JP2023005438A - バイオマス材料含有シート - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオマス材料含有シートを用いながらも、かつ低温でのインライン成型が可能であるバイオマス材料含有シートを提供すること。【解決手段】本発明は、バイオマス材料と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物とから形成され、前記熱可塑性樹脂がランダム共重合体であり、その用途がインライン成型用である、バイオマス材料含有シートを提供する。本発明は、バイオマス材料と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物とから形成され、前記熱可塑性樹脂がランダム共重合体であり、前記バイオマス材料の含有割合が50質量%以上である、バイオマス材料含有シートを提供する。荷重たわみ温度が65℃以上80℃以下でありうる。前記バイオマス材料が澱粉でありうる。前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂でありうる。前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン樹脂でありうる。【選択図】なし

Description

本技術は、バイオマス材料含有シートに関する。
食料品等は、通常、包装容器などに収容された状態で流通している。近年、食料品等の包装には、蓋材と底材とがヒートシールされた包装容器が広く使用されている。このような包装容器は、通常、インラインで、ボトムシートのプラスチックシートから真空成型等により底材を成型し、成型された底材の凹部に食料品等内容物を充填し、底材の凹部をトップシートの蓋材で覆った後、底材と蓋材とをヒートシールして、内容物を密封するインライン成型によって製造されている。
インライン成型は、ロール状のフラットシートを使用することで食料品等の包装を立体的な形状の容器とすることができるため、包装材料であるフラットシートの仕入れの省労力化、省スペース化が可能となる。また包装する時点でフラットシートを加熱成型するため衛生的で効率的に食料品等を包装できる。
インライン成型で使用される底材及び蓋材は、石油資源由来の原材料から成型されたプラスチック成型品が使用されている。一方で、プラスチック成型品の製造過程及び廃棄過程で多大なエネルギーが消費され、発生する温室効果ガスによる地球温暖化や、プラスチック成型品の大量消費に伴う石油資源の枯渇が地球規模で長期的に取り組む重要な課題となっている。さらに、石油資源由来の原材料から成型されたプラスチック成型品が廃棄された際、自然環境では分解、崩壊し難く、長期にわたり自然の中に残存し、自然環境を汚染することが問題となっている。
こうした背景のもと、近年、温暖化の原因となり得ない、あるいは自然環境の中で比較的速やかに分解し、自然環境に優しい新たな材料として、天然素材が着目され、生物由来の有機資源であるバイオマス材料をプラスチック成型品の原材料として活用することが検討されている。
このようなバイオマス材料として、ポリ乳酸、澱粉、変性澱粉、セルロース等の天然素材の使用が提案されている。
しかしながら、広範な用途にバイオマス材料を使用するためには、機械的特性、熱的特性、溶融加工性などが求められ、バイオマス材料の多くは、十分な物性を有さず、成型することが困難であった。
そこで、物性や加工性を改善し、プラスチック成型品の製造に際し、石油資源由来の原材料の代替を可能とするため、バイオマスを原料としたポリ乳酸、バイオポリエチレン、澱粉、セルロースを、ポリオレフィン等の合成樹脂と複合材料化したものが提案されている(特許文献1、2)。
特開2001-64458号公報 特開2004-155842号公報
石油資源由来の前記問題を解決するために、包装容器の主要部分を占める底材にバイオマス材料を含有するシートを用いることが検討されている。しかし、従来、真空成型性の良いバイオマス材料が存在せず、また、インライン成型において、製品の充填や梱包を同じラインで行うことによる効率性及びスピード性を考慮すると、成形までのスピード性を向上させて効率性を良好なものとする観点から、成型温度155℃以下の低温での成型が要求されていたが、従来、シートの基材に用いられる樹脂の融点が高く低温インライン成型ができないという問題がある。
本発明は、バイオマス材料含有シートを用いながらも、かつ低温でのインライン成型が可能であるバイオマス材料含有シートを提供することを目的とする。
本技術は、バイオマス材料と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物とから形成され、前記熱可塑性樹脂がランダム共重合体であり、その用途がインライン成型用である、バイオマス材料含有シートを提供する。
前記インライン成型は、前記バイオマス材料含有シートを、凹部を有する形状に成型する成型工程と、前記バイオマス材料含有シートの前記凹部に被包装物を充填する被包装物充填工程と、前記被包装物が充填された前記凹部をフィルムでシールするシール工程と、が1つのラインで行われうる。
前記成型工程において、前記バイオマス材料含有シートは135℃~145℃で成型されうる。
本技術は、バイオマス材料と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物とから形成され、前記熱可塑性樹脂がランダム共重合体であり、前記バイオマス材料の含有割合が50質量%以上である、バイオマス材料含有シートを提供する。
荷重たわみ温度が65℃以上80℃以下でありうる。
前記バイオマス材料が澱粉でありうる。
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂でありうる。
前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン樹脂でありうる。
本技術により、バイオマス材料含有シートを用いながらも、かつ低温でのインライン成型が可能であり、また、得られる包装容器の強度を十分なものとすることが可能なバイオマス材料含有シートを提供できる。
本実施形態に係るバイオマス材料含有シートが使用されるインライン成型のフローチャートである。 インライン成型による包装容器の製造方法の一実施形態を示す概略図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、本技術の範囲がこれらの実施形態のみに限定されることはない。
本技術について、以下の順序で説明を行う。
1.第1の実施形態(バイオマス材料含有シートの例)
(1)バイオマス材料含有シートの構成
(2)物性
(3)バイオマス材料含有シートの製造方法
2.バイオマス材料含有シートの用途
3.実施例
1.第1の実施形態(バイオマス材料含有シートの例)
(1)バイオマス材料含有シートの構成
本実施形態に係るバイオマス材料含有シートは、樹脂組成物から形成されている。当該樹脂組成物は、バイオマス材料及び熱可塑性樹脂を含むものである。また、当該熱可塑性樹脂は、ランダム共重合体である。熱可塑性樹脂がランダム共重合体であるため、低温でのインライン成型が可能となり、また、このようなランダム共重合体である熱可塑性樹脂を用いることにより、押出機の加工温度(設定温度)を低くすることができ、澱粉等のバイオマス材料の茶変を抑制し、バイオマス材料含有シートの白色度を向上させることができる。また、前記熱可塑性樹脂は、生分解性を低下させないため生分解性材料を含んでもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、若しくはポリエステル系樹脂、又は、これらの樹脂の混合物であってもよい。また、前記熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂であってもよい。
前記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン類(例えば、α-オレフィン類)を主要なモノマーとする重合により得られる高分子である。前記ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂若しくはポリプロピレン(PP)樹脂又はこれらの組合せであってもよい。
前記ポリエチレン樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE: Low DensityPolyethylene)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE: High DensityPolyethylene)、超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE:Very LowDensity Polyethylene)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE: Linear LowDensity Polyethylene)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)等のエチレン共重合体、又は超高分子量ポリエチレン樹脂(UHMW-PE: Ultra HighMolecular Weight-Polyethylene)又はこれらの組合せであってもよい。
熱可塑性樹脂の融点を低くして低温でのインライン成型を可能とするため、前記ポリプロピレン樹脂は、ランダム共重合体である。このようなものとして、例えば、エチレン-プロピレン共重合体などが挙げられる。低温インライン成型が可能とする観点から、ランダム共重合体の融点は、好ましくは155℃以下であり、より好ましくは140℃以下である。また、ランダム共重合体の融点は、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは130℃以上である。
前記ポリオレフィン系樹脂は、好ましくはバイオマス由来のポリオレフィン系樹脂(例えば、バイオマス由来ポリエチレン樹脂など)であってよく、例えば、バイオマスポリエチレン樹脂でありうる。当該バイオマスポリエチレン樹脂は、例えば、LDPE、LLDPE、又はHDPEでありうる。これによりCO排出量を削減することができる。
前記ポリオレフィン系樹脂は、メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィン系樹脂であってもよい。すなわち、熱可塑性樹脂は、例えば、メタロセン触媒系のポリエチレン樹脂若しくはポリプロピレン樹脂であってよく、又は、これらの組合せであってもよい。
前記ポリスチレン系樹脂は、メタロセン触媒系のポリスチレン系樹脂であってよい。
前記ポリエステル系樹脂は、エステル結合によりモノマーが重合した高分子である。前記ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、若しくはポリカーボネート樹脂(PC)、ポリブチレンアジペートテレフタレート樹脂(PBAT)、ポリブチレンサクシネート樹脂(PBS)、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂(PHA)、又はこれらのうち2以上を組み合わせたものであってもよい。
前記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系モノマーが重合した高分子である。前記ポリスチレン系樹脂は、例えば、ポリスチレン樹脂、ゴム強化ポリスチレン樹脂(耐衝撃性ポリスチレン樹脂、HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メタクリル酸エステル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体、並びにアクリロニトリル・エチレンプロピレン・スチレン共重合体等又はこれらのうち2以上を組み合わせたものであってもよい。
本実施形態において、熱可塑性樹脂の種類は、例えば、熱可塑性樹脂から形成されるバイオマス材料含有シートからインライン成型される成型品の用途に応じて当業者により適宜選択されてよく、加工温度が低い熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、食料品包装用容器に使用する底材として使用されるシートの場合、熱可塑性樹脂は、ランダム共重合体であるポリプロピレン樹脂である。
本実施形態において、熱可塑性樹脂の融点は、好ましくは155℃以下であり、より好ましくは140℃以下でありうる。より低い融点を有する熱可塑性樹脂を採用することによって、成型時の温度を低くすることができる。また、熱可塑性樹脂の融点は、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは130℃以上でありうる。
熱可塑性樹脂としては、ペレット状の粒状物が用いられうる。熱可塑性樹脂は、バイオマス材料含有シートの質量に対して、好ましくは30質量%以上45質量%以下であり、より好ましくは35質量%以上45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上45質量%以下である。
前記生分解性材料として、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミドなどの親水性高分子材料、各種アクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリウレタンなどのエマルジョン、脂肪族ポリエステル系樹脂であるカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート・バリレート共重合体などを挙げることができる。
本実施形態に係るバイオマス材料含有シートにおいて、熱可塑性樹脂は、バイオマス材料を含む。バイオマス材料は、好ましくは植物由来のバイオマス材料であり、より具体的には澱粉材料、及びセルロース材料を挙げることができる。澱粉材料、及びセルロース材料は、廃棄物系バイオマス、未利用バイオマス、又は資源穀物に分類されるものであってよい。また、バイオマス材料として、動物由来のものであってもよく、例えば、卵殻を挙げることができる。
本実施形態で用いられる澱粉材料として、生澱粉を用いることができ、例えば、地下系澱粉の澱粉及び地上系澱粉の澱粉を挙げることができる。地下系澱粉は、地下で蓄積された澱粉であり、例えば、地下茎又は根などに蓄積された澱粉をいう。地下系澱粉として、例えば、タピオカ澱粉(キャッサバ澱粉)、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、クズ澱粉、及びワラビ澱粉を挙げることができるがこれらに限定されない。
地上系澱粉は、地上で蓄積された澱粉であり、例えば、種子などに蓄積された澱粉をいう。地上系澱粉として、例えば、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、ドングリ澱粉及び米澱粉を挙げることができるがこれらに限定されない。
本実施形態において、好ましくは地上系澱粉が用いられる。地上系澱粉を用いて本実施形態のバイオマス材料含有シートを製造することによって、インライン成型性をより向上させることができる。
澱粉材料は、澱粉の変性物(すなわち変性澱粉)であってもよい。このような変性物として、物理的に変性された物理的変性澱粉又は化学的に修飾された化学的変性澱粉が挙げられる。物理的変性澱粉としては、例えば、アルファー澱粉、湿熱澱粉等が挙げられる。また、化学的変性澱粉として、例えば、アセト酢酸エステル化澱粉、酢酸エステル化澱粉、ヒドロキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、アリルエーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、コハク酸エステル化澱粉、キサントゲン酢酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、リン酸架橋澱粉、ホルムアルデヒド架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉等が挙げられる。
なお、澱粉材料がトウモロコシ澱粉である場合、インライン成型性を向上させる観点から、その粒子径が好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは15μm以上である。粒子径の上限値は、特に限定されないが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下である。
なお、澱粉材料がタピオカ澱粉である場合、インライン成型性を向上させる観点から、その粒子径が好ましくは2μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは15μm以上である。粒子径の上限値は、特に限定されないが、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは25μm以下である。
なお、澱粉材料が馬鈴薯澱粉である場合、インライン成型性を向上させる観点から、その粒子径が好ましくは2μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、さらに好ましくは30μm以上である。粒子径の上限値は、特に限定されないが、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下である。
また、澱粉材料は、好ましくは平衡水分を含むものであってよい。平衡水分の量は、例えば、澱粉材料質量に対して、好ましくは10質量%~15質量%であり、より好ましくは10質量%~14質量%であり、さらに好ましくは10質量%~13質量%であり、さらにより好ましくは11質量%~13質量%でありうる。
本実施形態において、澱粉材料の含有割合が澱粉含有シートの質量に対して50質量%以上であり、好ましくは55質量%以上、より好ましくは57質量%以上、さらに好ましくは59質量%以上でありうる。また、澱粉材料の含有割合が澱粉含有シートの質量に対して好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。また、澱粉材料の含有割合が澱粉含有シートの質量に対して好ましくは50質量%以上90質量%以下、より好ましくは55質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは57質量%以上70質量%以下である。
本実施形態で用いられるセルロース材料として、紙、紙パルプ、綿、又は布の粉砕物を挙げることができる。
セルロース材料の粒子サイズD50(メジアン径)は、例えば、15μm~150μmであり、特には好ましくは20μm~100μmでありうる。粒子サイズD50は、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD-3100、株式会社島津製作所)を用いた湿式測定により決定される。セルロース材料が、上記数値範囲内の粒子サイズを有することにより、熱可塑性樹脂に含まれるセルロース材料の分散性を向上させることに貢献しうる。
本実施形態に従い、セルロース材料を構成するセルロース繊維のうち、9.8μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース材料を構成する全セルロース繊維の数の65%~100%、好ましくは70%~100%、より好ましくは80%~100%、さらにより好ましくは85%~100%を占める。セルロース繊維の数に関する上記割合は、セルロース材料の全セルロース繊維数のうちの、0μm~9.8μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(以下、「第一の割合」という)と0μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(以下、「第二の割合」という)とを、前記レーザ回折式粒度分布測定装置を用いた湿式測定により決定し、前記第二の割合から前記第一の割合を差し引くことによって求められる。前記数値範囲「0μm~9.8μm」及び「0μm~110.6μm」はいずれも、前記湿式測定において、前記レーザ回折式粒度分布測定装置に対して入力される数値範囲である。
この実施形態において、特に好ましくは、セルロース材料を構成するセルロース繊維のうち、110.6μm~998.4μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース材料を構成する全セルロース繊維の数の0%~30%、好ましくは0%~25%、より好ましくは0%~20%、さらにより好ましくは0%~15%を占める。セルロース繊維の数に関する上記割合は、セルロース材料における全セルロース繊維数のうちの、0μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(上記「第二の割合」である)と0μm~998.4μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数の割合(以下、「第三の割合」という)とを、前記レーザ回折式粒度分布測定装置を用いた湿式測定により決定し、前記第三の割合から前記第二の割合を差し引くことによって求められる。前記数値範囲「0μm~110.6μm」及び「0μm~998.4μm」はいずれも、前記湿式測定において、前記レーザ回折式粒度分布測定装置に対して入力される数値範囲である。
上記粒子サイズ分布を有するセルロース材料は、例えば、パルプを酸などの化学薬品により処理を行うことで製造されうる。上記粒子サイズ分布を有するセルロース材料として、例えば、KCフロックW400(日本製紙株式会社)を挙げることができる。
上記粒子サイズ分布を有するセルロース粉末を用いることによって、セルロース材料含有シートを製造する場合により良い成型性がもたらされる。
特には、セルロース粉末を構成するセルロース繊維のうち、9.8μm~110.6μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース粉末を構成する全セルロース繊維の数の80%~100%、さらにより好ましくは85%~100%を占めることによって、熱可塑性樹脂を成型に付して得られるセルロース材料含有シートにおける破れ又は穴の発生を防ぐことができる。セルロース材料含有シートの破れ又は穴の発生を防ぐために、特に好ましくは、セルロース粉末を構成するセルロース繊維のうち、110.6μm~998.4μmの粒子サイズを有するセルロース繊維の数が、セルロース粉末を構成する全セルロース繊維の数の0%~20%、さらにより好ましくは0%~15%を占める。
本発明の他の好ましい実施態様に従い、セルロース粉末は、100メッシュパスが90%以上である粒度を有しうる。この実施態様において、より好ましくは、セルロース粉末が、100メッシュパスが90%以上である粒度を有し、かつ、セルロース粉末の見掛け比重が0.30g/ml~0.40g/mlでありうる。
前記粒度は、標準篩い法により測定され、具体的には以下のとおりに測定される。すなわち、試料10gを100メッシュの標準ふるいに入れ、受皿及び蓋を当該標準ふるいにセットし、そして、ロータップ型振とう機で40分間振とうする。そして、試料質量(10g)及び篩い残分の質量から、以下の式により、粒度が求められる。
粒度(%)=[((試料質量(g)-篩い残分(g))/試料質量(g)]×100
前記見掛け比重は、以下のとおりに測定される。すなわち、試料10gを天秤で精秤し、50mlメスシリンダーに入れる。当該試料が飛び散らないようにして当該メスシリンダーの底をゴムシートが敷かれた台の上にあてて叩く。当該叩く作業を、試料がこれ以上詰まらなくなるまで続ける。当該叩く作業の後に、試料の表面を平らにし、その目盛り(容積、ml)を読む。そして、以下の式で見かけ比重が求められる。
見掛け比重(g/ml)=試料(10g)/容積(ml)
上記粒度(又は上記粒度及び上記見掛比重)を有するセルロース粉末は、例えば、パルプを機械的に粉砕(例えば、ジェットミル粉砕)することによって製造されうる。上記粒度(又は上記粒度及び上記見掛比重)を有するセルロース粉末として、例えば、KCフロック100GKを挙げることができる。
本実施形態において、セルロース材料の含有割合がセルロース材料含有シートの質量に対して好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは22質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上である。また、セルロース材料の含有割合がセルロース材料含有シートの質量に対して好ましくは50質量%以下、より好ましくは48質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。また、セルロース材料の含有割合がセルロース材料含有シートの質量に対して好ましくは20質量%以上50質量%以下、より好ましくは22質量%以上48質量%以下、さらに好ましくは25質量%以上45質量%以下である。
樹脂組成物には、さらに添加剤が含まれていてもよい。当該添加剤として、熱可塑性樹脂の溶融温度より低い融点温度を有し、比較的低温度で溶融する低融点添加剤を用いてもよい。このような低融点添加剤として、好ましくは100℃以下で溶融するもの、より好ましくは60~100℃で溶融するものである。前記低融点添加剤は、好ましくは50℃~100℃、より好ましくは55℃~90℃、さらに好ましくは60℃~80℃の融点を有しうる。具体的には、前記低融点添加剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、特殊脂肪酸エステル、及び高級アルコール脂肪酸エステルを挙げることができる。前記グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、及び中鎖脂肪酸モノグリセリドを包含する。
本実施形態に従い、前記低融点添加剤は、より好ましくはグリセリン脂肪酸エステルを含み、さらに好ましくはグリセリンモノステアレートを含む。前記低融点添加剤は、好ましくはグリセリン脂肪酸エステルのみであってもよい、より好ましくはグリセリンモノステアレートのみであってもよい。前記低融点添加剤は、比較的低温度で溶融し、粘性を有し、バイオマス材料粉体に絡み粘着させるように機能しうる。
前記低融点添加剤は、樹脂組成物100質量部当たり、例えば、好ましくは0.1質量部~10質量部、より好ましくは0.5質量部~10質量部の含有割合で、樹脂組成物に含まれうる。
また、前記樹脂組成物には、前記低融点添加剤よりも高い融点を有する高融点添加剤が含まれていてもよい。このような高融点添加剤は、前記低融点添加剤よりも高い融点を有し、その融点が、好ましくは100~150℃の範囲にあり、前記低融点添加剤よりも先に固化し、前記熱可塑性樹脂の溶融温度よりも低い融点を有するものであってよい。前記高融点添加剤は、好ましくは100℃~160℃、より好ましくは100℃~150℃、さらに好ましくは100℃~140℃の融点を有しうる。具体的には、前記高融点添加剤として、脂肪酸金属塩、炭化水素、高級アルコール、脂肪族アミド、及び脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含みうる。前記高融点添加剤は、特には上記で述べた数値範囲内の融点を有する、脂肪酸金属塩、炭化水素、高級アルコール、脂肪族アミド、及び脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物でありうる。
前記脂肪酸金属塩として、例えば炭素数が10~30、特には炭素数が12~25の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩を挙げることができる。より具体的には、前記高融点添加剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、安息香酸カリウム、及び安息香酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種でありうる。
前記高融点添加剤は、樹脂組成物100質量部当たり、例えば、好ましくは1質量部~15質量部、より好ましくは3質量部~15質量部の含有割合で、樹脂組成物に含まれうる。
その他の添加剤として、バイオマス材料と熱可塑性樹脂との親和性を向上させてバイオマス材料を樹脂組成物中で均一に分散させるため相溶化剤を用いることができる。当該相溶化剤は、前記熱可塑性樹脂の種類に応じて選択されてよい。このような相溶化剤として、例えば、酸変性ポリオレフィン、酸変性ナイロン、酸変性ポリスチレン、酸変性EVA、酸変性エチレン共重合ポリマー、酸変性アクリレート、アクリル酸変性EVA、及び変性エチレンアクリレートなどを挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合、前記相溶化剤は好ましくは酸変性ポリオレフィンであり、特には無水カルボン酸変性ポリオレフィン又はオレフィン系のコモノマーでありうる。
当該無水カルボン酸変性ポリオレフィンを構成する無水カルボン酸は、好ましくは無水マレイン酸でありうる。前記相溶化剤は、例えば、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン樹脂であり、より特には無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、及び無水マレイン酸変性エチレン-プロピレン共重合体からなる群から選ばれる1つ又は2以上の組合せであってよい。前記相溶化剤には、ゴム成分が分散されていてもよい。
前記相溶化剤は、樹脂組成物100質量部当たり、例えば、0.1質量部~10質量部、より好ましくは1.0質量部~5.0質量部の含有割合で、樹脂組成物に含まれうる。
その他の添加剤として、着色剤を用いることができる。
当該着色剤は、樹脂組成物に着色を施すために用いられうる。前記着色剤として、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、染料、及び顔料を挙げることができる。
また、前記他の成分として、例えば、酸化防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、発泡剤及び耐衝撃剤などが用いられてもよい。これら添加剤として、市販のものが用いられてもよい。
(2)物性
<荷重たわみ温度>
本実施形態に係るバイオマス材料含有シートは、荷重たわみ温度が、好ましくは65℃以上、より好ましくは67℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。また、荷重たわみ温度が、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下である。荷重たわみ温度が80℃を超えると低温インライン成型が困難となるおそれがある。
荷重たわみ温度の測定は、例えば、JIS K 7191「プラスチック-荷重たわみ温度の試験方法」に準じて行うことができる。射出成型機(型番SH-125、住友重機械工業社製)を使用して射出成型した射出成型片を試験サンプルとして使用した。当該荷重たわみ温度は、長辺8cm×短辺1cm×厚み0.5cmの寸法を有する射出成型片に対して測定される。当該荷重たわみ温度は、0.45MPaの曲げ応力負荷をかけ、フラットワイズでの試験により測定することができる。
(3)バイオマス材料含有シートの製造方法
本実施形態に係るバイオマス材料含有シートは、樹脂組成物を製造する樹脂組成物製造工程、シート成型工程を含んでもよい。
前記樹脂組成物製造工程は、熱可塑性樹脂からなる粒子コア部と、当該粒子コア部の少なくとも一部を覆うバイオマス材料含有被覆層と、を有する粒子製造工程と、当該粒子製造工程において得られた粒子を、当該粒子の粒子コア部を形成する熱可塑性樹脂の融点以上の温度に加熱し、混練する混練工程を含みうる。
前記粒子製造工程は、バイオマス材料と、低融点添加剤と、高融点添加剤、及び熱可塑性樹脂を、前記高融点添加剤の融点以上であり、かつ、前記熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度で混合して、融解した低融点添加剤及び高融点添加剤、バイオマス材料、並びに熱可塑性樹脂を含む混合物を得る混合工程;及び当該混合工程において得られた混合物を、前記低融点添加剤の融点以上であり、かつ前記高融点添加剤の融点より低い温度に、攪拌しながら冷却する冷却工程を含みうる。
前記混合工程は、例えば混合温度を上記温度に設定可能である当技術分野で既知の撹拌装置により行われてよい。前記混合工程は、上記のとおり、前記高融点添加剤の融点以上であり、かつ、前記熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度で行われる。前記混合工程は、好ましくは100℃~160℃、より好ましくは100℃~150℃、さらに好ましくは100℃~140℃で行われうる。
前記混合工程において、上記温度で混合を行うことによって、前記低融点添加剤及び前記高融点添加剤が融解する一方で、前記熱可塑性樹脂は融解しない。前記混合工程において、バイオマス材料と、固形の熱可塑性樹脂と、融解した前記低融点添加剤及び前記高融点添加剤とが混合された状態が形成される。
前記混合工程において得られた混合物は、好ましくは前記高融点添加剤の融点より低い温度にならないように(特には当該混合工程において採用された温度を維持したままで)、前記冷却工程が行われる装置へと供給されうる。
前記冷却工程において、前記混合工程において得られた混合物は、撹拌されながら、前記低融点添加剤の融点以上であり、かつ、前記高融点添加剤の融点より低い温度へと冷却されうる。撹拌しながら冷却を行うことによって、粒子コア部周囲に、より均一なバイオマス材料含有被覆層が形成されて、粒子が得られうる。
前記冷却工程は、前記混合工程において得られた混合物を、前記低融点添加剤の融点以上であり、かつ、前記高融点添加剤の融点より低い温度へと冷却可能な撹拌装置により行われうる。
上記製造方法により得られた粒子は、好ましくは、前記低融点添加剤の融点以上であり、かつ、前記高融点添加剤の融点より低い温度で維持される。これにより、前記粒子からバイオマス材料が剥離することを防ぐことができる。
前記粒子製造工程において得られた粒子を、当該粒子の粒子コア部を形成する熱可塑性樹脂の融点以上の温度に加熱し、混練し、樹脂組成物を得る。
前記混練工程は、前記粒子に含まれる熱可塑性樹脂が溶融可能な温度において行われうる。当該温度は、用いられる熱可塑性樹脂の融点に応じて当業者により適宜選択されてよい。前記混練工程は、好ましくは100℃~250℃、より好ましくは110℃~250℃、さらに好ましくは115℃~230℃、さらにより好ましくは120℃~210℃、特に好ましくは120℃~190℃で行われうる。
前記混練工程は、例えば、二軸押出機若しくは一軸押出機により行われてよい。これらの押出機として、当技術分野で既知の装置が用いられてよい。好ましくは、前記混練工程は、二軸押出機による加熱及び混練処理を少なくとも含む。二軸押出機として、同方向回転式の二軸押出機が用いられてよく、又は、異方向回転式の二軸押出機が用いられてもよい。二軸押出機による混練処理を行うことにより、バイオマス材料がより均一に分散した樹脂組成物を得ることができる。
前記混練工程において得られた樹脂組成物は、ペレット化されることなく、そのまま前記シート成型工程に付されてよい。これにより、ペレット化工程を省略することができる。
なお、前記混練工程において得られた樹脂組成物はペレット化されてもよい。当該ペレット化された樹脂組成物が、前記シート成型工程に付されてもよい。
前記シート成型工程において、前記混練工程において製造された樹脂組成物がシートへと成型される。シートを成型する際の温度を、好ましくは熱可塑性樹脂の溶融温度以上に設定してもよく、例えば、150~180℃に設定し、押出圧力を適宜設定してもよい。なお、熱可塑性樹脂がランダム共重合体であるため、この工程での温度を低下させることができ、バイオマス材料の茶変を抑制でき、得られるシートの白色度を向上させることができる。
押出に際しては、Tダイ押出機、カレンダー成型機等の各種押出機を使用することができる。押出機によりシート状に成型されたバイオマス材料含有シートは、押し出された後、直ちに、引取りロールの温度を60℃以下に設定し、所定の厚さに成型したシートを冷却し、原反ロールとして引取り、巻き取られてもよい。前記シートの厚みは、例えば0.01mm~5mmでありうる。
2.バイオマス材料含有シートの用途
本実施形態に係るバイオマス材料含有シートは、インライン成型に使用されるものである。好ましくは、本実施形態に係るバイオマス材料含有シートは、135~145℃で成型される低温インライン成型に使用される。
インライン成型とは、熱成型性の良好なボトムシートを加熱しながら真空成型することにより食料品等の被包装物に合せた凹部(窪み)を形成し、その中に被包装物を充填した後、トップフィルムを被せてシールし、その後カットする成型方法をいう。図1は、本実施形態に係るバイオマス材料含有シートが用いられるインライン成型のフローチャートである。
図1に示すように、インライン成型は、成型工程(S1)、被包装物充填工程(S2)及びシール工程(S3)が1つのラインで行われる。前記成型工程(S1)においては、ボトムシートとしてラインに供される前記バイオマス材料含有シートが、凹部を有する形状に成型されうる。前記被包装物充填工程(S2)においては、前記成型工程(S1)で形成された凹部に食料品等の被包装物が充填されうる。前記シール工程(S3)においては、被包装物が充填された凹部をトップフィルムでシールする。
図2は、インライン成型による包装容器の製造方法の一実施形態を示す概略図である。図2に示すように、インライン成型機101を用いたインライン成型による包装容器は、本実施形態に係るバイオマス材料含有シートを用いたボトムシート102を加熱により軟化させ、軟化したボトムシート102を吸引によって成型金型103に密着させて被包装物104が収容される凹部を真空成型して、底容器105を形成し、充填エリアにおいて、前記底容器105内の開口部から底容器105に被包装物104を充填し、トップフィルム106を上から被せてシール金型107で熱シールして密封し、カッティング部108で個々にカットして製造する。
本実施形態に係るバイオマス材料含有シートは、成型金型103内で加熱され、圧空、真空、プラグアシスト等の各種成型方式により正確に被包装物の形状に適合させて凹部を形成しうる。当該凹部の深さは、用途に合わせて適宜設定することができ、例えば、凹部の深さを好ましくは1~5cmとしてもよい。また、容器の深さを容器の開口部内寸で割った値である絞り比が大きい深絞り成型してもよい。成型金型103内における加熱温度は、好ましくは135~145℃に設定され、加熱時間は、好ましくは2~5秒に設定され、成型時間は、好ましくは1~5秒に設定され得る。
また、底容器105に被包装物104を充填する方法は、人手又は自動充填装置により実施され得る。
トップフィルム106は、被包装物104が充填された底容器105とともに、シール金型107に供給され得る。このようなトップフィルム106として、特に限定されるものではないが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が用いられ得る。
シール金型107において、サーマルプリント、インクジェットプリント、ホットプリント等による日付やロットナンバー等の印字がなされてもよい。また、シール金型107において、適宜、真空又はガス置換が行われた後、トップフィルム106と底容器105は熱シールされ得る。シール金型107で実施される包装として、例えば、真空パック、ガス置換パック、スチームフラッシュパック(ホットパック)、スチームシュリンクパック、スキンパック等が挙げられる。
カッティング部108においては、インライン成型機101の走行方向及び走行方向に対して直交する方向でカットされ得る。カッティング方式として、例えば、ストレートカット、コーナーカット、コンプリートカット、ミシン目カット、ジグザグカット等が挙げられる。また、カッティング部108に自動ラベラーが搭載されてもよい。
3.実施例
以下、実施例に基づいて本発明を、さらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、本発明の範囲は、これらの実施例のみに限定されるものでない。実施例中、用いる評価方法及び評価基準は下記のとおりである。
(1)荷重たわみ温度
JIS K 7191「プラスチック-荷重たわみ温度の試験方法」に準拠して、長辺8cm×短辺1cm×厚み0.5cmの寸法を有する射出成型片に対して荷重たわみ温度を測定した。当該荷重たわみ温度は、0.45MPaの曲げ応力負荷をかけ、フラットワイズでの試験により測定した。具体的には、以下の条件で荷重たわみ温度を測定した。
使用装置:HDT試験装置(株式会社東洋精機製作所製 形式「3M-2」)
(2)熱可塑性樹脂の融点
熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量計(DSC)(DSC8000、パーキンエルマー製)を用いて測定した。
(3)シートの白色度
JIS Z 8722に準拠し、分光測色計(商品名「CM-600d」、コニカミノルタ社製)を使用して、シートのWI(White Index)を測定した。シートのWIを白色度の指標とした。
1.バイオマス材料含有シート
[バイオマス材料として澱粉を含有するシート]
試験例1:シートの製造
(実施例1)
コーンスターチ59質量部及びグリセリン酸エステル0.7質量部を高温撹拌機内で配合し、温度110~150℃、攪拌時間20~40分に設定し加熱攪拌した。その後、さらにランダム共重合ポリプロピレン(商品名:住友ノーブレンFL6632G、住友化学株式会社製(融点138.5℃))32.3質量部、及び高融点添加剤としてステアリン酸亜鉛と、ステアリン酸マグネシウムとを、それぞれ1質量部、3質量部添加し、さらに白色顔料MBを1質量部、相溶化剤を3質量部添加し、温度110~150℃、攪拌時間1~10分に設定し加熱攪拌した。
前記高温撹拌機から、前記加熱攪拌された混合物を排出し、冷却可能な撹拌機 (冷却撹拌機)中に移し、60~100℃に冷却しながら冷却攪拌し、降温させ、熱可塑性樹脂であるランダム共重合ポリプロピレンの粒状体を粒子コア部とし、その粒子コア部表面がコーンスターチ含有被覆層によって被覆された粒子が得られた。当該粒子は、ストックタンク内に移され、約70℃で維持された。
ストックタンク中に約70℃で維持されている粒子を、1段目の二軸押出機に投入し、シリンダ温度120~190℃、樹脂圧1~4MPaに設定し、混練した。前記二軸押出機中で混練された粒子を、加熱帯域の設定温度をランダム共重合ポリプロピレンの溶融温度以上の140~190℃、樹脂圧3~20MPaに設定した、2段目の一軸押出機に供給し、澱粉含有樹脂組成物(以下、「実施例1の澱粉含有樹脂組成物」ともいう)を得た。当該澱粉含有樹脂組成物は、前記一軸押出機に備えられたTダイからシート状に押し出され、引取りロールの温度を40~60℃に設定し、所定の厚さ0.7mmに成型した澱粉含有シートを冷却し、引取り、紙管に巻き取った。
また、荷重たわみ温度測定用サンプルとして、実施例1の澱粉含有樹脂組成物を射出成型機によって射出成型し、射出成型片を得た。
JIS K 7191に準拠して、前記射出成型片の荷重たわみ温度を測定した。荷重たわみ温度は、0.45MPaの曲げ応力負荷をかけ、フラットワイズでの試験により測定した。測定結果を下記表1に示す。
Figure 2023005438000001
(実施例2~4)
コーンスターチとランダム共重合ポリプロピレン(商品名:住友ノーブレンFL6632G、住友化学株式会社製(融点138.5℃))の添加量を上記表1のように変更する以外は実施例1と同じ方法で澱粉含有シートを製造した。
実施例2~4においても、実施例1と同じ評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
(比較例1)
単独重合ポリプロピレン(商品名:住友ノーブレンD101、住友化学株式会社製)のみを添加し、加熱帯域の設定温度を170℃~190℃、樹脂圧3MPa~20MPaに設定した、2段目の一軸押出機に供給する以外は実施例1と同じ方法でシートを製造した。
比較例1においても、実施例1と同じ評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
(比較例2)
ブロック共重合ポリプロピレン(商品名:サンアロマーVB170A、サンアロマー株式会社製)のみを添加し、加熱帯域の設定温度を170℃~190℃、樹脂圧3MPa~20MPaに設定した、2段目の一軸押出機に供給する以外は実施例1と同じ方法でシートを製造した。
比較例2においても、実施例1と同じ評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
(比較例3)
ランダム共重合ポリプロピレン(商品名:住友ノーブレンFL6632G、住友化学株式会社製(融点138.5℃))の代わりに単独重合ポリプロピレン(商品名:住友ノーブレンD101、住友化学株式会社製)を32.3質量部添加し、加熱帯域の設定温度を170℃~190℃、樹脂圧3MPa~20MPaに設定した、2段目の一軸押出機に供給する以外は実施例1と同じ方法で澱粉含有シートを製造した。
比較例1においても、実施例1と同じ評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
(比較例4)
ランダム共重合ポリプロピレン(商品名:住友ノーブレンFL6632G、住友化学株式会社製(融点138.5℃))の代わりにブロック共重合ポリプロピレン(商品名:サンアロマーVB170A、サンアロマー株式会社製)を32.3質量部添加する以外は実施例1と同じ方法で澱粉含有シートを製造した。
比較例4においても、実施例1と同じ評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
実施例1~4の澱粉含有シートはいずれも荷重たわみ温度が65℃以上80℃以下の範囲に含まれ、低温でのインライン成型用途として好適なものであった。一方、比較例1~4のシートの荷重たわみ温度は、当該数値範囲外であり、比較例1~4のシートは低温インライン成型用途として好適なものではなかった。また、実施例1と、比較例3と、比較例4とを比べると、同じ澱粉含有量でありながら、実施例1の白色度は、比較例3、4の白色度よりも向上していたことが分かる。
上述の実施形態及び実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等を用いてもよい。
また、上述の実施形態及び実施例の構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等は、本実施形態の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階における数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階における数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
101 インライン成型機
102 ボトムシート
103 成型金型
104 被包装物
105 底容器
106 トップフィルム
107 シール金型
108 カッティング部

Claims (8)

  1. バイオマス材料と、
    熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物とから形成され、
    前記熱可塑性樹脂がランダム共重合体であり、
    その用途がインライン成型用である、バイオマス材料含有シート。
  2. 前記インライン成型は、
    前記バイオマス材料含有シートを、凹部を有する形状に成型する成型工程と、
    前記バイオマス材料含有シートの前記凹部に被包装物を充填する被包装物充填工程と、
    前記被包装物が充填された前記凹部をフィルムでシールするシール工程と、
    が1つのラインで行われる、請求項1に記載のバイオマス材料含有シート。
  3. 前記成型工程において、前記バイオマス材料含有シートは135℃~145℃で成型される、請求項2に記載のバイオマス材料含有シート。
  4. バイオマス材料と、
    熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物とから形成され、
    前記熱可塑性樹脂がランダム共重合体であり、
    前記バイオマス材料の含有割合が50質量%以上である、バイオマス材料含有シート。
  5. 荷重たわみ温度が65℃以上80℃以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のバイオマス材料含有シート。
  6. 前記バイオマス材料が澱粉である、請求項1~5のいずれか1項に記載のバイオマス材料含有シート。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項1~6のいずれか1項に記載のバイオマス材料含有シート。
  8. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン樹脂である、請求項7に記載のバイオマス材料含有シート。
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