JP5037386B2 - 音響装置およびエンクロージャ - Google Patents

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本発明は、音響装置およびエンクロージャに関する。
通常、音響装置は、スピーカユニットの振動によって音を放射する。スピーカユニットの振動によってスピーカユニットの前面側(ユーザ側)から放射される音と背面側から放射される音とは、正反対の位相を有する。よって、スピーカユニットの背面側から前面側に音が回りこむと、前面側から放射される音の一部が打ち消されてしまう。このため、例えば、スピーカユニットをスピーカボックス(エンクロージャ)に保持させることによって、スピーカユニットの背面側から放射される音が前面側に回りこむことを防止する。
しかし、スピーカユニットをエンクロージャに保持させた場合、スピーカユニットの振動がエンクロージャに伝わって、エンクロージャが振動する。エンクロージャが振動すると、エンクロージャの振動部分が音の発信源になってしまう。スピーカユニット以外に音の発信源ができると、音像のぼやけ、およびこもりなどの音質の劣化を生じる。よって、音響装置の音質を向上させるためには、エンクロージャの振動を抑制する必要がある。
エンクロージャの振動を抑制する技術として、特許文献1には、複数のドライバユニット(スピーカユニット)のそれぞれを同位相において駆動するとともに、複数のスピーカユニットのそれぞれがキャビネット(エンクロージャ)の互いに対向する面に取り付けられた低音再生スピーカが開示されている。上記構成によって、スピーカユニットの振動系がエンクロージャに与える振動反作用力が互いに打ち消し合うため、エンクロージャの振動が大幅に低減される。
また、特許文献2には、一対のスピーカユニットを、振動板を電気的に駆動する駆動部同士を対向させ、駆動の軸線が同一直線上に位置する配置状態を保つように、駆動部同士を機械的に結合する結合材を含むスピーカ装置が開示されている。上記構成において、結合材によって駆動部同士を結合しているので、スピーカの支持系などに生じる振動が、互いに打ち消し合う。
特開平8−79876号公報(平成8年3月22日公開) 特開2004−15565号公報(平成16年1月15日公開)
しかし、特許文献1および2に記載の技術によって、通常の大きさを有するエンクロージャの振動が抑制または大幅に低減されるものの、特許文献1および2には、小型化および薄型化した音響装置において、音質を維持しつつ、エンクロージャの振動を抑制する技術については、言及されていない。
近年、液晶表示装置などの表示装置に内蔵または付属させる音響装置には、薄型化および小型化の要求が高まっている。これは、本体である表示装置の市場の拡大に伴って、特に、表示装置の大画面化と薄型化とが非常な速度によって進んでいるためである。
薄型の表示装置への音響装置を取り付ける形態としては、以下の2つ:
表示パネルの左右に、スピーカユニットを保持しているエンクロージャを備えるスピーカパネル(LおよびR)を、1つづつ取り付けるサイドスピーカタイプ;および
表示パネルの下側に1つのスピーカパネル、または筐体を表示装置と共有するスピーカパネルを取り付けるアンダースピーカタイプ
が挙げられる。なお、アンダースピーカタイプは、スピーカパネルの内部の左および右に、あるいは左、右および中央に1つづつスピーカユニットを内蔵している。
上述のように、表示装置の薄型化によって、表示装置の筐体の厚さが小さくなっている(狭ベゼル化)。このため、サイドスピーカタイプ、およびアンダースピーカタイプのいずれの場合であってもスピーカパネルの本体(音響装置)が有する厚さを小さく(狭く)せざるを得ない。一方において、表示装置の大画面化は、表示される映像の迫力、および臨場感を高める。さらに、デジタル放送のサービス拡大または表示装置の高画質化によって、表示装置の映像処理能力が向上し、鮮明かつ美しい映像が提供されている。大迫力および高い臨場感を有し、かつ鮮明かつ美しい映像に合わせて、音響装置にも同様に、より迫力があり、かつ臨場感を高める音質が求められる。つまり、音響装置に対して、薄型化および小型化と同時に音質を向上する、という実現が困難な要求が高まっている。
音響装置に対する音質の向上を満たす方法としては、音響装置を表示装置の付属装置として、音響装置と表示装置とを分離する方法が挙げられる。この方法において、例えば、薄型の表示装置専用のラック台(AVラック)に外部スピーカとAVアンプとを備える形態が考えられる。しかし、この場合、表示装置と音響装置(アンプおよびスピーカなど)との接続、ならびに表示装置と音響装置とからなるシステムの電源の立ち上げなどの操作が複雑になる。よって、ユーザによる操作、およびシステムのセットアップが煩雑になる。以上のことから、音響装置は、表示装置に内蔵、または表示装置と一体にすることが好ましく、音響装置の薄型化および小型化と同時に音質(音声処理能力)の向上を実現する必要がある。
音響装置を表示装置に内蔵、または表示装置と一体にする(単体のスピーカユニット、またはスピーカユニットを保持しているエンクロージャを表示装置の筐体の内部に取り付ける)場合、通常、以下の2通りの構成:
(1)比較的に幅狭かつ小型の略長方形状のスピーカユニット、またはエンクロージャを、表示装置の筐体に直接に固定する構成;および
(2)小口径の円型、または長方形型のスピーカユニットを保持している薄型のスピーカボックスを、表示装置の筐体に直接に固定する構成
が挙げられる。
(1)および(2)の構成において、表示装置の薄型化によって、スピーカユニットの背面側の空間を、大きく確保することができない。これは、表示装置の筐体が薄いことに加えて、表示装置の動作に必要な構成がスピーカユニットの配置位置または形状に干渉するためでもある。しかし、スピーカユニットの背面側に確保できる空間があまりに小さいと、特に、低音の音質が劣化する。
さらに、低音を再生すると、スピーカユニットの振動がエンクロージャまたは表示装置の筐体に伝わり易い。上述のように、スピーカユニット以外にも振動が生じると、音質の劣化に繋がる。薄型の表示装置、およびCRTを用いた表示装置に限らず、音響装置と一体化した装置において、装置本体のびびり音および筐体の振動は、音質の向上を実現するために解決すべき共通の問題点である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する音響装置およびエンクロージャを提供することである。
本発明の音響装置は、上記課題を解決するために、
1対のスピーカユニットと、1対の上記スピーカユニットを保持する筐体と、を備える音響装置であって、
1対の上記スピーカユニットは、それぞれの中心軸が互いに略一致し、かつ、1対のスピーカユニットにおける一対の振動板の前面側は、一対の上記振動板のそれぞれが互いに逆方向に振動すべく、互いに逆方向に向いており、
上記筐体には突出部が設けられており、当該突起部の内部空間は上記筐体の内部空間に接続されていることを特徴とする。
複数のスピーカユニットを備える従来の音響装置において、通常、複数のスピーカユニットをおおよそ点対照、線対称、または面対照に配置することによって、所定の空間において所望の音響特性を実現する。このため、上記構成において、筐体は、複数のスピーカユニットを所望の配置に保持する形状を有している必要がある。筐体の形状としては、例えば、点対照、線対称、または面対照な複数の平面または曲面を有する立体であり、より詳細には、正多面体、多面体、直方体、一部に曲面または球面を有する立体、球状、あるいはこれらの組み合わせなどである。このため、例えば、音響装置を他の装置と組み合わせる場合、または音響装置の配置位置に制限がある場合、適切な形状を維持し、かつ小型化および薄型化する必要などから、筐体は、所望の容積を確保できる大きさに形成することができないことがある。
一方、上記構成において、突出部とは、スピーカユニットを保持するために必須の部分ではなく、筐体内部の空間を広げるための部分である。つまり、突出部は、筐体のスピーカユニットを保持する部分のように、他の構成または周囲の環境から形状に制限を受けない。よって、突出部の形状および大きさを、必要に応じて変更することができるので、突出部の容積を、必要に応じて増減させることができる。例えば、音響装置を他の装置と組み合わせる場合、他の装置の形状および他の装置の構成に合わせて、突出部の形状および大きさを変更すればよい。また、例えば、音響装置を限られた空間に配置する場合、空いた空間を利用して、突出部の形状および大きさを変更すればよい。また、例えば、突出部の大きさおよび形状を変更して、スピーカユニットから所望の音響特性を有する音を放射することができる。
以上のことから、上記構成によって、筐体のスピーカユニットを保持する部分だけでは確保できない筐体の容積を、突出部の容積によって補うことができる。小型および薄型の音響装置を実現する場合、筐体の容積を十分に確保することによって、特に、スピーカユニットから放射される低音の音質を向上させることができる。
また、上記構成において、1対のスピーカユニットは、それぞれの中心軸が略一致し、かつ1対のスピーカユニットにおける一対の振動板の前面側は、一対の上記振動板のそれぞれが互いに逆方向に振動すべく、互いに逆方向に向けて配置されている。これによって、筐体に配置された1対のスピーカユニットは、互いに正反対の方向に離れていくように、音を放射することができる。つまり、例えば、一方のスピーカユニットが右方向に振れたとき、他方のスピーカユニットは左方向に振れる。よって、1対のスピーカユニットの振動によって発生して、筐体に伝わる振動は、互いに減衰される。ここで、1対のスピーカユニットとして、同じ動作をするスピーカユニットを用いれば、1対のスピーカユニットの振動によって発生した、筐体に伝わる振動は、互いに打ち消される。以上のことから、上記構成によって、スピーカユニットからの音の放射によって発生する筐体の振動が、大幅に抑制、または防止される。つまり、筐体の振動による、音響装置の音質の劣化、および他の装置と組み合わせたときの他の装置への悪影響が、大幅に抑制、または防止される。
さらに、上述のように、筐体に配置された1対のスピーカユニットは、互いに正反対の方向に音を放射する。よって、音響装置は、例えば、ユーザから見て前後に音を放射するので、音響装置を配置した空間の壁面に反射して、音響特性が向上する。結果として、ユーザに音源点とスピーカユニットの位置とがより一致していると感じさせ、かつユーザに音場の広がりを感じさせる。
また、上述のように、小型化および薄型化を実現し、かつ他の装置と組み合わせたときに振動を生じない音響装置が実現されるので、デザイン性などを重視して、配置位置を自由に選択することができる。
以上をまとめると、上記構成によって、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する音響装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の音響装置において、
上記突出部が、上記直線と略垂直な方向に突出していることが好ましい。
上記構成としては、筐体全体の形状が、例えば、T字型を有している場合などである。よって、1対のスピーカユニットの間に大きな間隔を設けることができない場合であっても、1対のスピーカユニットの配列方向から見て、垂直な方向に筐体内部の空間が大きく確保される。
また、本発明の音響装置において、
上記突出部の形状が、柱状であることが好ましい。
上記構成において、筐体は柱状を有している。柱状とは、例えば、円柱または多角柱などの細長い筒状の形状を意味している。このため、奥行きが狭く、かつ細長い空間に突出部を形成することができる。つまり、わずかな空間を利用して、筐体内部の空間が大きく確保される。
また、本発明の音響装置において、
上記筐体は、略同一直線上に振動方向を有する1対のパッシブラジエータをさらに備えていることが好ましい。
パッシブラジエータをさらに備えているため、低音域の音がより増強される。また、互いに対向する1対のパッシブラジエータは、逆向きに振動するので、パッシブラジエータの振動が減衰、または打ち消されて、筐体の振動を抑制または防止する。
また、本発明の音響装置において、
1対の上記スピーカユニットの間の距離と、1対の上記パッシブラジエータの間の距離とが、略同一であることが好ましい。
上記構成によれば、音響装置を他の装置の内部に組み込むことことが容易になる。
また、本発明の音響装置において、
1対の上記パッシブラジエータの振動方向と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、略同一であることが好ましい。
上記構成によれば、音響装置を他の装置の内部に組み込むことが容易になる。
また、本発明の音響装置において、
上記突出部が開口部を有することが好ましい。
上記構成において、筐体の内部と外部とは、突出部の開口部を介して繋がっている。このため、1対のスピーカユニットにおける筐体の内部側からの音は、突出部の開口および突出部と被覆部との隙間を介して、外部に放射される。このとき、開口部は、バスレフポートとして機能する。すなわち、上記構成によって、さらに低音域の音が増強される。
また、本発明の音響装置において、
上記開口部と対向する被覆部をさらに備えていることが好ましい。
上記構成において、開口部は、間隔を空けて被覆部に覆われている。よって、開口部から放射された音は、被覆部を回り込んで外部に達する。被覆部の形状を適宜変えることによって、開口部から放射される音が所望の位置にまで誘導される。
また、本発明の音響装置において、
上記突出部が開口部を有し、
上記被覆部が、上記被覆部と上記突出部との間に間隔を空けて上記突出部を覆っていることが好ましい。
上記構成において、開口部を含む突出部と被覆部との間には、間隔が空けられている。つまり、筐体の内部と外部とは、突出部の開口部および突出部と被覆部との隙間を介して、繋がっている。このため、開口部から放射される音を、スピーカユニットが保持されている筐体の近くにまで誘導することができる。
また、本発明の音響装置において、
上記スピーカユニットとは異なる他のスピーカユニットが、上記筐体から離間して上記突出部の内部に、さらに設けられていることが好ましい。
1対のスピーカユニットが振動によって筐体の外側に移動するとき、通常、密閉された筐体内の空間における圧力が下がる。このため、1対のスピーカユニットには内部に引き戻される力が働いて1対のスピーカユニットの振幅が小さくなる。スピーカユニットの振幅の低下は、スピーカユニットからの音圧の低下に繋がる。ここで、上記構成において、突出部の内部にあるスピーカユニットは、1対のスピーカユニットと同期して振動する。このため、突出部の内部にあるスピーカユニットの振動によって、1対のスピーカユニットの振動による筐体内における圧力の変化量を減少させる。よって、1対のスピーカユニットの振動を補助して、音圧の低下を抑制する。
本発明の音響装置は、上記課題を解決するために、
1対のスピーカユニットと、1対の上記スピーカユニットを保持する筐体と、を備える音響装置であって、
1対の上記スピーカユニットは、それぞれの中心軸が互いに略一致し、かつ、1対のスピーカユニットにおける一対の振動板の前面側は、一対の上記振動板のそれぞれが互いに逆方向に振動すべく、互いに逆方向に向いており、
上記筐体の形状が柱状である
ことを特徴とする。
上記構成において、筐体は柱状を有している。柱状とは、例えば、円柱または多角柱などの細長い筒状の形状を意味している。このため、奥行きが狭く、かつ細長い空間に容積の大きい筐体を配置することができる。例えば、音響装置を、大画面を有する薄型の表示装置に適用する場合、特に、スピーカユニットから音質の高い低音を放射することができる。また、筐体の長軸方向の長さを変えることによって、スピーカユニットから放射する音の音響特性に合わせて、筐体の容積を所望の大きさに変えることができる。
また、筐体が柱状を有しているため、筐体のほとんどの位置において、複数のスピーカユニットをおおよそ点対称、線対称、または面対称に配置することができる。よって、複数のスピーカユニットによって、所定の空間において所望の音響が実現される。
また、上記構成において、1対のスピーカユニットにおける振動板の前面側は、略一致する上記スピーカユニットの中心軸上において逆向きに振動すべく、配置されている。よって、上述のように、筐体の振動による、音響装置の音質の劣化、および他の装置と組み合わせたときの他の装置への悪影響が大幅に抑制、または防止される。さらに、ユーザに音源点とスピーカユニットの位置とがより一致していると感じさせ、かつユーザに音場の広がりを感じさせる。
また、上述のように、小型化および薄型化を実現し、かつ他の装置と組み合わせたときに振動を生じない音響装置を実現することができるので、デザイン性などを重視して、配置位置を自由に選択することができる。
以上をまとめると、上記構成によって、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する音響装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の音響装置において、
1対の上記パッシブラジエータの振動方向と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、直角をなすことが好ましい。
1対のパッシブラジエータと1対のスピーカユニットとを同一の方向に振動させるべく、配置することが困難であっても、パッシブラジエータの配置を可能にする。例えば、上記構成によって、ユーザから見て、1対のスピーカユニットが前後に音を放射し、かつ1対のパッシブラジエータが上下に音を放射することができる。また、例えば、上記構成によって、ユーザから見て、1対のスピーカユニットが左右に音を放射し、かつ1対のパッシブラジエータが上下に音を放射することができる。
また、本発明の音響装置において、
1対の上記スピーカユニットにおける振動方向が変化することが好ましい。
上記構成によって、1対のスピーカユニットによる音の放射方向を変えることができる。
また、本発明の音響装置において、
上記突出部は、上記筐体との接続部を中心にして可動することが好ましい。
上記構成によって、ユーザが、必要に応じて、1対のスピーカユニットによる音の放射方向を変えることができる。
本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、上述したいずれかの音響装置と表示部とを備えている。
上述の音響装置は、いずれも小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する。よって、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する表示装置を提供することができる。
また、本発明の表示装置において、
表示部をさらに備え、
上記表示部の表示面と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、略平行であることが好ましい。
上記構成によって、1対の上記スピーカユニットは、ユーザから見て上下または左右に音を放射することができる。
また、本発明の表示装置において、
表示部をさらに備え、
上記表示部の表示面と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、略垂直をなすことが好ましい。
上記構成によって、1対の上記スピーカユニットは、ユーザから見て前後に音を放射することができる。
また、本発明の表示装置において、
表示部をさらに備え、
上記表示部の表示面と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、鋭角をなすことが好ましい。
例えば、2つの音響装置を表示装置の表示部の左右に配置した場合、ユーザは、2つの音響装置からの音が分離したように感じることなく、より自然な音として感じることができる。また、例えば、2つの音響装置を表示装置の表示部の左右に配置した場合、ユーザの鑑賞位置に関わらず、ユーザにとって2つの音響装置からの音の圧力の差が小さくなる。
本発明のエンクロージャは、上記課題を解決するために、
1対のスピーカユニットを保持するエンクロージャであって、
1対の上記スピーカユニットは、それぞれの中心軸が互いに略一致し、かつ、1対のスピーカユニットにおける振動板の前面側は、一対の上記振動板のそれぞれが互いに逆方向に振動すべく、互いに逆方向に向いており、
上記エンクロージャには突出部が設けられており、当該突起部の内部空間は上記エンクロージャの内部空間に接続されていることを特徴とする。
上記構成によって、エンクロージャのスピーカユニットを保持する部分だけでは確保できないエンクロージャの容積を、突出部を用いて補うことができる。特に、小型の音響装置を実現する場合、エンクロージャの容積を十分に確保することによって、スピーカユニットから放射される低音の音質を向上させることができる。
また、筐体の振動による、音響装置の音質の劣化、および他の装置と組み合わせたときの他の装置への悪影響が大幅に抑制、または防止される。さらに、ユーザに音源点とスピーカユニットの位置とがより一致していると感じさせ、かつユーザに音場の広がりを感じさせる。
よって、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現するエンクロージャを提供することができるという効果を奏する。
以上のように、本発明の音響装置において、筐体の内部の空間と連続する中空を有する突出部が接続されている。よって、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する音響装置を提供することができる。
本発明に係る実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。以下の説明において同一の部材および構成要素のそれぞれには、同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照して以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる音響装置10の構成を示す斜視図である。図2は、図1の変形例である音響装置20の構成を示す斜視図である。図3(a)は、図1の他の変形例である音響装置30の構成を示す斜視図であり、図3(b)は、(a)の音響装置30における音の放射部分を示す斜視図である。図4は、図1のさらに他の変形例である音響装置40の構成を示す斜視図である。図5(a)は、液晶表示装置9における図1の音響装置10の配置例を示す平面図であり、図5(b)は、(a)の液晶表示装置9の断面図である。
なお、本実施形態において、スピーカユニットの前面側とは、スピーカユニットのエンクロージャの外部を向いている側を意味し、かつスピーカユニットの背面側とは、スピーカユニットのエンクロージャの内部を向いている側を意味する。また、液晶表示装置の前面側とは、映像を表示する表示部がある側を意味し、かつ液晶表示装置の背面側とは、前面側の反対側を意味する。
(音響装置10)
図1に示すように、大画面を有し、かつ薄型のTVである液晶表示装置(表示装置)9は、表示部の下部の両端に1対の音響装置10を備えている。音響装置10は、略同一直線(スピーカユニットの中心軸)上において逆向きに振動する1対のスピーカユニット3、およびT字型のエンクロージャ(筐体)1を備えている。エンクロージャ1は、1対のスピーカユニット3を保持する円筒形のスピーカユニット保持部1a、および上記直線と略垂直な方向に突出する円筒形の突出部1bから構成され、スピーカユニット保持部1aと突出部1bとの内部が繋がっている。突出部1bは、スピーカユニット保持部1aの両端よりも内側において、スピーカユニット保持部1aから突出している。すなわち、突出部1bは、1対のスピーカユニット3のいずれに対しても背面側に位置している。また、スピーカユニット保持部1aおよび突出部1bの口径は、1対のスピーカユニット3の口径とほぼ同じである。
ここで、スピーカユニット保持部1bの容積は、液晶表示装置9の厚さによって制限を受ける。さらに、スピーカユニット3およびスピーカユニット保持部1bが有する口径は、液晶表示装置9の下部における(特に、高さ方向に対する)スペースによって制限を受ける。しかし、上述のように、エンクロージャ1は、突出部1bを有しているため、さまざまな制限を受けるスピーカユニット保持部1bの容積を補うことができる。これによって、限られたスペースに配置された小型および薄型の音響装置10は、エンクロージャ1の内部に十分な容積が確保されているので、音質に優れた低音域の音を出すことができる。なお、突出部1bの長さ(紙面における左右の長さ)は、必要に応じて、スピーカユニット保持部1bの長さ(紙面における上下の長さ)よりも長く、または短く変更してもよい。突出部1bの長さを変更することによって、1対のスピーカユニット3から放射される音に求められる音響特性に合わせて、エンクロージャ1の容積を変更することができる。
さらに、上述のように、略同一の口径を有する1対のスピーカユニット3は、略同一直線上において逆向きに振動する。よって、1対のスピーカユニット3が振動して音を放射しても、1対のスピーカユニット3の振動は、互いに減衰し合うまたは打ち消し合う。つまり、1対のスピーカユニット3からの音の放射による、エンクロージャ1の振動が抑制または防止される。このため、音響装置と他の装置とを組み合わせたときに生じる、他の装置に振動が伝わるという問題が、大幅に軽減される、または解消される。よって、音響装置における、他の装置と組み合わせたときの音質の劣化を抑制する。また、液晶表示装置9の内のどこに音響装置10を配置するのかを、自由に選択することができる。また、上述のように、音響装置10が小型および薄型であるため、液晶表示装置9の表示部に対して、それ以外の部分(ここでは、表示部の下部)を過剰に大きくする必要がない。よって、液晶表示装置9は、デザイン性を重視した設計が可能である。
上述のように、1対のスピーカユニット3は、逆向きに振動して音を放射する。よって、音響装置10は、ユーザから見て前後に音を放射するので、液晶表示装置9を配置した空間の壁面に反射して、音響特性が向上する。結果として、ユーザに音源点とスピーカユニットの位置とがより一致していると感じさせ、かつユーザに音場の広がりを感じさせる。
上述のように、突出部1bは、1対のスピーカユニット3のいずれに対しても背面側に位置している。つまり、突出部1bは、1対のスピーカユニットの幅よりも短い直径を有する円筒なので、液晶表示装置9の内部における突出部1bの周囲の空間には、多少の余裕がある。よって、突出部1bの周囲には液晶表示装置9の動作に必要な構成が備えられていてもよい。突出部1bが、1対のスピーカユニット3の背面側に位置していれば、薄型のTVのように狭い空間しか確保できない場合であっても、音響装置10の取り付けが容易である。
また、上述のように、スピーカユニット保持部1aおよび突出部1bの口径は、1対のスピーカユニット3の口径とほぼ同じである。このような形状の音響装置10は、コンパクトであり、かつバッフル面をほとんど有していないため、音場的に点音源に近くなる。よって、音響装置10から放射される音は、より自然な音としてユーザに知覚される。
以上のように、上記構成によって、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する音響装置10を提供することができる。音響装置10は、特に、大画面および薄型の液晶表示装置9への適用に好適である。
ここで、スピーカユニット保持部1aと突出部1bとは、角度が変わるように接合されていることが好ましい。例えば、スピーカユニット保持部1aと突出部1bとを蛇腹状の弾性体によって接合すればよい。これによって、スピーカユニット保持部1bを突出部1bに対して回動させることができる。つまり、1対のスピーカユニット3からの音の放射方向を自由に変更することができる。
ここでは、エンクロージャ1を構成するスピーカユニット保持部1aおよび突出部1bが有する形状は、円筒形である。円筒形などのように内部が流線形状を有していることは、スピーカユニット3の振動によって生じるエンクロージャ1内部における風切り音を、小さくするために有効である。しかし、スピーカユニット保持部1aおよび突出部1bは、円筒形に限らず、三角柱、四角柱、五角柱および六角柱などの多角柱、ならびに断面が長円形を有する筒状のような柱状を有していればよい。
(音響装置20)
音響装置20は、音響装置10と多くの点において共通しているので、音響装置20と音響装置10との差異およびその作用について、図2を用いて以下に説明する。
図2に示すように、液晶表示装置29の下部の両端に配置された音響装置20は、1対のスピーカユニット3を保持するスピーカユニット保持部1a、1対のパッシブラジエータ5を保持するパッシブラジエータ保持部1c、およびスピーカユニット保持部1bとパッシブラジエータ保持部1cとを繋ぐ突出部1b’からなるエンクロージャ21を備えている。つまり、音響装置20は、1対のパッシブラジエータ5とパッシブラジエータ保持部1cとを備えているため、H字型を有している点において、音響装置10と異なっている。
1対のパッシブラジエータ5は、逆向きに対向配置されている。よって、1対のスピーカユニット3の振動に伴って振動する1対のパッシブラジエータ5は、互いに同一直線上において逆向きに振動する。つまり、1対のパッシブラジエータ5による振動は、エンクロージャ21および液晶表示装置29にほとんど伝わらない。このため、音質の劣化が、大幅に抑制、または防止される。
ここで、エンクロージャ21の容積は、突出部1b’だけでなく、パッシブラジエータ保持部1cによっても補われている。さらに、エンクロージャ21は、1対のパッシブラジエータ5を備えている。これらのことから、1対のスピーカユニット3から放射される低音域の音がさらに増強される。
また、1対の上記スピーカユニット3の間にある距離と、1対の上記パッシブラジエータの間にある距離とが同一である。つまり、スピーカユニット保持部1bとパッシブラジエータ保持部1cとが有する長さ(紙面の上下の長さ)が同じである。よって、音響装置20は、他の装置(ここでは、液晶表示装置29)に組み込むことが容易になる。
また、1対の上記パッシブラジエータの振動方向と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、平行である。つまり、スピーカユニット保持部1bとパッシブラジエータ保持部1cとは、長さ方向が平行になるように並んでいる。よって、音響装置20は、他の装置(ここでは、液晶表示装置29)に組み込むことが容易になる。
ここで、スピーカユニット保持部1aと突出部1b’とパッシブラジエータ保持部1cとは、角度が変わるように接合されていることが好ましい。例えば、スピーカユニット保持部1aと突出部1b’とを、および突出部1b’とパッシブラジエータ保持部1cとを、蛇腹状の弾性体によって接合すればよい。また、例えば、突出部1b’の全体を蛇腹状の弾性体によって形成すればよい。これによって、スピーカユニット保持部1bをパッシブラジエータ保持部1cに対して回動させることができる。つまり、1対のスピーカユニット3からの音の放射方向を自由に変更することができる。
また、音響装置20において、1対のスピーカユニット3が表示部の端部付近に配置され、かつ1対のパッシブラジエータ5は、1対のスピーカユニット3よりも表示部の中央側に配置されている。つまり、人間にとって方向を感じ取り易い中高域を含むすべての音域の音が、液晶表示装置29の内、最も左右に離れた位置にある音源から放出される。よって、ユーザが明瞭に広がる音像を感じるため、ステレオ効果が向上する。
一方、音響装置20において、1対のスピーカユニット3が表示部の端部付近に配置され、かつ1対のスピーカユニット3は、1対のパッシブラジエータ5よりも表示部の中央側に配置されていてもよい。1対のパッシブラジエータ5から放射される低域の音は、人間にとって中高域の音よりも音の広がりを感じ取り難い。しかし、液晶表示装置29のように大型のTVであれば、両端の距離が十分に大きいため、低域の音を広がりのある音としてユーザが知覚することができる。この構成によって、広がりのある低音を実現して、ユーザに音に包まれたような心地よさを提供することができる。
(音響装置30)
音響装置30は、音響装置10と多くの点において共通しているので、音響装置30と音響装置10との差異およびその作用について、図3を用いて以下に説明する。
図3(a)に示すように、液晶表示装置39の下部の両端に配置された音響装置30は、1対のスピーカユニット3を保持するスピーカユニット保持部1a、スピーカユニット保持部1aとの接合部とは反対側に開口部33を有する突出部1b’’、および突出部1b’’を、隙間を空けて取り囲む被覆部1dからなるエンクロージャ31を備えている。つまり、音響装置30は、突出部1b’’が開口部33を有し、かつ被覆部1dによって取り囲まれている点において、音響装置10と異なっている。
上記構成において、1対のスピーカユニット3の振動によって生じる音の内、背面側に放射される音は、突出部1b’’の開口部33、および突出部1b’’と被覆部1dとの隙間を通って、外部に放射される。つまり、エンクロージャ31は、バスレフポートを備えるエンクロージャである。よって、音響装置30から放射される低音域の音が、さらに増強される。
また、被覆部1dは、突出部1b’’をスピーカユニット保持部1aの近くまで取り囲んでいる。このため、図3(b)に示すように、バスレフポートを通過した低音域の音が、1対のスピーカユニット3の非常に近くから、放射される。
(音響装置40)
音響装置40は、音響装置10と多くの点において共通しているので、音響装置40と音響装置10との差異およびその作用について、図4を用いて以下に説明する。
図4に示すように、液晶表示装置49の下部の両端に配置された音響装置40は、1対のスピーカユニット3を保持するスピーカユニット保持部1a、内部にスピーカユニット41を有する突出部1b’’および突出部1bを備えている。つまり、音響装置40は、突出部1bの内部にさらにスピーカユニット41が形成されている点において、音響装置10と異なっている。
スピーカユニット41は、1対のスピーカユニット3と同期して、振動する。例えば、スピーカユニット41は、1対のスピーカユニット3がエンクロージャ1内部の圧力が下がる方向(前面側)に振れると、エンクロージャ1内部の圧力を上げる方向(スピーカユニット保持部1a側)に振れる。一方、スピーカユニット41は、1対のスピーカユニット3がエンクロージャ1内部の圧力が上がる方向(背面側)に振れると、エンクロージャ1内部の圧力を下げる方向(スピーカユニット保持部1aとは反対側)に振れる。つまり、1対のスピーカユニット3の振動によって変化する、エンクロージャ1内部の圧力の変化量が小さくなるように、スピーカユニット41は振動する。よって、スピーカユニット41は、1対のスピーカユニット3の振幅を小さくする要因を軽減する。このため、1対のスピーカユニット3から放射される音の音圧が向上する。
(液晶表示装置9)
音響装置10と液晶表示装置9との組み合わせの例について、図5を用いて以下に説明する。
図5(a)に示すように、2つの音響装置10は、液晶表示装置9の下部の両端に取り付けられている。つまり、液晶表示装置は9、アンダースピーカタイプの表示装置である。2つの音響装置10のそれぞれは、スピーカユニット保持部1aが液晶表示装置9の端部付近に位置するように配置されている。つまり、2つの音響装置10は、大画面および薄型の液晶表示装置9の目立たない位置に配置されている。上述のように、音響装置10は、音の放射によって液晶表示装置9に振動を伝えることがないので、液晶表示装置9の内、筐体の四隅のような目立たない位置にスピーカユニット3を配置することができる。よって、液晶表示装置9のデザイン性を引き出す、音響装置10の配置を可能にする。
図5(b)に示すように、1対のスピーカユニット3の内、液晶表示装置9の前面側にあるスピーカユニット3は、表示部と平行ではなく、液晶表示装置9の中央側を向いている。ここで、液晶表示装置9が大画面であるため、左右の音響装置10からの音が、それぞれ真正面に放射された場合、ユーザが鑑賞する位置によっては、左右の音響装置10からの音が分離したようにユーザに聞こえることがある。しかし、上記構成によって、ユーザは、左右の音響装置10からの音をより自然な音として聴くことができる。また、1対のスピーカユニット3の内、液晶表示装置9の背面側にあるスピーカユニット3は、液晶表示装置9の外側を向いている。このため、スピーカユニット3が真後ろを向いているときのように、背面側の壁面と液晶表示装置9との間に音がこもることなく、背面側にある壁面などに反射して、前面側に音が回りこむ。よって、ユーザは、背面側からの音をより自然な音として聴くことができる。
なお、ここでは、音響装置10を備える液晶表示装置9について説明したが、音響装置20を備える液晶表示装置29、音響装置30を備える液晶表示装置39、および音響装置40を備える液晶表示装置49も同様の作用を有している。また、ここでは、アンダースピーカタイプの液晶表示装置9について説明したが、液晶表示装置9は、表示部の上部の両端に音響装置10が取り付けられたアップスピーカタイプの表示装置であってもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図6〜図9を参照して以下に説明する。図6は、本発明の他の実施形態にかかる音響装置60の構成を示す斜視図である。図7は、図6の変形例である音響装置70の構成を示す斜視図である。図8(a)は、図6の他の変形例である音響装置80の構成を示す斜視図であり、図8(b)は、(a)の配置方向を変えた時の構成を示す斜視図である。図9(a)は、液晶表示装置79における図7の音響装置70の配置例を示す平面図であり、図9(b)は、(a)の断面図である。
(音響装置60)
図6に示すように、大画面を有し、かつ薄型のTVである液晶表示装置(表示装置)69は、表示部の側部の両方に1つづつ音響装置60を備えている。音響装置60は、略同一直線(スピーカユニットの中心軸)上において逆向きに振動する1対のスピーカユニット3、および円筒形のエンクロージャ(筐体)61を備えている。1対のスピーカユニット3は、エンクロージャ61の長軸方向の端部に保持されている。
ここで、エンクロージャ61の容積は、液晶表示装置9の厚さによって制限を受ける。しかし、エンクロージャ61は、表示部の上下方向の長さと略同一の長さを有している。このため、大画面を有する液晶表示装置69に適用した場合、エンクロージャ61内部の容積が十分に確保される。
さらに、上述のように、略同一の口径を有する1対のスピーカユニット3は、略同一直線上において逆向きに振動する。よって、1対のスピーカユニット3は、実施の形態1と同様の作用を有している。つまり、音響装置における、他の装置と組み合わせたときの音質の劣化を抑制する。また、液晶表示装置69の表示部の側部などの目立たない位置に音響装置60を配置することができる。
上述のように、1対のスピーカユニット3は、逆向きに振動して音を放射する。よって、音響装置60は、ユーザから見て上下に音を放射するので、液晶表示装置69を配置した空間の床面および天井などに反射して、音響特性が向上する。結果として、ユーザに音源点とスピーカユニットの位置とがより一致していると感じさせ、かつユーザに音場の広がりを感じさせる。また、音響装置60において、上方にあるスピーカユニット3のみ、または下方にあるスピーカユニット3のみを振動させて、音を放射してもよい。また、上述のように、2つの音響装置60が、表示部の両方の側部に配置されている。よって、表示部の右半分と左半分とにおいて異なる映像を表示する場合、右側の音響装置60は、表示部の右半分の映像に関する音声を放射し、かつ左側の音響装置60は、表示部の左半分の映像に関する音声を放射してもよい。
ここでは、エンクロージャ61が有する形状は、円筒形である。円筒形などのように内部が流線形状を有していることは、スピーカユニット3の振動によって生じるエンクロージャ61内部における風切り音を、小さくするために有効である。しかし、エンクロージャ61は、円筒形に限らず、三角柱、四角柱、五角柱および六角柱などの多角柱、ならびに断面が長円形を有する筒状のような柱状を有していればよい。
(音響装置70)
音響装置70は、音響装置60と多くの点において共通しているので、音響装置70と音響装置20との差異およびその作用について、図7を用いて以下に説明する。
図7に示すように、大画面を有し、かつ薄型のTVである液晶表示装置79は、表示部の側部の両方に1つづつ音響装置70を備えている。音響装置70は、略同一直線上において逆向きに振動する1対のスピーカユニット3、略同一直線上において逆向きに振動する1対のパッシブラジエータ5、および円筒形のエンクロージャ71を備えている。1対のスピーカユニット3は、エンクロージャ71の曲面の内、長軸方向に対する中央付近に保持されている。1対のパッシブラジエータ5は、エンクロージャ71の長軸方向の端部に保持されている。つまり、音響装置70は、1対のパッシブラジエータ5を備えること、および1対のスピーカユニット3が保持されている位置において、音響装置60と異なっている。よって、音響装置70は、1対のパッシブラジエータ5を備えているため、さらに低音域の音が増強される。
(音響装置80)
図8(a)に示すように、音響装置80は、四角柱のエンクロージャ81、1対のスピーカユニット3、および1対のパッシブラジエータ5を備えている。エンクロージャ61の形状を除いて、音響装置80は、音響装置20と同じ構成を有している。エンクロージャ61は、音響装置60および70と同様に柱状を有している。したがって、音響装置80の構成についての詳細は、適宜、(音響装置20)および(音響装置70)の項を参照すればよい。なお、図8(a)は、〔実施の形態1〕の項において説明した音響装置10〜40と同様に、アンダースピーカタイプまたはアップスピーカタイプの表示装置に適用する場合を示している。図8(b)は、サイドスピーカタイプの表示装置に適用する場合を示している。
(液晶表示装置79)
音響装置70と液晶表示装置79との組み合わせの例について、図9を用いて以下に説明する。
図9(a)に示すように、2つの音響装置70は、液晶表示装置79の側部の両方に取り付けられている。つまり、液晶表示装置79は、2つの音響装置70が目立たない位置に取り付けられたサイドスピーカタイプの表示装置である。音響装置70は、音の放射によって液晶表示装置79に振動を伝えることがないので、液晶表示装置79の内、筐体の端部のような目立たない位置にスピーカユニット3を配置することができる。よって、液晶表示装置79のデザイン性を引き出す、音響装置70の配置を可能にする。
図9(b)に示すように、1対のスピーカユニット3の内、前面側のスピーカユニット3は、液晶表示装置79の中央側を向いており、かつ背面側のスピーカユニット3は、液晶表示装置79の外側を向いている。すなわち、(液晶表示装置9)の項における音響装置10の配置と同様である。しかし、音響装置70は、液晶表示装置79の表示部の両端に取り付けられているため、背面側のスピーカユニット3からの音がより効率的に前面側に回りこむことができる。
ここでは、音響装置70を備える液晶表示装置79について説明したが、音響装置60を備える液晶表示装置69も同様の作用を有している。特に、音響装置60を備える液晶表示装置69において、2対のスピーカユニット3は、液晶表示装置69の四隅に取り付けられる。このため、より目立たない位置にスピーカユニット3を配置することができるため、液晶表示装置69のデザイン性をより引き出すことができる。
本発明によれば、小型化および薄型化と同時に、音質の向上を実現する音響装置を実現できる。このため、音を放射する機器の全般に適用可能である。特に、大型の液晶表示装置に適用した場合、非常に有効である。
本発明の一実施形態にかかる音響装置の構成を示す斜視図である。 図1の変形例の構成を示す斜視図である。 (a)は、図1の他の変形例の構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)の音響装置における音の放射部分を示す斜視図である。 図1のさらに他の変形例の構成を示す斜視図である。 (a)は、液晶表示装置における図1の音響装置の配置例を示す平面図であり、(b)は、(a)の断面図である。 本発明の他の実施形態にかかる音響装置の構成を示す斜視図である。 図6の変形例の構成を示す斜視図である。 (a)は、図6の他の変形例の構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)の配置方向を変えた時の構成を示す斜視図である。 (a)は、液晶表示装置における図7の音響装置の配置例を示す平面図であり、(b)は、(a)の断面図である。
符号の説明
1 エンクロージャ(筐体)
1b 突出部
1b’ 突出部
1b’’ 突出部
1d 被覆部
3 スピーカユニット
5 パッシブラジエータ
9 液晶表示装置(表示装置)
10 音響装置
20 音響装置
21 エンクロージャ(筐体)
29 液晶表示装置(表示装置)
30 音響装置
31 エンクロージャ(筐体)
33 開口部
39 液晶表示装置(表示装置)
40 音響装置
41 エンクロージャ(筐体)
49 液晶表示装置(表示装置)
60 音響装置
61 エンクロージャ(筐体)
69 液晶表示装置(表示装置)
70 音響装置
71 エンクロージャ(筐体)
79 液晶表示装置(表示装置)

Claims (16)

  1. 1対のスピーカユニットと、1対の上記スピーカユニットを保持する筐体と、を備える音響装置であって、
    1対の上記スピーカユニットは、それぞれの中心軸が互いに略一致し、かつ、1対のスピーカユニットにおける一対の振動板の前面側は、上記振動板のそれぞれが互いに逆方向に振動すべく、互いに逆方向に向いており、
    上記筐体には突出部が設けられており、当該突出部の内部空間は上記筐体の内部空間に接続されており
    上記スピーカユニットとは異なる他のスピーカユニットが、上記筐体から離間して上記突出部の内部に、さらに設けられていることを特徴とする音響装置。
  2. 上記突出部が上記中心軸と略垂直な方向に突出していることを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 上記突出部の形状が柱状であることを特徴とする請求項1または2に記載の音響装置。
  4. 上記筐体が略同一直線上に振動方向を有する1対のパッシブラジエータをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響装置。
  5. 1対の上記スピーカユニットの間の距離と、1対の上記パッシブラジエータの間の距離とが、略同一であることを特徴とする請求項4に記載の音響装置。
  6. 1対の上記パッシブラジエータの振動方向と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、略同一であることを特徴とする請求項4または5に記載の音響装置。
  7. 上記突出部が開口部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響装置。
  8. 上記開口部と対向する被覆部をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の音響装置。
  9. 上記被覆部が、上記被覆部と上記突出部との間に間隔を空けて、上記突出部を覆っていることを特徴とする請求項8に記載の音響装置。
  10. 1対の上記スピーカユニットにおける振動方向が変化することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の音響装置。
  11. 上記突出部は上記筐体との接続部を中心にして可動することを特徴とする請求項10に記載の音響装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の音響装置と表示部とを備える表示装置。
  13. 上記表示部の表示面と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、略平行であることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  14. 上記表示部の表示面と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、略垂直をなすことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  15. 上記表示部の表示面と、1対の上記スピーカユニットの振動方向とが、鋭角をなすことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  16. 1対のスピーカユニットを保持するスピーカユニット保持部を備えているエンクロージャであって、
    1対の上記スピーカユニットは、それぞれの中心軸が互いに略一致し、かつ、1対のスピーカユニットにおける1対の振動板の前面側は、一対の上記振動板のそれぞれが互いに逆方向に振動すべく、互いに逆方向に向いており、
    上記エンクロージャには突出部が設けられており、当該突出部の内部空間は上記エンクロージャの内部空間に接続されており、
    上記スピーカユニットとは異なる他のスピーカユニットが、上記スピーカユニット保持部から離間して上記突出部の内部に、さらに設けられていることを特徴とするエンクロージャ。
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