JP2005197934A - スピーカ - Google Patents

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Niro Nakamichi
仁郎 中道
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Abstract

【課題】 左右方向にリスナーがずれると、ステレオイメージが極端に狭くなる。
【解決手段】 本発明は上述の課題を解決するために、Lチャンネルを再生すべく、その振動軸がリスナー方向に対して90度+αの角度をもって配置される第1のスピーカドライバ6と、Lチャンネルを再生すべく、その振動軸がリスナー方向に対して90度+αの角度をもって配置される第2のスピーカドライバ7とからなる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、2チャンネル用スピーカに関する。
5.1チャンネル又は6.1チャンネルといったマルチチャンネルサラウンド信号を再生する、所謂ホームシアターシステムが一般家庭に普及している。このシステムは基本的には各チャンネル毎に独立したスピーカによって各チャンネル信号を再生する。従って、5.1チャンネル再生の場合、前方にフロントLチャンネル、フロントセンターチャンネル、フロントRチャンネル用のスピーカを3個、後方にリアLチャンネル、リアRチャンネル用のスピーカを2個配置する必要がある。更に、低音再生用にサブウーハもほとんどの場合に必要となる。
本出願人は特願2003−293850にてLチャンネル信号を再生するLチャンネル用スピーカドライバと、Rチャンネル信号を再生するRチャンネル用スピーカドライバとのそれぞれの振動軸を互いに180度の角度、またそれぞれがリスナー方向に対して左右90度の角度で配置したスピーカシステムを提案した。このシステムによれば、Lチャンネル用スピーカドライバとRチャンネル用スピーカドライバから互いに180度の角度で音が放射されるため、Lチャンネル信号とRチャンネル信号はスピーカドライバの位置に定位することなく、より離れた位置に定位し、広いステレオイメージを得ることが可能となる。
リスニングポジションはかかる2つのスピーカドライバから均等の距離に位置し、リスナーがこのリスニングポジションに位置した場合において、リスナーからスピーカドライバの振動板は見えない。しかしながらリスナーが左右方向にずれていくと、一方のスピーカドライバの振動板が見えてくる。ちょうどこの位置よりも更に左右方向にリスナーがずれると、これまでスピーカドライバより遠い位置で定位していた音がスピーカドライバの位置に定位するため、ステレオイメージが極端に狭くなる。従って、広いステレオイメージが得られるリスニングエリアは横方向において狭いものであった。
本発明は上述の課題を解決するために、Lチャンネルを再生すべく、その振動軸がリスナー方向に対して90度+αの角度をもって配置される第1のスピーカドライバ6と、Lチャンネルを再生すべく、その振動軸がリスナー方向に対して90度+αの角度をもって配置される第2のスピーカドライバ7とからなる。
本発明によれば、左右のスピーカドライバの間隔を大きく取ることなく広い音像定位を得ることができる。
以下、本発明による最良の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施例を説明する。図1〜図3は本発明に使用するスピーカボックス1の正面図、右側面図及び上面図である。スピーカボックス1には3個の密閉型のエンクロージャ2、3、4が一体的に設けられ、エンクロージャ2、3、4にはフロントセンターチャンネル用スピーカドライバ5、フロントLチャンネル用スピーカドライバ6及びフロントRチャンネル用スピーカドライバ7がそれぞれ設けられている。フロントセンターチャンネル用スピーカドライバ5はリスナーに対して正対するよう配置されている。一方、フロントLチャンネル用スピーカドライバ6及びフロントRチャンネル用スピーカドライバ7の振動軸は、水平方向においてフロントセンターチャンネル用スピーカドライバ5の振動軸に対してそれぞれ左右90度の角度から更に約3度の角度をもつよう、互いに背中合わせで配置されている。
従って、フロントLチャンネル用スピーカドライバ6及びフロントRチャンネル用スピーカドライバ7の振動軸は互いに174度の角度とされているため、各スピーカドライバ6、7からの再生音は互いに反対方向に空間上に放射される。従って、この角度配置により、スピーカドライバ6、7が大きく間隔を空けて配置された状態と同じ効果を有する。もちろんこの角度配置によりスピーカドライバの振動軸がリスナーに対して正対していないため、特に高域の周波数特性が劣化するという欠点が生じる場合もある、その場合は周知のイコライザ回路で減衰した高域を補えばよい。なお、8、9はエンクロージャ2、3、4を分離するための隔壁である。
図4は上述のスピーカドライバ5〜7を駆動するアンプを含むホームシアターシステムの回路ブロック図である。光学ピックアップ、ターンテーブル等の機構部及び各種サーボ回路やデータ復調回路を備えるDVDドライブ10からのデジタルデータは5.1チャンネルデコーダ11に入力され、フロントL、フロントセンター、フロントR、リアL、リアRチャンネル及びサブウーハーチャンネル信号にそれぞれデコード処理される。フロントL、フロントRおよびフロントセンターチャンネルのそれぞれのデジタル信号は、加算器12、13、14の一方の入力端子に入力される。
一方、リアL及びリアRチャンネル信号は、バーチャライザ16に入力される。バーチャライザ16は例えばリアLチャンネル信号をリスナーのフロント側に設置したスピーカによって再生しても、リスナーの後方左側から再生音が聞こえてくるようなインパルス応答となるフィルタ特性を持つフィルタを備えるものである。一般にこのフィルタ係数は頭部伝達関数(HRTF)と呼ばれ、畳み込み演算処理が行われることにより、入力された信号は位置情報を持つことになる。このバーチャライザ自体の構成は当業界においては周知であり、本出願に直接関与するものではないため、その詳述は省略する。
バーチャライザ16の出力が加算器12、13の他方の入力端子に入力されることにより、加算器12によってフロントLチャンネル信号とバーチャライザ16の出力が加算され、この加算信号がD/A変換器15に入力される。同様に加算器13によってフロントRチャンネル信号とバーチャライザ16の出力が加算され、この加算信号がデジタルアンプ15に入力される。
一方、フロントLチャンネル信号及びフロントRチャンネル信号は加算器17によって加算された後、ゲイン調整用の減衰器R1を介して300Hz〜2KHzの周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ(以下、BPFという)18に入力される。BPF18の出力は位相を180度回転させる反転器19に入力される。位相が180度反転し、300Hz〜2KHzの周波数帯域を有するフロントL+フロントR信号は加算器14の他方の入力端子に入力され、フロントセンターチャンネル信号と加算されてデジタルアンプ25に入力される。
なお、CDを再生中においては、5.1チャンネルデコーダ11はフロントLチャンネル信号を出力していた端子にLチャンネル信号を、フロントRチャンネル信号を出力していた端子にRチャンネル信号を出力する。
デジタルアンプ25によってPWM信号とされたフロントLチャンネル信号及びバーチャライザ16の一方の出力は、ローパスフィルタ(以下、LPFという)26を通過してアナログ信号とされた後、Lチャンネル用スピーカドライバ6に入力される。同様にデジタルアンプ25によってPWM信号とされたフロントRチャンネル信号及びバーチャライザ16の他方の出力は、LPF31によってアナログ信号とされた後、Rチャンネル用スピーカドライバ7に入力される。更にLPF31によってアナログ信号とされたフロントセンターチャンネル信号と位相が180度反転し、300Hz〜2KHzの周波数帯域を有するフロントL+フロントR信号との加算信号は、センターチャンネル用スピーカドライバ15に入力される。
なお、5.1チャンネルデコーダはサブウーハ出力を出力しており、この信号もデジタルアンプ15によってPWM信号とされた後、LPF26によってアナログ信号とされサブウーハ25を駆動する。なお、DVDドライブ10や5.1チャンネルデコーダ11等はマイコン20によって制御される。
以上の構成によって、5.1チャンネル信号の再生時にはLチャンネル用スピーカドライバ6からLチャンネル信号が、Rチャンネル用スピーカドライバ7からRチャンネル信号が出力され、その放射方向は174度であるため、広がりのあるステレオイメージが再生される。また、センターチャンネル用スピーカドライバ5からセリフなど、センターに定位すべきセンターチャンネル信号が出力されるため、中抜けが生じない。
更に、センターチャンネル用スピーカユニット5から逆相のLチャンネル信号が出力されるが、この逆相成分がリスナーの右耳周辺において左耳周辺よりもLチャンネル信号を打ち消す。従って、リスナーの右耳周辺におけるLチャンネル信号のレベルが低くなり、Lチャンネル信号が左耳で強く聞こえる結果、リスナーはLチャンネル信号が左側から到来するという認識を持つ。その結果、スピーカドライバの配置と相まってステレオセパレーションが向上する。なお、Rチャンネル信号も同様な作用効果を生じることは勿論である。
ここで、例えばリスナーがリスニングポジションであるセンターチャンネル用スピーカユニット5の振動軸線上から左に位置した場合、Lチャンネル用スピーカドライバ6の振動面が見えるが、ちょうどその位置で再生音を聞いた場合、Lチャンネル信号の定位位置がLチャンネル用スピーカドライバ6の位置になり、ステレオイメージが極端に悪くなる。そこで、本実施例においては図3に示すごとく、Lチャンネル用スピーカドライバ6の設置角度をリスナー方向と90度の角度から更に角度αで反対側にふっており、スピーカドライバ6の振動板が見えない位置を更に拡大している。なお、本実施例では角度αを3度に設定している。
勿論、角度を3度以上にすることでスピーカドライバ6の振動板が見えない範囲、即ちリスニングエリアを大きくすることは可能であるが、その場合、通常、スピーカボックス1の後ろに位置する壁による反射音が大きくなり、音像の定位位置が不明瞭になる。また、高域の周波数特性が更に劣化し、イコライザ回路による高域ブースト量を大きくとる必要があるなど弊害も出てくるので、使用環境等を勘案して角度を設定する。なお、右チャンネル用スピーカドライバ7の振動軸も上述と同様、リスナー方向と90度の角度から更に3度の角度αで反対側にふっており、結果的にリスナー方向を向いているセンターチャンネル用スピーカドライバ5の振動軸とは93度の角度を有する。
なお、センターチャンネル用スピーカユニット5から出力される−Lチャンネル信号と−Rチャンネル信号は、Lチャンネル信号とRチャンネル信号の逆相成分、即ちモノラル成分の逆相信号である。従って、2チャンネル信号の再生時においてもセンターチャンネル用スピーカドライバ5からは反転したモノラル成分が出力されるため、5.1チャンネル信号のときのセンターチャンネル信号の働きと同様、中抜けの防止になる。
なお、上述の実施例は本発明を5.1チャンネル再生用のスピーカに適用して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されることなく、2つのスピーカドライバを有し、少なくとも2チャンネルを再生するスピーカであれば適用可能である。また、図3に示す角度αは適宜設定可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様を取り得る。
スピーカボックス1の正面図。 スピーカボックス1の左側面図。 スピーカボックス1の上面図。 回路ブロック図。
符号の説明
1 スピーカボックス
5、6、7 スピーカドライバ
11 5.1チャンネルデコーダ
15 デジタルアンプ
16 バーチャライザ
20 マイコン
25 サブウーハ

Claims (3)

  1. Lチャンネルを再生すべく、その振動軸がリスナー方向に対して90度+αの角度をもって配置される第1のスピーカドライバ6と、
    Lチャンネルを再生すべく、その振動軸がリスナー方向に対して90度+αの角度をもって配置される第2のスピーカドライバ7とからなることを特徴とするスピーカ。
  2. 前記αは略3度に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記スピーカはリスナー方向にその振動軸を有するフロントセンターチャンネル用スピーカドライバ5を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009284157A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Sharp Corp スピーカ装置及びその駆動方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009284157A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Sharp Corp スピーカ装置及びその駆動方法

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