JP5169161B2 - インクジェット用o/wエマルションインク及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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かかる要望に鑑みて、水性の連続相と非水性の不連続相とを具備しているインクジェット用o/wエマルションインクが開発され、記録用紙への定着性の向上を図るべく、結合剤樹脂の分子構造についての改良研究がなされた。具体的には、水性の連続相が水に溶解及び/または分散してなる樹脂を含有しているもの(例えば、下記特許文献1参照。)や、非水性の不連続相がイオン重合体を含有しているもの(例えば、下記特許文献2参照。)が提案された。
優れた連続吐出性を維持するためには、プリンタ機上、すなわちインクジェットヘッドノズル部における揮発、すなわち水(溶剤)分の揮発による見かけ固形分濃度の上昇や固形分の析出の抑制を図ることが必要である。
一方、記録用紙への良好な定着性を得るためには、印字後、記録用紙上における揮発、すなわち水(溶剤)分の揮発による見かけ固形分濃度の上昇や固形分の析出を促進させることが必要である。
一方、インク中の固形分を、不揮発分すなわち非水性の不連続相に溶解あるいは分散させている構成の場合には、水性の連続相の揮発分が揮発しても見かけ固形分濃度が上昇したり、あるいは固形分が析出したりしない。その結果、良好な連続吐出性が維持できるが、記録用紙への優れた定着性が得られないという問題がある。
(1):(a)水と、乳化剤として少なくとも一種類以上の高級アルキルスルホン酸塩あるいはソルビタン脂肪酸エステルとを含む水性の連続相と、(b)少なくとも一種類以上の顔料と、少なくとも一種類以上の水不溶性飽和炭化水素と、少なくとも一種類以上のロジン変性樹脂とを含む非水性の不連続相とを、有することを特徴とする、インクジェット用o/wエマルションインクである。
(2):前記(b)の非水性の不連続相の割合が、10〜74%であることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット用o/wエマルションインクである。
(3):前記(b)に含有されている水不溶性飽和炭化水素が、n−パラフィン系炭化水素であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のインクジェット用o/wエマルションインクである。
(4):前記(b)に含有されている顔料の粒径が、体積基準のメジアン径(d50)で、0.05〜1.0μmであることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインクである。
(5):前記(a)の水性の連続相が、不揮発性の水溶性有機溶剤を含有していることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインクである。
(6):前記高級アルキルスルホン酸塩は、ナトリウムジオクチルスルホサクシネートであり、前記ソルビタン脂肪酸エステルは、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであり、前記ロジン変性樹脂は、ロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインクである。
(7):前記(b)に含有されている水不溶性飽和炭化水素の沸点が290℃以上であることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインクである。
(8):上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインクを使用し、ライン状に固定されたインクジェットヘッドからのインクを吐出することにより、記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法である。
すなわち、本発明のエマルションインクにおいては、固形分が不揮発分すなわち非水性の不連続相に溶解しており、水性の連続相の揮発分が揮発しても見かけ固形分濃度の上昇、あるいは固形分の析出は生じないため、良好な連続吐出性を維持することができた。
更には、水不溶性飽和炭化水素に不飽和炭化水素部分を有する樹脂が相溶しており、印字後、記録用紙上で、この水不溶性飽和炭化水素は相溶性の低い不飽和炭化水素部分を有する樹脂と分離して記録用紙に吸収され、記録用紙上において、見かけ固形分濃度の上昇、あるいは固形分の析出が生じるため、優れた定着性が得られた。
すなわち、(a)水と、乳化剤として少なくとも一種類以上のイオン性界面活性剤あるいはノニオン性界面活性剤とを含む水性の連続相と、(b)少なくとも一種類以上の顔料と、少なくとも一種類以上の水不溶性飽和炭化水素と、少なくとも一種類以上の、前記水不溶性飽和炭化水素に相溶可能で不飽和炭化水素部分を有する樹脂とを含む非水性の不連続相とを有している。
乳化剤としては、イオン性界面活性剤、あるいはノニオン性界面活性剤を適用する。
乳化剤の添加量は、十分な濡れ性を確保するために、0.01〜10wt%とし、望ましくは0.1〜8wt%とする。
イオン性界面活性剤のうち、アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca)ホルマリン重縮号物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ノニオン界面活性剤としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンアルキルアミンオキサイド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記乳化剤のうち、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(高級アルキルスルホン酸塩)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ソルビタン脂肪酸エステル)が特に好適である。
この水溶性有機溶剤は、蒸発防止剤又は凍結防止剤として機能するものである。
具体的材料としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
上記水溶性有機溶剤の、本発明インク中の添加量は、40質量%以下が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。
本発明のo/wエマルションインクに適用する顔料としては、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
白黒用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(シ゛スアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッドB(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメンバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:127(紺青)、28(コバルトブルー)、29(群青)、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が挙げられる。
上記非水性の不連続相中の水不溶性飽和炭化水素としては、炭素数4〜155のパラフィン系炭化水素、好ましくは炭素数4〜50のパラフィン系炭化水素が適用できる。
具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサコンタン、ヘプタコンタン等のn−パラフィン(直鎖状飽和炭化水素)、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、ネオヘキサン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、3−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2 ,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、イソノナン、2−メチルノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソオクタデカン、イソナノデカン、イソエイコサン、4−エチル−5−メチルオクタン等のイソパラフィン(分岐状飽和炭化水素)及び、これらの飽和炭化水素の誘導体等が挙げられる。
上記水不溶性飽和炭化水素は、沸点が290℃以上の不揮発性材料であることが望ましい。揮発しやすいと不連続相の粘度上昇、あるいは樹脂成分の析出が生じる原因となり、吐出安定性が悪化するおそれがあるためである。具体的には、上記材料のうち、パラフィン系炭化水素としては、沸点290℃以上のヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン等、イソパラフィン系炭化水素としては、沸点290℃以上のイソオクタデカン、イソナノデカン、イソエイコサン等が好適なものとして挙げられる。
また、ナフテン系炭化水素も挙げられる。これにおいては、単環または多環シクロパラフィン類のいずれも使用可能であり、アルキル基を有するアルキルシクロパラフィン類であってもよい。具体的には、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロノナン等の単環のシクロパラフィン類、デカリン等の多環シクロパラフィン類、またメチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルデカリン等のアルキルシクロパラフィン類等が挙げられる。これらは、室温で液状であるものが好ましい。
室温で液状であるナフテン系剤の市販品としては、エクソンモービル石油社製のガーゴオイルアークティックオイル155及び300ID、ガーゴオイルアークティックオイルライト、ガーゴオイルアークティックオイルCヘビー;出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル(NP−24、NR−26、NR−68、NS−90S、NM−280、など)、ダイアナフレシアシリーズ(G−6、F−9、N−28、N−90、N−150、U−46、U−56、U−68、U−130、U−170、U−260、など)、日本サン石油株式会社製のサンセンオイルシリーズ(410,420,450,480,3125,4240など)、)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記材料の中でも、特に、n−パラフィン(直鎖状飽和炭化水素)が好適である。
上記非水性の不連続相中の不飽和炭化水素部分を有する樹脂としては、不飽和脂肪酸変性アルキド樹脂が適用できる。
具体的には、ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジン変性環化ゴム等のロジン変性樹脂、環化ゴム等のゴム誘導体樹脂、テルペン樹脂、重合ひまし油等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、ロジン変性環化ゴムが特に好ましい。
これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、上記樹脂の重量平均分子量は、定着性及び印字適性の観点から、3万〜15万が好ましく、5.5万〜8万がより好ましい。
更に、上記樹脂は、日石0号ソルベントに対し溶解性を有するトレランスが1g/g以上(1gの樹脂に1g以上の0号ソルベントが相溶する )であることが好ましい。
図1に、ラインヘッド型印字装置の一例の概略構成図を示す。
この印字装置において、給紙トレイ1は、圧板2と記録用紙3を給紙する給紙回転体4とがベース5に取り付けられた構成を有している。
圧板2は、ベース5に取り付けられた回転軸aを中心に回転可能となされており、圧板ばね6により、給紙回転体4に付勢されている。
この給紙回転体4と対向する圧板2の部位には、記録用紙3の重送を防止するため、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッド(図示せず)が設けられている。
また、圧板2と給紙回転体4の当接を解除するためのリリースカム(図示せず)が設けられている。
上記構成の印字装置において、先ず、待機状態では、リリースカムが圧板2を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板2と給紙回転体4の当接は解除される。この状態で、搬送ローラ7からの駆動力がギア等により給紙回転体4及びリリースカムに伝達されると、リリースカムが圧板2から離れて圧板2は上昇し、給紙回転体4と記録用紙3が当接するようになされる。
給紙回転体4の回転に伴い、記録用紙3は、ピックアップされ給紙を開始し、所定の分離爪(図示せず)により1枚ずつ分離される。
給紙回転体4は、搬送ガイド8、9を経由して、記録用紙3をプラテン10に送り込むべく回転する。
記録用紙3は、搬送ガイド8、9の間を通過し、搬送ローラ7まで導かれ、この搬送ローラ7とピンチローラ11とにより、プラテン10まで搬送される。
その後、再び記録用紙3と給紙回転体4との当接を解除した待機状態となって、搬送ローラ7からの駆動力が切られる。
手差し給紙用の給紙回転体12は、手差しトレイ13上に搭載された記録用紙3を、コンピュータの記録命令信号に従って給紙回転体12で給紙し、搬送ローラ7へ搬送する機能を有している。
プラテン10まで搬送された記録用紙3は、ラインヘッド14の下を通過する。ここで、記録用紙搬送の速度と、液滴吐出のタイミングは、所定の電気的回路(図示せず)により制御された信号に基づいて決定され、これにより所望の画像が形成される。
これらにおいては、水性インクを作製する。
水に溶剤と顔料、比較例2においてはo/w型樹脂エマルションを投入し、ディゾルバー(DISPERMAT−FE)で撹拌分散し、顔料分散液を作製した。これを3μmフィルターで濾過し、水性インクジェット用インクを得た。
これらにおいては、o/wインクを作製する。
水不溶性飽和炭化水素と樹脂とを加熱撹拌してワニスを作製し、これに顔料分散剤、顔料を加え、3本ロール(井上製作所S−4・3/4×11)で混練し、顔料分散体を作製する。
この顔料分散体に、更に水不溶性飽和炭化水素を加え、ディゾルバー(DISPERMAT−FE)で撹拌分散し、油相とする。これを水、水溶性有機溶剤、乳化剤からなる水相に加え、真空乳化撹拌装置(みづほ工業PVQ−3UN)で乳化し、3μmフィルターを用いて濾過を行い、インクジェット用o/w(=水中油型)エマルションインキを得た。
上述のようにして作製した実施例1〜8、及び比較例1〜3のインクについて、ラインヘッド型の印字装置を用いて、ヘッドからの連続吐出性についての評価を行った。
プリンタ:試作ラインヘッド印字装置
記録用紙:株式会社リコー製 TYPE6200 PPC用紙
印刷条件:23℃/65%
上記の条件により、記録用紙1000枚に対して印字を行った後、ドット径変化率(%)を5段階で評価した。
評価基準は、5%未満=5、5以上10%未満=4、10以上15%未満=3、15以上20%未満=2、20%以上=1とする。
上述のようにして作製した実施例1〜8、及び比較例1〜3のインクを用いて、ラインヘッド型の印字装置による記録用紙に対するインクの定着性についての評価を行った。
プリンタ名:試作ラインヘッド印字装置
記録媒体名:株式会社リコー製 TYPE6200 PPC用紙
印刷条件:23℃/65%
上記条件により、摩擦/非摩擦部の画像濃度変化率(%)を5段階で評価した。
評価基準は、4%未満=5、4以上6%未満=4、6以上8%未満=3、8以上10%未満=2、10%以上=1
下記表中の略語の意味を下記に示す。
1,3−BD=1,3−butandiol
c=シアン、m=マゼンタ、y=イエロー、k=クロ
PB15:3=C.I.Pigment Blue 15:3(phthalocyanine blue)
DQ122=C.I.Pigment Red 122(dimethyl quinacridone)
MA74=C.I.Pigment Yellow 74(monoazo)
酸性CB=酸性カーボンブラック(cabon black)
DO−S:ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(Sodium dioctyl sulfosuccinate)
EO−SML:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
n−PO:n−パラフィンオイル
NO:ナフテンオイル
r−CR:ロジン変性環化ゴム
r−PR:ロジン変性フェノール樹脂
AL−ch:アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート
また、下記表1〜表7中に示されている自己分散系顔料は、それぞれ種類ごとに下記の材料を使用した。
自己分散系顔料(CAB−O−JET250:Cabot製、PB15:4、平均粒径0.091μm)
自己分散系顔料(CAB−O−JET260:Cabot製、PR122、平均粒径0.105μm)
自己分散系顔料(CAB−O−JET270:Cabot製、Py74、平均粒径0.137μm)
自己分散系顔料(CAB−O−JET300:Cabot製、Carbon Black、平均粒径0.130μm)
一方、水性インクであってエマルション樹脂を含有しないものとした比較例1においては記録用紙に対する定着性に関して実用上良好な特性が得られなかった。
また、エマルション樹脂を含有したが、非水性の不連続相を有していない比較例2においては、実用上良好な連続吐出性が確保できなかった。
また、非水性の不連続相中に所定の樹脂を含有しなかった比較例3においては、定着性及び連続吐出性のいずれにおいても実用上満足な特性が得られなかった。
2 圧板
3 記録用紙
4 給紙回転体
5 ベース
6 圧板ばね
7 搬送ローラ
8 搬送ガイド
9 搬送ガイド
10 プラテン
11 ピンチローラ
12 給紙回転体
13 手差しトレイ
14 ラインヘッド
Claims (8)
- (a)水と、乳化剤として少なくとも一種類以上の高級アルキルスルホン酸塩あるいはソルビタン脂肪酸エステルとを含む水性の連続相と、
(b)少なくとも一種類以上の顔料と、少なくとも一種類以上の水不溶性飽和炭化水素と、少なくとも一種類以上のロジン変性樹脂とを含む非水性の不連続相とを、有することを特徴とする、インクジェット用o/wエマルションインク。 - 前記(b)の非水性の不連続相の割合が、10〜74%であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記(b)に含有されている水不溶性飽和炭化水素が、n−パラフィン系炭化水素であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記(b)に含有されている顔料の粒径が、体積基準のメジアン径(d50)で、0.05〜1.0μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記(a)の水性の連続相が、不揮発性の水溶性有機溶剤を含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記高級アルキルスルホン酸塩は、ナトリウムジオクチルスルホサクシネートであり、
前記ソルビタン脂肪酸エステルは、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであり、
前記ロジン変性樹脂は、ロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。 - 前記(b)に含有されている水不溶性飽和炭化水素の沸点が290℃以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインク。
- 前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインクジェット用o/wエマルションインクを使用し、
ライン状に固定されたインクジェットヘッドからのインクを吐出することにより、記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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