JP4321335B2 - 抗菌・消臭性繊維とその製造方法及びこれを用いた繊維成形物 - Google Patents

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本発明は、抗菌・消臭性繊維に関する。更に詳しくは、おむつ、ナプキン等の吸収性物品、医療衛生材、生活関連材、一般医療材、寝装材、フィルター材、介護用品、及びペット用品等の用途として適した抗菌・消臭性繊維とその製造方法及びこれを用いた繊維成形物に関する。
近年、生活様式の変化、居住環境の高密度化や機密性の高まり等により、我々の生活空間には様々な細菌やかびが存在している。特に日本のような高温多湿の環境下では、衛生材料、衣服などの繊維材料の表面に細菌やカビなどが増殖し易い。その結果、皮膚障害を起こしたり、繊維の変質、変色による品質低下、或いは微生物の繁殖に伴う悪臭を生じる。中でも悪臭の発生は特に問題とされ、微生物の増殖抑制、悪臭除去に対する要求は近年共に高まってきている。代表的な悪臭成分として、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガス、硫化水素やメチルメルカプタン等の含硫黄化合物及び、汗腺、皮脂腺等から出る排泄物を微生物が分解することにより生じる酢酸、酪酸、吉草酸及びカプロン酸等の低級脂肪酸類等がある。これら以外にも、人に不快を感じさせる成分としては、インドール、スカトールのような含窒素環状化合物等が知られている。
微生物の増殖に伴う悪臭の発生に対しては、抗菌性を繊維に付与させる事で間接的に抑制する事が出来る。代表的な抗菌性物質としては銀系等の無機系抗菌剤、塩化ベンザルコニウム、有機シリコン系第四級アンモニウム塩等に代表される有機系抗菌剤、キチン、キトサン、カテキン(例えば特許文献1参照)等の天然系抗菌剤等が例示できる。
しかし、これら抗菌性物質は、微生物の増殖抑制や、殺菌に優れているものの、既に系内に存在する臭気物質に対しての消臭効果は低い。無機系抗菌剤や天然系抗菌剤の一部で消臭効果が見られるものがあるが、先に挙げた塩基性ガス、硫黄系化合物、低級脂肪酸の全てに対して効果が発現するものはほとんど無い。
かかる臭気物質を除去する代表的な方法として、活性炭やシリカゲル等の多孔質体を用いて吸着する物理的吸着法、中和、酸化反応等により反応、除去する化学的方法(例えば特許文献2参照)、強い芳香により不快感を抑える感覚的方法等がある。
一方で、現行の消臭剤は、アンモニア、アミン類等の含窒素化合物には効果があるが含硫黄化合物には効果がないことや、逆に後者に対し効果があっても前者に対しては効果がないことが多く、更に低級脂肪酸類も含めた多種類の臭気物質に対して消臭可能な消臭剤は非常に少ないのが現状である。さらに上記の消臭剤は、系内の臭気物質に対して有効であっても、細菌、かびなどの微生物に対してはほとんど効果が無く、微生物の増殖による品質の低下を防ぐ事は出来なかった。
特開2000−303250号公報 特開平6−235121号公報
このようなことから、本発明の課題は、細菌、かびに対して優れた増殖抑制効果を有し、更に塩基性ガス、硫黄系化合物、低級脂肪酸等、多種類の臭気性物質にも対応可能な抗菌・消臭性繊維とその製造方法及びこれを用いた繊維成形物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、下記の構成を有する繊維が、前記課題を解決することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。本発明は、以下の構成を有する。
[1]少なくとも2成分(これらの必須成分をA成分、B成分とする)の熱可塑性樹脂からなる複合繊維のB成分中に、2価金属及び/または3価金属からなる下記一般式で表される複合酸化物を該繊維重量に対し、0.1〜10重量%含有させ、複合繊維が、A成分は繊維軸方向に沿って連続して形成されており、B成分はポリオレフィン系樹脂であり、B成分は繊維軸方向に非連続な亀裂及び/又は断裂による凹部分を有して形成されていることを特徴とする抗菌・消臭性繊維。
2+ (1-x)3+ x-δ
(M2+は亜鉛又は亜鉛を必須成分とする2価金属を示し、M3+はAl,Fe,Ceから選ばれる3価金属を示し、xは0<x≦0.5の範囲の数を示し、δはカチオン格子欠陥を示す。)
[2]B成分の熱可塑性樹脂が、融点105〜120℃の低密度ポリエチレン樹脂及び/またはエチレン共重合体が30重量%以上添加されたポリオレフィン系樹脂であり、B成分が鞘側、A成分が芯側に配された芯鞘型複合繊維である前記[1]項に記載の抗菌・消臭性複合繊維。
[3]複合繊維が、A成分、B成分の熱可塑性樹脂が交互に配置された断面形状を持つ分割型複合繊維である前記[1]項に記載の抗菌・消臭性繊維。
[4]破断延伸倍率の50〜95%で延伸して得られた前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の抗菌・消臭性繊維。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の抗菌・消臭性繊維を用いた繊維成形物。
[6]前記[3]項記載の抗菌・消臭性繊維を分割処理して得られた繊維成形物。
[7]少なくともA、B成分の熱可塑性樹脂を用い、B成分中に、2価金属及び/又は3価金属からなる下記一般式で表される複合酸化物を、熱可塑性樹脂に0.1〜10重量%混入させてB成分が鞘側、A成分が芯側に配された芯鞘型複合繊維、または、A成分とB成分が交互に配された断面形状を持つ分割型複合繊維を複合紡糸し、紡糸後、未延伸の上記芯鞘型または分割型複合繊維を、破断延伸倍率の50〜95%で延伸することを特徴とする前記[1]項記載の抗菌・消臭性繊維の製造方法。
2+ (1-x)3+ x-δ
(M2+は亜鉛又は亜鉛を必須成分とする2価金属を示し、M3+はAl,Fe,Ceから選ばれる3価金属を示し、xは0<x≦0.5の範囲の数を示し、δはカチオン格子欠陥を示す)
[8]前記[7]項記載の方法で分割型複合繊維としての抗菌・消臭性繊維を製造したのち、さらに、分割・細繊化処理を実施することを特徴とする、繊維成形物の製造方法。
[9]B成分として、ポリオレフィン系樹脂を用いる、前記[7]項または[8]記載の、繊維成形物の製造方法。
[10]B成分として、融点105〜120℃の低密度ポリエチレン樹脂及び/またはエチレン共重合体が30重量%以上添加されたポリオレフィン系樹脂を用いる、前記[7]項または[8]記載の、繊維成形物の製造方法。
本発明の抗菌・消臭性繊維は、熱可塑性樹脂成分中に2価金属及び/または3価金属からなる複合酸化物を含有させる事により、細菌、かびに対する増殖抑制及び、消臭性能を発現させる事が出来る。また、繊維軸方向に非連続な亀裂及び/又は断裂による凹部分を存在させる事により、より多くの複合酸化物が繊維表面に露出される為、更に優れた抗菌・消臭性能を発現する事が出来る。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の抗菌・消臭性繊維は、繊維が熱可塑性樹脂で構成され、繊維成分中に2価金属及び/または3価金属からなる複合酸化物を繊維重量に対し、0.1〜10重量%含む熱可塑性単一繊維又は熱可塑性複合繊維である。
本発明に用いる複合酸化物は、下記式
2+ (1-x)3+ x-δO (1)
(式中、M2+はZn又はZnを必須成分とする2価金属を示し、M3+はAl,Fe,Ceから選ばれる3価金属、好ましくはAlを示し、xは0<x≦0.5の範囲の数を示し、δはカチオン格子欠陥を示す)で表わされる酸化亜鉛系複合酸化物を有効成分とする事を特徴とする。この酸化亜鉛系複合酸化物とは、ZnOにAl等のM3+が置換固溶したZnOと同じ結晶構造の固溶体、あるいは該固溶体とスピネル(M2+3+ 24)との混合物を意味し、粉末X線回折にかけるとZnOと殆ど同じ回折パターンを示す。
式(1)において、xの値が0.5以下の場合、式(1)の固溶体にAl23、Fe23、Ce23等が混在しないか混在しても問題になる量ではないので、式(1)の固溶体の特性が十分に発揮され好ましい。またxの値が小さくても、M2+が活性化される範囲であれば、十分な消臭性能を得ることができる。この為、本発明に用いる複合酸化物のxの範囲は、0<x≦0.5、好ましくは0.1≦x≦0.4、より好ましくは0.2≦x≦0.4である。なお、副生したAl23、Fe23、Ce23等が式(1)の複合金属酸化物に混在した状態であっても、本発明の効果が損なわれない限り消臭剤として適用することができる。また、M2+はZn又はZnを必須成分とする2価金属であり、具体的にはCa、Mg、Cu等を用いる事で十分な性能を発現し、かつ安全性の高い物質を得る事が出来る。
本発明に用いる複合酸化物の含有量、及びM2、M3+、の混率を定性、定量的に確認する方法として、繊維表面に露出した複合酸化物の微粒子を蛍光X線分析、X線光電子分光分析等により表面分析を行う方法、繊維を構成する熱可塑性樹脂を溶解可能な溶媒を用いて溶解、含有する複合酸化物を濾過、遠心分離等の手法で分離した後、先に挙げた表面分析及び原子吸光法、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法等の手法で元素分析を行う方法等が挙げられる。勿論、例示したこれらの方法に限定されず、他の手法でも確認可能である。更に、これらの手法を併用することにより、含有する無機物が2価及び/または3価金属の固溶体であるか、異なる金属酸化物を混合させた物であるかを判別し易くなる為好ましい。
本発明に用いる酸化亜鉛系複合酸化物の繊維中の含有量は、繊維重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。含有量が0.1重量%以上であるとき、十分な消臭性能を発現させる事ができ好ましい。一方、含有量が10重量%以下であれば、紡糸性の悪化や不織布加工時における繊維表面からの脱落が起こらず、生産性が良好に維持される。
本発明の抗菌・消臭性繊維が1種類の均一な熱可塑性樹脂成分からなる繊維(単一繊維)である場合、用いる熱可塑性樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、立体規則性ポリスチレン樹脂、またはこれらの混合物等が例示されるが、特に限定されるものではない。また、本発明を構成する繊維は、エラストマー樹脂を主成分とする樹脂組成物から得られるものでも構わない。ここで主成分とは、エラストマー樹脂の最も多い成分を言う。エラストマー樹脂は、常温(20〜30℃)では加硫ゴムと同様な弾性体の性質を持ち(分子中のソフトセグメントによる)、高温では通常の熱可塑性樹脂と同様に既存の繊維成形機をそのまま使って成形することができる(分子中のハードセグメントによる)高分子材料である。このようなエラストマー樹脂としては、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマーを挙げることができる。このようなエラストマー樹脂を用いると、本来の抗菌・消臭性機能の他に、伸縮弾性機能も具備する事が出来る。
本発明の抗菌・消臭性繊維が複合繊維である場合、少なくとも2成分の熱可塑性樹脂(A成分とB成分とする)で構成される。本発明でいう熱可塑性樹脂のA成分およびB成分は、繊維形成性を有し、通常の溶融紡糸装置を使用して溶融紡出可能なものであれば特に限定されることはない。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及び熱可塑性エラストマー樹脂、立体規則性ポリスチレン樹脂、またはこれらの混合物等が例示されるが、特にB成分については、後述の理由よりポリオレフィン系樹脂を用いる事が特に好ましい。
上記のポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン共重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリメチルペンテン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンが利用できる。更にこれらの単独重合体に、単独重合体を構成する単量体以外のエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1または4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンが共重合成分として少量含有されていてもよい。また、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレン及びα−メチルスチレン等の他のエチレン系不飽和モノマーが共重合成分として少量含有されていてもよい。また上記ポリオレフィン樹脂を2種以上混合して使用してもよい。これらは、通常のチーグラーナッタ触媒から重合されたポリオレフィン樹脂だけでなく、メタロセン触媒から重合されたポリオレフィン樹脂、及びそれらの共重合体も好ましく用いる事ができる。また、好適に使用できるポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(以下、MFRと略す)は、紡糸可能な範囲であれば特に限定されることはないが、1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは、5〜70g/10分である。
また、上記ポリオレフィン系樹脂を複合繊維として用いる場合、溶融後のQ値(重量平均分子量/数平均分子量)を11以下とする事が好ましい。このQ値とは、ゲルパーミエイションクロマトグラフ法により求められる重合体の重量平均分子量と数平均分子量の比のことであり、個別に溶融計量された重合体を紡糸する前に個別に採取し、冷却した重合体を試料として測定した値である。熱可塑性重合体は溶融紡糸時に受ける熱及び剪断力の影響で劣化しやすく、溶融紡糸後のQ値は紡糸前のそれに比べ低下することが知られている。Q値は分子量分布の幅を示すものであり、複合繊維の製造適性と加工適性に大きく影響するものである。すなわち、Q値が大きく分子量分布の幅が広いと、安定した複合繊維を得ることができ、しかも熱接着不織布用途に展開した場合には熱処理温度領域が広くなり、品質の安定した不織布を得ることができる。しかしながら、Q値が大きくなって分子量分布の幅が広くなりすぎると、溶融紡糸時の糸条冷却が悪くなって曳糸性が低下する。したがって、Q値は11以下が好ましい。
上記MFR、Q値以外のポリオレフィンの物性、例えばロックウェル硬度、分岐メチル鎖数等の物性は、本発明の要件を満たすものであれば、特に限定されない。
ポリエステル系樹脂は、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得ることができる。ポリエステル樹脂の縮重合に用いられるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。また、用いられるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。本発明ではポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましく利用できる。また、これらのポリエステル樹脂は、単独重合体だけでなく、共重合ポリエステル(コポリエステル)でもよい。このとき、共重合成分としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール成分が利用できる。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−46、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12、ポリメタキシレンアジパミド(MXD−6)、ポリパラキシレンデカンアミド(PXD−12)、ポリビスシクロヘキシルメタンデカンアミド(PCM−12)が利用できる。更にこれらのポリアミド樹脂に用いられている単量体を構成単位とするアミドの共重合体も利用できる。
立体規則性ポリスチレン系樹脂は、13C−NMR法により測定されるタクティシティーとして、連続する複数個の構造単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアット、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示す事ができるが、本発明で用いられる該立体規則性ポリスチレン系樹脂としては、通常ペンタッド分率が85%以上、好ましくは95%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリエチルスチレン、ポリイソプロピルスチレン等のポリアルキルスチレン、ポリクロロスチレン、ポリブロモスチレン、ポリフルオロスチレン等のポリハロゲン化スチレン、ポリクロロメチルスチレン等のポリハロゲン化アルキルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリエトキシスチレン等のポリアルコキシスチレン、ポリ安息香酸エステルスチレン等であり、これらを単独もしくは混合して使用する事ができるのは勿論、これら共重合体を構成するモノマー相互の共重合体もしくはこれらモノマーを主成分とする共重合体である。
すなわち、上述のモノマー群から選択される1種以上のモノマーとエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、デセン等のオレフィン系モノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエン系モノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマーもしくはメタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニル系モノマーとのシンジオタクティックスチレン構造を有する共重合体である。これらの単独重合体もしくは共重合体は市販品を使用する事ができる。
上記熱可塑性樹脂の中でも特に、ガスに対する透過性が比較的高いポリオレフィン系樹脂に複合酸化物を練り込む、或いは付着などの手段で繊維表層に添加する事で、臭気物質に対する反応が効率良く進む。即ち、前記単一繊維及び複合繊維のB成分には、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
更に、本発明に用いる単一繊維の熱可塑性樹脂成分又は複合繊維のB成分は、繊維軸方向に非連続な亀裂及び/又は断裂による凹部分(以下、非連続凹部)を発現させる事が好ましい。この場合、非連続凹部が発現することで、添加された複合酸化物が表面に露出し易くなる為、抗菌性、消臭性が更に向上する。前記の非連続凹部とは、凹部の繊維軸方向の長さ及び深さが規則的なもの、または不規則的なもの等を包含し、凹部の形状、長さ及び深さ等はなんら限定されるものではない。つまり、繊維軸方向の切断面における該凹部の傾斜が鋭角、直角及び鈍角のいずれであっても良く、深さについても浅いものからA成分が完全に露出する程の深さであってもよい。即ち、繊維軸方向に非連続凹部が形成されていれば形状及び形態を特に限定するものではない。
複合繊維のB成分に用いる非連続凹部を形成しやすい好ましい熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂及び/またはエチレン共重合体が30重量%以上添加されたポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。本発明でいう低密度ポリエチレン樹脂とは、融点105〜120℃、比重0.85〜0.930の繊維形成性を有する樹脂を指す。
単一繊維の場合、未延伸繊維の破断延伸倍率の50〜95%、好ましくは60〜90%で延伸することで繊維軸方向に非連続な非連続凹部が発現する。又、複合繊維の場合、複合繊維のB成分に上記樹脂を含ませることによって、溶融紡糸で得られた未延伸糸を延伸する過程で、熱可塑性樹脂A成分にB成分が追随できず断裂が発現し、非連続凹部が発現する。或いは、B成分中に含まれた複合酸化物の微粒子が延伸時の分子配向を阻害し、亀裂を生じさせる。即ち、熱可塑性樹脂A成分とB成分の延伸性の差異を利用することで、延伸時にA成分に追随できないB成分が、非連続凹部を形成するのである。この際、延伸倍率はB成分が亀裂及び/又は断裂を起こす条件であり、具体的には未延伸繊維の破断延伸倍率の50〜95%、好ましくは60〜90%であることが望ましい。これより低い延伸倍率だと亀裂及び/又は断裂を発生させる事が難しく、これより高い延伸倍率だと延伸切れを起こして延伸が困難となる。
一方、非連続凹部を形成させる他の方法として、熱可塑性樹脂に、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’―ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、p―トルエンスルホニルヒドラジン及びp,p’―オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のスルホニルヒドラジド化合物に代表される有機発泡剤または無機発泡剤を、曳糸性及び繊維物性を損なわない範囲内で添加する方法がある。また、複合繊維の場合は、A成分として発泡剤の未添加熱可塑性樹脂と、B成分として発泡剤の添加熱可塑性樹脂の2成分で構成しても非連続凹部を形成させることができる。発泡剤を添加する方法としては、溶融紡糸の際熱可塑性樹脂B成分に直接添加、混合する方法及び、マスターバッチ化した発泡剤を紡糸時に添加、混合する方法等がある。
単一繊維の場合又は、複合繊維の場合これら発泡剤の添加量は目的とする繊維の繊度、発泡剤の種類に応じて適宣加減されるが、一般には熱可塑性樹脂またはB成分に対して0.1〜2.0重量%、好ましくは0.2〜1.0重量%である。前記発泡により気泡もしくは凹部が形成される。これにより、未延伸糸の段階ですでに、繊維軸方向に沿って非連続凹部が形成できるが、該未延伸糸を延伸することで、さらに前記非連続凹部及び気泡は広がり、容易に非連続凹部を発現させることができる。延伸倍率は、未延伸繊維の破断延伸倍率の60〜90%で延伸することが好ましく、繊維軸方向に非連続の凹部を有する抗菌・消臭性繊維を作製することができる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲内でさらに、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料及び可塑剤等の添加剤を適宣必要に応じて添加してもよい。
本発明の抗菌・消臭性繊維として、少なくともA成分、B成分2種の熱可塑性樹脂からなる複合繊維を利用することで、熱接着性能を発揮させることができる。複合繊維に充分な熱接着性能を発揮させるためには、該複合繊維が、A成分とB成分とからなる場合、B成分の熱可塑性樹脂がA成分の熱可塑性樹脂よりも低融点であり、B成分が繊維表面に露出していることがよい。熱可塑性単一繊維の場合、繊維成形品に成形する主な加工方法には、バインダーによる被覆や、ニードルパンチ、スパンレース等の物理的交絡法になるが、これらの方法では、バインダーによって有効成分を被覆してしまう場合や、針、高圧水流によって有効成分を脱落させてしまう場合がある。しかし、複合繊維とすることで、熱加工により成形が可能となるため、被覆や脱落による抗菌・消臭性能の低下を最小限に抑えることができる。
本発明の抗菌・消臭性繊維の断面形状としては、円形断面形状だけでなく、異形断面形状(非円形断面形状)にすることができる。異形断面形状としては、例えば、星形、楕円形、三角形、四角形、五角形、多葉形、アレイ形、T字形及び馬蹄形等を挙げることができ、これらの場合、表面積が拡大するので抗菌・消臭効果が向上する。更にこれらは前記異形の他、中空断面にすることもできる。
又、複合繊維の場合鞘芯型、並列型、偏心鞘芯型、多層型、放射型または海島型等が例示できるが、複合酸化物が効率良く露出されやすい事、熱接着による不織布化が容易である事等の理由から、鞘芯型、並列型、偏心鞘芯型断面である事が好ましい。
一方、複合繊維の場合熱可塑性樹脂A,B2成分が交互に配置された断面形状を持つ事で分割型複合繊維として利用が拡大する。つまり、ニードルパンチや高圧水流加工等の物理的衝撃を受けて分割、細繊化される事により複合酸化物がより効率良く繊維表面に露出され易くなる為好ましい。更に、熱可塑性樹脂B成分に、延伸性の差異による前記非連続凹部を発現させる事により、非連続凹部への応力集中による分割性向上や、非連続凹部発現による表面積の増加が同時に進行する為より好ましい。
前記分割型複合繊維の断面形状は、例えば放射型を始め、中空放射型、多層型等が挙げられ、好ましくは熱可塑性樹脂A、B両成分が交互に配列した断面形状を採用することができる。つまり一方のセグメントが、隣接するセグメントを、例えば芯鞘型複合繊維のごとく完全に包囲してしまわない形状であれば良い。
本発明の抗菌・消臭性複合繊維を構成する熱可塑性樹脂の組合せとしては、その組合せ例をB成分/A成分の形式で表すと、ポリオレフィン樹脂/ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂/ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂/ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリアミド樹脂の組合せが利用できる。ポリオレフィン樹脂/ポリオレフィン樹脂の組合せとしては、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレンが例示できる。
ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の組合せとしては、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートが例示できる。
ポリエステル樹脂/ポリエステル樹脂の組合せとしては、共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレートが例示できる。
本発明の抗菌・消臭性複合繊維において、熱可塑性樹脂A成分と熱可塑性樹脂B成分との複合比は10対90重量%〜90対10重量%の範囲にすることが好ましく、より好ましくは30対70重量%〜70対30重量%である。かかる範囲の複合比とすることにより、熱可塑性樹脂A、B両成分が均一に配置された断面形状となる。尚、以下の説明においても複合比の単位は重量%である。
本発明において、複合酸化物を繊維に含有させる具体的な方法としては、熱可塑性樹脂B成分中にパウダー、マスターバッチ等を練り込む事が最も好ましいが、複合酸化物の微粒子をスラリー状にして、繊維処理剤と共に付着させる方法でも良い。繊維処理剤を繊維に付着させる方法に制限はなく、紡糸及び/または延伸工程でオイリングロールとの接触、浸漬槽への浸漬、スプレー噴霧等により繊維に付着できる。繊維に付着するだけでなく、ウェブや繊維成形体に付着してもよい。例えば、不織布加工工程でウェブに接触法、浸漬法、噴霧法により付着させる方法や、繊維成形体に加工した後に接触法、浸漬法、噴霧法により付着させる方法が利用できる。更に付着は、繊維処理剤及び複合酸化物スラリーの混合物を一度に付着させる方法でもよいが、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において複合酸化物スラリーを先に付着させた後、複合酸化物スラリーの上に繊維処理剤を含む界面活性剤を付着させる方法が好ましく利用できる。これらの手法では繊維処理剤が複合酸化物スラリーを覆い保護するため、不織布加工工程中の繊維開繊工程における複合酸化物スラリーの脱落をより最小限に抑えることができる。
一例として、乾式紡糸法、湿式紡糸法、ゲル紡糸法、溶融紡糸法等の公知の方法で製造された繊維に、この紡糸工程において、タッチロール等の方法で複合酸化物スラリーまたは、複合酸化物スラリーと繊維処理剤との混合物を付着させた後、延伸工程において、複合酸化物スラリーの層上に、繊維処理剤からなる界面活性剤を付着させる方法が挙げられる。
更に他の例として、ウェブ/ウォータージェット加工法、短繊維/エアレイド/サーマルボンド加工法、メルトブロー紡糸/サーマルボンド加工法、スパンボンド紡糸/サーマルボンド法等公知の方法で作製された不織布に、タッチロール、グラビアロール等で、複合酸化物スラリーと繊維処理剤との混合物を付着、或いは、複合酸化物スラリーを付着させた後、複合酸化物スラリーの層上に繊維処理剤からなる界面活性剤を付着させる方法を挙げることができる。しかし、特に例示したこれらの方法に限定されない。
本発明の抗菌・消臭性複合繊維を用いた繊維成形物としては、ネット、ウェブ、編織物、不織布等を挙げることができ、特に不織布が好ましく用いられる。不織布加工の方法としては、サーマルボンド法(スルーエアー法、ポイントボンド法)、エアレイド法、ニードルパンチ法、ウォータージェット法等の公知の方法を用いることができる。短繊維をカード機等でウェブにした後に、前記不織布加工の方法でウェブを不織布にするだけでなく、メルトブロー法またはスパンボンド法でウェブを直接製造した後、前記不織布加工の方法でウェブを不織布にすることができる。また、混綿、混紡、混繊、交撚、交編、交繊等の方法で混合した繊維を前記不織布加工の方法で布状の形態にすることもできる。なお、本発明で得られた繊維成形物を単体で使用してもよいし、他の不織布、編織物、メッシュ状物、フィルム等の成形品と積層または一体化した状態で使用してもよい。
本発明の抗菌・消臭性複合繊維を用いた繊維成形物としては、おむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性物品、ガウン、術衣等の医療衛生材、壁用シート、床材等の室内内装材、カバークロス、生ゴミ用カバー等の生活関連材、使い捨てトイレ、トイレ用カバー等のトイレタリー製品、ペットシート、ペット用おむつ、ペット用タオル等のペット用品、一般医療材、寝装材、フィルター材、介護用品など様々な繊維製品への用途に利用することができる。特に本発明の抗菌・消臭性複合繊維またはそれを用いた不織布を吸収性物品に用いると、抗菌・消臭性以外に、おむつかぶれ等の皮膚炎から皮膚を保護する効果があるため好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、各例において物性評価は以下に示す方法で行った。
(メルトフローレート)
JIS K 7210に準拠し、メルトフローレートの測定を行った。
ここで、MIは、表1の条件4に準拠し、MFRは、表1の条件14に準拠して測定した。
(非連続凹部の有無)
走査型電子顕微鏡を用いて、繊維表面の亀裂及び/または断裂による非連続凹部の有無を確認した、繊維表面を電子顕微鏡で撮影後、得られた写真から任意に20本の繊維を選び、非連続凹部の平均数を算出した。
A:11個/本以上、非連続凹部が非常に多い。
B:6〜10個/本、非連続凹部が多い。
C:5個以下/本、 非連続凹部は少ない。
無:0個/本、 非連続凹部は見られない。
(消臭性試験)
実施例及び比較例で得られた不織布の消臭性能を、アンモニア、酢酸、硫化水素について次のように測定した。テドラーバッグ(容積5リットル)に所定量(3g)の不織布を入れて密封した。次いで、シリンジを用いて、所定濃度の臭気成分を含む空気を、全ガス量3リットルとなるようにテドラーバッグ内に注入した。ガスを注入してから一定時間経過後に、テドラーバッグ内のガスをガス検知管(ガステック社製、アンモニア用3La、3L型、酢酸用81型、硫化水素用4LL、4LT型)を用いて直接測定し、下記式により臭気成分の除去率を求めた。
除去率(%)={(C0−C)/C0}×100
0:初期濃度
C:一定時間経過後の対象臭気物質濃度
(抗菌性試験)
繊維製品衛生加工協議会(SEK)の統一試験法に準じて行った。滅菌後クリーンベンチ内で乾燥した試料0.4gの全体に、あらかじめ高圧蒸気滅菌して氷冷した1/20濃度のニュートリエントブロスで、生菌数を1×10個/mlに調製した試験菌懸濁液0.2mlを均一に接種して、滅菌したキャップを締め付ける。これを37±1℃で18時間培養し、培養後の生菌数を測定する。試料には標準布(抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定のもの)と各実施例で作製した加工布の2種類であり、試験菌としては黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P)を用いた。そして、下記の式で抗菌性の指標である静菌活性値を算出した。
静菌活性値=logB−logC
但し、試験成立条件(logB−logA)>1.5を満たす事
A:標準布の接種直後に回収した菌数の平均値
B:標準布の18時間培養後回収した菌数の平均値
C:加工布の18時間培養後回収した菌数の平均値
静菌活性値が2.2以上のものを抗菌性ありと判定した。
(抗カビ性試験)
別途に培養したAspergillus nigerを、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム0.05重量%添加した殺菌水に懸濁して混合胞子懸濁液を調製する。培地としてチッソ株式会社製「サニ太くん(真菌用)」(商品名)を用い、培地上に3cm角の不織布サンプルをのせて前記懸濁液を1ml滴下後、25℃設定のインキュベーター中に5日間静置する。抗カビ性の判定は、カビ集落に由来する発色の個数に応じて、以下の基準で行った。
有 :発色が全く見られないか、或いは発色がほとんど確認できない程度
やや有:若干の発色が見られる(10個以下)
無 :発色した個数が非常に多い、或いは培地の広い範囲が染色されている
実施例1
(抗菌・消臭性複合繊維の作製)
複合酸化物としては特開平11−209258号公報に記載の「実施例1」にしたがって得られる複合酸化物を用いる。この複合酸化物の組成はZn0.75Al0.25Oであった。この複合酸化物を用いて次のように抗菌・消臭性繊維を作製した。鞘(B)成分に、該複合酸化物4重量%(繊維重量に対して2重量%)と、結晶性高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン株式会社製S6900、エチレン単独重合体、融点131℃、MI16g/10min、略記号PE)96重量%との組成物を用い、芯(B)成分として、結晶性ポリプロピレン(株式会社日本ポリプロ製SA2E、プロピレン単独重合体、融点163℃、MFR16g/10min、略記号PP)を用いて、それぞれの樹脂の体積比率を50:50とし、鞘芯型複合紡糸装置(鞘芯型紡糸口金を使用)により紡糸温度250℃で複合紡糸を行った。得られた未延伸糸は8.5dtexであり、引取工程において、アルカリフォスフェートK塩を付着させた。この未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率4.5倍(最大破断倍率5.3倍)で延伸を行ない、得られた延伸糸をカッターで切断して、ステープル状の複合繊維とした。得られた複合繊維は鞘芯型複合繊維であり、正量繊度2.2dtex、繊維長51mmであった。表1に、鞘芯成分の樹脂構成、複合酸化物、繊維処理剤の添加量を示す。なお、表に示す添加量は繊維重量に対する複合酸化物の重量%である。
(不織布加工)
スルーエアー加工(略記号TA):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、サクションバンドドライヤー(133℃)で熱処理して、目付約50g/mのスルーエアー不織布とした。表1に、得られた不織布の抗菌・消臭性能を示す。静菌活性値は4.4と基準を充分に満たしており、アンモニア、酢酸、硫化水素に対して良好な消臭性能を発現していた。
実施例2
(抗菌・消臭性複合繊維の作製)
鞘(B)成分として、実施例1で用いた複合酸化物6重量%(繊維重量に対して3重量%)と、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体(エチレン含量4重量%、ブテン含量5重量%、プロピレン含量91重量%、融点131℃、MFR16g/10min、略記号co−PP)94重量%との組成物を用い、芯(A)成分として、結晶性ポリプロピレン(プロピレン単独重合体、融点163℃、MFR10g/10min)を用いて、鞘芯型複合紡糸装置(鞘芯型紡糸口金を使用)により紡糸温度280℃で複合紡糸を行った。この未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率2.5倍(最大破断倍率4.5倍)で延伸を行い、ステープル状の複合繊維とした。得られた繊維は正量繊度2.2dtex、繊維長38mmであった。
(不織布加工)
ポイントボンド加工(略記号PB):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、これをエンボス加工機{ロール温度126℃、線圧20kg/cm(換算値1.96×10N/cm)、エンボス面積率25%}で熱処理して、目付約50g/mのポイントボンド不織布とした。表1に、得られた不織布の抗菌・消臭性能を示す。
実施例3
(消臭性繊維の作製)
鞘(B)成分として、実施例1で用いた複合酸化物2重量%と、高密度ポリエチレン樹脂(融点138℃、MI 12g/10min)98重量%との組成物を用い、芯(A)成分として、ポリプロピレン樹脂(株式会社日本ポリプロ製SA03A、融点168℃、MFR 23g/10min、略記号PP)を用いて、それぞれの樹脂は体積比率で60:40(複合酸化物の含有量は繊維重量に対して1.2重量%)とした。鞘芯型複合紡糸装置(鞘芯型紡糸口金を使用)により紡糸温度250℃で複合紡糸を行った。この未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率4.6倍(最大破断倍率5.5倍)で延伸を行い、ステープル状の複合繊維とした。得られた繊維は正量繊度6dtex、繊維長38mmであった。
実施例4
(消臭性繊維の作製)
鞘(B)成分として、実施例1で用いた複合酸化物4重量%(繊維重量に対して2重量%)と、直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製M70、融点126℃、MI 20g/10min 略記号LLDPE)96重量%との組成物を用い、芯(A)成分として、ポリエチレンテレフタレート(極限粘度η=0.635、略記号PET)を用いて、鞘芯型複合紡糸装置(鞘芯型紡糸口金を使用)により紡糸温度280℃で複合紡糸を行った。この未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率2.6倍(最大破断倍率3.5倍)で延伸を行い、ステープル状の複合繊維とした。得られた繊維は正量繊度3.3dtex、繊維長51mmであった。
(不織布加工)
実施例1と同様の方法で不織布化を行い、抗菌性、消臭性試験を行った。
実施例5
鞘(B)成分として、実施例1で用いた複合酸化物4重量%(繊維重量に対して2重量%)と、MIが16g/10min、融点107℃の低密度ポリエチレン樹脂(以下LDPEと略記)96重量%の組成物を用い、芯(A)成分として、結晶性ポリプロピレン(プロピレン単独重合体、融点163℃、MFR16g/10min)を用いて、それぞれの樹脂は体積比率で50:50とした。鞘芯型複合紡糸装置(鞘芯型紡糸口金を使用)により紡糸温度250℃で複合紡糸を行った。得られた未延伸糸を、引取工程において、アルカリフォスフェートK塩を付着させた。この未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率4倍(最大破断倍率5倍)で延伸を行ない、得られた延伸糸をカッターで切断して、ステープル状の複合繊維とした。得られた複合繊維は鞘芯型複合繊維であり、正量繊度2.2dtex、繊維長51mmであった。
(不織布加工)
熱処理条件を120℃とした以外は実施例1と同様の方法で不織布化を行い、抗菌性、消臭性試験を行った。
実施例6
実施例5と同じ構成の未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率3倍(最大破断倍率5.2倍)で延伸を行った他は、実施例5と同様の方法で複合紡糸を行った。延伸糸をカッターで切断して、ステープル状の複合繊維とした。正量繊度2.5dtex、繊維長51mmであった。得られたステープルを実施例5と同じ方法で不織布化を行い、抗菌性・消臭性試験を行った。
実施例7
実施例5と同じ構成の未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率2倍(最大破断倍率5倍)で延伸を行った他は、実施例5と同様の方法で複合紡糸を行った。延伸糸をカッターで切断して、ステープル状の複合繊維とした。正量繊度2.5dtex、繊維長51mmであった。走査型電子顕微鏡観察より、実施例5と異なり繊維表面に非連続凹部は確認されなかった。得られたステープルを実施例5と同じ方法で不織布化を行い、抗菌性・消臭性試験を行った。
実施例8
鞘(B)成分として、実施例1で用いた複合酸化物3重量%(繊維重量に対して1.2重量%)と、エチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製N1525、以下EMAと略記)70重量%、結晶性高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン株式会社製M6900、エチレン単独重合体、融点131℃、MI16g/10min)27重量%、芯(A)成分として、ポリプロピレン樹脂(株式会社日本ポリプロ製SA03A)を用いてそれぞれの樹脂は体積比率で40:60とし、鞘芯型複合紡糸装置(鞘芯型紡糸口金を使用)により紡糸温度250℃で複合紡糸を行った。得られた未延伸糸は9.5dtexであり、この未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率5.0倍(最大破断倍率5.9倍)で延伸を行ない、得られた延伸糸をカッターで切断して、ステープル状の複合繊維とした。得られた複合繊維は鞘芯型複合繊維であり、正量繊度2.2dtex、繊維長38mmであった。
実施例9
B成分に、実施例1で用いた複合酸化物4重量%(繊維重量に対して2重量%)と、結晶性高密度ポリエチレン(融点131℃、MI19g/10min)96重量%との組成物を用い、A成分として、結晶性ポリプロピレン(融点163℃、MFR24g/10min)を用いて、それぞれの樹脂は体積比率で50:50とした。分割型複合繊維用口金を用いて、容積比率50/50、中空放射型16分割断面構造の分割型複合繊維を紡糸し、単糸繊度21dtexの未延伸糸とした。得られた未延伸糸を90℃、5.5倍(最大破断倍率6.3倍)で延伸し、スタッファボックスで機械捲縮を付与して、4.5dtexの分割型複合繊維を得た。次に、得られた繊維をローラーカード機でカーディングしてウェブとした。続いてウェブを、プレーンニードルを有するパンチングマシンで700本/cmの針密度で加工した。
実施例10
実施例1で用いた複合酸化物3重量%、熱可塑性樹脂成分として、結晶性ポリプロピレン(株式会社日本ポリプロ製SA04F)40重量%と、MIが16g/10min、融点107℃のLDPE(以下LDPEと略記)57重量%の組成物を用いて、単一断面を有する熱可塑性繊維を紡糸した。得られた未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率4.1倍(最大破断倍率4.5倍)で延伸を行ない、得られた延伸糸をカッターで切断して、ステープル状の繊維とした。得られた繊維は正量繊度3.3dtex、繊維長64mmであった。次に、得られた繊維をローラーカード機でカーディングしてウェブとした。続いてウェブを、プレーンニードルを有するパンチングマシンで300本/cmの針密度で加工した。得られた不織布の抗菌・消臭性能を表1に示す。
実施例11
延伸工程において、延伸倍率を2.8倍(最大破断倍率4.5倍)とした以外は実施例9と同様の方法で単一断面を有する熱可塑性繊維を得た。次に、得られた繊維をローラーカード機でカーディングしてウェブとした。続いてウェブを、プレーンニードルを有するパンチングマシンで300本/cmの針密度で加工した。得られた不織布の抗菌・消臭性能を表1に示す。
実施例12
延伸工程において、延伸倍率を2.0倍(最大破断倍率4.5倍)とした以外は実施例9と同様の方法で単一断面を有する熱可塑性繊維を得た。次に、得られた繊維をローラーカード機でカーディングしてウェブとした。続いてウェブを、プレーンニードルを有するパンチングマシンで300本/cmの針密度で加工した。得られた不織布の抗菌・消臭性能を表2に示す。
実施例13
鞘(B)成分に、実施例1で用いた複合酸化物4重量%(繊維重量に対して2重量%)と、結晶性高密度ポリエチレン96重量%との組成物を用い、芯(A)成分として、結晶性ポリプロピレン(株式会社日本ポリプロ製SA03A)を用いて、それぞれの樹脂は体積比率で50:50とした。並列型複合紡糸装置(並列型紡糸口金を使用)により複合紡糸を行った。得られた未延伸糸は14dtexであり、この未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率4.9倍(最大破断倍率5.8倍)で延伸を行ない、ステープル状の複合繊維とした。得られた複合繊維は並列型複合繊維であり、正量繊度3.3dtex、繊維長45mmであった。
(不織布加工)
実施例1と同様の方法で不織布化を行い、抗菌性、消臭性試験を行った。
実施例14
実施例1と比較例1の不織布を用いて、生ごみ用カバーを作製し、実際に使用した際の臭気の変化を調べた。その結果、実施例1の生ごみカバーは比較例1の生ごみカバーと比較して、生ごみ由来の臭気が殆ど感じられず、消臭性に優れていた。
実施例15
実施例2と比較例1の不織布をバックシートとして用いたおむつを作製し、実際に用いた場合の臭気の変化を調べた。前記おむつに人尿100mlを吸収させた後テープで包み、密閉した袋中に入れて1日後の臭気の変化を調べた。その結果、実施例2のおむつは比較例1のおむつと比較して人尿由来の臭気が殆ど感じられず、消臭性に優れていた。
比較例1
鞘(B)成分に、結晶性高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン株式会社製S6900)を用い、芯(A)成分として、結晶性ポリプロピレン(融点163℃、MFR16g/10min)を用いて、実施例1と同様の方法によりステープル状の複合繊維とした。得られた複合繊維は鞘芯型複合繊維であり、正量繊度2.2dtex、繊維長51mmであった。得られた繊維の抗菌性、消臭性を表2に示した。
比較例2
比較例1と同様の方法によりステープル状の複合繊維とし、得られた複合繊維に抗菌成分である塩化セチルピリジニウムを、繊維重量に対して0.1重量%となるように付着させた。得られた繊維を不織布化した後、抗菌性、消臭性の評価を行った。抗菌性、抗カビ性は良好であるものの、アンモニア、酢酸、硫化水素に対する消臭性は確認できなかった。
比較例3
鞘(B)成分に、活性炭微粒子(2次粒子径<1.5μm)5重量%(繊維重量に対して2.5重量%)と、結晶性高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン株式会社製S6900)95重量%との組成物を用い、芯(A)成分として、結晶性ポリプロピレン(株式会社日本ポリプロ製SA2E)を用いて、それぞれの樹脂は体積比率で50:50とした。鞘芯型複合紡糸装置(鞘芯型紡糸口金を使用)により複合紡糸を行った。得られた未延伸糸を用いてロール型延伸装置により、延伸温度90℃、延伸倍率3.8倍(最大破断倍率4.5倍)で延伸を行ない、ステープル状の複合繊維とした。得られた複合繊維を実施例1と同様の方法で不織布化を行ない、抗菌・消臭性能を評価した。アンモニア、酢酸、硫化水素に対して消臭性は良好であったが、静菌活性値が0.2であり抗菌性は確認できなかった。
Figure 0004321335
Figure 0004321335
本発明の抗菌・消臭性繊維は、繊維中に2価金属及び/または3価金属からなる複合酸化物を含有させる事により、細菌、かびに対する増殖抑制及び、消臭性能を有する繊維を得る事が出来る。
また、繊維軸方向に非連続な亀裂及び/又は断裂による凹部分(非連続凹部)を混在させる事により、より多くの複合酸化物が繊維表面に露出される為、更に優れた抗菌・消臭性能を発現する事が出来る。かつアンモニア、アミン等の塩基性臭気物質、酢酸等の酸性臭気物質及び、硫化水素等の硫黄系臭気物質にも幅広く対応可能な充分な消臭性能を有しており、特に酢酸等の酸性臭気物質及び、硫化水素等の硫黄系臭気物質に対して優れた巾広い消臭性能を発現する。
更に、本発明の抗菌・消臭性繊維から得られる繊維成形物は優れた抗菌性、消臭性能を有しているので、例えば、おむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性物品、ガウン、術衣等の医療衛生材、壁用シート、床材等の室内内装材、カバークロス、生ゴミ用カバー等の生活関連材、使い捨てトイレ、トイレ用カバー等のトイレタリー製品、ペットシート、ペット用おむつ、ペット用タオル等のペット用品、一般医療材、寝装材、フィルター材、介護用品など様々な用途であっても、良好な消臭性能を発揮できる。

Claims (8)

  1. 少なくとも2成分(これらの必須成分をA成分、B成分とする)の熱可塑性樹脂からなる複合繊維のB成分中に、2価金属及び/または3価金属からなる下記一般式で表される複合酸化物を該繊維重量に対し、0.1〜10重量%含有させ、複合繊維が、A成分は繊維軸方向に沿って連続して形成されており、B成分はポリオレフィン系樹脂であり、B成分は繊維軸方向に非連続な亀裂及び/又は断裂による凹部分を有して形成されていることを特徴とする抗菌・消臭性繊維。
    2+ (1-x)3+ x-δ
    (M2+は亜鉛又は亜鉛を必須成分とする2価金属を示し、M3+はAl,Fe,Ceから選ばれる3価金属を示し、xは0<x≦0.5の範囲の数を示し、δはカチオン格子欠陥を示す。)
  2. B成分の熱可塑性樹脂が、融点105〜120℃の低密度ポリエチレン樹脂及び/またはエチレン共重合体が30重量%以上添加されたポリオレフィン系樹脂であり、B成分が鞘側、A成分が芯側に配された芯鞘型複合繊維である請求項1に記載の抗菌・消臭性複合繊維。
  3. 複合繊維が、A成分、B成分の熱可塑性樹脂が交互に配置された断面形状を持つ分割型複合繊維である請求項1に記載の抗菌・消臭性繊維。
  4. 破断延伸倍率の50〜95%で延伸して得られた請求項1〜3のいずれか1項記載の抗菌・消臭性繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗菌・消臭性繊維を用いた繊維成形物。
  6. 請求項3記載の抗菌・消臭性繊維を分割処理して得られた繊維成形物。
  7. 少なくともA、B成分の熱可塑性樹脂を用い、B成分中に、2価金属及び/又は3価金属からなる下記一般式で表される複合酸化物を、熱可塑性樹脂に0.1〜10重量%混入させてB成分が鞘側、A成分が芯側に配された芯鞘型複合繊維、または、A成分とB成分が交互に配された断面形状を持つ分割型複合繊維を複合紡糸し、紡糸後、未延伸の上記芯鞘型または分割型複合繊維を、破断延伸倍率の50〜95%で延伸することを特徴とする請求項1に記載の抗菌・消臭性繊維の製造方法。
    2+ (1-x)3+ x-δ
    (M2+は亜鉛又は亜鉛を必須成分とする2価金属を示し、M3+はAl,Fe,Ceから選ばれる3価金属を示し、xは0<x≦0.5の範囲の数を示し、δはカチオン格子欠陥を示す)
  8. 請求項7記載の方法で分割型複合繊維としての抗菌・消臭性繊維を製造したのち、さらに、分割・細繊化処理を実施することを特徴とする、繊維成形物の製造方法。
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