JP5033384B2 - 不織布及びそれを用いたエアフィルタ用濾材 - Google Patents
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Description
JIS B9908形式1に規定される試験方法において、風速0.1m/秒にて大気塵を供給して、0.3〜0.5μmの粒子に対する粒子捕集効率(%)を求めた。
なお、粒子捕集効率が99.9%以上のHEPAグレードの濾材に対しては、粒径0.3μmのPAO(ポリアルファオレフィン)粒子を用い、面風速5.3(cm/秒)の条件で粒子捕集効率(%)を求めた。
(抗菌性試験方法−定量法)
JIS L1902「繊維製品の抗菌性試験方法」に規定される定量試験(菌液吸収法)において、混釈平板培養法により生菌数を測定して、静菌活性値を求める。なお、試験菌株は黄色ぶどう球菌Staphyiococcus ATCC 6538Pを用いた。また、無加工試料として標準白布(綿)を用い、界面活性剤(Tween80)0.05%を添加した試験菌液を使用した。
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社によってIRGAGUARDの商品名で製造されるガラスビーズAを準備した。このガラスビーズAは、変成アルミノシリケート骨格を有し、この特殊構造により銀イオンを担持した粒子状の形状をしていた。次いで、このガラスビーズAをポリプロピレン樹脂に20質量%となるように混入したマスターバッチを製造した。
次いで、メタロセン触媒を用いて製造されたMFRが1500(g/10分)のポリプロピレン樹脂を準備して、このポリプロピレン樹脂と、前記マスターバッチとヒンダードアミン(登録商標:CHIMASSORB 944FD、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)とを混合して、極細繊維の樹脂原料Aとした。この樹脂原料A中のガラスビーズAの割合は1質量%であり、ヒンダードアミンの割合は4質量%であった。
(極細繊維の樹脂原料Bの調整)
チグラー・ナッタ触媒を用いて製造されたMFRが50(g/10分)のポリプロピレン樹脂を準備し、さらにヒンダードアミン系減成剤(登録商標:イルガテックCR76、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)を含むポリプロピレン樹脂を準備して、これらのポリプロピレン樹脂と、前記マスターバッチとを混合して、極細繊維の樹脂原料Bとした。この樹脂原料B中のガラスビーズAの割合は1質量%であり、ヒンダードアミン系減成剤の割合は0.08質量%であった。
(極細繊維の樹脂原料Cの調整)
メタロセン触媒を用いて製造されたMFRが1500(g/10分)のポリプロピレン樹脂を準備して、このポリプロピレン樹脂とヒンダードアミン(登録商標:CHIMASSORB 944FD、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)とを混合して、極細繊維の樹脂原料Cとした。この樹脂原料C中にはガラスビーズが含まれておらず、ヒンダードアミンの割合は4質量%であった。
ノズル孔径0.3mm、ピッチ0.8mmで配置されたメルトブロー用のノズルダイを温度250℃に加熱し、1つのノズル孔あたり0.03g/分の割合で、樹脂原料Aを溶融させた状態で、ポリプロピレン繊維を吐出した。この吐出したポリプロピレン繊維に対して、温度250℃、ノズル幅1mあたり4.3Nm3/分の加熱気流を作用させて、重力の働く方向と同じ方向に繊維径1〜2μm(平均繊維径1.5μm)の極細繊維の流れを形成した。次いで、この極細繊維をメッシュ状コンベアにより捕集して不織布を形成した。なお、コンベアの捕集面とは反対側から空気を吸引除去し、不織布の乱れを防いだ。なお、この工程中、ノズルの詰まりや、糸切れの発生などのトラブルはなく、またショットも極めて少なく、安定した極細繊維を形成することができた。
実施例1で得られた不織布を、水を溜めた浴槽へ供給し、供給した不織布を浴槽の水中に浸漬した状態で、超音波振動発生装置(パワーユニット、変換機、ブースター、及びホーンから構成)により、2kWの出力設定値おいて振動数20kHzの超音波振動を作り出し、この超音波振動を水を介して不織布へ伝える、エレクトレット化処理を行った。なお、このエレクトレット化処理によって不織布は融着させなかった。次いで、このエレクトレット化させた不織布を乾燥装置へ供給し、温度40℃以下で乾燥し実施例2の不織布を得た。
実施例1と同様にして、ノズル孔径0.2mm、ピッチ0.8mmで配置されたメルトブロー用のノズルダイを温度290℃に加熱し、1つのノズル孔あたり0.03g/分の割合で、樹脂原料Bを溶融させた状態で、ポリプロピレン繊維を吐出した。この吐出したポリプロピレン繊維に対して、温度290℃、ノズル幅1mあたり5.0Nm3/分の加熱気流を作用させて、重力の働く方向と同じ方向に繊維径1〜2μm(平均繊維径1.5μm)の極細繊維の流れを形成した。次いで、この極細繊維をメッシュ状コンベアにより捕集して不織布を形成した。なお、コンベアの捕集面とは反対側から空気を吸引除去し、不織布の乱れを防いだ。なお、この工程中、ノズルの詰まりや、糸切れの発生などのトラブルはなく、またショットも極めて少なく、安定した極細繊維を形成することができた。
実施例1で、樹脂原料Aの替わりに樹脂原料Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、不織布を形成した。得られた不織布は、面密度が24.8g/m2、厚さが0.32mmであった。また、この不織布の風速0.10m/秒における圧力損失を、JIS B 9908に規定する圧力損失測定機(形式1)により測定したところ、42Paであった。また、濾過性能試験により計数法の捕集効率が43%であることが確かめられた。また、抗菌性試験により、静菌数を求めると2.2×104を超える値であり、静菌活性値は2.0未満であり、抗菌性は認められなかった。
Claims (7)
- メルトブロー法により製造され表面がポリオレフィン樹脂成分からなる平均繊維径が0.1〜10μmの極細繊維を含む不織布であって、前記極細繊維の前記ポリオレフィン樹脂成分中に抗菌剤を含んだガラス粒子が含まれており、前記ガラス粒子は変成アルミノシリケート骨格を有し、この特殊構造により銀イオンを担持しており、前記ガラス粒子の平均粒子径は3μm以下であり、且つ前記極細繊維の平均繊維径よりも小さい不織布を用いてなることを特徴とするエアフィルタ用濾材。
- メルトブロー法により製造され表面がポリオレフィン樹脂成分からなる平均繊維径が1.5〜3μmの極細繊維を含む不織布であって、前記極細繊維の前記ポリオレフィン樹脂成分中に抗菌剤を含んだ前記ガラス粒子が含まれており、前記ガラス粒子の平均粒子径は1μm以下である不織布を用いてなることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
- 前記極細繊維を構成する樹脂成分がMFR100(g/10分)以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のエアフィルタ用濾材。
- 前記極細繊維を構成する樹脂成分がメタロセン触媒を用いて製造された樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエアフィルタ用濾材。
- 前記極細繊維を構成する樹脂成分が過酸化物からなる減成剤を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアフィルタ用濾材。
- 前記極細繊維を構成する樹脂成分がヒンダードアミン系化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のエアフィルタ用濾材。
- エレクトレット加工されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のエアフィルタ用濾材。
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