JP2023079331A - 樹脂組成物及びそれから形成された成形体、並びにバイオマス材料含有複合体 - Google Patents

樹脂組成物及びそれから形成された成形体、並びにバイオマス材料含有複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】ムラがなく均一であり、かつバイオマス材料の含有濃度の高い成形体を提供することを目的とする。【解決手段】本技術は、バイオマス材料含有複合体を含む樹脂組成物であって、前記バイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、分散剤及び流動化剤を含み、前記樹脂組成物の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が68質量%以下である樹脂組成物を提供する。前記分散剤は、脂肪酸金属塩である。前記樹脂組成物の質量に対する前記脂肪酸金属塩の含有割合が1.00質量%以上5.00質量%以下である。前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸亜鉛である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及びそれから形成された成形体、並びにバイオマス材料含有複合体に関する。
従来のプラスチック成形体は、廃棄後に自然環境下では分解し難く、自然環境を汚染する一つの原因となっている。近年、廃棄後に自然環境下で分解される素材が検討され、このような素材として、バイオマス素材を含むプラスチック成形体が注目されている。当該プラスチック成形体は、バイオマス素材を石油系材料の代替として含むので、燃焼時に排出されるCO2を削減可能である。バイオマス素材としては、例えば廃棄物系バイオマス(食物廃棄物、家畜排泄物、建築廃材、及び古紙など)、未利用バイオマス(農作物非食用部及び林地残材など)、及び、資源穀物を挙げることができる。より具体的なバイオマス素材の例として、例えば、木粉、稲わら、竹、及び古米などを挙げることができる。
バイオマス素材として、天然に豊富に存在し、安価な澱粉が使用されている。澱粉は、燃焼に伴って排出される二酸化炭素の量を基準にし、元となる植物(澱粉)が成長過程で吸収した二酸化炭素の量と同じ量となる、いわゆるカーボンニュートラルな素材である。しかし、澱粉自体は、高分子量の素材であり、澱粉のままでは成形時の流動性に乏しく、成形加工性に難点があるため、様々な方法により可塑性を付与した澱粉が利用されている。澱粉を含むプラスチック成形体に関して、例えば、下記特許文献1には、第1の澱粉及び第2の澱粉を含む澱粉系ポリマー材料と、ポリオレフィン系ポリマー材料と、を含む、ポリマー内容物を含む物品であって、91日後に生分解するポリマー内容物の量が、約55重量%の水及び約45重量%の有機固形物を有する接種材料を使用して約52℃の温度で行われるバイオメタン潜在性試験の結果に基づいて、第1の澱粉及び第2の澱粉の量よりも多い、物品が開示されている。
特開2018-521181号公報
近年、バイオマス素材を多く含む、より自然に優しいプラスチック成形体が求められている。バイオマス素材を含むプラスチック成形体を製造する際、澱粉等のバイオマス素材は形態が粉体であるものが多く、原料輸送の点や製造工程での取り扱いやすさの点から、澱粉等のバイオマス素材を含む樹脂ペレットが用いられている。バイオマス素材を多く含むプラスチック成形体を製造するためには、前記樹脂ペレット中のバイオマス素材の含有量を大きくする必要がある。しかしながら、樹脂ペレット中のバイオマス素材の含有量を大きくすると、固形分が多くなるため樹脂に流動性がなくなり、樹脂ペレットの成形が困難になるという問題がある。
本発明は、ムラがなく均一であり、かつバイオマス材料の含有濃度の高い成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定のバイオマス材料含有複合体によって、ムラがなく均一であり、かつバイオマス材料の含有濃度の高い成形体を提供することができることを見出した。
すなわち、本技術は、バイオマス材料含有複合体を含む樹脂組成物であって、
前記バイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、分散剤及び流動化剤を含み、前記樹脂組成物の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が68質量%以下である樹脂組成物を提供する。
前記分散剤は、脂肪酸金属塩でありうる。
前記樹脂組成物の質量に対する前記脂肪酸金属塩の含有割合は1.00質量%以上5.00質量%以下でありうる。
前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸亜鉛でありうる。
前記バイオマス材料含有複合体は、樹脂をさらに含みうる。
本技術は、バイオマス材料含有複合体を含む樹脂組成物であって、
前記バイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、樹脂及び流動化剤を含み、前記樹脂組成物の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が68質量%以下である樹脂組成物を提供する。
本技術は、前記樹脂組成物から形成された成形体を提供する。
前記成形体はフィルム又はシートでありうる。
前記成形体は射出成形体、ブロー成形体、及びインフレーション成形体のうちから選択されうるものである。
本技術は、バイオマス材料、分散剤及び流動化剤を含むバイオマス材料含有複合体であって、当該バイオマス材料含有複合体の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が70質量%以上であるバイオマス材料含有複合体を提供する。
前記分散剤は、脂肪酸金属塩でありうる。
前記バイオマス材料含有複合体の質量に対する前記脂肪酸金属塩の含有割合は7.0質量%以上9.5質量%以下でありうる。
前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸亜鉛でありうる。
本技術は、さらに、樹脂を含む、前記バイオマス材料含有複合体を提供する。
前記樹脂は、熱可塑性樹脂でありうる。
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂でありうる。
本技術は、前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン樹脂でありうる。
バイオマス材料、樹脂及び流動化剤を含むバイオマス材料含有複合体であって、当該バイオマス材料含有複合体の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が70質量%以上であるバイオマス材料含有複合体を提供する。
本技術により、ムラがなく均一であり、かつバイオマス材料の含有濃度の高い成形体を提供できる。
なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
従来の原料混練時に用いる二軸押出機の摸式的断面図である。 本技術に係る、バイオマス材料含有複合体の原料混練時に用いる二軸押出機の摸式的断面図である。
以下、本技術を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、本技術はこれらの実施形態のみに限定されるものでない。
本技術について、以下の順序で説明を行う。
1.本技術の第一の実施形態に係る樹脂組成物
(1)バイオマス材料含有複合体
(2)バイオマス材料含有複合体の製造方法
(3)樹脂組成物
(4)樹脂組成物の製造方法
2.本技術の第二の実施形態に係る樹脂組成物
(1)バイオマス材料含有複合体
(2)バイオマス材料含有複合体の製造方法
(3)樹脂組成物
(4)樹脂組成物の製造方法
3.成形体
4.実施例
1.本技術の第一の実施形態に係る樹脂組成物
本技術の第一の実施形態に係る樹脂組成物は、バイオマス材料含有複合体を含むものである。本実施形態におけるバイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、分散剤及び流動化剤を含み、樹脂組成物の質量に対してバイオマス材料の含有割合が68質量%以下である。
以下、本技術の第一の実施形態に係る樹脂組成物についてより詳細に説明する。
(1)バイオマス材料含有複合体
本技術の第一の実施形態に係る樹脂組成物に含まれるバイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、分散剤及び流動化剤を含むものである。
<バイオマス材料>
前記バイオマス材料含有複合体に含まれるバイオマス材料は、好ましくは植物由来のバイオマス材料であり、より具体的には澱粉材料、及びセルロース材料を挙げることができる。澱粉材料、及びセルロース材料は、廃棄物系バイオマス、未利用バイオマス、又は資源穀物に分類されるものであってよい。また、バイオマス材料として、動物由来のものであってもよく、例えば、卵殻を挙げることができる。
前記澱粉材料として、生澱粉を用いることができ、例えば、地下系澱粉の澱粉及び地上系澱粉の澱粉を挙げることができる。地下系澱粉は、地下で蓄積された澱粉であり、例えば、地下茎又は根などに蓄積された澱粉をいう。地下系澱粉として、例えば、タピオカ澱粉(キャッサバ澱粉)、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、クズ澱粉、及びワラビ澱粉を挙げることができるがこれらに限定されない。
地上系澱粉は、地上で蓄積された澱粉であり、例えば、種子などに蓄積された澱粉をいう。地上系澱粉として、例えば、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、ドングリ澱粉及び米澱粉を挙げることができるがこれらに限定されない。
本技術において、好ましくは地下系澱粉が用いられる。地下系澱粉を用いて澱粉含有複合体を調製し、その澱粉含有複合体を含有する樹脂組成物から成形体を製造することによって、澱粉含有濃度の高い成形体を折ることができる。
澱粉材料は、澱粉の変性物(すなわち変性澱粉)、特には地下系澱粉の変性物であってもよい。このような変性物として、物理的に変性された物理的変性澱粉又は化学的に修飾された化学的変性澱粉が挙げられる。物理的変性澱粉としては、例えば、アルファー澱粉、湿熱澱粉等が挙げられる。また、化学的変性澱粉として、例えば、アセト酢酸エステル化澱粉、酢酸エステル化澱粉、ヒドロキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、アリルエーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、コハク酸エステル化澱粉、キサントゲン酢酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、リン酸架橋澱粉、ホルムアルデヒド架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉等が挙げられる。
なお、澱粉材料がトウモロコシ澱粉である場合、成形体の成形性を向上させる観点から、その粒子径が好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは15μm以上である。粒子径の上限値は、特に限定されないが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下である。
なお、澱粉材料がタピオカ澱粉である場合、成形体の成形性を向上させる観点から、その粒子径が好ましくは2μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは15μm以上である。粒子径の上限値は、特に限定されないが、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは25μm以下である。
なお、澱粉材料が馬鈴薯澱粉である場合、成形体の成形性を向上させる観点から、その粒子径が好ましくは2μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、さらに好ましくは30μm以上である。粒子径の上限値は、特に限定されないが、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下である。
また、澱粉材料は、好ましくは平衡水分を含むものであってよい。平衡水分の量は、例えば、澱粉材料質量に対して、好ましくは10質量%~15質量%であり、より好ましくは10質量%~14質量%であり、さらに好ましくは10質量%~13質量%であり、さらにより好ましくは11質量%~13質量%でありうる。
本技術において、バイオマス材料含有複合体に含まれるセルロース材料として、紙、紙パルプ、綿、又は布の粉砕物を挙げることができる。
セルロース材料の粒子サイズD50(メジアン径)は、例えば、15μm~150μmであり、特には好ましくは20μm~100μmでありうる。粒子サイズD50は、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD-3100、株式会社島津製作所)を用いた湿式測定により決定される。セルロース材料が、上記数値範囲内の粒子サイズを有することにより、バイオマス材料含有複合体に含まれるセルロース材料の分散性を向上させることに貢献しうる。
本技術に従い、セルロース材料を構成するセルロース繊維のうち、9.8μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース材料を構成する全セルロース繊維の数の65%~100%、好ましくは70%~100%、より好ましくは80%~100%、さらにより好ましくは85%~100%を占める。セルロース繊維の数に関する上記割合は、セルロース材料の全セルロース繊維数のうちの、0μm~9.8μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(以下、「第一の割合」という)と0μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(以下、「第二の割合」という)とを、前記レーザ回折式粒度分布測定装置を用いた湿式測定により決定し、前記第二の割合から前記第一の割合を差し引くことによって求められる。前記数値範囲「0μm~9.8μm」及び「0μm~110.6μm」はいずれも、前記湿式測定において、前記レーザ回折式粒度分布測定装置に対して入力される数値範囲である。
本技術において、特に好ましくは、セルロース材料を構成するセルロース繊維のうち、110.6μm~998.4μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース材料を構成する全セルロース繊維の数の0%~30%、好ましくは0%~25%、より好ましくは0%~20%、さらにより好ましくは0%~15%を占める。セルロース繊維の数に関する上記割合は、セルロース材料における全セルロース繊維数のうちの、0μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(上記「第二の割合」である)と0μm~998.4μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(以下、「第三の割合」という)とを、前記レーザ回折式粒度分布測定装置を用いた湿式測定により決定し、前記第三の割合から前記第二の割合を差し引くことによって求められる。前記数値範囲「0μm~110.6μm」及び「0μm~998.4μm」はいずれも、前記湿式測定において、前記レーザ回折式粒度分布測定装置に対して入力される数値範囲である。
上記粒子サイズ分布を有するセルロース材料は、例えば、パルプを酸などの化学薬品により処理を行うことで製造されうる。上記粒子サイズ分布を有するセルロース材料として、例えば、KCフロックW400(日本製紙株式会社)を挙げることができる。
上記粒子サイズ分布を有するセルロース粉末を用いることによって、成形体を製造する場合により良い成形性がもたらされる。
特には、セルロース粉末を構成するセルロース繊維のうち、9.8μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース粉末を構成する全セルロース繊維の数の80%~100%、さらにより好ましくは85%~100%を占めることによって、樹脂組成物を成形に付して得られる成形体における破れ又は穴の発生を防ぐことができる。成形体の破れ又は穴の発生を防ぐために、特に好ましくは、セルロース粉末を構成するセルロース繊維のうち、110.6μm~998.4μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース粉末を構成する全セルロース繊維の数の0%~20%、さらにより好ましくは0%~15%を占める。
本技術の他の好ましい実施態様に従い、セルロース粉末は、100メッシュパスが90%以上である粒度を有しうる。この実施態様において、より好ましくは、セルロース粉末が、100メッシュパスが90%以上である粒度を有し、かつ、セルロース粉末の見掛け比重が0.30g/ml~0.40g/mlでありうる。
前記粒度は、標準篩い法により測定され、具体的には以下のとおりに測定される。すなわち、試料10gを100メッシュの標準ふるいに入れ、受皿及び蓋を当該標準ふるいにセットし、そして、ロータップ型振とう機で40分間振とうする。そして、試料質量(10g)及び篩い残分の質量から、以下の式により、粒度が求められる。
粒度(%)=[(試料質量(g)-篩い残分(g))/試料質量(g)]×100
前記見掛け比重は、以下のとおりに測定される。すなわち、試料10gを天秤で精秤し、50mlメスシリンダーに入れる。当該試料が飛び散らないようにして当該メスシリンダーの底をゴムシートが敷かれた台の上にあてて叩く。当該叩く作業を、試料がこれ以上詰まらなくなるまで続ける。当該叩く作業の後に、試料の表面を平らにし、その目盛り(容積、ml)を読む。そして、以下の式で見かけ比重が求められる。
見掛け比重(g/ml)=試料(10g)/容積(ml)
上記粒度(又は上記粒度及び上記見掛比重)を有するセルロース粉末は、例えば、パルプを機械的に粉砕(例えば、ジェットミル粉砕)することによって製造されうる。上記粒度(又は上記粒度及び上記見掛比重)を有するセルロース粉末として、例えば、商品名「KCフロック(登録商標)100GK」(日本製紙社製)を挙げることができる。
本実施形態において、前記バイオマス材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して70質量%以上、好ましくは71質量%以上、75質量%以上、より好ましくは77質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上でありうる。また、前記バイオマス材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは96質量%以下、より好ましくは93質量%以下、90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下でありうる。また、バイオマス材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは70質量%以上95質量%以下、より好ましくは71質量%以上93質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上85質量%以下でありうる。
本実施形態において、バイオマス材料が澱粉材料の場合、澱粉材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して70質量%以上、好ましくは71質量%以上、75質量%以上、より好ましくは77質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上でありうる。また、澱粉材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは96質量%以下、より好ましくは93質量%以下、90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下でありうる。また、澱粉材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは70質量%以上96質量%以下、より好ましくは71質量%以上93質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上85質量%以下でありうる。
本実施形態において、バイオマス材料がセルロース材料の場合、セルロース材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して70質量%以上、好ましくは71質量%以上、75質量%以上、より好ましくは77質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上でありうる。また、セルロース材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは93質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下でありうる。また、セルロース材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは70質量%以上93質量%以下、より好ましくは71質量%以上90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上85質量%以下でありうる。
<分散剤>
前記バイオマス材料含有複合体に含まれる分散剤として、脂肪酸金属塩が挙げられる。このような脂肪酸金属塩として、例えば、好ましくは炭素数が10~30の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩であってよく、より好ましくは炭素数が12~25の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩であってよい。より具体的には、前記分散剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、安息香酸カリウム、及び安息香酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種でありうる。本技術において、分散剤としてステアリン酸マグネシウムを用いて、樹脂と、バイオマス材料として澱粉とを含有させると、バイオマス材料含有複合体は、塊成分が多くなる。また、分散剤としてステアリン酸亜鉛を用いて、樹脂と、バイオマス材料として澱粉とを含有させると、バイオマス材料含有複合体は、粉成分が多くなる。
なお、前記バイオマス材料含有複合体の質量に対する分散剤の含有割合が、好ましくは1.2質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%以上、さらにより好ましくは7.0質量%以上でありうる。また、前記バイオマス材料含有複合体の質量に対する分散剤の含有割合が、好ましくは9.5質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは7.0質量%以下でありうる。また、バイオマス材料含有複合体の質量に対する分散剤の含有割合が、好ましくは1.2質量%以上9.5質量%以下、より好ましくは3.0質量%以上8.0質量%以下、さらに好ましくは4.0質量%以上7.0質量%以下、7.0質量%以上9.5質量%以下でありうる。
<流動化剤>
前記バイオマス材料含有複合体に含まれる流動化剤として、脂肪酸エステルが挙げられる。このような脂肪酸エステルとして、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、特殊脂肪酸エステル、及び高級アルコール脂肪酸エステル等であってよい。なお、前記グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、及び中鎖脂肪酸モノグリセリドを包含する。
前記流動化剤は、好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルから選ばれてもよい。
なお、前記バイオマス材料含有複合体の質量に対する流動化剤の含有割合が、好ましくは0.70質量%以上、より好ましくは0.75質量%以上、さらに好ましくは0.77質量%以上でありうる。また、前記バイオマス材料含有複合体の質量に対する流動化剤の含有割合が、好ましくは0.95質量%以下、より好ましくは0.93質量%以下、さらに好ましくは0.85質量%以下でありうる。また、バイオマス材料含有複合体の質量に対する流動化剤の含有割合が、好ましくは0.70質量%以上0.95質量%以下、より好ましくは0.75質量%以上0.93質量%以下、さらに好ましくは0.77質量%以上0.85質量%以下でありうる。
<樹脂>
本実施形態に係るバイオマス材料含有複合体は、樹脂を必須成分とせず、樹脂の含有量がバイオマス材料含有複合体に対して、0質量%であってもよい。なお、強度を向上させる観点から、前記バイオマス材料含有複合体は、さらに樹脂を含んでいてもよい。このような樹脂として、熱可塑性樹脂が挙げられる。当該熱可塑性樹脂は、好ましくはポリオレフィン系樹脂若しくはポリエステル系樹脂、又は、これらの樹脂の混合物であってよい。前記熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン類(例えば、α-オレフィン類)を主要なモノマーとする重合により得られる高分子である。当該ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂若しくはポリプロピレン(PP)樹脂又はこれらの組み合わせであってよい。なお、混練時に澱粉、セルロース材料等のバイオマス材料の劣化を防止する観点から低融点のポリエチレン(PE)樹脂を用いるのが好ましい。
ポリエチレン樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE: Low Density Polyethylene)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE: High Density Polyethylene)、超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE:Very Low Density Polyethylene)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE: Linear Low Density Polyethylene)、又は超高分子量ポリエチレン樹脂(UHMW-PE: Ultra High Molecular Weight-Polyethylene)又はこれらの組み合わせであってよい。
ポリプロピレン樹脂は、例えば、ホモポリマーのポリプロピレン樹脂、又は、ランダムコポリマー若しくはブロックコポリマーのポリプロピレン樹脂(例えば、エチレン-プロピレン共重合体など)又はこれらの組み合わせであってよい。
ポリオレフィン系樹脂は、好ましくはバイオマス由来のポリオレフィン系樹脂(例えば、バイオマス由来ポリエチレン樹脂など)であってよく、例えば、バイオマスポリエチレン樹脂でありうる。バイオマスポリエチレン樹脂は、例えば、LDPE、LLDPE、又はHDPEでありうる。これによりCO2排出量を削減することができる。
前記ポリオレフィン系樹脂は、メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィン系樹脂であってもよい。すなわち、前記熱可塑性樹脂は、例えば、メタロセン触媒系のポリエチレン樹脂若しくはポリプロピレン樹脂であってよく、又は、これらの組み合わせであってもよい。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合によりモノマーが重合した高分子である。当該ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、若しくはポリカーボネート樹脂(PC)、ポリブチレンアジペートテレフタレート樹脂(PBAT)、ポリブチレンサクシネート樹脂(PBS)、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂(PHA)、又はこれらのうちの2以上の組み合わせであってよい。
ポリスチレン系樹脂は、スチレン系モノマーが重合した高分子である。当該ポリスチレン系樹脂は、例えば、ポリスチレン樹脂、ゴム強化ポリスチレン樹脂(耐衝撃性ポリスチレン樹脂、HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メタクリル酸エステル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体、並びにアクリロニトリル・エチレンプロピレン・スチレン共重合体等又はこれらのうちの2以上の組み合わせであってよい。またポリスチレン系樹脂も、メタロセン触媒系のポリスチレン系樹脂であってもよい。
前記バイオマス材料含有複合体に含まれる樹脂の種類は、例えば、当該バイオマス材料含有複合体を含有する樹脂組成物から形成される成形体の種類に応じて当業者により適宜選択されてよいが、熱可塑性樹脂が好ましく、加工温度が低い熱可塑性樹脂がより好ましい。例えば、前記樹脂組成物からフィルム又はシートを形成する場合、当該熱可塑性樹脂は、例えば、好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、より好ましくはポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂であり、さらに好ましくはLLDPE又はLDPEでありうる。これらの樹脂の融点へと本技術に係る樹脂組成物を加熱しても、バイオマス材料の加熱に起因する臭気又は着色が発生しにくい。そのため、前記樹脂組成物を加熱して成形体を製造する際における臭気又は着色の発生を抑制することができる。
前記熱可塑性樹脂は、好ましくは90℃~180℃の融点を有するものであり、より好ましくは95℃~170℃の融点を有するものでありうる。より低い融点を有する熱可塑性樹脂を採用することによって、成形時の温度を低くすることができ、バイオマス材料の加熱に起因する臭気又は着色をより抑制することができる。
前記熱可塑性樹脂は、ペレット状でも粉体状でもよく、押出機やインジェクション成形等で成形時に混合、混練され、均一に分散される。
樹脂を含有するバイオマス材料含有複合体において、澱粉材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して70質量%以上、好ましくは71質量%以上、75質量%以上、より好ましくは77質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上でありうる。また、澱粉材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは95質量%以下、より好ましくは、93質量%以下、90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下でありうる。また、澱粉材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは71質量%以上95質量%以下、より好ましくは75質量%以上93質量%以下、さらに好ましくは77質量%以上85質量%以下でありうる。
樹脂を含有するバイオマス材料含有複合体において、セルロース材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して70質量%以上、好ましくは71質量%以上、75質量%以上、より好ましくは77質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上でありうる。また、セルロース材料の含有割合がバイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは93質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下でありうる。
樹脂を含有するバイオマス材料含有複合体において、分散剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは1.2質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%以上でありうる。また、分散剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは9.5質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは7.0質量%以下でありうる。また、分散剤の含有割合は、樹脂の種類に応じて適宜設定されうる。例えば、樹脂としてポリエチレン樹脂を含有する場合、分散剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは1.2質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは3.0質量%以上でありうる。また、分散剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは9.5質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは7.0質量%以下でありうる。樹脂としてポリプロピレン樹脂を含有する場合、分散剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは1.2質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは4.0質量%以上でありうる。また、分散剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは9.5質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは7.0質量%以下でありうる。
樹脂を含有するバイオマス材料含有複合体において、前記バイオマス材料含有複合体の質量に対する前記流動化剤の含有割合が、好ましくは0.70質量%以上、より好ましくは0.75質量%以上、さらに好ましくは0.77質量%以上でありうる。また、流動化剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは0.95質量%以下、より好ましくは0.93質量%以下、さらに好ましくは0.85質量%以下でありうる。
樹脂を含有するバイオマス材料含有複合体において、樹脂の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは12.0質量%超25.2質量%以下であり、より好ましくは14.0質量%以上23.2質量%以下、さらに好ましくは16.0質量%以上20.2質量%以下であってもよい。
(2)バイオマス材料含有複合体の製造方法
本技術に係るバイオマス材料含有複合体の製造方法の一実施形態は、前記バイオマス材料と、前記分散剤と、前記流動化剤と、任意成分として前記樹脂(配合されない場合もある)とを混合する混合工程、前記混合工程で得られた混合物を加熱しながら混練する混練工程を含む。
本技術に係るバイオマス材料含有複合体の製造方法の一実施形態によって、上記「1.(1)バイオマス材料含有複合体」において述べた本技術に係るバイオマス材料含有複合体を製造することができる。
以下で各工程について説明する。
<混合工程>
混合工程において、バイオマス材料と、分散剤と、流動化剤とを混合する。又は、混合工程において、バイオマス材料と、分散剤と、流動化剤と、さらに樹脂とを混合する。前記バイオマス材料、分散剤、流動化剤、樹脂は、上記「1.(1)バイオマス材料含有複合体」において説明したとおりであり、その説明が本製造方法においても当てはまる。
混合工程において、分散剤は、バイオマス材料含有複合体の質量に対して、好ましくは1.2質量%~9.5質量%となる配合量で、より好ましくは3.0質量%~8.0質量%
となる配合量で、さらにより好ましくは4.0質量部~7.0質量部の配合量で、前記バイオマス材料と混合されうる。
混合工程において、流動化剤は、前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して、好ましくは0.70質量%~0.95質量%となる配合量で、より好ましくは0.75質量%~0.93質量%となる配合量で、さらにより好ましくは0.77質量%~0.85質量%となる配合量で、前記バイオマス材料と混合されうる。
混合工程において、樹脂は、前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して、好ましくは0質量%~21.3質量%となる配合量で、より好ましくは0質量%~16.3質量%となる配合量で、さらにより好ましくは0質量%~15.2質量%となる配合量で、前記バイオマス材料と混合されうる。
混合工程に供されるバイオマス材料、分散剤、流動化剤、樹脂は、予め乾燥させられているのが好ましい。前記混合工程は、例えば、撹拌機を用いて行われてよい。当該撹拌機として、市販入手可能な装置が用いられうる。前記混合工程は、好ましくは常温で行われる。常温で前記混合工程を行い、そして次に、以下の混練工程を行うことで、バイオマス材料の加熱に起因する着色及び/又は臭いの発生を抑制することができる。
<混練工程>
混練工程において、前記混合工程で得られた混合物を加熱しながら混練する。当該加熱は、前記混合工程で得られた混合物を押出機内に供給し、当該押出機内で行われうる。当該加熱は、好ましくは105℃~170℃の温度で、より好ましくは105℃~165℃の温度で、さらに好ましく105℃~160℃の温度で行われうる。なお、用いる樹脂に応じて、当該樹脂の融点を考慮して、適宜加熱温度を設定するのが好ましい。例えば、ポリエチレン樹脂を用いる場合、加熱は、好ましくは、105℃~170℃の温度で行われ、ポリプロピレン樹脂の場合、加熱は、好ましくは、160℃~170℃の温度で行われる。
前記押出機は、例えば、二軸押出機又は単軸押出機であってよく、市販入手可能なものが用いられてよい。混練工程では、二軸押出機を用いるのが好ましい。図1は、従来使用される押出機10を摸式的に示す図である。図1において、通常、材料投入口1と反対側の押出出口5側にはスクリーンチェンジャー2と、メッシュ3とダイス4が設けられている。図2は、本技術に係るバイオマス材料含有複合体の製造に使用される押出機20を摸式的に示す図である。図2において、押出機の押出出口5側に設けられたスクリーンチェンジャーやダイスを取り外し、混練された混合物が通過する流路を拡張している。このように混練された混合物が通過する流路を拡張することにより、混練された材料が流路を通過することができず、滞留し、圧力と温度が上昇して混合物に含まれる樹脂が焦げることを防止できる。前記押出機20から押し出されたバイオマス材料含有複合体は、例えば、顆粒状の塊又はペレット形状を有しうる。
(3)樹脂組成物
本技術に係る樹脂組成物は、前記バイオマス材料含有複合体に加えて樹脂を含んでいてもよい。このような樹脂として、前記バイオマス材料含有複合体に含まれる樹脂と同じ種類又は異なる種類の樹脂であってもよい。
上記「1.(1)バイオマス材料含有複合体」における樹脂に関する説明の全てが、本技術に係る樹脂組成物に含まれる樹脂についても当てはまる。そのため、本技術に係る樹脂組成物に含まれる樹脂についての説明は省略する。
本技術に係る樹脂組成物は、バイオマス材料含有複合体を、好ましくは71質量%~95質量%、より好ましくは75質量%~93質量%、さらに好ましくは80質量%~85質量%含みうる。前記バイオマス材料含有複合体を用いることによって、本技術に係る樹脂組成物のバイオマス材料含有割合を上記数値範囲のとおりに高めたとしても、当該樹脂組成物から良好な品質を有する成形体を製造することができる。
また、本技術に係る樹脂組成物は、樹脂組成物の質量に対してバイオマス材料の含有割合が68質量%以下、好ましくは65質量%以下、より好ましくは63質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下であってよい。また、本技術に係る樹脂組成物は、樹脂組成物の質量に対してバイオマス材料の含有割合が10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であってよい。
また、本技術に係る樹脂組成物は、樹脂組成物の質量に対して分散剤として脂肪酸金属塩の含有割合が、好ましくは1.00質量%以上5.00質量%以下であってもよい。
<その他の成分>
本技術に係る樹脂組成物は、前記バイオマス材料含有複合体及び樹脂に加えて、他の成分を含んでもよい。当該他の成分として、例えば、相溶化剤、酸化分解促進剤、着色剤、及び酸化防止剤などを挙げることができる。
前記相溶化剤は、前記バイオマス材料含有複合体と前記樹脂との相溶性をより向上させるために用いられてよい。
前記相溶化剤として、例えば、無水カルボン酸変性ポリオレフィン、オレフィン系のグラフト変性物、及びオレフィン系のコモノマーなどを挙げることができる。
当該無水カルボン酸変性ポリオレフィンを構成する無水カルボン酸は、好ましくは無水マレイン酸でありうる。前記相溶化剤は、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、及び無水マレイン酸変性エチレン-プロピレン共重合体からなる群から選ばれる1つ又は2以上の組み合わせであってよい。
当該オレフィン系のグラフト変性物は、酸変性ポリオレフィンであってよく、より具体的には不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性したポリオレフィンでありうる。グラフト変性に用いられる(未変性の)ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン・α-オレフィン共重合体(エチレン・プロピレン共重合体)であってよく、特にはポリプロピレンでありうる。例えば、特開2010-095671に記載された酸変性ポリオレフィンが用いられてよい。
前記着色剤の例として、酸化チタン及び/又はカーボンブラックが用いられてよい。また、前記酸化防止剤の例として、フェノール系酸化防止剤が用いられてよいがこれに限定されない。
(4)樹脂組成物の製造方法
本技術に係る樹脂組成物の製造方法の一実施形態は、本技術に係るバイオマス材料含有複合体を押出機内に供給し、加熱しながら混練する混練工程を含む。当該混練は、例えば、押出機、好ましくは二軸押出機を用いて行われてよい。当該混練工程において、前記バイオマス材料含有複合体、樹脂に加えて、他の成分として、相溶化剤、酸化分解促進剤、着色剤、及び酸化防止剤などが加えられてもよい。当該他の成分は、上記「(3)樹脂組成物」において説明したとおりであるので、その説明は省略する。
2.本技術の第二の実施形態に係る樹脂組成物
本技術の第二の実施形態に係る樹脂組成物は、バイオマス材料含有複合体を含むものである。本実施形態におけるバイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、樹脂及び流動化剤を含み、樹脂組成物の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が68質量%以下である。
以下、本技術の第二の実施形態に係る樹脂組成物についてより詳細に説明する。
(1)バイオマス材料含有複合体
本技術の第二の実施形態に係る樹脂組成物に含まれるバイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、樹脂及び流動化剤を含むものである。バイオマス材料、樹脂及び流動化剤については、第一の実施形態におけるバイオマス材料、樹脂及び流動化剤の説明が当てはまるので、その説明は省略する。なお、バイオマス材料含有複合体において、樹脂の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは9.0質量%以上25.2質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上20.2質量%以下、さらに好ましくは12.5質量%以上15.2質量%以下であってもよい。また、流動化剤の含有割合が前記バイオマス材料含有複合体の質量に対して好ましくは0.65質量%以上1.0質量%以下であり、より好ましくは0.7質量%以上0.95質量%以下、さらに好ましくは0.75質量%以上0.95質量%以下であってもよい。
(2)バイオマス材料含有複合体の製造方法
バイオマス材料含有複合体の製造方法については、第一の実施形態におけるバイオマス材料含有複合体の製造方法の説明が当てはまるので、その説明は省略する。
(3)樹脂組成物
樹脂組成物については、第一の実施形態における樹脂組成物の説明が当てはまるので、その説明は省略する。
(4)樹脂組成物の製造方法
樹脂組成物の製造方法については、第一の実施形態における樹脂組成物の製造方法の説明が当てはまるので、その説明は省略する。
3.成形体
本技術に係る成形体は、前記樹脂組成物から成形されたものである。当該成形体は、フィルム又はシートであってよい。また、フィルム及びシート以外の他の成形体であってもよい。当該他の成形品として、例えば、容器(例えば、ボトル容器)、ボトルキャップ、プラダンボール、及びモノフィラメントなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
本技術に係る成形体は、前記樹脂組成物を用いて、ブロー成形、射出成形、インフレーション成形、異形押出成形等によって成形されうる。前記ブロー成形によって、例えば、ボトル容器が成形されうる。前記射出成形によって、例えば、ボトルキャップ又は容器が製造されうる。前記異形押出成形によって、例えば、プラダンボールが成形されうる。
<フィルム又はシート>
本技術に係る成形体は、前記樹脂組成物をフィルム又はシートの形状に成形されたものであってもよい。前記フィルム又はシートは、本技術に係る樹脂組成物から形成された層のみから構成された単層のフィルム又はシートであってよく、又は、本技術に係る樹脂組成物から形成された少なくとも一つの層と他の組成物(特には樹脂組成物)から形成された少なくとも一つの層とが積層された多層のフィルム又はシートであってもよい。前記フィルムは、例えば、200μm未満の厚みを有し、特には10μm以上200μm未満の厚みを有しうる。前記シートは、例えば、200μm以上の厚みを有し、特には200μm以上且つ1.5mm以下の厚みを有しうる。
本技術に係る樹脂組成物から成形された成形体であるフィルム又はシートは、カード類、包装、容器、セパレータ、カバー、仕切り、ラミネート、袋類用として好適に使用されうる。
前記シート又はフィルムの製造には、通常の石油系プラスチックの成形技術を採用できる。例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー型混合機、バーバリミキサー、ニーダーミキサー等の混合機にてバイオマス材料含有複合体及び樹脂等を混合し、T-ダイ押出機やカレンダー成形機によってシートを成形してもよく、インフレーション成形機によってフィルムを成形してもよい。また、原料となるバイオマス材料含有複合体及び樹脂等をそのまま直接、混練、混合し成形してもよく、又は、原料を、混合機にて混合した後、一軸又は二軸の押出機によりストランドを押し出し、カッティングしてペレットを製造し、そのペレットをマスターバッチとして用いて、シートやフィルムを成形してもよい。
前記シート又はフィルムを製造する際に、採用される成形温度域は、原料を直接、混練、混合して成形する場合、原料のヤケの発生や分解、シリンダー内の焼き付きを抑制する観点及びバイオマス材料含有複合体が未溶融状態で吐出されて、圧力上昇とともにトラブルの原因となることを抑制する観点から、95~200℃の範囲であるのが好ましく、また、マスターペレットを製造して成形する場合、95~200℃の範囲であるのが好ましい。
また、原料のヤケの発生や分解を防止する観点から、シリンダー内の滞留時間は最大でも10分以内が好ましい。
T-ダイ押出機により押し出し成形されたシートは、引取りロールの温度を60℃以下に設定し、所定の厚さに成形したシートを冷却し、引取り、巻き取られてもよい。インフレーション成形機により押し出し成形されたフィルムは、引取りロールの温度を90℃以下に設定し、所定の厚さに成形したフィルムを冷却し、引取り、巻き取られてもよい。
<積層体>
本技術は、前記フィルム又はシートの表面が膜によって被覆された積層体も提供する。当該積層体は、前記フィルム又はシートの片面側の表面が膜によって被覆されたものであってもよく、又は、前記フィルム又はシートの両面側の表面が膜によって被覆されたものであってもよい。前記フィルム又はシートの表面が膜によって被覆されることにより、被覆された側の表面からのブリードアウトを抑制できる。膜としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等、又はこれらうちの2以上の組み合わせのポリオレフィン系樹脂であってよく、また、例えば、ポリ乳酸樹脂(PLA)、若しくはポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリブチレンアジペートテレフタレート樹脂(PBAT)、ポリブチレンサクシネート樹脂(PBS)、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂(PHA)等、又はこれらのうちの2以上の組み合わせのポリエステル系樹脂であってもよい。前記フィルム又はシートと膜との間には接着層が設けられていてもよい。このような接着層として、前記フィルム又はシートを形成する樹脂組成物の融点よりも低い融点を有する樹脂等が用いられてもよい。このような接着層に用いられる樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
積層体において、前記フィルムは、例えば、200μm未満の厚みを有し、特には10μm以上200μm未満の厚みを有しうる。前記シートは、例えば、200μm以上の厚みを有し、特には200μm以上且つ1.5mm以下の厚みを有しうる。また、膜は、例えば、60μm未満の厚みを有し、特には10μm以上50μm未満の厚みを有しうる。前記積層体はカード類、カバー、包装、容器、セパレータ、仕切り、袋類、ラミネート用として好適に使用されうる。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、本技術の範囲は、これらの実施例のみに限定されるものでない。実施例中、用いる評価方法及び評価基準は下記のとおりである。
4.実施例
(1)成形性
バイオマス材料含有複合体を含有する樹脂組成物からシート押出機(LAB TECHエンジニアリング社)へ供給し、シート押出成形を行った。当該シート押出成形は、180~200℃で行われた。当該シート押出成形によって、厚み0.5mmのシートを成形し、肉眼により成形時の破れ、穴あきの有無、成形後のシートの外観を観察し、成形性を評価した。
下記基準で評価した。
A:成形時にシート破れ、穴あきの発生がなく、成形後のシートにシワが全く確認されなかった
B:成形時にシート破れ、穴あきの発生はないが、成形後のシートに少しシワが確認された
C:成形時にシート破れ、穴あきが発生した。
試験例1:成形体の製造(シートの例)
(実施例1)
下記表1に示されるとおり、澱粉含有複合体の質量に対して、コーン澱粉(昭和コーンスターチ、昭和産業株式会社製)の含有量が80質量%、ポリエチレン樹脂(ノバテックLJ902、日本ポリエチレン株式会社製)の含有量が15.2質量%、ステアリン酸マグネシウムの含有量が2.0質量%、ステアリン酸亜鉛の含有量が2.0質量%及びグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.8質量%となるように混合した。当該混合は常温で行われた。なお、コーン澱粉は予め乾燥させられたものを用いた。
当該混合により得られた混合物は、粉状混合物であった。
前記混合により得られた混合物を、二軸押出機(PCM30、株式会社池貝)内へ供給し、そして、当該混合物が混練処理に付された。なお、二軸押出機として図2に示すものを使用した。使用された二軸押出機は、押出出口付近で圧力が解放されるようにスクリーンチェンジャーとダイスを取り外す改造が施された。
当該混練処理におけるシリンダー温度は120℃であった。当該混練処理後に、前記混合物は当該押出機のダイから押し出され、そして、顆粒状または塊状の澱粉含有複合体(マスターバッチ)が得られた。
前記澱粉含有複合体30質量部、ポリプロピレン(PM900C、株式会社サンアロマー製)67質量部、及び相溶化剤(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、三井・ダウポリケミカル社製)3.0質量部を二軸押出機(PCM30、株式会社池貝)内へ供給し、そして、これらの成分が混練処理に付された。当該混練処理におけるスクリュー温度は170℃であり、且つ、樹脂圧力は3.0~6.0MPaであった。当該混練処理において、ベントからの吸引が行われた。当該混練処理によって、樹脂組成物(以下、「実施例1の樹脂組成物」ともいう)を得た。
実施例1の樹脂組成物をシート押出機(LAB TECHエンジニアリング社)へ供給し、シート押出成形を行った。当該シート押出成形は、180~200℃で行われた。当該シート押出成形によって、厚み0.5mmのシート(以下、「実施例1のシート」ともいう)を得た。
シート押出成形における成形性を上記方法及び基準に従い評価した。評価結果は下記表1に示されるとおりである。なお、表1における各成分の単位は質量%である。
Figure 2023079331000001
(実施例2)
上記表1に示されるとおり、澱粉含有複合体の質量に対して、コーン澱粉(昭和コーンスターチ、昭和産業株式会社製)の含有量が90質量%、ステアリン酸マグネシウムの含有量が4.6質量%、ステアリン酸亜鉛の含有量が4.5質量%及びグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.9質量%となるように混合した。当該混合は常温で行われた。なお、コーン澱粉は予め乾燥させられたものを用いた。
前記混合物を用いて、実施例1と同じ方法で澱粉含有複合体(以下、「実施例2の澱粉含有複合体」ともいう)を得た。
実施例2の澱粉含有複合体を用いて、実施例1と同じ方法でシート押出成形を行って厚み0.5mmのシート(以下、「実施例2のシート」ともいう)を得た。
実施例2においても、実施例1と同じ評価が行われた。評価結果が上記表1に示されている。
(実施例3)
上記表1に示されるとおり、澱粉含有複合体の質量に対して、コーン澱粉(昭和コーンスターチ、昭和産業株式会社)の含有量が95.1質量%、ステアリン酸マグネシウムの含有量が2.0質量%、ステアリン酸亜鉛の含有量が2.0質量%及びグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.9質量%となるように混合した。当該混合は常温で行われた。なお、コーン澱粉は予め乾燥させられたものを用いた。
前記混合物を用いて、実施例1と同じ方法で澱粉含有複合体(以下、「実施例3の澱粉含有複合体」ともいう)を得た。
実施例3の澱粉含有複合体を用いて、実施例1と同じ方法でシート押出成形を行って厚み0.5mmのシート(以下、「実施例3のシート」ともいう)を得た。
実施例3においても、実施例1と同じ評価が行われた。評価結果が上記表1に示されている。
(実施例4)
下記表2に示されるとおり、セルロース含有複合体の質量に対して、セルロース(KCフロック W-400G、日本製紙株式会社製)の含有量が80質量%、PE樹脂(ノバテックLD LJ902、日本ポリエチレン株式会社製)の含有量が15.2質量%、ステアリン酸マグネシウムの含有量が2.0質量%、ステアリン酸亜鉛の含有量が2.0質量%及びグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.8質量%となるように混合した。当該混合は常温で行われた。なお、セルロースは予め乾燥させられたものを用いた。
当該混合により得られた混合物は、粉状混合物であった。
前記混合により得られた混合物を、二軸押出機(PCM30、株式会社池貝)内へ供給し、そして、当該混合物が混練処理に付された。なお、二軸押出機として図2に示すものを使用した。使用された二軸押出機は、押出出口付近で圧力が解放されるようにスクリーンチェンジャーとダイスを取り外す改造が施された。
当該混練処理におけるシリンダー温度は120℃であった。当該混練処理後に、前記混合物は当該押出機のダイから押し出され、そして、顆粒状または塊状のセルロース含有複合体(マスターバッチ)が得られた。
前記セルロース含有複合体30質量部、PP樹脂(住友ノーブレン AX564E2、住友化学株式会社製)67質量部、及び相溶化剤(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、三井・ダウポリケミカル社製)3.0質量部を二軸押出機(PCM30、株式会社池貝)内へ供給し、そして、これらの成分が混練処理に付された。当該混練処理におけるスクリュー温度は170~180℃であり、且つ、樹脂圧力は3.0~6.0MPaであった。当該混練処理において、ベントからの吸引が行われた。当該混練処理によって、樹脂組成物(以下、「実施例4の樹脂組成物」ともいう)を得た。
実施例4の樹脂組成物をシート押出機(LAB TECHエンジニアリング社)へ供給し、シート押出成形を行った。当該シート押出成形は、180~200℃で行われた。当該シート押出成形によって、厚み0.5mmのシート(以下、「実施例4のシート」ともいう)を得た。
シート押出成形における成形性を上記方法及び基準に従い評価した。評価結果は下記表2に示されるとおりである。なお、表2における各成分の単位は質量%である。
Figure 2023079331000002
(実施例5)
上記表2に示されるとおり、セルロース含有複合体の質量に対して、セルロース(KCフロック W-400G、日本製紙株式会社製)の含有量が75質量%、ステアリン酸マグネシウムの含有量が12.3質量%、ステアリン酸亜鉛の含有量が12.0質量%及びグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.7質量%となるように混合した。当該混合は常温で行われた。なお、セルロースは予め乾燥させられたものを用いた。
当該混合により得られた混合物は、粉状混合物であった。
前記混合により得られた混合物を、二軸押出機(PCM30、株式会社池貝)内へ供給し、そして、当該混合物が混練処理に付された。なお、二軸押出機として図2に示すものを使用した。使用された二軸押出機は、押出出口付近で圧力が解放されるようにスクリーンチェンジャーとダイスを取り外す改造が施された。
当該混練処理におけるシリンダー温度は120℃であった。当該混練処理後に、前記混合物は当該押出機のダイから押し出され、そして、顆粒状または塊状の澱粉含有複合体(マスターバッチ)が得られた。
前記澱粉含有複合体30質量部、PP樹脂(住友ノーブレン AX564E2、住友化学株式会社製)67質量部、及び相溶化剤(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、三井・ダウポリケミカル社製)3.0質量部を二軸押出機(PCM30、株式会社池貝)内へ供給し、そして、これらの成分が混練処理に付された。当該混練処理におけるスクリュー温度は120~130℃であり、且つ、樹脂圧力は3.0~6.0MPaであった。当該混練処理において、ベントからの吸引が行われた。当該混練処理によって、樹脂組成物(以下、「実施例5の樹脂組成物」ともいう)を得た。
実施例5の樹脂組成物をシート押出機(LAB TECHエンジニアリング社)へ供給し、シート押出成形を行った。当該シート押出成形は、180~200℃で行われた。当該シート押出成形によって、厚み0.5mmのシート(以下、「実施例5のシート」ともいう)を得た。
シート押出成形における成形性を上記方法及び基準に従い評価した。評価結果は上記表2に示されるとおりである。なお、表2における各成分の単位は質量%である。
(実施例6)
実施例1と同じ組成で混合物を得た。
図1に示すスクリーンチェンジャーとダイスを有する二軸押出機(PCM30、株式会社池貝)内へ混合物を供給し、実施例1と同じ条件で混練処理を行った。混合物投入後、二軸押出機のダイスから澱粉含有複合体が押し出されず、ベントから混合物が逆流し噴出した。二軸押出機を停止し、ダイスを取り外すと、混合物が焦げた状態で残存した。
表1~2から、以下のことが分かる。
実施例1~5においてはいずれも、成形性に優れていた。
以上、本技術の実施形態及び実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態及び実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等を用いてもよい。
また、上述の実施形態及び実施例の構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等は、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値または下限値は、他の段階の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
10 押出機
20 押出機
1 材料投入口
2 スクリーンチェンジャー
3 メッシュ
4 ダイス
5 押出出口

Claims (18)

  1. バイオマス材料含有複合体を含む樹脂組成物であって、
    前記バイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、分散剤及び流動化剤を含み、前記樹脂組成物の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が68質量%以下である樹脂組成物。
  2. 前記分散剤は、脂肪酸金属塩である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記樹脂組成物の質量に対する前記脂肪酸金属塩の含有割合が1.00質量%以上5.00質量%以下である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸亜鉛である、請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記バイオマス材料含有複合体は、樹脂をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. バイオマス材料含有複合体を含む樹脂組成物であって、
    前記バイオマス材料含有複合体は、バイオマス材料、樹脂及び流動化剤を含み、前記樹脂組成物の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が68質量%以下である樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形体。
  8. 前記成形体がフィルム又はシートである請求項7に記載の成形体。
  9. 前記成形体が射出成形体、ブロー成形体、及びインフレーション成形体のうちから選択されるものである請求項7又は8に記載の成形体。
  10. バイオマス材料、分散剤及び流動化剤を含むバイオマス材料含有複合体であって、当該バイオマス材料含有複合体の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が70質量%以上であるバイオマス材料含有複合体。
  11. 前記分散剤は、脂肪酸金属塩である、請求項10に記載のバイオマス材料含有複合体。
  12. 前記バイオマス材料含有複合体の質量に対する前記脂肪酸金属塩の含有割合が7.0質量%以上9.5質量%以下である、請求項10又は11に記載のバイオマス材料含有複合体。
  13. 前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸亜鉛である、請求項11又は12に記載のバイオマス材料含有複合体。
  14. さらに、樹脂を含む、請求項10~13のいずれか1項に記載のバイオマス材料含有複合体。
  15. 前記樹脂が、熱可塑性樹脂である、請求項14に記載のバイオマス材料含有複合体。
  16. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項15に記載のバイオマス材料含有複合体。
  17. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン樹脂である、請求項16に記載のバイオマス材料含有複合体。
  18. バイオマス材料、樹脂及び流動化剤を含むバイオマス材料含有複合体であって、当該バイオマス材料含有複合体の質量に対して前記バイオマス材料の含有割合が70質量%以上であるバイオマス材料含有複合体。
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