JP2004049540A - 抗菌性粘着フィルム及びそれを用いた救急絆創膏 - Google Patents

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Yuji Karasawa
唐沢 勇治
Hitoshi Sato
佐藤 斉
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JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

【課題】身体へのフィット性に優れ、使用後の焼却処理において有毒ガスの発生がなく、比較的安価で抗菌機能を付加した粘着フィルム及びこれを用いた救急絆創膏を提供する。
【解決手段】エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であるオレフィン共重合体成分(A)0〜25重量%、及び結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、1−ブテン−α−オレフィン共重合体及びエラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種である熱可塑性エラストマー成分(B)100〜75重量%を含有する組成物からなり、JIS K 6301に準じて測定した永久伸びが50%以下である弾性フィルムの片面に少なくとも抗菌剤を含有する粘着剤を塗布した抗菌性粘着フィルム及びそれを用いた救急絆創膏。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム弾性を有する抗菌性粘着フィルム(本発明においては、フィルム、シートとテープを総称してフィルムという)及びそれを用いた救急絆創膏に関する。更に詳しくは、ゴム弾性、環境適性、経済性に優れ、しかも身体へのフィット性にも優れ、かつ抗菌性を有する粘着フィルム及びそれを用いた救急絆創膏に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から絆創膏等に用いられる基材には、ごわごわ感を感じさせない柔軟性、肌に対する充分なフィット性、耐水性等の特性が要求されてきた。これら諸特性を満足するものとして主としてポリ塩化ビニル基材が使用されてきたが、近年は伸縮性と通気性を有し、更に柔軟性に優れているポリウレタン基材が注目されている。しかしながらポリ塩化ビニル基材は安価であるものの燃焼時に有毒ガスが発生する欠点を有し、更に肌に対するフィット性が不充分であり、またポリウレタン基材は、燃焼時に有毒ガスが発生する欠点を有し、更にリサイクル不可、高価格、複雑な製造工程等の問題があり、解決が要望されていた。
【0003】
一方、家庭用の救急絆創膏等には、衛生的で傷口等が悪化することを防止するために抗菌機能の付加が望まれている。このように、現在、良好な特性を有する抗菌性粘着フィルムや、救急絆創膏は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、身体へのフィット性に優れ、使用後の焼却処理において有毒ガスの発生がなく、比較的安価で抗菌機能を付加した粘着フィルム及びこれを用いた救急絆創膏を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究の結果、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であるオレフィン共重合体成分(A)0〜25重量%、及び結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、1−ブテン−α−オレフィン共重合体及びエラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種である熱可塑性エラストマー成分(B)100〜75重量%を含有する組成物からなり、JIS K 6301に準じて測定した永久伸びが50%以下である弾性フィルムの片面に、抗菌剤を含有する粘着剤が塗布されてなる抗菌性粘着フィルム及びそれを用いた救急絆創膏により、前記課題が解決されることを見出しその知見に基づいて本発明を完成させた。
【0006】
本発明は下記構成を有する。
(1)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であるオレフィン共重合体成分(A)0〜25重量%、及び結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、1−ブテン−α−オレフィン共重合体及びエラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種である熱可塑性エラストマー成分(B)100〜75重量%を含有する組成物からなり、JIS K 6301に準じて測定した永久伸びが50%以下である弾性フィルムの片面に、抗菌剤を含有する粘着剤が塗布されてなることを特徴とする抗菌性粘着フィルム。
【0007】
(2)抗菌剤がε−ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩であることを特徴とする前記(1)項記載の抗菌性粘着フィルム。
【0008】
(3)前記(1)もしくは(2)項のいずれか1項記載の抗菌性粘着フィルムを用いたことを特徴とする救急絆創膏。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
本発明の抗菌性粘着フィルムに用いられる弾性フィルムは、永久伸び(JISK 6301に準じて測定)が50%以下である。永久伸びが50%以下であるので、フィルムが伸長した時に適度な伸長回復性を発現し、身体に良好にフィットするため、救急絆創膏に好適に使用できる。
【0011】
前記弾性フィルムは、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であるオレフィン共重合体成分(A)(以下、成分(A)という)0〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、及び結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、1−ブテン−α−オレフィン共重合体及びエラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種である熱可塑性エラストマー成分(B)(以下、成分(B)という)100〜75重量%、好ましくは95〜80重量%を含有する組成物からなる単層もしくは多層フィルムである。
【0012】
成分(A)と成分(B)の含有量が上記の範囲にあることによって、得られる弾性フィルムは救急絆創膏に適する優れた弾性と適度の機械的強度を有する。前記弾性フィルムに対し、成分(A)は主として機械的強度を付与し、成分(B)は、主として弾性を付与する成分である。
【0013】
成分(A)が25重量%を超える場合、得られるフィルムは、機械的強度は良好であるが弾性が不十分となる。従って弾性と機械的強度の両性能を満たすためには、成分(A)が0〜25重量%、成分(B)が100〜75重量%の混合比率であることが必要である。
【0014】
成分(A)のオレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンとしては炭素数3〜10のα−オレフィンが挙げられ、例えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。また、これらに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重合体も含まれ、代表的にはエチレンプロピレンジエンゴム、エチレンブテンジエンゴムが挙げられる。前記のα−オレフィンの中では1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
【0015】
また、前記オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)は、1.5〜4であることが好ましい。分子量分布がこの範囲であると、得られるフィルムの粘着性が少なく操作性とアンチブロッキング性の低下がない。更に、前記オレフィン共重合体はメタロセン触媒によって造られたものであっても構わない。前記オレフィン共重合体の具体例としては、エンゲージ(商品名、デュポンダウエラストマージャパン(株)製)、タフマー(商品名、三井化学(株)製)等が挙げられる。
【0016】
前記オレフィン共重合体のメルトフローレート(JIS K 7210、190℃、荷重21.18N)は、特に限定はしないが加工性の点から0.3〜30g/10分が好ましく、1〜20g/10分が更に好ましい。
【0017】
前記成分(B)は、結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、1−ブテン−α−オレフィン共重合体及びエラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーからなる。
【0018】
成分(B)の結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体は、1,2−結合含量が25重量%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(d)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体であって共役ジエン部分の1,2−及び3,4−結合含量が50重量%以上であり、水素添加によりゴム状のエチレンブチレンが主体となる重合体ブロック(e)とからなるブロック共重合体であって、(d)−(e)−(d)ブロック共重合体、または前記ブロック共重合体単位がカップリング剤残基を介して延長または分岐されたブロック共重合体の一種以上からなるブロック共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の二重結合が70%以上飽和されたブロック共重合体である。
【0019】
前記重合体ブロック(e)に用いられる共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエンの他、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられ、中でも1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましい。
前記結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体の具体例としては、DYNARON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。また、前記結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体はフェノキシイミン錯体触媒によって作られた物であっても構わない。
【0020】
前記結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体のメルトフローレート(JIS K 7210、230℃、荷重21.18N)は、特に限定はしないが加工性の点から0.3〜30g/10分が好ましく、1〜20g/10分が更に好ましい。
【0021】
成分(B)の1−ブテン−α−オレフィン共重合体は、1−ブテンとα−オレフィンのランダム共重合体であって、α−オレフィンは特に限定されないが、エチレンやプロピレン、及び1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数5〜12のα−オレフィン等が例示できる。これらは単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。このうちエチレンが製造コストの点から好ましい。
【0022】
前記1−ブテン−α−オレフィン共重合体においては、ブテン量は特に限定しないが、得られるフィルムの永久伸びや柔軟性の点から、ブテン量は15重量%以上が好ましく、20重量%以上が更に好ましく、30%重量以上が特に好ましい。具体的にはEBM(商品名、JSR(株)製)やタフマー(商品名、三井化学(株)製)等を例示することができる。また、前記1−ブテン−α−オレフィン共重合体はメタロセン触媒によって作られた物であっても構わない。
【0023】
前記1−ブテン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(JIS K7210、230℃、荷重21.18N)は、特に限定はしないが加工性の点から0.3〜30g/10分が好ましく、1〜20g/10分が更に好ましい。
【0024】
成分(B)のエラストメリックポリプロピレンは、重合体鎖が結晶性のアイソタクチックポリプロピレンもしくはシンジオタクチックポリプロピレンと、非晶性のアタクチックポリプロピレンとから構成されるステレオブロック構造をとり、アイソタクチックポリプロピレンもしくはシンジオタクチックポリプロピレンをハードセグメントとし、アタクチックポリプロピレンをソフトセグメントとして重合した構造物である。尚、本発明では、例えば米国特許第4335225号明細書、同第4522982号明細書、同第5188768号明細書に記載されているエラストメリックポリプロピレンが使用できる。これらは単独重合体及び共重合体の両方を意味する。共重合体はプロピレン単位に加えて、分子中にプロピレン単位以外の他のオレフィン単位、例えばエチレン、ブチレン、ペンテンまたはヘキセン単位を含有してもよい。これらは鎖構造中に実質的に立体規則性ブロック配列を有し、重合体鎖中に選択的に配列された例えばアイソタクチックポリプロピレン及びアタクチックポリプロピレン序列のブロックよりなる。また、前記エラストメリックポリプロピレンのメルトフローレート(JIS K 7210、230℃、荷重21.18N)は、特に限定はしないが加工性の点から0.3〜30g/10分が好ましく、1〜20g/10分が更に好ましい。
【0025】
前記弾性フィルムを製造する方法には特に限定はなく、成分(A)0〜25重量%及び成分(B)100〜75重量%を含有する組成物を用いて、公知、公用の各種製膜方法すなわち押出成形法(Tダイ法、インフレ法)、カレンダー法、圧縮成形法、注型成形法等により製造する方法が例示できる。
【0026】
前記公知、公用の製膜方法の中でも生産性が良好な点から、カレンダー法や押出成形法が好ましい。カレンダー法の場合には、バンバリミキサー、ミキシングロール、ウォーミングロール、押出機、カレンダーロール、冷却ロール、トリミングカッター、マスキング、定尺切断カッター、巻き取り機等からなるカレンダー成形機を用いた方法が例示できる。押出成形法の場合には、押出機、Tダイ、冷却ロール、ガイドロール、引取りロール、トリミングカッター、定尺切断カッター、巻き取り機等を備えた装置(Tダイシート成形機)を用いた方法が例示できる。中でもTダイを用いた押出成形法が好ましい。
【0027】
また、前記弾性フィルムは、成分(A)0〜25重量%及び成分(B)100〜75重量%を含有する組成物をコア層とし、このコア層の少なくとも一方の面にエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、及びエチレンまたはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体から選ばれる少なくとも1種よりなるスキン層を積層した多層フィルムであっても良い。多層フィルムを製造する方法には特に限定はなく、公知、公用の各種重ね合わせ方法、すなわち2台以上の押出機を有する共押出法や押出ラミネート法、ドライラミネート法等により製造する方法を例示することができ、特に共押出法が他法と比べ2次工程を必要とせず経済的にも有利で好ましい。
【0028】
多層フィルムの場合、各スキン層の厚さは3μm以上が好ましく、更に好ましくは3〜10μmである。スキン層が薄すぎると膜割れ等の外観不良を発生する。また、コア層とスキン層の構成比(コア層厚さ/合計スキン層厚さ)は20以下が好ましく、更に好ましくは0.5〜20である。構成比が大きすぎると経済的に不利である。
【0029】
前記弾性フィルムには本発明の目的を損なわない範囲で、蒸れ等を防止するため、穿孔(開口)や多孔化することができる。蒸れ等を防止できれば穿孔部形状、穿孔部直径(円形以外の場合は同面積の円に換算した値)、穿孔部面積比率等は特に限定されないが、フィルム強度が低下するため穿孔部面積比率は50%以下が好ましく、30%以下が更に好ましい。フィルムを穿孔や多孔化する方法に特に制限はなく、公知公用の方法を用いることができ、例えば熱針穿孔法、レーザー穿孔法やフィラー等を配合した樹脂組成物を延伸加工して多孔化フィルムとする方法等を例示できる。
【0030】
また、前記弾性フィルムには、目的に応じてエンボス加工、印刷加工等の一つ以上の加工を行っても構わない。また、前記弾性フィルムには接着性、印刷性等を向上させるために、通常、工業的に採用されている方法、すなわちコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等の方法で表面処理することが好ましい。
【0031】
前記弾性フィルムの厚さは、特に限定はなく最適な厚さを選択できるが、通常は5〜300μm、多くは10〜150μmの範囲である。
【0032】
前記弾性フィルムの製造に使用される成分(A)と成分(B)とからなる組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて各種酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、金属不活性剤、増粘分岐剤、艶消剤、充填剤、着色剤、ゴム等の柔軟性付与剤、その他各種の添加剤等を配合することができる。
【0033】
本発明においては、前記弾性フィルムにクッション性を付与するため、その少なくとも片面に弾性不織布を積層して複合弾性フィルムとすることができる。
前記弾性不織布は、オレフィン共重合体成分(C)(以下、成分(C)という)20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、及びスチレンジエンランダム共重合体、スチレン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、エラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種である熱可塑性エラストマー成分(D)(以下、成分(D)という)80〜20重量%、好ましくは70〜30重量%を含有する組成物からなる、平均繊維径が1〜50μm、好ましくは1〜24μmの繊維から構成されるものが好適に用いられる。また、弾性不織布の目付は、1〜300g/m、好ましくは5〜100g/m、更に好ましくは5〜50g/mであることが望ましい。
【0034】
成分(C)と成分(D)の含有量が上記の範囲にあることによって、得られる複合弾性フィルムは救急絆創膏に適する優れた弾性と適度の伸長時応力を有する。また、弾性不織布の平均繊維径や目付が上記の範囲にあることによって、得られる複合弾性フィルムは救急絆創膏に適した柔軟なフィット性を示す。
【0035】
成分(C)のオレフィン共重合体は、エチレンもしくはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンとしては炭素数3〜10(重合体を構成する最も多いモノマーがプロピレンの場合は3を除く)のα−オレフィンが挙げられ、例えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。また、これらに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重合体も含まれ、代表的にはエチレンプロピレンジエンゴム、エチレンブテンジエンゴムが挙げられる。前記のα−オレフィンの中では1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
【0036】
成分(C)のオレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)は、曳糸性の点から1.5〜4であることが好ましい。
また、前記オレフィン共重合体は、数平均分子量(Mn)が3万〜6万、かつX線回折によって測定される結晶化度が0〜50%であることが好ましい。数平均分子量がこの範囲であると、繊維化が容易であり、得られる繊維の強力が強くなり好ましい。また、結晶化度がこの範囲であると、得られる繊維の弾性が良好で、繊維の粘着性が少なく操作性とアンチブロッキング性の低下がない。また、前記オレフィン共重合体はメタロセン触媒によって造られたものであっても構わない。前記オレフィン共重合体の具体例としては、エンゲージ(商品名、デュポンダウエラストマージャパン(株)製)、タフマー(商品名、三井化学(株)製)等が挙げられる。
【0037】
前記成分(D)は、スチレンジエンランダム共重合体、スチレン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、エラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーからなる。
【0038】
成分(D)のスチレンジエンランダム共重合体は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役二重結合が飽和された水添ジエン共重合体である。詳しくは、少なくとも1種の共役ジエン化合物と3〜50重量%の芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体であって分子量分布(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)が10以下であり、かつ共重合体中のジエン部のビニル結合含有率が10〜90重量%である共重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも70%を水素添加した水添ジエン共重合体である。
【0039】
前記共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体に用いられる共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、3−エチルブタジエン等が挙げられる。中でも1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。また、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、中でもスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
【0040】
成分(D)のスチレン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体は、1,2−結合含量が25重量%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(f)と、共役ジエン化合物または共役ジエン化合物を70重量%以上含有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体であり、かつ共役ジエン部分の1,2−及び3,4−結合含量が25〜70重量%である重合体ブロック(g)、芳香族ビニル化合物を80重量%以上含有する共重合体ブロック(h)とからなる(f)−(g)−(h)ブロック共重合体、または前記ブロック共重合体単位がカップリング剤残基を介して延長または分岐されたブロック共重合体であり、全体に占める各ブロックの割合(f)/(g)/(h)が5〜30重量%/30〜80重量%/10〜35重量%のブロック共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の二重結合が70%以上飽和されたブロック共重合体である。
【0041】
前記スチレン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体のメルトフローレート(JIS K 7210、230℃、荷重21.18N)は、特に限定はしないが加工性の点から0.3〜30g/10分が好ましく、1〜20g/10分が更に好ましい。
【0042】
前記芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体に用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
前記スチレン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体の具体例としては、DYNARON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。
【0043】
成分(D)の結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体とエラストメリックポリプロピレンは、前述の成分(B)と同じものである。
【0044】
前記弾性不織布の製造に用いられる組成物の樹脂混合比率は、成分(C)が20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、成分(D)が80〜20重量%、好ましくは70〜30重量%である。成分(C)は主として伸長時の応力を付与し、成分(D)は主として弾性を付与する成分である。
【0045】
成分(C)が20重量%未満の場合、得られる不織布は、弾性は良好であるが伸長時応力が不十分である。また、成分(D)が20重量%未満であると伸長時応力は良好であるが、弾性が不十分となる。従って弾性と伸長時応力の両性能を満たすためには、成分(C)が20〜80重量%、成分(D)が80〜20重量%の混合比率であることが必要である。
【0046】
前記弾性不織布の製造に使用される成分(C)と成分(D)とからなる組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて各種酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、金属不活性剤、増粘分岐剤、艶消剤、充填剤、着色剤、ゴム等の柔軟性付与剤、その他各種の添加剤等を配合することができる。
【0047】
前記弾性不織布は、前記組成物を、成分(C)のオレフィン共重合体及び成分(D)の熱可塑性エラストマーの軟化点以上で溶融混練し紡糸口金より押出して微細な溶融物とし、この溶融物を高速の加熱気体流と接触させて微細な繊維とし、この繊維を多孔性支持体上に集積して繊維ウェブとし、この繊維ウェブを熱処理して不織布とするメルトブロー法によって製造されたものが好ましい。一般に、熱処理は使用される熱可塑性エラストマーの軟化点とオレフィン共重合体の軟化点の間の温度で行われる。熱処理の方法としては、加熱エンボスロールによる熱圧着法、加熱空気によるエアスルー法、赤外線ランプによる方法等の公知の方法が使用できる。また、メルトブロー法は一工程で樹脂から不織布を製造できる簡単な製造方法であることからも好ましい。
【0048】
また、前記弾性不織布には、目的に応じてポイントボンド加工、ソニックボンド加工、ウォータージェット加工、ニードルパンチ加工、レジンボンド加工のいずれか一つ以上の加工を行っても構わない。
【0049】
前記弾性不織布は、100%伸長回復率(100%伸長時の伸長回復率)が90%以上あることが好ましい。一般的に100%伸長回復率が90%以上の不織布が良好な弾性不織布または伸縮性不織布と呼ばれる。
【0050】
また、前記弾性不織布は、製品にした時の適度な締付け力が得られる点において100%伸長時応力(縦方向(MD)と横方向(CD)の相乗平均値)が、不織布の目付100g/m当り、100〜300cN/25mmであることが好ましく、100%伸長時応力がこの範囲であれば、得られる製品は身体へのフィット性に優れ、過度の締付けも起こらない。
【0051】
前記複合弾性フィルムを得る方法、すなわち弾性フィルムの少なくとも片面に弾性不織布を積層する方法は、公知の押出ラミネート、熱圧着ラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネートやホットメルト接着剤によるラミネート等の方法を例示できるが、本発明の目的を損なわない限り、どのような方法を用いても良い。
【0052】
本発明の抗菌性粘着フィルムは、ゴム弾性、伸縮性を有する弾性フィルムまたは複合弾性フィルムの片面に、粘着剤を塗布することによって得られる。このうち、弾性フィルムの片面のみに弾性不織布を積層した複合弾性フィルムを用いる場合、粘着剤の塗布面は弾性フィルム面、弾性不織布面のどちらの面であってもかまわないが、使用者に不快感を与えない暖かい触感にする点から、弾性フィルム面に粘着剤を塗布することが好ましい。また、粘着剤は弾性フィルムまたは複合弾性フィルムの片面全体に塗布しても、全面に塗布せずに部分的にコーティングしてもよい。弾性フィルムに粘着剤を塗布する方法は特に制限はなく、公知公用の方法を用いることができ、例えば、スクリーン・コーティング法、グラビア・コーティング法、転写法等を例示できる。尚、粘着剤は、種類にもよるが一般に5〜60μm程度の塗布量で粘着力は充分となる。
【0053】
また、前記抗菌性粘着フィルムに使用する粘着剤は、抗菌剤を含有し、皮膚に対して低刺激で充分な感圧粘着性を有し、更に使用後には皮膚から容易に剥がすことができる粘着剤であれば特に制限はなく用いることができる。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤、スチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体系粘着剤等を例示できる。なかでもアクリル系粘着剤は、接着性が良好で、価格的にも有利であるため好ましい。
【0054】
前記粘着剤に含有される抗菌剤としては、エタノールやイソプロパノール等のアルコール類、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩類、安息香酸またはその塩類、パラヒドロキシ安息香酸エステル類、ポリリジンもしくはポリリジン塩等が挙げられるが、衛生性や安全性の観点からポリリジンもしくはポリリジン塩が好適に用いられる。L−リジンのα位のアミノ基とカルボキシル基が結合したα−ポリリジンもしくはα−ポリリジン塩並びにε位のアミノ基とカルボキシル基が結合したε−ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩のどちらでも用いることができるが、食品添加物として許可されているε−ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩を用いることが安全性の面から特に好ましい。ε−ポリリジンとしては、例えば特開昭59−20359号公報に記載のε−ポリリジン生産菌であるストレプトマイセス属に属するストレプトマイセス・アルプラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスを培地に培養し、得られた培養物からε−ポリリジンを分離、採取することによって得られる。
【0055】
尚、ε−ポリリジン塩とはε−ポリリジンの無機酸塩(無機酸:塩酸、硫酸、リン酸等)もしくは有機酸塩(有機酸:酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等)を意味する。粘着剤に添加される該抗菌剤の添加量は、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。添加量が前記範囲内であれば、経済性及び抗菌性に優れた粘着フィルムが得られる。また、該抗菌剤の添加は、公知、公用の各種方法により行うことができる。具体的には、該抗菌剤を溶媒に分散させた後に粘着剤へ混合する方法や該抗菌剤を直接混合する方法等を例示できる。更に、必要に応じて弾性フィルム用組成物に該抗菌剤を添加しても良い。また、該抗菌剤を基材に担持させたものであれば弾性不織布用組成物に添加することも可能である。
【0056】
本発明において、前記抗菌性粘着フィルムが用いられる救急絆創膏は特に限定はないが、例えばテープ状の救急絆創膏の構造を挙げることができ、その製造方法としては、以下の方法を挙げることができる。例えば、抗菌性粘着フィルムを略長方形に打ち抜き、得られた略長方形の粘着テープの中央部分にコットンシートとガーゼとからなるパッドを配置し、更にカバーとして剥離紙を張り合わせて粘着面を覆い包装することで救急絆創膏とすることができる。パッドとしては、ガーゼ、不織布、織布を単独で使用することもできるが、コットンシート等と組み合わせて使用することもできる。このとき、コットンシートをガーゼで包んだ構成とすると体液等の吸収が良好となるために好ましい。更にパッドには、予め殺菌剤を滲み込ませて殺菌しておいてもよく、また、救急絆創膏とした後に殺菌処理を行ってもよい。剥離紙としては、剥離処理を施したポリオレフィンフィルム、クレープ状セロハン、ポリエステルフィルム等が使用できる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例における加工性及び物性の測定・評価は、下記の方法に従って行った。
【0058】
▲1▼フィルムの永久伸び(単位:%)
JIS K 6301に準じ、伸長速度200mm/min、伸長伸度300%、伸長保持時間10分、伸長緩和時間10分の条件で測定し、伸長前の長さ(L1)mmと伸長後の長さ(L2)mmから、下記式によってフィルムの永久伸びを求めた。
永久伸び=((L2−L1)/L1)×100
永久伸びの値が小さいほど応力緩和後に戻り易いことを示し、引張り時のゴム弾性が優れる。
【0059】
▲2▼メルトフローレート(単位:g/10min、MFRという)
MFRは、JIS K 7210 に準処し、断りのない限り条件14(230℃、荷重21.18N)で測定した。
【0060】
▲3▼数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)
成分(A)または(C)をオルトジクロロベンゼンに溶解させて濃度0.75mg/mlの溶液とし、GPC装置(WATER社製150C型、使用カラム;TSK GEL GMH6−HT)を用いて135℃にて重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。分子量分布(Mw/Mn)は測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)から計算した。
【0061】
▲4▼結晶化度(単位:%)
広角X線回折装置(日本電子(株)製、JDX−8200T型)を用いて、線源:CuKa線、出力:50KV−150mA、スキャニング速度:2θ=5°〜35°に対し1°/min、レシービングスリット:0.2mmで測定した。
【0062】
▲5▼不織布の伸長回復率(単位:%)と伸長時応力(単位:cN/25mm)
幅25mm、長さ200mmの試験片を縦方向と横方向について各3枚ずつ用意する。引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフAG−G)を用い、チャック間を100mmに設定し試験片を固定した。引張速度300mm/minで100%まで伸長させた後、同じ速度で0%まで戻し、応力が0となった時の伸びた長さをLmmとして測定した。
伸長回復率は下記式1に従って求めた。縦方向、横方向のそれぞれの伸長回復率の平均値を求め、更に下記式2によって縦方向と横方向の相乗平均値を求め100%伸長回復率とした。
伸長回復率=((100−L)/100)×100     … 式1
相乗平均値=(縦方向の平均値×横方向の平均値)1/2  … 式2
この時の応力を目付100g/mの不織布に換算した値を100%伸長した時の応力とし、伸長回復率と同様に式2にて縦方向と横方向の相乗平均値を求め100%伸長時応力とした。
【0063】
▲6▼不織布を構成する繊維の平均繊維径(単位:μm)
不織布の任意の5ヶ所から縦10mm、横10mmの不織布片(合計5枚)を切り取り、電子顕微鏡にて表面を観察した。1枚の不織布片から20本の繊維径を測定し、これを5枚の不織布片にて繰り返し、合計100本の繊維径の平均値を算出した。
【0064】
▲7▼救急絆創膏適性
救急絆創膏を5人の人指し指の第2関節に貼り付け、ごわごわ感、指の曲げ伸ばしに対してのフィット性、6時間貼り付けた後の肌の状態を確認し、下記基準によって判定した。
◎:5人が良好と判断
○:3〜4人が良好と判断
△:2人が良好と判断
×:0〜1人が良好と判断
【0065】
▲8▼抗菌性試験1
”銀等無機抗菌剤研究会 銀等無機抗菌剤の抗菌評価試験法(1995年)”に定められた合成樹脂抗菌試験法である”フィルム密着法”に準じて下記内容の抗菌性試験を行った。
まず、得られた粘着フィルムを50×50mmの大きさに切った後、その全面をエタノールの滲み込んだ局方ガーゼで軽く2〜3回拭き、室温にて乾燥して、試験片とした。
また一方、普通ブイヨン培地を滅菌精製水で500倍に希釈し、pHを7.0±0.2に調整した「1/500培地」に、滅菌したピペットで大腸菌(Escherichia coli、IFO3972)を、培地中の生菌数が3.0×10個/mLの濃度となるように試験菌液を調整した。
次に、試験片を滅菌シャーレに入れ、その試験面に試験菌液0.5mLを接種し、更にその上に滅菌処理を施したポリエチレン製フィルムを被せて蓋をした後、温度35±1℃、相対湿度90%以上の条件で24時間培養を行った。培養終了後、該試験片、フィルムに付着している菌をSCDLP培地(10mL)を用いて滅菌シャーレ中に充分洗い出し、この洗い出した液1mL中の生菌数を標準寒天培地法により測定した。試験終了後、下記式により増減値差を算出した。
抗菌無加工粘着フィルム
A:接種直後の生菌数
B:定時間培養操作後の生菌数
抗菌性粘着フィルム
C:定時間培養操作後の生菌数
増減値差=log10(B/A)−log10(C/A)
【0066】
▲9▼抗菌性試験2
大腸菌の代わりに黄色ブドウ球菌(Staphyococcus aureus、IFO12732)を使用して抗菌性試験1と同様に試験を実施した。
【0067】
本発明の実施例において使用した材料の略号と内容は以下の通りである。
成分(A):
・A−1:エチレン−1−オクテン共重合体、デュポンダウエラストマージャパン(株)製「エンゲージ(商品名) EG8200」 、MFR(JIS K7210(条件4)、190℃、21.18N)=5
成分(B):
・B−1:1−ブテン−エチレン共重合体、三井化学(株)製「タフマー(商品名) TX611」、MFR(JIS K7210(条件4)、190℃、21.18N)=1.2
成分(C):
・C−1:エチレン−1−オクテン共重合体、結晶化度=5%、Mn=50000、Mw/Mn=2.0、1−オクテン含有量=24重量%
・C−2:エチレン−1−オクテン共重合体、結晶化度=50%、Mn=50000、Mw/Mn=2.0、1−オクテン含有量=12重量%
成分(D):
・D−1:結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、JSR(株)製「DYNARON(商品名) 6200P」 、MFR=2.5
【0068】
実施例1、2
Tダイを備えたスクリュー径65mmの押出機を用い、成分(A)と成分(B)を表1記載の割合で押出機に投入し、200℃で溶融させながら押出し、表面温度30℃の冷却ロ−ルで冷却固化して、ライン速度5m/minで、厚さ50μm、幅500mmの単層フィルムとし、巻き取り長100mをワインダーにて一定張力で紙管に巻取り、弾性フィルムを得た。更に弾性フィルムを熱針穿孔法を用い直径500μm、穿孔面積比率約7%で開口後、片面にチッソ(株)製ポリリジン(ε−ポリリジン)を0.1重量%添加したアクリル系粘着剤を40μmの厚さに塗布し、粘着フィルムを製造した。続いて得られた粘着フィルムを長方形(3cm×8cm)に打ち抜き、その中央部分に、殺菌剤含有ナイロントリコット(4cm×3cm)をガーゼ(2cm×3cm)で包んだパッド(2.1cm×3cm)を配置し、更に剥離処理した2枚のポリオレフィンフィルム(4.5cm×3cm)で粘着面を覆い、包装することで救急絆創膏とした。得られた救急絆創膏について救急絆創膏適性及び抗菌性試験を実施したところ、救急絆創膏適性が良好で、抗菌性が非常に優れていた。その結果を表1に示した。
【0069】
実施例3
粘着剤へのポリリジン添加量を0.5重量%にした以外は、実施例1と同様に救急絆創膏を製造した。この救急絆創膏は、救急絆創膏適性は良好で、抗菌性が非常に優れていた。その結果を表1に示した。
【0070】
比較例1
成分(A)と成分(B)を表1に記載の割合に変更し、粘着フィルムを製造した以外は実施例1と同様に救急絆創膏を製造した。この救急絆創膏は抗菌性に優れているものの、救急絆創膏適性が不良であった。
【0071】
比較例2
粘着剤にポリリジンを添加しなかった以外は、実施例1と同様に救急絆創膏を製造した。この救急絆創膏は、救急絆創膏適性は良好であったが、抗菌性は全くないものであった。その結果を表1に示した。
【0072】
実施例4、5
スクリュー(径30mm)、加熱体及びギアポンプを有する押出機、紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホール、有効幅500mm)、圧空発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取機からなるメルトブロー不織布製造装置を用いて、成分(C)と成分(D)を表2記載の割合で押出機に投入し、加熱体により270℃で加熱溶融させ、溶融した組成物を紡糸口金から単孔当たり0.1g/minの紡糸速度で、400℃、98kPa(ゲージ圧)の高圧加熱空気流中に吐出させて繊維状にし、4m/minの速度で走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベアーは、紡糸口金から30cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。捕集コンベアーにて搬送された繊維のウェブをエアスルー加工機で熱処理し、得られた不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付約24g/mの不織布を得た。得られた弾性不織布の評価結果を表2に示した。
【0073】
実施例1と同様にして製造した厚さ30μmの弾性フィルムの両面に得られた弾性不織布を重ねて、多数の突起を有するピンタイプ熱エンボスロール(突起部直径1mm、突起部面積15%、温度120℃)と金属フラットロール(温度100℃)の間に導き、ロール線圧490N/cm(50kgf/cm)、ライン速度10m/minで積層し、更にその片面にチッソ(株)製ポリリジン(ε−ポリリジン)を0.1重量%添加したアクリル系粘着剤を40μmの厚さに塗布した後、実施例1と同様にして救急絆創膏を製造した。この救急絆創膏は救急絆創膏適性が良好で、抗菌性が非常に優れていた。その結果を表2に示した。
【0074】
【表1】
Figure 2004049540
Figure 2004049540
【0075】
【表2】
Figure 2004049540
【0076】
【発明の効果】
本発明の抗菌性粘着フィルム、及びそれを用いた救急絆創膏は、伸縮性、柔軟性に優れ、皮膚の動きを妨げず、皮膚へのフィット性に優れると同時に、抗菌性に優れ衛生的である。また、ポリウレタンを使用していないため、燃焼時に有毒ガスの発生がなく、比較的安価で優れた救急絆創膏である。

Claims (3)

  1. エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であるオレフィン共重合体成分(A)0〜25重量%、及び結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体、1−ブテン−α−オレフィン共重合体及びエラストメリックポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種である熱可塑性エラストマー成分(B)100〜75重量%を含有する組成物からなり、JIS K 6301に準じて測定した永久伸びが50%以下である弾性フィルムの片面に、抗菌剤を含有する粘着剤が塗布されてなることを特徴とする抗菌性粘着フィルム。
  2. 抗菌剤がε−ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩であることを特徴とする請求項1記載の抗菌性粘着フィルム。
  3. 請求項1もしくは2のいずれか1項記載の抗菌性粘着フィルムを用いたことを特徴とする救急絆創膏。
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