JP2993096B2 - インクジェットプリンタ用インク - Google Patents

インクジェットプリンタ用インク

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はインク滴を飛翔させ記録紙等の被転写媒体上
に文字や画像を形成するインクジェット記録装置に供す
るインクに関する。
[従来の技術] 従来、インクジェット記録方式としてはコンティニュ
アスタイプとオンデマンドタイプの2つの方式に大別す
る事ができる。この様なインクジェット方式に用いるイ
ンクとしては、染料を水に溶解させたインクが主流を占
めている。
水性インクは、各種の水溶性染料を水または水及び水
溶性有機溶剤からなる溶媒中に溶解、必要により各種添
加剤が添加されたものが現在用いられている。これらの
インクジェット記録の長所としては、直接記録であるた
めプロセスが簡単である、インパクト方式ではないため
に無騒音である、カラー化が容易である、高速記録が可
能である、微小インク滴を吐出させるために高解像の記
録が可能である等の優れた特徴を有しておりその将来性
が注目されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前述の従来技術では、方式の違いにより多少
異なるが、インクジェット記録はインクが被転写媒体に
しみこむことによって記録されることから、被転写媒体
の種類によってはインクが滲み記録ドットの周辺が不鮮
明で印字品質が低下し高品位な記録画像が得られないと
いう課題をもっている。
そこで、上記問題点を解決しようとする試みも行われ
ており、例えば、特公昭55−29546号公報には、特定の
界面活性剤を添加し、表面張力を下げてインクの被転写
媒体への吸収性を高めたものが提案されており、特公昭
56−57862号公報には、強塩基性物質を添加しpHをあ
げ、普通紙の耐水処理剤であるサイズ剤やパルプ剤を化
学的に溶解し、ドットの広がりと吸収性を制御する方法
が報告されており、また特公昭58−13675号公報には、
インク中に分子量4万以上のポリビニルピロリドンを入
れ、ドットの広がりと被転写媒体への吸収性を制御する
方法が提案されているが、これらの試みは上記問題点を
完全に解決する対策とはなっていない。
また、インクジェット用インクは水性インクが主流を
占めており、水性インクは先に述べたように被転写媒体
にしみこむことによって記録されるため、インクがしみ
こむことができない被転写媒体、具体的にはOHPシート
やカレンダー紙等には印字が困難な上、印字ができても
耐擦性が確保されないという課題も持っている。また、
水性インクにおいてはインクの主成分が水であるため
に、インク自体の沸点が低くまた飽和蒸気圧が高い為
に、インク吐出ヘッドノズル部でのインクの乾燥が起こ
り、その結果インクの吐出不良が起こるという問題点を
有している。
そこで、本発明はこれらの課題を解決するものであ
り、その目的とするところは、記録ヘッドから微小液滴
インクを吐出させ、被転写媒体上に該インクを付着させ
印字を行なうインクジェット記録方式において、被転写
媒体、特に普通紙に対して文字・画像の滲みが発生しな
い高濃度で鮮明な印字を可能にし、その上OHPシート等
にも印字可能なインクジェットプリンタ用インクを提供
することにある。さらには、被転写媒体上では乾燥速度
が高く、吐出ヘッドノズル部では乾燥速度が遅くノズル
の目詰まり等を抑制し吐出安定性に優れるインクジェッ
トプリンタ用インクを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明のインクジェットプリンタ用インクは、顔料
と、樹脂と、非極性の絶縁性溶剤としてオレフィン変性
シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリ
エーテル変性シリコーンオイルのいずれかを含んでなる
ことを特徴とする。
[作用] 本発明のインクジェットプリンタ用インクの溶剤成分
はシロキサン結合を持つ為に外力に対して安定してい
る。この為、沸点が高く、飽和蒸気圧が低い等の性質を
有する。この溶剤をインクジェットプリンタ用インクの
主成分とすることにより、吐出ヘッドノズル部でインク
乾燥が起こりにくくインクの安定吐出が可能となる。ま
た被転写媒体上においての、インクの乾燥性は、本発明
のインクの添加物の組合せにより高い乾燥性を持つよう
になる。つまり、本発明のインクジェットプリンタ用イ
ンクは、その組成中に樹脂を含むことにより、色材であ
る顔料の被転写媒体上での拡散を抑え、絶縁性溶剤だけ
が顔料と分離して被転写媒体上に広がるという現象が起
こり、揮発分が空気に晒される面積が大きくなるため、
インクの乾燥速度があがる。要するに通常のインクジェ
ットプリンタ用の水性インクに比較すると、インクとし
て吐出ヘッドノズル近傍あるいはキャビティー内やイン
ク保管タンク内に蓄えられている場合には乾燥速度が遅
く、被転写媒体上では溶剤の空気に晒される面積が大き
くなることと被転写媒体への溶剤分だけの染み込みによ
り、インクの乾燥性は高くなり印字速度の高速化とイン
クの安定吐出の両立が可能となる。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
本発明のインクは、既知の方法で調製することがで
き、溶剤に樹脂を加え、必要に応じて分散剤を加え溶解
あるいは半溶解させた後、顔料を添加し、ボールミル、
アトライター、サンドミル等の分散ミルで処理し、均一
分散系とし、必要に応じて巨大粒子、ゴミ等を除くため
フィルター等を通して濾過した後得ることができる。
インク物性としては、動作時の温度を0〜50℃に設定
した場合におけるインク粘度は、ヘッドの高速応答下に
おけるインクの供給安定性及びインクの滴形成飛翔安定
性により吐出時ノズル付近に於て20mPa・s以下が必要
であり、更により高速応答性実現の為には2.0〜10.0mPa
・sがより好ましい。
以下にインクの成分について具体的に例示するがこれ
に限定されるものではない。
顔料としては無機顔料(カーボンブラック)、有機顔
料(不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニン系
顔料、イソインドリノン系高級顔料、キナクリドン系高
級顔料、ペリノン・ペリレン系高級顔料)等がある。そ
のほか粒子表面を樹脂等で被覆した加工顔料も使用でき
る。これらは場合によって二種以上を混合して用いるこ
ともできる。
樹脂としては、具体的にはエチルセルロース、ポリア
クリルエステル、アマニ油片変性アルキッド樹脂、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポ
リアミド樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン樹脂、テ
ルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール変性キシレ
ン樹脂等の極性樹脂顔料良好である。これらの樹脂は印
字後のブロッキングの点からみると、樹脂の融点あるい
は軟化点は50℃以上が好ましい。これらの樹脂は場合に
よっては2種類以上組み合わせて用いることも出来る。
シロキサン結合を持つ絶縁性溶剤の必要な特性として
は、毒性が少ないこと、引火性が低いこと、臭気が少な
いことである。例をあげると、オレフィン変性シリコー
ンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ
変性シリコーンオイルがあげられる。
また、必要に応じて適宜添加される分散剤としては、
前記溶剤に相溶、または安定的に微粒子分散できるもの
であればよく、その具体的な例としてはソルビタン脂肪
酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタ
ントリオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ート等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(ポ
リオキシエチレンモノステアレート、ポリエチレングリ
コールジイソステアレート等)、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル等)などのノニオン活性剤が適している。又、
これらは場合によって二種以上混合して用いることがで
きる。
第1表の実施例1〜実施例5に示す組成からなるイン
ク組成物を調製し評価用インクを調整した。
そして、インクジェット記録装置により、一般上質
紙、ボンド紙、PPC紙、OHPシート等の各種被転写媒体に
対してビットイメージ印字、文字印字等を行った後、a1
〜a4の評価を行った。
(a1)印字滲み性:各種被転写物に対して印字後、目視
あるいは顕微鏡観察によりインクの滲みの有無を評価
し、 ・目視あるいは顕微鏡観察によっても印字に滲みが見ら
れない ・・・好適(◎) ・顕微鏡観察により印字に滲みが見られる ・・・適(○) ・目視によって印字に滲みが見られる・・・不適(×) によって分類し評価した。
(a2)印字耐擦性:各種被転写物に対しての印字後、印
字面をクリップで200kg/cm2の荷重をかけて擦ることに
よる汚れの発生の有無を擦る回数によって評価し、 ・30往復以上摩擦後発生なし ・・・好適(◎) ・20〜30往復摩擦後発生有り ・・適(○) ・20往復以下摩擦後発生有り ・・・不適(×) によって分類し評価した。
(a3)印字物乾燥速度:A4サイズの被転写媒体にベタ印
字を行い、指先で軽く擦り、指先にインクが付着しなく
なるまでの時間により、 ・10秒以内 ・・・好適(◎) ・10〜30秒 ・・・適(○) ・30秒以上 ・・・不適(×) によって分類し評価した。
(a4)ノズル目詰まり:インクジェット記録装置にイン
クを充填し、50℃の環境にノズルにキャップのない状態
で1カ月放置し、インクの吐出状況を評価し、 ・すぐに吐出 ・・・好適(◎) ・少しおいてあるいはゴム板で擦り吐出・・・適(○) ・吐出しない ・・・不適(×) によって分類し評価した。
この結果を第1表に示す。
(比較例) また、同様に比較例として、市販水性インク1、市販
水性インク2についてそれぞれの専用のインクジェット
記録装置を使って印字等を行った後、同様にa1〜a4の評
価を行った。
この結果も第1表に示す。
表から明らかなように、本発明のインクは、全ての評
価において良好な結果を示している。
[発明の効果] 以上述べてきたように、本発明のインクジェット用イ
ンクは、従来から問題とされている被転写媒体特に普通
紙に対する滲みがなく、高濃度で鮮明な印字を可能に
し、その上、OHPシート等にも印字可能であり、耐擦性
を有し、かつ目詰まりもなくインクの安定吐出が可能に
なるという効果を有している。また、いうまでもないが
顔料を用いたことにより耐光性も従来のインクに較べ向
上するといった効果も有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料と、樹脂と、非極性の絶縁性溶剤とし
    てオレフィン変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコ
    ーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルのいず
    れかを含んでなるインクジェットプリンタ用インク。
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