JP5034670B2 - モールドパッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、アイランド部における部品を搭載する上面とは反対側に位置するモールド樹脂の下面からリード部が露出し、この露出部にて外部基材にはんだ付けされるようになっているモールドパッケージに関する。
従来より、この種のモールドパッケージとしては、アイランド部の上面に部品を搭載し、その周囲に位置する複数のリード部と部品とをワイヤなどで接続したものを、モールド樹脂で封止してなるQFN(Quad Flat Non−Leaded Package)構造のものが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
このものにおいては、モールド樹脂は、通常矩形板状をなすものであり、当該パッケージを外部基材にはんだ付け実装するときに、モールド樹脂の下面が外部基材と対向する面となる。このモールド樹脂の下面は、アイランド部の上面とは反対側の下面側に位置するモールド樹脂の外表面である。
そして、このモールド樹脂の下面にてリード部が露出し、このリード部における露出部にて、外部基材にはんだ付けされることで、モールドパッケージの実装が行われるようになっている。
このようなモールドパッケージは、一般的なSOPおよびQFPなどのガルウイング形状のパッケージに備えられていたアウターリード部を無くしハーフモールドをした構造であり、近年の電子機器の小型化・高密度化のニーズに伴うICパッケージの小型化に適したものである。
そして、このようなモールドパッケージは、次のようにして作製される。プレス、エッチング加工などにより、リード部や吊りリード、さらに吊りリードに連結支持されたアイランド部がパターニングされたリードフレームを形成する。その後、アイランド部の上面に半導体素子などの部品を搭載・固定した後、部品と各リード部とをボンディングワイヤなどで接続する。
続いて、モールド樹脂による封止・ダイシングカットを行うが、このとき、近年のコスト削減の要望に伴い、リードフレームを一括でモールド成形し、パッケージダイシングで個片化するというMAP(Mold Array Package)成形を行う。こうしてモールドパッケージが作製される。
特開2004−228168号公報
ところで、この種のモールドパッケージにおいては、複数のリード部において、ある1つのリード部を1ピンとして用いる。ここで、1ピンとは、複数のリード部のなかからある1つのものを1番目としたものである。
そして、この1ピンによって、パッケージの向きを識別したり、検査時などにリード部の順番を識別したりする役割を担うようにする。そのため、モールド樹脂から露出する複数のリード部の中から、モールドパッケージの外観上によって、1ピンを認識できるようにすることが必要である。
ここで、一般的なSOPおよびQFPなどにおいては、従来の個別モールド成形を行うため、金型に1ピンマークを付けておき、モールド樹脂に印字することで、1ピン表示を可能としていた。しかしながら、上記MAP成形では、1つの金型でパッケージサイズの異なったものを成形するため、モールド樹脂に印字することは困難である。
そこで、この種のモールドパッケージにおいては、モールド樹脂の下面にてアイランド部の下面を露出させ、このアイランド部の1つの角部に面取りを施すことにより、1ピン表示を行うようにしている。
ここで、図11は、本発明者の試作したモールドパッケージにおけるモールド樹脂40の下面42を示す概略平面図である。この図11に示されるように、モールド樹脂40の下面42にて、複数のリード部12およびアイランド部11における矩形状の下面11bが露出している。
そして、このアイランド部11の下面11bにおける1つの角部を面取りすることにより、この面取り部Kに隣り合うリード部12が1ピンであることを表している。たとえば、図11中の符号12aを付けたリード部12aが1ピンとされている。
しかしながら、この方法では、アイランド部11を面取りすることにより、その分、アイランド部11の面積が小さくなり、アイランド部11に搭載される部品のサイズに制限が生じるという問題がある。
また、アイランド部11を外部基材にはんだ付けする場合には、この面取り部Kには、はんだ付けがなされないため、パッケージの角部に位置し応力が最も高いリード部12のはんだ付け部分に対して補強をすることができず、その部分のはんだ寿命が短くなるという問題も生じる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、モールド樹脂の下面から露出するリード部にて外部基材にはんだ付けされるようになっているモールドパッケージにおいて、モールド樹脂への印字およびアイランド部の面取りを行うことなく、1ピン表示を可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は、リードフレームにおける吊りリードに着目した。この種のモールドパッケージでは、吊りリードは、モールド樹脂の内部にて、アイランドからモールド樹脂の下面の外周端部に向かって延びる複数のものよりなる。
そこで、この吊りリードをモールド樹脂の下面から露出させ、その露出部の形状を工夫することで、1ピン表示を行うことを考えた。本発明は、この考えに基づいて鋭意検討した結果、創出されたものである。
すなわち、本発明は、モールド樹脂(40)の下面(42)の周辺部にて、それぞれの吊りリード(13)の先端部をモールド樹脂(40)から露出させ、この露出する吊りリード(13)の先端部を、外部基材(200)にはんだ付けされる補強端子部(141〜144)として構成し、それぞれの補強端子部(141〜144)は、モールド樹脂(40)の下面(42)からモールド樹脂(40)の下面(42)の端部に位置するモールド樹脂(40)の側面(43)までモールド樹脂(40)から露出した状態で延びる延長部(14a)を有するものとし、それぞれの補強端子部(141〜144)のうちの1つの補強端子部(141)、他の補強端子部(142〜144)とは、延長部(14a)の数を異なるものとすることによってモールド樹脂(40)から露出する形状が異なるものとし、この1つの補強端子部(141)を基準として、複数のリード部(12)における1ピンを認識するようにしたことを特徴とする。
それによれば、1つの補強端子部(141)は、他の補強端子部(142〜144)と比べて外観形状の違いにより識別することができるため、当該1つの補強端子部(141)を基準として、複数のリード部(12)のなかから、1ピンを識別できる。よって、モールド樹脂(40)への印字およびアイランド部(11)の面取りを行うことなく、1ピン表示が可能となる。
ここで、他の補強端子部(142〜144)とは異なる1つの補強端子部(141)を基準として、1ピンを認識することとは、具体的には、当該1つの補強端子部(141)に隣り合うリード部(12)を、1ピンとして決めておくことや、当該1つの補強端子部(141)に隣り合うリード部(12)から2番目もしくは3番目、あるいはn番目(nは4以上の整数)のリード部(12)を1ピンと決めておくことにより、1ピンを識別することである。
さらに、本発明によれば、モールドパッケージ(100)を外部基材(200)にはんだ付けしたとき、各補強端子部(141〜144)における延長部(14a)では、モールド樹脂(40)の側面(43)にてはんだフィレットが形成されるが、このはんだフィレットの数により、はんだ付け後においても、1ピン表示が目視で確認できる。
また、すべての補強端子部(141〜144)において、延長部(14a)を境として、モールド樹脂(40)の下面(42)における当該補強端子部側の領域とこれに隣り合うリード部(12)側の領域とを分離したものとし、モールド樹脂(40)の下面(42)における補強端子部側の領域において、上記1つの補強端子部(141)の形状を、他の補強端子部(142〜144)の形状と異ならせるようにしてもよい。
それによれば、モールドパッケージ(100〜104)の実装状態において、すべての補強端子部(141〜144)のはんだ接続部の応力が、これらに隣り合うリード部(12)のはんだ接続部に実質的に影響しないようにできる。
また、それぞれの補強端子部(141〜144)を、上記延長部(14a)に加えて、延長部(14a)よりも面積が広くモールド樹脂(40)の下面(42)から露出するランド部(14b)を備えたものとすれば、補強端子部(141〜144)の面積を大きく確保することができ、はんだ接続の補強効果が大きくなる。
また、それぞれの補強端子部(141〜144)において、当該補強端子部に隣り合うリード部(12)側に位置する延長部(14a)の辺およびランド部(14b)の辺を、隣り合うリード部(12)と平行に延びる連続した1本の直線上に位置するものとすることが好ましい。
それによれば、モールドパッケージ(100)の実装状態において、補強端子部(141〜144)のはんだ接続部とこれに隣り合うリード部(12)のはんだ接続部との応力バランスが、良好に維持され得る。
また、モールド樹脂(40)の下面(42)を矩形状とした場合、複数の吊りリード(13)を、モールド樹脂(40)の下面(42)の4つの隅部のそれぞれに向かって延びる4個のものとし、それぞれの隅部にて各吊りリード(13)の先端部を補強端子部(141〜144)として露出させ、4個の補強端子部(141〜144)のうちの1つ(141)を、他の3つの補強端子部(142〜144)とはモールド樹脂(40)から露出する形状が異ならせたものにできる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るモールドパッケージ100の外部基材としての基板200への実装構造において、モールド樹脂40の上面41側からみた概略平面構成を示す図である。なお、図1では、モールド樹脂40内部のリードフレーム10の外形を破線にて示しているが、部品20およびボンディングワイヤ30については図1中、省略している。
また、図2において(a)は図1中のA−A線に沿った概略断面構成を示す図であり、(b)は図1中のB−B線に沿った概略断面構成を示す図である。また、図3において(a)は同モールドパッケージ100におけるモールド樹脂40の下面42の概略構成を示す平面図であり、(b)は(a)中の丸で囲んだC部拡大図であり、(c)は当該C部における斜視図である。
本実施形態のモールドパッケージ100におけるリードフレーム10は、アイランド部11とアイランド部11の周囲に位置するリード部12と吊りリード13とを備えて構成されている。このリードフレーム10は、Cu、Cu合金や42アロイなどの通常のリードフレーム材料からなるものであり、プレス加工やエッチング加工などにより形成することができる。
ここで、本例では、アイランド部11は、主表面である上面(図2中の上面)11aおよびこれとは反対側の主表面である下面(図2中の下面)11bが矩形をなす矩形板状のものである。リード部12は、アイランド部11の4辺の外周において複数個のものが配列されている。個々のリード部12は、アイランド部11の辺側から反対側へ向かって延びる細長の矩形短冊板状をなす。
また、吊りリード13は、アイランド部11の4つの角部のそれぞれからアイランド部11の対角線に沿った方向に延びるものである。この吊りリード13は、モールドパッケージ100の製造時において、アイランド部11を、リードフレーム10の図示しない外枠部分に連結してリード部12と一体化しておくためのものである。
そして、図2に示されるように、アイランド部11の上面11aには、部品20が搭載されている。つまり、アイランド部の上面11aは、部品20の搭載面となっている。図2に示される例では、部品として半導体素子20が搭載されている。この半導体素子20は、半導体プロセスにより形成されたICチップなどである。
ここでは、半導体素子20は、図示しないダイボンド材を介してアイランド部11に接着されて固定されている。なお、部品20としては、アイランド部11の上面11aに搭載できるものであればよく、この半導体素子20以外にも、種々の電子部品を採用することができる。
そして、図2に示されるように、半導体素子20の上面と各リード部12とは、ボンディングワイヤ30により結線され電気的に接続されている。このボンディングワイヤ30は、Auやアルミニウムなどからなるもので、通常のワイヤボンディング法により形成可能である。
そして、モールド樹脂40は、これらアイランド部11、リード部12、吊りリード13、半導体素子20およびボンディングワイヤ30を包み込むように封止している。このモールド樹脂40は、エポキシ系樹脂などの通常のモールド材料を用いてトランスファーモールド法などにより形成できるものである。
ここで、モールド樹脂40は、その上面41およびこれとは反対側の下面42を主表面(つまり板面)とし、これら上面41および下面42が矩形をなす矩形板状のものである(図1および図3参照)。モールド樹脂40の上面41は、アイランド部11の上面11a側に位置する面であり、モールド樹脂40の下面42はアイランド部11の下面11b側に位置する面である。
また、モールド樹脂40の側面43は、モールド樹脂40の上面41および下面42の端部に位置する面であって、モールド樹脂40の厚さ方向に延びる面である。つまり、モールド樹脂40の側面43は、板状をなすモールド樹脂40の外周端面として構成されている(図3(c)参照)。
ここで、図2、図3に示されるように、モールドパッケージ100においては、アイランド部11の下面11bおよびリード部12が、モールド樹脂40の下面42にてモールド樹脂40から露出している。本実施形態では、リード部12の露出部は、アイランド部11の4辺の各辺に沿って設けられた平面短冊状をなす。そして、個々のリード部12の露出部の幅は同一であり、また、各リード部12の配列ピッチも同一である。
また、吊りリード13においては、アイランド部11との連結部側の部位がハーフエッチングされており、このハーフエッチングされて薄くなった部位がモールド樹脂40内部に埋設されている。
また、各吊りリード13は、アイランド部11の各角部からモールド樹脂40の下面42の外周端部に向かって延びるものであるが、各吊りリード13の先端部はハーフエッチングされておらず、モールド樹脂40の下面42の周辺部にてモールド樹脂40から露出している。そして、これら露出部は、補強端子部141、142、143、144として構成されている。
ここでは、図3に示されるように、モールド樹脂40は矩形板状をなしているため、その下面42は矩形状をなすものであり、吊りリード13は、モールド樹脂40の下面42の4つの隅部のそれぞれに向かって延びる4個のものよりなる。
そして、それぞれの隅部にて各吊りリード13の先端部が、補強端子部141〜144として露出している。ここで、本実施形態では、図3に示されるように、4個の補強端子部141〜144のうちの1つの補強端子部141(図3(a)中の右上の補強端子部141)を、他の補強端子部142〜144とはモールド樹脂40から露出する形状が異なるものとしている。
具体的に、図3に示されるように、それぞれの補強端子部141〜144は、モールド樹脂40の下面42からモールド樹脂40の側面43まで延びる延長部14aを有している。
この延長部14aは、モールド樹脂40の下面42から側面43に渡って連続してモールド樹脂40から露出している。また、本実施形態では、この延長部14aは、各リード部12と同じ方向に延びる短冊板状のものであり、当該延長部14aの幅は、各リード部12の幅と実質的に同じである。
そして、上記1つの補強端子部141と、他の3つの補強端子部142〜144とでは、延長部14aの数を異ならせている。ここでは、上記1つの補強端子部141では延長部14aが3個であるのに対し、他の3つの補強端子部142〜144では延長部14aが2個である。
また、本実施形態では、4個すべての補強端子部141〜144は、延長部14aに加えて、ランド部14bを備えている。このランド部14bは、延長部14aよりも面積が広くモールド樹脂40の下面42から露出するものである。
ここでは、このランド部14bは矩形板状をなしており、延長部14aよりもアイランド部11寄りに位置している。そして、延長部14aは、このランド部14bからモールド樹脂40の側面43へ向かって延びている。
また、図3に示されるように、それぞれの補強端子部141〜144において、当該補強端子部141〜144に隣り合うリード部12側に位置する延長部14aの辺およびランド部14bの辺は、連続した1本の直線となっている。そして、これら両辺により構成される直線は、当該直線に隣り合うリード部12と平行に延びている。
このことは、図3(b)に示されるように、隣り合うリード部12と延長部14aの上記辺との間隔を間隔L1、隣り合うリード部12とランド部14bの上記辺との間隔を間隔L2としたとき、これら互いの間隔L1、L2が同じ大きさ、つまりL1=L2の関係にあることを意味する。ここでは、上記間隔L1およびL2は、リード部12の配列ピッチと同じ大きさである。
また、図3に示されるように、すべての補強端子部141〜144において、延長部14aを境として、モールド樹脂40の下面42における補強端子部141〜144側の領域とこれに隣り合うリード部12側の領域が、区画されて分離している。
つまり、各補強端子部141〜144において、モールド樹脂40の下面42における角部側の領域と、リード部12の露出領域との間には、延長部14aが介在し、これら両領域を分離している。
そして、この延長部14aを挟んで分離されたモールド樹脂40の下面42の領域のうち、補強端子部141〜144側の領域において、上記1つの補強端子部141では、他の3つの補強端子部142〜144に比べて延長部14aを1本多く設けている。それにより、上記1つの補強端子部141は、当該他の3つの補強端子部142〜144に対して露出形状を異ならせている。
また、本実施形態では、上記1つの補強端子部141を基準として、複数のリード部12における1ピンが認識されるようになっている。つまり、モールドパッケージ100は、矩形状で各辺に対して対称的な形状を有するが、上記1つの補強端子部141を外観上の目印として、モールドパッケージ100の向きやリード部12の順番などが、目視にて容易にわかるようになっている。
具体的には、上記1つの補強端子部141は、他の3つの補強端子部142〜144に比べて延長部14aが1個多い形状であるため、モールドパッケージ100におけるモールド樹脂40の下面42の外観を見ることにより、上記1つの補強端子部141が認識できる。
そして、この1つの補強端子部141を基準として、1ピンがわかる。ここでは、図1および図3(a)に示されるように、モールド樹脂40の下面42から露出するリード部12のうち上記1つの補強端子部141に隣り合うリード部12aが、1ピンとして構成されている。そのため、1ピンを容易に認識できる。
そして、図2に示されるように、モールドパッケージ100は、モールド樹脂40の下面42を基板200に対向させた状態で、基板200上に搭載されている。そして、モールド樹脂40の下面42から露出するリードフレーム10の部位、つまり、アイランド部11の下面、リード部12の露出部および吊りリード13の補強端子部141〜144は、基板200の電極210とはんだ300を介して付けされている。
ここで、基板200は、プリント基板やセラミック基板などである。また、基板200の電極210はCuやAgなどからなるものであり、その平面パターンは、モールドパッケージ100におけるリードフレーム10の露出部のパターンに対応したパターンとなっている。また、はんだ300は、この種の実装に用いられる一般的なはんだ材料よりなるものである。
ここで、本実施形態では、アイランド部11およびリード部12以外に、補強端子部141〜144にて、はんだ付けを行うことにより、隣り合うリード部12のはんだ接続強度を補強している。それにより、モールドパッケージ100の基板200へのはんだ接続寿命が向上している。
本実施形態では、図3に示されるように、各補強端子部141〜144において、面積の大きなランド部14bを備えるとともに、延長部14aとランド部14bとを合わせた長さを、リード部12の長さよりも大きくしている。それにより、補強端子部141〜144のはんだ付け面積を大きくして、はんだ接続における補強を効果的に行うようにしている。
また、本実施形態では、上記1つの補強端子部141が、他の3つの補強端子部142〜144とはモールド樹脂40の下面42にて露出する形状が異なる。それゆえ、パッケージ100のはんだ実装後において、各補強端子部141〜144のはんだ接続部の応力が、これらに隣り合うリード部12のはんだ接続部に与える影響は、当該1つの補強端子部141と他の3つの補強端子部142〜144とでは異なってくる。
しかし、この問題に対して、本実施形態では上述したように、すべての補強端子部141〜144において、補強端子部141〜144側とこれに隣り合うリード部12側とでモールド樹脂40の下面42を、延長部14aによって区画して分離している(上記図3参照)。
それにより、補強端子部141〜144の露出形状の相違による上記応力の影響は、リード部12側へ実質的に伝わらなくなる。そのため、本実施形態では、モールドパッケージ100の実装状態において、すべての補強端子部141〜144のはんだ接続部の応力が、これらに隣り合うリード部12のはんだ接続部に実質的に影響しないようにすることができる。
また、上述したように、本実施形態では、それぞれの補強端子部141〜144において、隣り合うリード部12側に位置する延長部14aの辺およびランド部14bの辺は、隣り合うリード部12と平行に延びる1本の直線上にある。そして、これにより、上記間隔L1、L2がL1=L2の関係にある。
ここで、もし、延長部14aの上記辺とランド部14bの上記辺とが段差を介してずれていると、上記間隔L1とL2とが異なるものとなる。この場合、パッケージ100の実装状態において、補強端子部141〜144のはんだ接続部とこれに隣り合うリード部12のはんだ接続部との応力バランスが、悪くなる恐れがある。
その点、L1=L2の関係にある本実施形態によれば、当該バランスが良好に維持され、パッケージの接続信頼性の低下を抑制できる。さらに言うならば、補強端子部141〜144としては、はんだ付け面積を大きくすれば、補強効果が大きくなるが、やたら大きくすることは、体格上の制約から困難である。その点、上記L1=L2の関係とすることで、効率的に上記補強効果が発揮される。
次に、このモールドパッケージ100の基板200への実装方法について述べる。まず、上記リードフレーム10を用意する。このリードフレーム10は、プレス加工やエッチング加工などによって、アイランド部11、リード部12および吊りリード13を形成したものである。
ここでは、リードフレーム10において、アイランド部11は、その外周に位置する図示しない上記外枠部分に対して吊りリード13の延長部14aを介して連結され支持されている。また、リード部12も、当該外枠部分に連結されており、アイランド部11、リード部12、吊りリード13は一体化されている。
そして、このリードフレーム10において、アイランド部11の上面11aに上記半導体素子20を搭載固定し、半導体素子20とリード部12との間でワイヤボンディングを行い、これらの間を上記ボンディングワイヤ30で結線する。
次に、ここまでの工程に供されたワークを、MAP成形用の金型に設置し、モールド樹脂40による封止を行う。それにより、アイランド部11、リード部12、吊りリード13、半導体素子20およびボンディングワイヤ30が、モールド樹脂40によって封止される。
なお、この樹脂封止にあたっては、たとえば、リードフレーム10におけるモールド樹脂40からの露出部に対して、テープなどを貼った状態で、樹脂の充填を行うようにする。それにより、アイランド部11の下面11b、リード部12の下面および補強端子部141〜144が、モールド樹脂40の下面42から露出する。
その後、リードフレーム10の上記外枠部分を、モールド樹脂40とともにダイシングカットすることで、個片化されたモールドパッケージ100ができあがる。
ここでは、リードフレーム10において、上記外枠部分は吊りリード13の延長部14aおよびリード部12に連結されているため、このダイシングカットにより、延長部14aおよびリード部12は、モールド樹脂40の切断面である側面43にて露出することになる(上記図3(c)参照)。
ここで、本実施形態では、この延長部14aの幅を、リード部12の幅と実質的に同じ幅としているため、補強端子部141〜144がダイシングカットに与える負荷はリード部12と同等であり、ほとんど問題とならない。そのため、ダイシング性を良好に確保できる。
そして、できあがったモールドパッケージ100は、基板200の電極210の上に、はんだ300を介して搭載され、はんだリフローを行う。これにより、上記図2に示されるようなモールドパッケージ100の実装構造ができあがる。
ところで、本実施形態によれば、1つの補強端子部141を、他の残りの補強端子部142〜144とはモールド樹脂40からの露出形状を異ならせているため、1つの補強端子部141は、他の補強端子部142〜144と比べて外観形状の違いにより識別することができる。
そのため、当該1つの補強端子部141を基準として、複数のリード部12のなかから、1ピンを識別できる。ここでは、上記図3(a)に示されるリード部12aを識別できる。よって、本実施形態によれば、従来のようなモールド樹脂40への印字およびアイランド部11の面取りを行うことなく、1ピン表示が可能となる。
さらに、本実施形態では、それぞれの補強端子部141〜144において、モールド樹脂40の下面42からモールド樹脂40の側面43まで露出する延長部14aを設け、この延長部14aの数を異ならせることで、上記1つの補強端子部141の露出形状を、他の補強端子部142〜144とは異ならせている。
ここで、モールドパッケージ100を基板200にはんだ付けしたとき、各補強端子部141〜144における延長部14aでは、モールド樹脂40の側面43にてはんだフィレットが形成される。もし、基板200へのパッケージ100の実装向きを間違えた場合、その部分に、はんだフィレットが形成されないため、その間違いを目視で確認することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係るモールドパッケージ101におけるモールド樹脂40の下面42の概略構成を示す平面図である。
本実施形態でも、図4に示されるように、上記1つの補強端子部141と、他の3つの補強端子部142〜144とで延長部14aの数を異ならせているが、ここでは、上記1つの補強端子部141では延長部14aが3個であるのに対し、他の3つの補強端子部142〜144では延長部14aを4個としているところが上記第1実施形態と相違する。それ以外は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係るモールドパッケージ102におけるモールド樹脂40の下面42の概略構成を示す平面図である。
図5に示されるように、本実施形態でも、上記1つの補強端子部141では延長部14aが3個であるのに対し、他の3つの補強端子部142〜144では延長部14aが2個である。
しかし、本実施形態では、それぞれの補強端子部141〜144は延長部14aのみで構成され、上記したランド部を持たない構成としているところが、上記第1実施形態と相違する。これは、基板200へのはんだ付け部を減らしたい場合に有効である。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係るモールドパッケージ103におけるモールド樹脂40の下面42の概略構成を示す平面図である。
図6に示されるように、本実施形態では、上記1つの補強端子部141のみが、上記したランド部を持たずに延長部14aのみで構成され、残りの3つの補強端子部142〜144は、延長部14aおよびランド部14bにより構成されたところが、上記第1実施形態に比べて相違する。
これにより、モールドパッケージ103の基板200への実装向きについて、間違いが発生した場合、上記1つの補強端子部141の部分が、はんだで盛り上がるために目視で容易に確認することができる。
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係るモールドパッケージ104におけるモールド樹脂40の下面42の概略構成を示す平面図である。
図7に示されるように、本実施形態では、上記1つの補強端子部141は、延長部14aを持たずにランド部14bのみで構成され、残りの3つの補強端子部142〜144は上記第1実施形態と同じ構成とすることにより、外観形状を異ならせているところが、上記第1実施形態と相違する。
(第6実施形態)
図8は、本発明の第6実施形態に係るモールドパッケージの要部を示す概略平面図であり、同モールドパッケージにおけるモールド樹脂40の下面42のうち上記1つの補強端子部141の近傍を示す。
本実施形態では、図8に示されるように、上記第1実施形態と同様の延長部14aおよびランド部14bを有する上記1つの補強端子部141において、リード部12と隣り合わない延長部14aの一部に、ハーフエッチングを施したものである。
これにより、ハーフエッチングされた部位は、モールド樹脂40の下面42から露出せず、当該延長部14aは、ランド部14bから離れて位置した状態となっている。そのため離れた延長部14a除いた補強端子部141の形状が他の補強端子部142〜144と同じになるので基板200のはんだ付け形状が同じとなり、はんだ実装が容易となる。
離れた延長部14aについては独立ではんだ付けを実施すれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が発揮され、また延長部14aは離れているので、はんだ付けをしないでおくことも可能である。この場合、はんだ実装後にはんだフィレットが形成されていない延長部14aが1ピン表示として分かり易く利用することが出来る。
(第7実施形態)
図9は、本発明の第5実施形態に係るモールドパッケージの要部を示す図であり、(a)はモールド樹脂40の下面42のうち上記1つの補強端子部141の近傍を示す概略平面図、(b)は(a)に対応する部分のモールド樹脂40の上面41側を示す概略平面図、(c)は(a)中のD−D線に沿った部分の概略断面図である。
この場合、図9に示されるように、上記1つの補強端子部141の一部141aを折り曲げ、モールド樹脂40の上面41にて露出させている。これにより、他の補強端子部142〜144とはモールド樹脂40からの露出形状を異ならせている。
(他の実施形態)
なお、複数の補強端子部141〜144のうち1つの補強端子部141の露出形状を、残りの他の補強端子部142〜144の露出形状と異ならせるにあたっては、当該1つの補強端子部141の露出形状は、上記した各実施形態に示した図の形状に限定されるものではない。
上記1つの補強端子部141についての露出形状の他の例を、図10(a)、(b)に示す。この図10に示される例では、上記各実施形態と同様に、延長部14aを境として、モールド樹脂40の下面42を当該補強端子部側の領域とリード部12側の領域とに分離している。
また、上記各実施形態では、モールド樹脂40の下面42からアイランド部11が露出し、その露出する下面11bにて基板200とはんだ付けされるものとしていたが、アイランド部11はモールド樹脂40の下面42にて露出していなくてもよい。
また、モールド樹脂40の形状も上記したような矩形板状でなくてもよく、たとえば円板、六角形板などであってもよい。また、外部基材としては、モールドパッケージをはんだ付けにより、搭載できるものであればよく、上記した基板200に限定されるものではない。
また、上記1つの補強端子部141を基準として1ピンを認識することについては、上記実施形態では、当該1つの補強端子部141に隣り合うリード部12aを1ピンとすることで行っていた。しかし、たとえば、当該1つの補強端子部141に隣り合うリード部12aから2番目もしくは3番目、あるいはn番目のリード部12を1ピンと決めておくことにより、1ピンの識別を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態のモールドパッケージは、モールド樹脂40の上面41または下面42からパッケージをみたとき、モールド樹脂40の外周端部である側面43からリードフレームが外側に突出していないモールドパッケージ、すなわち、アウターリードレスタイプのモールドパッケージであった。
しかし、モールドパッケージとしては、モールド樹脂40の下面42からリード部12が露出し、このリード部12の露出部にて、外部基材にはんだ付けされるようになっているものであればよく、上記したようなアウターリードレスタイプのものに限定されるものではない。
本発明の第1実施形態に係るモールドパッケージの実装構造を示す概略平面図である。 (a)は図1中のA−A概略断面図、(b)は図1中のB−B概略断面図である。 (a)は上記第1実施形態に係るモールドパッケージにおけるモールド樹脂の下面側の概略平面図、(b)は(a)中のC部拡大図、(c)は上記C部における斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るモールドパッケージにおけるモールド樹脂の下面側の概略平面図である。 本発明の第3実施形態に係るモールドパッケージにおけるモールド樹脂の下面側の概略平面図である。 本発明の第4実施形態に係るモールドパッケージにおけるモールド樹脂の下面側の概略平面図である。 本発明の第5実施形態に係るモールドパッケージにおけるモールド樹脂の下面側の概略平面図である。 本発明の第6実施形態に係るモールドパッケージの要部を示す概略平面図である。 本発明の第5実施形態に係るモールドパッケージの要部を示す図であり、(a)はモールド樹脂の下面側の概略平面図、(b)はモールド樹脂の上面側を示す概略平面図、(c)は(a)中のD−D概略断面図である。 本発明の他の実施形態を示す概略平面図である。 本発明者の試作したモールドパッケージにおけるモールド樹脂の下面側の概略平面図である。
符号の説明
10…リードフレーム、11…アイランド部、11a…アイランド部の上面、
11b…アイランド部の下面、12…リード部、13…吊りリード、
14a…補強端子部の延長部、14b…補強端子部のランド部、
20…部品としての半導体素子、40…モールド樹脂、41…モールド樹脂の上面、
42…モールド樹脂の下面、43…モールド樹脂の側面、
141、142、143、144…補強端子部、200…外部基材としての基板。

Claims (6)

  1. アイランド部(11)と、
    前記アイランド部(11)の上面(11a)に搭載された部品(20)と、
    前記アイランド部(11)の周囲に位置する複数のリード部(12)と、
    前記部品(20)、前記アイランド部(11)および前記リード部(12)を封止するモールド樹脂(40)とを備えるパッケージであって、
    前記アイランド部(11)の上面(11a)とは反対側の下面(11b)側に位置する前記モールド樹脂(40)の下面(42)が、当該パッケージを外部基材(200)にはんだ付け実装するときに前記外部基材(200)と対向する面となっており、
    前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)にて前記リード部(12)が露出し、このリード部(12)の露出部にて、前記外部基材(200)にはんだ付けされるようになっているモールドパッケージにおいて、
    前記モールド樹脂(40)の内部には、前記アイランド部(11)から前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)の外周端部に向かって延びる複数の吊りリード(13)が設けられており、
    前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)の周辺部にて、それぞれの前記吊りリード(13)の先端部が前記モールド樹脂(40)から露出し、この露出する前記吊りリード(13)の先端部は、前記外部基材(200)にはんだ付けされる補強端子部(141〜144)として構成されており、
    それぞれの前記補強端子部(141〜144)は、前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)から前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)の端部に位置する前記モールド樹脂(40)の側面(43)まで前記モールド樹脂(40)から露出した状態で延びる延長部(14a)を有しており、
    それぞれの前記補強端子部(141〜144)のうちの1つの補強端子部(141)、他の前記補強端子部(142〜144)とは、前記延長部(14a)の数を異なるものとすることによってモールド樹脂(40)から露出する形状が異なっており、
    前記1つの補強端子部(141)を基準として、前記複数のリード部(12)における1ピンが認識されるようになっていることを特徴とするモールドパッケージ。
  2. すべての前記補強端子部(141〜144)は、前記延長部(14a)を境として、前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)における当該補強端子部側の領域とこれに隣り合う前記リード部(12)側の領域とを分離しているものであり、
    前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)における前記補強端子部側の領域において、前記1つの補強端子部(141)の形状が、前記他の補強端子部(142〜144)の形状と異なっていることを特徴とする請求項に記載のモールドパッケージ。
  3. 前記それぞれの補強端子部(141〜144)は、前記延長部(14a)に加えて、前記延長部(14a)よりも面積が広く前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)から露出するランド部(14b)を備えたものであることを特徴とする請求項またはに記載のモールドパッケージ。
  4. 前記それぞれの補強端子部(141〜144)において、当該補強端子部に隣り合うリード部(12)側に位置する前記延長部(14a)の辺およびランド部(14b)の辺は、前記隣り合うリード部(12)と平行に延びる連続した1本の直線上に位置するものであることを特徴とする請求項に記載のモールドパッケージ。
  5. 前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)は矩形状をなすものであり、
    前記複数の吊りリード(13)は、前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)の4つの隅部のそれぞれに向かって延びる4個のものよりなり、それぞれの前記隅部にて前記各吊りリード(13)の先端部が、前記補強端子部(141〜144)として露出しており、
    4個の前記補強端子部(141〜144)のうちの1つの補強端子部(141)が、他の3つの前記補強端子部(142〜144)とはモールド樹脂(40)から露出する形状が異なっていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のモールドパッケージ。
  6. 前記モールド樹脂(40)の前記下面(42)から露出する前記リード部(12)のうち前記1つの補強端子部(141)に隣り合うものが、前記1ピンとされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のモールドパッケージ。
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