加工板の製造方法、及び、製品板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多数のプリント回路板が組み込まれた実装用基板を製造する場合であっても、金型構造の複雑化、プレス圧力の増大、金型の耐久性の低下を生じることのない母板加工用金型、これを用いた加工板の製造方法、及び製品板の製造方法を提供すること。
【解決手段】以下の構成を備えた母板加工用金型、並びに、これを用いた加工板の製造方法及び製品板の製造方法。(1)前記母板加工用金型は、母板から製品板の外形の全部又は一部を切断するための製品板外形切断手段を備えている。(2)前記製品板外形切断手段は、(a)前記母板を順方向送りした時に、加工板となる領域内の一部において第1の製品板の外形の全部又は一部を切断することができ、かつ、(b)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りした時に、前記加工板となる領域内の空白部分において第2の製品板の外形の全部又は一部を新たに切断することができるように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、母板加工用金型、加工板の製造方法、及び、製品板の製造方法に関し、さらに詳しくは、プリント回路板がプッシュバック法により枠部に仮止めされた実装用基板、プリント回路板がミシン目やVカットを介して枠部に仮止めされた実装用基板などの各種加工板を製造するための母板加工用金型、このような母板加工用金型を用いた加工板の製造方法、及び、このような方法により得られる加工板から製品板(プリント回路板)を得る製品板の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、電子機器に用いられるプリント回路板に対しても小型化、異形化の要求が増大している。一方、プリント回路板に電子部品を装着するためのチップマウンターや自動挿入機などの電子部品自動装着機(以下、これを「自装機」という。)は、搬送の関係から、ワークの大きさに上限と下限がある。また、自装機に使用するワークの外形は、実質的に長方形であること、すなわち、少なくとも一つの辺が直線で、これに直交する辺の少なくとも1つが直線であることが要求される。
そこで、小型、かつ異形のプリント回路板上に自装機を用いて電子部品を装着する場合には、まず、プリント配線母板に複数のプリント回路板を作り込み、Vカット法、プッシュバック法、ミシン目法等を用いて、プリント回路板がもとのプリント配線母板に仮止めされた状態とし、次いで、プリント配線母板の外形を自装機で搬送可能な大きさ、形状を有する基板(実装用基板)に切断する方法が用いられている。
この内、Vカット法は、プリント配線母板上に印刷されたプリント回路の境界線に沿ってV字形、U字型等の凹溝(Vカット)を入れ、プリント回路上に電子部品を実装した後、Vカットに沿って破断させる方法である。従って、Vカット法は、その外形が直線的であるプリント回路板に対してのみ適用可能である。
また、ミシン目法は、プリント回路板の境界線に沿って、多数の小孔をあけ、小孔に沿って破断させる方法である。ミシン目法は、破断後の境界線に凹凸が残るので、外形の寸法精度が要求されないプリント回路板に対してのみ適用可能である。なお、ミシン目に代えて、プリント回路板の境界線に沿って不連続な長孔を離散的に形成し、幅の狭い連結部で枠部に仮止めする方法も知られている。
一方、プッシュバック法は、上型及び下型でプリント配線母板を狭持しながら、所定の形状を有する刃物を用いてプリント回路板を打ち抜き、次いで、打ち抜かれたプリント回路板を元の穴にはめ込む方法である。プッシュバック法は、外形の寸法精度が高く、かつ、プリント回路板の形状に制約はないので、特に、異形のプリント回路板に電子部品を自動装着する場合に有効な方法である。
プッシュバック法を用いたプリント配線母板の加工は、一般に、
(1) 電気回路が印刷されたプリント配線母板にプッシュバック用の基準穴を形成し、
(2) プッシュバック用金型を用いて、プリント回路板のプッシュバック加工、及び、必要に応じて部品穴等の穿孔を行い、
(3) 外形切断用金型を用いてプリント配線母板の外形を切断し、所定個数のプリント回路板を含む実装用基板を母板から切り出す、
ことにより行われている。
しかしながら、プッシュバック加工は、一般に、プリント配線母板に強いせん断力が作用するため、反りが発生しやすい。プッシュバック加工と外形切断は、従来、別個の金型を用いて行うのが一般的であったが、母板に対してプッシュバック加工のみを連続して行うと母板に大きな反りが発生し、外形切断が困難になるという問題があった。また、プッシュバック加工用の金型と外形切断用の金型が必要となり、高コスト化を招くという問題があった。さらに、製造された実装用基板に反りが発生し、あるいは、相対的に大きな残留応力があると、枠部からプリント回路板を取り外すのが困難になるという問題があった。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、プリント配線母板の搬送方向に対して上流側に配置され、前記プリント配線母板からプリント回路板を打ち抜き、打ち抜かれた前記プリント回路板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、前記プリント配線母板の搬送方向に対して下流側に配置され、プッシュバックされた1又は2以上の前記プリント回路板を含む実装用基板を前記プリント配線母板から切り出すための外形切断手段とを備えたプリント配線母板加工用金型が開示されている。
同文献には、プッシュバック手段によりプッシュバックされた領域が外形切断手段により逐次切り離されるので、プリント配線母板の反りの影響を大きく受けることなく容易に外形切断が行える点、及び、1つの金型でプッシュバック加工と外形切断加工とを行うことができるので、金型コストを低減できる点が記載されている。
また、特許文献2には、プリント配線母板からプリント回路板を打ち抜き、打ち抜かれた前記プリント回路板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、打ち抜かれた前記プリント回路板の少なくとも一方の側方に、前記プリント配線母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を順次形成することによって、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成するための縦スリット形成手段とを備えたプリント配線母板加工用金型が開示されている。
同文献には、
(1)プッシュバックされたプリント回路板の少なくとも一方の側方には、連続した縦スリットが形成されるので、従来の方法に比して、外形切断が簡略化される点、
(2)横スリット形成手段をさらに備えている場合には、プリント配線母板の搬送方向に並んだ各プリント回路板の間には、縦スリットと直交する不連続な横スリットが形成されるので、プッシュバック加工終了後に、所定の位置に形成された横スリットの連結部分を破断させるだけで、プッシュバックされた所定個数のプリント回路板を含む加工板が得られる点、及び、
(3)外形切断用の別個の金型又は外形切断工程が不要化又は簡略化されるので、金型コストを大幅に削減でき、作業性も向上する点、
が記載されている。
特開2002−233996号公報 特開2003−089097号公報
実装用基板に組み込まれたプリント回路板に電子部品を自動実装する場合、実装用基板に組み込まれるプリント回路板の数が多くなるほど、実装効率は向上する。しかしながら、多数のプリント回路板が組み込まれた実装用基板を製造するためには、実装用基板内に多数のプリント回路板を作り込むことが可能な金型が必要になる。そのため、実装用基板に組み込まれるプリント回路板の数が多くなるほど、金型の構造が複雑化し、必要な部品点数も多くなるという問題がある。
また、実装用基板に組み込まれるプリント回路板の数が多くなるほど、実装用基板の面積が大きくなり、これに応じて金型も大型化する。そのため、加工に必要なプレス圧力も大きくなり、より大型のプレス機械が必要になるという問題がある。
さらに、実装用基板に多数のプリント回路板を組み込むためには、それに応じて、金型内に種々の加工を施すための機構を組み込む必要がある。しかしながら、限られた領域内に多数の機構を組み込むと、金型の強度が低下し、耐久性が低下する場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、多数の製品板(例えば、プリント回路板)が組み込まれた加工板(例えば、実装用基板)を製造する場合であっても、金型構造が複雑化したり、あるいは、必要な部品点数を増加させることのない母板加工用金型、これを用いた加工板の製造方法、及び、このような加工板から製品板を製造する製品板の製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、多数の製品板が組み込まれた加工板を製造する場合であっても、加工に必要なプレス圧力を増大させることのない母板加工用金型、これを用いた加工板の製造方法、及び、このような加工板から製品板を製造する製品板の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、多数の製品板が組み込まれた加工板を製造することが可能であり、しかも耐久性に優れた母板加工用金型、これを用いた加工板の製造方法、及び、このような加工板から製品板を製造する製品板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る母板加工用金型は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記母板加工用金型は、母板から製品板の外形の全部又は一部を切断するための製品板外形切断手段を備えている。
(2)前記製品板外形切断手段は、
(a)前記母板を順方向送りした時に、加工板となる領域内の一部において第1の製品板の外形の全部又は一部を切断することができ、かつ、
(b)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りした時に、前記加工板となる領域内の空白部分において第2の製品板の外形の全部又は一部を新たに切断することができる
ように配置されている。
前記母板加工用金型は、
(3)前記母板の搬送方向に対して平行に縦スリットを形成することによって、前記加工板の搬送方向に対して平行な辺を形成するための縦スリット形成手段、及び/又は、
(4)前記母板の搬送方向に対して垂直に横スリットを形成することによって、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺を形成するための横スリット形成手段
をさらに備えていても良い。
本発明に係る加工板の製造方法は、以下の工程を備えている。
(1)本発明に係る母板加工用金型を用いて、母板を順方向送りしながら、加工板となる領域内の一部において第1の製品板の外形の全部又は一部を切断する第1工程。
(2)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りしながら、前記加工板となる領域内の空白部分において第2の製品板の外形の全部又は一部を新たに切断する第2工程。
本発明に係る加工板の製造方法は、
前記製品板の外周にVカットが接するように、又は、前記製品板の外周に沿って前記Vカットが形成されるように、前記加工板に前記Vカットを形成するVカット形成工程
をさらに備えていても良い。
さらに、本発明に係る製品板の製造方法は、本発明に係る方法により得られた加工板から枠部を分離し、製品板を得る製品板分離工程を備えている。
母板を順方向送りした時に一部の製品板の外形の全部又は一部を切断することができ、かつ、母板を反転方向送りした時に他の製品板の外形の全部又は一部を新たに切断することができるように製品板外形切断手段を配置すると、単に母板を順方向送りしながら加工する場合に比べて、金型に作り込む製品板外形切断手段の数を半分以下にすることができる。そのため、金型の構造がより単純となり、金型に必要な部品点数も少なくなる。
また、1回のプレスに必要なプレス圧力も半分以下となる。そのため、プレス能力の小さい小型のプレス機械を用いて、多数の製品板が組み込まれた大面積の加工板を製造することが可能となる。
さらに、狭い領域内に種々の加工を施すための機構を組み込む必要がないので、金型の耐久性も向上する。
本発明の第1の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図、及びそのA−A’線断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る母板加工用金型の上型の底面図、及びそのA−A’線断面図である。 図1及び図2に示す母板加工用金型の動作を説明する工程図である。 図3に示す工程図の続きである。 図1及び図2に示す母板加工用金型を用いてプリント配線母板を順方向送りしながら加工した時の、実装用基板の形成過程を示す工程図である。 図5に示す工程図の続きである。 図6に示す工程図の続きである。 図5〜図7に示す加工を行った後、プリント配線母板を反転方向送りしながら加工した時の、実装用基板の形成過程を示す工程図である。 図8に示す工程図の続きである。 図9に示す工程図の続きである。
本発明の第2の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図である。 図11に示す母板加工用金型を用いた実装用基板の形成過程を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図である。 図13に示す母板加工用金型を用いた実装用基板の形成過程を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る母板加工用金型の下型の平面図である。 図15に示す母板加工用金型を用いた実装用基板の形成過程を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、プリント配線母板からプリント回路板を含む実装用基板を製造するための母板加工用金型、及び、このような金型を用いた実装用基板の製造方法について説明するが、本発明は、プリント配線母板以外の「母板」、実装用基板以外の「加工板」、プリント回路板以外の「製品板」についても適用することができる。
[1. 第1の実施の形態]
[1.1 母板加工用金型(1)の構成]
図1、2に、本発明の第1の実施の形態に係る母板加工用金型1を示す。図1、2において、母板加工用金型1は、下型20と上型50とを備えている。また、下型20及び上型50は、それぞれ、プリント配線母板の搬送方向に対して上流側が第1領域3に、また、搬送方向に対して下流側が第2領域5になっている。
[1.1.1 第1領域及び第2領域]
第1領域3は、プリント配線母板の搬送方向に対して上流側に配置された、実装用基板と同等以上の面積を有する加工領域である。
第2領域5は、プリント配線母板の搬送方向に対して下流側に配置された、実装用基板と同等以上の面積を有する加工領域である。
実装用基板内に作り込まれるプリント回路板の形状、配置、加工方法等によっては、実装用基板1個分の加工領域のみを備えた金型(例えば、後述する図15に記載した金型)でも本発明に係る方法を実施することができる。しかしながら、母板加工用金型1の加工領域を第1領域3と第2領域5に分割し、第1領域3と第2領域5の双方においてプリント配線母板の加工を逐次行うようにすると、第1領域3と第2領域5の間で機能を分担させることができる。そのため、金型の構造を著しく複雑化させたり、耐久性を低下させることなく、プリント配線母板に対して複雑な加工を行うことが可能となる。
特に、プッシュバック手段を備えた金型の場合、打ち抜き加工に比べて複雑なプッシュバック機構が必要となる。そのため、金型の加工領域を2分割すれば、金型を著しく複雑化させたり、耐久性を低下させることなく、プッシュバック加工と他の加工とを同時に行うことができる。
加工領域を第1領域3と第2領域5に分割した場合、製品外形切断手段は、第1領域3又は第2領域5の少なくとも一方に設けられる。製品外形切断手段は、第1領域3及び第2領域5の双方に設けられていても良い。
その他の加工手段(例えば、ミシン目形成手段などの母板に貫通穴を形成するための貫通穴手段、縦スリット形成手段、横スリット形成手段など)も同様であり、目的に応じて配置を適宜選択することができる。
[1.1.2 下型]
下型20は、図1に示すように、下型ベース板22と、雌型24と、下型スペース用台26とを備えている。下型スペース用台26は、下型ベース板22の下部に所定の空間を形成するためのものであり、下型ベース板22の下面に取り付けられる。雌型24は、下型ベース板22の上に取り付けられる。また、雌型24の四隅には、ガイドポスト誘導穴24a、24a…が設けられている。
雌型24の第1領域3内には、スライドスペースが設けられ、このスライドスペース内には、それぞれ、その内部を上下に移動可能な下型ストリッパー26a、26b、26cが挿入されている。
同様に、雌型24の第2領域5内には、第1領域3内とは異なる位置にスライドスペースが設けられ、このスライドスペース内には、それぞれ、その内部を上下に移動可能な下型ストリッパー26d、26e、26fが挿入されている。
下型ストリッパー26a〜26fの形状は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、下型ストリッパー26a〜26fは、互いに同一形状を有していても良く、あるいは、互いに異なっていても良い。
下型ストリッパー26aは、下型ベース板22の下方から遊挿される複数個の支持ボルト28、28…によって上方向への移動が規制されている。また、下型ベース板22の下面には、上下方向に移動可能な押圧板30と、押圧板30を上方向に付勢するための弾性部材32が設けられている。弾性部材32の材質は、特に限定されるものではないが、ウレタンゴムなどが好適である。
さらに、下型ベース板22には、弾性部材32の上方向の付勢力を押圧板30を介して下型ストリッパー26aに伝達するための押圧ピン34が挿入されている。押圧ピン34の上端は、下型ストリッパー26aの下面に接触しており、その下端は、押圧板30の上面に接触している。
これらの点は、下型ストリッパー26b〜26fも同様である。
下型ストリッパー26a〜26fは、プリント配線母板からプリント回路板を打ち抜き、打ち抜かれたプリント回路板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段(製品板外形切断手段)である。
これらの下型ストリッパー26a〜26fは、
(a)プリント配線母板を順方向送りした時に、実装用基板となる領域内の一部において第1のプリント回路板をプッシュバック加工することができ、かつ、
(b)プリント配線母板を順方向送りした後、さらにプリント配線母板を反転方向送りした時に、実装用基板となる領域内の空白部分において第2のプリント回路板の新たなプッシュバック加工をすることができる
ように配置されている。
ここで、「反転方向」とは、1回目の送り方向(順方向)とは180°回転した方向をいう。
本実施の形態に係る母板加工用金型1は、2行×6列(合計12個)のプッシュバックされたプリント回路板を含む実装用基板を製造するためのものである。
下型ストリッパー26a〜26cは、それぞれ、
(a)順方向送りの際に、上段の右から1列目、3列目及び5列目にあるプリント回路板のプッシュバックを行うことができると同時に、
(b)反転方向送りの際に、順方向送りから見て下段の左から1列目、3列目、及び5列目にあるプリント回路板のプッシュバックを行うことができるように配置されている。
同様に、下型ストリッパー26d〜26は、それぞれ、
(a)順方向送りの際に、下段の右から1列目、3列目及び5列目にあるプリント回路板のプッシュバックを行うことができると同時に、
(b)反転方向送りの際に、順方向送りから見て上段の左から1列目、3列目及び5列目にあるプリント回路板のプッシュバックを行うことができるように配置されている。
雌型24の第1領域3内には、下型ストリッパー26d〜26fでプッシュバックされるプリント回路板内に部品穴等に用いられる各種貫通穴を形成するための貫通穴形成ピン誘導孔36、36…(貫通孔形成手段)が設けられている。
同様に、雌型24の第2領域5内には、下型ストリッパー26a〜26cでプッシュバックされるプリント回路板内に部品穴等に用いられる各種貫通穴を形成するための貫通孔形成ピン誘導孔36、36…(貫通孔形成手段)が設けられている。
貫通孔形成ピン誘導孔36、36…は、いずれも下型ベース板22を貫通しており、打ち抜きで生じた抜きカスを下方に排出するようになっている。
プリント配線母板の搬送方向に対して左側には、第1領域3と第2領域5をまたぐように、かつ搬送方向に対して平行に、縦スリット素片形成ピン誘導穴38aが設けられている。また、プリント配線母板の搬送方向に対して右側には、第2領域5内に、かつ搬送方向に対して平行に、縦スリット素片形成ピン誘導穴38bが設けられている。
縦スリット素片形成ピン誘導穴38bの中央部分に設けられた内側の突起は、実装用基板の外周に応力緩和のための切り込み(スリット)を、実装用基板の搬送方向に対して平行な辺に形成するためのものである。応力緩和のための切り込みは、必ずしも必要ではないが、実装用基板の外周に切り込みを入れると、実装用基板の反りを低減することができ、プリント回路板の取り外しも容易化する。
縦スリット素片形成ピン誘導穴38a、38bは、プリント配線母板の搬送方向に対して平行に縦スリットを形成することによって、実装用基板の搬送方向に対して平行な辺を形成するための手段(縦スリット形成手段)の一例である。
また、縦スリット素片形成ピン誘導穴38a、38bは、プリント配線母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を順次形成し、これらを連通させることによって、連続した縦スリットを形成するための手段(縦スリット素片形成手段)の一例でもある。
図1に示す例において、縦スリット素片形成ピン誘導穴38a、38bは、
(a)プリント配線母板を順方向送りした時に、これらにより形成される縦スリット素片が互いに連通せず、かつ、
(b)プリント配線母板を順方向送りした後、さらにプリント配線母板を反転方向送りした時に、これらにより形成される縦スリット素片が連通して連続した縦スリットとなる
ように、その長さ及び配置が定められている。
例えば、縦スリット素片形成ピン誘導穴38bの長さを延長し、実装用基板の辺(搬送方向に対して平行な辺)と同じ長さにすると、1回のプレスで、実装用基板の辺となる縦スリット(打ち抜き穴)を形成することもできる。
同様に、縦スリット素片形成ピン誘導穴38aの長さを延長したり、あるいは、縦スリット素片形成ピン誘導穴38aと同一直線状上に複数個の縦スリット素片形成ピン誘導穴を離散的に設けると、プリント配線母板の順方向送りが終了した段階で、縦スリット素片形成ピン誘導穴により形成される縦スリット素片が連通する(縦スリットが形成される)ようにすることもできる。
しかしながら、金型に形成した縦スリット素片形成ピン誘導穴の長さが長くなるほど、金型の強度が低下するおそれがある。同様に、金型の片側にのみ複数個の誘導穴を集中して形成すると、誘導穴を形成した領域の強度が低下するおそれがある。
これに対し、プリント配線母板を順方向送りした時には縦スリット素片が連通せず、プリント配線母板を反転方向送りしたときに縦スリット素片が互いに連通して縦スリットが形成されるように縦スリット素片形成ピン誘導穴を配置すると、金型の複雑化や強度低下を抑制することができる。
さらに、縦スリット形成手段は、必ずしも必要ではなく、プリント回路板のプッシュバックや各種貫通穴の打ち抜き加工が終了した後、別個の金型を用いて、縦スリットの形成あるいは実装用基板の切り出しを行うこともできる。しかしながら、縦スリット形成手段を設けると、1個の金型を用いて、プッシュバック加工等と同時に縦スリットを形成することができるので、製造コストを大幅に削減することができる。
第1領域3と第2領域5の境界線には、横スリット素片形成ピン誘導穴40が設けられている。横スリット素片形成ピン誘導穴40は、プリント配線母板の搬送方向に対して垂直に横スリットを形成することによって、プリント配線板の搬送方向に対して垂直な辺を形成するための手段(横スリット形成手段)の一例である。
また、横スリット素片形成ピン誘導穴40は、プリント配線母板の搬送方向に対して垂直な横スリット素片を順次形成し、これらを連通させることによって、連続した横スリットを形成するための手段(横スリット素片形成手段)の一例でもある。
図1に示す例において、横スリット素片形成ピン誘導穴40は、
(a)プリント配線母板を順方向送りした時に、これにより形成される横スリット素片が連通せず、かつ、
(b)プリント配線母板を順方向送りした後、さらにプリント配線母板を反転方向送りした時に、これらにより形成される横スリット素片が連通して連続した横スリットとなる
ように、その長さ及び配置が定められている。
例えば、横スリット素片形成ピン誘導穴40の長さを延長し、実装用基板の辺(搬送方向に対して垂直な辺)と同じ長さにすると、1回のプレスで、実装用基板の辺となる横スリット(打ち抜き穴)を形成することもできる。
同様に、第1領域3と第2領域5の境界線上だけでなく、第1領域3の上流端や第2領域5の下流端に、1個又は複数個の横スリット素片形成ピン誘導穴を設けると、プリント配線母板の順方向送りが終了した段階で、横スリット素片形成ピン誘導穴により形成される横スリット素片が連通する(横スリットが形成される)ようにすることもできる。
しかしながら、金型に形成した横スリット素片形成ピン誘導穴の長さが長くなるほど、金型の強度が低下するおそれがある。同様に、金型に形成する誘導穴の数が多くなるほど、金型の強度が低下するおそれがある。
これに対し、プリント配線母板を順方向送りした時には横スリット素片が連通せず、プリント配線母板を反転方向送りしたときに横スリット素片が互いに連通して横スリットが形成されるように横スリット素片形成ピン誘導穴を配置すると、金型の複雑化や強度低下を抑制することができる。
さらに、横スリット形成手段は、必ずしも必要ではなく、プリント回路板のプッシュバックや各種貫通穴の打ち抜き加工が終了した後、別個の金型を用いて、横スリットの形成あるいは実装用基板の切り出しを行うこともできる。しかしながら、横スリット形成手段を設けると、1個の金型で、プッシュバック加工等と同時に横スリットを形成することができるので、製造コストを大幅に削減することができる。
雌型24の第1領域3上には、プリント配線母板の位置決めに用いられる位置決めピン42a〜42dが立設されている。同様に、雌型24の第2領域5上には、位置決めピン42a〜42dにそれぞれ対応する位置に、位置決めピン42e〜42hが設けられている。
さらに、雌型24の第1領域3と第2領域5の境界線近傍には、実装用基板の搬送方向に対して垂直な辺に、実装用基板に応力緩和のための切り込み(スリット)を形成するためのピン誘導穴44が設けられている。
[1.1.3 上型]
上型50は、上型ベース板52と、3つのホルダ54a〜54cと、上型ストリッパー56とを備えている。上型ベース板52及び各ホルダ54a〜54cは、上型ベース板52に立設されたノックピン(図示せず)を基準として積層され、複数の締結ボルト(図示せず)により締結されている。ホルダ54cの四隅には、ガイドポスト誘導穴24a、24aに対応する位置に、ガイドポスト58、58…が設けられている。
上型ストリッパー56は、ガイドポスト58、58…に沿って、上下に移動できるようになっている。上型ストリッパー56は、ホルダ54cの上方から遊挿される複数個の支持ボルト(図示せず)によって下方向への移動が規制されている。
押圧ピン60、60…は、上型ストリッパー56を下方に押圧するためのものであり、ホルダ54b、54cを縦方向に貫通する貫通穴内に遊挿される。その下端は、上型ストリッパー56の上面に接触しており、その上端は、ホルダ54aの中央スペース内に配置される押圧板62の下面に接触している。
押圧板62は、押圧ピン60、60…を下方に押圧するためのものである。押圧板62の上面とキャップボルト64、64…との間には、それぞれ、弾性部材66、66…が介挿され、弾性部材66、66…により、押圧板62を下方に付勢するようになっている。弾性部材66、66…の材質は、特に限定されるものではないが、ウレタンゴムが好適である。
なお、母板加工用金型1を油圧プレスに取り付ける場合、ホルダ圧を押圧板62に付与するためのブッシュを設けても良い。ホルダ圧を付与するためのブッシュを設けると、打ち抜かれたプリント回路板を元の穴にはめ戻すのが容易化する。
下型20に設けられた下型ストリッパー26a〜26fに対応する位置には、それぞれ、プリント回路板をプッシュバックするための上パンチ68a〜68f(製品板外形切断手段、プッシュバック手段)が設けられている。
同様に、下型20に設けられた貫通穴形成ピン誘導穴36、36…に対応する位置には、それぞれ、貫通穴を形成するための貫通穴形成ピン70、70…(貫通穴形成手段)が設けられている。
同様に、下型20に設けられた縦スリット素片形成ピン誘導穴38a、38bに対応する位置には、それぞれ、縦スリット素片形成ピン72a、72b(縦スリット素片形成手段)が設けられている。
同様に、下型20に設けられた横スリット素片形成ピン誘導穴40に対応する位置には、横スリット素片形成ピン74(横スリット素片形成手段)が設けられている。
さらに、下型20に設けられた応力緩和のための切り込み(スリット)を形成するためのピン誘導穴44に対応する位置には、ピン76が設けられている。
これらのパンチ及びピンは、いずれも、上型ストリッパー56が上方に移動するに伴い、その先端が上型ストリッパー56の下面から突き出すようになっている。
さらに、下型20に設けられた位置決めピン42a〜42hに対応する位置には、それぞれ、位置決めピン誘導穴78a〜78hが設けられている。
[1.2 母板加工用金型の動作]
次に、本実施の形態に係る母板加工用金型1の動作について説明する。図3〜図4に、プレス加工の工程図を示す。
まず、図3(a)に示すように、下型20の上面にプリント配線母板10を載せる。このプリント配線母板10は、直前のプレスにおいて、第1領域3上にある上パンチ68a〜68c、貫通穴形成ピン70、70…等による、プリント回路板14のプッシュバック及び打ち抜きが行われた状態になっている。
プリント配線母板10は、直前のプレスが終了した後、図3(a)の右方向に搬送される。そして、直前のプレス工程において、第1領域3で加工が行われた部分が第2領域5上に来るように、下型20の上面に載置される。プリント配線母板10の位置決めは、下型20の上面に設けられた位置決めピン42a〜42hをプリント配線母板10に予め形成された基準穴に挿入することにより行われる。
この状態から上型50を下降させると、上型ストリッパー56がプリント配線母板10の上面に接触する。
さらに上型50を下降させると、図3(b)に示すように、弾性部材66、66…の付勢力に抗して上型ストリッパー56が、ガイドポスト58、58…に沿って上方に移動する。これと同時に、上パンチ68a〜68f、部品穴形成ピン70、70…、横スリット素片形成ピン74等が上型ストリッパー56の下面から突き出し、プリント配線母板10を打ち抜く。
また、上パンチ68a〜68fは、弾性部材32、32…の付勢力に抗して、下型ストリッパー26a〜26fを下方に押し下げる。
次に、打ち抜きが終了した後、上型50を上昇させると、図4(a)に示すように、弾性部材32、32…が、その復元力によって、下型ストリッパー26a〜26fと共に打ち抜かれたプリント回路板を上方に押し上げる。これと同時に、弾性部材66、66…により付勢された押圧板62が押圧ピン60、60…を介して上型ストリッパー56を下方に押し下げる。その結果、上型50が下型20から完全に離脱するときには、図4(b)に示すように、打ち抜かれたプリント回路板14、14…がプリント配線母板10の元の穴にはめ込まれた状態となる。
この後、第1領域3で加工された部分が第2領域5の真下に来るように、プリント配線母板10を右方向に搬送する。そして、上述した手順と同一の手順に従って、次の領域のプレスを必要な回数だけ繰り返す。さらに、プリント配線母板の順方向送りが終了した後、プリント配線母板を180°反転させ、プリント配線母板を反転方向送りしながら、必要な回数だけプレスを繰り返す。
[1.3 プリント配線母板の加工過程]
図5〜図10に、図1及び図2に示す母板加工用金型1を用いたプリント配線母板の加工過程を示す。
まず、図5に示すように、プリント配線母板10を下型20の第1領域3の上に載せる。位置決めは、プリント配線母板10に予め形成しておいた基準穴10a、10a…に位置決めピン42a〜42dを挿入することにより行う。
この状態から1回目のプレスを行うと、第1領域3において、
(1)上パンチ68a〜68c及び下型ストリッパー26a〜26cによるプリント回路板のプッシュバック、
(2)貫通孔形成ピン70及び貫通孔形成ピン誘導穴36による貫通穴の打ち抜き、
(3)縦スリット素片形成ピン72a及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38aによる縦スリット素片の打ち抜き、
(4)横スリット素片形成ピン74及び横スリット素片形成ピン誘導穴40による横スリット素片の打ち抜き、及び
(5)ピン76及びピン誘導穴44による応力緩和のための切り込み(スリット)の打ち抜き、
が行われる。
次に、図6に示すように、プリント配線母板10を搬送し、直前のプレスにおいて、第1領域3で加工された部分を第2領域5の上に載せる。位置決めは、基準穴10a、10a…に位置決めピン42a〜42hを挿入することにより行う。
この状態から2回目のプレスを行うと、第1領域3において前述と同様の加工が行われると同時に、第2領域5において、
(1)直前のプレスで形成された貫通穴を含む領域内において、上パンチ68d〜68f及び下型ストリッパー26d〜26fによるプリント回路板のプッシュバック、
(2)直前のプレスでプッシュバックされたプリント回路板の領域内において、貫通孔形成ピン70及び貫通孔形成ピン誘導穴36による貫通穴の打ち抜き、及び、
(3)縦スリット素片形成ピン72b及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38bによる縦スリット素片の打ち抜き、
が行われる。
以下、同様にして、プリント配線母板10を順方向送りしながら、プリント回路板のプッシュバック及び各種貫通穴の打ち抜きを行う。そして、図7に示すように、第1領域3において最後の加工が行われたプリント配線母板10の部分を第2領域5の上に載せ、プレスを行うと、順方向送りのプレスが終了する。
この時点では、実装用基板には、それぞれ、6個のプリント回路板が作り込まれた状態になっている。また、プリント配線母板10の外周部分は、縦スリット素片形成ピン72a及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38aによる上下2箇所と、ピン76及びピン誘導穴44による下1箇所の合計3箇所に切り込みが入れられた状態になっている。
次に、図8に示すように、プリント配線母板10を180°反転させ、プリント配線母板10の先頭部分を第1領域3上に載せる。
この状態で、反転方向送りでの1回目のプレスを行うと、実装用基板となる領域内であって、順方向送りでのプレスにおいて加工が行われなかった空白部分において、プリント回路板のプッシュバック及び各種貫通穴の形成が行われる。
さらに、プリント配線母板10の左側では、縦スリット素片形成ピン72a及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38aにより新たな縦スリット素片が形成されると同時に、新たに形成された縦スリット素片と、順方向送りの際に縦スリット素片形成ピン72b及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38bにより形成された縦スリット素片とが連通し、連続した縦スリットとなる。
同様に、横スリット素片形成ピン74及び横スリット形成ピン誘導穴40により新たな横スリット素片が形成されると同時に、新たに形成された横スリット素片と、順方向送りの際に形成した横スリット素片とが連通し、連続した横スリットとなる。
次に、図9に示すように、第1領域3において反転方向送り1回目のプレスが行われた部分を第2領域5の上に載せる。
この状態で、反転方向送りでの2回目のプレスを行うと、実装用基板となる領域内であって、順方向送りでのプレスにおいて加工が行われなかった空白部分において、プリント回路板のプッシュバック及び各種貫通穴の形成が行われる。
さらに、プリント配線母板10の左側では、縦スリット素片形成ピン72a及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38aにより新たな縦スリット素片が形成されると同時に、順方向送りの際に縦スリット素片形成ピン72b及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38bにより形成された2つの縦スリット素片の間が新たに形成された縦スリット素片により連通し、連続した縦スリットとなる。
同様に、プリント配線母板10の右側では、縦スリット素片形成ピン72b及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38bにより新たな縦スリット素片が形成されると同時に、順方向送りの際に縦スリット素片形成ピン72a及び縦スリット素片形成ピン誘導穴38aにより形成された2つの縦スリット素片の間が新たに形成された縦スリット素片により連通し、連続した縦スリットとなる。
さらに、横スリット素片形成ピン74及び横スリット形成ピン誘導穴40により新たな横スリット素片が形成されると同時に、新たに形成された横スリット素片と、順方向送りの際に形成した横スリット素片とが連通し、連続した横スリットとなる。しかも、連続した横スリットは、左右に形成された連続した縦スリットとも連通するので、プリント配線母板10から実装用基板12が完全に分離する。
以下同様にして、反転方向送りでのプレスを行うと、実装用基板12を順次、プリント配線母板10から切り出すことができる。そして、図10に示すように、第1領域3において最後の加工が行われたプリント配線母板10の部分を第2領域5の上に載せ、プレスを行うと、反転方向送りのプレスが終了する。
得られた実装用基板12には、それぞれ、12個のプリント回路板が作り込まれた状態になっている。また、順方向送り及び反転方向送りのそれぞれにおいて、プリント配線母板10の外周を2箇所以上切断しているため、反転方向送りが終了した時点では、プリント配線母板10の搬送方向に対して平行方向に伸びた細長い端材と、搬送方向に対して垂直方向の細長い端材が残る。
得られた実装用基板12は、そのまま自動実装工程に送っても良く、あるいは、プリント回路板の外周にVカットが接するように、又は、プリント回路板の外周に沿ってVカットが形成されるように、実装用基板にVカットを形成しても良い(Vカット形成工程)。特にプリント回路板をプッシュバックした場合、プリント回路板の境界線に接するようにVカットを形成すると、プリント回路板の分離が容易になるという利点がある。
なお、Vカットの形成位置は、必ずしもプリント回路板の設計上の境界線の真上に限られるものではなく、許容される寸法精度の範囲内において、設計上の境界線から多少ずれていても良い。すなわち、「プリント回路板の外周にVカットが接する」、あるいは、「プリント回路板の外周に沿ってVカットを形成する」とは、設計上の境界線の真上にVカットを形成する場合だけでなく、許容される寸法精度の範囲内において設計上の境界線の近傍にVカットを形成する場合も含まれる。この点は、他の実施の形態も同様である。
必要に応じてVカットを形成した後、実装用基板12は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。実装用基板への自動実装終了後、枠部を破断させることによって枠部とプリント回路板を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
[1.4 母板加工用金型(1)の作用]
本実施の形態に係る母板加工用金型1は、
(a)プリント配線母板10を順方向送りしたときに実装用基板となる領域内に6個のプリント回路板をプッシュバックすることができ、かつ、
(b)プリント配線母板10を反転方向送りしたときに、実装用基板となる領域内の空白部分においてさらに6個のプリント回路板をプッシュバックすることができるように、
プッシュバック手段(製品板外形切断手段)が配置されているので、単にプリント配線母板を順方向送りしながら加工する場合に比べて、金型に作り込むプッシュバック手段の数を半分以下にすることができる。そのため、金型の構造がより単純となり、金型に必要な部品点数も少なくなる。
また、1回のプレスに必要なプレス圧力もほぼ半分以下となる。そのため、プレス能力の小さい小型のプレス機械を用いて、多数のプリント回路板が組み込まれた大面積の実装用基板を製造することが可能となる。
さらに、加工領域を第1領域3と第2領域5に分け、各領域に加工を分担させているので、狭い領域内に種々の加工を施すための機構を組み込む必要がない。そのため、金型の耐久性も向上する。
[2. 第2の実施の形態]
[2.1 母板加工用金型(2)の構成]
図11に、本発明の第2の実施の形態に係る母板加工用金型1aの下型20aの平面図を示す。図11において、母板加工用金型1aは、プリント配線母板の搬送方向に対して上流側が第1領域3に、また、搬送方向に対して下流側が第2領域5になっている。
母板加工用金型1aは、合計7個のプリント回路板を含む実装用基板を製造するための金型であり、下型20aの第1領域3には、プッシュバック用の2個の下型ストリッパー26a、26bが配置されている。上型(図示せず)には、これに対応する位置に上パンチが設けられている(製品板外形切断手段、プッシュバック手段)。
下型ストリッパー26a、26bは、順方向送り及び反転方向送りが終了した時点で、プッシュバックされたプリント回路板とプッシュバックされていないプリント回路板が交互に並ぶように、その配置が定められている。
第1領域3には、2個の縦スリット素片形成ピン誘導穴38a、38cが設けられている。この点が、第1の実施の形態とは異なる。また、第2領域5には、1個の縦スリット素片形成ピン誘導穴38bが設けられている。
縦スリット素片形成ピン誘導穴38a〜38cは、
(1)縦スリット素片形成ピン誘導穴38a、38cにより形成される縦スリット素片と、縦スリット素片形成ピン誘導穴38bによって形成される縦スリット素片とが、順方向送りの時点では連通せず、かつ
(2)反転方向送りしたときにこれらが連通する、
ように、その長さ及び配置が定められている。
一方、縦スリット素片形成ピン誘導穴38aと38cにより形成される縦スリット素片は、順方向送りの際及び反転方向送りの際に、互いに連通するようにその長さ及び配置が定められている。
さらに、縦スリット素片形成ピン誘導穴38aは、
(a)プリント配線母板を順方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断し、かつ、
(b)プリント配線母板を順方向送りした後、さらにプリント配線母板を反転方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断する
ようにその長さ及び配置が定められている(外枠切断手段)。
また、縦スリット素片形成ピン誘導穴38cは、順方向送り及び反転方向送りのいずれにおいてもプリント配線母板の外枠を切断しないように、その長さ及び配置が定められている。
第1領域3の上流端には、さらに、実装用基板の搬送方向に対して垂直な辺に、実装用基板に応力緩和のための切り込み(スリット)を形成するためのピン誘導穴44、44が設けられている。ピン誘導穴44、44を第1領域3の上流端に設けたのは、順方向送り及び反転方向送りの最終プレスにおいて、プリント配線母板の外枠を切断しないようにするためである。
第2領域5には、プリント回路板の内部に部品穴等として用いられる貫通穴を形成するための貫通孔形成ピン誘導穴36、36…が設けられている。この貫通穴形成ピン誘導穴36、36…は、それぞれ、1個のプリント回路板内に2個の対称な貫通穴を形成するためのものである。すなわち、貫通穴を形成する位置が対称であるときには、貫通穴を形成するための機構も半分以下にすることができる。
さらに、第2領域5には、プッシュバックされた部分以外の部分に、ミシン目を形成するためのミシン目形成ピン誘導穴44、44…が設けられている。また、上型(図示せず)には、ミシン目形成ピン誘導穴44、44…に対応する位置に、ミシン目形成ピンが設けられている。
図11に示す金型1aにおいて、ミシン目形成ピン誘導穴44、44…は、プッシュバックされていないプリント回路板の上下の境界線に沿ってミシン目を形成するためのもの(ミシン目形成手段、貫通孔形成手段)である。ミシン目は、順方向送り及び反転方向送りの際に、それぞれ形成することができるので、プリント回路板の上下の境界線にミシン目を形成するためには、1組のミシン目形成手段があれば良い。
なお、本実施の形態において、ミシン目形成手段は、製品板外形切断手段として用いられているが、ミシン目形成手段は貫通穴形成手段の一種でもある。従って、ミシン目の用途は、プリント回路板の外形形成に限られるものではない。例えば、実装用基板の枠の破断及びプリント回路板の取り外しを容易化するために、実装用基板の枠部分にミシン目を形成しても良い。
[2.2 プリント配線母板の加工過程]
図12に、図11に示す母板加工用金型1aを用いたプリント配線母板10の加工過程を示す。図12は、順方向送りによるプレスが終了し、反転方向送りの途中の状態を示している。
母板加工用金型1aにより得られる実装用基板12は、プッシュバックされたプリント回路板14とプッシュバックされていないプリント回路板16が交互に並んだ状態になっている。また、プッシュバックされていないプリント回路板16の上下の境界線には、ミシン目18、18が形成されている。
また、縦スリット素片形成ピン誘導穴38a及び縦スリット素片形成ピン(図示せず)の長さ及び配置が最適化されているので、これらによって、順方向送りが終了した時点では、プリント配線母板10の外枠部分が1箇所だけ(図12中のA部)切断される。同様に、反転方向送りが終了した時点では、プリント配線母板10の外枠部分が1箇所だけ(図12中のB部)切断される。その結果、下型20a上には細かく切断されたプリント配線母板10の端材が一切残らず、L字型の端材が2つ残るだけとなる。そのため、端材の廃棄及び下型20a表面の清掃を簡略化することができる。
得られた実装用基板12は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。実装用基板への自動実装終了後、枠部を破断させることによって枠部とプリント回路板を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
なお、ミシン目法でプリント回路板の外周を形成する場合、低コストであるが、外周の寸法精度が劣るという欠点がある。従って、プリント回路板の外形精度が要求されるときには、ミシン目法に代えて、プリント回路板の境界線に沿ってVカットを形成するのが好ましい。
[2.3 母板加工用金型(2)の作用]
本実施の形態に係る母板加工用金型1aは、
(a)プリント配線母板10を順方向送りしたときに実装用基板となる領域内に2個のプリント回路板をプッシュバックすることができ、かつ、
(b)プリント配線母板10を反転方向送りしたときに、実装用基板となる領域内の空白部分においてさらに2個のプリント回路板をプッシュバックすることができ、かつ、
(c)プッシュバックされたプリント回路板とプッシュバックされていないプリント回路板が交互に並ぶように、
プッシュバック手段(製品板外形切断手段)が配置されているので、単にプリント配線母板を順方向送りしながら加工する場合に比べて、金型に作り込むプッシュバック手段の数を半分以下にすることができる。そのため、金型の構造がより単純となり、金型に必要な部品点数も少なくなる。
また、1回のプレスに必要なプレス圧力もほぼ半分以下となる。そのため、プレス能力の小さい小型のプレス機械を用いて、多数のプリント回路板が組み込まれた大面積の実装用基板を製造することが可能となる。
さらに、加工領域を第1領域3と第2領域5に分け、各領域に加工を分担させているので、狭い領域内に種々の加工を施すための機構を組み込む必要がない。そのため、金型の耐久性も向上する。
さらに、縦スリット形成手段の長さ及び配置を最適化すると、
(a)プリント配線母板を順方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断し、かつ、
(b)プリント配線母板を順方向送りした後、さらにプリント配線母板を反転方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断する、
ことができる。その結果、下型1b上には細かく切断されたプリント配線母板10の端材が一切残らず、L字型の端材が2つ残るだけとなる。そのため、端材の廃棄及び下型表面の清掃を簡略化することができる。
[3. 第3の実施の形態]
[3.1 母板加工用金型(3)の構成]
図13に、本発明の第3の実施の形態に係る母板加工用金型1bの下型20bの平面図を示す。図13において、母板加工用金型1bは、プリント配線母板の搬送方向に対して上流側が第1領域3に、また、搬送方向に対して下流側が第2領域5になっている。
母板加工用金型1bは、合計7個のプリント回路板を含む実装用基板を製造するための金型であり、下型20aの第1領域3には、プッシュバック用の2個の下型ストリッパーに代えて、プリント回路板の外周の内、搬送方向に平行な辺のみを打ち抜くためのパンチ誘導穴27a〜27d(打ち抜き手段)が設けられている。また、上型(図示せず)には、これらに対応する位置に打ち抜きパンチ(打ち抜き手段)が設けられている。この点が、第2の実施の形態とは異なる。
また、母板加工用金型1bにおいては、プッシュバックを行わないので、必ずしも実装用基板に応力緩和のための切り込み(スリット)を形成する必要がない。そのため、母板加工用金型1bにおいては、応力緩和のための切り込みを形成するための手段(ピン誘導穴44)が無く、第2領域に設けられた縦スリット素片形成ピン誘導穴38bには、実装用基板の内側に向かって張り出した突起がない。さらに、母板加工用金型1bは、ミシン目形成手段を備えていない。
その他の点については、図11に示す母板加工用金型1aと同様であるので、説明を省略する。
[3.2 プリント配線母板の加工過程]
図14に、図13に示す母板加工用金型1bを用いたプリント配線母板10の加工過程を示す。図14は、順方向送りによるプレスが終了し、反転方向送りの途中の状態を示している。
母板加工用金型1bにより得られる実装用基板12は、プリント回路板14、14の外周の内、搬送方向に対して平行な辺のみが打ち抜かれ、搬送方向に対して垂直な辺は、実装用基板12に繋がった状態になっている。従って、プレス加工終了後に、プリント回路板14、14…の境界線に沿って、Vカットを形成する必要がある。
なお、縦スリット素片形成ピン誘導穴38a及び縦スリット素片形成ピン(図示せず)の長さ及び配置が最適化されているので、順方向送りが終了した時点及び反転方向送りが終了した時点で、それぞれ、プリント配線母板10の外枠部分が1箇所だけ(図14中のA部及びB部)切断される点は、第2の実施の形態と同様である。
また、プリント回路板の外周の寸法精度が要求されない場合には、Vカットに代えてプリント回路板の境界線に沿って、ミシン目が形成されるように、第1領域3又は第2領域5にミシン目形成手段を設けても良い。
得られた実装用基板12は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。実装用基板への自動実装終了後、枠部を破断させることによって枠部とプリント回路板を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
[3.3 母板加工用金型(3)の作用]
本実施の形態に係る母板加工用金型1bは、
(a)プリント配線母板10を順方向送りしたときに実装用基板となる領域内に2個のプリント回路板の外形の一部を打ち抜くことができ、かつ、
(b)プリント配線母板10を反転方向送りしたときに、実装用基板となる領域内の空白部分においてさらに2個のプリント回路板の外形の一部を打ち抜くことができるように、
打ち抜き手段(製品板外形切断手段)が配置されているので、単にプリント配線母板を順方向送りしながら加工する場合に比べて、金型に作り込む打ち抜き手段の数を半分以下にすることができる。そのため、金型の構造がより単純となり、金型に必要な部品点数も少なくなる。
また、1回のプレスに必要なプレス圧力もほぼ半分以下となる。そのため、プレス能力の小さい小型のプレス機械を用いて、多数のプリント回路板が組み込まれた大面積の実装用基板を製造することが可能となる。
さらに、加工領域を第1領域3と第2領域5に分け、各領域に加工を分担させているので、狭い領域内に種々の加工を施すための機構を組み込む必要がない。そのため、金型の耐久性も向上する。
さらに、縦スリット形成手段の長さ及び配置を最適化すると、
(a)プリント配線母板を順方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断し、かつ、
(b)プリント配線母板を順方向送りした後、さらにプリント配線母板を反転方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断する、
ことができる。その結果、下型1b上には細かく切断されたプリント配線母板10の端材が一切残らず、L字型の端材が2つ残るだけとなる。そのため、端材の廃棄及び下型表面の清掃を簡略化することができる。
[4. 第4の実施の形態]
[4.1 母板加工用金型(4)の構成]
図15に、本発明の第4の実施の形態に係る母板加工用金型1cの下型20cの平面図を示す。図15において、母板加工用金型1cは、1つの加工領域のみを備えている。母板加工用金型1cは、図13に示す母板加工用金型1bにおいて、第2領域5内に設けられていた縦スリット素片形成ピン誘導穴38b及び貫通孔形成ピン誘導穴36を第1領域3に移動させたものである。
また、搬送方向に対して上流側端部には、横スリット素片形成ピン誘導穴40bがさらに設けられている。この横スリット素片形成ピン誘導穴40bは、加工領域を1つにしたために必要となった部品である。
母板加工用金型1cに関するその他の点は、母板加工用金型1bと同様であるので、説明を省略する。
[4.2 プリント配線母板の加工過程]
図16に、図15に示す母板加工用金型1cを用いたプリント配線母板10の加工過程を示す。図16は、順方向送りによるプレスが終了し、反転方向送りの途中の状態を示している。
母板加工用金型1cにより得られる実装用基板12は、プリント回路板14、14の外周の内、搬送方向に対して平行な辺のみが打ち抜かれ、搬送方向に対して垂直な辺は、実装用基板12に繋がった状態になっている。従って、プレス加工終了後に、プリント回路板14、14…の境界線に沿って、Vカットを形成する必要がある。
なお、縦スリット素片形成ピン誘導穴38a及び縦スリット素片形成ピン(図示せず)の長さ及び配置は、第3の実施の形態と同様であるが、下型20c上の加工領域が1個であるため、順方向送りが終了した時点及び反転方向送りが終了した時点のいずれにおいても、プリント配線母板10の外枠部分が切断されることはない。そのため、反転方向送りが終了した時点では、1個の連続した外枠が残り、下型1c上には細かく切断された端材が残らない。
但し、縦スリット素片形成ピン誘導穴38cの長さをさらに搬送方向に対して上流側に延長すると、順方向送りが終了した時点及び反転方向送りが終了した時点で、プリント配線母板10の外枠を、それぞれ、1回ずつ切断することもできる。
また、プリント回路板の外周の寸法精度が要求されない場合には、Vカットに代えてプリント回路板の境界線に沿って、ミシン目が形成されるように、ミシン目形成手段を設けても良い。
得られた実装用基板12は、自動実装工程に送られ、表面に各種の電子部品が実装される。実装用基板への自動実装終了後、枠部を破断させることによって枠部とプリント回路板を分離し、分離したプリント回路板を各種の電子機器に組み込むことができる。
[4.3 母板加工用金型(4)の作用]
本実施の形態に係る母板加工用金型1cは、
(a)プリント配線母板10を順方向送りしたときに実装用基板となる領域内に2個のプリント回路板の外形の一部を打ち抜くことができ、かつ、
(b)プリント配線母板10を反転方向送りしたときに、実装用基板となる領域内の空白部分においてさらに2個のプリント回路板の外形の一部を打ち抜くことができるように、
打ち抜き手段(製品板外形切断手段)が配置されているので、単にプリント配線母板を順方向送りしながら加工する場合に比べて、金型に作り込む打ち抜き手段の数を半分以下にすることができる。そのため、金型の構造がより単純となり、金型に必要な部品点数も少なくなる。
また、1回のプレスに必要なプレス圧力もほぼ半分以下となる。そのため、プレス能力の小さい小型のプレス機械を用いて、多数のプリント回路板が組み込まれた大面積の実装用基板を製造することが可能となる。
さらに、縦スリット形成手段の長さ及び配置を最適化すると、
(a)プリント配線母板を順方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断し、又は、プリント配線母板の外周部分を1箇所も切断せず、かつ、
(b)プリント配線母板を順方向送りした後、さらにプリント配線母板を反転方向送りした時に、プリント配線母板の外周と実装用基板の外周とが連通するように、プリント配線母板の外枠部分を1箇所だけ切断し、又は、プリント配線母板の外周部分を1箇所も切断しないようにする、
ことができる。その結果、下型上には細かく切断されたプリント配線母板10の端材が一切残らず、L字型の端材が2つ残り、あるいは、連続した1個の端材が残るだけとなる。そのため、端材の廃棄及び下型表面の清掃を簡略化することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る母板加工用金型は、
(1)プリント回路板がプッシュバック法により枠部に仮止めされた実装用基板、
(2)プリント回路板の外周の一部がVカット又はミシン目を介して枠部に仮止めされた実装用基板、
などの各種加工板を製造するための金型として用いることができる。
また、本発明に係る加工板の製造方法及び製品板の製造方法は、このような母板加工用金型を用いた実装用基板の製造方法、及び、このような方法により得られる実装用基板から枠部を分離し、プリント回路板を得る方法として用いることができる。
1 母板加工用金型
3 第1領域
5 第2領域
10 プリント配線母板(母板)
12 実装用基板(加工板)
20 下型
26a〜26f 下型ストリッパー(プッシュバック手段)
50 上型
68a〜60f 上パンチ(プッシュバック手段)

Claims (16)

  1. 以下の構成を備えた母板加工用金型。
    (1)前記母板加工用金型は、母板から製品板の外形の全部又は一部を切断するための製品板外形切断手段を備えている。
    (2)前記製品板外形切断手段は、
    (a)前記母板を順方向送りした時に、加工板となる領域内の一部において第1の製品板の外形の全部又は一部を切断することができ、かつ、
    (b)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りした時に、前記加工板となる領域内の空白部分において第2の製品板の外形の全部又は一部を新たに切断することができる
    ように配置されている。
  2. 前記製品板外形切断手段は、前記母板から前記製品板を打ち抜き、打ち抜かれた前記製品板を元の穴にはめ込むプッシュバック手段である請求項1に記載の母板加工用金型。
  3. 前記製品板外形切断手段は、前記母板から前記製品板の外周の一部分を打ち抜くための打ち抜き手段である請求項1又は2に記載の母板加工用金型。
  4. 以下の構成をさらに備えた請求項1から3までのいずれかに記載の母板加工用金型。
    (3)前記母板加工用金型は、
    前記母板の搬送方向に対して上流側に配置された、前記加工板と同等以上の面積を有する第1領域と、
    前記母板の搬送方向に対して下流側に配置された、前記加工板と同等以上の面積を有する第2領域とを備えている。
    (4)前記第1領域又は前記第2領域の少なくとも一方に、前記製品板外形切断手段が設けられている。
  5. 以下の構成をさらに備えた請求項1から4までのいずれかに記載の母板加工用金型。
    (5)前記母板加工用金型は、前記母板の搬送方向に対して平行に縦スリットを形成することによって、前記加工板の搬送方向に対して平行な辺を形成するための縦スリット形成手段を備えている。
  6. 前記縦スリット形成手段は、
    前記母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を順次形成し、これらを連通させることによって、連続した前記縦スリットを形成するための縦スリット素片形成手段
    である請求項5に記載の母板加工用金型。
  7. 前記縦スリット素片形成手段は、
    (a)前記母板を順方向送りした時に、前記縦スリット素片が連通せず、かつ、
    (b)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りした時に、前記縦スリット素片が連通して連続した前記縦スリットとなる
    ように配置されている請求項6に記載の母板加工用金型。
  8. 以下の構成をさらに備えた請求項1から7までのいずれかに記載の母板加工用金型。
    (6)前記母板加工用金型は、前記母板の搬送方向に対して垂直に横スリットを形成することによって、前記加工板の搬送方向に対して垂直な辺を形成するための横スリット形成手段を備えている。
  9. 前記横スリット形成手段は、
    前記母板の搬送方向に対して垂直な横スリット素片を順次形成し、これらを連通させることによって、連続した前記横スリットを形成するための横スリット素片形成手段
    である請求項8に記載の母板加工用金型。
  10. 前記横スリット素片形成手段は、
    (a)前記母板を順方向送りした時に、前記横スリット素片が連通せず、かつ、
    (b)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りした時に、前記横スリット素片が連通して連続した前記横スリットとなる
    ように配置されている請求項9に記載の母板加工用金型。
  11. 以下の構成をさらに備えた請求項1から10までのいずれかに記載の母板加工用金型。
    (7)前記母板加工用金型は、
    (a)前記母板を順方向送りした時に、前記母板の外周と前記加工板の外周とが連通するように、前記母板の外枠部分を1箇所だけ切断し、かつ、
    (b)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りした時に、前記母板の外周と前記加工板の外周とが連通するように、前記母板の外枠部分を1箇所だけ切断する外枠切断手段
    を備えている。
  12. 以下の構成をさらに備えた請求項1から11までのいずれかに記載の母板加工用金型。
    (8)前記母板加工用金型は、前記加工板となる領域のいずれかの部分に貫通穴を形成する貫通孔形成手段を備えている。
  13. 前記貫通孔形成手段は、
    前記製品板外形切断手段で打ち抜かれた部分以外の部分に、ミシン目を形成するためのミシン目形成手段
    を含む請求項12に記載の母板加工用金型。
  14. 以下の工程を備えた加工板の製造方法。
    (1)請求項1から13までのいずれかに記載の母板加工用金型を用いて、母板を順方向送りしながら、加工板となる領域内の一部において第1の製品板の外形の全部又は一部を切断する第1工程。
    (2)前記母板を順方向送りした後、さらに前記母板を反転方向送りしながら、前記加工板となる領域内の空白部分において第2の製品板の外形の全部又は一部を新たに切断する第2工程。
  15. 以下の工程をさらに備えた請求項14に記載の加工板の製造方法。
    (3)前記加工板の製造方法は、
    前記製品板の外周にVカットが接するように、又は、前記製品板の外周に沿って前記Vカットが形成されるように、前記加工板に前記Vカットを形成するVカット形成工程を備えている。
  16. 請求項14又は15に記載の方法により得られた加工板から枠部を分離し、製品板を得る製品板分離工程を備えた製品板の製造方法。
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