JP2018122199A - エアフィルタおよびそれを用いた空気清浄装置 - Google Patents

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大輔 小森
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玄将 大西
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港 加藤
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Yoshihiro Tsuji
由浩 辻
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Jun Inagaki
純 稲垣
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Abstract

【課題】ホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に取り除き、長期安定的に効果を持続できるプリーツ化したフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供する。【解決手段】基材層と、粒子を捕集可能な繊維層を有するフィルタろ材であって、前記基材層は吸着剤を含み、前記繊維層を通風方向に対して上流側と下流側を挟むように接着したシート状ろ材とし、前記シート状ろ材がプリーツ化していることを特徴とするフィルタろ材としたことで、長期間安定的にホルムアルデヒドを捕集できる。また、このフィルタろ材を備えた空気清浄装置を提供できる。【選択図】図6

Description

本発明は、空気浄化を目的とした空気浄化装置などに組み込まれるエアフィルタに関する。
ホルムアルデヒドは、住宅内の壁紙や家具等から放出され、低濃度であっても健康障害を起こすため、室内汚染物質として除去することが望まれている。
従来、この種のフィルタろ材は、低い圧力損失と高い脱臭性能および吸着機能の低下の抑制の両立が求められており以下のような構成となっていた。すなわち、図9に示すように、エアフィルタ101は、基布層102と表層103の少なくとも2層の繊維構造体からなる繊維積層体であった。より具体的には、エアフィルタ101は、基布層102は悪臭や有害ガスを除去するための吸着剤として活性炭を内部に保持した平均繊維径が10μ以上の繊維からなり、表層103は平均繊維径が10〜1000nmの繊維からなる繊維積層体であった。このように基布層102と表層103との平均繊維径を異なるものとすることで、圧力損失を大きくすることなく、空気との接触効率を向上できることが開示されていた。(例えば、特許文献1を参照)。
特開2009-190269号公報
このような従来のフィルタ濾材とそれを用いた空気清浄装置では、低圧力損失のろ材で吸着剤の脱落を抑制することができるが、ろ材への面風速を下げて脱臭性能を向上させようとプリーツ化した際、プリーツ構造による構造変化に伴って吸着剤の除去性能を充分に活用できていなかった。例えば、折り曲がりによる吸着剤の存在濃度が局所的に変化し、吸着剤の消費状態に偏りができるため、部分的に吸着剤の破過が生じてフィルタ濾材としての脱臭性能が低下していた。また、長期にわたって安定的に脱臭性能を維持することが困難であった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ホルムアルデヒド等の化学物質を取り除く効果を長期安定的に持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供することを目的としている。
そして、この目的を達成するために、本発明は、シート状ろ材をプリーツ化しているエアフィルタであって、アミン化合物を含む吸着剤を有した基材層と粒子を捕集可能な繊維層とを備え、前記シート状ろ材は、前記繊維層の通風方向に対して上流側と下流側に前記基材層を接着していることを特徴とするエアフィルタおよびそれを用いた空気清浄装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、シート状ろ材をプリーツ化しているエアフィルタであって、アミン化合物を含む吸着剤を有した基材層と粒子を捕集可能な繊維層とを備え、前記シート状ろ材は、前記繊維層の通風方向に対して上流側と下流側に前記基材層を接着していることにより、基材層において脱臭で使用する吸着剤の濃度に偏りができにくく、ホルムアルデヒド等の化学物質を取除く効果を長期安定的に持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1の空気清浄装置の設置状態を示す斜視図 同空気清浄装置の断面図 同エアフィルタの斜視図 同エアフィルタに使用するフィルタろ材の構成図 同フィルタろ材の概略断面図 同フィルタろ材を拡大した概略断面図 2層で構成されたエアフィルタの山部を拡大した概略断面図 3層で構成されたエアフィルタの山部および谷部を拡大した概略断面図 従来の空気清浄装置を示す斜視図
本発明の請求項1に係わるエアフィルタは、シート状ろ材をプリーツ化しているエアフィルタであって、アミン化合物を含む吸着剤を有した基材層と粒子を捕集可能な繊維層とを備え、前記シート状ろ材は、前記繊維層の通風方向に対して上流側と下流側に前記基材層を接着していることを特徴とする。
これにより、基材層において脱臭で使用する吸着剤の濃度に偏りができにくく、ホルムアルデヒド等の化学物質を取除く効果を長期安定的に持続できる。
また、請求項2に係わるエアフィルタは、流速5.3cm/Secにおいて、前記繊維層の圧力損失は前記基材層の圧力損失に対して10倍以上であることを特徴とする。
これにより、前記基材層よりも繊維が細い前記繊維層でホルムアルデヒド濃度の拡散効果が得られる。そのため一度上流側の前記基材層で脱臭して生じたホルムアルデヒドの濃度勾配が、前記繊維層で均一になり、その状態で下流側の前記基材層で脱臭できる。したがって、特に下流側の前記基材層において脱臭で使用する前記吸着剤に平面濃度に偏りができにくく、前記吸着剤を均一に使用でき、脱臭性能寿命を延ばすことができる。
また、請求項3に係わるエアフィルタは、アミン化合物を含む吸着剤の粒子径が10μm以下であることを特徴とする。
これにより、エアフィルタの圧力損失増大や粉落ちを防ぎ、かつホルムアルデヒドの脱臭性能を向上させることができる。
また、請求項4に係わるエアフィルタは、基材への前記吸着剤の添着量が10g/mから30g/mであることを特徴とする。
これにより、圧力損失の増大を防ぎつつ、脱臭性能に関与する前記吸着剤の添着量を増やすことができ、脱臭効果を高めることができる。
また、請求項5に係わるエアフィルタは、繊維層を形成する繊維が帯電していることを特徴とする。
これにより、前記繊維層での粒子状物質の捕集性能を向上させつつ、帯電した電荷が抜けにくく、集塵性能の維持が可能となる。
また、請求項6に係わる空気清浄装置は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、前記本体ケース内に設けた送風機と、前記送風機の吸込側と前記吸気口の間に設けたエアフィルタとを備え、前記エアフィルタは、請求項1から5いずれか一つに係わるエアフィルタであることを特徴とする。
これにより、室内のホルムアルデヒド等の化学物質を取除く効果を長期安定的に持続できる空気清浄装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
通常建屋内においてホルムアルデヒドは、壁紙4あるいは家具5などから発生し、空気よりも比重が重いため、室内2で床3付近に濃度が高い状態で存在している。
本実施の形態1に示す空気清浄装置1は、図1に示すように、室内2の床3の上に設置され、空気清浄運転を行うものである。
図2に示すように、空気清浄装置1は、本体ケース6内に送風手段7とエアフィルタ8とを備えている。本体ケース6は、略縦長箱形状で、この本体ケース6の前面には、縁部において中央部のパネルを包囲する略四角形状の吸気口9を設け、本体ケース6の天面部には、略四角形状の排気口10を備えている。
送風手段7は、本体ケース6の吸気口9と、排気口10との間の風路に設けられ、スクロール形状のケーシング11と、このケーシング11内に設けられた遠心送風ファンである羽根12と、この羽根12を回転させる電動機13とから形成している。
エアフィルタ8は、本体ケース6の吸気口9の内側に位置している。送風手段7によって、吸気口9から本体ケース6内に吸気されたホルムアルデヒドを含む室内の空気は、エアフィルタ8を介して排気口10へと送風するものである。つまり、室内のホルムアルデヒドを含む空気をエアフィルタ8で清浄して、室内へ送風されるものである。
エアフィルタ8は、通風時の面風速を下げて集塵性能と脱臭性能を向上させるためと耐久性を向上させるためにプリーツ化して使用するシート状ろ材18面積を広くした方が良い。そこで、エアフィルタ8は、図3、図4に示すように、プリーツ形状のフィルタろ材14と、このフィルタろ材14をプリーツ形状に保持すべくフィルタろ材14の外周に設けた枠形状の形状保持部15とから形成している。形状保持部15は、ロの字形状の枠部16と、この枠部16とフィルタろ材14との間に設けた接着部材17とから構成している。つまり、枠部16は、フィルタろ材14の周縁に位置し、接着部材17によって、フィルタろ材14およびフィルタろ材14のプリーツ形状を枠部16に固定している。
プリーツ化の方法については、特に限定は無いが、シート状ろ材18を折り曲げ機(図示せず)によって、山折りと谷折りとを交互に折っていくことでプリーツ形状に成形すれば良い。基材層20側から見た場合に、凸になる部分を山部24とし、凹になる部分を谷部25とすると、山部24と谷部25が交互になって蛇腹形状に折りたたまれる。そして最後に、プリーツ形状に成形したフィルタろ材14を接着部材17によって、枠部16に固定するものである。
接着部材17には、例えば、ホットメルト樹脂や各種の接着剤によって、プリーツの頂点のみをつなぎとめるなどの方法を用いれば、フィルタろ材14の表面積を確保しつつ、形状を固定することができる。プリーツ化に際してピッチ23の設定は、使用するフィルタろ材14の面積に大きく影響し、ピッチ23を多くしてフィルタろ材14面積を大きくすることで通過面風速を下げ、脱臭性能の向上ができる。また吸着剤21の存在量も増えるので脱臭できる寿命も伸ばすことができる。一例として、エアフィルタ8の厚み50mmに対してピッチ23間隔を3mmから5mm(10〜15倍程度)とすると、ピッチ23の数とエアフィルタ8の高さ寸法の積に近いシート状ろ材18面積を使用することができる。
プリーツ加工する前のシート状フィルタろ材14は、図5、図6に示すように、粒子状物質を捕集する繊維層19と、アミン化合物を含む吸着剤21を添着した基材層20を備えている。
吸着剤21を添着した基材層20は繊維層19の通風方向に対して上流側と下流側に接着剤22などで貼りあわせて接着している。この接着方法は特に制限は無く、例えば、一度、繊維層19と基材層20を2層で貼り合わせた後に、繊維層19面にさらに基材層20を貼り合わせることで製造可能である。また、繊維層19に接着剤22を塗布した基材層20を同時に張り合わせても良い。基材層20の表面に比べて基材層20と繊維層19の接着界面では接着剤22(以下に示す)の作用によって、吸着剤21の移動は起こりにくくなる。反対に基材層20と繊維層19とが接着されていない界面では、外力の影響などで吸着剤21の移動が生じる。
接着剤22の種類や方法については、特に限定されないが、ホットメルトやパウダーなどの樹脂接着剤や熱溶融性の樹脂繊維による接着方法が挙げられる。例えば、ホットメルトやパウダーなどの樹脂接着剤などを用いた場合は、基材層20に熱溶融した接着剤22を塗布し、固まる前に繊維層19を貼り合わせて乾燥させることでシート状ろ材18を作製する。溶融した接着剤22での接着が好ましく、パウダー状よりも表面上の塗布濃度を薄く均一にでき、繊維層19と基材層20の剥がれを防止できることに加えて、接着剤22の塗布時に基材層20に浸み込む接着剤22を薄くできるので吸着剤21の成分を接着剤22が包括して、脱臭性能を低下させることを抑制できる。
繊維層19と基材層20は、シート状フィルタろ材14として張り合わせる前の状態において圧力損失を以下のようにしている。すなわち、流速5.3cm/sにおいて、繊維層19の圧力損失が基材層20の圧力損失に対して10倍以上としている。これによりホルムアルデヒド濃度拡散効果と乱流効果を充分に得られる。一例を挙げると、流速5.3cm/sで空気を流したときの圧力損失は、繊維層19が40Pa、基材層20が3Pa程度とすることが良い。
繊維層19には、一般的な樹脂材料、天然繊維材料を用いることができる。例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリイミドベンザゾール、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリウレタン(PU)、セルロース化合物、ポリペプチド、ナイロンなど、あるいはこれらの混合物といったものが挙げられる。
繊維層19を構成する繊維の平均繊維径は、原理的に低圧損化が可能となるため、より細いほど好ましい。一般的に好ましくは100nm以上3000nm以下の繊維で構成することが好ましい。繊維径が3000nmより太くなると、繊維層19の空孔を形成する際に樹脂繊維体積が占める割合が大きくなり、空気抵抗が増加する(圧力損失の上昇を招く)ため好ましくない。繊維径が100nmより細いと、繊維破損や毛羽立ちが起こりやすいため好ましくない。
基材層20は、ガラス繊維、パルプ繊維、樹脂繊維、炭素繊維および無機繊維の少なくとも1つを含む繊維によって形成されている。基材層20の製法としては、スパンボンド法、乾式または湿式抄紙法、メルトブローン法、スパンボンド法、エアレイド法、サーマルボンド法などが挙げられる。
基材層20の目付量は、50〜100g/mであることが好ましい。目付量が50g/m2未満であると、基材層20の剛軟度が低下することにより、プリーツ加工の生産性の低下やフィルタ形状の維持が困難になる。100g/mを越えると、基材層20の圧力損失が大きくなるため、エアフィルタ8の圧力損失が大きくなり好ましくない。
基材層20を構成する繊維の平均繊維径は、1〜50μmであることが好ましい。平均繊維径が1μm未満であると、繊維の強度が低く、補強材としての強度が不十分となる。また、繊維径が細くなると吸着剤21の添着が繊維上よりも繊維間の空隙に多く存在するようになり、圧力損失が高くなる、吸着剤の添着量が少なくなる、吸着剤が脱離しやすくなるといった問題が生じる。一方で50μmを越えると、基材層20の厚みが厚くなり、プリーツ加工による構造的な圧力損失が大きくなるので、好ましくない。
基材層20に含有させた吸着剤21は、少なくとも成分の一部にアミン系化合物を含んだものである。アミン化合物とホルムアルデヒドは、次のような不可逆な化学反応を生じることが知られている。
例えば、
R−ΝH+HCHO
→R−N=CH+HO(shiff塩基)
2HNCONH(尿素)+HCHO
→NNCONHCHNHCONH(ジメチロール尿素)
NH−NH(ヒドラジン)+2HCΗO
→CΗ=N−N=CΗ
などのように反応する。
これらの反応は、アルデヒド基をもつガス成分では同様に起こるため、ホルムアルデヒド以外に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類化合物とも反応性を持つ。一般的に、アルデヒド類は不快な臭気物質であり、本発明のフィルタろ材は、アルデヒド類を対象とした脱臭の用途に適用可能である。上記の反応は化学反応を伴うため化学吸着と呼ばれ、活性炭などの物理吸着とは区別される。化学吸着の場合、吸着したアルデヒド類が再放出されることがないため、安定的にアルデヒド類の除去を行える利点がある。
前記アミン系化合物を含有する吸着剤21を、基材層20に含ませる手段としては、基材層20の繊維紡糸時や基材繊維への樹脂等のコーティング時に吸着剤21を紡糸液やコーティング液に含有させておく方法や、吸着剤21を溶液に溶解・分散させ、少量の界面活性剤およびバインダーを加えた後、この液体に基材層20を浸漬する方法、液液をスプレーする方法、溶体を刷毛やローラーで塗布する方法等が挙げられる。基材層20の繊維形成後に吸着剤21を含浸または塗布させる手法を用いることで、吸着剤21は繊維表面全体に広範囲にわたって多量に含有される状態となる。このため、吸着剤21を基材層20の広範囲に存在させることでき、かつ繊維内部に吸着剤21が取り込まれて吸着作用を阻害することを防ぎ、ホルムアルデヒドを取り除く効果を向上させる。
吸着剤21の粒子径は10μm以下であることが重要である。
なぜなら、粒子径が10μm以下にすることで表面積が大きくなりホルムアルデヒドとの接触確率を上げ反応性を向上させることができる、また粒子径が10μmを超えると繊維表面に付着しづらくなり粉落ちの原因となることで脱臭性能が低下してしまうことを防ぐ。さらに、粒子径が10μmを超えると基材層20を形成する繊維径での平面状の空隙を埋め、さらにプリーツ化した際の剛性が上がってしまうため、エアフィルタ8の圧力損失も招くからである。
基材層20への吸着剤21の添着量は、10g/mから30g/mである(10g/mと30g/mは範囲に含まれる)。
なぜなら、添着量が10g/mよりも少ないと脱臭性能が低くなり、30g/mよりも多くなると粉落ちによる性能低下や基材層20の空隙を埋めることによる圧力損失増大を招くためである。
上記構成によれば、空気清浄装置1を動作させると、送風手段7により吸気口9から排気口10に通風され、室内2の粒子状物質やホルムアルデヒドなどのニオイ成分が送風手段7手前にあるエアフィルタ8を通過する。エアフィルタ8は、粒子状物質を主に捕集する繊維層19と吸着剤21成分を含んだ基材層20プリーツ化された構成をしているので、通風時の面風速が下がることで粒子状物質やホルムアルデヒドの捕集性能が向上する。
本実施の形態のエアフィルタ8は、シート状ろ材18を作製する際に、繊維層19の両面に基材層20を貼り合わせ、3層としてプリーツ化しエアフィルタ8を作製することで以下効果を有する。
まず、上流側の基材層から見た山部26において吸着剤21が移動し、存在量が低下する(図7:2層で構成されたエアフィルタの山部を拡大した概略断面図)が、下流側の基材層から見た谷部27では押し込み力29が働き吸着剤21が寄り集まり、濃度が高くなる(図8:3層で構成されたエアフィルタの山部および谷部を拡大した概略断面図)。
そのためエアフィルタ8の厚さ方向で見た場合には吸着剤21の量を担保することができ、エアフィルタ8全体で脱臭性能および寿命を向上させることができる。
次に、2層の基材層20の間に繊維層19が介在しているため、基材層20よりも繊維が細い繊維層19でホルムアルデヒド濃度の拡散効果が得られる。すなわち、繊維層19は細い繊維で形成されているので隙間も小さく通過する空気は繊維層19内で拡散を起こしやすい。上流側の基材層20を通過した空気は脱臭が行なわれているがホルムアルデヒドの濃度に局所的な濃淡が発生する。そこで繊維層19を通過させることによる拡散作用によりホルムアルデヒドの濃度を均一することができる。その結果、さらに下流側の基材層20で再び脱臭できる。したがって、特に下流側の基材層20において脱臭で使用する吸着剤21に平面濃度に偏りができにくく、吸着剤21を均一に使用でき、脱臭性能寿命を延ばすことができる。
最後に、エアフィルタ8をホルムアルデヒドが通過する際、繊維層19と基材層20で通過速度が異なり、特に界面において速度差が生じて乱流が発生する。したがって、基材層20内部での乱流により吸着剤21とホルムアルデヒドの衝突確率が向上し、反応性が向上する。以上の効果を併用することでプリーツ化したエアフィルタ8のホルムアルデヒド脱臭性能を向上させることが可能となる。
なお、繊維層19を形成する繊維を帯電させることで、粒子物質を捕集・集塵する繊維層19は、より性能を向上させるために帯電することができる。帯電手法に制限は無いが、繊維の紡糸後にエレクトレット処理を行う手法、溶液に繊維層19を含浸させ揮発させる際に帯電を行う手法、繊維の紡糸時に帯電させる静電紡糸法などがある。上記手法で帯電した繊維層19が基材層20に挟まれていることで、繊維層19が大気に暴露されることが無くなり、帯電した電荷が抜けることが抑制でき、集塵効率の維持が可能となる。
本発明にかかるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置は、基材層と、粒子を捕集可能な繊維層とを有するフィルタろ材において、前記基材層はアミン化合物を含む吸着剤を有し、前記繊維層を通風方向に対して上流側と下流側を挟むように接着したシート状ろ材とし、前記シート状ろ材がプリーツ化したものであることにより、ホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に除去し長期安定的に持続できるものであり、同様の機能が必要な換気装置等にも適用することができる。
1 空気清浄装置
2 室内
3 床
4 壁紙
5 家具
6 本体ケース
7 送風手段
8 エアフィルタ
9 吸気口
10 排気口
11 ケーシング
12 羽根
13 電動機
14 フィルタろ材
15 形状保持部
16 枠部
17 接着部材
18 シート状ろ材
19 繊維層
20 基材層
21 吸着剤
22 接着剤
23 ピッチ
24 山部
25 谷部
26 上流側の基材層から見た山部
27 下流側の基材層から見た谷部
29 押し込み力
101 エアフィルタ
102 基布層
103 表層

Claims (6)

  1. シート状ろ材をプリーツ化しているエアフィルタであって、
    アミン化合物を含む吸着剤を有した基材層と粒子を捕集可能な繊維層とを備え、
    前記シート状ろ材は、前記繊維層の通風方向に対して上流側と下流側に前記基材層を接着していることを特徴とするエアフィルタ。
  2. 流速5.3cm/Secにおいて、前記繊維層の圧力損失は前記基材層の圧力損失に対して10倍以上であることを特徴とした請求項1に記載のエアフィルタ。
  3. 前記アミン化合物を含む吸着剤の粒子径が10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のエアフィルタ。
  4. 前記基材への前記吸着剤の添着量が10g/mから30g/mであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエアフィルタ。
  5. 前記繊維層を形成する繊維が帯電していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のエアフィルタ。
  6. 吸気口と排気口を有する本体ケースと、前記本体ケース内に設けた送風機と、前記送風機の吸込側と前記吸気口の間に設けたエアフィルタとを備え、前記エアフィルタは、請求項1から5いずれか一つに記載のエアフィルタであることを特徴とする空気清浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113058423A (zh) * 2021-03-24 2021-07-02 海信(广东)空调有限公司 一种除甲醛滤网及其制备方法和应用

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