JP5166973B2 - スピーカ装置及びその駆動方法 - Google Patents

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本発明は、良好な音声出力特性が得られるスピーカ装置の構造、及びその駆動方法に関する。
各種のオーディオ機器においては、低音から高音に至るまでの広い範囲で良好な音声出力特性が要求され、特に低音域での出力特性を向上させるために、スピーカユニットをキャビネット中に適切に配置させたスピーカ装置が用いられる。こうしたスピーカ装置においては、低音から高音までの広い範囲での良好な音声出力特性が要求される。この際に、スピーカユニットを収納するキャビネットの振動が発生すると、その共鳴音が発生するために、出力される音声の音質が損なわれることがある。
この振動を低減するために、例えば、特許文献1には、2個づつのスピーカユニットとパッシブラジエータを組み合わせた構成の音声出力装置が記載されている。図5は、このスピーカ装置90の構成を示す断面図である。このスピーカ装置90は、これらを収納するキャビネット91の両側の側面911、912にそれぞれパッシブラジエータ92、93が埋め込まれている。キャビネット91の内部には側面911、912と平行にキャビネット内分割面913、914が形成されており、それぞれにスピーカユニット94、95が埋め込まれている。なお、側面911とキャビネット内分割面913との間、キャビネット内分割面913とキャビネット面914との間、キャビネット内分割面914と側面912との間はそれぞれ密封された空間(密封室)となっている。ここで、スピーカユニット94、95は音声信号(電気信号)が入力されることによって音声を出力する。パッシブラジエータ92、93には音声信号は入力されず、それぞれスピーカユニット94、95によって発した密封室中での音圧で振動することにより、特に低音域での出力特性を向上させる。
この構造において、スピーカユニット94、95は同位相で駆動する、すなわち、これらに音声信号を同位相で入力させれば、これらが発生する振動は打ち消し合うため、キャビネット91の振動は大幅に低減される。従って、振動の発生による音質の劣化が抑制される。
特開平8−79876号公報
しかしながら、液晶テレビジョン等のオーディオ機器は、ディスプレイが薄く、大画面である特徴を生かし、壁に掛けて使用される場合もある。こうした場合には、ディスプレイが大画面であるほど、視聴者の位置も様々となるため、音声の広い放射特性が要求される。これに対して、前記の技術においては、音声は主にスピーカユニット等が配列された方向、すなわち図5における左右の一方向に集中的に放射されるため、その特性は不充分である。
すなわち、従来の技術においては、キャビネットの振動を低減することによって良好な音質を得て、かつ音声の広い放射特性を得ることは困難であった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明のスピーカ装置は、キャビネットにおいて形成された相異なる面に前記キャビネットの中心線に対して左右対称の位置関係で複数のスピーカユニット及び複数のパッシブラジエータが設置されたスピーカ装置であって、前記中心線に対する左右の一方の方向側において、前記キャビネットにおける一方の側面と、前記一方の側面から前記中心線に近い側において前記一方の側面と平行に設けられた一方のキャビネット内分割面と、前記一方の側面と垂直な前面から斜めに突出した一方の突出部の先端において前記一方の突出部の延伸する方向と垂直に形成され一方のスピーカユニットが搭載された一方のスピーカユニット設置面と、が含まれる複数の面で第1の密封室が形成され、前記中心線に対する左右の他方の方向側において前記中心線に対して対称に、前記一方の側面に対応する他方の側面と、前記一方のキャビネット内分割面に対応する他方のキャビネット内分割面と、前記一方の突出部に対応する他方の突出部と、前記一方のスピーカユニット設置面に対応し他方のスピーカユニットが搭載された他方のスピーカユニット設置面と、がそれぞれ形成され、前記他方の側面、前記他方のキャビネット内分割面、及び前記他方のスピーカユニット設置面が含まれる複数の面で第2の密封室が形成され、前記第1の密封室を構成する複数の面のうち前記一方の突出部を構成する面以外の平行な2つの面と、前記第2の密封室を構成する複数の面のうち前記他方の突出部を構成する面以外の平行な2つの面とが、それぞれパッシブラジエータを搭載するパッシブラジエータ設置面である、ことを特徴とする。
本発明のスピーカ装置は、前記キャビネットにおいて、前記一方の側面、前記一方のキャビネット内分割面、前記他方の側面、及び前記他方のキャビネット内分割面は、それぞれ前記パッシブラジエータ搭載面であり、前記一方のキャビネット内分割面と前記他方のキャビネット内分割面に挟まれた箇所には開口部が設けられていることを特徴とする。
本発明のスピーカ装置は、前記キャビネットにおいて、前記一方のキャビネット内分割面と前記他方のキャビネット内分割面とは、前記中心軸上で共通に形成されたことを特徴とする。
本発明のスピーカ装置は、前記キャビネットにおいて、前記前面、及び前記前面と平行な背面が、それぞれ前記パッシブラジエータ搭載面であることを特徴とする。
本発明のスピーカ装置の駆動方法は、前記スピーカ装置において、2つの前記スピーカユニットを同位相で駆動することを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、キャビネットの振動を低減することによって良好な音質を得て、かつ音声の広い放射特性を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態となるスピーカ装置について説明する。このスピーカ装置においては、2個のスピーカユニットが用いられ、スピーカユニットと複数のパッシブラジエータがキャビネット中に形成された相異なる面にこれらが設置される。
また、このキャビネットにおいては、2個のスピーカユニットは中心線に対して左右対称の位置関係でそれぞれスピーカユニット設置面に設置される。これらのスピーカユニット設置面とは異なり、平行に対向する2つのパッシブラジエータ設置面にそれぞれパッシブラジエータが設置される。スピーカユニット設置面とこの2つのパッシブラジエータ設置面とが含まれる複数の面によって閉じられた空間(密封室)が形成されるため、2つのパッシブラジエータはスピーカユニットの動作に応じて動作する。キャビネットとパッシブラジエータとが用いられることにより、前記の通り、特に低音域で良好な出力特性が得られる。この際、キャビネットにおける振動の発生も抑制され、更に、音声の広い放射特性が得られる。このスピーカユニット設置面とパッシブラジエータ設置面の設定によって、本願発明のスピーカ装置には以下に示す様々な形態がある。
(第1の実施の形態)
図1に、本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置10の正面図(a)及びそのI−I方向の断面図(b)を示す。このスピーカ装置10においては、2個のスピーカユニットと4個のパッシブラジエータを収納するキャビネット11は、平行に形成された左側面111、右側面112をそれぞれ左端面、右端面として備える。また、その内部において、中心線500よりも左側(左側面111に近い側)に左側キャビネット内分割面(キャビネット内分割面)113、中心よりも右側(右側面112に近い側)に右側キャビネット内分割面(キャビネット内分割面)114を備える。左側キャビネット内分割面113及び右側キャビネット内分割面114は左側面111及び右側面112に平行に形成されている。また、キャビネット11の前面115における左側に左側キャビネット突出部116、右側に右側キャビネット突出部117を備える。
左側面111にはパッシブラジエータ12が、左側キャビネット内分割面113にはパッシブラジエータ13がそれぞれ設置される。すなわち、左側面111、左側キャビネット内分割面113はパッシブラジエータ設置面となっている。左側キャビネット突出部116は、キャビネット11の前面115から左側に向かって突き出した形態であり、その先端に形成された左側スピーカユニット設置面(スピーカユニット設置面)118には左側スピーカユニット14が設置される。
また、このキャビネット11においては、中心線500よりも左側で、左側面111、左側キャビネット内分割面113、及び左側キャビネット突出部116(左側スピーカユニット設置面118)、上面、下面等の面によって第1の密封室が形成されている。
上記の構成を中心線500に対して左右対称にした形態で、パッシブラジエータ15、16が、右側面112、右側キャビネット内分割面114にそれぞれ設置される。すなわち、右側においては、右側面112、右側キャビネット内分割面114はパッシブラジエータ設置面となっている。また、右側スピーカユニット17は右側キャビネット突出部117の先端に形成された右側スピーカユニット設置面(スピーカユニット設置面)119に設置される。従って、このキャビネット11の右側においても、同様に右側面112、右側キャビネット内分割面114、及び右側キャビネット突出部117(右側スピーカユニット設置面119)、上面、下面等の面によって第2の密封室が形成されている。
また、左側キャビネット突出部116と右側キャビネット突出部117とは中心線500に対して左右対称の関係とされる。
また、キャビネット11の前面115における左側キャビネット内分割面113と右側キャビネット内分割面114との間においては、開口部18が設けられる。従って、これらの間では密封室は形成されておらず、開口部18によって空気が自由に出入りできる構成とされる。
以上の構成において、左側スピーカユニット14、右側スピーカユニット17は、音声信号(電気信号)を音声として出力する一般に知られるスピーカユニットである。これらの大きさ、定格出力等は同一の仕様であることが好ましい。
また、パッシブラジエータ12、13、15、16には音声信号が入力されず、スピーカユニット14、17によって発生した音圧が密封室を介して伝わることによって振動して音声を出力する。これらの大きさ等も同一の仕様であることが好ましい。これらは、特に低音域での音声を効率よく出力する。
また、上記の構成のキャビネット11は、上記の構成を実現でき、良好な音響特性を有する材料として、例えば木材や樹脂材料等で形成することができる。
以上の構成において、左側スピーカユニット14と右側スピーカユニット17に音声信号が入力された場合、これに応じてこれらにおける振動板が振動し、これによって音圧が発生する。左側においては、左側面111、左側キャビネット内分割面113、及び左側キャビネット突出部116によって第1の密封室が形成されているため、この音圧はパッシブラジエータ12、13に伝達され、パッシブラジエータ12、13における振動板も振動し、音声が出力される。右側においても同様に、第2の密封室が形成されているため、右側スピーカユニット17の出力によってパッシブラジエータ15、16における振動板が振動し、音声が出力される。これにより、特に低音域において良好な音声が左右方向に放射される。一方、これらにおいて発生した振動はキャビネット11にも伝搬し、キャビネット11自身も振動させる。
また、左側キャビネット突出部116の形状によって、左側スピーカユニット14は左側斜め前方に向かって音声を放射し、同様に右側スピーカユニット17は右側斜め前方に向かって音声を放射する。
ここで、左側スピーカユニット14と右側スピーカユニット17を同位相で駆動する、すなわち、これらに音声信号を同位相で入力させた場合の、各パッシブラジエータ、スピーカユニットにおける振動の向きを、図1(b)中の矢印で示す。ここで、例えば左側スピーカユニット14の振動が黒色矢印の通りになった場合、右側スピーカユニット17及び各パッシブラジエータにおける振動の向きは黒色矢印の通りとなる。白色矢印はこれと逆向きの動きの場合を示す。
この動きにより、隣接するパッシブラジエータの動きは互いに逆向きとなり、キャビネット11における振動は打ち消し合って低減される。また、左側スピーカユニット14側における振動と右側スピーカユニット17側における振動は、これらが左右対称となる位置関係であるため、その左右方向の成分は同様に打ち消し合い、低減される。なお、この動きの際に、左側キャビネット内分割面113と右側キャビネット内分割面114との間の空間においては、パッシブラジエータ13と16は逆向きの運動をするために圧力変動が生ずるが、この圧力変動は開口部18によって緩和され、パッシブラジエータ13、16の動きに悪影響を与えることはない。
この構成においては、左側にはパッシブラジエータ12から、左側斜め前方には左側スピーカユニット14から、右側にはパッシブラジエータ15から、右側斜め前方には右側スピーカユニット17から音声が放射される。従って、音声の広い放射特性を得ることができる。この際、上記のように、キャビネット11における振動は低減される。
なお、左側キャビネット突出部116と前面115とのなす角度については、左側スピーカユニット14及び右側スピーカユニット17から音声が図1(b)中の左右方向と上下方向との間の方向に放射される限り、任意である。すなわち、左側面111及び右側面112の法線方向(図1(b)中における左右方向)と、これらの面と平行な方向(図1(b)中における上下方向)の間の方向に左側スピーカユニット14及び右側スピーカユニット17が音声を放射するように左側スピーカユニット設置面118及び右側スピーカユニット設置面119が設けられればよい。ただし、これらのスピーカユニットから音声が放射される方向が図1(b)における上下方向に近くなるにつれて、左側スピーカユニット14と右側スピーカユニット17から発生する振動を打ち消す効果は小さくなる。逆に、この方向が図1(b)における左右方向に近くなるにつれて、図1(b)における上下方向に音声が放射される割合が少なくなる。
以上の構成により、良好な音質が得られ、かつ音声の広い放射特性を得ることができる。従って、このスピーカ装置10の利用者は、広がり感のある音声を良好な音質で聴くことができる。
なお、開口部18は前面115に形成したが、これに限られるものではない。左側キャビネット内分割面113と右側キャビネット内分割面114との間の圧力変動を緩和して、パッシブラジエータ13、16の動きを良好にするという機能を発揮できる限り、背面、上面等、任意の箇所に設置でき、その大きさ、形状も任意である。また、例えば左側キャビネット内分割面113と右側キャビネット内分割面114との間の距離が大きいためにパッシブラジエータ13、16の動きが互いに与える影響が小さい場合には、開口部18を設ける必要はない。
(第2の実施の形態)
図2に、本発明の第2の実施の形態に係るスピーカ装置20の正面図(a)及びそのII−II方向の断面図(b)を示す。このスピーカ装置20においては、2個のスピーカユニットと4個のパッシブラジエータを収納するキャビネット21は、左側面211、キャビネット内分割面212、右側面213、前面214、背面215を備える。ここで、左側面211と右側面213とは平行に形成されており、前面214と背面215も平行に形成されている。
左側面211には左側スピーカユニット22が、右側面213には右側スピーカユニット23がそれぞれ設置される。すなわち、左側面211及び右側面213がスピーカユニット設置面となっている。キャビネット21における中心線500上にはキャビネット内分割面212が設けられ、キャビネット21におけるこれよりも左側の空間と右側の空間とが分離される。すなわち、2つのスピーカユニット設置面(左側面、右側面)211、213の間においてキャビネット21内はキャビネット内分割面212によって分割される。これにより、スピーカユニット設置面である左側面211、前面214、背面215、キャビネット内分割面212によってキャビネット21における左側に第1の密封室が形成され、スピーカユニット設置面である右側面213、前面214、背面215、キャビネット内分割面212によってキャビネット21における右側に第2の密封室が形成される。
前面214におけるキャビネット内分割面212よりも左側にはパッシブラジエータ24が、右側にはパッシブラジエータ25が設置される。背面215におけるキャビネット内分割面212よりも左側にはパッシブラジエータ26が、右側にはパッシブラジエータ27が設置される。すなわち、この形態においては前面214及び背面215がパッシブラジエータ設置面となっている。以上より、この構成も、中心線500に対して左右対称となっている。
この構成においても、左側スピーカユニット22と右側スピーカユニット23が同位相で駆動された場合、各パッシブラジエータはこれに応じて振動し、音声が出力される。この際、左側スピーカユニット22は左側に、右側スピーカユニット23は右側に、パッシブラジエータ24、25は前方に、パッシブラジエータ26、27は後方にそれぞれ音声を放射する。従って、このスピーカ装置20においては、これを取り囲む広い方向に音声が放射される。
この際、図2(b)の白矢印で示されるように、パッシブラジエータ24と26の動きは逆方向となり、パッシブラジエータ25と27の動きも逆方向となるため、キャビネット21における図中の前後方向の振動は打ち消し合う。また、左側スピーカユニット22と右側スピーカユニット23の動きも逆方向となるため、キャビネット21における図中の左右方向の振動も打ち消し合う。従って、このスピーカ装置20におけるキャビネット21における振動は低減される。
従って、以上の構成により、第1の実施の形態と同様に、良好な音質が得られ、かつ音声の広い放射特性を得ることができる。特にこの構成の場合、前記の通り、第1の実施の形態よりも更に広い音声の放射特性が得られる。
また、面積の大きなパッシブラジエータを前面214及び背面215中に設置するため、前面214と背面215との間隔を小さくすること、すなわち、このスピーカ装置20を薄型化することができる。
なお、この形態の場合、キャビネット内分割面212がなくとも上記の効果が得られる。この場合には、前面214及び背面215に設置するパッシブラジエータを各1個ずつとすることもできる。ただし、キャビネット内分割面212によって左側スピーカユニット22が設けられた空間と右側スピーカユニット23が設けられた空間とを分離することにより、音声出力が明確に分離され、ステレオ効果がより高くなるため、好ましい。
(第3の実施の形態)
図3に、本発明の第3の実施の形態に係るスピーカ装置30の正面図(a)及びそのIII−III方向の断面図(b)を示す。このスピーカ装置30においては、2個のスピーカユニットと4個のパッシブラジエータを収納するキャビネット31は、左側キャビネット突出部311、キャビネット内分割面312、右側キャビネット突出部313、前面314、背面315を備える。左側キャビネット突出部311は、キャビネット31の左端部において、前面314から左斜め前方に突き出して形成され、その先端の左側スピーカユニット設置面(スピーカユニット設置面)316には左側スピーカユニット32が設置される。右側キャビネット突出部313は、左側キャビネット突出部311と左右対称の関係で形成され、その先端の右側スピーカユニット設置面(スピーカユニット設置面)317には右側スピーカユニット33が設置される。この構成においても、2つのスピーカユニット設置面316、317の間においてキャビネット31内はキャビネット内分割面312によって分割される。これにより、左側スピーカユニット設置面316、前面314、背面315、キャビネット内分割面312によってキャビネット31における左側に第1の密封室が形成され、右側スピーカユニット設置面317、前面314、背面315、キャビネット内分割面312によってキャビネット31における右側に第2の密封室が形成される。
パッシブラジエータ34、35、36、37は、第2の実施の形態と同様に、キャビネット内分割面312の左右において前面314、背面315に設置される。以上より、この構成も、中心線500に対して左右対称となっている。
この構成においても、左側スピーカユニット32と右側スピーカユニット33が同位相で駆動された場合、各パッシブラジエータはこれに応じて振動し、音声が出力される。この際、左側スピーカユニット32は左側斜め前方に、右側スピーカユニット33は右側斜め前方に、パッシブラジエータ34、35は前方に、パッシブラジエータ36、37は後方にそれぞれ音声を放射する。従って、このスピーカ装置30においては、広い方向に音声が放射される。
この際、図3(b)の白矢印で示されるように、パッシブラジエータ34と36の動きは逆方向となり、パッシブラジエータ35と37の動きも逆方向となるため、キャビネット31における図中の前後方向の振動が打ち消し合う。また、左側スピーカユニット32と右側スピーカユニット33の振動の左右方向の成分も逆方向となるため、キャビネット31における図中の左右方向の振動も打ち消し合う。従って、このスピーカ装置30におけるキャビネット31における振動は低減される。
この際、面積の大きなパッシブラジエータ34〜37は前面314、背面315中に設置される。更に、スピーカユニット32、33はこれを前面314(背面315)から傾斜させた角度で設置している。従って、スピーカユニット32、33の面積が大きな場合でも、前記の第2の実施の形態よりも、更にこのスピーカ装置30を薄型化することができる。
従って、以上の構成により、第1の実施の形態と同様に、良好な音質が得られ、かつ音声の広い放射特性を得ることができる。また、この構成の場合、特にこのスピーカ装置30を第2の実施の形態よりも更に薄型化することができる。
なお、この実施の形態における左側キャビネット突出部311と前面314とのなす角度、及び右側キャビネット突出部313と前面314とのなす角度については、前記の第1の実施の形態の場合と同様である。すなわち、左側スピーカユニット32及び右側スピーカユニット33から音声が図3(b)中の左右方向と上下方向との間の方向に放射される限り、任意である。すなわち、前面314の法線方向(図3(b)中における上下方向)と、これらの面と平行な方向(図3(b)中における左右方向)の間の方向に左側スピーカユニット32及び右側スピーカユニット33が音声が放射されるように左側スピーカユニット設置面316及び右側スピーカユニット設置面317が設けられればよい。これらのスピーカユニットから音声が放射される方向が図3(b)における上下方向に近くなるにつれて、左側スピーカユニット32と右側スピーカユニット33から発生する振動を打ち消す効果は小さくなる。逆に、この方向が図3(b)における左右方向に近くなるにつれて、図3(b)における上下方向に音声が放射される割合が少なくなる。
また、第2の実施の形態と同様に、キャビネット内分割面312がなくとも上記の効果が得られるが、ステレオ効果を高めるために、キャビネット内分割面312を設置してその両側の空間を分離することが好ましい。
なお、上記の第1〜3の実施の形態に係るスピーカ装置においては、いずれもスピーカユニットを2個用いた場合につき記載したが、スピーカユニットを3個以上設け、これに応じて密封室及びパッシブラジエータを上記の構成と同様に設けても同様の効果を奏することは明らかである。この場合、スピーカユニット及びパッシブラジエータから音声が放射される角度をより多く設定することができるため、より広い音声の放射特性を得ることができる。
また、上記のいずれの実施の形態に係るスピーカ装置においても、中心線に対して左右対称な構造を有していたが、上記の効果を大きく損なわない限りにおいて、若干の非対称性があってもよい。同様に、スピーカユニット間、パッシブラジエータ間における若干の差異があってもよく、両側面間、前面と背面間、左右のキャビネット内分割面間等の平行性に若干の誤差があってもよい。
上記の第1〜3の実施の形態に係るスピーカ装置においては、放射される音の広がりが大きく、キャビネットを用いることによって低音での良好な音声出力特性が得られる。更に、上記の通り、キャビネットの不要な振動を抑制することにより、良好な音質が得られる。従って、このスピーカ装置は、特に大画面の液晶テレビジョン受像機等に好ましく用いることができる。図4は、この際の形態を示した図である。ここでは前記のスピーカ装置10が、大画面の液晶ディスプレイ50の下部に取り付けられ、音声を出力する。この場合、液晶ディスプレイ50が薄型であることを生かして、例えば壁掛け式テレビジョン受像機として用いられることがある。こうした場合でも、本願発明に係るスピーカ装置が用いられる場合には、キャビネットに振動が発生しにくいため、壁が共鳴することがなく、良好な音質の音声が広く放射される。
あるいは、上記のスピーカ装置においては、2個のスピーカユニットの間隔やパッシブラジエータ同士の間隔を狭くした場合でも充分な音声の広がりを得ることができる。従って、スピーカ装置自身の幅を小さくすることができるため、小型化が可能である。
その他、このスピーカ装置は、各種のオーディオ機器においても同様に用いることができ、同様の効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置の正面図(a)及び断面図(b)である。 本発明の第2の実施の形態に係るスピーカ装置の正面図(a)及び断面図(b)である。 本発明の第3の実施の形態に係るスピーカ装置の正面図(a)及び断面図(b)である。 本発明の実施の形態に係るスピーカ装置が液晶テレビジョン受像機において用いられる際の形態の一例を示す図である。 従来のスピーカ装置の構造の一例の断面図である。
符号の説明
10、20、30、90 スピーカ装置
11、21、31、91 キャビネット
12、13、15、16、24〜27、34〜37 パッシブラジエータ
14、22、32 左側スピーカユニット
17、23、33 右側スピーカユニット
18 開口部
111、211 左側面
112、213 右側面
113 左側キャビネット内分割面(キャビネット内分割面)
114 右側キャビネット内分割面(キャビネット内分割面)
115、214、314 前面
116、311 左側キャビネット突出部
117、313 右側キャビネット突出部
118、316 左側スピーカユニット設置面(スピーカユニット設置面)
119、317 右側スピーカユニット設置面(スピーカユニット設置面)
212、312 キャビネット内分割面
215、315 背面
500 中心線

Claims (5)

  1. キャビネットにおいて形成された相異なる面に前記キャビネットの中心線に対して左右対称の位置関係で複数のスピーカユニット及び複数のパッシブラジエータが設置されたスピーカ装置であって、
    前記中心線に対する左右の一方の方向側において、前記キャビネットにおける一方の側面と、前記一方の側面から前記中心線に近い側において前記一方の側面と平行に設けられた一方のキャビネット内分割面と、前記一方の側面と垂直な前面から斜めに突出した一方の突出部の先端において前記一方の突出部の延伸する方向と垂直に形成され一方のスピーカユニットが搭載された一方のスピーカユニット設置面と、が含まれる複数の面で第1の密封室が形成され、
    前記中心線に対する左右の他方の方向側において前記中心線に対して対称に、前記一方の側面に対応する他方の側面と、前記一方のキャビネット内分割面に対応する他方のキャビネット内分割面と、前記一方の突出部に対応する他方の突出部と、前記一方のスピーカユニット設置面に対応し他方のスピーカユニットが搭載された他方のスピーカユニット設置面と、がそれぞれ形成され、前記他方の側面、前記他方のキャビネット内分割面、及び前記他方のスピーカユニット設置面が含まれる複数の面で第2の密封室が形成され、
    前記第1の密封室を構成する複数の面のうち前記一方の突出部を構成する面以外の平行な2つの面と、前記第2の密封室を構成する複数の面のうち前記他方の突出部を構成する面以外の平行な2つの面とが、それぞれパッシブラジエータを搭載するパッシブラジエータ設置面である、
    ことを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記キャビネットにおいて、
    前記一方の側面、前記一方のキャビネット内分割面、前記他方の側面、及び前記他方のキャビネット内分割面は、それぞれ前記パッシブラジエータ搭載面であり、
    前記一方のキャビネット内分割面と前記他方のキャビネット内分割面に挟まれた箇所には開口部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のスピーカ装置。
  3. 前記キャビネットにおいて、
    前記一方のキャビネット内分割面と前記他方のキャビネット内分割面とは、前記中心軸上で共通に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  4. 前記キャビネットにおいて、
    前記前面、及び前記前面と平行な背面が、それぞれ前記パッシブラジエータ搭載面であることを特徴とする請求項に記載のスピーカ装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のスピーカ装置において、
    2つの前記スピーカユニットを同位相で駆動することを特徴とするスピーカ装置の駆動方法。
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