JP5037307B2 - インクジェット用o/wエマルションインク及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
水性インクジェットインクは、普通紙を用いて印字を行う場合には、滲みが少なく、高画像濃度、裏抜けが少ない等のメリットを有している。
しかし、写真や図等、印刷の際にインク付着量が多い場合には、記録用紙がカールしやすいという問題があった。記録用紙がカールすると、インクジェットプリンター機上での用紙搬送に支障を来たし、特に高速印刷や両面印刷の際には、用紙搬送が困難となるおそれがある。
特にラインヘッド搭載の高速インクジェットプリンターにおいては、そのニーズがシリアルプリンターに比べて一段と高い。記録用紙のカールを抑制するためには、インク中に分子量が8万〜25万程度のビニルピロリドンとアクリル酸共重合ポリマーを含有させる方法(例えば、下記特許文献1参照。)、平均粒子径が5〜100nmのコロイダルシリカと顔料を含有させる方法(例えば、下記特許文献2参照。)、金属酸化物コロイドとSP値が8以上12未満の水溶性有機溶剤を含有させる方法(例えば、下記特許文献3参照。)等が提案されている。
また、インク中に大量の固形分を投入してセルロース分子間へのインク溶剤(アルコール系あるいは水等)の浸透を十分に抑えようとすると、インクジェットヘッドからの連続吐出性、及び放置吐出性が悪化するという問題が生じた。
(a)水と、少なくとも1種類以上の顔料と、少なくとも1種類以上のイオン性界面活性剤あるいはノニオン性界面活性剤とを含有する水性の連続相。
(b)水酸基を有する水不溶性有機物を少なくとも1種類以上含有する非水性の不連続相。
詳細には、水性の連続相に、水酸基を持つ水不溶性有機物を少なくとも1種類以上含む非水性の不連続相を、分散エマルション化させた構成としたので、不連続相である水酸基を持つ水不溶性有機物がセルロース分子間へ浸透し、セルロース分子間の水素結合を水不溶性部でカバーし、水性の連続相(アルコール系あるいは水等)の浸透が抑えられた。これは、水不溶性有機物はその水不溶性からもわかるように水素結合部分が少なく、結果、表面張力が低くセルロース分子間へ先行浸透しやすいためである。また、水不溶性有機物の水酸基がセルロース分子の水酸基に水素結合しセルロース分子部分に留まり、水不溶性有機物の水不溶性部がセルロース分子の水素結合をカバーし、水性の連続相(アルコール系あるいは水等)の接触を阻害するためである。
更に、セルロース分子の水素結合をカバーし、水性の連続相(アルコール系あるいは水等)の接触を阻害しているものが、o/wエマルションの不連続相すなわち液体であることから、仮に水性の連続相が揮発しても固形分の析出、固化、流動性の低下が起こりにくくなり、連続吐出性及び放置吐出性は良好な特性となった。
すなわち、(a)水と、少なくとも1種類以上の顔料と、少なくとも1種類以上のイオン性界面活性剤あるいはノニオン性界面活性剤とを含有する水性の連続相と、(b)水酸基を有する水不溶性有機物を少なくとも1種類以上含有する非水性の不連続相とを有している。
図1に、本発明のインクジェット用o/wエマルションインクの構成モデル図を示す。
以下、構成要素について詳細に説明する。
本発明のo/wエマルションインクに適用する顔料としては、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
白黒用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(シ゛スアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッドB(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメンバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:127(紺青)、28(コバルトブルー)、29(群青)、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が挙げられる。
本発明においては、イオン性界面活性剤あるいはノニオン性界面活性剤を使用する。
添加量は、十分な濡れ性を確保するために、0.01〜10wt%とし、望ましくは0.1〜8wt%とする。
イオン性界面活性剤のうち、アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca)ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ノニオン界面活性剤としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンアルキルアミンオキサイド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(高級アルキルスルホン酸塩)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ソルビタン脂肪酸エステル)が特に好適である。
この水不溶性有機物としては、通常、油中水型のエマルションを形成する目的で使用される乳化剤が用いられ、特に非イオン界面活性剤が望ましい。
具体的には、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノステアレート、デカグリセリルトリオレエート、ヘキサグリセリンポリリシノレート等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン植物油脂肪酸エステル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン、硬化ヒマシ油及び高級アルコール等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、二種以上を混合して添加して良い。
これらの中でも、ヘキサグリセリンポリリシノレート(=多価アルコールヒドロキシ脂肪酸エステル)が特に好ましい。
なお、o/wエマルションインク中の、(b)の非水性の不連続相の量比は、1〜74wt%であることが好ましい。上限74wt%は非水性の不連続相が最密充填された場合の量であり、最密充填された場合の量を超えるとエマルションとしての安定性が低下して連続吐出性が低下するおそれがある。他方、下限1%未満であるとカール発生の低減化効果が十分に得られないおそれがある。
この水溶性有機溶剤は、蒸発防止剤又は凍結防止剤としての機能を有する。
具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
上記水溶性有機溶剤の、本発明インク中の添加量は、40質量%以下が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。
(a)の連続相に対しては、水溶性高分子化合物を加えても良い。
この水溶性高分子化合物としては、特に制限されるものではなく、公知の材料を適宜用いることができる。例えば、天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物等が挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等が挙げられる。
前記半合成高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
前記合成高分子化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子化合物等が挙げられる。
前記水溶性高分子化合物は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、添加量は10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
樹脂の材料としては、特に制限されるものではなく、従来公知の材料から適宜選択できる。
例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。
これらは、単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
油溶性高分子化合物としては、油性インクに普通に用いられる高分子化合物等が挙げられる。
ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂。ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂。マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、環化ゴムなどのゴム誘導体樹脂、テルペン樹脂、アルキド樹脂、重合ひまし油等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、二種以上を混合して添加してもよい。
図2(a)に示すように、記録用紙を構成する植物繊維は、フィブリルと呼ばれる糸状構造からなり、フィブリルはさらに直径数〜20nm、長さ1〜数μmのミクロフィブリルからなり、ミクロフィブリルはさらに数〜数十本のエレメンタリーフィブリルからなる。
図2(b)に示すように、エレメンタリーフィブリルは、数十本の並列に配列しているセルロース分子からなる。このとき隣接するセルロース分子間では、強固な水素結合が形成され、直径3〜4nmほどの束を形成する。
図2(c)に、セルロース分子間への、水と水酸基をもつ水不溶性裕k物の働きかけの違いを示す。
図2(c)の式は、セルロース2分子の構造を示す。分子間には水素結合が生じている。
水素結合(1)はセルロース分子間の通常の水素結合状態を示す。
水素結合(2)はセルロース分子間の水素結合に水分子が介在し、更にその水分の蒸発によって水素結合の位置が変更された状態を示す。この現象をさらに説明すると、水が紙に浸潤し、図示のようにセルロース間の結合が切断される。これにより繊維が緩み伸長する。ここで、水が乾燥や移動によってその場から消失すると、繊維が縮み、切断された水素結合は再結合する。しかし、紙が製紙時に加えられるような圧力は加わらず、この乾燥過程では繊維が自由なゆるい状態位置で水素結合され、異なった紙形状となる。すなわち記録用紙にカールが発生する。
水素結合(3)は、セルロースの水素結合に関与していない水酸基に水酸基をもつ水不溶性有機物が介在し、更にセルロース分子間への水分子の進入を防止している状態を示す。
なお、図2中、破線は水素結合を示し、Rはアルキル基を示している。
図3に、ラインヘッド型印字装置の一例の概略構成図を示す。
この印字装置において、給紙トレイ1は、圧板2と記録用紙3を給紙する給紙回転体4とがベース5に取り付けられた構成を有している。
圧板2は、ベース5に取り付けられた回転軸aを中心に回転可能となされており、圧板ばね6により、給紙回転体4に付勢されている。
この給紙回転体4と対向する圧板2の部位には、記録用紙3の重送を防止するため、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッド(図示せず)が設けられている。
また、圧板2と給紙回転体4の当接を解除するためのリリースカム(図示せず)が設けられている。
上記構成の印字装置において、先ず、待機状態では、リリースカムが圧板2を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板2と給紙回転体4の当接は解除される。この状態で、搬送ローラ7からの駆動力がギア等により給紙回転体4及びリリースカムに伝達されると、リリースカムが圧板2から離れて圧板2は上昇し、給紙回転体4と記録用紙3が当接するようになされる。
給紙回転体4の回転に伴い、記録用紙3は、ピックアップされ給紙を開始し、所定の分離爪(図示せず)により1枚ずつ分離される。
給紙回転体4は、搬送ガイド8、9を経由して、記録用紙3をプラテン10に送り込むべく回転する。
記録用紙3は、搬送ガイド8、9の間を通過し、搬送ローラ7まで導かれ、この搬送ローラ7とピンチローラ11とにより、プラテン10まで搬送される。
その後、再び記録用紙3と給紙回転体4との当接を解除した待機状態となって、搬送ローラ7からの駆動力が切られる。
手差し給紙用の給紙回転体12は、手差しトレイ13上に搭載された記録用紙3を、コンピュータの記録命令信号に従って給紙回転体12で給紙し、搬送ローラ7へ搬送する機能を有している。
プラテン10まで搬送された記録用紙3は、ラインヘッド14の下を通過する。ここで、記録用紙搬送の速度と、液滴吐出のタイミングは、所定の電気的回路(図示せず)により制御された信号に基づいて決定され、これにより所望の画像が形成される。
これらにおいては、水性インクを作製する。
水に溶剤と顔料、比較例2においてはo/w型樹脂エマルションを投入し、ディゾルバー(DISPERMAT−FE)で撹拌分散し、顔料分散液を作製した。これを3μmフィルターで濾過し、水性インクジェット用インクを得た。
これらにおいては、o/wインクを作製する。
非水性の不連続相となる水不溶性有機物に顔料分散剤、顔料を加え、3本ロール(井上製作所S−4・3/4×11)で練肉し、顔料分散体を作製する。この顔料分散体にさらに水不溶性有機物を加えディゾルバー(DISPERMAT−FE)で撹拌分散し、油相とする。これを水、水溶性有機溶剤、樹脂、顔料、乳化剤からなる水相に加え、真空乳化撹拌装置(みづほ工業PVQ−3UN)で乳化し、その後3μmフィルターを用いて濾過を行い、インクジェット用o/w(=水中油型)エマルションインキを得た。
上述のようにして作製した実施例1〜7、及び比較例1〜4のインクについて、ラインヘッド型の印字装置を用いて、ヘッドからの連続吐出性についての評価を行った。
プリンタ:試作ラインヘッド印字装置
記録用紙:株式会社リコー製 TYPE6200 PPC用紙
印刷条件:23℃/65%
上記の条件により、記録用紙1000枚に対して印字を行った後、ドット径変化率(%)を5段階で評価した。
評価基準は、5%未満=5、5以上10%未満=4、10以上15%未満=3、15以上20%未満=2、20%以上=1とする。
上述のようにして作製した実施例1〜7、及び比較例1〜4のインクを用いて、印刷を行い、記録用紙のカール量を評価した。
プリンタ名:試作ラインヘッド印字装置
記録用紙:株式会社リコー製 TYPE6200 PPC用紙
印刷条件:23℃/65%
上記条件により、記録用紙の片面にベタ印字し、印刷面を上に30分間平置きして乾燥させて用紙端の捲れ上がり量を5段階で評価した。
評価基準は、3mm未満=5、3以上6mm未満=4、6以上9mm未満=3、9以上12mm未満=2、12mm以上=1とする。
1,3−BD=1,3−butandiol
c=シアン、m=マゼンタ、y=イエロー、k=クロ
PB15:3=C.I.Pigment Blue 15:3(phthalocyanine
blue)
DQ122=C.I.Pigment Red 122(dimethyl
quinacridone)
MA74=C.I.Pigment Yellow 74(monoazo)
酸性CB=酸性カーボンブラック(cabon black)
DO−S:ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(Sodium dioctyl
sulfosuccinate)
EO−SML:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
n-PO:パラフィンオイル
NO:ナフテンオイル
STO:ソルビタントリオレエート
HGPR:ヘキサグリセリンポリリシノレート(多価アルコールヒドロキシ脂肪酸エステル)
また、下記表中に示されている自己分散系顔料は、それぞれ種類ごとに下記の材料を使用した。
自己分散系顔料(CAB−O−JET250:Cabot製、PB15:4、平均粒径0.091μm)
自己分散系顔料(CAB−O−JET260:Cabot製、PR122、平均粒径0.105μm)
自己分散系顔料(CAB−O−JET270:Cabot製、Py74、平均粒径0.137μm)
自己分散系顔料(CAB−O−JET300:Cabot製、Carbon Black、平均粒径0.130μm)
但し、(b)の非水性の不連続相が74%を超えている実施例7は、実施例4に比較して連続吐出性において若干の劣化が確認された。
非水性の不連続相を有さない水性インクであって、かつエマルション樹脂を含有しないものとした比較例1においては記録用紙のカール量の低減化が図られなかった。
また、エマルション樹脂を含有したが、非水性の不連続相を有していない比較例2においては、実用上良好な連続吐出性が確保できなかった。
また、非水性の不連続相中における水不溶性有機物が、水酸基を有さないものであるとした比較例3、4においては、連続吐出性と記録用紙のカール量とのいずれかにおいて、実用上満足な特性が得られなかった。
2 圧板
3 記録用紙
4 給紙回転体
5 ベース
6 圧板ばね
7 搬送ローラ
8 搬送ガイド
9 搬送ガイド
10 プラテン
11 ピンチローラ
12 給紙回転体
13 手差しトレイ
14 ラインヘッド
Claims (5)
- (a)水と、少なくとも1種類以上の顔料と、少なくとも1種類以上のイオン性界面活性剤あるいはノニオン性界面活性剤とを含有する水性の連続相と、
(b)水酸基を有する水不溶性有機物を少なくとも1種類以上含有する非水性の不連続相、によりなることを特徴とするインクジェット用o/wエマルションインク。 - 前記(b)の非水性の不連続相が、1〜74%であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記(b)に含有されている水酸基を持つ水不溶性有機物が、多価アルコールヒドロキシ脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記(a)の水性の連続相が、不揮発性の水溶性有機溶剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインクを使用し、
ライン状に固定されたインクジェットヘッドからのインクを吐出することにより、記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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