JP5032106B2 - セルロース繊維含有成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロース繊維と熱可塑性樹脂とを含むセルロース繊維含有成形体及びその製造方法、前記セルロース繊維含有成形体の原料となるセルロース繊維含有ペレット及びその製造方法並びに前記セルロース繊維含有成形体に形成するためのセルロース繊維含有複層構造体に関する。
環境に配慮した成形体として、熱可塑性樹脂と間伐材や古紙等の粉砕物との混練物を原料とした成形品が知られている。従来から木粉を混練した樹脂成形品は、射出成形や押出成形によって成形体とし、合成木材として活用されている。
一方、無機微細粉末やセルロース粉砕物を用いた樹脂成形物が知られている。例えば、微細な空孔からつや消し表面とし筆記性などを表現するシートの成形方法(例えば、特許文献1又は特許文献2を参照。)が提案され、無機微細粉末を用いた合成紙が実用化されている。また、セルロース粉砕物を含有した樹脂組成物シートの製造方法が開示され(例えば、特許文献3を参照。)、樹脂配合用天然材料を特定した技術として、紙又はパルプの白色度と構成繊維比率や塩素含有物質を極力減らした粉砕物が提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
特許第3773273号 特開2004−231860号公報 特許第3478288号 特開2006−265346号公報
しかし、天然材料の木粉からなる樹脂組成物は、材種によっては熱で茶褐色となり白い樹脂組成物の製造が難しく、又は材種特有の匂いが残る場合がある。また、粉砕されたセルロース繊維は木材に比べ解繊され易く嵩高いため、定量供給機で計量することが困難であり、高温となる混練作業で熱黄変及び焼け臭気が発生しやすい。さらに、セルロース繊維を、例えば51%以上含有した樹脂組成物のシートは溶融張力と伸びが小さく、真空成形又は真空圧空成形での成形性が不良になりやすい。
そこで、本発明は、セルロース繊維を含有していても真空成形又は真空圧空成形での成形性を改善でき、表面がつや消し調で今までにない独特な風合いとやわらかい質感を表現することができるセルロース繊維含有成形体及びそれに用いるセルロース繊維含有複層構造体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、粉砕されたセルロース繊維の計量性が良好で混練作業性を改善でき、またセルロース繊維を多く含有していても熱黄変及び焼け臭気の発生を防止しうるセルロース繊維含有ペレット及びその製造方法並びにそのペレットを用いたセルロース繊維含有成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、無延伸ポリオレフィンフィルムとポリオレフィン系樹脂組成物層とのセルロース繊維含有複層構造体を形成し、これを延伸してセルロース繊維含有成形体とすることとした。
具体的には、本発明に係るセルロース繊維含有成形体の製造方法は、JIS P 8148:2001「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」で規定されるISO白色度が70%以上の粉砕されたセルロース繊維とエチレン・α‐オレフィン共重合体とを含み、前記セルロース繊維100質量部に対してエチレン・α‐オレフィン共重合体が10質量部以上55質量部以下で加えられた混合物を材料温度130℃以上150℃以下で混練して含有水分1.0質量%以下の混練物を形成する混練工程と、前記混練物を非スクリュータイプ圧縮造粒機で見かけ比重0.5以上のセルロース繊維含有ペレットとするペレット工程と、前記セルロース繊維含有ペレットとエチレン・プロピレンランダム共重合体との混合物をシート化してポリオレフィン系樹脂組成物シートを得るシート化工程と、無延伸ポリオレフィンフィルムに前記ポリオレフィン系樹脂組成物シートを重ねてセルロース繊維含有複層構造体とする工程と、前記セルロース繊維含有複層構造体を延伸して、前記ポリオレフィン系樹脂組成物シート側の表面をつや消し調とする工程と、を有し、該つや消し調とする工程において、前記ポリオレフィン系樹脂組成物シート側の表面粗さ(Ra)が2.0〜10.0μmとなるように前記セルロース繊維含有複層構造体を真空成形又は真空圧空成形で延伸させることを特徴とする。今までにない独特な風合いと柔らかい質感を表現した成形体とすることができる。以下、「JIS P 8148:2001「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」で規定されるISO白色度」を「ISO白色度」と略記する。
本発明に係るセルロース繊維含有成形体の製造方法では、前記セルロース繊維は、JIS P 8148:2001「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」で規定されるISO白色度が90%以上であり、且つ、0.2mm以下の微細セルロース繊維を80質量%以上含有することが好ましい。白色顔料を多量に使用しなくてもセルロース繊維含有成形体の白さを保つことができる。
本発明に係るセルロース繊維含有成形体の製造方法では、前記セルロース繊維の含有率が51質量%以上であることが好ましい。セルロース繊維の含有率を51質量%以上とすることで、環境配慮型樹脂組成物を提供することができる。
本発明に係るセルロース繊維含有成形体の製造方法では、前記セルロース繊維に熱黄変が生じていないことが好ましい。高温での混練を避けることができるため熱黄変の発生を防止できる。
本発明は、セルロース繊維を含有していても真空成形又は真空圧空成形での成形性を改善でき、表面がつや消し調で今までにない独特な風合いとやわらかい質感を表現することができるセルロース繊維含有成形体及びセルロース繊維含有複層構造体を提供することができる。さらに、本発明は、粉砕セルロース繊維の計量性を改善し、またセルロース繊維を多く含有していても熱黄変及び焼け臭気の発生を防止して混練作業性を改善できるセルロース繊維含有ペレットならびにその製造方法及びセルロース繊維含有成形体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
(セルロース繊維含有成形体)
本実施形態に係るセルロース繊維含有成形体は、無延伸ポリオレフィンフィルムの少なくとも一方の面に、セルロース繊維、エチレン・α‐オレフィン共重合体及びエチレン・プロピレンランダム共重合体を含有するポリオレフィン系樹脂組成物層が形成された複層構造を有し、延伸されている。ポリオレフィン系樹脂組成物層は無延伸ポリオレフィンフィルムの片面又は両面に形成される。
本発明で使用するセルロース繊維は、ISO白色度で70%以上あり、粉砕されて繊維長が0.2mm以下の微細セルロース繊維の含有率(以下、「繊維長が0.2mm以下の微細セルロース繊維の含有率」を「ファイン量」と記載する。)が50質量%以上である。特にISO白色度で90%以上、ファイン量が80質量%以上であることが好ましい。いわゆる上質系の紙若しくは古紙の粉砕物であり、又はパルプの粉砕物でも良い(以下、これらを総称して「紙」と記載する。)。
本発明の紙を構成するパルプは、紙のISO白色度が70%未満であると熱黄変が発生するため、漂白化学パルプであることが必要である。漂白化学パルプの種類は特に限定するものではなく、例えば、通称BSPやBKPといわれる漂白亜硫酸パルプや漂白クラフトパルプである。未漂白パルプ、機械パルプ及びセミケミカルパルプはパルプ中にリグニンが著量残留しており、紙粉砕物と樹脂混合物の白色度が高い場合であっても後の工程で熱黄変や臭気の原因となる。そのため、紙の白色度はISO白色度で70%以上が必要である。好ましくはISO白色度が90%以上であり、より高いほど好ましい。
ISO白色度を高めると、パルプ繊維素が崩壊して紙の強度物性が低下する。そのため、粉砕し易くセルロース繊維長を短くできる。セルロース繊維の短繊維化は、セルロース繊維を含有するポリオレフィン系樹脂組成物の熱溶融粘度を下げ熱溶融伸びが改善できるので好ましい。パルプ強度の指標として、パルプを酸化銅アンモニア溶液に溶解してその相対粘度を測定した「パルプ粘度」がある。製紙用パルプはパルプ繊維素の加水分解や酸化の程度を知る目的で、パルプ繊維素を溶解しその溶液粘度を測定する方法が慣用的に生産管理で用いられている。本発明では、パルプ粘度は5以下であることが好ましく、より好ましくは2以下である。粉砕し易くセルロース繊維長を短くできファイン量を高めることができる。
また、紙は、中性又はアルカリ性の非顔料塗工紙が好ましい。紙が酸性であると、樹脂混合物を成形するときに金型を腐食させるという悪影響を及ぼす場合がある。顔料塗工紙を使用した場合には、塗工層に使用される合成バインダー、とりわけ各種のラテックスが加熱時の悪臭や有害ガス発生の原因となる。
紙を粉砕することで、本発明で使用できる粉砕セルロース繊維が得られる。例えば、ファイン量はカヤニ社のセルロース繊維長測定で測定できる。紙の粉砕を繰り返すことでファイン量を50質量%以上とすることができる。ファイン量は80質量%以上とすることが好ましい。すなわちISO白色度が高く平均繊維長さが短いほど好ましい。本発明で使用する粉砕セルロース繊維としては、例えば、ISO白色度で90%、ファイン量が87.9質量%の粉砕セルロース繊維がある。
セルロース繊維は、150℃以上から徐々に熱黄変を示し焼け臭気も発生する。また、熱成形及びシート化並びに混練の熱履歴も熱黄変を起す原因である。したがって、セルロース繊維を混練した成形体は、JIS P 8150:2004「紙及び板紙−色(C/2°)の測定方法−拡散照明法」で規定されるL*a*b*表色系に基づいて色を読みとった場合の黄色を示すb*値が、混練で容易に20以上になり未晒クラフト紙のような色彩を示す。熱黄変を隠蔽できるチタニア等の白色顔料を添加しb*値を10以下にすると、白さを感じより高級感のある外観にできるので好ましい。以下、「JIS P 8150:2004「紙及び板紙−色(C/2°)の測定方法−拡散照明法」で規定されるL*a*b*表色系」を「L*a*b*表色系」と略記する。
エチレン・α‐オレフィン共重合体は、例えば、商品名 カーネル KJ640T MFR(JIS K 7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」 190℃ 2.16kg荷重)=30g/10min 融点(JIS K 7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」 DSC融解ピーク温度)=58℃ 日本ポリケム製である。以下、「JIS K 7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」」を「JIS K 7210」と略記する。また、「JIS K 7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」」を「JIS K 7121」と略記する。
エチレン・プロピレンランダム共重合体は、例えば、商品名 ウィンテック WFX4T MFR(JIS K 7210 230℃ 2.16kg荷重)=7g/10min 融点(JIS K 7121 DSC融解ピーク温度)=125℃ 日本ポリプロ製である。
無延伸ポリオレフィンフィルムは、無延伸ポリプロピレンフィルム(15〜80μm)が好ましい。該無延伸ポリプロピレンフィルムは、厚さが大きいほど十分な機械的強度を有しているので、ポリオレフィン系樹脂組成物のTダイ押出によるシート化を安定させる。また、真空成形又は真空圧空成形の熱成形性を大きく改善できる。さらに、樹脂分が全てオレフィン系樹脂であるため原料戻しでき有益である。
セルロース繊維含有成形体は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物層が無延伸ポリオレフィンフィルム上に形成された複層構造を有するため、シート化を安定させ、真空成形又は真空圧空成形での成形性を改善できる。延伸することで表面をつや消し調とすることができる。また、前記セルロース繊維含有成形体は、粉砕セルロース繊維、エチレン・α‐オレフィン共重合体及びエチレン・プロピレンランダム共重合体を含有するので、セルロース繊維の熱黄変が抑えられ焼け臭気を低減することができる。
本実施形態に係るセルロース繊維含有成形体では、ポリオレフィン系樹脂組成物層の表面粗さ(Ra)が2.0〜10.0μmとなるように延伸されている場合が含まれる。ここで、表面粗さ(Ra)は、表面状態を示す粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計して平均した値である。表面粗さ(Ra)は、JIS B 0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ」に準じて測定する。真空成形又は真空圧空成形で延伸を行なうと、金型の形状によって一軸延伸又は二軸延伸される。そして、表面粗さ(Ra)の2.0〜10.0μm、好ましくは3.0〜7.0μmの範囲になるように延伸させることで、ポリオレフィン系樹脂組成物層側の表面がつや消し調に変化し、独特な風合いと柔らかい質感を表現したセルロース繊維含有成形体とすることができる。なお、表面粗さ(Ra)2.0μm未満であると、つや消し調が不十分と感じる場合があり、一方、表面粗さ(Ra)が10μmを超えると成形体が破れるおそれがある。
セルロース繊維の含有率を51質量%以上、好ましくは52〜58質量%以上とすることで、本実施形態に係るセルロース繊維含有成形体を環境配慮型樹脂組成物とすることができる。セルロース繊維のファイン量を高めることで、成形性が向上するため、セルロース繊維含有成形体の含有率を高めることができる。セルロース繊維が51質量%以上含有し、黄変が少ない本実施形態に係るセルロース繊維含有樹脂組成物は食品分野への適用等が可能である。セルロース繊維含有率を51質量%以上とした場合、無延伸ポリオレフィンフィルムとポリオレフィン系樹脂組成物層との複層構造体の厚さは、0.6〜1.2mmである。さらに、強度の観点から複層構造体の厚さが1.0mm〜1.2mmであることが好ましい。
(セルロース繊維含有成形体の製造方法)
次に、本実施形態に係るセルロース繊維含有成形体の製造方法について説明する。セルロース繊維含有成形体の製造方法は、セルロース繊維及びエチレン・α‐オレフィン共重合体を含む混合物を混練してセルロース繊維含有ペレットを製造する工程と、セルロース繊維含有ペレット及びエチレン・プロピレンランダム共重合体を混合してシート化し、無延伸ポリオレフィンフィルムに前記シートを重ねてセルロース繊維含有複層構造体を形成する工程と、セルロース繊維含有複層構造体を延伸して成形する工程と、を有する。
まず、セルロース繊維含有ペレットの製造方法について説明する。粉砕セルロース繊維と少量のエチレン・α‐オレフィン共重合体を高速攪拌ミキサーで混練し、非スクリュータイプの造粒機を用い見かけ比重0.5以上の円柱状のペレットに形成する。具体的には、セルロース繊維含有ペレットの製造方法は、ISO白色度が70%以上の粉砕されたセルロース繊維とエチレン・α‐オレフィン共重合体とを含む混合物を材料温度130℃以上150℃以下で混練して含有水分1.0質量%以下の混練物を形成する混練工程と、前記混練物を非スクリュータイプ圧縮造粒機で見かけ比重0.5以上のペレットとするペレット工程と、を有することを特徴とする。
混練工程では、セルロース繊維100質量部に対してエチレン・α‐オレフィン共重合体10〜55質量部、好ましくは10〜30質量部、更に好ましくは10〜15質量部を加え、高速攪拌ミキサーであるヘンシェルミキサーで紙焼けなく含有水分が1.0質量%以下になる材料温度130℃以上150℃以下の条件で混練する。この温度範囲で混練することで、セルロース繊維の熱黄変を防ぐことができる。好ましくは140℃以上150℃以下、更に好ましくは145℃以上147℃以下である。なお、上記セルロース繊維とエチレン・α‐オレフィン共重合体の他に、チタニア等の白色顔料、変性ポリオレフィン樹脂又は/及び滑剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
エチレン・α‐オレフィン共重合体が10質量部未満では、嵩高いセルロース繊維と良好な混合攪拌ができず水分除去に時間を要するため効率的でない。一方、エチレン・α‐オレフィン共重合体が55質量部より大きい場合は、セルロース繊維の嵩減らしとセルロース繊維の分散に有効であるが、ヘンシェルミキサー混練温度が150℃より高くなりやすく紙焼けを生じやすい。
ペレット工程では、混練工程で混練された混練物を、水冷ジャケットを有する冷却機で30〜80℃に冷却し、ペレット化する。嵩高い混練物を効率的に圧縮造粒できる非スクリュータイプ造粒機のディスクペレッター、例えば、ダルトン製を用いることが好ましい。
前記製造方法によれば、定量供給機でのセルロース繊維の計量性が良好で混練作業性を改善でき、またセルロース繊維の熱黄変及び焼け臭気の発生を防止することができるセルロース繊維含有ペレットを製造することができる。
以上のセルロース繊維含有ペレットの製造方法によって、ISO白色度が70%以上の粉砕されたセルロース繊維と、前記セルロース繊維100質量部に対して10質量部以上55質量部以下で加えられたエチレン・α‐オレフィン共重合体と、を含み、含有水分が1.0質量%以下で見かけ比重が0.5以上であることを特徴とするセルロース繊維含有ペレットが製造できる。
ペレットの見かけ比重が0.5未満ではペレットが壊れ易く輸送や移送が困難である。そのため、ペレットの見かけ比重を0.5以上、好ましくは0.55以上0.65以下
とする。
水分が1.0質量%より大きいと圧縮造粒でセルロース繊維が潰れ分散不良を起し易い。また、含有水分はシート化工程のTダイ押出機の真空脱気で除去することもできるが、1.0質量%より大きいとTダイ押出条件が不安定となり紙焼けの原因になる。
セルロース繊維の熱黄変に白色顔料の増量を行っても、水が成形体にかかると水による黄変が起る場合があるが、本発明に係るセルロース繊維含有ペレットの製造方法でセルロース繊維をペレット化することで熱黄変と水黄変とを防ぐことができる。さらに、熱黄変と水黄変とを防いだセルロース繊維含有成形体も得られる。
次に、セルロース繊維含有ペレットを用いてセルロース繊維含有成形体を製造する製造方法について説明する。
具体的には、セルロース繊維含有成形体の製造方法は、セルロース繊維含有ペレットの製造方法で製造したセルロース繊維含有ペレットとエチレン・プロピレンランダム共重合体との混合物をシート化してポリオレフィン系樹脂組成物シートを得るシート化工程と、無延伸ポリオレフィンフィルムに前記ポリオレフィン系樹脂組成物シートを重ねてセルロース繊維含有複層構造体とする工程と、前記セルロース繊維含有複層構造体を延伸して、前記ポリオレフィン系樹脂組成物シート側の表面をつや消し調とする工程と、を有する。
シート化工程では、セルロース繊維含有ペレットとエチレン・プロピレンランダム共重合体とをドライブレンドし、セルロース繊維含有ペレットとエチレン・プロピレンランダム共重合体との配合比率によってセルロース繊維含有率を調整してシート化する。セルロース繊維含有ペレットとエチレン・プロピレンランダム共重合体との配合比率はセルロース繊維含有ペレットに含まれているセルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体を40質量部以上129質量部以下、好ましくは50質量部以上70質量部、更に好ましくは56質量部以上60質量部の範囲で加えることで調整できる。セルロース繊維含有ペレットは、見かけ比重が0.5以上で、含有水分が1.0質量%以下であるのでシート化工程での定量供給機の重量フィダーで安定供給でき、Tダイ押出条件が安定し紙焼けが生じ難い。
セルロース繊維含有ペレット中のエチレン・α‐オレフィン共重合体は、エチレン・プロピレンランダム共重合体と良好な分散状態を形成できる。そのため、ポリオレフィン系樹脂組成物シートは、熱成形の際に紙が焼けない温度で温度分布を生じても均一な成形体を得ることができる。セルロース繊維含有樹脂組成物は材料温度が200℃以上から急激に黄変する。そのため、エチレン・プロピレンランダム共重合体の樹脂融点は低く成形に有利であり、またTダイ押出によるシート化にも押出温度を下げることができるので望ましい。
セルロース繊維含有複層構造体の形成工程は、ポリオレフィン系樹脂組成物シートと無延伸ポリオレフィンフィルムとを、好ましくは貼り合わせてセルロース繊維含有複層構造体を形成する。ポリオレフィン系樹脂組成物シートと無延伸ポリオレフィンフィルムとは熱融着によって接合状態とすることが好ましい。このとき、ポリオレフィン系樹脂組成物シートの温度が高いうちに無延伸ポリオレフィンフィルムに接触させて融着させることが好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂組成物シートの温度が下がっている場合は、輻射熱で加熱しながら接合しても良い。
具体的には、セルロース繊維含有複層構造体の形成工程で、無延伸ポリオレフィンフィルムの少なくとも一方の面に、セルロース繊維、エチレン・α‐オレフィン共重合体及びエチレン・プロピレンランダム共重合体を含有するポリオレフィン系樹脂組成物層が形成されていることを特徴とするセルロース繊維含有複層構造体が形成できる。
成形工程で、セルロース繊維含有複層構造体を熱成形して前記ポリオレフィン系樹脂組成物を延伸させて表面をつや消し調とすることができ、独特な風合いと柔らかい質感を表現した成形体にすることができる。この延伸は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物の表面粗さ(Ra)が2.0〜10.0μm、好ましくは3.0〜7.0μmとなるようにセルロース繊維含有複層構造体を真空成形又は真空圧空成形することが好ましい。また、セルロース繊維含有複層構造体を真空成形又は真空圧空成形によらず、一軸方向や二軸以上の多軸方向に延伸しても同様の効果を得ることができる。
ファイン量を高めたセルロース繊維を混練工程で混練することで、51質量%以上のセルロース繊維含有率のポリオレフィン系樹脂組成物のTダイ押出性とセルロース繊維含有成形体の成形性とが向上し、51質量%以上とした環境配慮型成形体の製造が容易になる。また、セルロース繊維含有率を51質量%以上とした環境配慮型成形体は、複層構造体の厚さが0.6〜1.2mmであるものから形成でき、強度の観点から厚さが1.0mm〜1.2mmであることが好ましい。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
前記のセルロース繊維含有成形体の製造方法において、次に示す条件で実施例1のセルロース繊維含有成形体を製造した。まず、混練工程で、粉砕セルロース繊維100質量部に対して、エチレン・α‐オレフィン共重合体を10質量部、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン「商品名:MODIC−AP ER333F−2 MFR(JIS K 7210 190℃ 2.16kg荷重)=7.5g/10min 融点(JIS K 7121 DSC融解ピーク温度)=134℃ 三菱化学製」を4質量部、白色顔料としての酸化チタンを4質量部及び滑剤を8質量部を加え、ヘンシェルミキサーで混練し混練物を形成した。使用した酸化チタンは、商品名 タイペークA−220 石原産業製である。使用した滑材は、商品名 エクセレックス30200B 三井化学製/商品名 リケマールEW‐90 理研ビタミン製=50/50質量%混合物である。
ここで、粉砕セルロース繊維として、ISO白色度90%、パルプ粘度1.5、長さ加重平均繊維長0.15mm、ファイン量87.9質量%のLBP(広葉樹晒パルプ)100質量%の紙粉砕物を使用した。ファイン量は、カヤニ社のFS−2000を用いてJAPAN TAPPI パルプ及び紙−繊維長試験方法−光学的自動測定法 No52−2000に順じて長さ加重平均繊維長、0.2mm以下のファイン量を算出した。
混練工程での材料温度として、ヘンシェルミキサーでの攪拌終了時の混練物温度を測定した。以下、この温度をヘンシェルミキサー温度と記載する。実施例1のヘンシェルミキサー温度は、147℃であった。
次いで、ペレット工程で、前記混練物をディスクペレッターでペレット化した。このセルロース繊維含有ペレットは、見かけ比重0.58、セルロース繊維含有率80質量%、含有水分0.2質量%であった。見かけ比重は、2Lのメスシリンダーにセルロース繊維含有ペレットを入れ質量を測定し、容積当りの質量を算出した。
さらに、セルロース繊維含有ペレットに含まれる粉砕セルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体を56質量部加え、ドライブレンドし、重量フィダーで供給しながらTダイから押し出すシート化工程と無延伸ポリオレフィンフィルムにシート化工程で得られたポリオレフィン系樹脂組成物シートを重ねてセルロース繊維含有複層構造体とする工程とを同時に行った。Tダイ押し出しに同方向二軸押出機(TEM104BS 東芝機械製)を用いた。具体的には、Tダイから押し出されたポリオレフィン系樹脂組成物シートに無延伸ポリプロプレンフィルム60μmを重ねて、1.2mm厚の巻取りシートサンプル(セルロース繊維含有複層構造体)を得た。セルロース繊維含有複層構造体のセルロース繊維含有率は、53質量%であった。
さらに、ポリオレフィン系樹脂組成物シート側の表面をつや消し調とする工程(以下、「成形工程」と略記する。)で、セルロース繊維含有複層構造体を開口部1に対して深さ0.6の容器16ヶ取りの成形を真空成形で行った。
製造工程における作業性について、シート化工程における重量フィダーでの計量性、シート化工程におけるTダイ押出性、成形工程における成形性についての評価を行なった。また、セルロース繊維含有複層構造体についてはL*a*b*表色系に基づいて色相の評価を行った。色相は、ミノルタ社製の色差計 CR−300を用いL*値、a*値、b*値を測定した。
セルロース繊維含有成形体については焼け着色の有無、水黄変の有無、外観及び表面粗さについて評価した。焼け着色については、真空成形後のシートサンプルを視感にて黄色味の有無で判定した。水黄変については、成形品50gを蒸留水30mlに浸漬し、35℃で2日間保持した。その後ろ過し水層について着色度合いを視感で評価した。視感評価は無色か淡黄色かで判定した。外観については、真空成形後の表面状態から評価した。表面粗さ(Ra)については、レーザ顕微鏡(VK−9700 キーエンス社製)を用いて、JIS B 0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」に準じて測定した。
以下に実施例1における各評価結果について説明する。
重量フィダーでの計量性は、実用上全く問題が無かった。Tダイ押出性は、引き取り速度の調整も必要なく、実用上全く問題が無かった。成形性は、穴あきはなく深絞りができるため実用上全く問題がなかった。
セルロース繊維含有複層構造体の色相の測定結果は、L*が90.8、a*が−1.6、b*が6.8だった。
セルロース繊維含有成形体の焼け着色については、黄色味がなく熱黄変はない。水黄変評価で無色であり水黄変はない。外観については、光沢がなく均一な白い表面状態で独特な風合いと質感であった。表面粗さ測定結果は7.3μmであった。なお、真空成形前のシートサンプルの表面粗さは0.9μmであった。以上を表1にまとめた。
Figure 0005032106
表1内の“*1”〜“*20”は、以下のことを示す。
*1 ISO白色度90%、パルプ粘度1.5、長さ加重平均繊維長0.15mm、ファイン量87.9質量%、LBP100質量%の紙粉砕物
*2 ISO白色度80%、パルプ粘度2.5、長さ加重平均繊維長0.22mm、ファイン量65.6質量%、LBP100質量%の紙粉砕物
*3 ISO白色度80%、パルプ粘度6.5、長さ加重平均繊維長0.32mm、ファイン量26.9質量%、LBP90質量% 炭酸カルシウム10質量%の紙粉砕物
*4 ISO白色度64%、パルプ粘度9.0、長さ加重平均繊維長0.55mm、ファイン量8.1質量%、LBP60質量% GP(砕木パルプ)30質量% 炭酸カルシウム10質量%の紙粉砕物
*5 ファイン量:カヤニ社 FS−2000 JAPAN TAPPI No52−2000に順じて長さ加重平均繊維長、0.2mm以下のファイン量を算出した。
*6 不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂:商品名 MODIC−AP ER333F−2 MFR(JIS K 7210 190℃ 2.16kg荷重)=7.5g/10min 融点(JIS K 7121 DSC融解ピーク温度)=134℃ 三菱化学製
*7 酸化チタン:商品名 タイペークA‐220 石原産業製
*8 滑材:商品名 エクセレックス30200B 三井化学製/商品名 リケマールEW‐90 理研ビタミン製=50/50質量%混合物
*9 ヘンシェルミキサー温度:攪拌終了時の材料温度を示す。
*10 見掛け嵩比重:2Lのメスシリンダーにセルロース繊維含有ペレットを入れ質量を測定し、容積当りの質量を算出した。
*11 貼合フィルム:無延伸ポリプロプレンフィルム 60μm
*12 重量フィダー計量性
○:全く問題なし。
×:安定した供給ができず、実用上問題あり。
*13 Tダイ押出性:同方向二軸押出機(TEM104BS 東芝機械製)を用い厚さ1.2mmのシートを作製した。
○:全く問題なし。
△:引取速度の調整が必要で、実用上問題あり。
×:安定した引き取りができず、実用上問題あり。
*14 シート色相:ミノルタ社製の色差計 CR−300を用いL*値、a*値及びb*値を測定した。
*15 真空成形性:開口部1に対して深さ0.6の容器、16ヶ取りの成形を行った。
◎:予熱時にシートのたれ下がりがなく、成形作業性が良好であり、良好なセルロース繊維含有成形体が得られ、実用上全く問題がない。
○: 予熱時にシートのたれ下がりが大きく成形作業性は劣るが、良好なセルロース繊維含有成形体は得られるので、実用上問題ない。
×:時々穴があき深絞りできず、実用上問題あり。
*16 焼け着色:シートを視感にて次の基準で判定した。
○:黄色身がない。
×:黄色味ややあり、実用上問題あり。
*17 水黄変:成形品50gを蒸留水30mlに浸漬し、35℃で2日間保持した。その後、ろ過し水層について着色度合いを視感で評価した。視感評価は、下記の基準で判定した。
○:無色で実用上の問題なし。
×:淡黄色で実用上の問題あり。
*18 外観:真空成形後の表面状態から評価した。
○:光沢がなく均一な白い表面状態で独特な風合いと質感を表現している。
△:光沢がなく均一であるが黄色味が強く、実用上問題あり。
×:従来のプラスチック様表面である。
*19 表面粗さ(Ra):レーザ顕微鏡(VK−9700 キーエンス社製)を用いて、JIS B 0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」に準じて測定した。
*20 成形不良のため未評価である。
(実施例2)
セルロース繊維含有ペレットに含まれる粉砕セルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体を63質量部加えた以外は実施例1と同様にして、セルロース繊維含有成形体を作製した。
(実施例3)
セルロース繊維の白色度を80%とし、セルロース繊維含有ペレットに含まれる粉砕セルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体を100質量部加えた以外は実施例1と同様にして、セルロース繊維含有成形体を作製した。ここに、セルロース繊維は、ISO白色度80%、パルプ粘度2.5、長さ加重平均繊維長0.22mm、ファイン量65.6質量%、LBP100質量%の紙粉砕物を使用した。
(実施例4)
エチレン・α‐オレフィン共重合体を26質量部とし、また、セルロース繊維含有ペレットに含まれる粉砕セルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体を129質量部加え、更に、ヘンシェルミキサー温度を145℃とした以外は実施例1と同様にして、セルロース繊維含有成形体を作製した。
(実施例5)
セルロース繊維の白色度を80%とし、エチレン・α‐オレフィン共重合体を55質量部とし、また、セルロース繊維含有ペレットに含まれる粉砕セルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体を100質量部加えた以外は実施例1と同様にして、セルロース繊維含有成形体を作製した。ここに、セルロース繊維は、ISO白色度80%、パルプ粘度6.5、長さ加重平均繊維長0.32mm、ファイン量26.9質量%、LBP90質量% 炭酸カルシウム10質量%の紙粉砕物を使用した。
実施例2から実施例5の真空成形前のセルロース繊維含有複層構造体の表面粗さは0.9μmであった。
(比較例1)
セルロース繊維を添加せず、エチレン・α‐オレフィン共重合体10質量部に対して、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンを4質量部、エチレン・プロピレンランダム共重合体100質量部、酸化チタン4質量部、滑剤を8質量部を加えて、シート化した。表面粗さは0.9μmであった。続いて、真空成形によって成形体を得た。表面粗さは0.9μmであり、従来のプラスチック様の外観であった。
(比較例2)
ヘンシェルミキサー温度を90℃としたこと及びセルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体71質量部を加えたこと以外は実施例3と同様にして、セルロース繊維含有成形体の作製を試みた。
(比較例3)
ディスクペレッターでペレット化しなかった以外は実施例4と同様にして、セルロース繊維含有成形体の作製を試みた。
(比較例4)
セルロース繊維としてISO白色度64%、パルプ粘度9.0、長さ加重平均繊維長0.55mm、ファイン量8.1質量%、LBP60質量% GP30質量% 炭酸カルシウム10質量%の紙粉砕物を使用したこと及びセルロース繊維100質量部に対してエチレン・プロピレンランダム共重合体を71質量部加えたこと以外は実施例2と同様にして、セルロース繊維含有ペレットを作製した。そして、貼合フィルムなしとして実施例2と同様にしてシートを作製し、更にセルロース繊維含有成形体を得た。
(比較例5)
ヘンシェルミキサー温度を180℃としたこと以外は実施例3と同様にして、セルロース繊維含有成形体を作製した。
比較例4及び比較例5の真空成形前のセルロース繊維含有複層構造体の表面粗さは0.9μmであった。
実施例4と比較例3との比較によれば、比較例3ではセルロース繊維をペレット化しないことによって、シート化工程でダイスのない二軸混練機から押出した不定形のセルロース繊維混練物の嵩が大きく、重量フィダーでの定量供給ができず安定したシートができなかった。
実施例3と比較例2との比較によれば、比較例2ではセルロース繊維をディスクペレッターで造粒したペレットの水分が多く(5質量%)、シート化で発泡ぎみでありセルロース繊維の分散も悪く安定したシートができなかった。
実施例2と比較例4との比較によれば、比較例4ではシート化で安定した引き取りができず、かつ、シートの真空成形性が悪く成形品の水黄変があった。
実施例3と比較例5との比較によれば、比較例5のシートのb*値は実施例3のシートのb*値より大きく黄色味があった。また、実施例3の成形品には焼け着色及び水黄変がなかったことに対し、比較例5の成形品には焼け着色及び水黄変があった。
実施例1〜5の製造工程における作業性の評価及びセルロース繊維含有成形体の外観評価について表1にまとめた。
表1の結果からわかるように、各実施例は比較例に比べて成形性及び外観に優れており、真空成形のよいセルロース繊維含有成形体を得ることができた。また、セルロース繊維の混練作業性を改善でき、熱黄変と水黄変を改善した環境配慮型樹脂組成物の成形体にすることができた。

Claims (4)

  1. JIS P 8148:2001「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」で規定されるISO白色度が70%以上の粉砕されたセルロース繊維とエチレン・α‐オレフィン共重合体とを含み、前記セルロース繊維100質量部に対してエチレン・α‐オレフィン共重合体が10質量部以上55質量部以下で加えられた混合物を材料温度130℃以上150℃以下で混練して含有水分1.0質量%以下の混練物を形成する混練工程と、
    前記混練物を非スクリュータイプ圧縮造粒機で見かけ比重0.5以上のセルロース繊維含有ペレットとするペレット工程と、
    前記セルロース繊維含有ペレットとエチレン・プロピレンランダム共重合体との混合物をシート化してポリオレフィン系樹脂組成物シートを得るシート化工程と、
    無延伸ポリオレフィンフィルムに前記ポリオレフィン系樹脂組成物シートを重ねてセルロース繊維含有複層構造体とする工程と、
    前記セルロース繊維含有複層構造体を延伸して、前記ポリオレフィン系樹脂組成物シート側の表面をつや消し調とする工程と、を有し、
    該つや消し調とする工程において、前記ポリオレフィン系樹脂組成物シート側の表面粗さ(Ra)が2.0〜10.0μmとなるように前記セルロース繊維含有複層構造体を真空成形又は真空圧空成形で延伸させることを特徴とするセルロース繊維含有成形体の製造方法。
  2. 前記セルロース繊維は、JIS P 8148:2001「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」で規定されるISO白色度が90%以上であり、且つ、0.2mm以下の微細セルロース繊維を80質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のセルロース繊維含有成形体の製造方法。
  3. 前記セルロース繊維の含有率が51質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロース繊維含有成形体の製造方法。
  4. 前記セルロース繊維に熱黄変が生じていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のセルロース繊維含有成形体の製造方法。
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