JP5034636B2 - 車両の前部構造 - Google Patents
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Description
このため、エンジンが後退しても、全ての排気管がトンネル拡大部の内部空間に嵌り込むことになり、排気管がダッシュパネルを押圧するおそれをなくすことができる。
すなわち、仮に、集合排気管をトンネル拡大部よりも前方位置に配設した場合には、車両衝突時に、全ての排気管をトンネル拡大部内に導けない可能性もあるのである。
よって、複数の排気管を、より確実にトンネル拡大部内に案内して、車両の衝突安全性を高めることができる。
よって、エンジンとダッシュパネルとの間には、占有スペースの大きなキャタリストを設置する必要がなくなり、より一層衝突安全性を高めることができる。
さらには、加熱されるキャタリスト周りの空気(熱気)を前後方向に延びるトンネル部を利用して、車両後方側に排出することができるため、キャタリスト周りの熱害を防止することができる。
上記構成によれば、トンネル拡大部の略ハの字状に傾斜する側壁面の傾斜角が両側端の排気管の傾斜角よりも大きいことにより、車両衝突時にエンジンが後退して排気管がトンネル拡大部に嵌り込む際に、側壁面が気筒両端側端の排気管を車幅方向内方側に案内することになる。
よって、全ての排気管がよりトンネル拡大部内に嵌り込みやすくなり、車両衝突時の安全性を高めることができる。
上記構成によれば、キャタリストの車両前方側にステアリング機構を配置したことにより、車両衝突時にステアリング機構がキャタリストの後方移動を阻害しないため、確実にキャタリスト等がトンネル拡大部の内部空間に嵌り込むことになる。
よって、排気管の後方移動が阻害されることなく、車両の衝突安全性をより高めることができる。
また、ステアリング機構がキャタリストの車両前方側に位置することにより、車両走行中、ステアリング機構には、キャタリスト周りの熱気が流れにくくなる。
よって、ステアリング機構に対するキャタリストによる熱害も抑制することができ、ステアリング機構の耐久性を高めることができる。
上記構成によれば、エンジンが車両後方側に傾斜配置(スラント配置)されることで、エンジン上部前方とエンジン下部後方にスペースが確保できる。また、エンジンの排気ポートの位置も低くできる。
このため、エンジン前方に配置される吸気管の配置スペースを拡大することができる。また、エンジン後方に配置されるフロントデフを車両前方側に配置することができる。さらに、排気ポートの位置が低くなるため、排気管の位置がトンネル拡大部に近接するため、車両衝突時に排気管をトンネル拡大部内に嵌り込みやすくできる。加えて、キャタリストまでの距離も短くできるため、触媒の早期活性化を図ることができる。
よって、エンジンを後方に傾斜配置することで、後方排気エンジンにおける車両衝突時の安全性を高めることができ、また、車両のオーバーハング量を低減できるため、車両の操安性能も高めることができる。
よって、車両前部のエンジンルームに横置きにエンジンを配置して、エンジン前方に吸気管を配置して、エンジン後方に排気管を配置した車両の前部構造において、車両衝突時にエンジンが後退しても、排気管等がダッシュパネルを押圧しないように構成して、車両の衝突安全性を高めることができる。
まず、図1〜図5で、車両の前部構造の全体構造について説明する。図1は車両の前部構造の特徴部分を示した斜視図、図2は車両の前部構造の全体側面図、図3はエンジンを除いた全体正面図、図4は車体フレーム等も含めた全体平面図、図5は車体フレーム等も含めた全体底面図である。
変速機12は、図示しない入力軸と出力軸が車幅方向に延びるいわゆる横置きタイプの変速機12であり、エンジン7の出力を、方向変換することなく、そのままヘリカルギア等(平歯車)でフロントデフ13へ伝達するようにしている。
なお、図2に示すように、エンジン7の前方のエンジンルームER前部には、ラジエータ15を設置している。また、エンジン下部7b後方には、前輪14を操舵するステアリング機構のステアリングラック16を設置している。
図4に示すように、エンジン7の後方には、排気マニホールド9(9a,9b,9c,9d)を配設している。この排気マニホールド9は、排気干渉を避けるために、四本の排気マニホールド9a,9b,9c,9dが、一旦二本に集合するように構成している。すなわち、燃焼タイミングを、一番気筒E1→三番気筒E3→四番気筒E4→二番気筒E2として設定しているため、両端の一番気筒E1の排気マニホールド9aと四番気筒E4の排気マニホールド9dとを、中央の二番気筒E2の排気マニホールド9bと三番気筒E3の排気マニホールド9cとを、それぞれ下流側で集合するように構成している。
この発明の車両の前部構造は、排気マニホールド9を、車両後方側に延びるように形成すると共に、車幅方向に複数本9a,9b…が並ぶように配置して、ダッシュパネル4とフロアパネル5との間の車幅方向中央に、車室内方側へ突出して車両前後方向に延びるトンネル部6を形成し、このトンネル部6の前部に、車幅方向に大きく突出して、排気マニホールド9の両側端の車幅方向幅Bより幅広の間隔(A)を有する側壁面20b,20cを備えるトンネル拡大部20を形成している。
このため、エンジン7が後退しても、全ての排気マニホールド9がトンネル拡大部20の内部空間Sに嵌り込むことになり、排気マニホールド9がダッシュパネル4を押圧するおそれをなくすことができる。
よって、車両前部のエンジンルームERに横置きにエンジン7を配置して、エンジン7前方に吸気マニホールド8を配置して、エンジン7後方に排気マニホールド9を配置した車両の前部構造において、車両衝突時にエンジン7が後退しても、排気マニホールド9等がダッシュパネル4を押圧しないように構成して、車両の衝突安全性を高めることができる。
これにより、車両衝突時にエンジン7が後退して排気マニホールド9がトンネル拡大部20に嵌り込む際に、側壁面20b,20cが両側端の排気マニホールド9a,9dを車幅方向内方側に案内することになる。
よって、全ての排気マニホールド9がよりトンネル拡大部20の内部空間Sに嵌り込みやすくなり、車両衝突時の安全性を高めることができる。
これにより、車両衝突時には、複数本の排気マニホールド9a,9b…を全てトンネル拡大部20の内部空間Sに導くことができる。
よって、複数の排気マニホールド9a,9b…を、より確実にトンネル拡大部20内に案内して、車両の衝突安全性を高めることができる。
これにより、トンネル拡大部20内の比較的大きな空間を利用して、占有スペースの大きい直キャタリスト21をレイアウトすることができる。
よって、エンジン7とダッシュパネル4との間には、占有スペースの大きな直キャタリスト21を設置する必要がなくなり、より衝突安全性を高めることができる。
特に、直キャタリスト21は、直キャタリスト21周りの空気を加熱するため、この空気(熱気)を前後方向に延びるトンネル部6を利用して、車両後方側に排出することができ、直キャタリスト21周りの熱害を防止することができる。
このため、このフレキシブルジョイント23の脆弱性を利用して、より排気系の構成要素を下方に変形し易くして、車両衝突時のトンネル拡大部20内への潜り込みを促進することができる。
これにより、車両衝突時にステアリングラック16が直キャタリスト21の後方移動を阻害しないため、確実に直キャタリスト21がトンネル拡大部20の内部空間Sに嵌り込むことになる。
よって、排気マニホールド9の後方移動が阻害されることなく、車両の衝突安全性をより高めることができる。
また、ステアリングラック16が直キャタリスト21の車両前方側に位置することにより、車両走行中、ステアリングラック16には、直キャタリスト21周りの熱気が流れにくくなる。
よって、ステアリングラック16に対する直キャタリスト21による熱害を抑制することができ、ステアリングラック16の耐久性を高めることができる。
これにより、エンジン上部7a前方とエンジン下部7b後方にスペースが確保できる。また、エンジン7の排気ポート11の位置を低くできる。
このため、エンジン7前方に配置される吸気マニホールド8の配置スペースを拡大することができる。また、エンジン7後方に配置されるフロントデフ13を車両前方側に配置することができる。さらに、排気ポート11の位置が低くなることで、排気マニホールド9の位置がトンネル拡大部20に近接するため、車両衝突時に排気マニホールド9をトンネル拡大部20内に嵌り込みやすくできる。加えて、直キャタリスト21までの距離も短くできるため、触媒の早期活性化を図ることができる。
よって、エンジン7を後方に傾斜配置することで、後方排気エンジン7における車両衝突時の安全性を高めることができ、また、車両のオーバーハング量を低減できるため、車両の操安性能も高めることができる。
この発明の吸気管は、吸気マニホールド8、サージタンク10に対応し、
以下、同様に
排気管は、排気マニホールド9、直キャタリスト21、Y字排気管22、フレキシブルジョイント23、アンダーフットキャタリスト24に対応し、
キャタリストは、直キャタリスト21に対応し、
ステアリング機構は、ステアリングラック16に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両の前部構造の実施形態を含むものである。
本実施形態では、変速機12を備えた一般的な車両で説明したが、モータ・ジュネレータを備えたハイブリッド車両の前部構造で実施してもよい。
ER…エンジンルーム
CR…車室
4…ダッシュパネル
5…フロアパネル
6…トンネル部
7…エンジン
8…吸気マニホールド(吸気管)
9…排気マニホールド(排気管)
9a,9b,9c,9d…排気マニホルド(独立排気管)
9a,9d…両側の独立排気管
14…前輪
16…ステアリングラック(ステアリング機構)
20…トンネル拡大部
20b,20c…側壁面
21…直キャタリスト(キャタリスト)
24…アンダーフットキャタリスト(排気管)
Claims (4)
- 車両前部のエンジンルームに横置きにエンジンを配置して、該エンジンの前方に吸気管を配置して、該エンジンの後方に排気管を配置した車両の前部構造であって、
前記排気管を、車両後方側に延びるように形成すると共に、車幅方向に複数本が並ぶように配置して、
車室の前壁を構成するダッシュパネルとフロアパネルとの接続部の車幅方向中央に、車室内方側へ突出して車両前後方向に延びるトンネル部を形成し、
該トンネル部の前部に、車幅方向に大きく突出して、前記複数本の排気管の車幅方向幅より幅広の間隔を有する側壁面を備えるトンネル拡大部を形成し、
前記排気管が、エンジンの各気筒に接続された複数の独立排気管と、独立排気管の下流側で独立排気管を集合する2つの集合排気管と、を備え、
前記2つの集合排気管を、前記トンネル拡大部に対応する位置に配設すると共に、
前記2つの集合排気管の途中にそれぞれキャタリストを設け、
該キャタリストをトンネル拡大部に対応する位置に配設し、
前記トンネル拡大部の側壁面の前端部の車幅方向幅は、前記複数の独立排気管の両端部の車幅方向幅より広く設定されている
車両の前部構造。 - 前記トンネル拡大部の側壁面を平面視で車両前方側に向って車幅方向に広がる略ハの字状に傾斜するように形成し、
該側壁面の前部の傾斜角を、エンジンの複数気筒のうちの気筒端に位置する両側の独立排気管におけるエンジン直後の略直線部の車幅内方側への傾斜角よりも大きく設定した
請求項1記載の車両の前部構造。 - 前記キャタリストの車両前方側に、前輪を操舵するステアリング機構を配置した
請求項1または2記載の車両の前部構造。 - 前記エンジンを、エンジン上部が車両後方側に位置するように傾斜配置した
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の前部構造。
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