JP2000117917A - 積層体及び皮膚貼付材 - Google Patents

積層体及び皮膚貼付材

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JP2000117917A
JP2000117917A JP31276598A JP31276598A JP2000117917A JP 2000117917 A JP2000117917 A JP 2000117917A JP 31276598 A JP31276598 A JP 31276598A JP 31276598 A JP31276598 A JP 31276598A JP 2000117917 A JP2000117917 A JP 2000117917A
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ethylene
copolymer
styrene
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JP31276598A
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Masato Doi
正人 土井
Hiroyuki Mitsuzuka
裕之 三塚
Hiroyuki Nakagami
博行 中上
Takayuki Nakahara
隆幸 中原
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透湿性及び防水性を有し、しかも十分な柔軟
性及び強度に優れた積層体及び皮膚貼付材を提供する。 【解決手段】 耐水圧が2000mmH2O以上であ
り、透湿量が1000g/m2 ・24時間以上である樹
脂フィルム(例えば、ポリエーテルブロックアミド共重
合体フィルム)と、少なくとも1種以上のエチレン−α
−オレフィン共重合体及び/又はスチレン系ゴム状弾性
体を含む材料からなる不織布シートを積層させてなる積
層体。50%伸長時応力が4.0kg/50mm以下及び
/又は破断強度が1.0kg/50mm以上である。この
積層体を用いた皮膚貼付材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層体及び皮膚貼
付材に関し、詳しくは、防水性と透湿性を兼ね備えた樹
脂フィルムと、特定の材料からなる不織布を積層させて
なる積層体及びそれを用いた皮膚貼付材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、救急絆創膏等の皮膚貼付材として
は、多くは塩化ビニル,ポリエチレン,ポリプロピレン
等のフィルムに粘着加工を施したものが用いられている
が、これらの素材は透湿性が低いため、皮膚に貼付した
とき皮膚呼吸を妨げ、その結果、皮膚が蒸れたり、皮膚
刺激を引き起こすことがあった。このため、これらの素
材を皮膚貼付材として用いるにあたっては、穴をあけた
りする工夫がなされたが、穴のあいていない部分は蒸れ
を避けることができず、本質的な解決にはならなかっ
た。また、穴があいているため防水性は確保されず、傷
口等に水が触れてしまうという欠点があった。
【0003】このような蒸れを防ぐために皮膚貼付材と
して、伸縮性の布地や不織布を用いたものもあるが(例
えば、特開平07−24049号公報等)、この場合、
通気性はあるものの防水性がまったくないため、撥水処
理をしなければならないという問題があった。また、透
湿防水フィルムとして特定の熱可塑性エラストマーとエ
チレン−アクリレート系共重合体との混合物を成形して
なるフィルムが特開平08−3329号公報に提案され
ているが、かかるフィルムは柔軟性,強度の点で十分と
は言えず、皮膚貼付材の用途には適切とは言えなかっ
た。さらにまた単独フィルムの場合、概ねフィルム強度
が十分でなく、その補強のため、例えば、離型紙を積層
させ、皮膚貼付後に該離型紙を剥がすという手段をとる
必要があり、このためコストアップや使用時の煩雑さと
いう問題があった。
【0004】さらには、PPとPEや,PETとPE等
の組合わせからなる伸縮性素材を用いた不織布とウレタ
ン,ポリエステル等の透湿フィルムとを複合させること
もあるが、この場合は接合のために接着剤を用いなけれ
ばならない。しかるに接着剤を用いると、通気性が低下
するため、その改善のために部分接合をする等の工夫が
必要であった。接着剤を用いずに熱接着にて行なうとい
う方法もあるが、両者は熱接着性が悪いため十分な層間
強度が得られず剥離が生じやすいという問題もあった。
また、柔軟性を得るためには透湿フィルムを薄くしなけ
ればならず、そのため強度が弱くなってしまうという問
題もあった。さらには、不織布側においても樹脂自体、
伸長回復性を持たないため肌へのフィット感に劣るとい
う問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、透湿性及び防水性を有し、しかも十
分な柔軟性及び強度に優れた積層体及び皮膚貼付材を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、防水性と透湿性を兼ね備えた樹脂フィル
ムと特定の材料からなる不織布を積層させてなる積層体
が、上記本発明の目的を効果的に達成しうることを見出
し、本発明を完成したものである。即ち、本発明は以下
の積層体及び皮膚貼付材を提供するものである。 (1)耐水圧が2000mmH2O以上であり、透湿量
が1000g/m2 ・24時間以上である樹脂フィルム
と、少なくとも1種以上のエチレン−α−オレフィン共
重合体を含む材料からなる不織布シートを積層させてな
る積層体。 (2)耐水圧が2000mmH2O以上であり、透湿量
が1500g/m2 ・24時間以上である樹脂フィルム
と、少なくとも1種以上のエチレン−α−オレフィン共
重合体を含む材料からなる不織布シートを積層させてな
る積層体。 (3)ポリエーテルブロックアミド共重合体フィルム
と、少なくとも1種以上のエチレン−α−オレフィン共
重合体を含む材料からなる不織布シートを積層させてな
る積層体。 (4)前記エチレン−α−オレフィン共重合体が、エチ
レンと炭素数が3〜18であるα−オレフィンとの共重
合体である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層
体。 (5)耐水圧が2000mmH2O以上であり、透湿量
が1000g/m2 ・24時間以上である樹脂フィルム
と、少なくとも1種以上のスチレン系ゴム状弾性体を含
む材料からなる不織布シートを積層させてなる積層体。 (6)ポリエーテルブロックアミド共重合体フィルム
と、少なくとも1種以上のスチレン系ゴム状弾性体を含
む材料からなる不織布シートを積層させてなる積層体。 (7)前記スチレン系ゴム状弾性体を含む材料が、スチ
レン系ゴム状弾性体50〜80重量%とポリオレフィン
系樹脂50〜20重量%からなるものである上記(5)
又は(6)に記載の積層体。 (8)前記スチレン系ゴム状弾性体が、ポリスチレンブ
ロックとポリイソプレンブロックからなるブロック共重
合体である上記(5)〜(7)のいずれかに記載の積層
体。 (9)耐水圧が2000mmH2O以上であり、透湿量
が1000g/m2 ・24時間以上である上記(1)〜
(8)のいずれかに記載の積層体。 (10)機械方向(MD方向)及びその垂直方向(TD
方向)の50%伸長時応力が4.0kg/50mm以下及
び/又は破断強度が1.0kg/50mm以上である上記
(1)〜(9)のいずれかに記載の積層体。 (11)前記不織布シートが、カンチレバー法による剛
軟度が50mm以下のものである上記(1)〜(10)
のいずれかに記載の積層体。 (12)上記(1)〜(11)に記載のいずれかの積層
体を用いた皮膚貼付材。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明する。 1.積層体の構成 本発明にかかる積層体は、耐水圧が2000mmH2
以上であり、透湿量が1000g/m2 ・24時間以上
である樹脂フィルムと、少なくとも1種以上のエチレン
−α−オレフィン共重合体を含む材料又は少なくとも1
種以上のスチレン系ゴム状弾性体を含む材料からなる不
織布シートを積層させてなるものである。 (1)フィルム層 耐水圧が2000mmH2O以上であり、透湿量が1
000g/m2 ・24時間以上である樹脂フィルムであ
る。
【0008】ここで、耐水圧は、JIS−L−1092
B法(高水圧法)に準拠して測定したものである。耐
水圧は2000mmH2O以上、好ましくは3000m
mH2O以上、さらに好ましくは5000mmH2O以上
である。耐水圧が2000mmH2O未満であると、使
用の際、水が傷口等に触れてしまうという問題がある。
また透湿量は、40℃−90%相対湿度の条件下で、J
IS−Z−0208に準拠して測定したものである。透
湿量は1000g/m3 ・24時間以上、好ましくは1
500g/m3 ・24時間以上、より好ましくは300
0g/m3 ・24時間以上である。透湿量が1000g
/m3 ・24時間未満であると、使用の際、発汗による
蒸れのため、使用部分のかぶれが生じやすいという問題
がある。
【0009】フィルム層の材料については特に問わ
ず、具体的には、ポリエーテルブロックアミド共重合体
フィルム,ポリウレタン系フィルム,フィラー添加ポリ
オレフィン系延伸フィルム,透湿性ポリエステル系フィ
ルム等が挙げられるが、中でも、柔軟性があり、樹脂自
体が透湿性を有していること、さらに熱融着が可能であ
り、積層する相手の材料が熱接着が可能なものであれば
押出ラミネートによりフィルム成形と同時に接着するこ
とが可能となることから、ポリエーテルブロックアミド
共重合体フィルムが好適なものとして挙げられる。ポリ
エーテルブロックアミド共重合体とは、米国特許433
1786号等に記載されているものであり、反応基末端
を有するポリエーテル単位と反応基末端を有するポリア
ミド単位との共重縮合で得られる共重合体である。具体
的には、例えば、ポリエーテル単位としてジカルボン
酸末端を有するポリオキシアルキレン単位とポリアミド
単位としてジアミン鎖末端を有するポリアミド単位の組
み合わせや、或いはポリエーテルジオールとよばれる
脂肪酸α,ω−ジヒドロキシルポリオキシアルキレンの
シアノ化エチル及び水素化で得られるジアミン鎖末端を
有するポリオキシアルキレン単位とジカルボン酸末端を
有するポリアミド単位の組み合わせ等が挙げられる。ジ
カルボン酸末端を有するポリアミド単位は、例えば、ジ
カルボン酸鎖制限剤の存在下でラクタム又はジカルボン
酸のα,ω−アミノカルボン酸とジアミンとを縮合する
ことにより得ることができる。
【0010】上記のポリエーテルブロックアミド共重
合体フィルム,ポリウレタン系フィルム,フィラー添加
ポリオレフィン系延伸フィルム,透湿性ポリエステル系
フィルム等の中でも、耐水圧が2000mmH2O以
上、好ましくは3000mmH2O以上であり、透湿量
が1000g/m2 ・24時間以上、好ましくは150
0g/m2 ・24時間以上を満たすものがより好まし
い。具体的には、これらの以上を満足するポリエーテル
ブロックアミド共重合体フィルムが最も好適なものとし
て挙げられる。
【0011】フィルム厚さについても特に制限はない
が、柔軟性の確保等の点から50μm未満のものが好ま
しい。 (2)不織布シート層 本発明に用いられる不織布シートは、少なくとも1種以
上のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む材料又は
少なくとも1種以上のスチレン系ゴム状弾性体を含む材
料からなるものである。
【0012】少なくとも1種以上のエチレン・α−オ
レフィン共重合体を含む材料からなるものの場合 (i) この場合、1種のみのエチレン・α−オレフィン共
重合体でもよく、複数種のエチレン・α−オレフィン共
重合体の混合物でもよく、また、1種以上のエチレン・
α−オレフィン共重合体に他の樹脂、好ましくはポリオ
レフィン系樹脂を混合したものであってもよい。ポリオ
レフィン系樹脂としては、モノマー単位として、例えば
エチレン、プロピレン、ブチレン、ブテン、オクテン、
ブタジエン、イソプレン、ノルボルネン、ノルボルナジ
エン、シクロペンタジエンなどのオレフィンまたはジエ
ンに由来する単位を含有するものであればよく、公知の
オレフィン系重合体が含まれる。ポリオレフィン系樹脂
の具体例としては、例えば、高密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、エ
チレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレン
ジエンゴム(EPDM)、エチレン・オクテン共重合体
系エラストマー、アイソタクチックポリプロピレン、シ
ンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプ
ロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロ
ピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブ
チレン、ポリブテン、4−メチルペンテン、環状ポリオ
レフィン、及びこれらを形成するモノマー二種以上から
得られた共重合体などが挙げられる。これらのポリオレ
フィン系樹脂は一種又は複数種用いてもよい。
【0013】さらには、必要に応じて、適宜、繊維や不
織布に通常用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色
剤、帯電防止剤、耐候剤等が添加されたものであっても
よい。 (ii)エチレン・α−オレフィン共重合体については、α
―オレフィンの炭素数は、3〜18、さらには4〜12
のものが好適であり、例えばプロピレン、1−ブテン、
1−ヘキサン、1−オクテンなどを挙げることができ
る。また、融点が40℃以上、さらには50〜100℃
であることが好ましい。40℃未満では実用に耐えうる
スパンボンド不織布が得られにくくなるおそれがある。
さらに、メルトインデックス(MI)(190℃,2.1
6kg)が、10〜100(g/10分)であることが
好ましい。MIが10未満の場合、流動特性や繊維形成
能が悪く、成形時に糸切れが発生し、またデニールを小
さくできないおそれがあり、100を超えると不織布に
した場合に機械的強度に劣るおそれがある。
【0014】エチレン・α−オレフィン共重合体の製造
方法については特に制限はなく、メタロセン系の触媒を
用いて得られたものであってもよい。 (iii) また、該不織布シートは、スパンボンド法で得ら
れた長繊維不織布シートであることが好ましい。スパン
ボンド不織布の製造方法については、公知のスパンボン
ド法により製造することができる。具体的には、その紡
糸工程においては、高圧エアーを利用したエジェクタ
またはエアサッカーを用いる方法、サクションブロア
を用い、導風路を密閉としエア速度を高めるために絞り
板を用いる方法、またはその両者を併用する方法のい
ずれを用いてもよく、また特にこれらに限定されるもの
ではない。本発明におけるスパンボンド不織布におい
て、その目付けについては特に制限はないが、良好な風
合いの点から30〜150g/m2 、好ましくは50〜
120g/m2 の範囲にあるのが望ましい。また、繊維
径は50μm以下、好ましくは30μm以下のものが望
ましい。
【0015】少なくとも1種以上のスチレン系ゴム状
弾性体を含む材料からなるものであるものの場合 (i) この場合、1種のみのスチレン系ゴム状弾性体でも
よく、複数種のスチレン系ゴム状弾性体の混合物でもよ
く、また、1種以上のスチレン系ゴム状弾性体に他の樹
脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂を混合したもので
あってもよい。ポリオレフィン系樹脂は前記に挙げたも
のが該当する。特に、スチレン系ゴム状弾性体50〜8
0重量%、好ましくは60〜80重量%、とポリオレフ
ィン系樹脂50〜20重量%、好ましくは40〜20重
量%からなるものが好適である。スチレン系ゴム状弾性
体が50重量%未満であると柔軟性に欠けるおそれがあ
り、80重量%を超えると強度が不足するおそれがあ
る。
【0016】(ii)スチレン系ゴム状弾性体とは、スチレ
ンをモノマーとし他のコモノマーと共重合して得られた
ゴム状弾性体を広く指称する。具体的には、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレン
ブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S)、あるいはブタジエン−アクリロニトリル−スチレ
ン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタクリレート
−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、
メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−スチレン
−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−
ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、
アルキルアクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル
−スチレン−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン
−スチレン−コアシェルゴム(SBR)等のコアシェル
タイプの粒子状弾性体、またはこれらを変性したゴム等
が挙げられる。中でも、ポリスチレンブロックとポリイ
ソプレンブロックからなるブロック共重合体、特にポリ
イソプレンを水素添加した水素添加ポリイソプレンから
なるブロック共重合体がより好適なものとして挙げられ
る。
【0017】さらに スチレン系ゴム状弾性体とポリオ
レフィン系樹脂からなるものを用いる場合には、ポリオ
レフィン系樹脂としてポリプロピレンが好適に挙げられ
る。 (iii) また、該不織布シートは、その目付けについては
特に制限はないが、良好な風合いの点から20〜150
g/m2 、好ましくは30〜80g/m2 の範囲にある
のが望ましい。製造方法についても、特に制限はなく、
メルトブロー法やスパンボンド法等の公知の方法が適用
できるが、目付の均一性の点からメルトブロー法が好ま
しい。 2.積層体の性状 本発明にかかる積層体を医療材料、特に皮膚貼付材とし
て用いる場合には、以下の性状を満たしていることが望
ましい。 (1)汗による蒸れ等を防止する意味から、透湿量が1
000g/m2 ・24時間以上、好ましくは1500g
/m2 ・24時間以上を満たすものである。また、耐水
圧が2000mmH2O以上、好ましくは3000mm
2O以上である。
【0018】(2)また、身体の曲面に追従させるため
に、低応力で適度に伸び、かつ簡単に破断するのを防止
する意味から適度の引張強度を有していることが望まし
い。即ち、機械方向(MD方向)及びその垂直方向(T
D方向)の50%伸長時応力が4.0kg/50mm以
下、さらには3.0kg/50mm以下であり、及び/又
は破断強度が1.0kg/50mm以上、さらには2.0k
g/50mm以上であることが好ましい。
【0019】また、破断伸びについては、50%以上、
好ましくは70%以上、さらに好ましくは100%以上
であることが望ましい。 (3)さらに、違和感なく身体の動きに追従するために
は、前記不織布シートについて、カンチレバー法による
剛軟度が50mm以下、さらには40mm以下であるこ
とが好ましい。この範囲であると極めて柔軟でソフトな
触感を有するものとなりうる。 (4)本発明にかかる積層体は、前記樹脂フィルムと不
織布シートの2層からなるもののみならず、該2層の積
層体に本発明の目的を阻害しない範囲で他の樹脂や紙等
をさらに積層させてもよい。 3.積層体の製造方法 本発明にかかる積層体の製造方法としては、特に制限は
ないが、透湿性及び防水性を有し、しかも十分な柔軟性
及び強度にすぐれた積層体を得るためには、好ましく
は、押出ラミネートによる熱接着法が用いられる。熱接
着の条件についても特に制限はなく、樹脂フィルム及び
不織布シートとして用いる材料の内容に応じて、適宜選
択すればよい。 4.積層体の用途 本発明にかかる積層体は、透湿性及び防水性を有してお
り、また適度の引張強度を有し、かつ極めて柔軟でソフ
トな触感を有することから、医療材料、特に皮膚貼付材
として極めて有用である。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これら例によって限定されるもの
ではない。 〔評価方法〕 剛軟度(mm) JIS−L−1096 45°カンチレバー法により求
めた。この値が小さい程、風合いが柔らかいことを示
す。 破断強度(kg/50mm) JIS−L−1096に準拠し、試験片巾50mm、つ
かみ間隔10cmで引張速度30cm/分で行った。 50%伸長時応力(kg/50mm) 引張強度と同様の操作で、50%伸長した際の応力値か
ら算出した。 破断伸び JIS−L−1096に準拠し、引張速度300m/
分、チャック間隔100mm、サンプル幅50mmの条
件で測定した。 メルトインデックス(MI) JIS−K−7210に準拠し、荷重2.16kg、温度
190℃の条件で測定した。 透湿量 前述のとおりである。 ラミ強度 幅50mmのラミ品のサンプルについて、引張速度30
0m/分で、180°方向への引張試験(T−PEE
L)を行った。この時測定されたラミ強度の極大値5点
について、その平均値を測定値とした。 〔不織布の作製及び評価〕装置は45mmφ単軸押出機
・スパンボンド用ダイ&ノズル・冷却塔、フィラメント
牽引装置並びに開繊装置・コンベア・エンボスロール・
巻取りの順からなる構成のものを用いた。ここで、ノズ
ルの本数452本、ノズルの孔径0.4mmφ、ノズル当
たりの吐出量を0.42g/min、紡糸牽引装置である
密閉導風路方式(ライコフィルモデル)で0.4m巾のウ
ェブを形成した。
【0021】また、熱圧着工程であるエンボスロールは
トクデン社製の誘導発熱ローラ(ロール径300mm
φ、面積圧着率13%の0.6mm角の格子柄)を用い、
エンボス圧力(線圧)は30kg/cmで行った。基本
条件としては40g/m2 の不織布を得ることとし、コ
ンベア、エンボスロールのスピードを12m/minと
した。エンボスロールの温度は、温度が低すぎると十分
な強度が得られず毛羽立ちが発生し、温度が高すぎると
ウェブがロールに付着し巻付きトラブルが発生するおそ
れがあることから、かかるトラブルが発生しない温度を
各樹脂毎に設定し、エンボス温度とした。 [積層体の作製]装置は40mmφ単軸押出機・押出ラ
ミネート用ダイ及びニップロール、冷却ロール・巻き取
りの順からなるものを用いた。ポリエーテルブロックア
ミド共重合体樹脂として、エルフ・アトケム社製「PE
BAX MV3000」(耐水圧10,000mmH
2O、透湿量5,000g/m2 ・24時間)を押出量2
5kg/時で押出し、フィルム厚みが15μmになるよ
うにライン速度を調節し、不織布と積層した。 [実施例1]密度が0.885(g/cm3 )、メルトイ
ンデックスが30(g/10分)のエチレン・1−オク
テン共重合体(ダウケミカル社製 商品名「アフィニテ
ィSM8250」)を押出機のダイから樹脂温度215 ℃
で樹脂を押し出し、エアーにより延伸、細化して糸(フ
ィラメント)を作った後、前記糸をランダムに集積して
シート(ウェブ)とし、温度が78℃の熱エンボスロー
ルにより点接着させて、40g/m2 の不織布を得た。
この不織布を用いて、上記押出ラミネート装置にて積層
し、積層体を得た。評価結果を第1表に示す。ただし、
表中、「剛軟度」については、積層指せる前の不織布シ
ートについての値である。以下の実施例、比較例及び参
考例においても同様である。
【0022】
【表1】
【0023】[実施例2]密度が0.940(g/c
3 )、メルトインデックスが25(g/10分)のエ
チレン・1−オクテン共重合体(出光石油化学社製 商
品名「出光ポリエチレン L2074」)を実施例1と
同様な方法で、エンボスロール温度を92℃とし、40
g/m2 の不織布を得た。この不織布を用いて、上記押
出ラミネート装置にて積層し、積層体を得た。評価結果
を第1表に示す。 [比較例1]市販のポリプロピレンスパンボンド(出光
石油化学社製 商品名「出光ストラテックRW204
0」,目付40g/m2 )を用いて、上記押出ラミネー
ト装置にて積層し、積層体を得た。評価結果を第1表に
示す。 [比較例2]市販のナイロンスパンボンド(旭化成社製
商品名「エルタスN1040」,目付40g/m2
を用いて、上記押出ラミネート装置にて積層し、積層体
を得た。評価結果を第1表に示す。 [実施例3]スチレン−エチレン−プロピレンブロック
共重合体とポリプロピレンからなるメルトブロー不織布
(クラレ社製,商品名「セプトン」)を実施例1と同様
な方法でエンボスロールし、目付50g/m2 の不織布
を得た。この不織布を用いて、上記押出ラミネート装置
にて積層し、積層体を得た。評価結果を第1表に示す。 [比較例3]市販のPET系スパンレース不織布(ダイ
ワボウ社製,目付50g/m2 )を用いて、上記押出ラ
ミネート装置にて積層し、積層体を得た。評価結果を第
1表に示す。 [比較例4]透湿性樹脂として、ポリエステル系透湿樹
脂(日本合成化学社製,商品名「フレクマーG125」
を用いた以外は実施例3と同様に行なった。評価結果を
第1表に示す。 [参考例1]積層体の製造方法として、ドライラミネー
ト法を用いた以外は実施例3と同様に行なった。評価結
果を第1表に示す。
【0024】
【発明の効果】本発明においては、風合い、透湿性及び
防水性を有し、しかも十分な柔軟性及び強度にすぐれた
積層体及び皮膚貼付材を得ることができた。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK03B AK12B AK12J AK28B AK28J AK46B AK46J AK54B AK54J AK62B AK66B AL02B AN02B AT00A BA02 DG15B EH23 EJ40 GB66 JA20A JD05 JD15A JK01 JK08 JK13 JK13B JK17 YY00 YY00A YY00B 4L047 AA14 AA26 BA08 CA06 CA19 CB01 CB10 CC03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水圧が2000mmH2O以上であ
    り、透湿量が1000g/m2 ・24時間以上である樹
    脂フィルムと、少なくとも1種以上のエチレン−α−オ
    レフィン共重合体を含む材料からなる不織布シートを積
    層させてなる積層体。
  2. 【請求項2】 耐水圧が2000mmH2O以上であ
    り、透湿量が1500g/m2 ・24時間以上である樹
    脂フィルムと、少なくとも1種以上のエチレン−α−オ
    レフィン共重合体を含む材料からなる不織布シートを積
    層させてなる積層体。
  3. 【請求項3】 ポリエーテルブロックアミド共重合体フ
    ィルムと、少なくとも1種以上のエチレン−α−オレフ
    ィン共重合体を含む材料からなる不織布シートを積層さ
    せてなる積層体。
  4. 【請求項4】 前記エチレン−α−オレフィン共重合体
    が、エチレンと炭素数が3〜18であるα−オレフィン
    との共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の積
    層体。
  5. 【請求項5】 耐水圧が2000mmH2O以上であ
    り、透湿量が1000g/m2 ・24時間以上である樹
    脂フィルムと、少なくとも1種以上のスチレン系ゴム状
    弾性体を含む材料からなる不織布シートを積層させてな
    る積層体。
  6. 【請求項6】 ポリエーテルブロックアミド共重合体フ
    ィルムと、少なくとも1種以上のスチレン系ゴム状弾性
    体を含む材料からなる不織布シートを積層させてなる積
    層体。
  7. 【請求項7】 前記スチレン系ゴム状弾性体を含む材料
    が、スチレン系ゴム状弾性体50〜80重量%とポリオ
    レフィン系樹脂50〜20重量%からなるものである請
    求項5又は6に記載の積層体。
  8. 【請求項8】 前記スチレン系ゴム状弾性体が、ポリス
    チレンブロックとポリイソプレンブロックからなるブロ
    ック共重合体である請求項5〜7のいずれかに記載の積
    層体。
  9. 【請求項9】 耐水圧が2000mmH2O以上であ
    り、透湿量が1000g/m2 ・24時間以上である請
    求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. 【請求項10】 機械方向(MD方向)及びその垂直方
    向(TD方向)の50%伸長時応力が4.0kg/50m
    m以下及び/又は破断強度が1.0kg/50mm以上で
    ある請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
  11. 【請求項11】 前記不織布シートが、カンチレバー法
    による剛軟度が50mm以下のものである請求項1〜1
    0のいずれかに記載の積層体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11に記載のいずれかの積
    層体を用いた皮膚貼付材。
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