JP6738998B2 - フィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置 - Google Patents

フィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置 Download PDF

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Description

本発明は、ホルムアルデヒド等の脱臭作用を持つフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置に関するものである。
従来、この種のフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置は、以下のような構成となっていた。
すなわち図8に示すように、エアフィルタ101は、基材と、この基材に担持されたホルムアルデヒドを除去するためのアミン化合物とからなるエアフィルタろ材を、フィルタ形状になるように蛇腹状に加工し、枠体102で固定化したものである。このエアフィルタを、空気を通過させる送風機103と給気グリル104を備えた本体105内の空気流路に設置したものである。
ホルムアルデヒドは、住宅内の壁紙や家具等から放出され、低濃度であっても健康障害を起こすため、室内汚染物質として除去することが望まれている。基材にホルムアルデヒド除去機能を付与することで、圧力損失を大きくすることなく、空気との接触効率を向上できることが示されていた(例えば、特許文献1を参照)。
また、樹脂繊維は長期使用すると変色が発生することがあり、その耐候性を向上させる手段として、光安定剤および紫外線吸収剤を使用する方法が知られていた。すなわち、ポリプロピレン繊維に、適量のヒンダードアミン系光安定化剤および紫外線吸収剤を加えて、溶融混合し、公知の溶融紡糸法によって繊維状にした樹脂組成物とすることで、耐候性を向上させた不織布を得ることができる。この不織布は、空気清浄装置のフィルタ濾材として使用することができる(例えば、特許文献2を参照)。
特開平11−128632号公報 特開2006−169273号公報
このような従来のフィルタ濾材とそれを用いた空気清浄装置では、低圧力損失でホルムアルデヒドを除去することはできるが、除去性能をさらに持続させることが望まれていた。すなわち、ホルムアルデヒドを除去するためにはアミン化合物が必要であるが、アミン化合物は塩基性物質であり、空気中の粒子に含まれる酸性物質と接触すると中和反応を起こし、性能が低下するという課題があった。また、空気中には、紫外線によって発生するオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が含まれており、空気を大量に吸い込んで処理を行っている空気清浄装置においては、これらの活性成分がアミン化合物と反応して、性能が劣化しやすいという課題があった。
また、従来の耐候性向上手段では、不織布繊維自体の変色防止方法を示しているだけであり、ホルムアルデヒド除去のための効果的な使用方法については言及されていない。例えば、ポリプロピレン繊維と光安定化剤と紫外線吸収剤とアミン系化合物をどのように配置すればよいのか情報を得ることはできなかった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に取り除き、長期安定的に効果を持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供することを目的としている。
そして、この目的を達成するために、本発明は、前段層と前記前段層に対して気流の下流側に備えた後段層を含むフィルタろ材であって、前記前段層は、ラジカル捕集剤を含み、かつ粒子を捕集可能な繊維の層であって、前記後段層は、アミン系化合物を含有する吸着剤を含む繊維の層であって、前記前段層と前記後段層とを密着したシート状としたものであるものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、前段層と前記前段層に対して気流の下流側に備えた後段層を含むフィルタろ材であって、前記前段層は、ラジカル捕集剤を含み、かつ粒子を捕集可能な繊維の層であって、前記後段層は、アミン系化合物を含有する吸着剤を含む繊維の層であって、前記前段層と前記後段層とを密着したシート状としたことにより、ホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に取り除き、長期安定的に効果を持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1の空気清浄装置の設置状態を示す斜視図 同空気清浄装置の断面図 同エアフィルタの斜視図 同エアフィルタに使用するフィルタろ材の構成図 同フィルタろ材の概略断面図 同フィルタろ材を拡大した概略断面図 本発明の実施の形態2のエアフィルタを示す斜視図 従来の空気清浄装置を示す斜視図
本発明の請求項1に係わるフィルタろ材は、前段層と前記前段層に対して気流の下流側に備えた後段層を含むフィルタろ材であって、前記前段層は、ラジカル捕集剤を含み、かつ粒子を捕集可能な繊維の層であって、前記後段層は、アミン系化合物を含有する吸着剤を含む繊維の層であって、前記前段層と前記後段層とを密着したシート状としたものである。
これにより、空気清浄機が吸い込んだ空気は、前段層において空気中の酸性物質粒子が繊維層で捕集されてから、後段層において空気中のホルムアルデヒドがアミン化合物に接触する。そのため、塩基性のアミン化合物が中和反応を起こして性能低下することなく、長期間安定的に効果を持続できるという効果を得ることができる。さらに、空気中には、紫外線によって発生するオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が含まれているが、これらの活性成分が前段層である繊維の層に含まれるラジカル捕集剤によって減少するため、後段層に含まれるアミン化合物の性能劣化が抑制され、さらに長期間安定的に効果を持続できるという効果を得ることができる。
また、請求項2に係わるフィルタろ材は、前記アミン系化合物は、前記後段層を構成する繊維の表面に塗布されているものである。
これにより、塗布されたアミン化合物が後段層を構成するフィルタろ材の表面に広範囲にわたって露出される状態となるため、ホルムアルデヒドとの接触面積が向上して、化学物質を取り除く効果を更に向上できるものである。
また、請求項3に係わるフィルタろ材は、前記ラジカル捕集剤は、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、ベンゾトリアゾール類のいずれか一つ以上を含むものである。
これにより、空気中に含まれるラジカル類を減少させてアミン化合物の性能劣化を抑制する効果とともに、繊維層の変色を防止する効果を得ることができる。
また、請求項4に係わるフィルタろ材は、前記後段層のアミン系化合物の含有量は、前記前段層との密着面側が高く、前記密着した面から遠ざかるほど低くしているものである。
これにより、密着面から遠ざかった空気に露出している面には、少量のアミン系化合物しか存在せず、フィルタろ材の保管時などにアミン系化合物が反応して減少してしまう割合を低下させることができる。均一に塗布した場合に比べて、アミン系化合物が残存する割合を所定に保ち、初期性能を長期間に亘り維持させることができる。
また、請求項5に係わる空気清浄装置は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、前記本体ケース内に設けた送風機と、前記送風機の吸込側と前記吸気口の間に設けたエアフィルタとを備え、前記エアフィルタは、請求項1から4いずれかに記載のフィルタろ材からなることを特徴とした空気清浄装置である。
これにより、室内のホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に取り除き、長期安定的に効果を持続できる空気清浄装置を提供することができる。
また、請求項6に係わる空気清浄装置は、空気清浄装置において、前記エアフィルタは、前記前段層としてのプレフィルタと、前記後段層としての基材層に加え、前記基材層の下流側に配置した前記前段層とは別の繊維の層であってラジカル捕集剤を含む繊維の層と、枠部とを備え、前記プレフィルタは、前記基材層と前記前段層とは別の繊維の層とともに前記枠部を介して一体となるように接着され、本体ケースの吸気口側に配置したことを特徴とするものである。
これにより、基材層から見て、上流側は前段層に含まれるラジカル捕集剤があり、下流側は前段層とは別の繊維の層に含まれるラジカル捕集剤があるため、空気清浄装置の運転停止時にも性能が劣化しにくく、長期間安定的に捕集性能を持続させることができる空気清浄装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態1に示す空気清浄装置1は、室内2の床3の上に設置され、空気清浄運転を行うことができる。ホルムアルデヒドは、壁紙4あるいは家具5などから発生し、空気よりも比重が重いため、室内空気の床3付近に濃度が高い状態で存在している。人が移動する際に、窓6の開閉によって屋外の空気が流入し、屋外の紫外線の作用によって発生した酸性物質粒子あるいはオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が室内に入る。
図2に示すように、本実施形態の空気清浄装置1は、本体ケース7内に送風手段8とエアフィルタ9とを備えている。本体ケース7は、略縦長箱形状で、この本体ケース7の前面側側面部に、略四角形状の吸気口10を設け、本体ケース7の天面部に、略四角形状の排気口11を備えている。
送風手段8は、本体ケース7の吸気口10と、排気口11との間の風路に設けられ、スクロール形状のケーシング12と、このケーシング12内に設けられた遠心送風ファンである羽根13と、この羽根13を回転させる電動機14とから形成している。
エアフィルタ9は、本体ケース7の吸気口10のそばに位置している。送風手段8によって、吸気口10から本体ケース7内に吸気されたホルムアルデヒドを含む室内の空気は、エアフィルタ9を介して排気口11へと送風するものである。つまり、室内のホルムアルデヒドを含む空気をエアフィルタ9で清浄して、室内へ送風されるものである。
エアフィルタ9は、図3、図4に示すように、プリーツ形状のフィルタろ材15と、このフィルタろ材15をプリーツ形状に保持すべくフィルタろ材15の外周に設けた枠形状の形状保持部16とから形成している。形状保持部16は、ロの字形状の枠部17と、この枠部17とフィルタろ材15との間に設けた接着部材18とから形成している。つまり、枠部17は、プリーツ形状のフィルタろ材15周縁に位置し、接着部材18によって、プリーツ形状のフィルタろ材15を枠部17に固定している。
プリーツ加工する前のフィルタろ材15は、図5、図6に示すように、基材層19と、この基材層19へ送風される空気流の上流側面に設けた繊維層20を備えている。
基材層19はガラス繊維、パルプ繊維、樹脂繊維、炭素繊維および無機繊維の少なくとも1つを含んでいる繊維によって形成されており、基材層19の製法としては、スパンボンド法、乾式または湿式抄紙法、メルトブローン法、スパンボンド法、エアレイド法、サーマルボンド法などが挙げられる。特には、湿式抄紙法が好ましく、この製法により、基材層19は図6に示すように、厚み方向で見た場合に、繊維層20側からみて密から粗へ漸減するように密度勾配を持たせることができる。図6の例では、基材層19と繊維層20が密着している密な部分の基材層19の繊維本数は9本、繊維層20から離れた疎な部分の基材層19の繊維本数は5本になっている。このような構成の基材層19では、アミン系化合物を含有する吸着剤を繊維に塗布することで、容易に、基材層19と繊維層20が密着している面の吸着剤含有量を相対的に増やし、密着面から遠ざかるほど含有量が低下した構成を作ることができる。
基材層19の目付量は、10〜100g/mであることが好ましい。目付量が10g/m未満であると、基材層19の剛軟度が低下することにより、プリーツ加工の生産性の低下やフィルタ形状の維持が困難になる。100g/mを越えると、基材層19の圧力損失が大きくなるため、エアフィルタ9の圧力損失が大きくなり好ましくない。
基材層19を構成する繊維の平均繊維径は、1〜50μmであることが好ましい。平均繊維径が1μm未満であると、繊維の強度が低く、補強材としての強度が不十分となり、50μmを越えると、基材層19の厚みが厚くなり、プリーツ加工による構造的な圧力損失が大きくなるので、好ましくない。
繊維層20は、基材層19と同じ材質であっても良い。繊維層20と基材層19は、接着剤を使って一体化することができる。繊維層20に熱溶融性の繊維を用いた場合には、加熱によって繊維層20が溶融して基材層19と接着され、フィルタろ材15を一体化できる。
繊維層20を構成する繊維の平均繊維径は、1〜10μmであることが好ましい。平均繊維径が1μm未満であると、自己支持性が乏しく、繊維層20を形成するためには目付量が多い必要があり、その結果、圧力損失が大きくなるので、好ましくない。一方、10μmを越えると、繊維層20の捕集効率が低下するので、好ましくない。特に、好ましい繊維径は、2〜6μmである。
繊維層20の繊維径は、基材層19よりも細いほうが好ましく、これにより集塵効率が高く、圧力損失が低いバランスのとれたフィルタろ材を得ることができる。このように作成したフィルタろ材15の圧力損失は、繊維層20のほうが大きく、基材層19のほうが小さい構成となる。一例を挙げると、流速5.3cm/sで空気を流したときの圧力損失は、繊維層20が40Pa、基材層19が3Pa程度となる。
基材層19および繊維層20には、一般的な樹脂材料、天然繊維材料を用いることができる。例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリイミドベンザゾール、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリウレタン(PU)、セルロース化合物、ポリペプチド、ナイロンなどが挙げられる。
本発明のアミン系化合物を含有する吸着剤は、少なくとも成分の一部にアミン系化合物を含んだものである。アミン化合物とホルムアルデヒドとは、次のような不可逆な化学反応を生じることが知られている。例えば、
R−ΝH+HCHO
→ R−N=CH+HO(shiff塩基)
2HNCONH(尿素)+HCHO
→ NNCONHCHNHCONH(ジメチロール尿素)
NH−NH(ヒドラジン)+2HCΗO
→ CΗ=N−N=CΗ
などのように反応する。これらの反応は、アルデヒド基をもつガス成分では同様に起こるため、ホルムアルデヒド以外に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類化合物とも反応性を持つ。一般的に、アルデヒド類は不快な臭気物質であり、本発明のフィルタろ材は、アルデヒド類を対象とした脱臭の用途にも適用可能である。
上記の反応は化学反応を伴うため化学吸着と呼ばれ、活性炭などの物理吸着とは区別される。化学吸着の場合、吸着したアルデヒド類が再放出されることがないため、安定的にアルデヒド類の除去を行える利点がある。一方で、アミン化合物は塩基性物質であり、空気中の酸性物質と接触すると中和反応を起こし、性能が低下するという課題があった。酸性成分とは、硝酸・硫酸、酢酸などのミストあるいはこれらの成分を含む浮遊粒子である。また、空気中には、紫外線によって発生するオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が含まれており、空気を大量に吸い込んで処理を行っている空気清浄装置においては、これらの活性成分がアミン化合物と反応して、性能が劣化しやすいという課題があった。そのため、本発明においては、空気清浄装置1の本体に吸い込まれた空気から、酸性物質およびOHラジカルなどの活性成分をラジカル捕集剤を含む繊維層20で取り除いた後、基材層19に含まれるアミン系化合物を含有する吸着剤でホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を取り除くという構成をとり、長期間安定的に捕集性能を持続させるフィルタろ材15およびそれを用いた空気清浄装置1を提供するものである。
本発明の繊維層20に含まれるラジカル捕集剤には、一般的な光安定剤・酸化防止剤を用いることができる。特に、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系光安定化剤などを用いることができる。
本発明のラジカル捕集剤として適用できる光安定化剤・酸化防止剤の一例を挙げる。市販品として、例えば、TINUVIN 111(BASFジャパン社製;N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン(45%)とコハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物(55%))、Uvinul5050H (BASFジャパン社製; 立体障害アミンオリゴマー(Stericallyhinde redamine Oligomer))、CHIMASSORB2020(BASFジャパン社製;ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物)、CHIMASSORB944(BASFジャパン社製;ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) イミノ}]、CYASORB UV−3346(サイテック社製;ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル] イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]) 、CYASORB UV−3529(サイテック社製;1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス( 1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6− トリクロロ−1,3,5−トリアジンのメチル化重合体)、Hastavin N30(グラリアント社製;2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−20(2,3−エポキシ−プロピル)ジスピロ−[5,1,11,2]−ヘネイコサン−21−オンの重合体)、vin770(BASFジャパン社製)、Uvinul 4050(BASFジャパン社製)、TINUVIN234(BSAFジャパン社製;2−(2H− ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール) 、Uvinul 3030(BASFジャパン社製;1,3−ビス−{[(2’−シアノ−3 ’,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス−[(2−シアノ− 3 ’, 3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン) 、TINUVIN326(BASFジャパン社製;2−[5−クロロ(2H )−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−5−(tert−ブチル)フェノール)、TINUVIN 329( BASFジャパン社製;2−(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノール 、TINUVIN 1577( BASFジャパン社製;2− (4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ] −フェノール)、CYASORB UV−531( サイテック社製;2−ヒドロキシ−4− n−オクトキシベンゾフェノン、IRGANOX 565(BASFジャパン社製)、IRGANOX1035(BASFジャパン社製)、などを挙げることができる。
前記のアミン系化合物を含有する吸着剤を、基材層19に含ませる手段としては、吸着剤を水溶液に分散し、少量の界面活性剤およびバインダーを加えた後、この水溶液に基材層19を浸漬する方法、水溶液を基材層19へスプレーする方法、水溶液を刷毛やローラーで基材層19へ塗布する方法等が挙げられる。ラジカル捕集剤を繊維層20に含ませる手段も、同様にして、ラジカル捕集剤を有機溶媒に分散し、紫外線添加剤等を加えた後、この溶液に繊維層20を浸漬する方法、溶液を繊維層20へスプレーする方法、水溶液を刷毛やローラーで繊維層20へ塗布する方法等を挙げることができる。
基材層19の片面のみからスプレーを行い乾燥させることで、スプレーした面の吸着剤濃度を高めることもできる。基材層19の吸着剤濃度が高い面を繊維層20との密着面にすることで、基材層19と繊維層20の密着面のアミン系化合物の含有量が高く、密着させた面から遠ざかるほど含有量が低下しているフィルタろ材15を得ることができる。
空気清浄装置1に、エアフィルタ9を設置するときには、吸気口10側から順に、繊維層20、基材層19をセットする。すなわち、エアフィルタ9は、前段層である繊維の層すなわち繊維層20と前記前段層に対して気流の下流側に備えた後段層である繊維の層すなわち基材層19とを備えたものである。
これにより、空気清浄装置1の本体に吸い込まれた空気から、酸性物質およびOHラジカルなどの活性成分を、ラジカル捕集剤を含む繊維層20で取り除いた後、基材層19に含まれるアミン系化合物を含有する吸着剤でホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を取り除くという構成となり、長期間安定的に捕集性能を持続させるフィルタろ材15およびそれを用いた空気清浄装置1を提供することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1と共通する部分は説明を省略する。図7に示すように、本実施の形態2に示す空気清浄装置に使用されるエアフィルタ9は、プリーツ形状に加工された基材層19と繊維層20と、枠部17に加えて、プレフィルタ21を備えている。
プレフィルタ21は、粗塵を捕集するために必要な繊維径と開口を持つ不織布状の繊維の層であり、ラジカル捕集剤をスプレー塗布して乾燥させたものである。プレフィルタ21は、空気中の粒子に含まれる酸性物質を捕集できる性能を持つ一般的な不織布、ネットなどの繊維を用いることができ、好ましくは帯電力を使って粒子を捕集可能な静電フィルタを用いると良い。
このプレフィルタ21を、枠部17に隙間が生じないように接着剤を塗布して接着したことで、プレフィルタ21と一体となったエアフィルタ9を得ることができる。ここで、プレフィルタ21と枠部17の間に隙間が生じていると、空気清浄装置1が空気を吸引したときに、圧力損失の低い隙間を通じてラジカルを含む空気が吸着剤と接触してしまうという課題が生じる。基材層19には、少なくともアミン系化合物を含有する吸着剤を含ませておき、繊維層20にはラジカル捕集剤を含ませておく。
空気清浄装置1に、エアフィルタ9を設置するときに、吸気口10側から順に、プレフィルタ21、基材層19、繊維層20になるように設置する。すなわち、ここでは、フィルタろ材15は、前段層としてラジカル捕集剤を含み、かつ粒子を捕集可能な繊維の層であるプレフィルタ21を、後段層としての基材層19と前記基材層の下流側に配置した前記前段層とは別の繊維の層であってラジカル捕集剤を含む繊維の層である繊維層20とともに枠部17を介して一体となるように接着したものである。
これにより、空気清浄装置1の本体に吸い込まれた空気から、酸性物質およびOHラジカルなどの活性成分を、ラジカル捕集剤を含むプレフィルタ21で取り除いた後、基材層19に含まれるアミン系化合物を含有する吸着剤でホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を取り除くことができるという構成となり、長期間安定的に捕集性能を持続させるフィルタろ材およびそれを用いた空気清浄装置を提供することができる。
特に、前段層としてラジカル捕集剤を含み、かつ粒子を捕集可能な繊維の層であるプレフィルタ21を、後段層としての基材層19と前記基材層の下流側に配置した前記前段層とは別の繊維の層であってラジカル捕集剤を含む繊維の層である繊維層20とともに枠部17を介して一体となるように接着することで、エアフィルタ9を通過する空気の一部ガが圧力損失の高い特定の層をバイパスすることなく、通過させる全ての空気がプレフィルタ21、基材層19、繊維層20を順番に通過することとなる。つまり、基材層19に比べてプレフィルタ21の開口を小さくした場合でも、プレフィルタ21を確実に通過させた空気を基材層19へ通過させることができ、より確実に基材層19におけるアルデヒド類の除去効果を発揮することができる。
また、基材層19から見て、上流側はプレフィルタ21に含まれるラジカル捕集剤があり、下流側は繊維層20に含まれるラジカル捕集剤があるため、基材層19に含まれるアミン系化合物は上流側だけでなく下流側から酸性物質およびOHラジカルなどの活性成分に直接さらされることがなく、空気清浄装置1の運転停止時にも性能の劣化がしにくい空気清浄装置の運転停止時にも基材層19が含有する吸着材の性能が劣化しにくく、長期間安定的に捕集性能を持続させることができるという効果を得ることができる。
なお、プレフィルタ21すなわち前段層としての粒子を捕集可能な繊維の層は、繊維層20と同じものでも良いが、繊維層20に比べて、ろ材の開口を大きくしたものでも良い。
本発明にかかるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置は、基材層と、粒子を捕集可能な繊維層とを有するフィルタろ材において、前記基材層はアミン系化合物を含有する吸着剤を含み、前記繊維層にはラジカル捕集剤を含み、前記基材層と前記繊維層とが密着したシート状であることにより、ホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に取り除き、長期安定的に効果を持続できるものであり、同様の機能が必要な換気装置等にも適用することができる。
1 空気清浄装置
2 室内
3 床
4 壁紙
5 家具
6 窓
7 本体ケース
8 送風手段
9 エアフィルタ
10 吸気口
11 排気口
12 ケーシング
13 羽根
14 電動機
15 フィルタろ材
16 形状保持部
17 枠部
18 接着部材
19 基材層
20 繊維層
21 プレフィルタ
101 エアフィルタ
102 枠体
103 送風機
104 給気グリル
105 本体

Claims (6)

  1. 前段層と前記前段層に対して気流の下流側に備えた後段層を含むフィルタろ材であって、
    前記前段層は、ラジカル捕集剤を含み、かつ粒子を捕集可能な繊維の層であって、
    前記後段層は、アミン系化合物を含有する吸着剤を含む繊維の層であって、前記前段層と前記後段層とを密着したシート状としたことを特徴とするフィルタろ材。
  2. 前記アミン系化合物は、前記後段層を構成する繊維の表面に塗布されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタろ材。
  3. 前記ラジカル捕集剤は、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、ベンゾトリアゾール類のいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1または2記載のフィルタろ材。
  4. 前記後段層のアミン系化合物の含有量は、前記前段層との密着面側が高く、前記密着した面から遠ざかるほど低くしていることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のフィルタろ材。
  5. 吸気口と排気口を有する本体ケースと、前記本体ケース内に設けた送風機と、前記送風機の吸込側と前記吸気口の間に設けたエアフィルタとを備え、前記エアフィルタは、請求項1から4いずれかに記載のフィルタろ材からなることを特徴とする空気清浄装置。
  6. 請求項5に記載の空気清浄装置において、前記エアフィルタは、前記前段層としてのプレフィルタと、前記後段層としての基材層に加え、前記基材層の下流側に配置した前記前段層とは別の繊維の層であってラジカル捕集剤を含む繊維の層と、枠部とを備え、前記プレフィルタは、前記基材層と前記前段層とは別の繊維の層とともに前記枠部を介して一体となるように接着され、本体ケースの吸気口側に配置したことを特徴とする空気清浄装置。
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