JP5037326B2 - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、ポリエチレンテレフタレートにポリプロピレンなどのポリオレフィンが0.002〜200ppmの割合で含まれているポリエステル樹脂組成物が提案され、特許文献2には、ポリエステル樹脂にポリプロピレンを0.1ppb〜1000ppmの割合で配合したポリエステル樹脂組成物が提案され、特許文献3には、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂にポリエチレンが0.1〜45ppbの割合で含まれているポリエステル樹脂組成物が提案されている。しかしながら、これらの特許文献では、ポリエステル樹脂の結晶化速度の制御性や結晶化温度についての検討は充分になされていない。
すなわち、本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、(I)芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、(II)ジオールまたはそのエステル形成性誘導体(ただし、下記(III)共重合性化合物を除く。)と、(III)下記一般式(A)で表される化合物、そのエステル形成性誘導体、および下記一般式(B)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合性化合物と、を重合させて共重合ポリエステルを製造する方法において、該(III)共重合性化合物と、該(II)ジオールまたはそのエステル形成性誘導体の少なくとも一部とを混合し、該(III)共重合性化合物の融点以上に昇温させて共重合性スラリーを調製する工程を有することを特徴とする。
量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1〜10の炭化水素基であり、R2
、R3およびR4は、それぞれ独立に水素、またはMwが15〜1000000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基である。
の炭化水素基であり、R6、R7、およびR8は、それぞれ独立に水素、またはMwが15
〜1000000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基である。
前記一般式(A)で表される化合物のR2、R3およびR4が水素であり、前記一般式(
B)で表される化合物のR6、R7およびR8が水素であることが好ましい。
<原料>
本発明において、(I)芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(以下、「芳香族ジカルボン酸類」ともいう。)、(II)ジオールまたはそのエステル形成性誘導体(以下、「(II)ジオール類」ともいう。)、および(III)共重合性化合物を原料として用いる。
本発明において、芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体とは、芳香族ジカルボン酸の塩、エステル、酸無水物または酸塩化物誘導体などを指す。
−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−スルホンビス安息香酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−スルフィドビス安息香酸、4,4'−オキシビス安息香酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明において、(II)ジオール類とは、後述する(III)共重合性化合物を除いたジオール類をいう。また、ジオールのエステル形成性誘導体とは、ジオールのアルコキシド、エステルまたはエーテル誘導体などを指す。
本発明において、(III)共重合性化合物は、下記一般式(A)で表される化合物(以下、「(A)ジオール基含有ポリオレフィン化合物」ともいう。)、そのエステル形成性誘導体、および下記一般式(B)で表される化合物(以下、「(B)エポキシ基含有ポリオレフィン化合物」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合性化合物である。なお、本発明において、(A)ジオール基含有ポリオレフィン化合物のエステル形成性誘導体とは、該(A)ジオール基含有ポリオレフィン化合物のアルコキシド、エステルまたはエーテル誘導体などを指す。
量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1〜10の炭化水素基、好ましくはMwが250〜500000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、より好ましくはMwが400〜100000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、さらに好ましくはMwが1000〜50000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基である。
0、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、好ましくはそれぞれ独立に水素、またはMwが15〜100000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、より好ましくはそれぞれ独立に水素、またはMwが15〜10000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、さらに好ましくはいずれも水素である。
の炭化水素基、好ましくはMwが250〜500000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、より好ましくはMwが400〜100000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、さらに好ましくはMwが1000〜50000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基である。
0、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、好ましくはそれぞれ独立に水素、またはMwが15〜100000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、より好ましくはそれぞれ独立に水素、またはMwが15〜10000、Mw/Mnが1〜10の炭化水素基、さらに好ましくはいずれも水素である。
R1〜R8で表される炭化水素基は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−スチレン共重合体などの各種ポリオレフィンに由来する炭化水素基であることが好ましく、これらの中ではポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンに由来する炭化水素基であることがより好ましい。
くことによって算出することができる。また、R2、R3、およびR4が水素である前記(
A)ジオール基含有ポリオレフィン化合物のエステル形成性誘導体や、R6、R7、およびR8が水素である前記(B)エポキシ基含有ポリオレフィン化合物の場合においても、R1やR5で表される炭化水素基のMwまたはMnを同様に算出することができる。
、ならびにR2、R3、およびR4が水素である(A)ジオール基含有ポリオレフィン化合
物の調製方法について説明する。
の調製方法
本発明において、R6、R7、およびR8が水素である(B)エポキシ基含有ポリオレフ
ィン化合物は、特開2003−73412号公報に記載の方法でR5を主鎖とする末端ビ
ニルオレフィンを合成し、ついで末端ビニル基を過酸化水素などで酸化してエポキシ化して調製することができる。
の調製方法
本発明において、R2、R3、およびR4が水素である(A)ジオール基含有ポリオレフ
ィン化合物は、上記調製方法(1)と同様に末端ビニルオレフィンを合成し、末端ビニル基を過酸化水素などで酸化してエポキシ化した後に、アルコールなどで開環ジオール化して調製することができる。
とができる。
(IV)その他の共重合成分
本発明において、上記(I)芳香族ジカルボン酸類、(II)ジオール類、および(III)共重合性化合物とともに、以下に記載する(IV)その他の共重合成分A、Bを原料として用いてもよい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、上記(III)共重合性化合物と(II)ジオール類の少なくとも一部とを混合し、該(III)共重合性化合物の融点以上に昇温させて共重合性スラリーを調製する工程(以下、「共重合性スラリー調製工程」ともいう。)を有する。
ルを得る事は困難である。
本発明において、共重合ポリエステルを製造する際に、以下に記載する重縮合触媒を用いてもよい。
上記アルミニウム化合物としては、たとえば、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化水酸化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどのハロゲン化アルミニウム化合物;
炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウムなどの無機酸アルミニウム塩化合物;
水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミン酸アンモニウム、アルミン酸ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなどのその他の無機アルミニウム化合物;
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルモキサンなどの有機アルミニウム化合物;
トリフェノキシアルミニウムなどのアリーロキシアルミニウム化合物;
トリス(トリメチルシロキシ)アルミニウム、トリス(トリフェニルシロキシ)アルミニウムなどのシロキシアルミニウム化合物;
酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、有機スルホン酸アルミニウム、有機ホスホン酸アルミニウムなどの有機酸アルミニウム塩化合物;
トリス(ジエチルアミノ)アルミニウム、アルミニウムトリピロリドなどのアルミニウムアミド化合物;
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−2−エチルヘキソキシドなどのアルミニウムアルコキシド類;
およびそれらの加水分解物が挙げられる。
上記チタン化合物としては、たとえば、四フッ化チタン、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、ヘキサフロロチタン酸などのハロゲン化チタン化合物;
α−チタン酸、β−チタン酸、チタン酸アンモニウム、チタン酸ナトリウム、ペルオキソチタン酸錯体、アナターゼなどのチタン酸化合物;
硫酸チタン、硝酸チタン、リン酸チタン、ケイ酸チタンなどの無機酸チタン塩化合物;
テトラメチルチタン、テトラエチルチタン、テトラベンジルチタン、テトラフェニルチタン、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライドなどの有機チタン化合物;
テトラフェノキシチタンなどのアリーロキシチタン化合物;
テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、テトラキス(トリフェニルシロキシ)チタンなどのシロキシチタン化合物;
酢酸チタン、プロピオン酸チタン、乳酸チタン、クエン酸チタン、酒石酸チタン、シュウ酸チタニルカリウム、有機スルホン酸チタン、有機ホスホン酸チタンなどの有機酸チタン塩化合物;
テトラキス(ジエチルアミノ)チタン、チタンテトラピロリドなどのチタンアミド化合物;
下記に詳述されるアルコキシチタン化合物;
およびそれらの加水分解物が挙げられる。
上記アルコキシチタン化合物としては、たとえば、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシドなどのチタンテトラアルコキシド類;
ポリ(ジブチルチタネート)、Ti7O4(OC2H5)20、Ti16O16(OC2H5)32などの縮合チタンアルコキシド類;
クロロチタントリイソプロポキシド、ジクロロチタンジエトキシドなどのハロゲン置換チタンアルコキシド類;
チタンアセテートトリイソプロポキシド、チタンメタクリレートトリイソプロポキシドなどのカルボン酸基置換チタンアルコキシド類;
チタントリス(ジオクチルピロホスフェート)イソプロポキシド、チタン(モノエチルホスフェート)トリイソプロポキシドなどのホスホン酸基置換チタンアルコキシド類;
チタントリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキシドなどのスルホン酸基置換チタンアルコキシド類;
アンモニウムヘキサエトキシチタネート、ナトリウムヘキサエトキシチタネート、カリウムヘキサエトキシチタネート、ナトリウムヘキサ−n−プロポキシチタネートなどのアルコキシチタネート類;
チタンビス(2,4−ペンタンジオナート)ジイソプロポキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドなどのβ−ジケトネート置換チタンアルコキシド類;
チタンビス(アンモニウムラクテート)ジイソプロポキシドなどのα−ヒドロキシカルボン酸置換チタンアルコキシド類;および
チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシド、2−アミノエトキシチタントリイソプロポキシドなどのアミノアルコール置換チタンアルコキシド類などが挙げられる。
これらの中では、四塩化チタン、α−チタン酸、酢酸チタン、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、およびそれらの加水分解物が好ましい。
上記コバルト化合物としては、酢酸塩などの脂肪酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などのハロゲン化物、アセチルアセトナート塩、酸化物などが挙げられる。好ましい具体的な化合物として、酢酸コバルトなどの脂肪酸コバルト塩、炭酸コバルト、塩化コバルト、コバルトのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸コバルトまたは炭酸コバルトが好ましい。
上記アンチモン化合物としては、酸化アンチモン、酢酸アンチモン、塩化アンチモンなどが挙げられ、特に酸化アンチモンまたは酢酸アンチモンが好ましい。
上記ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシドなどが挙げられ、特に二酸化ゲルマニウムが好ましい。
上記アルカリ金属の単体としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの単体が挙げられる。
上記アルカリ土類金属の単体としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの単体が挙げられる。
<改質剤>
本発明においては、必要に応じて以下に記載の改質剤を用いることができる。
本発明においては、必要に応じて鉄、ニッケル、銅その他の金属の化合物を用いることができる。これらの金属の化合物はエステル化反応の触媒として作用することがある。
本発明においては、必要に応じてリン化合物を用いることができる。リン化合物を用いると、共重合ポリエステルの色調などの品質が向上することがある。
トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;
メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、カルシウムビス(モノエチル((3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスフォネート)、ジエチル((3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスフォネートなどの酸性リン酸エステル類;
メチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸などの有機ホスホン酸、およびその塩またはエステル類;ならびに
リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン化合物、およびその塩などが挙げられる。
本発明において、必要に応じて窒素化合物を用いることが出来る。窒素化合物を用いると、副生成物であるエーテル類の生成の抑制や、共重合ポリエステルの色調などの品質が向上することがある。
上記のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物および窒素化合物は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物は、必要に応じて、水、アルコール類などの溶媒で希釈するなど、他の化合物と組み合わせて用いることができる。
本発明において、必要に応じてイオウ化合物を用いることが出来る。イオウ化合物は、重縮合反応の助触媒として作用することがある。
硫化アンモニウム、硫化ナトリウムなどのサルファイド化合物;
亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウムなどのスルフィン酸化合物;
硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類;
硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムリチウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウムなどの硫酸塩;
三酸化硫黄、過硫酸、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウムなどその他の無機硫黄化合物;
硫酸ジメチル、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、などのその他の有機硫黄化合物などが挙げられる。
以下、上述した原料、すなわち(I)芳香族ジカルボン酸類と、(II)ジオール類と、(III)共重合性化合物と、さらに必要に応じて(IV)その他の共重合成分などを用いて共重合ポリエステルを製造する、本発明の共重合ポリエステルの製造方法について詳細に説明する。
通常、ポリエステルの製造方法は、芳香族ジカルボン酸類とジオール類とを含む原料スラリーを調製する工程(以下、「原料スラリー調製工程」ともいう。)、該原料スラリーに含まれる芳香族ジカルボン酸類とジオール類とをエステル化反応(またはエステル交換反応)させて低次縮合物を形成する工程(以下、「エステル化工程」ともいう。)、該低次縮合物を液相重縮合させてポリエステルを製造する工程(以下、「液相重縮合工程」ともいう。)、を有する。また、必要に応じて、ポリエステルを固相重縮合を行う温度より低温で加熱して予備結晶化する工程(以下、「予備結晶化工程」ともいう。)、ポリエス
テルを固相重縮合させる工程(以下、「固相重縮合工程」ともいう。)、ポリエステルに対し熱水または水蒸気により水処理を行う工程(以下、「水処理工程」ともいう。)を有する。
〔態様α〕
本発明の共重合ポリエステルの製造方法の態様αには、原料スラリー調製工程、共重合性スラリー調製工程、該原料スラリーと該共重合性スラリーとを連続的に混合しながらエステル化反応(またはエステル交換反応)させて低次縮合物を形成する工程(以下、「エステル化工程α」ともいう。)、該低次縮合物を液相重縮合させて共重合ポリエステルを製造する工程(以下、「液相重縮合工程α」ともいう。)、が含まれる。また、必要に応じて、予備結晶化工程、固相重縮合工程、水処理工程などが含まれていてもよい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法の態様βには、原料スラリー調製工程、共重合性スラリー調製工程、該原料スラリーと該共重合性スラリーとを混合させ、混合スラリーを調製する工程(以下、「混合スラリー調製工程β」ともいう。)、該混合スラリーに含まれる化合物をエステル化反応(またはエステル交換反応)させて低次縮合物を形成する工程(以下、「エステル化工程β」ともいう。)、該低次縮合物を液相重縮合させて共重合ポリエステルを製造する工程(以下、「液相重縮合工程β」ともいう。)、が含まれる。また、必要に応じて、予備結晶化工程、固相重縮合工程、水処理工程などが含まれていてもよい。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法の態様γには、原料スラリー調製工程、共重合性スラリー調製工程、原料スラリーに含まれる芳香族ジカルボン酸類とジオール類とをエステル化反応(またはエステル交換反応)させて低次縮合物を形成する工程(以下、「エステル化工程γ」ともいう。)、該低次縮合物と該共重合性スラリーとを混合させて混合スラリーを調製する工程(以下、「混合スラリー調製工程γ」ともいう。)、該混合スラリーに含まれる化合物を液相重縮合させて共重合ポリエステルを製造する工程(以下、「液相重縮合工程γ」ともいう。)、が含まれる。また、必要に応じて、予備結晶化工程、固相重縮合工程、水処理工程などが含まれていてもよい。
また、上記重縮合触媒や改質剤は、液相重縮合工程開始時に存在していればよい。このため、上記重縮合触媒や改質剤の添加は、原料スラリー調製工程、共重合性スラリー調製工程、エステル化工程α、液相重縮合工程αなどのいずれの工程で行ってもよい。また、
上記重縮合触媒や改質剤の全量を、前記いずれかの工程に一括で添加しても、複数回に分けて添加してもよい。なお、上記重縮合触媒や改質剤は、あらかじめエチレングリコールなどの脂肪族ジオールに混合した触媒混合物を調製してから添加されることが好ましい。
本工程では、テレフタル酸と、エチレングリコールとを含む原料スラリーを調製する。
このような原料スラリーには、テレフタル酸1molに対して、通常1.005〜1.5mol、好ましくは1.01〜1.2molのエチレングリコールが含まれる。
本工程では、窒素雰囲気下、上記(III)共重合性化合物と上記(II)ジオール類の少なくとも一部とを混合して攪拌し、該(III)共重合性化合物の融点以上の温度にまで昇温して、溶融混合させて混合物を調製する。なお、前記(II)ジオール類の蒸気圧が高い場合、還流器を付けるか、または加圧下で行ってもよい。
前記共重合性スラリーは、(III)共重合性化合物と、(II)ジオール類との重量比((III)/(II))が、通常1×10-6〜1000×10-6、好ましくは10×10-6〜500×10-6の範囲で調製される。前記重量比が前記範囲内にあると、共重合性スラリー液中での(III)共重合性化合物が高分散の状態で維持され、ポリエステル製造工程への(III)共重合性化合物の添加量が安定化するため望ましい。
<エステル化工程α>
本工程では、上記原料スラリーと、上記共重合性スラリーとが連続的に反応器に供給され、上記原料スラリーおよび共重合性スラリーに含まれる化合物をエステル化させる。
(エステル化反応条件)
エステル化反応は通常多段で実施され、第1段目のエステル化反応は、反応温度が通常240〜270℃、好ましくは245〜265℃であり、圧力が通常0.02〜0.3MPaG(0.2〜3kg/cm2G)、好ましくは0.05〜0.2MPaG(0.5〜
2kg/cm2G)の条件下で行われ、また最終段目のエステル化反応は、反応温度が通
常250〜280℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力が通常0〜0.15MP
aG(0〜1.5kg/cm2G)、好ましくは0〜0.13MPaG(0〜1.3kg
/cm2G)の条件下で行われる。
.2〜1.5kg/cm2G)であればよい。
上記エステル化反応の各段階におけるエステル化反応率は、特に制限はされないが、各段階におけるエステル化反応率の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ましい。さらに最終段目におけるエステル化反応率は、通常90%以上、好ましくは93%以上に達する。
本工程では、減圧下で、かつ共重合ポリエステルの融点以上の温度(通常250〜280℃)に加熱することにより、エステル化工程で得られた低次縮合物を重縮合させる。この重縮合反応は、反応系内に含まれる未反応のエチレングリコールを反応系外に留去させながら行われることが望ましい。
重縮合反応は、1段階で行ってもよく、多段階に分けて行ってもよい。例えば、液相重縮合反応が多段階で行われる場合には、第1段目の重縮合反応は、反応温度が通常250〜290℃、好ましくは260〜280℃、圧力が通常0.07〜0.003MPa(5
25〜22.5Torr)、好ましくは0.03〜0.004MPa(225〜30Torr)の条件下で行われる。最終段目の重縮合反応は、反応温度が通常265〜300℃、好ましくは270〜295℃、圧力が通常1〜0.01kPa(7.5〜0.075Torr)、好ましくは0.7〜0.07kPa(5.3〜0.53Torr)の条件下で行われる。
液相重縮合工程で得られる共重合ポリエステル樹脂の固有粘度[IV]は、通常0.40〜1.0dl/g、好ましくは0.50〜0.70dl/gである。なお、この液相重縮合工程の最終段目を除く各段階において得られる共重合ポリエステル樹脂の固有粘度は特に制限されないが、各段階における固有粘度の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ましい。なお、本発明において、固有粘度は、共重合ポリエステル樹脂をフェノール/テトラクロロエタン=1/1(重量比)中、25℃で測定された溶液粘度から算出される。
固相重縮合工程に供給される粒状共重合ポリエステル樹脂は、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化された後、固相重縮合工程に供給されてもよい。
予備結晶化は、粒状共重合ポリエステル樹脂を乾燥状態で通常120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度に、1分から5時間加熱することによって行うことができる。また、このような予備結晶化は、粒状共重合ポリエステル樹脂を水蒸気雰囲気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気下、または水蒸気含有空気雰囲気下で、120〜200℃の温度で1分間以上加熱することによって行うこともできる。
予備結晶化された共重合ポリエステル樹脂は、結晶化度が20〜50%であることが好ましい。ここで、結晶化度はJIS K7112の密度勾配管法で測定した密度を基に計算された値である。
本工程は、少なくとも1段からなり、反応温度が通常190〜235℃、好ましくは195〜225℃であり、圧力が通常120〜0.001kPa、好ましくは98から0.01kPaの条件下、窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。前記不活性ガスとしては、窒素ガスが好ましい。
には、通常、水、エチレングリコール、アセトアルデヒドなどの縮合物や分解物が含有されている。不活性ガスを循環再使用する際には前記縮合物や分解物を含んだ不活性ガスでもよく、または前記縮合物や分解物を除去、精製した不活性ガスでもよい。
合ポリエステル樹脂1kg/hrに対し、通常0.01〜2Nm3/hrである。
固相重縮合工程を経て得られた粒状共重合ポリエステル樹脂には、さらに熱水または水蒸気により水処理を行ってもよい。水処理を行うと、射出成形時の生産性を低下させる原因となる環状三量体の増加を抑制できるため好ましい。
本発明の製造方法で得られる共重合ポリエステル樹脂には、さらに、従来から公知の添加剤(例えば、安定剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤、核剤、染顔料などの着色剤)が添加されてもよい。前記添加剤は、共重合ポリエステル製造時のいずれの段階で添加されてもよく、共重合ポリエステル樹脂の成形加工前にマスターバッチにより添加したものであってもよい。
以上のようにして得られる共重合ポリエステル樹脂中の、上記(III)共重合性化合物に由来する構成単位、および(III)共重合性化合物の含有量を極微量とするには、以下のようにマスターバッチを製造して行うことも可能である。まず、最終的に目的とする共重合ポリエステル樹脂よりも上記(III)共重合性化合物に由来する構成単位、および(III)共重合性化合物を多く含有した共重合ポリエステル樹脂(以下、「マスターバッチ」ともいう。)を予め製造する。次いで、例えば単軸または二軸押出機により前記マスターバッチとポリエステルとを溶融混錬することによって目的とする共重合ポリエステル樹脂を得る。溶融混錬は複数回行い、マスターバッチ中の(III)共重合性化合物に由来する構成単位、および(III)共重合性化合物の含有量を段階的に下げることもできる。
であってもよく、構成単位および固有粘度の少なくとも一方が異なるポリエステルであってもよい。
以上の工程を経て製造される、本発明の製造方法により得られる共重合ポリエステルは、実際には共重合ポリエステルと、金属成分、不純物その他の化合物との混合物である共重合ポリエステル樹脂として得られる。以下、前記共重合ポリエステル樹脂について、説明する。
また、前記共重合ポリエステル樹脂は、製造されるチップの性質のばらつきがほとんどなく、一様に結晶化速度を変えることができる。また、マスターバッチを用いた場合でも、共重合ポリエステル樹脂に対する熱履歴を受けたチップの量が少ないため、成形品の色相などに影響を及ぼさない。
上記共重合ポリエステル樹脂に含まれる環状三量体の含有量は、0.5重量%以下であることが好ましく、0.4重量%以下であることがより好ましい。前記環状三量体の含有量が前記値以下の共重合ポリエステル樹脂を用いると、共重合ポリエステル樹脂を成形する際に使用される金型などが汚染されにくく、しかも中空成形体の胴部が白化しにくいので好ましい。共重合ポリエステル樹脂中の環状三量体の含有量は、例えば固相重縮合温度を高くし、さらに固相重縮合時間を長くすることにより低減することが可能である。
上記共重合ポリエステル樹脂に含まれる(III)共重合性化合物に由来する構成単位、および(III)共重合性化合物の含有量は、通常0.001〜50000wppm、好ましくは0.002〜50wppm、より好ましくは0.003〜1wppm、さらに好ましくは0.005〜0.1wppm、特に好ましくは0.005〜0.05wppmである。
上記重縮合触媒や改質剤を使用する場合、使用する重縮合触媒や改質剤に含まれる金属元素が、共重合ポリエステル樹脂中には、通常、以下に記載の量で含まれる。
本発明の製造方法で得られる共重合ポリエステル樹脂の固有粘度は、通常0.60〜2.0dl/g、好ましくは0.70〜1.5dl/g、より好ましくは0.70〜0.95dl/g、さらに好ましくは0.75〜0.85dl/gの範囲にある。
本発明の製造方法で得られる共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、通常50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
上であることが好ましく、1.38〜1.43g/cm3であることがより好ましく、1
.39〜1.43g/cm3であることがさらに好ましい。
、ポリオレフィン成分とは、未反応のまま共重合ポリエステル樹脂に取り込まれた前記(III)共重合性化合物や、(III)共重合性化合物を調製する際に原料として用いられ、不純物として含まれるポリオレフィンなどを指す。前記ポリオレフィン成分の抽出量が0.001wppmを超える場合は、中空成形容器の口部の機械的強度が劣る、またはチップ間の結晶化速度にばらつきが生ずるなどの不具合がある。
上記共重合ポリエステル樹脂は、ボトルなどの中空成形容器を効率よく製造することができるような適切な半結晶化時間t1/2および結晶化温度Tccを有している。
また、昇温時の結晶化温度Tcc(℃)と、半結晶化時間t1/2(sec)とが、以下の関係式を満たすことが好ましい。
一般に、付加機能を与えるなどの目的でポリエステルに添加剤を添加すると、該ポリエステル樹脂から形成される成形体の透明性に関しては、無添加のポリエステルよりも劣り、成形体の透明性が悪くなる。ポリエステルに単純なポリオレフィンを添加した場合においても、使用に差し支えない透明性を保持してはいるものの、無添加のポリエステルのみを成形した場合と比較すると、透明性が劣るものである。
を示し得ないためであると考えられる。
本発明の製造方法で得られる共重合エステル樹脂は、特に色相および透明性に優れ、ボトルなどの中空成形品の原材料として用いることが特に好ましい。
例えば、ボトルを成形する場合には、上記共重合ポリエステル樹脂を溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法、上記共重合ポリエステル樹脂から射出成形によりプリフォームを製造し、該プリフォームを延伸適性温度まで加熱し、次いでプリフォームを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法などがある。
(GPC分析方法)
ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)(ミリポア社製、GPC−150)を用いて下記の条件の下で測定を行った。
カラム温度:140℃
移動相:オルトジクロルベンゼン(和光純薬社製)
酸化防止剤:ブチルヒドロキシトルエン(武田薬品工業社製)0.025質量%
移動速度:1.0ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料注入量:500μl
検出器:示差屈折計
較正用標準試料:ポリスチレン
((III)共重合性化合物に由来する構成単位、および(III)共重合性化合物の定量)
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂に含まれる(III)共重合性化合物に由来する構成単位、および(III)共重合性化合物の含有量は、これらが製造過程において全量残留すると推定されるため、仕込み量と同量とした。
リンの定量:シート状に溶融成形した共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて、蛍光X線分析により、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂に含まれるリン元素を定量した。
(環状3量体の定量)
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂0.1gをオルトクロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロフランで再析出してろ過して線状ポリエステルを除いた後、ろ液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製、LC7A)に供給して共重合ポリエチレンテレフタ
レート樹脂に含まれる環状3量体を定量した。
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の密度は、JIS K7112の密度勾配管法により測定した。
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂0.5gをフェノール/テトラクロロエタン(1/1重量比)混合溶媒100mlに加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から固有粘度[IV]を算出した。
真空下にて140℃、16時間乾燥した試料を、シリンダー温度285℃の射出成形機(名機製作所製、M−70B)を用いて金型温度10℃の条件で、段付角板を成形し、5mm厚部分の透明性をヘイズ値(白色光の光線乱反射率)で比較した。
真空下にて150℃、16時間乾燥した試料を、シリンダー温度285℃の射出成形機(名機製作所製、M−70B)を用いて金型温度10℃の条件で、重量32gのプリフォームを成形した。
真空下にて150℃、16時間乾燥した試料を、シリンダー温度285℃の射出成形機(名機製作所製、M−70B)を用いて金型温度10℃の条件で、重量32gのプリフォームを成形した。
固相重縮合の重縮合速度は、固相重縮合前後の共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度差(dl/g)を固相重縮合反応時間(hr)で除して算出した。
(片末端二重結合含有エチレン系重合体(P−1)の合成)
触媒として使用した下記(ii)式で表される化合物は以下の様に合成した。
MRにより確認した。
により確認した。
ートクレーブ内の圧力を34kg/cm2Gに昇圧し、MMAO(東ソーファインケム社
製)のヘキサン溶液(アルミニウム原子換算で1.00mmol/ml)1ml(アルミニウム原子換算で1mmol)を圧入し、ついで化合物(i)のトルエン溶液(0.0001mmol/ml)3.0ml(0.0003mmol)を圧入し、重合を開始した。エチレンガス雰囲気下、150℃で30分間重合を行った後、少量のメタノールを圧入することにより重合を停止した。得られたポリマー溶液から溶媒を留去してポリマーを析出させた。その後、前記ポリマーを80℃にて10時間減圧乾燥することにより、片末端二重結合含有エチレン系重合体(P−1)30.45gを得た。
1000mlセパラブルフラスコに、上記で得られた片末端二重結合含有エチレン系重合体(P−1)100g、トルエン300g、Na2WO4・2H2O 1.79g(5.
4mmol)、CH3(nC8H17)3NHSO4 1.27g(2.7mmol)、および85%リン酸0.23g(2.7mmol)を仕込み、撹拌しながら30分間加熱還流し、該片末端二重結合含有エチレン系重合体(P−1)を完全に溶解させた。前記セパラブルフラスコの内温を90℃にした後、30%過酸化水素水37g(326mmol)を3時間かけて滴下した後、内温90〜92℃で3時間撹拌し、反応混合物を調製した。
系重合体(P−1)の末端オレフィンが100%、エポキシ基に変性していることが確認された。したがって、このエポキシ変性体は、下記化学式(B−1)で表されるエポキシ基含有重合体(B−1)である。
その後、上記セパラブルフラスコの内温を85℃に保ったまま、上記反応混合物に25%チオ硫酸ナトリウム水溶液34.4g(54.4mmol)を添加し、30分撹拌した
。過酸化物試験紙で反応系内の過酸化物が完全に分解されたことを確認した。前記セパラブルフラスコの内温を80℃に冷却後、2−プロパノールを30分かけてゆっくり加えながら生成物を晶析させ、そのスラリー液を65℃で1時間撹拌した後、固体をろ取し、2−プロパノールで洗浄した。得られた固体を室温で、50%メタノール水溶液中で撹拌し、固体をろ取し、メタノールで洗浄した。
。
融点(Tm):119℃
Mw=1500
Mw/Mn=2.02(GPC)
エポキシ基含有重合体(B−1)の融点、分子量などの物性は以下の通り。
Mw=1500
Mw/Mn=1.96(GPC)
α,β−ジオール重合体(A−1)の構造式:
エポキシ基含有重合体(B−1)の構造式:
[実施例1]
(原料スラリー調製工程)
毎時高純度テレフタル酸1437重量部とエチレングリコール645重量部とを混合して原料スラリーを調製し、エステル化工程に連続的に供給した。
α,β−ジオール重合体(A−1)をエチレングリコールに30wppmとなる量で配合して混合物を調製した。
重合性スラリーを調製した。前記共重合性スラリーは、エステル化工程に連続的に供給された。
第1、第2、第3、第4および第5の反応器が槽型であり、また第6の反応器が二軸回転式の横型反応器からなる連続重縮合装置を用いて、以下の通り操作して連続重縮合を行い、共重合ポリエチレンテレフタレートを製造した。
予め3750重量部の反応液が滞留されており、撹拌下、窒素雰囲気下に、255℃、1.7kg/cm2Gの条件下に維持された第1反応器に、上記で調製した原料スラリー
を供給した。
Gの条件下に維持された第2反応器に供給された。
(液相重縮合工程)
第4反応器においては、毎時62重量部のエチレングリコールと6重量部の水との混合液が連続的に留去されて第1段目の重縮合反応が行われた。また、この第1段目の重縮合反応物は、平均滞留時間が1.0時間となるように制御され、連続的に撹拌下280℃で5Torrに維持された第5反応器に供給された。
混合液が連続的に留去されて第3段目の重縮合反応が継続された。また、この第3段目の重縮合反応物は、平均滞留時間が2.5時間となるように制御され、連続的にポリエステル抜き出し装置によって、反応器外にストランド状で抜き出され、水中に浸漬されて冷却された後、ストランドカッターによってチップ状に裁断された。
(予備結晶化工程、固相重縮合工程、水処理工程)
さらに、こうして液相重縮合を終えた共重合ポリエチレンテレフタレートを含む共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を、窒素雰囲気下約170℃で約2時間乾燥するとともに結晶化を行った後、塔型の固相重合器に装填し、窒素雰囲気下215℃で15時間固相重縮合を行った。重縮合速度は、0.013dl/g・時間であった。
%であった。
最終的に得られた共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化温度Tcc、半結晶化時間t1/2、ヘイズ値の平均値と標準偏差を算出した。結果を表1に示す。また、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂のゲルマニウム含有量、リン含有量、固有粘度、ガラス転移点、融点、密度、環状3量体含有量の測定結果を表1に示す。
α,β−ジオール重合体(A−1)の代わりに、エポキシ基含有重合体(B−1)に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
α,β−ジオール重合体(A−1)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
α,β−ジオール重合体(A−1)をエチレングリコールに30wppmとなる量で配合し、常温のままで攪拌することで調製した共重合性スラリーを用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Claims (4)
- (I)芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、
(II)ジオールまたはそのエステル形成性誘導体(ただし、下記(III)共重合性化合物を除く。)と、
(III)下記一般式(A)で表される化合物、そのエステル形成性誘導体、および下記一般式(B)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合性化合物と、
を重合させて共重合ポリエステルを製造する方法において、
該(III)共重合性化合物と、該(II)ジオールまたはそのエステル形成性誘導体の少なくとも一部とを混合し、該(III)共重合性化合物の融点以上に昇温させて共重合性スラリーを調製する工程を有することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
また、R1〜R4は、一部が互いに結合して環を形成していてもよい。]
また、R5〜R8は、一部が互いに結合して環を形成していてもよい。] - 前記一般式(A)で表される化合物のR2、R3およびR4が水素であり、前記一般式(B)で表される化合物のR6、R7およびR8が水素であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記共重合スラリーにおいて、前記(III)共重合性化合物と、前記(II)ジオールまたはそのエステル形成性誘導体との重量比((III)/(II))が、1×10 -6 〜1000×10 -6 であることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- 前記共重合スラリーを調製する工程において、前記(III)共重合性化合物の融点以上300℃以下に昇温させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
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