JP2964608B2 - 白色ポリオレフィンフイルム - Google Patents

白色ポリオレフィンフイルム

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JP2964608B2 JP27490090A JP27490090A JP2964608B2 JP 2964608 B2 JP2964608 B2 JP 2964608B2 JP 27490090 A JP27490090 A JP 27490090A JP 27490090 A JP27490090 A JP 27490090A JP 2964608 B2 JP2964608 B2 JP 2964608B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、白色ポリオレフィンフイルムに関する。更
に詳しくは、白くて隠蔽性に優れ、また耐衝撃性、水蒸
気バリア性に優れ、さらに描画性とヒートシール性をも
有した白色ポリオレフィンフイルムに関するものであ
る。
[従来の技術] 従来、白色ポリオレフィンフイルムとしては、炭酸カ
ルシウム等の無機フィラーあるいはポリエステル等の非
相溶性樹脂をブレンドして延伸し、形成されたボイドの
光散乱により、白色化するもの(特公昭60−37793号、
特開昭61−157547号等)が知られている。
また、印刷性、描画性を付与するために無水マレイン
酸グラフトポリオレフィン樹脂に炭酸カルシウム粒子を
加えた組成物を表層に複合したフイルム(特開昭57−12
642号)が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、炭酸カルシウム等の無機フィラーある
いはポリエステル等の非相溶性樹脂を大量に添加し、白
色化フイルムとした場合、ボイドの体積が大きく、また
ボイド形成物の吸湿性が高いために、耐衝撃性、水蒸気
バリア性に劣り、さらには表層がデラミネーションした
り、経日で白色度が低下するという問題点があり、各種
印刷用紙、各種ラベル、各種粘着テープ、各種包装紙と
して用いた場合好ましいものではなかつた。
また、印刷性、描画性を付与するために無水マレイン
酸グラフトポリオレフィン樹脂に炭酸カルシウム粒子を
加えた組成物を表層に複合したフイルムは、描画層が柔
らかいために印刷性、描画性に劣ったものであつた。
従って本発明は、上記の白色化ポリオレフィンフイル
ムの問題点を解決すべく鋭意検討を行なった結果、白く
て隠蔽性に優れ、耐衝撃性、水蒸気バリア性に優れ、さ
らに描画性とヒートシール性をも有し、各種印刷用紙、
各種ラベル、各種粘着テープ、各種包装紙として好適な
白色化ポリオレフィンフイルムを提供せんとするもので
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、結晶性ポリプロピレン94.95〜75重量%と
該結晶性ポリプロピレンに非相溶で熱変形温度が100℃
以上の樹脂5〜20重量%と平均粒子径0.02〜3.0μmの
微細粒子0.05〜5重量%とからなる樹脂層(A層)の少
なくとも片面に、平均表面粗さRaが0.4μm以上で粗密
度(0.2μm以上)が15個/mm以上の樹脂層(B層)を積
層してなることを特徴とする白色ポリオレフィンフイル
ムに関するものである。
本発明の結晶性ポリプロピレン(以下PPと略称する)
は、プロピレンモノマー単位以外のα−オレフィン(エ
チレン、ブテン、ヘキセン等)モノマーを含有すること
が許されるが、該PPの10モル%以下としておくことが、
白色度、光学濃度が高くなるので好ましい。
また、該PP樹脂は、極限粘度[η]が1.2〜3.6dl/g、
好ましくは1.6〜2.4dl/g、アイソタクチックインデック
ス(II)が、95%以上、メルトフローインデックス(MF
I)が1.2〜20g/10分の範囲が機構特性、耐衝撃性等の諸
物性、および白色度、光学濃度の均一性が良好となるま
で好ましい。
また、該PP樹脂中にβ晶核剤を1×1010〜1×10-5
量%添加しておくと、白色度、光学濃度が高く、均一性
が良好となるので好ましい。
該β晶核剤としては、キナクリドン類、キナクリドン
キノン類が好ましく、特にγ−キナクリドンが好まし
い。
本発明の該結晶性ポリプロピレンに非相溶で熱変形温
度(ASTM D648に準じて、その時の荷重が4.6kg/cm2
が100℃以上の樹脂(以下、単に非相溶性樹脂Aと称す
る)は、ポリ4メチルペンテン1、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリカーボネートからなる群より選ばれた少な
くとも一種の樹脂であることが本発明のフイルムを得る
上で望ましい。該ポリ4メチルペンテン1(以下PMPと
略称する)は、4メチルペンテン1の単独重合体が好ま
しいが、共重合成分としてエチレン、プロピレン、ブテ
ン、ヘキセン等の他のモノマーが5モル%以下共重合さ
れた共重合体であっても良い。また、PMPの熱変形温度
は100℃以上、好ましくは105℃以上である。熱変形温度
がこの値未満ではフイルムの白色度と光学濃度が不十分
となりやすいので好ましくない。また、該PMPのMw/Mnは
6以下である。Mw/Mnが6を越える場合は、白色度と光
学濃度が不十分となりやすいので好ましくない。また、
溶融特性として、メルトフローインデックスが10〜100g
/10分であることが、白色度と光学濃度が高くなり好ま
しい。
該ポリフェニレンオキサイド(以下PPOと略称する)
は、ポリフェニレンオキサイド単独重合体、もしくはポ
リスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、スチレン−ブタジエン
ラバー等との共重合体または変性物である。該PPOの熱
変形温度は100℃以上、好ましく110℃以上である。熱変
形温度がこの値未満ではフイルムの白色度と光学濃度が
不十分となりやすいので好ましくない。
また、該ポリカーボネート(以下PCと略称する)は、
ポリカーボネート単独重合体、もしくはポリスチレン、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート等とのアロイ変性物である。該PCの熱変形温度は10
0℃以上、好ましくは110℃以上である。熱変形温度がこ
の値未満ではフイルムの白色度と光学濃度が不十分とな
りやすいので好ましくない。また該PCの重量平均分子量
(Mw)は、1×104以上、好ましくは2×104以上である
とフイルムの白色度と光学濃度の均一性が良好となる。
本発明のA層に含まれる非相溶性樹脂Aの含有量は5
〜20重量%、好ましくは10〜15重量%である。非相溶性
樹脂Aの含有量が本発明の範囲未満では、フイルムの白
色度と光学濃度が不十分となるので好ましくない。ま
た、この範囲を越えると、本発明のフイルムの耐衝撃性
と水蒸気バリア性が悪化するので好ましくない。
また、本発明のA層に含まれる微細粒子は、平均粒子
径が0.02〜3.0μm、好ましくは0.1〜2.0μm、より好
ましくは0.3〜1.0μmである。また、微細粒子の含有量
は0.05〜5.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%であ
る。
本発明のA層に含まれる微細粒子径が本発明の範囲未
満では、粗大な二次凝集粒子が生成しやすくなり、フイ
ルムの白色度と光学濃度の均一性が悪化するので好まし
くない。また、この範囲を越える場合はフイルムの耐衝
撃性と水蒸気バリア性が悪化するので好ましくない。ま
た、微細粒子の含有量が本発明の範囲未満では、フイル
ムの白色度と光学濃度が不十分となるので好ましくな
い。また、この範囲を越えると、本発明のフイルムの耐
衝撃性と水蒸気バリア性が悪化するので好ましくない。
本発明のA層に含まれる微細粒子とは、無機粒子、あ
るいは熱硬化性の有機粒子である。例えば、天然シリ
カ、合成シリカ、サイロイド、酸化チタン、ハイドロタ
ルサイト、架橋シリコン、架橋スチレン、ベンゾグアナ
ミン粒子などが挙げられる。特に球状の合成シリカ、架
橋シリコンが好ましい。
本発明フイルムのA層の少なくとも片面に積層される
B層とは、平均表面粗さRaが0.4μm以上で粗さ密度
(0.2μm以上)が15個/mm以上であることが必要であ
る。平均表面粗さが0.4μm未満では描画性が得られ
ず、また粗さ密度(0.2μm以上)が15個/mm未満では表
面がチカチカやピカピカして、印字や印刷が見にくくな
る。
また、該B層の樹脂組成は、結晶性ポリオレフィンと
該結晶性ポリオレフィンに非相溶性で、熱変形温度が10
0℃以上の樹脂と微細粒子とからなる。該結晶性ポリオ
レフィンとは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4
メチルペンテン1、エチレン−α−オレフィン共重合体
から選ばれた一種又は二種以上の樹脂であり、好ましく
はエチレン−プロピレンブロック共重合体(以下b−EP
Cと略称する)にすると粗さ密度が高くなり描画性が良
好となる。該結晶性ポリオレフィンに非相溶性で、熱変
形温度が100℃以上の樹脂(以下、単に非相溶性樹脂B
と称する)としては、ポリ4メチルペンテン1、高密度
ポリエチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボ
ネート樹脂などが挙げられる。この中でも、ポリ4メチ
ルペンテン1、ポリカーボネート樹脂が描画性の点で好
ましい。
該結晶性ポリオレフィンに添加する該非相溶性樹脂B
の添加量は、3〜15重量%、好ましくは5〜12重量%で
ある。本発明の範囲未満では描画性のための表面粗さが
得られず、範囲を越えるとA層とB層の界面でデラミが
おこりやすくなるので好ましくない。
また、該結晶性ポリオレフィンに添加す微細粒子と
は、無機粒子、あるいは熱硬化性の有機粒子である。例
えば、天然シリカ、合成シリカ、サイロイド、酸化チタ
ン、ハイドロタルサイト、架橋シリコン、架橋スチレ
ン、ベンゾグアナミン粒子などが挙げられる。特に球状
の合成シリカ、架橋シリコンが好ましい。該微細粒子の
平均粒子径は、0.02〜3.0μm、好ましくは0.05〜2.0μ
mであると描画性が良好となるので望ましい。本発明の
B層に含まれる微細粒子径が本発明の範囲未満では、描
画性のむらが生じやすくなるので好ましくなく、またこ
の範囲を越える場合は、フイルムの延伸工程でのフイル
ム破れが起こりやすくなるので好ましくない。
また、本発明のB層に含まれる微細粒子の含有量は3
〜10重量%、好ましくは5〜8重量%であることが望ま
しい。本発明の範囲未満では、均一な描画性が得られ
ず、またこの範囲を越える場合は、耐衝撃性と水蒸気バ
リア性が悪化するので好ましくない。
本発明のフイルムの構成は、B層/A層、B層/A層/B層
である。また本フイルムは、二軸方向に延伸を加えた二
軸配向フイルムである。フイルムに配向を与える方法と
しては逐次二軸延伸法が好ましい。
本発明のフイルムの厚みは特に限定されるものではな
いが、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜70
μmである。また、本発明のフイルムの厚みに対しての
B層の厚み比は好ましくは5〜35%、より好ましくは10
〜20%である。本発明の範囲未満では、均一な描画性が
得られず、またこの範囲を越える場合は、白色度と光学
濃度が悪化するので好ましくない。
本発明のフイルムの白色度は90%以上、好ましくは95
%以上であることが望ましい。本発明の範囲未満では、
表面に印刷、あるいは熱転写法などによって画像などを
転写した場合、画像の鮮明度に劣るので好ましくない。
また、本発明のフイルムの光学濃度(OD)は、0.35以
上であることが望ましい。本発明の範囲未満では、例え
ば紙などの他の基材とラミネートした場合に下地の表面
が透けて見えやすくなるので好ましくない。
さらに本発明のフイルムの長さ方向と幅方向のシャル
ピー衝撃強度の分が15(kg・cm/mm2)以上であることが
望ましい。本発明の範囲未満では、例えば包装紙、ある
いは粘着テープの基材として用いた場合に実用に耐えな
い。
また、本発明のフイルムの水蒸気透過率は、3.0(g/m
2・24hr/0.1mm)以下であることが望ましい。本発明の
範囲未満では、吸湿性の高い小菓子や米菓などの包装用
として用いた場合、長期保存性に劣る。
次に、本発明のフイルムのC層の樹脂は、エチレン−
α−オレフィン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体、エチレン−ビニルエステル
共重合体から選ばれた一種又は二種以上の樹脂からなる
ものである。この中でもエチレン・プロピレンランダム
共重合体(以下EPCと略称する)がヒートシール力が高
く、また水蒸気バリア性が高いので好ましい。
C層を積層した本発明のフイルムの積層構成は、B層
/A層/C層、B層/A層/B層/C層である。C層の積層厚み
は、3〜10μmが好ましい。
本発明のフイルムは、それ自身のフイルムで包装用、
ラベル用、粘着テープ用、カード用として使うことがで
きる。また、紙、ポリエステルフイルム、ポリプロピレ
ンフイルム、アルミ箔等と張り合わせて使うこともでき
る。この場合、B層又はC層の表面に接着性を良くする
ためにコロナ放電処理を行なうことが好ましい。コロナ
放電処理は公知の方法を用いることができるが、処理を
施す時の雰囲気ガスとして、空気、炭酸ガス、窒素ガ
ス、炭酸ガス/窒素ガスが好ましく、特に空気が簡便
性、経済性の点で好ましい。
次に本発明の白色ポリオレフィンフイルムの製造方法
について述べるが、これに限定されるものではない。
結晶性PPと比相溶性樹脂A,Bと微細粒子のそれぞれ特
定範囲の混合物からなるA層樹脂とB層樹脂を別々の2
台の押出機にそれぞれ供給し、280℃以上、好ましくは2
90℃〜320℃の温度で溶融し、多層成形口金にてB層/A
層、B層/A層/B層となるように口金内で合流させた後、
積層シート状に成形する。また、別の積層方法として
は、口金の上流の短管内でA層樹脂とB層樹脂とを合流
せしめた後、T型口金でシート状に成形することもでき
る。該積層シートを30〜120℃、好ましくは60〜100℃の
温度のドラムに巻き付けて冷却固化する。次いで、該シ
ートを100℃〜130℃の温度に加熱した周速差をつけたロ
ール間で長手方向に3〜7倍に延伸し、ただちに室温に
冷却する。このときの延伸温度は次の横延伸性が悪化し
ない下限の温度、110〜120℃の範囲がフイルムの光学濃
度が高くなるので好ましい。該延伸フイルムをテンター
に導いて、140〜170℃の温度で幅方向に4〜10倍に延伸
し、次いで幅方向に5〜20%の弛緩を与えつつ、150え1
70℃の温度で熱固定して巻取る。
本発明のフイルムの延伸方法は、逐次二軸延伸法が好
ましく、同時二軸延伸法は白色度および光学濃度が高く
なりにくいので好ましくない。
またC層の積層は、C層の樹脂をもう一台の押出機に
供給して、上記の多層成形口金にてB層/A層/C層もしく
はB層/A層/B層/C層の構成に積層するか、または上記製
膜工程の長手方向に延伸された延伸フイルムにC層の樹
脂を押出ラミネートし、該積層フイルムをテンターに導
き、幅方向に延伸される方法が用いられる。具体的に
は、C層の樹脂を押出機に供給し、220〜280℃の温度で
溶融した後、カラス口型の口金にてシート状に溶融押出
をし、その溶融シートを10〜50℃の温度の冷却ロールと
ゴムロールの間で該長手方向に延伸したフイルムと張り
合わせ圧着する。
本発明のフイルムは、目的に応じて帯電防止剤、耐候
剤、防曇剤、滑り剤などの添加剤を添加、またはコーテ
ィングしてもよい。また、表面改質の目的で空気雰囲気
中、不活性ガス雰囲気中等でコロナ放電処理などの公知
の処理を施してもよい。
また本発明のフイルムは、目的に応じてエンボス加
工、印刷、押出ラミネーション加工、他の樹脂フイル
ム、紙、布などと張り合わせ加工を行なつて用いること
もできる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明の白色ポリオレフィンフイ
ルムは、結晶性PPに特定の非相溶性樹脂と微細粒子を添
加混合した樹脂層(A層)の少なくとも片面に、結晶性
ポリオレフィンに特定の非相溶性樹脂と微細粒子を添加
混合した樹脂層(B層)を積層し、逐次二軸延伸したフ
イルムであって、次のような優れた効果を生じるもので
ある。
(1)白くて隠蔽性に優れ、印刷の白色下塗り層が省略
でき印刷仕上がりが良く、またえんぴつやボールペンで
文字を書くことができる。
(2)二次加工で必要な機械強度、耐衝撃性に優れ、各
種印刷用紙、粘着テープベース用として良好な特性有す
る。
(3)ボイドの形状が小さく扁平で均一であることか
ら、菓子やスナック類の包装用として必要な防湿性に優
れている。
(4)無機粒子の添加量が少ないので、製膜性に優れて
いる。
次に本発明に関する特性の評価方法を示す。
(1)極限粘度[η] ASTM D 1601に従つてテトラリン中で測定したもの
で、dl/g単位で表わす。
(2)アイソタクチックインデックス(II) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W
(mg)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n
−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取り出
しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真空乾燥
しその後、重量W′(mg)を測定し、次式で求める。
II(%)=W′/W×100 (3)フイルム厚み ダイヤルゲージ式厚み計(JIS−B−7509、測定子5mm
φ平型)を用いて測定した。
(4)シャルピー衝撃強度 Charpy衝撃試験機によつて求められた値で、試験片を
切断する方向に要したエネルギーE(kg/cm)を、サン
プル幅(cm)で割った値で示し算出法は次式による。
E=WR(cosβ−cosα) Wはハンマー重量(kg)、Rはハンマーの回転中心軸
から重心までの距離(cm)、αはハンマー持ち上げ角、
βは試験片切断後のハンマー振り上げ角である。測定雰
囲気は25℃・65%RHである。
(5)光学濃度(OD) マクベス社製濃度計TD−504を用いて測定した。入射
光量をI0、透過光量をIとすると、 OD=−Iog10(I/I0) で定義される。この値をフイルム厚み30μmに換算した
値を記す。
(6)融解温度(Tm)及び溶融結晶化温度(Tmc) 示差走査熱量計(DSC−2型)、パーキンエルマー社
製)を用い、サンプル5mgを室温より、20℃/分の昇温
速度で昇温していった際の結晶の溶解に伴う融解吸熱ピ
ークを融解温度(Tm)とする。ついで、280℃の溶融保
持温度まで昇温し、5分間保持した後に20℃/分の冷却
速度にて冷却していった時に、結晶化に伴う潜熱のピー
ク温度を溶融結晶化温度(Tmc)とした。
(7)Mw/Mn ゲル浸透クロマトグラフによつて、重量平均分子量
(Mw)および数平均分子量(Mn)を求め、その比をMw/M
nとする。
条件は以下の通り。
装置:GPC−150C(WATERS) カラム:shodex KF−80M(昭和電工) 溶媒:O−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加、135℃) 試料濃度:0.2(wt/vol)% 流速:1ml/min 分子量校正:単分散ポリスチレン (8)粒子の平均粒子径 溶媒中(例えば、エタノール等)に試料を分散させ、
遠心沈降粒度分布測定装置(堀場製作所製CAPA500)を
用いて体積平均径を算出し、平均粒径とした。
(9)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し、粒子は溶解させない溶媒を選
択し、熱可塑性樹脂を溶解し、粒子を遠心分離し、粒子
の重量を測定し、その重量比(重量%)を示した。
(10)メルトフローインデックス(MI) ASTM−D−1238に準じて、PPは230℃・2.16kg、PMPは
260℃・2.16kgの条件で測定した。
(11)平均表面粗さRaおよび粗さ密度 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。条件は下記の通りであり、20回の測定の平均
値をもって値とした。
触針先端半径:0.5μm 触針荷重 :5mg 測定長 :4mm カットオフ値:0.08mm なお、表面粗さRaおよび粗さ密度の定義の詳細は、た
とえば、奈良治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合
技術センター、1983)に示されているものである。
(12)樹脂の熱変形温度 ASTM−D648の方法に準じて、荷重4.6kg/cm2として測
定して求めた温度を熱変形温度とした。
(13)描画性 鉛筆の硬度を変えてフイルム表面に文字を書き、2Hま
で書けるものを○、Bまで書けるものを△、ほとんど書
けないものを×とした。
(14)白色度(JIS L1015 7.17B 2波長法) 分光光度計(島津製作所製 UV−260)に積分球を取
り付け、MgO白板を100%とした反射率を測定する。波長
450nmのときの反射率をB(%)、波長550nmのときの反
射率をG(%)として、白色度(%)=4B−3Gとする。
(15)ヒートシール力 フイルムのC層面同志を重ね合わせ、120℃に加熱保
持された金属板とシリコンゴムの間に入れ、圧力1kg/cm
2・1secの条件でヒートシールし、剥離速度300mm/分で9
0度剥離したときの強度を測定した。
[実施例] 以下では実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説
明する。
実施例1〜3、比較例1〜6 結晶化PP(極限粘度:1.85dl/g、MI:3.0g/10分、II:98
%)樹脂に、該結晶化PPに非相溶性樹脂AとしてPC(熱
変形温度:135℃)と、微細粒子として平均粒径0.4μm
の真球合成シリカを第1表に示した割合に溶融混合した
樹脂(A層)と、b−EPC(MI:7、エチレン層:5重量
%)に、上記非相溶性樹脂と微細粒子を第1表に示した
割合に溶融混合した樹脂(B層)をそれぞれ別々の押出
機に供給し、290℃の温度で溶融し、T型口金に導き、
口金内でB層/A層に積層後、シート状に押出成形し、60
℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化し
た。該シートを110℃に保たれたロールに通して予熱し
た後、125℃の温度で周速差の異なるロール間で長手方
向に5.0倍延伸し、ただちに室温に冷却した。次に該延
伸シートをテンターに導き、165℃の温度に予熱し、引
き続き160℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで幅方
向に10%の弛緩を与えつつ165℃の温度で熱処理をした
後、冷却し巻き取った。フイルム厚み構成は、各押出機
の押出量で調節した。フイルム特性は第2表のとおりで
あった。本発明の範囲のフイルムは描画性を有し、かつ
白色度が高く、光学濃度が高くて隠蔽性に優れ、耐衝撃
性、水蒸気バリア性にも優れたものであった。また、本
発明の範囲をはずれたフイルムは、描画性、白色度、光
学濃度、耐衝撃性、水蒸気バリア性のいずれかに劣り、
本発明の目的とするフイルムは得られなかった。
実施例4、比較例7 実施例4では、実施例1の非相溶性樹脂をPPO(熱変
形温度:125℃)とし、比較例7では、実施例1の非相溶
性樹脂をポリスチレン(以下、PSと称する)(熱変形温
度:74℃)とした以外は実施例1と全く同様にしてフイ
ルムを製造した。フイルム特性は第2表のとおりであっ
た。非相溶性樹脂の熱変形温度が、本発明の範囲のフイ
ルムは描画性を有し、かつ白色度が高く、光学濃度が高
くて隠蔽性に優れ、耐衝撃性、水蒸気バリア性にも優れ
たものであったが、範囲をはずれたフイルムは、描画
性、白色度、光学濃度に劣り、本発明の目的とするフイ
ルムは得られなかった。
実施例5 実施例1の非相溶性樹脂をPMP(熱変形温度:110℃)
とし、該シートを実施例1の方法で長手方向に延伸し
た。C層の樹脂としてEPCを別の押出機に供給し、260℃
の温度で溶融し、カラス口型の口金でシート状に押出成
形し、該溶融シートを該延伸シートと一緒に20℃の温度
の金属冷却ロールとゴムロールの間を通し、延伸シート
上に張り合わせ熱圧着し、B層/A層/C層の積層シートと
した。該積層シートを実施例1の方法で幅方向に延伸
し、二軸延伸複合フイルムとした。フイルム特性を第2
表に示したように本発明の範囲のフイルムは描画性を有
し、かつ白色度が高く、光学濃度が高くて隠蔽性に優
れ、耐衝撃性、水蒸気バリア性にも優れ、さらにA層/C
層間のデラミがなく、ヒートシール力が高いものであっ
た。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレン94.95〜75重量%と
    該結晶性ポリプロピレンに非相溶で熱変形温度が100℃
    以上の樹脂5〜20重量%と平均粒子径0.02〜3.0μmの
    微細粒子0.05〜5重量%とからなる樹脂層(A層)の少
    なくとも片面に、平均表面粗さRaが0.4μm以上で粗さ
    密度(0.2μm以上)が15個/mm以上の樹脂層(B層)を
    積層してなることを特徴とする白色ポリオレフィンフイ
    ルム。
  2. 【請求項2】結晶性ポリプロピレンに非相溶で熱変形温
    度が100℃以上の樹脂が、ポリ4メチルペンテン1、ポ
    リフェニレンオキサイド、ポリカーボネイトからなる群
    より選ばれた少なくとも一種の樹脂であることを特徴と
    する請求項(1)に記載の白色ポリオレフィンフイル
    ム。
  3. 【請求項3】平均表面粗さRaが0.4μm以上で粗さ密度
    (0.2μm以上)が15個/mm以上の樹脂層(B層)が、結
    晶性ポリオレフィンと該結晶性ポリオレフィンに非相溶
    で、熱変形温度が100℃以上の樹脂と微細粒子とからな
    ることを特徴とする請求項(1)に記載の白色ポリオレ
    フィンフイルム。
  4. 【請求項4】結晶性ポリオレフィンが、ポリエチレン、
    ポリプロピレン、ポリ4メチルペンテン1、エチレン−
    α−オレフィン共重合体から選ばれた一種または二種以
    上の樹脂であることを特徴とする請求項(3)に記載の
    白色ポリオレフィンフイルム。
  5. 【請求項5】請求項(1)に記載の白色ポリオレフィン
    フイルムに、さらにエチレン−α,β−不飽和カルボン
    酸エステル共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合
    体から選ばれた一種または二種以上の樹脂からなる樹脂
    層(C層)が、B層/A層/C層またはB層/A層/B層/C層の
    順に積層されてなることを特徴とする白色ポリオレフィ
    ンフイルム。
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