JP3859694B1 - 加工板及びその製造方法、母板加工用金型、並びに製品板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】枠部14と、少なくともその1辺を介して枠部14に仮止めされている製品板12a〜12fと、枠部14を含む母板であって、製品板12a〜12fに隣接する領域から打ち抜かれ、かつ、元の穴にはめ込まれたものであって、その外周の一部分が枠部14と製品板12a〜12fの境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の一部分が境界線と交差している支持板16と、枠部16と製品板12a〜12fの境界線又はその近傍に沿って形成され、かつ支持板16の外周の一部分に接する接線上若しくはその近傍を通り、又は支持板16の外周の一部分と交差する凹溝18a〜18dを備えた加工板10及びその製造方法、母板加工用金型、並びに、製品板の製造方法。
【選択図】図1
Description
また、ミシン目法は、プリント回路板の境界線に沿って、多数の小孔をあけ、小孔に沿って破断させる方法である。ミシン目法は、破断後の境界線に凹凸が残るので、外形の寸法精度が要求されないプリント回路板に対してのみ適用可能である。
(1) 電気回路が印刷されたプリント配線母板にプッシュバック用の基準穴を形成し、
(2) プッシュバック用金型を用いて、プリント回路板のプッシュバック加工、及び、必要に応じて部品穴等の穿孔を行い、
(3) 外形切断用金型を用いてプリント配線母板の外形を切断し、所定個数のプリント回路板を含む実装用基板を母板から切り出す、
ことにより行われている。
同文献には、プッシュバック手段によりプッシュバックされた領域が外形切断手段により逐次切り離されるので、プリント配線母板の反りの影響を大きく受けることなく容易に外形切断が行える点、及び、1つの金型でプッシュバック加工と外形切断加工とを行うことができるので、金型コストを低減できる点が記載されている。
しかしながら、プリント回路板の形状や実装用基板の寸法によっては、プリント回路板の両端を枠部で支持できない場合がある。この場合、不要部分を打ち抜くことによって、プリント回路板の1辺のみを枠部で仮止めすることもできる。しかしながら、プリント回路板が細長い形状を有している場合において、プリント回路板の短辺のみを介して枠部に仮止めした時には、プリント回路板の先端に僅かな外力が作用するだけで、プリント回路板と枠部の連結部に大きな曲げモーメントが発生する。この点は、交差する2辺を介してプリント回路板を支持する場合も同様である。そのため、ハンドリングの際にプリント回路板の先端が上下に大きく撓み、最悪の場合は凹溝の部分が破断する。
枠部と、
少なくともその1辺を介して前記枠部に仮止めされている1又は2以上の製品板と、
前記枠部を含む母板であって、前記製品板に隣接する領域から打ち抜かれ、かつ、元の穴にはめ込まれたものであって、その外周の一部分が前記枠部と前記製品板の境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の一部分が前記境界線と交差している1又は2以上の支持板と、
前記枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って形成された1又は2以上の凹溝と
を備えていることを要旨とする。
母板の搬送方向に対して上流側に配置され、前記母板であって、製品板に隣接する領域から1又は2以上の支持板を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、
前記母板の搬送方向に対して下流側に配置され、前記製品板及びプッシュバックされた前記支持板を含む加工板を前記母板から切り出すための外形切断手段とを備え、
前記プッシュバック手段は、その外周の一部分が前記製品板を仮止めするための枠部と前記製品板との境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の一部分が前記境界線と交差している前記支持板のプッシュバックを行うためのものである
ことを要旨とする。
この場合、前記プッシュバック手段と前記外形切断手段の間に、前記加工板1個分に相当する空打ち領域をさらに備えていても良い。
母板であって、製品板に隣接する領域から1又は2以上の支持板を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、
打ち抜かれた前記支持板の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を順次形成することによって、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成するための縦スリット形成手段とを備え、
前記プッシュバック手段は、その外周の一部分が前記製品板を仮止めするための枠部と前記製品板との境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の一部分が前記境界線と交差している前記支持板のプッシュバックを行うためのものである
ことを要旨とする。
この場合、打ち抜かれた前記支持板の前方又は後方に、前記縦スリットに対して垂直であり、一直線上に並んだ2以上の横スリット素片からなり、かつ、前記横スリット素片の少なくとも1つが前記縦スリットに連通する横スリットを形成するための横スリット形成手段をさらに備えていても良い。
(イ) 請求項5に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
(ロ) 前記支持板(A)を含む領域が前記外形切断手段上に来るように前記母板を搬送し、前記プッシュバック手段において前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記外形切断手段において、前記支持板(A)を含む加工板を前記母板から切り出す外形切断工程。
(ハ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。
(イ) 請求項6に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
(ロ) 前記支持板(A)を含む領域が前記空打ち領域に来るように前記母板を搬送し、前記プッシュバック手段において前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記空打ち領域において、直前のプレスでプッシュバックされた前記支持板(A)の空打ちを行う空打ち工程。
(ハ) 前記支持板(A)を含む領域及び前記支持板(B)を含む領域が、それぞれ、外形切断手段上及び前記空打ち領域上に来るように前記母板を搬送し、前記プッシュバック手段において前記母板から新たに支持板(C)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(C)を元の穴にはめ込み、かつ、前記空打ち領域において、直前のプレスでプッシュバックされた前記支持板(B)の空打ちを行うと同時に、
前記外形切断手段において、前記支持板(A)を含む加工板を前記母板から切り出す外形切断工程。
(ニ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。
(イ) 請求項7に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(A)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に沿って平行に縦スリット素片(A)を形成する第1プレス工程。
(ロ) 前記母板を一定の送り幅だけ搬送し、前記プッシュバック手段において、前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(B)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行に、かつ、前記縦スリット素片(A)と連通するように縦スリット素片(B)を形成し、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成する第2プレス工程。
(ハ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。
(イ) 請求項8に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(A)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行に縦スリット素片(A)を形成し、
前記横スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(A)の前方又は後方に、前記母板の搬送方向に対して平行に前記縦スリット素片を順次形成することにより得られる連続した縦スリットに対して垂直であり、一直線上に並んだ2以上の横スリット素片(A)からなり、かつ、前記横スリット素片(A)の少なくとも1つが前記縦スリットに連通する横スリット(A)を形成する第1プレス工程。
(ロ) 前記母板を一定の送り幅だけ搬送し、前記プッシュバック手段において、前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(B)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行に、かつ、前記縦スリット素片(A)と連通するように縦スリット素片(B)を形成し、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成し、
前記横スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(B)の前方又は後方に、前記縦スリットに対して垂直であり、一直線上に並んだ2以上の横スリット素片(B)からなり、かつ、前記横スリット素片(B)の少なくとも1つが前記縦スリットに連通する横スリット(B)を形成する第2プレス工程。
(ハ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。
また、本発明に係る製品板の製造方法の2番目は、本発明に係る方法により得られる加工板に備えられる前記凹溝に沿って前記枠部を破断させ、前記枠部から前記製品板を分離させることを要旨とする。
図1において、実装用基板(加工板)10は、プリント回路板(製品板)12a〜12fと、枠部14と、支持板16と、凹溝18a〜18dとを備えている。
なお、図1に示すプリント回路板12a〜12fの形状は単なる例示であり、プリント回路板の形状はこれに限定されるものではない。但し、凹溝18a〜18dを介してプリント回路板12a〜12fを枠部14に仮止めする必要があるので、プリント回路板12a〜12fは、少なくとも1つの直線を含んでいる必要がある。また、図1においては、合計6個のプリント回路板12a〜12fを含む実装用基板10が示されているが、これも単なる例示であり、プリント回路板の個数は特に限定されるものではなく、1個以上のプリント回路板を含む実装用基板に対して本発明を適用することができる。
また、枠部14の上下端には、枠部14の外周に連通し、かつ、プリント回路板12a〜12fに連通していない1又は2以上のスリット14b、14b…が形成されている。スリット14b、14b…は、支持板16のプッシュバック加工の際に生ずる反りを低減するためのものである。従って、スリット14b、14b…の個数及び長さは、実装用基板10に発生する反りの程度に応じて、最適な個数及び長さを選択する。また、実装用基板10の上下端に代えて、又はこれに加えて、実装用基板10の左右端にスリット14b、14b…を形成しても良い。なお、反りが少ない場合には、スリット14b、14b…を省略しても良い。
支持板16は、以下のいずれか条件を満たしている必要がある。
(1) その外周の一部分が枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線上又はその近傍にあること。
枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線上又はその近傍には、凹溝18a〜18dが形成される。プリント回路板12a〜12fは、自動実装が終了した後、凹溝18a〜18dに沿って枠部14を折り曲げることによって、枠部14から分離される。従って、プリント回路板12a〜12fの分離を完全に行うためには、支持板16の外周の一部分(最外周部分)は、枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線上(凹溝18a〜18dの真上)又はその近傍に形成されているのが好ましい。
なお、「境界線の近傍」とは、枠部14とプリント回路板12a〜12fの分離に支障を来さない位置をいう。支持板16の外周の一部分は、境界線の真上に形成するのが最も好ましいが、プリント回路板12a〜12fの分離に支障を来さない限りにおいて、境界線から多少ずれていても良いことを意味する。
(2) その外周の少なくとも一部分が枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線と交差していること。
支持板16の最外周が境界線より内側にある場合、枠部14を破断させると、プリント回路板12a〜12fの周囲にはバリが残る。しかしながら、支持板16の外周と境界線の間隔が僅かであるときには、バリも僅かであるので、バリの除去は容易である。しかしながら、支持板16の外周と境界線の間隔が大きくなると、多量のバリが残り、バリ取り作業が繁雑となる。これに対し、枠部14の強度を低下させない程度に支持板16の外周を境界線より外側に張り出させ、外周の一部分と境界線(凹溝)とを交差させると、バリのないプリント回路板12a〜12fを容易に得ることができる。
なお、図1に示す例においては、支持板16は、複数箇所において枠部14と接しているが、各接触箇所のすべてが、上述した(1)又は(2)のいずれか一方の条件を満たしていても良く、あるいは、一部が(1)の条件を満たし、残りが(2)の条件を満たしていても良い。
また、図1に示す例においては、支持板16は、連続した1つの板からなっているが、これは単なる例示であり、プリント回路板12a〜12fの形状、配置等に応じて、2個以上に分割されていても良い。
凹溝18a〜18dは、枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線上又はその近傍に沿って形成されている。
また、凹溝18a〜18dは、
(1) 支持板16の外周の一部分が枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線上又はその近傍にある場合には、支持板16の外周の一部分に接する接線上又はその近傍を通り、
(2) 支持板16の外周の一部分が枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線と交差している場合には、支持板16の外周の一部分と交差する
ように形成されている。
ここで、「接線の近傍」とは、枠部14とプリント回路板12a〜12fの分離に支障を来さない位置をいう。支持板16のプッシュバックラインの一部に接するように凹溝18a〜18dを形成する場合、凹溝18a〜18dは、支持板16の外周の一部分(プッシュバックライン)に接する接線の真上に形成するのが最も好ましいが、プリント回路板12a〜12fの分離に支障を来さない限りにおいて、接線から多少ずれていても良いことを意味する。
支持板16が複数箇所において枠部14と接する場合、各接触箇所のすべてが上述した(1)又は(2)のいずれか一方の条件を満たしていても良く、あるいは、一部が(1)の条件を満たし、残りが(2)の条件を満たしていても良い。
さらに、凹溝18a〜18dは、図1に示すように、実装用基板10の上下面に形成するのが最も好ましいが、枠部14の破断に支障を来さない限りにおいて、いずれか一方の面にのみ形成しても良い。
図2において、実装用基板(加工板)10’は、プリント回路板(製品板)12a〜12eと、枠部14と、支持板16a、16bと、凹溝18a〜18dとを備えている。
なお、
(1)プリント回路板12a〜12eには、必要に応じて部品穴等として用いられる貫通穴13a、13a…が形成されていても良い点、
(2)枠部14には、基準穴及びサブ基準穴となる貫通孔14a、14a…が形成されていても良い点、
(3)枠部14には、必要に応じて、1又は2以上のスリット14b、14b…が形成されていても良い点、
は、第1の実施の形態と同様である。
また、プリント回路板12a〜12e、枠部14、支持板16a、16b、及び凹溝18a〜18bに関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
図3において、実装用基板(加工板)10”は、図1に示す実装用基板10、10…が長辺を介して複数個連結したものからなる。各実装用基板10、10…の境界線には、実装用基板10”の縦の辺に対して垂直であり、かつ、縦の辺に連通している横スリット素片19a、19dと、これらの間に形成された横スリット素片19b、19cからなる横スリットが形成されている。これらの内、横スリット素片19a、19dは、実装用基板10”に発生する反りを低減するための「スリット」としての機能も持つ。
実装用基板10”を構成する各実装用基板10に関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
プリント回路板12a〜12fの少なくとも1辺を凹溝18a〜18dを介して枠部14に仮止めする場合において、プリント回路板12a〜12fに隣接する領域(不要部分)を打ち抜くことに代えて、不要部分をプッシュバックし、支持板16として元の穴にはめ込むと、プリント回路板12a〜12fの外周であって、枠部14に仮止めされていない部分が支持板16により確実に支持される。
そのため、プリント回路板12a〜12fが1辺のみ又は交差する2辺を介して枠部14に仮止めされている場合であっても、ハンドリングの際にプリント回路板12a〜12fの先端が上下に大きく撓んだり、あるいは、凹溝18a〜18dの部分が破断してプリント回路板12a〜12fが脱落することがない。
また、支持板16をプッシュバックした場合、支持板16の形状によっては、実装用基板10に反りが発生する場合がある。これに対し、枠部14の余白部分にスリット14b、14b…を形成すると、実装用基板10に発生する反りを低減することができる。
さらに、支持板16の外周の一部分が枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の少なくとも一部分が境界線と交差するように支持板16の形状を最適化すると、凹溝18a〜18dに沿って枠部14を破断させるだけで、プリント回路板12a〜12fを容易に分離することができる。
なお、これらの点は、実装用基板10’、10”も同様である。
図4、図5に、本実施の形態に係る母板加工用金型を示す。図4、5において、母板加工用金型1は、図1に示す実装用基板10を製造するための金型であって、下型20と上型50からなる。下型20及び上型50は、それぞれ、プリント配線母板の搬送方向に対して上流側が、1又は2以上の支持板のプッシュバック加工を行うためのプッシュバック部(プッシュバック手段)3に、また、搬送方向に対して下流側が、プリント回路板及びプッシュバックされた1又は2以上の支持板を含む実装用基板をプリント配線母板から切り出すための外形切断部(外形切断手段)5になっている。
なお、図1においては、1個の第1下パンチ22aが記載されているが、これは単なる例示であり、複数の支持板が含まれる実装用基板を製造する場合には、これに応じた数の第1下パンチをプッシュバック部3に設ければ良い。
下型ストリッパー24は、下型ベース板22の下方から遊挿される複数個のボルト26、26…によって上方向への移動が規制され、かつ、下型ベース板22と下型ストリッパー24の間に介挿される弾性部材28、28…によって上方向に付勢されている。弾性部材28、28…の材質は、特に限定されるものではないが、ウレタンゴムが好適な一例として挙げられる。さらに、下型ストリッパー24の角部には、下型ベース板22の下方から挿入されるポスト30a〜30dが立設される。ポスト30a〜30dは、プレスの際に下型20及び上型50の位置決めに用いられるものである。
(1)プリント回路板に部品穴等の貫通穴(第1貫通穴)を形成するための貫通穴形成孔(第1貫通穴形成手段)34、34…、
(2)実装用基板の周囲の余白部分に1又は2以上のスリットを形成するためのスリット形成孔(スリット形成手段)36、36…、
(3)電子部品を自動実装する際の基準穴又はサブ基準穴を形成するための基準穴形成孔38、38…、
が設けられている。
第1押圧板70aは、第1押圧ピン66a、66a…を下方に押圧するためのものである。第1押圧板70aの上面とキャップボルト72との間には、弾性部材74、74…が介挿され、弾性部材74、74…により、第1押圧板70aを下方に付勢するようになっている。弾性部材74、74…の材質は、特に限定されるものではないが、ウレタンゴムが好適な一例として挙げられる。
第2押圧ピン66b、66b…は、第2上型ストリッパー60bを下方に押圧するためのものであり、ホルダ54b、54cを縦方向に貫通する貫通孔内に遊挿される。その一端は、第2上型ストリッパー60bの上面に当接し、その他端は、ホルダ54aの中央スペース68内に配置される第2押圧板70bの下面に当接している。第2押圧板70bは、第2押圧ピン66b、66b…を下方に押圧するためのものである。第2押圧板70bの上面には、第2押圧板70bを下方に押圧するためのノックアウト用ブッシュ76、76…が設けられる。ノックアウト用ブッシュ76、76は、無負荷状態において、その先端が上型ベース板52の上面から僅かに突出するように、その長さが決められている。
母板加工用金型1を用いた母板8のプッシュバック加工は、以下の手順で行う。
まず、母板8に形成されたプッシュバック基準穴8a、8a…に位置決めピン32a、32bを挿入し、プッシュバック部3において、支持板(A)16xのプッシュバックを行う(プッシュバック工程)。
次に、支持板(A)16xが外形切断部5上に来るように母板8を搬送し、プッシュバック基準穴8a、8a…に位置決めピン32a〜32dを挿入し、プッシュバック部3において新たに支持板(B)16yのプッシュバックを行うと同時に、外形切断部5において、支持板(A)16xを含む実装用基板10を切り出す(外形切断工程)。
さらに、切り出された実装用基板10の枠部14とプリント回路板12a〜12fの境界線又はその近傍に沿って、凹溝(Vカット)18a〜18dを形成する(凹溝形成工程)。
得られた実装用基板10は、自動実装工程に送られ、プリント回路板12a〜12f上に電子部品が自動実装される。自動実装終了後、実装用基板10の枠部14を破断させ、プリント回路板12a〜12fを分離する。
本実施の形態に係る母板加工用金型は、図示はしないが、第1の実施の形態に係る母板加工用金型1において、プッシュバック手段3と外形切断手段5との間隔を広げ、その間に実装用基板1個分に相当する空打ち領域を設けたことを特徴とする。その他の点については、第1の実施の形態に係る母板加工用金型と同様であるので、説明を省略する。
まず、プッシュバック手段、空打ち領域及び外形切断手段がこの順で設けられた母板加工用金型にプリント配線母板を載せ、プッシュバック手段において、プリント回路板に隣接する領域から支持板(A)のプッシュバックを行う(プッシュバック工程)。
次に、支持板(A)が空打ち領域上に来るように母板を搬送し、プッシュバック手段において母板から新たに支持板(B)のプッシュバックを行うと同時に、空打ち領域において、直前のプレスでプッシュバックされた支持板(A)の空打ちを行う(空打ち工程)。
次に、支持板(A)を含む領域及び支持板(B)を含む領域が、それぞれ、外形切断手段上及び空打ち領域上に来るように母板を搬送し、プッシュバック手段において母板から新たに支持板(C)のプッシュバックを行い、空打ち領域において直前のプレスでプッシュバックされた支持板(B)の空打ちを行うと同時に、外形切断手段において、2回前のプレスでプッシュバックされた支持板(A)を含む領域から実装用基板を切り出す(外形切断工程)。
さらに、切り出された実装用基板の枠部とプリント回路板の境界線又はその近傍に沿って、凹溝を形成する(凹溝形成工程)。
得られた実装用基板は、自動実装工程に送られ、プリント回路板上に電子部品が自動実装される。自動実装終了後、実装用基板の枠部を破断させ、プリント回路板を分離する。
図11(a)は、1回目のプレスが終了し、所定の送り幅だけプリント配線母板8を下流側に搬送した状態を示す。プリント配線母板8には、1回目のプレスで形成された支持板(A)16x、縦スリット素片(A)202a、206a、及び横スリット素片(A)212a、214a、216a、218aが実線で示されている。
なお、プリント配線母板8には、予めプッシュバック基準穴8a、8a…を形成しておく。また、プリント配線母板8には、部品穴、基準穴、サブ基準穴等を予め形成しておいても良く、あるいは、実装用基板10”を切り出した後に、これらを形成しても良い。
また、これと同時に、打ち抜かれた支持板(B)16yの側方に、プリント配線母板8の搬送方向に沿って平行に縦スリット素片(B)202b、204b、206b、208bが形成され、支持板(B)16yの前方に、横スリット素片(B)212b、214b、216b、218bが形成される。この時、縦スリット素片(A)202a(又は206a)の先端と縦スリット素片(B)204b(又は208b)の後端が連通し、実装用基板の基準辺となる連続した縦スリットとなる。
さらに、新たに形成された縦スリット素片(B)204b、208bの先端と、前のプレスで形成された横スリット素片(A)212a、218aの側端とが連通する。同様に、新たに形成された横スリット素片(B)212b、218bの側端と、前のプレスで形成された縦スリット素片(A)202a、206aの後端とが連通する。
プレス終了後、上下にあるプリント配線母板との連結部を単に破断させ、あるいは、シャーリング等により切断し、実装用基板10”を切り出す。
さらに、切り出された実装用基板10”の枠部とプリント回路板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成すると、図3に示すように、実装用基板10が長辺を介して連結している実装用基板10”が得られる。
得られた実装用基板は、自動実装工程に送られ、プリント回路板上に電子部品が自動実装される。自動実装終了後、実装用基板の枠部を破断させ、プリント回路板を分離する。
まず、支持板のプッシュバックを行うためのプッシュバック手段及び縦スリット素片形成手段を備えた母板加工用金型にプリント配線母板を載せ、プッシュバック手段において、プリント回路板に隣接する領域から支持板(A)のプッシュバックを行うと同時に、縦スリット形成手段において、打ち抜かれた支持板(A)の少なくとも一方の側方に、母板の搬送方向に沿って平行に縦スリット素片(A)を形成する(第1プレス工程)。
次に、母板を一定の送り幅だけ搬送し、プッシュバック手段において、母板から新たに支持板(B)のプッシュバックを行うと同時に、縦スリット形成手段において、打ち抜かれた支持板(B)の少なくとも一方の側方に、母板の搬送方向に沿って平行に、かつ、縦スリット素片(A)と連通するように縦スリット素片(B)を形成し、実装用基板の基準辺となる連続した縦スリットを形成する(第2プレス工程)。
以下、必要個数の支持板のプッシュバックが終了した後、シャーリング等の手段を用いて、縦スリットに対して垂直に母板を切断し、所定個数の支持板を含む実装用基板を切り出す。さらに、切り出された実装用基板の枠部とプリント回路板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する(凹溝形成工程)。
得られた実装用基板は、自動実装工程に送られ、プリント回路板上に電子部品が自動実装される。自動実装終了後、実装用基板の枠部を破断させ、プリント回路板を分離する。
例えば、図8及び図9においては、縦スリット形成手段として、プレス当たりの搬送距離より短い長さを有する縦スリット素片を形成するための第1縦スリット素片形成手段と、既に形成された隣接する第1縦スリット素片間を連通させる第2縦スリット素片を形成するための第2縦スリット素片形成手段を備えた母板加工用金型100が示されているが、縦スリット形成手段は、プレス当たりの母板の搬送距離より長い長さを有する第3縦スリット素片を形成するための第3縦スリット形成手段でも良い。
また、例えば、図8及び図9においては、実装用基板の両側に縦スリット形成手段が設けられているが、実装用基板は直交する少なくとも2つの辺があれば足りるので、縦スリット形成手段は、片側のいずれか一方にのみ設けても良い。
また、本発明に係る母板加工用金型は、プリント回路板が凹溝を介して枠部に仮止めされた実装用基板を製造するための金型として用いることができる。
12a〜12f プリント回路板(製品板)
14 枠部
16 支持板
18a〜18d 凹溝
Claims (14)
- 枠部と、
少なくともその1辺を介して前記枠部に仮止めされている1又は2以上の製品板と、
前記枠部を含む母板であって、前記製品板に隣接する領域から打ち抜かれ、かつ、元の穴にはめ込まれたものであって、その外周の一部分が前記枠部と前記製品板との境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の一部分が前記境界線と交差している1又は2以上の支持板と、
前記枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って形成された1又は2以上の凹溝と
を備えた加工板。 - 前記加工板は、その1辺のみが前記凹溝を介して前記枠部に仮止めされている製品板を含む請求項1に記載の加工板。
- 前記加工板は、交差する2辺が前記凹溝を介して前記枠部に仮止めされている製品板を含む請求項1又は2に記載の加工板。
- 前記枠部の外周に連通し、かつ前記製品板に連通していない1又は2以上のスリットをさらに備えた請求項1から3までのいずれかに記載の加工板。
- 母板の搬送方向に対して上流側に配置され、前記母板であって、製品板に隣接する領域から1又は2以上の支持板を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、
前記母板の搬送方向に対して下流側に配置され、前記製品板及びプッシュバックされた前記支持板を含む加工板を前記母板から切り出すための外形切断手段とを備え、
前記プッシュバック手段は、その外周の一部分が前記製品板を仮止めするための枠部と前記製品板との境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の一部分が前記境界線と交差している前記支持板のプッシュバックを行うためのものである
母板加工用金型。 - 前記プッシュバック手段と前記外形切断手段の間に、前記加工板1個分に相当する空打ち領域をさらに備えた請求項5に記載の母板加工用金型。
- 母板であって、製品板に隣接する領域から1又は2以上の支持板を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板を元の穴にはめ込むためのプッシュバック手段と、
打ち抜かれた前記支持板の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行な縦スリット素片を順次形成することによって、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成するための縦スリット形成手段とを備え、
前記プッシュバック手段は、その外周の一部分が前記製品板を仮止めするための枠部と前記製品板との境界線上若しくはその近傍にあり、又はその外周の一部分が前記境界線と交差している前記支持板のプッシュバックを行うためのものである
母板加工用金型。 - 打ち抜かれた前記支持板の前方又は後方に、前記縦スリットに対して垂直であり、一直線上に並んだ2以上の横スリット素片からなり、かつ、前記横スリット素片の少なくとも1つが前記縦スリットに連通する横スリットを形成するための横スリット形成手段をさらに備えた請求項7に記載の母板加工用金型。
- 以下の工程を備えた加工板の製造方法。
(イ) 請求項5に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
(ロ) 前記支持板(A)を含む領域が前記外形切断手段上に来るように前記母板を搬送し、前記プッシュバック手段において前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記外形切断手段において、前記支持板(A)を含む加工板を前記母板から切り出す外形切断工程。
(ハ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。 - 以下の工程を備えた加工板の製造方法。
(イ) 請求項6に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むプッシュバック工程。
(ロ) 前記支持板(A)を含む領域が前記空打ち領域に来るように前記母板を搬送し、前記プッシュバック手段において前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記空打ち領域において、直前のプレスでプッシュバックされた前記支持板(A)の空打ちを行う空打ち工程。
(ハ) 前記支持板(A)を含む領域及び前記支持板(B)を含む領域が、それぞれ、外形切断手段上及び前記空打ち領域上に来るように前記母板を搬送し、前記プッシュバック手段において前記母板から新たに支持板(C)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(C)を元の穴にはめ込み、かつ、前記空打ち領域において、直前のプレスでプッシュバックされた前記支持板(B)の空打ちを行うと同時に、
前記外形切断手段において、前記支持板(A)を含む加工板を前記母板から切り出す外形切断工程。
(ニ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。 - 以下の工程を備えた加工板の製造方法。
(イ) 請求項7に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(A)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行に縦スリット素片(A)を形成する第1プレス工程。
(ロ) 前記母板を一定の送り幅だけ搬送し、前記プッシュバック手段において、前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(B)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行に、かつ、前記縦スリット素片(A)と連通するように縦スリット素片(B)を形成し、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成する第2プレス工程。
(ハ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。 - 以下の工程を備えた加工板の製造方法。
(イ) 請求項8に記載の母板加工用金型を用いて、前記プッシュバック手段において、母板であって、製品板に隣接する領域から支持板(A)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(A)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(A)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に対して平行に縦スリット素片(A)を形成し、
前記横スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(A)の前方又は後方に、前記母板の搬送方向に対して平行に前記縦スリット素片を順次形成することにより得られる連続した縦スリットに対して垂直であり、一直線上に並んだ2以上の横スリット素片(A)からなり、かつ、前記横スリット素片(A)の少なくとも1つが前記縦スリットに連通する横スリット(A)を形成する第1プレス工程。
(ロ) 前記母板を一定の送り幅だけ搬送し、前記プッシュバック手段において、前記母板から新たに支持板(B)を打ち抜き、打ち抜かれた前記支持板(B)を元の穴にはめ込むと同時に、
前記縦スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(B)の少なくとも一方の側方に、前記母板の搬送方向に沿って平行に、かつ、前記縦スリット素片(A)と連通するように縦スリット素片(B)を形成し、加工板の基準辺となる連続した縦スリットを形成し、
前記横スリット形成手段において、打ち抜かれた前記支持板(B)の前方又は後方に、前記縦スリットに対して垂直であり、一直線上に並んだ2以上の横スリット素片(B)からなり、かつ、前記横スリット素片(B)の少なくとも1つが前記縦スリットに連通する横スリット(B)を形成する第2プレス工程。
(ハ) 切り出された前記加工板の枠部と前記製品板の境界線又はその近傍に沿って凹溝を形成する凹溝形成工程。 - 請求項1から4までのいずれかに記載の加工板に備えられる前記凹溝に沿って前記枠部を破断させ、前記枠部から前記製品板を分離させる製品板の製造方法。
- 請求項9から12までのいずれかに記載の方法により得られる加工板に備えられる前記凹溝に沿って前記枠部を破断させ、前記枠部から前記製品板を分離させる製品板の製造方法。
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