JP5564934B2 - 抗菌性有機重合体製品 - Google Patents
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Description
一方、特許文献7にナノメーターオーダーの無機系抗菌剤粒子を練り込んだ抗菌繊維に関する技術が開示されているが、技術内容の説明では、使用する抗菌剤粒子としてリン酸ジルコニウム銀などの粒子径範囲0.01μm〜3μmの抗菌剤粒子を挙げているが、実施例に挙げているノバロンAG300(東亜合成化学工業(株))の粒子径は0.9μm、シーバイオ(海水化学研究所)は0.2μmで有ることがメーカー技術資料調査から分かる事から、0.2μm以下の抗菌剤粒子を用いた技術は開示されていなかった。
(1)有機重合体中にパーオキサイド系の過酸化物を1種類以上および0.5重量%を超える量のラジカル捕捉剤を1種類以上含むことを特徴とする抗菌性有機重合体製品。
(2)さらに一次粒子径が200nm未満の抗菌剤粒子を含む(1)記載の抗菌性有機重合体製品。
(3)過酸化物がジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシケタール類から選ばれるいずれか一種以上である(1)または(2)記載の抗菌性有機重合体製品。
(4)過酸化物が2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたは/および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3である(1)から(3)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(5)過酸化物がシリカ粒子に添着されている(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(6)ラジカル捕捉剤がヒンダードアミン系化合物である(1)〜(5)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(7)抗菌剤粒子が硫化銀粒子または/およびシリカ添着硫化銀粒子である(2)〜(6)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品が、平均繊維径が4μm以下で構成される繊維群と平均繊維径が6μm以上の繊維群で構成されており、平均繊維径が6μm以上で構成される繊維群の体積割合を全体の20%以上とした異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布。
(9)繊維に含まれる抗菌剤粒子の成分または/および含有量が異なる、少なくとも2種類以上の繊維で構成された(8)記載の抗菌性極細繊維不織布。
(10)エレクトレット化されたものである(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(11)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品に別の機能性不織布が積層された抗菌性積層繊維製品。
(12)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品を用いたフィルター。
(13)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品を用いた濾過機器。
(1)抗菌性、抗ウイルス、抗カビ性等の機能訴求は、ポリマーと混ざりやすいラジカル捕捉剤と過酸化物によって行われるため紡糸安定性が非常に高く、超極細繊維の抗菌性繊維製品を安定生産する事ができる。さらにラジカル捕捉剤と過酸化物に加えて抗菌剤粒子が添加された抗菌性有機重合体製品は更に高い抗菌性、抗ウイルス性、抗カビを得ることができる。
(2)ラジカル捕捉剤としてエレクトレット性にも優れた物が使用されているため高いエレクトレット抗菌性有機重体製品を安定生産する事ができる。
(3)抗菌剤粒子がナノメーターオーダーの粒子のためポリマーの流動性を阻害しない。このため、ポリマー流動性を示すMFRが30〜2000g/10分の高粘度から極低粘度ポリマー範囲で何ら問題なく樹脂成型、紡糸することができる。このため極細繊維不織布をも生産性高く製造することが可能である。
(4)抗菌剤粒子の硫化銀粒子の硫黄には高い抗カビ性があり多品種のカビ菌に対して不活化性能を有する。また銀には高い抗菌性と抗ウイルス性がある。このため硫黄と銀を複合することで相乗効果による高い抗菌性、抗カビ性、抗ウイルス性(以後これらを抗菌性と称する)、抗アレルゲン性を得ることができる。
(5)またナノメーターオーダーの粒子サイズの銀には、酸素に作用して反応性の高い陰電荷酸素(酸素ラジカル)に変質させる触媒作用がある。このため直接、硫化銀に接触していない離れた位置に付着した菌やカビ菌、ウイルス、アレルゲンに対しても抗菌性が、悪臭成分に対しては消臭性を得ることができる。
(6)上記(1)〜(5)の効果は極細繊維表面に抗菌作用面、触媒作用面を有するため、少ない使用量で大きな抗菌性、抗アレルゲン性、消臭性を得ることができる。
(7)エレクトレット化繊維では高い粒子捕集性能を有し菌類を高い効率で捕集し不活化する事が可能である。
(8)極細繊維だけでなくプラスチック体表面でも上記同様の性能を得ることが可能である。
(9)ラジカル捕捉剤、過酸化物および抗菌剤粒子は繊維内に練り込まれているため環境条件、温度、湿度により変質したり、結露水などによって有効性が失われる事がない。
例えば抗菌剤粒子として200nm未満の硫化銀粒子を繊維内に練り込むと少ない添加量で抗菌性が得られるが、一方で導電性が発現しエレクトレットの帯電性と安定性を阻害される場合がある。このため、エレクトレット性と抗菌性を両立させる手段として、繊維内に練り込む硫化銀粒子の添加量をエレクトレット性への影響度が少ない添加量0.2重量%以下にする方法もあるが、極細繊維にはラジカル捕捉剤と過酸化を添加し硫化銀粒子を添加せず、極太繊維にラジカル捕捉剤と過酸化物と硫化銀粒子を添加して用いると、極細繊維による高捕集性と抗菌性が、極太繊維による中捕集性と高い抗菌性、更に嵩高性による低圧損性が得られた異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性極細繊維不織布を得ることができる。組み合わせは繊維の太さだけでなく抗菌剤の種類や添加量を変えるなど求められる抗菌性や捕集性能で使い分けることができる。
(1)溶融粘度3倍以上、好ましくは5倍以上異なるポリマーを2種以上混合してノズル孔径0.05〜0.2mmの孔から吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。この方法ではポリマー粘度に応じて牽引性や繊維分割性に差が生じるため繊維径の異なる繊維を均一に混合することができる。
(2)口径の異なるポリマー吐出孔を2種以上準備し、粘度の高いポリマーは大口径の孔から、粘度の低いポリマーは小口径からそれぞれ計量して吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。
(3)(2)に於いて同じ粘度のポリマーを、吐出量を変えて吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。
(4)2台のノズルヘッドを斜め下方に向き合う位置に配置し、極太、極細繊維をそれぞれのノズルで吐出量後、高速加熱エアー内で合流させる方法。
上記いずれかの方法で実施する事ができる。これらの製法の中で本発明に適する方法は、(1)〜(3)の方法が極細繊維群と極太繊維群が均一に混ざるので好ましい方法である。 本発明の抗菌性有機重合体製品や異繊度混合構造の抗菌性極細繊維不織布は、各種エアフィルターや液体フィルター、ワイパー、生鮮食料のカバー材、医療材料、衣料材料として使用でき、抗菌性有機重合体製品や抗菌性極細繊維不織布単独での使用や他の繊維製品と複合して使用することができる。特に抗菌性有機重合体製品や抗菌性極細繊維不織布をフィルターとして用いる場合には補強機能の高い支持不織布と積層して補強した抗菌性積層繊維製品とする事が望ましい。また支持不織布には抗菌性、抗カビ性、抗アレルゲン性、抗ウイルス性、消臭性、脱臭性などの機能を持った機能不織布を用いることで、機能が強化された抗菌性積層繊維製品とすることが出来る。例えば抗菌性抗アレルゲン性の支持不織布と積層した場合には、抗菌性積層繊維製品全体が抗菌性となるため、不織布全体で菌やカビ菌が不活化された状態となるため交換に際し素手で触っても安全衛生性が高く、舞い上がったアレルゲンによる花粉症発症も防止出来るようになる。
またこれらの抗菌性有機重合体製品や抗菌性極細繊維不織布および抗菌性積層繊維製品は、フィルターユニットに仕上げて各種空気清浄機や空調機器、浄水器用に用いることで高い抗菌性を保持した濾過機器とすることができる
24℃60%RHの室温に8時間以上放置して、評価試料の質量を求め、その面積から1m2当たりの質量に直して、それぞれの評価試料の目付として求める。サンプルング最小面積は0.01m2以上とする。
JIS B9908(2001)形式1試験法に準じた評価機器に評価試料をセットし、濾材貫通風速3.18m/minで上流側から一般外気を供給し、評価試料前後の粒子数をパーティクルカウンターを用いて測定し、下記式から捕集効率を求める。
η=(1−(CO/CI))×100
CO=評価フィルター通過後の粒径0.3〜0.5μmの粒子数
CI=評価フィルター通過前の粒径0.3〜0.5μmの粒子数
<抗菌性試験方法−定量法>
JIS L19022008「繊維製品の抗菌性試験方法」に規定される定量試験(菌液吸収法)において菌液面をフィルムでカバーする方法で実施。混釈平板培養法により生菌数を測定して、静菌活性値を求める。なお、試験菌株は黄色ぶどう球菌Staphyiococcus ATCC 6538Pを用いた。また、無加工試料として標準白布(綿)を用い、界面活性剤(Tween80)0.05%を添加した試験菌液を使用した。
判定基準は、静菌活性値2.0以上で抗菌性有り。
日本分析食品分析センター抗ウイルス性試験方法(インフルエンザA型、H1N1)に準じて行う。
日本化学繊維検査協会、JIS Z29112000(湿式法)で実施する。カビ菌は以下の4種とした。
Aspergillus niger NBRC6341
Penicillium citrinum NBRC6352
Chaetomium globosum NBRC6347
Myrothecium verrucaria NBRC6113
判定基準
0:試料または試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
1:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超えない。
2:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超える。
ELISA法試験で実施した。アレルゲンはコナヒョウヒダニとスギ花粉を用いて実施した。
JIS K7210に準じて実施する。
(社)繊維評価技術協議会が定める消臭加工品の試験方法で、タバコ臭の場合で評価した。
繊維径は、対象サンプルの表面をSEM分析し、少なくとも200本以上の繊維をランダムに抽出し繊維の幅を測定し繊維径とする。体積換算は繊維径から繊維断面積を求め一定長さを掛けて体積とする。
下記順番で試験を行うが、この方法に限定されない妥当性のある試験方法で実施することができる。(1)試料(樹脂チップまたは不織布を用いる)を凍結粉砕し、クロロホルム/メタノール=1/1の液にて100℃で高温溶媒抽出(ASE)を行う。
(2)クロロホルム/メタノール抽出物について1H−NMR測定を実施する。
(3)クロロホルム/メタノール抽出物をTHFに溶解し、溶解成分についてHPLC分析およびHPLC分取を実施しピークを検出する。
(4)各種ラジカル捕捉剤についても同様のHPLC分析を実施する。
(5)HPLC分取物についてIRと1H−NMR測定を実施し分取物の構造解析を実施する。さらに精度を増すためLC/MS測定を実施し分子量情報を得る。
(6)N元素の定量分析を行い各種ラジカル捕捉剤品種の添加量を特定する。
下記順番で試験を行うが、この方法に限定されない妥当性のある試験方法で実施することができる。
(1)試料(樹脂チップまたは不織布を用いる)を凍結粉砕し、過酸化物が溶ける溶剤を選定しソックスレー抽出を90℃以下行う。
(2)ソックスレー抽出物について1H−NMR測定を実施する。
(3)ソックスレー抽出物を溶剤に溶解し、溶解成分についてHPLC分析およびHPLC分取を実施しピークを検出する。
(4)各種過酸化物についても同様のHPLC分析を実施する。
(5)HPLC分取物についてIRと1H−NMR測定を実施し分取物の構造解析を実施する。さらに精度を増すためLC/MS測定を実施し分子量情報を得る。
(6)定量分析を行い過酸化物の添加量を特定する。
一次粒子径は透過型電子顕微鏡を用いて樹脂または繊維の表面または切断面を観察し、粒子の中から100個以上の、重なりや凝集が無くそれ以上分割できない粒子(一次粒子)をランダムに抽出し長径を測定して平均値で求める。含有量分析は、ICP発行分析法とX線回折法も併用して実施する。
チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたポリプロピレン樹脂パウダーに表2または表3記載のラジカル捕捉剤と過酸化物を混合・溶融押し出しして得られたチップをポリプロピレン樹脂とした。また抗菌剤粒子は、上記ポリプロピレン樹脂チップに更に抗菌剤を混合・溶融押し出し得られたチップをポリプロピレン樹脂とした。
上記ポリプロピレン樹脂と表1に記載されたメルトブロー紡糸条件A〜Fを適用して紡糸された繊維をメッシュ状エアーサクションコンベアにより捕集して目付12g/m2のメルトブロー不織布を作成した。なお表中のポリマー吐出量、ポリマー樹脂MFR、平均繊維径の行に記載された大および小の表示は、ノズル孔として大または小を用いたことを示している。メルトブロー条件Fのノズル孔に1個または3個と記載されているのは、ノズル孔径大の間にノズル孔径小が3個の配置されていることを示す。
スリット幅0.3mmのノズルからポリマーを吐出後冷却ロール上に製膜後、縦方向4倍、横方向に2.5倍に延伸して厚み0.1mmのポリプロピレンフィルムシートを得た。
不織布に純水を噴射し完全に濡らした後、ニップロールで潰して水分付着率250%まで脱水後、100℃の乾燥機に30分間放置して乾燥するハイドロチャージ方法を用いた。
表2に、ラジカル捕捉剤の種類と使用量、過酸化物の種類と使用量、抗菌剤粒子の種類と使用量を変えたポリプロピレン樹脂をメルトブロー紡糸条件A〜Fを用いて製布したエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布の繊維径/捕集効率、抗菌性(静菌活性値)、抗ウイルス不活化率、抗カビ性の評価結果を示す。試験結果の通り、実施例1〜5の結果からラジカル捕捉剤と過酸化物を併用することで静菌活性値、抗ウイルス不活化率、抗カビ性が確認でき、ラジカル捕捉剤と過酸化物の添加量が増えるに従い静菌活性値が向上する事が分かる。また実施例6〜10では、ラジカル捕捉剤と過酸化物に加え抗菌剤粒子が添加されたことで更に静菌活性値、抗ウイルス不活化率、抗カビ性が一段と高くなっている事が確認できる。実施例11と12では、実施例7より抗菌剤添加量が少ないが繊維径が細いため抗菌作用面の拡大により高い静菌活性値が得られていることが分かる。更に実施例13と14ではラジカル捕捉剤がCHIMASSORB 944LDが適する事が分かる。
この不織布は、平均繊維径1.2μmの繊維群(体積割合60%、繊維径範囲0.1〜6μm)と平均繊維径15μmの繊維群(体積割合40%、繊維径範囲10〜25μm)の2つで構成された異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性極細繊維不織布である。圧損は12Paで捕集効率は93%であった。一方、実施例13は、平均繊維径1.7μmで圧損は20Paで有った。異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性極細繊維不織布こすることで低圧損で高い捕集効率が得られ十分高い抗菌性も得られる事が確認できた。
実施例4と7のサンプルを用いて抗アレルゲン性を評価した。コナヒョウヒダニおよびスギ花粉の各アレルゲンに対し95%以上の不活化性能を確認することができた。過酸化物の酸化作用と硫化銀粒子の触媒作用および銀イオン効果が寄与している事が確認できた。
実施例7と比較例1のサンプルを用いた6段階臭気官能評価では、実施例7のサンプルの臭気強度が2.5に対し比較例1のサンプルの臭気強度は3.7であり消臭効果が確認できた。
実施例7のサンプルに抗菌・抗ウイルス・抗アレルゲン加工された不織布(平均繊度5dtex、目付60g/m2、静菌活性値5.4以上、抗ウイルス不活化率99.9%・スギ花粉不活化率99.1%、捕集効率2%以下)を積層した抗菌性積層繊維製品を濾材とし、この濾材を1.5m2収納したフィルターユニット(サイズW300mm×L340mm×D40mm)を作成した。同様に比較例1のサンプルに機能のない不織布(平均繊度5dtex、目付60g/m2、抗菌性0.1以下、抗ウイルス不活化率0%・スギ花粉不活化率0%、捕集効率2%以下)を積層した積層濾材を作成し、この濾材を1.5m2収納したフィルターユニット(サイズW300mm×L340mm×D40mm)を作成した。この二つのフィルターを一般ビルの外気取り入れ口用空調機に装着し6ヶ月間の運転を行い、切り出した濾材の抗カビ性試験を行った。この結果、比較例の抗カビ性は3(発育有り)、水準6の抗カビ性は0(発育なし)で明らかに抗カビ性に優れていることが確認できた。
ラジカル捕捉剤(1)0.55重量%、過酸化物(1)0.02重量%、抗菌剤粒子(1)0.08重量%を含むMFR20のプリプロピレン樹脂を用いた厚さ0.1mmのフィルムで抗菌性を評価した。静菌活性値は4.6で、不織布と同等の高い性能を確認することができた。
ポリエステル樹脂にラジカル捕捉剤(1)0.7重量%、過酸化物(1)0.05重量%を配合したスパンボンド方式の長繊維不織布(繊度5dtex、目付70g/m2、厚み0.25mm)を作成し抗菌性を評価した結果、静菌活性値4.3の抗菌性が確認された。樹脂が異なっても同様の抗菌性が得られる技術であることが確認できた。
(比較例1〜10)
メルトブロー紡糸条件Aを用いて表2に示す薬剤添加率のエレクトレット化メルトブロー不織布、た作成した(目付12g/m2、繊維系1.2μm)。
ラジカル捕捉剤または過酸化物の単独使用では静菌活性値が0.2以下(抗菌性があると認められる静菌活性値2.0以上)で抗菌性が得られないことが分かる。
またラジカル捕捉剤と過酸化物が併用された条件でもラジカル捕捉剤の添加量が0.4以下では抗菌性が確認出来なかった。
ラジカル捕捉剤(2):CHIMASSORB2020FDL
ラジカル捕捉剤(3): 3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノ−エチル−ホスホネートのカルシウム塩:チバスペシャルティケミカルズ(株)商品名;イルガノックス1425WL
ラジカル捕捉剤は、上記の他に各水準共通でペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:チバスペシャルティケミカルズ(株)商品名;イルガノックス1010を0.01%とn−オクタデシル−β−(4´−ヒドロキシー3´、5´−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート:チバスペシャルティケミカルズ(株)商品名;イルガノックス1076を0.004%含む。
過酸化物(1):2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン/シリカ添着(添着率40%)
過酸化物(2):2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3/シリカ添着(添着率40%)
過酸化物(3):チバスペシャルティケミカルズ(株)ヒンダードアミン系減成剤商品名;イルガテックCR76
抗菌剤粒子(1):一次粒子径10nmの硫化銀粒子
抗菌剤粒子(2):一次粒子径50nmのシリカ添着硫化銀粒子(シリカ重量比率60%)
Claims (13)
- 不織布中にパーオキサイド系の過酸化物を1種類以上および0.5重量%を超える量のラジカル捕捉剤を1種類以上含むことを特徴とする抗菌性不織布。
- さらに一次粒子径が200nm未満の抗菌剤粒子を含む請求項1記載の抗菌性不織布。
- 過酸化物がジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシケタール類から選ばれるいずれか一種以上である請求項1または2記載の抗菌性不織布。
- 過酸化物が2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたは/および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3である請求項1から3のいずれかに記載の抗菌性不織布。
- 過酸化物がシリカ粒子に添着されている請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性不織布。
- ラジカル捕捉剤がヒンダードアミン系化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌性不織布。
- 抗菌剤粒子が硫化銀粒子または/およびシリカ添着硫化銀粒子である請求項2〜6のいずれかに記載の抗菌性不織布。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布が、平均繊維径が4μm以下で構成される繊維群と平均繊維径が6μm以上の繊維群で構成されており、平均繊維径が6μm以上で構成される繊維群の体積割合を全体の20%以上とした異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布。
- 繊維に含まれる抗菌剤粒子の成分または/および含有量が異なる、少なくとも2種類以上の繊維で構成された請求項8記載の抗菌性極細繊維不織布。
- エレクトレット化されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布に別の機能性不織布が積層された抗菌性積層繊維製品。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布を用いたフィルター。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布を用いた濾過機器。
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