JP5035581B2 - アルキレンオキシド誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、色相及び臭気の良好な界面活性剤及び油剤として使用される糖類にアルキレンオキシドを付加して得られるアルキレンオキシド誘導体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖にアルキレンオキシドを付加して得られるアルキレンオキシド誘導体は、ポリウレタン、界面活性剤、化粧品用油剤などの分野に応用され、それらの興味ある物理特性、優れた生物学的分解性、人体に対する高い安全性のゆえになくてはならないものになってきている。これらのアルキレンオキシド誘導体は家庭内用品、特に化粧品分野において使用されるためには、色相及び臭気の良好なものである必要があった。従来、アルキレンオキシド誘導体は、糖類を開始剤としてアルキレンオキシドを塩基性触媒の存在下で反応させることにより製造される。その際、使用される塩基性触媒は、特公昭48−19560号公報に開示されているように水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、特開平3−47832号公報に開示されているようにアミン触媒が用いられる。しかしこのとき、糖類のような固体を開始剤に直接アルキレンオキシド付加するときでも、反応に関与しない溶媒を添加してアルキレンオキシド付加するときでも、反応物がひどく着色する。また、開始剤である糖類と相溶性のある水やグリセリンなどの低分子アルコールを添加し、アルキレンオキシド付加を行なうこともできる。しかし、この場合、反応物はアルキレンオキシド付加物と添加剤である低分子アルコールのアルキレンオキシド付加物との混合物となるため、本来糖誘導体が有している特性を損なう。また一方では、着色した糖アルキレンオキシド誘導体をイオン交換樹脂、吸着剤、溶剤抽出などの方法により脱色する方法が採られているが、これらのほとんどは工程が複雑で処理時間が長かったり、大規模な専用設備が必要であるなど問題があり、また色相および臭気も充分満足できるものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、色相及び臭気の良好な界面活性剤及び油剤として使用される糖類にアルキレンオキシドを付加して得られるアルキレンオキシド誘導体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意検討した結果、還元性物質の含有量が1.0重量%以下である糖類にアルキレンオキシドを付加すると、色相および臭気の良好なアルキレンオキシド誘導体が得られることを見出した。また、還元性物質の含有量が多い場合には吸着剤で処理を行うことにより、還元性物質の含有量を低下させることができ、その糖類にアルキレンオキシドを付加すると色相および臭気の良好なアルキレンオキシド誘導体が得られることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、
(1) 糖類にアルキレンオキシドを付加し、アルキレンオキシド誘導体を製造する方法において、
糖類に対し1〜300重量%の水の存在下に吸着剤によって糖類を処理することで糖類における還元性物質の含有量を1.0重量%以下とし、糖類に対する前記吸着剤の量を0.5〜50重量%とし、吸着剤が、酸化マグネシウム40〜70%および酸化アルミニウム20〜50%を含有し、焼成活性化された複合金属酸化物を有効成分とし、次いで糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加することを特徴とする、アルキレンオキシド誘導体の製造方法。
(2) 糖類にアルキレンオキシドを付加する前に、糖類に対し0.001〜2.0重量%の還元剤で糖類を処理する方法。
(3) 還元剤が水素化金属錯塩である方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の製造方法は、還元性物質の含有量が1.0重量%以下である糖類を、塩基性触媒と共に反応槽に入れ、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加して、アルキレンオキシド誘導体を得るものである。糖類としては、例えば鎖状糖アルコール、環状糖アルコール、オリゴ糖、オリゴ糖の糖アルコール、グリコシド、およびこれらの脂肪酸、アルキル基とのエステル化物、エーテル化物などの誘導体などが使用できる。鎖状糖アルコールの具体的な例としては、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど、環状糖アルコールの例としては、イノシトール、ソルビタン、ソルバイドなど、オリゴ糖の例としては、ショ糖、トレハロース、エルロース、ラクトシュクロース、シクロデキストリンなど、オリゴ糖の糖アルコールの例としては、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、パニトール、還元水飴など、グリコシドの例としては、メチルグルコシド、エチルグルコシド、デシルグルコシド、オレイルグルコシド、グリセリルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、アルキルマンノシドなどや、これらの糖類の混合物が挙げられる。この中でも鎖状糖アルコール、環状糖アルコール、オリゴ糖、オリゴ糖の糖アルコール、グリコシドが好ましく、さらには環状糖アルコール、オリゴ糖、オリゴ糖の糖アルコール、グリコシドが好ましい。
【0007】
還元性物質とは糖類中に還元力を有している物質である還元糖、糖類劣化物などであり、還元性基としてアルデヒドおよびケトンなどを有している。これら還元性物質の存在は、その糖類の精製時に取り除けなかった物質の混入、糖類反応時および保存時などにおける劣化物の生成などが考えられ、存在しているとアルキレンオキシド付加に際して着色の原因となる。
【0008】
還元性物質の検出法には銅イオンの還元(フェーリング反応、ベネディクト反応)、銀イオンの還元(銀鏡反応)、フェリシアン化イオンの還元(フェリシアニド反応)、ビスマスイオンの還元(ニランダー反応)を利用した方法などが用いられるが、通常は銅イオンの還元を利用したネルソン−ソモギー法(Nelson−Somogyi法)が用いられる。定量のための標準物質は糖類を形成する還元単糖が好ましいが、一般的にはグルコースが用いられる。糖類中に含有される還元性物質は、1.0重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以下である。1.0重量%以上であると、アルキレンオキシド付加に際して着色の原因となる。原料となる還元物質を1.0重量%以下含有する糖類は、その条件を満たすものがあればそれを直接用いてもよく、さらにまた複合金属酸化物を有効成分とする吸着剤で処理をおこなうか、還元剤で糖類を処理することによって還元性物質の量を減らし、アルキレンオキシド付加物の着色を抑えることができる。
【0009】
複合金属酸化物を含有する吸着剤は、金属酸化物として酸化マグネシウム40〜70重量%、かつ酸化アルミニウム20〜50重量%含有する吸着剤が、色相の改善に有効である。また、複合金属酸化物を含有する吸着剤は焼成活性化したものの方がより効果的である。焼成活性化温度は、200〜1000℃で2〜6時間処理することが一般的である。複合金属酸化物を含有する吸着剤は、市販品として、例えば、協和化学工業(株)製のキョーワード2000が挙げられる。
【0010】
複合金属酸化物を含有する吸着剤の使用量は糖類の重量に対して0.5〜50重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%である。0.5重量%より少ないと、還元性物質が除去しきれず、アルキレンオキシドを付加しても色相の改善は十分ではない。50重量%より多いと、後工程で吸着剤を除去するのが困難になりコスト的に問題がある。通常、処理温度は30〜100℃、好ましくは50〜90℃である。30℃より低いと処理時間がかかりすぎ、100℃より高いと着色の原因になる。通常、処理時間は30分〜2時間である。
【0011】
また、吸着剤で処理を行う際は水の存在下で行なう。水含有量は、糖類の重量に対して好ましくは1〜300重量%、より好ましくは10〜100重量%である。処理後、濾過および遠心分離などで吸着剤を除去することもできる。300重量%を越すと水分の除去が困難となり好ましくない。
【0012】
還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなどの水素化物イオンを放出する化合物である水素化金属錯塩、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムなどの亜酸、次酸やその塩などが挙げられる。好ましくは水素化金属錯塩である。還元剤の使用量は、糖類の重量に対し0.001〜2.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%、さらに好ましくは0.05〜0.7重量%である。0.001重量%以下であると、還元性物質が除去しきれず、アルキレンオキシド付加しても色相の改善は十分ではない。2.0重量%より多いと、後工程で還元剤の除去に手間がかかる。通常、処理温度は30〜150℃、好ましくは50〜100℃である。30℃より低いと処理時間がかかりすぎ、150℃より高いと着色の原因になる。通常、処理時間は1〜6時間である。処理後、晶析、吸着剤処理などで還元剤を除去することが好ましい。
【0013】
吸着剤処理と還元剤処理は、両方処理を行う場合、順番は特に指定されないが、還元剤処理した後ひきつづき吸着剤処理をおこなった方が還元剤も吸着剤に吸着されるので好ましい。本発明における吸着剤処理後の糖類にアルキレンオキシド付加反応をする場合、吸着剤を除去して付加反応をおこなっても、除去せずそのまま混在した状態で付加反応をおこなってもよいが、除去した後に付加反応をおこなった方が好ましい。
【0014】
本発明で用いるアルキレンオキシドを付加反応させる際の触媒は、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコラートなどを1種または2種以上用いることができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、ナトリウムメトキシドなどが挙げられる。触媒使用量は特に限定されないが、反応終了後の製品重量に対して0.01〜5.0重量%が一般的である。
【0015】
本発明は糖類と触媒の存在化にアルキレンオキシド付加反応をおこなうものであるが、このときに糖類と触媒のスラリーの中に直接アルキレンオキシドを注入しても、水、アルコールなどの水溶性溶媒やヘキサン、トルエンなどの非水溶性溶媒などに溶解、懸濁させてアルキレンオキシドを注入してもよい。溶媒は反応途中もしくは反応終了後に減圧処理などで除去しても、用途によっては除去せずそのまま製品中に混在させてもよい。
【0016】
本発明で用いる炭素数2〜4のアルキレンオキシドは、具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられ、これらの1種または2種以上のものを組み合わせることができる。また、2種以上のものを付加するとき、順序は特に関係なくブロック状でもランダム状でもよい。アルキレンオキシドの付加モル数は特に限定されないが、1〜400モルくらいが一般的である。本発明においてアルキレンオキシド付加させる際の反応温度は、一般的には50〜180℃程度でおこなうことができるが、80〜150℃でおこなうのが好ましい。反応温度が50℃より低いときには反応が進みにくいことがあり、180℃より高いときには着色の原因になることがある。
【0017】
また、アルキレンオキシド付加反応終了後塩基性触媒を失活させるため、塩酸、リン酸などの鉱酸や、酢酸、クエン酸などの有機酸で中和したり、アルカり吸着剤で処理したり、塩析水洗したり、またこれら2つ以上の処理を組み合わせたりすることもできる。さらにこの後必要であれば、脱水脱溶剤、吸着剤処理、水蒸気脱臭、イオン交換樹脂、活性炭で精製をおこなったり、不溶物があれば遠心分離、濾過などで除去したりすることもできる。
【0018】
本発明の製造方法を用いてのアルキレンオキシド誘導体は、製造直後の色相及び臭気も良好であり、さらに長期にわたって色相安定性及び臭気安定性を得ることができる。
【実施例】
【0019】
[色相安定性、臭気安定性テスト]
以下の例について、アルキレンオキシド付加直前の原料の糖類をサンプリングして還元性物質をネルソン−ソモギー法で定量した。またそれぞれの合成物について、合成後60℃で2ヶ月放置し、その前後で色相(APHA)と臭気を比較測定した。結果は表1に示す。臭気測定指標は、10人の成人に臭気をかいでもらい、下記の5段階評価での結果の合計点数を採用した。
5:ほとんど無臭。
4:わずかにポリアルキレンオキシド誘導体の特異臭あり。
3:通常のアルキレンオキシド誘導体の特異臭あり。劣化臭なし。
2:少し劣化臭あり。
1:ひどい劣化臭あり。
【0020】
〔ネルソン−ソモギー法(還元性物質の定量方法)〕
a)アルカリ性銅試液(ソモギー銅試液)
約250mLの水に炭酸ナトリウム(無水)24gおよびロッシェル塩12gを溶解し、これに10%硫酸銅・五水和物溶液40mLをかきまぜながら加え、さらに炭酸水素ナトリウム16gを加えて溶解する。別に約500mLの水に硫酸ナトリウム(無水)180gを加熱溶解し、さらに沸騰させて溶存する空気を追い出す。冷却後1Lのメスフラスコに両液を移し、水を加えて1Lとする。1週間放置した後、上清または濾液を使用する。
b)ヒ素モリブデン酸塩試液(ネルソン試液)
約450mLの水にモリブデン酸アンモニウム・四水和物25gを溶解し、これにかき混ぜながら濃硫酸21mLを加える。別に水25mLに第二ヒ酸ナトリウム・七水和物3gを溶かしてこれに添加し、水を加えて1Lとし、この混合溶液を37℃に24時間保った後、褐色共栓瓶に貯える。
*またこれら2種類の試液は、市販品を使用してもよい。
〔方法〕試験管に試料2.0mLをとり、これと等容積のアルカリ性銅試液を添加し、管口にガラス球をかぶせて激しく沸騰する湯浴中に10分間加熱する。直ちに冷水で冷やし、これにヒ素モリブデン酸塩試液2.0mLを添加し、静かにかき混ぜて生成していた酸化第一銅を完全に溶解すると、直ちに青色を呈する。水を加えて25mLに希釈し、少なくとも15分おいた後40分以内に500nmにおける吸光度を測定し、標準物質の検量線から定量をおこなった。標準物質としてはグルコースを使用した。
【0021】
(実施例1)
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンの合成
ソルビタン(還元性物質含量2.87%)164gを200gの水に溶解し、キョーワード2000(協和化学工業(株)製、含有量:酸化マグネシウム59.2重量%、酸化アルミニウム33.0重量%)を1.6g(糖類の重量に対して1.0重量%)添加し、80℃、1時間処理後濾過し吸着剤を除去し、濾液をエバポレータで濃縮乾固した。乾固したサンプル82g、水酸化カリウム1.6gおよびトルエン200gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0022】
(参考例1)
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンの合成
ソルビタン(還元性物質含量2.87%)164gを200gの水に溶解し、水素化ホウ素ナトリウムを16mg(糖類の重量に対して0.01重量%)添加し、80℃、1時間処理した。塩酸でpH5〜6にした後、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製、高活性酸化マグネシウム)を5g添加し、80℃、1時間処理後濾過し吸着剤を除去し、濾液をエバポレータで濃縮乾固した。乾固したサンプル82g、水酸化カリウム1.6gおよびトルエン200gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0023】
(実施例2)
ポリオキシプロピレン(30モル)マルチトールの合成
マルチトール(還元性物質含量1.33%)344gを344gの水に溶解し、協和化学工業(株)製キョーワード2000を24g(糖類の重量に対して7.0重量%)添加し、80℃、1時間処理後濾過し吸着剤を除去した。その濾液344gと水酸化カリウム4.2gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりプロピレンオキシド174gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理後、さらに120℃で滴下装置からプロピレンオキシド696gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0024】
(参考例2)
ポリオキシエチレン(50モル)マルチトールの合成
マルチトール(還元性物質含量1.33%)344g、トルエン400gおよびキョーワード2000を24g(糖類の重量に対して7.0重量%)をオートクレーブに仕込み、80℃、1時間処理後濾過した。さらに水酸化カリウム7.6gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド2200gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分とトルエンを除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩とキョーワード2000を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0025】
(参考例3)
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)マルチトール(ランダムポリマー)の合成
マルチトール(還元性物質含量1.33%)344gを344gの水に溶解し、トミックスAD300(富田製薬(株)製、含有量:酸化マグネシウム13.2重量%、酸化アルミニウム31重量%、ニ酸化ケイ素30.5重量%)を24g(糖類の重量に対して7.0重量%)添加し、80℃、1時間処理後濾過し吸着剤を除去し、濾液をエバポレータで濃縮乾固した。乾固したサンプル172g、水酸化カリウム2.7g、トルエン200gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド220gとプロピレンオキシド290gの混合物を滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0026】
(参考例4)
ポリオキシエチレン(30モル)メチルグルコシドの合成
メチルグルコシド(還元性物質含量2.17%)194gを300gの水に溶解し、水素化ホウ素ナトリウムを194mg(糖類の重量に対して0.1重量%)添加し、80℃、1時間処理した。塩酸でpH5〜6にした後、キョーワマグ150を5g添加し、80℃、1時間処理後濾過し吸着剤を除去し、濾液をエバポレータで濃縮乾固した。乾固したサンプル97g、水酸化カリウム2.2gおよびトルエン200gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド660gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0027】
(実施例3)
ポリオキシプロピレン(25モル)メチルグルコシドの合成
メチルグルコシド(還元性物質含量2.17%)194gを300gの水に溶解し、水素化ホウ素ナトリウムを194mg(糖類の重量に対して0.1重量%)添加し、80℃、1時間処理した。2000を13.5g(糖類の重量に対して7重量%)添加し、80℃、1時間処理後濾過し吸着剤を除去し、濾液をエバポレータで濃縮乾固した。乾固したサンプル97g、水酸化カリウム3.3gおよびトルエン200gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりプロピレンオキシド725gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0028】
(比較例1)
ポリオキシエチレン(30モル)マルチトールの合成
マルチトール(還元性物質含量1.33%)344g、水酸化カリウム5gおよびトルエン400gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら130℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド1320gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分とトルエンを除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0029】
(比較例2)
ポリオキシエチレン(30モル)マルチトールの合成
マルチトール(還元性物質含量1.33%)344g、水酸化カリウム5gおよび水400gをオートクレーブへ仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド200gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。含有する水分を除去するため−0.095MPa、100℃で1時間処理後、さらに120℃で滴下装置からエチレンオキシド1120gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0030】
(比較例3)
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)マルチトール(ランダムポリマー)の合成
マルチトール(還元性物質含量1.33%)344g、水酸化カリウム5gおよびトリエチルアミン1.3gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら110℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gとプロピレンオキシド580gの混合物を滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分とトルエンを除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0031】
(比較例4)
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)マルチトール(ランダムポリマー)の合成
マルチトール(還元性物質含量1.33%)344g、水酸化カリウム5gおよびジメチルラウリルアミン1.4gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら110℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gとプロピレンオキシド580gの混合物を滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分とトルエンを除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0032】
(比較例5)
ポリオキシエチレン(30モル)メチルグルコシドの合成
メチルグルコシド(還元性物質含量2.17%)194gを300gの水に溶解し、キョーワマグ150を13.6g(糖類の重量に対して7.0重量%)添加し、80℃、1時間処理後濾過し吸着剤を除去し、濾液をエバポレータで濃縮乾固した。乾固したサンプル97g、水酸化カリウム2.3gおよびトルエン200gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら120℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド660gを滴下させ、滴下後2時間攪拌を保った。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。生成した塩を除去するため濾過をおこない表記物質を得た。
【0033】
【表1】
【0034】
注: カッコ内の数値は本発明該当外の吸着剤の使用濃度を示す。色相において数字のみのものはAPHA、Gはガードナーを示す。表1の結果より、比較例1〜5は色相、臭気ともにかなり劣化が進んでいる。しかし実施例は反応直後の色相、臭気はもとより過酷な条件にもかかわらず比較例より劣化が少なく、安定性が向上している。
Claims (3)
- 糖類にアルキレンオキシドを付加し、アルキレンオキシド誘導体を製造する方法において、
糖類に対し1〜300重量%の水の存在下に吸着剤によって前記糖類を処理することで還元性物質の含有量を1.0重量%以下とし、前記糖類に対する前記吸着剤の量を0.5〜50重量%とし、前記吸着剤が、酸化マグネシウム40〜70%および酸化アルミニウム20〜50%を含有しかつ焼成活性化された複合金属酸化物を有効成分とし、次いで前記糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加することを特徴とする、アルキレンオキシド誘導体の製造方法。 - 前記糖類に前記アルキレンオキシドを付加する前に、前記糖類に対し0.001〜2.0重量%の還元剤で前記糖類を処理することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記還元剤が水素化金属錯塩であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
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