JP5032932B2 - 部分めっき方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被めっき物の一部のみにめっきを行うための部分めっき方法及びその装置に関するものである。
被めっき物の一部のみにめっきを行うめっき方法として、ブラシめっき法やスパージャーめっき法が知られている。これらの中で部分めっきという点について着目されたものとして、前者では特許文献2に、後者では特許文献1に示されたものがある。
しかし、被めっき物が例えば図4に示すように、対向している肩部をコンタクト部11,11としている端子1が図の紙面と直交する方向に0.4mmピッチというような狭ピッチで並ぶコネクター用のフープ材である場合、スパージャめっき法では、コンタクト部11部分だけにめっき(金めっき)をすることはできない。
ブラシめっき法ではそのブラシ(筆)に該当する部材の形状を端子1の形状に合わせることで、図3に示すようにコンタクト部11部分だけにめっき(金めっき)をすることが可能である。しかし、フープ材の状態で供給される各端子に均一なめっきを行うことは難しく、更には単位時間当たりの処理数を多くすることは困難である。
特開2000−345385号公報 特開平5−132795号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、必要とする部分だけにめっきを行うことを簡便に且つ高速に行うことができる部分めっき方法及びその装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る部分めっき方法は、斜め45度に傾いた回転軸まわりに回転駆動される回転板の一部をめっき液に接触させて該回転板の周縁部にめっき液を付着させ、被めっき物におけるめっきを施したい箇所の近傍を上記回転板の周縁部が通過する際に回転板の周縁に付着しているとともに回転板の外周縁よりも外周側に位置しているめっき液を被めっき物におけるめっきを施したい箇所に接触させることで電気めっきを行うことに特徴を有している。回転板によってめっきを施したい箇所にのみ、めっき液を接触させてめっきを行うことができる。
そして本発明に係る部分めっき装置は、被めっき物を保持する保持体と、斜め45度に傾いた回転軸まわりに回転駆動されるとともに保持体で保持された被めっき物におけるめっきを施したい箇所の近傍を周縁部が通過する回転板と、この回転板の周縁部にめっき液を接触させるめっき液供給手段とからなり、上記回転板はその周縁に付着しているとともに回転板の外周縁よりも外周側に位置しているめっき液を被めっき物におけるめっきを施したい箇所に接触させるものであることに特徴を有している。ここにおけるめっき液供給手段は、回転板の周縁が浸かるめっき液槽であってもよい。
そして被めっき物が対向しているコンタクト部を有する端子であり、回転板は上記の対向しているコンタクト部の間を周縁部が通過するものであると、単一の回転板で対向する対のコンタクト部にめっき液を同時に接触させることができる。
本発明によれば、回転板の周縁部に付着させためっき液がめっきを施したい箇所に接触してめっきがなされるために、必要とする箇所にのみめっきを施すことができるものであり、短時間に多くの処理を行うことができる上に、設備的にも実際上、回転板を設けるだけでよいものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図3は被めっき物である端子1を示しており、対向している肩部をコンタクト部11,11としたコネクター用の該端子1は、0.4mmピッチというような狭ピッチで多数が並ぶフープ材の状態でそのコンタクト部11に対し、めっきが施される。図中12は対向するコンタクト部11,11を連結しているばね弾性を備えた片、13は一方のコンタクト部11側から伸びるとともにコネクターボディ(図示せず)などに固定される固定片、14は固定片13から更に延出された外部接続用の接続片である。該接続片14はコネクターボディから外側方に突出して、回路基板上の回路パターンに半田付けなどによって接続される。
このコネクター用の端子1は、対応するコネクターの端子におけるコンタクト部が上記コンタクト部11,11に嵌り込んでコンタクト部11に接触することによってコネクター間の電気的接続及び機械的連結がなされる。
図1及び図2中の保持体2は上記端子1(フープ材)を保持するもので、該保持体2は、端子1における上記接続片14側の端部間を相互に連結してフープ材としている部分を保持する。
一方、めっき液40を納めためっき液槽4の上方には厚みが0.2mmといった薄さの回転板3が配設されている。中心側が補強プレート30で補強されている上記回転板3は、モータ31による駆動で回転するもので、図1に示すように、上記端子1におけるコンタクト部11,11の近傍で且つ両コンタクト部11,11から等距離のところを通過する位置に配設されている。なお、回転板3としては、例えばチタンからなるとともに、その周縁部の表面が粗面化処理されたものを好適に用いることができる。
また上記回転板3は、その回転に際し、周縁部のうちの下方に位置した部分がめっき液40に常時浸かることで、その周縁部にめっき液40を付着させる。回転板3の周縁部に付着しためっき液40は、回転板3の回転による遠心力で周縁部に留まり、対向している上記の対のコンタクト部11,11の近傍を通過する際に、回転板3の周縁部に付着しているめっき液のうち、図1に示すように回転板3の外周縁よりも外周側に位置しているめっき液が両コンタクト部11,11に接触する。
端子1への電気めっきが、コンタクト部11,11のみにめっき液40が接触してなされることから、コンタクト部11,11以外にめっきがなされてしまうことがないものであり、しかも図示例においては、対向する対のコンタクト部11,11に対して同時にめっきを行うことができる。しかもコンタクト部11に形成されるめっき層10は、図3に示すように電極4と対向する対向面での厚みをコンタクト部11の背面側よりも厚くすることができる。
このために上記固定片13や片12などにめっきがなされることがないものであり、また、固定片13にめっき層10があると、上記接続片14を回路パターンに半田付けする際に固定片13上のめっき層10によって半田の這い上がりが生じてトラブルを起こすことがあるが、このような事態を招くこともない。
なお、図示例では回転する回転板3の回転軸を斜め45度に傾けているが、この角度は何ら限定されるものでない。また、図示例では被めっき物が対向するコンタクト部11,11を有する端子である場合を示したが、対向していない部分へのめっき処理、例えば上記端子1における接続片14へのめっき処理にも適用することができる。また、端子1がコネクター用のものであるものを示したが、これに限定されるものでないことはもちろんである。
更に、上記保持体2は、フープ材をリールトゥリールで送る際のガイドとして機能する形状とするとともに、回転板3の周縁に沿った円弧状に端子1(フープ材)を送ることができる形状とすることで連続処理が可能となるために、高い処理速度を得ることができる。
本発明の実施の形態の一例の要部拡大図である。 同上の正面図である。 本発明によってめっき処理した端子の側面図である。 従来のめっき処理を行った端子の側面図である。
符号の説明
1 端子
3 回転板
11 コンタクト部

Claims (3)

  1. 斜め45度に傾いた回転軸まわりに回転駆動される回転板の一部をめっき液に接触させて該回転板の周縁部にめっき液を付着させ、被めっき物におけるめっきを施したい箇所の近傍を上記回転板の周縁部が通過する際に回転板の周縁に付着しているとともに回転板の外周縁よりも外周側に位置しているめっき液を被めっき物におけるめっきを施したい箇所に接触させることで電気めっきを行うことを特徴とする部分めっき方法。
  2. 被めっき物を保持する保持体と、斜め45度に傾いた回転軸まわりに回転駆動されるとともに保持体で保持された被めっき物におけるめっきを施したい箇所の近傍を周縁部が通過する回転板と、この回転板の周縁部にめっき液を接触させるめっき液供給手段とからなり、上記回転板はその周縁に付着しているとともに回転板の外周縁よりも外周側に位置しているめっき液を被めっき物におけるめっきを施したい箇所に接触させるものであることを特徴とする部分めっき装置。
  3. 被めっき物が対向しているコンタクト部を有する端子であり、回転板は上記の対向しているコンタクト部の間を周縁部が通過するものであることを特徴とする請求項2記載の部分めっき装置。
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JPS58224193A (ja) * 1982-06-24 1983-12-26 Seiko Epson Corp 部分メツキ方法
JPS61250191A (ja) * 1985-04-26 1986-11-07 Electroplating Eng Of Japan Co コネクタ端子のブラシメツキ方法

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