JP5564934B2 - 抗菌性有機重合体製品 - Google Patents

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Description

本発明は抗菌性有機重合体製品に関するもので、抗菌性有機重合体製品は樹脂成型体、シート、フィルム、各種織り編み物、各種不織布等に利用でき、特に不織布用途ではマスク、フィルター、ワイパー等に利用可能である。
従来から、繊維製品への抗菌性付与技術は数多く知られているが、平均繊維径が5μmを下回る極細繊維不織布に抗菌性とエレクトレット性を付与した不織布となると、技術的課題が多くなり、その課題を解決した技術は下記の通り、満足できるものではなかった。このような技術に関する文献として、特許文献1にはエレクトレット不織布への抗菌剤粒子薬液付着加工方法が示されている。しかし、この材料は抗菌剤粒子薬液の影響を受けて繊維表面の電気抵抗値が小さくなるためエレクトレットの安定性に甚だ欠けるものであった。また特許文献2では、繊維径50μmの繊維中に抗菌剤粒子を粒子径としては非常に大きな0.5〜3.0μmの無機系抗菌性ゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩の抗菌性金属イオンで置換)を練り込んだ抗菌性不織布と別のエレクトレット不織布を積層したエアフィルターが提案されている。このケースでは抗菌加工された不織布に捕捉されたバクテリアに対しては抗菌効果が期待できるが、菌やウイルスは0.01〜数μmと非常に小さいため目の粗い抗菌加工された上流側の不織布には殆ど捕捉されずに下層のより緻密で捕集効率の高い抗菌性の無いエレクトレット不織布層に捕捉される。このため実用的に抗菌性にかける技術であった。
特許文献3には、体積抵抗率1013Ω・cm以上の合成有機重合体中に、ヒンダードアミンやヒンダードフェノールなどの熱安定剤(ラジカル捕捉剤)を0.01〜2重量%の範囲と無機系抗菌剤粒子を0.1〜4重量%含有させた抗菌性エレクトレット材料が記載されている。しかしゼオライトは天然性のものであるため破砕し分級してもその粒子径が広く分布した一次粒径が0.5〜3.0μmの物であるためポリマー吐出孔径が0.2mm程度の孔から吐出させた場合、粒子がポリマー中で凝集沈降して粒子径が大きくなり、ノズルの詰りが頻繁し到底繊維径2μm以下のメルトブロー不織布を製布することは出来ない技術であった。また特許文献4の実施例には、ヒンダードアミンなどの熱安定剤(ラジカル捕捉剤)とヒンダードアミン系過酸化物と平均粒子径0.8μmの無機系抗菌剤粒子を含むポリマーをメルトブロー法で紡糸した平均繊維径1.5μmのエレクトレット抗菌性不織布が示されているが、繊維径0.1μmのメルトブロー不織布を得るための抗菌剤粒子の粒子径や素材については何ら記載されていないものであった。
一方、特許文献7にナノメーターオーダーの無機系抗菌剤粒子を練り込んだ抗菌繊維に関する技術が開示されているが、技術内容の説明では、使用する抗菌剤粒子としてリン酸ジルコニウム銀などの粒子径範囲0.01μm〜3μmの抗菌剤粒子を挙げているが、実施例に挙げているノバロンAG300(東亜合成化学工業(株))の粒子径は0.9μm、シーバイオ(海水化学研究所)は0.2μmで有ることがメーカー技術資料調査から分かる事から、0.2μm以下の抗菌剤粒子を用いた技術は開示されていなかった。
次に、特許文献5は抗菌性に関係しないエレクトレット材料に関する文献であるが、ポリプロピレン樹脂にヒンダードアミン系などのラジカル捕捉剤が用いられている。またラジカル発生剤(過酸化物、減成剤とも言う)を添加してポリプロピレン樹脂のポリマー分子鎖を切って低分子量のポリマーにする(減成)ことで高いエレクトレット材料を得る技術が示されている。特許文献4と5の共通点は、特許文献3にも一部関係するがエレクトレット化剤としてヒンダードアミンが添加されており、加えて紡糸の安定性またはエレクトレット効果を得るためにポリマー分子鎖を切る効果のある減成剤=過酸化物(粘度の高い高分子量ポリマーの分子鎖を切断して低分子量の粘度の低いポリマーにする減成作用を有する)が併用されていることである。これらの文献に記載された過酸化物の使用目的はポリマーを減成するために使用されており、抗菌性を得るためには用いられてはいなかった。また抗菌性に関する言及は何ら認められない技術であった。すなわち、その理由は、減成効果が発揮される条件とは、過酸化物が熱分解して消失して無くなる条件で用いられていたことによる。また特許文献6には、繊維径が数nm〜数百nm(好ましくは50nm〜800nm)の繊維に分散剤含有ナノメーターオーダーの銀粒子を0.1〜1重量%練り込んだ抗菌繊維不織布の製法技術が開示されている。このナノメーターオーダーの繊維を作成する技術は、ポリマーとナノメーターオーダーの銀粒子を溶剤に溶解および分散させた溶液を電界紡糸(エレクトロスピニング)する事で抗菌不織布を得る技術であって溶融紡糸方法で抗菌性繊維製品を得る技術で無かった。またマイクロ繊維層は溶融紡糸されたポリプロピレン繊維中にナノメーターオーダーの銀粒子が0.1〜1重量%含まれると記載されているが、ここで用いられるナノメーターオーダーの銀粒子は、分散剤含有銀ナノメーターオーダーの粒子でポリプロピレン樹脂の融点より遙かに低い温度で溶融するものと記載されており、本発明で用いる溶融しないナノメーターオーダーの抗菌剤粒子を使用する技術とは全く異なる技術であった。
これらの背景技術が示す通り、太い繊維中に大きな粒子径の無機系抗菌剤粒子とヒンダードアミン等の熱安定剤や過酸化物を同時に練り込み紡糸する技術は公知であるが、抗菌剤粒子の粒子径が大きいが故に抗菌剤粒子の凝集が発生するため極細繊維を安定生産することは困難であった。また紡糸安定性向上とエレクトレット性向上を目的に、ポリマー減成剤としての過酸化物をラジカル捕捉剤に併用する記述は認められるが、抗菌性をも発現させる技術は開示されていなかった。またナノメーターオーダーの銀粒子を含むポリマー溶液を電界紡糸した不織布化技術はあるが溶融紡糸方法によるものではなかった。またポリプロピレン樹脂の融点より遙かに低い温度で溶融する特性を持つ有機合成物と推定される分散剤含有銀ナノメーターオーダーの粒子を使用する記載があるが、溶融しない無機のナノメーターオーダーの粒子抗菌材を極細繊維に練り込んで抗菌性極細繊維不織布に関する技術は開示されていなかった。以上のように溶融紡糸法で、エレクトレット化が可能な抗菌性有機重合体製品、特に抗菌性極細繊維不織布を安定生産する技術は存在しなかった。
特開昭62−42716号公報 特開平3−186309号公報 特開平5−190389号公報 特開2008−75226号公報 特開平1−287914号公報 特開2008−95266号公報 特開平9−176949号公報
本発明は、上記問題を解決した抗菌性有機重合体製品、抗菌性極細繊維不織布製品に関し繊維紡糸時にノズルの詰りが頻繁に生じたり、ショットが多くなり品質が低下するという問題もない高性能な抗菌性、抗ウイルス性、消臭性、エレクトレット性を持った不織布を提供することを課題とする。
上記課題を達成するための本発明は、下記いずれかの構成を有するものである。
(1)有機重合体中にパーオキサイド系の過酸化物を1種類以上および0.5重量%を超える量のラジカル捕捉剤を1種類以上含むことを特徴とする抗菌性有機重合体製品。
(2)さらに一次粒子径が200nm未満の抗菌剤粒子を含む(1)記載の抗菌性有機重合体製品。
(3)過酸化物がジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシケタール類から選ばれるいずれか一種以上である(1)または(2)記載の抗菌性有機重合体製品。
(4)過酸化物が2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたは/および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3である(1)から(3)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(5)過酸化物がシリカ粒子に添着されている(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(6)ラジカル捕捉剤がヒンダードアミン系化合物である(1)〜(5)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(7)抗菌剤粒子が硫化銀粒子または/およびシリカ添着硫化銀粒子である(2)〜(6)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品が、平均繊維径が4μm以下で構成される繊維群と平均繊維径が6μm以上の繊維群で構成されており、平均繊維径が6μm以上で構成される繊維群の体積割合を全体の20%以上とした異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布。
(9)繊維に含まれる抗菌剤粒子の成分または/および含有量が異なる、少なくとも2種類以上の繊維で構成された(8)記載の抗菌性極細繊維不織布。
(10)エレクトレット化されたものである(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品。
(11)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品に別の機能性不織布が積層された抗菌性積層繊維製品。
(12)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品を用いたフィルター。
(13)(1)〜(7)のいずれかに記載の抗菌性有機重合体製品を用いた濾過機器。
本発明の抗菌性有機重合体製品は下記の優れた効果を有する。
(1)抗菌性、抗ウイルス、抗カビ性等の機能訴求は、ポリマーと混ざりやすいラジカル捕捉剤と過酸化物によって行われるため紡糸安定性が非常に高く、超極細繊維の抗菌性繊維製品を安定生産する事ができる。さらにラジカル捕捉剤と過酸化物に加えて抗菌剤粒子が添加された抗菌性有機重合体製品は更に高い抗菌性、抗ウイルス性、抗カビを得ることができる。
(2)ラジカル捕捉剤としてエレクトレット性にも優れた物が使用されているため高いエレクトレット抗菌性有機重体製品を安定生産する事ができる。
(3)抗菌剤粒子がナノメーターオーダーの粒子のためポリマーの流動性を阻害しない。このため、ポリマー流動性を示すMFRが30〜2000g/10分の高粘度から極低粘度ポリマー範囲で何ら問題なく樹脂成型、紡糸することができる。このため極細繊維不織布をも生産性高く製造することが可能である。
(4)抗菌剤粒子の硫化銀粒子の硫黄には高い抗カビ性があり多品種のカビ菌に対して不活化性能を有する。また銀には高い抗菌性と抗ウイルス性がある。このため硫黄と銀を複合することで相乗効果による高い抗菌性、抗カビ性、抗ウイルス性(以後これらを抗菌性と称する)、抗アレルゲン性を得ることができる。
(5)またナノメーターオーダーの粒子サイズの銀には、酸素に作用して反応性の高い陰電荷酸素(酸素ラジカル)に変質させる触媒作用がある。このため直接、硫化銀に接触していない離れた位置に付着した菌やカビ菌、ウイルス、アレルゲンに対しても抗菌性が、悪臭成分に対しては消臭性を得ることができる。
(6)上記(1)〜(5)の効果は極細繊維表面に抗菌作用面、触媒作用面を有するため、少ない使用量で大きな抗菌性、抗アレルゲン性、消臭性を得ることができる。
(7)エレクトレット化繊維では高い粒子捕集性能を有し菌類を高い効率で捕集し不活化する事が可能である。
(8)極細繊維だけでなくプラスチック体表面でも上記同様の性能を得ることが可能である。
(9)ラジカル捕捉剤、過酸化物および抗菌剤粒子は繊維内に練り込まれているため環境条件、温度、湿度により変質したり、結露水などによって有効性が失われる事がない。
以下、本発明に関する抗菌性有機重合体製品の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明の抗菌性有機重合体製品のラジカル捕捉剤と過酸化物について説明する。本発明の抗菌性有機重合体製品の抗菌性は、ラジカル捕捉剤と過酸化物の併用によって得られ、ナノメーターオーダーの粒子の抗菌剤粒子によって一層高められる。これらの材料は、いずれも有機合成高分子中に練り込まれて用いられる。過酸化物の使用目的は、過酸化物がラジカル発生剤であり、このラジカルが持つ強力な酸化作用を利用して菌、ウイルス等の細胞膜を酸化分解して抗菌性や抗アレルゲン性を得ることにある。しかし過酸化物は非常に熱安定性が悪く高温に晒されると分解消失してしまう性質のものである。本発明者は、過酸化物が本来有する酸化作用を抗菌性に活用するため、鋭意検討し本発明に至ったものである。すなわち、特定の性能を有する過酸化物と特定のラジカル捕捉剤を組み合わせ、抗菌性を発現させるに十分な量を使用することが重要であることを見出し過酸化物の酸化作用を製品表面に発現させることに成功したものである。
本発明に用いる過酸化物は、溶融紡糸温度200℃以上の高温条件に晒されても分解し難い高温耐熱性に優れたものを用いる。このため1分間半減期温度の高いものが用いられる。また少ない残留量で抗菌性を発現するために理論活性酸素量が高いものを用いる。また臭気の少ないものを用いる。さらにポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂へ添加して紡糸する過程で、ポリマーを架橋させないものを好適に用いる。
これらの選定基準から、好適にはジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシケタール類から選ばれたものを1種類以上使用することができる。ジアルキルパーオキサイドに分類されるものでは(1)2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン。(2)2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3。(3)α、α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン。(4)ジ−t−ブチルパーオキサイド。 (5)ジクミルパーオキサイドなどを選定することが出来る。パーオキシエステル類では(1)n−ブチル4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート。パーオキシケタール類では(1)t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネートなどを挙げる事ができる。これらの中でより好適には、ジアルキルパーオキサイドに分類される、(1)2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(1分間半減期温度138℃、理論活性酸素量11%)。(2)2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(1分間半減期温度194℃、理論活性酸素量11%)が1分間半減期温度が高く理論活性酸素量が多いため適する。更に架橋性が少なく樹脂の流動性を阻害しないという面から(1)2、5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが適している。
また過酸化物としては、上記記述の過酸化物がシリカ粒子に40重量%程度の量で添着された物を用いる事ができる。この様な過酸化物添着シリカ粒子を用いればポリマーに均一に混合され易くなり、より半減期が長くなるのでより好ましい。特にシリカ粒子が200nm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、最適には2〜20nmのナノメーターオーダーの粒子に添着されたものはポリマー中に特に均一に分散するため0.1μm以下の繊維の紡糸でも紡糸孔詰まりがなく良好な製糸安定性を得る事ができる。
次にラジカル捕捉剤の使用目的と成分について説明する。前述したように過酸化物は熱安定性が悪く、例えば180℃以上で樹脂成型する場合や200℃から290℃の温度範囲で紡糸するような溶融紡糸では紡糸温度が高いため分解消失してしまうため、単に上記過酸化物を添加しただけの不織布製品では抗菌性が確認されない。これは、過酸化物が熱分解して消失して無くなる事が原因と考えられた。このため過酸化物の分解消失を防止するためのラジカル捕捉剤と配合条件を鋭意検討し本発明に至ったものである。ここでラジカル捕捉剤とは、過酸化物が熱分解する過程で発生させるラジカルをラジカル捕捉剤が一旦捕捉し、連鎖的に過酸化物が分解するのを防止する機能を持った薬剤の事である。またこのラジカル捕捉剤はポリマーの熱劣化をも同時に同じメカニズムで防止することができる。さらに詳細メカニズムは解明されていないがエレクトレット性を付与する事ができる。
本発明に適するラジカル捕捉剤は、ポリマーに相溶して均一に混合されるものであり、次のものを挙げることができる。ヒンダードアミン系では、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)。また、含窒素ヒンダードフェノール系では、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、あるいは、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸。また、金属塩ヒンダードフェノール系では、3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノ−エチル−ホスホネートのカルシウム塩、3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノ−エチル−ホスホネートのニッケル塩、あるいは同上化合物のマグネシウム塩である。また、フェノール系のものでは、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが、また硫黄系ではジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、燐系ではジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどが列挙されている。なお特許文献3、4、5には、エレクトレット効果の面から硫黄系(ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート)や燐系(ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト)の物でも適すると記載されているが、これらは過酸化物分解促進剤であるため本発明には適さないものである。
本発明にさらに適するラジカル捕捉剤は、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系に属するものであり、最適なラジカル捕捉剤は、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤では、特にチバスペシャルティーケミカルズ(株)の商品名CHIMASSORB 944LD:成分名ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]や商品名CHIMASSORB2020FDL:成分名ジブチルアミン1,3、5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物などを挙げる事ができる。これらに併用して他のヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系を用いる事が出来る。また活剤としてステアリン酸カルシウムや酸化チタンなどを併用することもできる。
次にラジカル捕捉剤の添加量について説明する。抗菌性は過酸化物とラジカル捕捉剤との組み合わせで得られる効果であり、抗菌性発現の条件は使用薬剤種の組み合わせと使用量の微妙な関係で成立するものである。ラジカル捕捉剤の添加量は、溶融紡糸や樹脂成型中の加熱温度や紡糸機での滞留時間、使用過酸化物成分によって変化するため一義的に決まらないが、例えばポリプロピレン樹脂に添加する場合で、有機重合体重量の0.5重量%を超える量〜3.0重量%、好適範囲は0.55重量%〜2.5重量%、より好適範囲は0.65重量%〜2.5重量%、最適範囲は0.9重量%〜2.0重量%範囲である。
次に過酸化物の添加量について説明する。過酸化物の添加量は有機重合体重量の0.0001重量%〜0.2重量%の範囲が適当である。0.0001重量%未満では抗菌性は得られ難い。また0.2重量%以上では糸物性強度低下が起こり良くない。好ましい範囲は、0.0005重量%〜0.1重量%、更に好ましくは0.001重量%〜0.07重量%である。更に最適には0.002重量%〜0.04重量%であり、この範囲内にすると安定した紡糸性と共に抗菌性に優れた抗菌性有機重合体製品を得る事ができる。
次に使用樹脂について説明する。本発明で用いる事が可能な有機重合体は、ラジカル捕捉剤と過酸化物を混合することが可能なポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルブタジェンスチレン共重合樹脂、ポリエステルテレフタレート系樹脂などを用いる事が出来る。これの樹脂にラジカル捕捉剤と過酸化物を添加して樹脂成型体、シート、フィルム、モノフィラメント、織り編み物、不織布として実施可能である。抗菌性有機重合体製品がエレクトレット化製品の場合には、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイト系樹脂の単独または共重合樹脂を用いる事ができる。
次に抗菌剤粒子について説明する。本発明の抗菌性有機重合体製品は、ラジカル捕捉剤と過酸化物に加え200nm未満の抗菌剤粒子が含まれることを特徴とする。ラジカル捕捉剤と過酸化物による抗菌性は既に説明した通りであるが、抗菌剤が追加されることで、新たな抗菌性と触媒効果がプラスされて、より高い抗菌性、防かび性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を得ることができる。抗菌剤粒子には、金属イオンを発生する事ができる銅、亜鉛、銀などの金属をコロイド粒子化した物が好適に用いられ、硫化銀粒子、硫化銅粒子、硝酸銀粒子、酸化亜鉛粒子などを用いる事が出来る。これらの中でも硫化銀粒子が最適物質である。硫化銀粒子は銀コロイドの硫化物であり硫黄原子に銀を結合されたものである。一次粒子径は200nmを下回るもの、好適には100nm以下、更に好適には50nm以下、最適には2nm〜50nm前後の大きさで用いられる。特に一次粒子径が2nm〜50nmのものであれば凝集も無く、ポリマーの流動性も良いため紡糸ノズル孔径0.05〜0.2mmの孔を全く塞ぐことがないため高い紡糸性を得ることができる。このため平均繊維径0.1μmを下回る極細繊維をも安定的に生産することができる。一次粒子は透過型電子顕微鏡を用いて樹脂または繊維の表面または切断面を観察し、重なりや凝集が無くそれ以上分割できない粒子を一次粒子とする。
また銀と硫黄の取り合わせは、それぞれの抗菌性の弱点を補う上で非常に効果的である。すなわち銀は抗菌性と抗ウイルス性が高いが一部のカビ菌には弱い抗菌性を示す。一方、硫黄は抗ウイルス性に劣るが殆どのカビ菌、細菌、藻類までに高い抗菌性を示す。本発明で用いる抗菌剤粒子は銀に硫黄原子を結合させたものであるため、相乗効果でカビ菌、細菌、藻類に対する抗菌性と抗ウイルス性を同時に得ることができる。このため、空気のみならず液体濾過でも有効に使用する事が可能である。
また抗菌剤粒子は、シリカに硫黄原子と銀を錯化合物として結合させたシリカ添着硫化銀粒子の形態でも使用可能である。硫化銀粒子は黄色のものであるがシリカ添着硫化銀粒子は白色のため特に白色製品を得たい場合に好適に使用する事ができる。次に抗菌剤が有する触媒効果による抗菌性と消臭性について説明する。ナノメーターオーダーの銀は触媒作用を有する。触媒作用とは、空気中や液体中の酸素を陰電荷を持った酸素(酸素ラジカル)に変化させる効果を言う。この触媒作用は、粒子径がナノメーターオーダーとした硫化銀粒子やシリカ添着硫化銀粒子で認められ、繊維表面に露出した抗菌剤粒子表面に酸素が触れることで得られる。この触媒作用の効果は、抗菌剤粒子に直接接触していない捕集菌やウイルス、アレルゲン(以後菌類と称する)に対しても、この酸素ラジカルが浮遊して作用することで抗菌性が得られる。また従来の金属イオンを用いた抗菌剤の多くは水分中に溶けだした金属イオンが作用して抗菌性を示すものが多いが、この触媒作用は乾燥した空気でも効果を発揮されるため、捕集した菌類を含むダストが乾燥状態でも湿った状態でも抗菌効果を得ることができる。さらに同じメカニズムで悪臭ガス物質に対しても触媒作用が及ぶため消臭性を得ることができる。また銀イオンはアレルゲン物質のタンパク質構造に取り込まれるため触媒作用と併せて抗アレルゲン性を得ることが出来る。
抗菌剤粒子として硫化銀粒子を用いた場合の添加量を説明する。硫化銀粒子の添加量は、有機重合体重量の0.005重量%〜0.2重量%以下である。0.005重量%以下では抗菌性が得られにくいが、0.2重量%以上にすると凝集物が多くなりノズル詰まりやポリマー粘度上昇に伴う紡糸性ダウンが発生するようになる。また硫化銀粒子は導電性を有するため多く添加し過ぎると繊維表面の電気抵抗値が低下してエレクトレット電荷の安定性が損なわれる弊害が出てくる。これらの関係から、好ましくは0.005重量%〜0.15%重量以下、最適には0.01重量%〜0.1重量%範囲の添加量で高い抗菌性とエレクトレット性、紡糸性を得ることができる。
抗菌性有機重合体製品が不織布の場合について、その製法を説明する。不織布は公知の製布技術を用いて実施する事が可能であるが、特に好ましい製法は、接着剤を必要としないために抗菌性の繊維表面を有効活用ができるスパンボンド法や抗菌性の繊維表面積を大きくすることが出来るメルトブロー法、ナノメルト帯電紡糸法などの直接製布法が適する。これらの中でも特に0.1〜30μmの極細繊維生産に向くメルトブロー製法、0.1μm〜1.0μm範囲の繊維生産が可能なナノメルト帯電紡糸法が好適である。なおナノメルト紡糸法とは、電圧を印加した回転するローラー表面に超低粘度溶融ポリマーを塗布、対局する位置に配置された印加電極間との電圧差によってポリマーを吸引飛散、自己分割化させて極細繊維を得る技術である。次に、抗菌性有機重合体製品は、公知の方法でエレクトレット化すれば高性能なエレクトレット抗菌性有機重合体製品とする事ができる。このため抗菌性有機重合体製品を不織布としてマスクやフィルターに用いた場合には、微細塵の高捕集性に加え、捕集した細菌、カビ、ウイルス、アレルゲン物質を不活化できるため安全衛生度の高い商品とする事ができる。従来の抗菌性を保持していない極細繊維濾材では、捕集されたカビ菌は徐々に増殖して空気下流側に浸透して胞子を濾材面から飛散させる問題が多々起こっているが、本発明の様に極細繊維自身が抗菌性を持ったものでは、カビ菌の増殖が無くなるため空気下流側の汚染を防止する事ができる。このためビル用空調機や家庭用空気清浄器、自動車用キャビンフィルターなどとしても好適に使用することができる。また、ワイパーとしてエレクトレット抗菌性有機重合体製品を使用すれば、高い塵捕集性が得られ、付着した細菌類やアレルゲン性物質を短時間に不活化するため手で触れても安全衛生度の高い商品とする事ができる。
次に抗菌性有機重合体製品は、平均繊維径が4μm以下で構成される繊維群と平均繊維径が6μm以上の繊維群で構成されており、平均繊維径が6μm以上で構成される繊維群の体積割合を全体の20%以上とした異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布とする事ができる。この様な異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布のフィルター用途での活用利点について説明する。例えば、平均繊維径が4μm以下だけの繊維で構成された従来のメルトブロー極細繊維不織布の欠点は、繊維自身の曲げ剛性が低いため不織布として巻き取った場合、巻き圧で潰れ圧損が高くなることである。しかし不織布厚みを支える骨格繊維として極太繊維を混合し、捕集性能を高める繊維として極細繊維を骨格繊維に架橋させるように混合することで、極太繊維で仕切られた空間容積は巻き圧で潰れないようになるため低圧損で高捕集性を持った抗菌性極細繊維不織布を得ることができる。
異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布は2つ以上の繊維群で構成されるが、より極細化することで繊維表面積が拡大するため少ない材料で抗菌性の向上と捕集性能を高める事ができる。このため平均繊維径4μm以下の繊維群の平均繊維径範囲を4〜3μm、好ましくは3〜1.5μm、より好ましくは1.5〜0.8μm、最適には0.8〜0.3μm、より最適には0.3〜0.05μmにすると良い。しかし繊維が細過ぎると強度低下が起こり擦過による破れが発生するため実用的には2μm〜0.1μm程度が適当である。一方骨格繊維となる太繊維群の平均繊維径は、巻き圧で潰れない反発性が必要なことから8μm以上が必要である。しかし太い繊維になるほど潰れは防止できるが厚みが増す弊害も発生する。またメルトブロー法で紡糸した場合には吐出された繊維が捕集までに冷却仕切らないため一緒に紡糸されてくる極細糸を溶かしてしまうなどの問題が発生する。これらの問題から適当な平均繊維径範囲は6〜40μmが適当である。好適には6〜30μm、より好適には7〜25μm、最適には8〜25μmである。
また嵩高性と高い捕集性を両立するためには極細糸と極太糸の体積比率が重要となる。体積比率は異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布の繊維径分布を求め、繊維断面積に一定長さを掛けることで不織布を構成する各繊維の全繊維体積量を求め、全繊維体積量に占める平均繊維径6μm以上の繊維体積量割合を求め20%以上とすることで潰れにくい嵩高性を保持した繊維構造とする事が出来るが、高い捕集性能も達成するためには平均4μm以下の細い繊維の体積割合も重要となる。
これらのバランスから平均繊維径6μm以上の極太繊維群の繊維体積率を不織布全体繊維体積量の15〜85%の範囲内とすると低圧損性と高捕集性を実現することができる。好ましい体積率は20〜75%(平均繊維径6μm未満繊維の体積率25〜80%以下)、より好ましくは30〜70%(極細繊維群平均繊維径6μm未満繊維の体積率30〜70%以下)、最適には35〜65%(平均繊維径6μm未満繊維の体積率35〜65%以下)にすると良い。なお極太繊維群と次に繊維径の細い繊維群との平均繊維径差を2μm以上、好ましくは3μm以上、最適には5μm以上離すと捕集効率が高くできるので適当である。
次により高い抗菌性と高捕集性を実現する方法について説明する。
例えば抗菌剤粒子として200nm未満の硫化銀粒子を繊維内に練り込むと少ない添加量で抗菌性が得られるが、一方で導電性が発現しエレクトレットの帯電性と安定性を阻害される場合がある。このため、エレクトレット性と抗菌性を両立させる手段として、繊維内に練り込む硫化銀粒子の添加量をエレクトレット性への影響度が少ない添加量0.2重量%以下にする方法もあるが、極細繊維にはラジカル捕捉剤と過酸化を添加し硫化銀粒子を添加せず、極太繊維にラジカル捕捉剤と過酸化物と硫化銀粒子を添加して用いると、極細繊維による高捕集性と抗菌性が、極太繊維による中捕集性と高い抗菌性、更に嵩高性による低圧損性が得られた異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性極細繊維不織布を得ることができる。組み合わせは繊維の太さだけでなく抗菌剤の種類や添加量を変えるなど求められる抗菌性や捕集性能で使い分けることができる。
次に異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布の製造を、例えばメルトブロー不織布の製造方法に於いては、次の様にして実施することができる。
(1)溶融粘度3倍以上、好ましくは5倍以上異なるポリマーを2種以上混合してノズル孔径0.05〜0.2mmの孔から吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。この方法ではポリマー粘度に応じて牽引性や繊維分割性に差が生じるため繊維径の異なる繊維を均一に混合することができる。
(2)口径の異なるポリマー吐出孔を2種以上準備し、粘度の高いポリマーは大口径の孔から、粘度の低いポリマーは小口径からそれぞれ計量して吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。
(3)(2)に於いて同じ粘度のポリマーを、吐出量を変えて吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。
(4)2台のノズルヘッドを斜め下方に向き合う位置に配置し、極太、極細繊維をそれぞれのノズルで吐出量後、高速加熱エアー内で合流させる方法。
上記いずれかの方法で実施する事ができる。これらの製法の中で本発明に適する方法は、(1)〜(3)の方法が極細繊維群と極太繊維群が均一に混ざるので好ましい方法である。 本発明の抗菌性有機重合体製品や異繊度混合構造の抗菌性極細繊維不織布は、各種エアフィルターや液体フィルター、ワイパー、生鮮食料のカバー材、医療材料、衣料材料として使用でき、抗菌性有機重合体製品や抗菌性極細繊維不織布単独での使用や他の繊維製品と複合して使用することができる。特に抗菌性有機重合体製品や抗菌性極細繊維不織布をフィルターとして用いる場合には補強機能の高い支持不織布と積層して補強した抗菌性積層繊維製品とする事が望ましい。また支持不織布には抗菌性、抗カビ性、抗アレルゲン性、抗ウイルス性、消臭性、脱臭性などの機能を持った機能不織布を用いることで、機能が強化された抗菌性積層繊維製品とすることが出来る。例えば抗菌性抗アレルゲン性の支持不織布と積層した場合には、抗菌性積層繊維製品全体が抗菌性となるため、不織布全体で菌やカビ菌が不活化された状態となるため交換に際し素手で触っても安全衛生性が高く、舞い上がったアレルゲンによる花粉症発症も防止出来るようになる。
またこれらの抗菌性有機重合体製品や抗菌性極細繊維不織布および抗菌性積層繊維製品は、フィルターユニットに仕上げて各種空気清浄機や空調機器、浄水器用に用いることで高い抗菌性を保持した濾過機器とすることができる
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。なお、本実施例における評価方法を下記の通りである。
<目付>
24℃60%RHの室温に8時間以上放置して、評価試料の質量を求め、その面積から1m当たりの質量に直して、それぞれの評価試料の目付として求める。サンプルング最小面積は0.01m以上とする。
<捕集性能測定>
JIS B9908(2001)形式1試験法に準じた評価機器に評価試料をセットし、濾材貫通風速3.18m/minで上流側から一般外気を供給し、評価試料前後の粒子数をパーティクルカウンターを用いて測定し、下記式から捕集効率を求める。
η=(1−(C/C))×100
=評価フィルター通過後の粒径0.3〜0.5μmの粒子数
=評価フィルター通過前の粒径0.3〜0.5μmの粒子数
<抗菌性試験方法−定量法>
JIS L19022008「繊維製品の抗菌性試験方法」に規定される定量試験(菌液吸収法)において菌液面をフィルムでカバーする方法で実施。混釈平板培養法により生菌数を測定して、静菌活性値を求める。なお、試験菌株は黄色ぶどう球菌Staphyiococcus ATCC 6538Pを用いた。また、無加工試料として標準白布(綿)を用い、界面活性剤(Tween80)0.05%を添加した試験菌液を使用した。
判定基準は、静菌活性値2.0以上で抗菌性有り。
<抗ウイルス性試験方法>
日本分析食品分析センター抗ウイルス性試験方法(インフルエンザA型、H1N1)に準じて行う。
<抗カビ性試験方法>
日本化学繊維検査協会、JIS Z29112000(湿式法)で実施する。カビ菌は以下の4種とした。
Aspergillus niger NBRC6341
Penicillium citrinum NBRC6352
Chaetomium globosum NBRC6347
Myrothecium verrucaria NBRC6113
判定基準
0:試料または試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
1:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超えない。
2:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超える。
<抗アレルゲン性>
ELISA法試験で実施した。アレルゲンはコナヒョウヒダニとスギ花粉を用いて実施した。
<MFR試験方法>
JIS K7210に準じて実施する。
<消臭試験>
(社)繊維評価技術協議会が定める消臭加工品の試験方法で、タバコ臭の場合で評価した。
<繊維径分析と体積換算>
繊維径は、対象サンプルの表面をSEM分析し、少なくとも200本以上の繊維をランダムに抽出し繊維の幅を測定し繊維径とする。体積換算は繊維径から繊維断面積を求め一定長さを掛けて体積とする。
過酸化物分析方法、ラジカル捕捉剤分析法、硫化銀粒子分析方法は、東レリサーチセンター(株)で実施することができる。概要は次の通り。
<ラジカル捕捉剤分析法>
下記順番で試験を行うが、この方法に限定されない妥当性のある試験方法で実施することができる。(1)試料(樹脂チップまたは不織布を用いる)を凍結粉砕し、クロロホルム/メタノール=1/1の液にて100℃で高温溶媒抽出(ASE)を行う。
(2)クロロホルム/メタノール抽出物についてH−NMR測定を実施する。
(3)クロロホルム/メタノール抽出物をTHFに溶解し、溶解成分についてHPLC分析およびHPLC分取を実施しピークを検出する。
(4)各種ラジカル捕捉剤についても同様のHPLC分析を実施する。
(5)HPLC分取物についてIRとH−NMR測定を実施し分取物の構造解析を実施する。さらに精度を増すためLC/MS測定を実施し分子量情報を得る。
(6)N元素の定量分析を行い各種ラジカル捕捉剤品種の添加量を特定する。
<過酸化物分析方法>
下記順番で試験を行うが、この方法に限定されない妥当性のある試験方法で実施することができる。
(1)試料(樹脂チップまたは不織布を用いる)を凍結粉砕し、過酸化物が溶ける溶剤を選定しソックスレー抽出を90℃以下行う。
(2)ソックスレー抽出物についてH−NMR測定を実施する。
(3)ソックスレー抽出物を溶剤に溶解し、溶解成分についてHPLC分析およびHPLC分取を実施しピークを検出する。
(4)各種過酸化物についても同様のHPLC分析を実施する。
(5)HPLC分取物についてIRとH−NMR測定を実施し分取物の構造解析を実施する。さらに精度を増すためLC/MS測定を実施し分子量情報を得る。
(6)定量分析を行い過酸化物の添加量を特定する。
<抗菌剤粒子分析方法>
一次粒子径は透過型電子顕微鏡を用いて樹脂または繊維の表面または切断面を観察し、粒子の中から100個以上の、重なりや凝集が無くそれ以上分割できない粒子(一次粒子)をランダムに抽出し長径を測定して平均値で求める。含有量分析は、ICP発行分析法とX線回折法も併用して実施する。
(ポリプロピレン樹脂の調製)
チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたポリプロピレン樹脂パウダーに表2または表3記載のラジカル捕捉剤と過酸化物を混合・溶融押し出しして得られたチップをポリプロピレン樹脂とした。また抗菌剤粒子は、上記ポリプロピレン樹脂チップに更に抗菌剤を混合・溶融押し出し得られたチップをポリプロピレン樹脂とした。
Figure 0005564934
(メルトブロー紡糸条件と実施例/比較例の関係)
上記ポリプロピレン樹脂と表1に記載されたメルトブロー紡糸条件A〜Fを適用して紡糸された繊維をメッシュ状エアーサクションコンベアにより捕集して目付12g/mのメルトブロー不織布を作成した。なお表中のポリマー吐出量、ポリマー樹脂MFR、平均繊維径の行に記載された大および小の表示は、ノズル孔として大または小を用いたことを示している。メルトブロー条件Fのノズル孔に1個または3個と記載されているのは、ノズル孔径大の間にノズル孔径小が3個の配置されていることを示す。
(フィルム製膜条件)
スリット幅0.3mmのノズルからポリマーを吐出後冷却ロール上に製膜後、縦方向4倍、横方向に2.5倍に延伸して厚み0.1mmのポリプロピレンフィルムシートを得た。
(エレクトレット化方法)
不織布に純水を噴射し完全に濡らした後、ニップロールで潰して水分付着率250%まで脱水後、100℃の乾燥機に30分間放置して乾燥するハイドロチャージ方法を用いた。
(実施例1〜14)
表2に、ラジカル捕捉剤の種類と使用量、過酸化物の種類と使用量、抗菌剤粒子の種類と使用量を変えたポリプロピレン樹脂をメルトブロー紡糸条件A〜Fを用いて製布したエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布の繊維径/捕集効率、抗菌性(静菌活性値)、抗ウイルス不活化率、抗カビ性の評価結果を示す。試験結果の通り、実施例1〜5の結果からラジカル捕捉剤と過酸化物を併用することで静菌活性値、抗ウイルス不活化率、抗カビ性が確認でき、ラジカル捕捉剤と過酸化物の添加量が増えるに従い静菌活性値が向上する事が分かる。また実施例6〜10では、ラジカル捕捉剤と過酸化物に加え抗菌剤粒子が添加されたことで更に静菌活性値、抗ウイルス不活化率、抗カビ性が一段と高くなっている事が確認できる。実施例11と12では、実施例7より抗菌剤添加量が少ないが繊維径が細いため抗菌作用面の拡大により高い静菌活性値が得られていることが分かる。更に実施例13と14ではラジカル捕捉剤がCHIMASSORB 944LDが適する事が分かる。
(実施例15)
この不織布は、平均繊維径1.2μmの繊維群(体積割合60%、繊維径範囲0.1〜6μm)と平均繊維径15μmの繊維群(体積割合40%、繊維径範囲10〜25μm)の2つで構成された異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性極細繊維不織布である。圧損は12Paで捕集効率は93%であった。一方、実施例13は、平均繊維径1.7μmで圧損は20Paで有った。異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性極細繊維不織布こすることで低圧損で高い捕集効率が得られ十分高い抗菌性も得られる事が確認できた。
(実施例16)
実施例4と7のサンプルを用いて抗アレルゲン性を評価した。コナヒョウヒダニおよびスギ花粉の各アレルゲンに対し95%以上の不活化性能を確認することができた。過酸化物の酸化作用と硫化銀粒子の触媒作用および銀イオン効果が寄与している事が確認できた。
(実施例17)
実施例7と比較例1のサンプルを用いた6段階臭気官能評価では、実施例7のサンプルの臭気強度が2.5に対し比較例1のサンプルの臭気強度は3.7であり消臭効果が確認できた。
(実施例18)
実施例7のサンプルに抗菌・抗ウイルス・抗アレルゲン加工された不織布(平均繊度5dtex、目付60g/m、静菌活性値5.4以上、抗ウイルス不活化率99.9%・スギ花粉不活化率99.1%、捕集効率2%以下)を積層した抗菌性積層繊維製品を濾材とし、この濾材を1.5m収納したフィルターユニット(サイズW300mm×L340mm×D40mm)を作成した。同様に比較例1のサンプルに機能のない不織布(平均繊度5dtex、目付60g/m、抗菌性0.1以下、抗ウイルス不活化率0%・スギ花粉不活化率0%、捕集効率2%以下)を積層した積層濾材を作成し、この濾材を1.5m収納したフィルターユニット(サイズW300mm×L340mm×D40mm)を作成した。この二つのフィルターを一般ビルの外気取り入れ口用空調機に装着し6ヶ月間の運転を行い、切り出した濾材の抗カビ性試験を行った。この結果、比較例の抗カビ性は3(発育有り)、水準6の抗カビ性は0(発育なし)で明らかに抗カビ性に優れていることが確認できた。
(実施例19)
ラジカル捕捉剤(1)0.55重量%、過酸化物(1)0.02重量%、抗菌剤粒子(1)0.08重量%を含むMFR20のプリプロピレン樹脂を用いた厚さ0.1mmのフィルムで抗菌性を評価した。静菌活性値は4.6で、不織布と同等の高い性能を確認することができた。
(実施例20)
ポリエステル樹脂にラジカル捕捉剤(1)0.7重量%、過酸化物(1)0.05重量%を配合したスパンボンド方式の長繊維不織布(繊度5dtex、目付70g/m、厚み0.25mm)を作成し抗菌性を評価した結果、静菌活性値4.3の抗菌性が確認された。樹脂が異なっても同様の抗菌性が得られる技術であることが確認できた。
(比較例1〜10)
メルトブロー紡糸条件Aを用いて表2に示す薬剤添加率のエレクトレット化メルトブロー不織布、た作成した(目付12g/m、繊維系1.2μm)。
ラジカル捕捉剤または過酸化物の単独使用では静菌活性値が0.2以下(抗菌性があると認められる静菌活性値2.0以上)で抗菌性が得られないことが分かる。
またラジカル捕捉剤と過酸化物が併用された条件でもラジカル捕捉剤の添加量が0.4以下では抗菌性が確認出来なかった。
Figure 0005564934
Figure 0005564934
ラジカル捕捉剤(1):CHIMASSORB 944LD
ラジカル捕捉剤(2):CHIMASSORB2020FDL
ラジカル捕捉剤(3): 3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノ−エチル−ホスホネートのカルシウム塩:チバスペシャルティケミカルズ(株)商品名;イルガノックス1425WL
ラジカル捕捉剤は、上記の他に各水準共通でペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:チバスペシャルティケミカルズ(株)商品名;イルガノックス1010を0.01%とn−オクタデシル−β−(4´−ヒドロキシー3´、5´−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート:チバスペシャルティケミカルズ(株)商品名;イルガノックス1076を0.004%含む。
過酸化物(1):2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン/シリカ添着(添着率40%)
過酸化物(2):2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3/シリカ添着(添着率40%)
過酸化物(3):チバスペシャルティケミカルズ(株)ヒンダードアミン系減成剤商品名;イルガテックCR76
抗菌剤粒子(1):一次粒子径10nmの硫化銀粒子
抗菌剤粒子(2):一次粒子径50nmのシリカ添着硫化銀粒子(シリカ重量比率60%)
抗菌性有機重合体製品は樹脂成型体、シート、フィルム、各種織り編み物、各種不織布等に利用でき、不織布用途では特にマスク、フィルター、ワイパー等に利用可能である。特にマスク、フィルター用途で従来から使用されている抗菌性訴求商品は非抗菌性の極細繊維不織布に抗菌性の極太不織布を積層した不織布であったため、実用面での抗菌性には問題があった。しかし非抗菌性の極細繊維不織布を本発明の抗菌性極細繊維不織布に変更することで菌、ウイルスの不活化が促進されるため感染の危険度レベルを一層低くする事ができたので利用は拡大すると考えられる。

Claims (13)

  1. 不織布中にパーオキサイド系の過酸化物を1種類以上および0.5重量%を超える量のラジカル捕捉剤を1種類以上含むことを特徴とする抗菌性不織布
  2. さらに一次粒子径が200nm未満の抗菌剤粒子を含む請求項1記載の抗菌性不織布
  3. 過酸化物がジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシケタール類から選ばれるいずれか一種以上である請求項1または2記載の抗菌性不織布
  4. 過酸化物が2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたは/および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3である請求項1から3のいずれかに記載の抗菌性不織布
  5. 過酸化物がシリカ粒子に添着されている請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性不織布
  6. ラジカル捕捉剤がヒンダードアミン系化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌性不織布
  7. 抗菌剤粒子が硫化銀粒子または/およびシリカ添着硫化銀粒子である請求項2〜6のいずれかに記載の抗菌性不織布
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布が、平均繊維径が4μm以下で構成される繊維群と平均繊維径が6μm以上の繊維群で構成されており、平均繊維径が6μm以上で構成される繊維群の体積割合を全体の20%以上とした異繊度混合構造である抗菌性極細繊維不織布。
  9. 繊維に含まれる抗菌剤粒子の成分または/および含有量が異なる、少なくとも2種類以上の繊維で構成された請求項8記載の抗菌性極細繊維不織布。
  10. エレクトレット化されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布に別の機能性不織布が積層された抗菌性積層繊維製品。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布を用いたフィルター。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性不織布を用いた濾過機器。
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