JP5031004B2 - インバータ駆動装置及び冷凍空気調和装置 - Google Patents

インバータ駆動装置及び冷凍空気調和装置 Download PDF

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Description

本発明は、インバータ駆動装置およびインバータ駆動装置を有する冷凍空気調和装置に関するものである。特にスイッチング素子を切り替える際に発生する損失低減に係るものである。
可変電圧・可変周波数インバータが実用化されるに従って、各種の電力変換装置の応用分野が開拓されてきた。
例えば、電動機駆動装置等に用いられる駆動回路には、三相電圧形インバータ駆動装置等が用いられる。三相電圧形インバータ駆動装置は、サイリスタ、トランジスタ、IGBT、MOSFET等の電力用半導体スイッチング素子を用いた三相のブリッジ回路等で構成される。本回路において、各相のスイッチング素子は、正極端子および負極端子を直流電圧源の正極端子および負極端子にそれぞれ直接接続することで実現できる。
近年、スイッチング周波数の高速化や、素子の高耐圧化、また装置の高効率化が進むにつれ、上記回路を改良することで、スイッチング損失を低減する手法が提案されてきている。
例えば、パワー・スイッチング素子駆動回路の制御用電源に接続された昇圧コンバータ回路と、昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、電圧比較回路の出力を他の相のインバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続し、パワー・スイッチング素子をOFFする時に、昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFし、スナバ回路のエネルギーにより昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、電圧比較回路の出力をインバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置を開示している(例えば、特許文献1参照)。
また、パワー・スイッチング素子駆動回路の制御用電源に接続された昇圧コンバータ回路と、昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、電圧比較回路の出力をインバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続し、パワー・スイッチング素子をOFFする時に、昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFし、昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、電圧比較回路の出力をインバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置を開示している(例えば、特許文献2参照)。これら装置では、フリーホイール・ダイオードが逆阻止能力を回復(以下、逆回復という)するまでの間に発生するスパイク電圧を低減させて損失の低減をはかることで効率の高いモータ駆動用インバータ制御装置を提供している。
そして、スイッチング素子にMOSFETを用い、直流電圧源に直列接続された負荷に電力を供給する一対の主回路スイッチング素子に逆並列接続された還流ダイオードと、これら各還流ダイオードが遮断するにあたって前記直流電圧源より小さな逆電圧を各還流ダイオードに印加する逆電圧印加回路とを備えたインバータ駆動装置を開示している(例えば、特許文献3参照)。本装置では、還流ダイオードが遮断するにあたって逆電圧印加回路から還流ダイオードに直流電圧源より小さな逆電圧を印加する。逆電圧印加回路の低電圧源からの電力供給により逆回復を支援するので、還流ダイオードによって生じる損失が少なくなる。
特開2008−109792号公報(要約、図1) 特開2008−104314号公報(要約、図1) 特開平10−327585号公報(図1)
上記のように、従来のインバータ駆動装置では、効率の改善を図るため、スイッチング素子の選定、逆回復における損失低減をはかるための対策回路の付加等が行われている。しかしながら、高価な素子及び逆回復における損失低減をはかるための対策回路を設けるためにシステムが高コスト化してしまう。例えば、コストを抑えるために、電気特性の異なるスイッチング素子を織り交ぜ、対策回路の数を抑えようとすると、アーム毎のサージ量抑制の調整が困難となる。そして、対策回路が故障等をすると主回路の駆動動作に影響することとなり、安全な駆動ができず、信頼性が低下することとなっていた。
本発明は、上記課題に基づき、逆回復における損失低減をはかりつつ、システムの高効率化に寄与し、コスト低減、信頼向上を図ることができるインバータ駆動装置及びそのインバータ駆動装置を有する冷凍空気調和装置を提供することを目的とする。
この発明に係るインバータ駆動装置は、変換用スイッチング素子と、変換用スイッチング素子に並列接続された還流手段とを備えるアームを一対以上有するインバータ駆動装置であって、変換用スイッチング素子及び還流手段に、二次側巻線を並列接続する変圧器と、変圧器の一次側巻線への電流供給を制御する変圧器駆動回路とを、一対のアームのうちの一方のアームに備えるものである。
本発明によれば、変圧器と変圧器駆動回路とにより、変圧器駆動回路から制御しながら変圧器の一次側巻線に電流供給を行うようにし、二次側巻線から変換用スイッチング素子、還流手段側に電流を流すようにしたので、逆回復の際に発生する電流を抑制することができる。このため、例えば、逆回復に係る時間を短縮することができ、スイッチ切り替えに係る損失を低減し、高効率で、省エネルギーのインバータ駆動装置を得ることができる。このとき、一対のアームのうち、逆回復における損失を無視できない一方のアームにだけ、逆回復における損失を低減するための変圧器と変圧器駆動回路とを設けるようにしたので、コストの低減をはかることができる。さらに、損失を低減させるための電力供給に係る電源を、各アームの変圧器を介して接続するようにすることで、変圧器によるサージ量調整が可能となり、アーム毎の調整を簡単に行うことができる。そして、変圧器の一次側巻線と二次側巻線との間は絶縁されているため、変圧器駆動回路とインバータ主回路とが相互に影響を及ぼすことが少なく、信頼性を高めることができる。
スーパージャンクション構造のMOSFETの構成例を示した図である。 リカバリー電流の経路を表す図である。 実施の形態1に係るインバータ駆動装置を中心としたシステムの図である。 実施の形態1に係る変圧器駆動回路11aを中心とする図である。 実施の形態1に係るPWM信号等の波形の一例を示す図である。 実施の形態1に係るPWM信号等の波形の一例を示す図である。 実施の形態2に係るインバータ駆動装置を中心としたシステムの図である。 実施の形態2に係る変圧器駆動回路11aを中心とする図である。 実施の形態2に係るPWM信号等の波形の一例を示す図である。 実施の形態3に係るインバータ駆動装置を中心としたシステムの図である。 実施の形態3に係る変圧器駆動回路11aを中心とする図である。 実施の形態3に係るPWM信号等の波形の一例を示す図である。 実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の構成図である。
以下、本発明のインバータ駆動装置等について図面等を参照しながら説明する。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor :絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor )等のパワーデバイスは、民生機器から産業機器まで様々な分野に使用されており、素子の高耐圧化、スイッチングの高速化、高効率化、低ノイズ化といった観点から様々なデバイス改良・開発が行われてきている。SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)、スーパージャンクション(Super Junction)構造のMOSFET等はその代表例である。
図1はスーパージャンクション(以下、SJという)構造のMOSFETの概略を示す図である。例えば、SJ構造のMOSFETは、p層61とn層62とのチャージをバランスさせることで、オン抵抗を低く抑えつつ、高耐圧化できるといったメリットを有する。
しかしながら、SJ構造のMOSFETをインバータ駆動装置の変換用スイッチング素子として適用する際、素子に内蔵する寄生ダイオードにより、逆回復時間が遅いといった問題が存在する。以下、主回路において交流電圧を直流電圧に変換する変換用スイッチング素子を、単にスイッチング素子という。
図2は短絡電流の経路を表す図である。例えば、一対のアームのうち、任意の一方のアーム(以下、片側アームという)のスイッチング素子がターンオフし、他方のアームのスイッチング素子がターンオンする際、主回路側とのループ経路にて等価的な短絡電流(リカバリー電流)が流れる。このため、寄生ダイオードの電荷が放出し終わるまでの間の分だけ損失悪化を招くといった問題があった(以下、このような逆回復時における損失をリカバリー損失と称する)。
そこで、以下の実施の形態では、変圧器を活用して、簡易な構成でリカバリー損失を低減することができるインバータ駆動装置について説明する。
ここで、以下の実施の形態では、本発明の効果が最も発揮されるSJ構造のMOSFETを一部のスイッチング素子に適用する場合について説明するが、スイッチング素子については特に限定するものではない。例えば、比較的高電圧な領域(約400V以上)においては、IGBT等を用いた場合でも、還流ダイオードの特性等により、リカバリー損失増加が顕著になるため、本発明に係るインバータ駆動装置を適用することができる。
実施の形態1.
図3は、本発明の実施の形態1に係るインバータ駆動装置を中心とするシステムの構成を示す図である。
図3に示すように、本実施の形態のシステムは、直流電圧源13、インバータ装置(回路)2、電動機1、電動機1に流れる電動機巻線電流を検出する電流検出素子8(8a〜8b)、増幅器9(9a〜9b)、電圧検出手段10、インバータ制御装置12で構成する。直流電圧源13は、本実施の形態では、例えば100V〜200Vの範囲における直流電圧を印加するものである。また、本実施の形態の電動機1は三相交流電動機である。
本実施の形態におけるインバータ装置2は、三対の片側アーム3a〜3fを有している。本実施の形態では、片側アーム3aと3d、片側アーム3bと3e、片側アーム3cと3fを対とし、それぞれ電動機1のU相、V相、W相に対して電力供給を行う。また、片側アーム3a〜3cが直流電圧電源13と正側で接続された上側アーム、片側アーム3d〜3fが直流電圧電源13と負(接地)側で接続された下側アームとなる。
上側アームである各相の片側アーム3a〜3cは、それぞれスイッチング素子4a〜4c、還流ダイオード5a〜5c、変圧器6a〜6c、ダイオード7a〜7c及び変圧器駆動回路11a〜11cで構成する。
ここでスイッチング素子4a〜4cは上述したSJ構造のMOSFETである。対となるスイッチング素子4d〜4fとの間で連携したスイッチング動作を行うことで、電動機1の各相に交流電力を供給する。
還流手段となる還流ダイオード5a〜5cは、それぞれスイッチング素子4a〜4cに逆並列接続され、スイッチング素子4a〜4cの切り替え(スイッチング)により発生する還流電流を流すようにする。ここではダイオードを用いているが、他の同様の機能を有する素子を代用することもできる。
また、変圧器6a〜6cは、所定のタイミングでスイッチング素子4a〜4c、還流ダイオード5a〜5c側に電力供給する。これにより、スイッチング素子4a〜4cの寄生ダイオード、還流ダイオード5a〜5cによって逆回復時に発生するリカバリー電流を抑制して逆回復を素早く行わせる。そのため、変圧器6a〜6cの二次側巻線とダイオード7a〜7cとを、スイッチング素子4a〜4c、還流ダイオード5a〜5cと並列接続する。そして、変圧器駆動回路11a〜11cから変圧器6a〜6cの一次側巻線への電流(電力)供給に基づいて、二次側巻線に起電力による電流を生じさせる。変圧器6a〜6cを用いることで、リカバリー電流を抑制する制御を行う変圧器駆動回路11a〜11cとスイッチング素子4a〜4c、還流ダイオード5a〜5c(主回路)とを絶縁することになる。このため、変圧器駆動回路11a〜11cの故障等が直接主回路側に影響を与えることがなく、安全性、信頼性を高めることができる。ここで、本実施の形態では、変圧器6a〜6cの一次側巻線と二次側巻線との極性を同じにする。そして、一次側巻線に蓄積されるエネルギーを回生させる(電力回収する)ため、一次側巻線を2つの巻線で構成する。
ダイオード7a〜7cは、それぞれ変圧器6a〜6cの二次側巻線と直列接続しており、例えば逆回復をすばやく行えるようにするため回復時間がはやい高速ダイオードで構成する。スイッチング素子4a〜4cとの関係においては、ドレイン側、ソース側のどちら側と接続されるようにしてもよい。ここで、ダイオード7a〜7cに、炭化けい素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)等を材料とするダイオード、高耐圧のショットキーバリアダイオード等を用いることで、さらに低損失化することができる。ここで、変圧器6a〜6cの二次側巻線と並列接続するようにしてもよい。また、変圧器駆動回路11a〜11cについては後述する。ここで、以下、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合もある。
一方、下側アームとなる各相の片側アーム3d〜3fは、スイッチング素子4d〜4f、スイッチング素子に逆並列接続された還流ダイオード5d〜5fで構成する。ここで、本実施の形態では、スイッチング素子4d〜4fはIGBTであるものとする。インバータ駆動装置を高電圧の領域で適用しないため、IGBTにおけるリカバリー損失を無視できるものとし、片側アーム3d〜3fでは変圧器6、ダイオード7及び変圧器駆動回路11を有していない。このため、これらの素子等に係るコストを削減することができる。
また、電流検出素子8a、8bは、それぞれ電動機1のU相、W相に供給される電流を検出するための素子である。電流検出素子8a、8bの検出に係る信号(Iu、Iw)が、増幅器9(9a〜9b)を介してインバータ制御装置12に入力される。インバータ制御装置12は信号に基づいて電流値に換算し、データとして用いる。本実施の形態では、電流検出素子8a、8bとしてカレントトランス等を用いているが、この検出方法に限定するものではない。例えば直流母線経路に挿入した抵抗に流れる直流電流を用いて電動機1に供給される電流を再現する方法(1シャント電流検出方式)、スイッチング素子4d〜4fとN側の間に挿入した抵抗により電動機電流を再現する方法(3シャント電流検出方式)等を用いるようにしてもよい。
また本実施形態の電圧検出手段10は、抵抗、コンデンサ等から成る分圧回路、増幅器等で構成される。電圧検出手段10の検出に係る電圧の信号(Vdc)がインバータ制御装置12に入力される。インバータ制御装置12は信号に基づいて直流母線電圧値に換算し、データとして用いる。
インバータ制御装置12は、CPU(Central Processing Unit )、A/D変換器等を有し、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御し、電動機1を駆動させる。例えば、入力される信号に基づいて、電動機1に供給する電流値、直流母線電圧値に変換し、これらのデータに基づいて各種ベクトル制御演算を行ってPWMデューティ信号(以下、PWM信号という)を生成する。そして、インバータ装置2内のスイッチング素子4a〜4fにPWM信号を出力して動作させ、電動機1に電圧を印加させて電動機1を駆動させる。
また、本実施の形態では、所定のタイミングで変圧器6a〜6cの一次側巻線に電力(電力)供給するための変圧器駆動信号を作成する。ここで、本実施の形態では、インバータ制御装置12が有するCPU等で変圧器駆動信号を作成するものとして説明するが、例えば、ロジック回路を用いて上側アーム及び下側アームのゲート信号等を用いてロジックを構成し、所望の区間に変圧器駆動信号を出力するようにしてもよい。
図4は実施の形態1に係る変圧器駆動回路11a〜11cを中心とする片側アーム3a〜3cの構成を表す図である。ここでは、代表として電動機1のU相に電力供給を行うための片側アーム3aについて説明するが、他の片側アーム3b、3cについても同様である。
変圧器駆動回路11aは、変圧器用スイッチング素子21a、ダイオード22a及び直流電源31aを基本構成として有している。変圧器駆動回路11aは、変圧器6aの一次側巻線に電力(電流)供給を制御する回路である。
変圧器用スイッチング素子21aはインバータ制御装置12が出力する変圧器駆動信号に基づいてオン・オフ動作する。本実施の形態では、変圧器用スイッチング素子21aがオンすると、変圧器6の一次側巻線に電力(電流)が供給される。ダイオード22aは、変圧器6aの一次側巻線が蓄えたエネルギーを直流電圧電源31aに回生させ、磁束をリセットさせるためのバイパス経路に設ける。直流電源31aは、変圧器6aの一次側巻線に電力供給するための電源である。ここでは直流電源31aとしているが、変圧器駆動回路11b、11cと共通した電源としてもよい。
図4(a)の変圧器駆動回路11aにおいて、変圧器6に蓄積されたエネルギーを電力回収する例を示したが、実施段階では変圧器駆動回路11aの機能を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。
例えば、図4(a)に示す変圧器駆動回路11aでは、変圧器6aの一次側巻線と接続した直流電源31aに電力回収をさせることができる(回生させることができる)ため、高効率な駆動を行うことができる。ただし、電流Iap1、Iap2がそれほど大きくなく、二次側巻線で電力消費させても効率への影響が少ない場合には、図4(b)のような片側アーム3aとしてもよい。
図4(b)では、スイッチング素子21aがオンしている時の動作は、図4(a)と同様である。しかしながらスイッチング素子21aがオフすると、変圧器6の二次側巻線に電流が発生し、変圧器6の二次側巻線における抵抗と二次側巻線と並列に接続したダイオード30aとによりその電力が消費される。
ここで、ダイオード30aについても、炭化けい素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)等を材料とするダイオード、高耐圧のショットキーバリアダイオード等を用いることで、さらに低損失化することができる。
図4(b)の変圧器駆動回路11aでは、励磁電流対策として追加の巻線を付加する必要がないため、一次側巻線の構造を簡素化することができる。このため、変圧器6の小型化が可能となる。
また、実際に変圧器駆動回路11aを構成する際には、図4(a)、(b)の素子構成だけでなく、適宜変更することができる。例えば、図2(c)のように、リーク電流、サージ電流、スパイクノイズ等への対策として、コンデンサ25aを変圧器用スイッチング素子21aと並列に接続するようにしてもよい。
さらに、電流立ち上がりを抑制したい場合は、図2(c)のように、例えば抵抗24aとコンデンサ25aとの直列回路であるスナバ回路23aをスイッチング素子21aと並列に接続するようにしてもよい。
図5は実施の形態1に係るPWM信号、変圧器駆動信号及び電流の波形の一例を示す図である。図5は、特に、前述した図4(a)(図4(c))の変圧器駆動回路11の構成について示している。次に変圧器6を利用してリカバリー損失を低減する方法について説明する。
通常、インバータ制御装置12からは、図5に示すようなPWM信号(Up、Un、Vp、Vn、Wp、Wn)が出力される。図5ではアクティブ方向をHi側としており、信号がHiだとスイッチング素子4、変圧器用スイッチング素子22がオンし、Lowだとオフする。
まず、図5(a)に示すような変圧器駆動回路11を駆動させない(又は有していない)場合について説明する。ここでは図5(a)の信号Up、Unに着目する。例えば、キャリア周期を前半と後半に分けた場合、キャリア周期後半では、スイッチング素子4aがオフするタイミング(a点)より、スイッチング素子4aと逆並列接続しているダイオード5aに還流電流が流れ始める。
所定のデッドタイム区間を経て、スイッチング素子4dがオンするタイミング(b点)においては、還流電流等によって蓄積された電荷により、リカバリー電流が流れるため、リカバリー損失が発生する。
そこで、図5(b)に示すように、変圧器駆動回路11に電力供給させて変圧器6を動作させるようにする。例えば、図5(b)の変圧器駆動信号Straのように、a点からb点までインバータ制御装置12からスイッチング素子21aをオンさせる変圧器駆動信号を出力する。スイッチング素子21aがオンすると、変圧器6の一次側巻線に電流Iap1が流れ、2次側巻線にも電流Iap2が流れる。このとき、変圧器6aの一次側巻線と二次側巻線との極性が同じであるため、電流Iap2は電流Iap1と同じタイミングで流れる。
また、スイッチング素子21aがオフすると、一次側巻線の励磁電流はこのバイパス経路を通り、ダイオード22aを介して変圧器6aの一次側巻線が蓄えたエネルギーが直流電圧電源31aに回生される。このため、変圧器コアの磁束密度をキャリア周期ごとにリセットでき、変圧器6の飽和を防ぐことが可能である。
このようにして変圧器6を介して電流(Iap2)を流すことで、逆回復を行うことができ、リカバリー損失を低減させることができる。
図6は実施の形態1に係るPWM信号、変圧器駆動信号及び電流の波形の一例を示す図である。図6では、特に図6(b)の構成について示している。ここで、図4(c)に示すように、変圧器6の2次側巻線とダイオード30aでショートサイクルする電流をIap2aとし、スイッチング素子4aに並列に接続されたダイオード5aに流れこむ電流をIap2bとする。
図6(b)のような構成では、電源31aにエネルギーを回生させることができない。しかしながら、図6から分かるように、スイッチング素子21aがオフしたときに発生する電流Iap2aは、変圧器6の巻線抵抗とダイオード30aとにより電力消費されるため、変圧器6の飽和を防ぐことができる。
上記の図5、図6ではU相の電力供給に係る上側アームである片側アーム3aの動作例について説明したが、V相、W相に係る片側アーム3b、3cについても同様に電流を流すことで同様の効果が得ることができる(特に図5では、V相に係る変圧器駆動信号をStrb、W相に係る変圧器駆動信号をStrcとしている)。
以上のように、実施の形態1のシステムによれば、インバータ駆動装置において、変圧器6a〜6cと変圧器駆動回路11a〜11cとを有し、インバータ制御装置12が、変圧器駆動回路11a〜11cに変圧器駆動信号を出力して、変圧器6a〜6cの一次側巻線に電流を流し、変圧器6a〜6cの二次側巻線からスイッチング素子4a〜4c、還流ダイオード5a〜5c側に電流を流すようにしたので、リカバリー電流を抑制することができ、逆回復に係る時間を短縮することができる。そのため、リカバリー損失を低減することができ、高効率のインバータ駆動装置を得ることができる。このとき、変圧器6a〜6cの一次側巻線と二次側巻線との間は絶縁されており、変圧器駆動回路11a〜11cとインバータ主回路とが基本的には切り離されているため、相互に影響を及ぼすことが少なく、信頼性を高めることができる。
また、逆回復の時間が遅くなるSJ構造のMOSFETであるスイッチング素子4a〜4cを有する片側アーム3a〜3cについて、変圧器6a〜6c、変圧器駆動回路11a〜11cを設けるようにしたので、スイッチング素子4d〜4fにリカバリー損失対策用の回路を特に設けることなく、大幅なコストアップをせずに高効率化することができる。特に、本実施の形態のように、変圧器6a〜6cを介することで、変圧器6a〜6cによるサージ量調整が可能となり、片側アーム3a〜3cのそれぞれの調整を簡単に行うことができるため、上側アームについても変圧器駆動回路11を設けやすい環境となる。そして、上側アームのスイッチング素子4a〜4cにSJ構造のMOSFETを用いることで、上側張り付き二相変調を行うことができる。このため、スイッチングの回数が減り、スイッチングにかかる損失を低減することができる。SJ構造のMOSFETはオン抵抗が小さいという効果を発揮し、システム全体の損失を低減することができる。また、本実施の形態では、上側アームについて変圧器駆動回路11を設ける例を示したが、当然のことながら下側アームに設置してもよい。その場合には、下側張り付き二相変調を用いることで同様の効果が得られる。
さらに、ダイオード7a〜7cを高速ダイオードとするようにしたので、スイッチング素子の休止区間といった微少時間であっても逆回復を行うことができる。また、変圧器6a〜6cについて、一次側巻線と二次側巻線の極性を同じになるようにしたので、インバータ制御装置12は、上側アームに係るスイッチング素子4a〜4c、下側アームに係るスイッチング素子4d〜4fの休止区間中またはその前後区間において、変圧器6a〜6cの1次側巻線と2次側巻線とに同じタイミングで電流を流すことができるので、容易に変圧器駆動信号を作成し、出力することができる。
また、変圧器6の一次側巻線と二次側巻線の極性が同じである場合に、一次側巻線側に電力回生のためのバイパス回路を設けるか、二次側巻線側にダイオード30aを並列接続して電力消費させるようにしたので、励磁電流のリセットを簡易に行うことができる。
そして、変圧器駆動回路11に、ダイオード22a、抵抗、スナバ回路等をさらに構成するようにすれば、サージ、スパイクノイズ等の対策を行うことができる。また、過電流を防止することもできる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係るインバータ駆動装置を中心とするシステムの構成を示す図である。
図7において、図3と同じ番号を付しているものは、基本的には実施の形態1で説明した動作とほぼ同様の機能(動作)を行う。本実施の形態のシステムは、実施の形態1のシステムと比較して、変圧器6a〜6cの一次側巻線と二次側巻線との極性が異なるようにしている。さらに、一次側巻線においては電力回収をする必要がないことから、変圧器6a〜6cの一次側巻線の構成が簡素になっている。このため、変圧器6の小型化が可能となる。
ここで、実施の形態2においても、ダイオード7a〜7cに、炭化けい素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)等を材料とするダイオード、高耐圧のショットキーバリアダイオード等を用いることで、さらに低損失化することができる。
図8は実施の形態2に係る片側アーム3a〜3c構成を表す図である。図8においても、片側アーム3aについて説明しているが、他の片側アーム3b、3cについても同様である。
例えば、図8(a)〜(c)に示すように、変圧器6a〜6cの1次側巻線と2次側巻線との極性が異なっている。ここで、変圧器駆動回路11aでは、励磁電流対策として追加の巻線を付加する必要がないため、一次側巻線の構造を簡素化することができる。このため、変圧器6の小型化が可能となる。
また、実施の形態1と同様に、整流用のダイオード22aを設けるようにしてもよいし、電流立ち上がり抑制のための抵抗24aを設けるようにしてもよい。また、スナバ回路等を設けるようにしてもよい。
図9は実施の形態2に係るPWM信号、変圧器駆動信号及び電流の波形の一例を示す図である。ここでは、電動機1のU相への電力供給に係るPWM信号、変圧器駆動信号及び電流について説明する。図9ではアクティブ方向をHi側としている。
例えば、実施の形態2の片側アーム3aの変圧器6aでは、1次側巻線と2次側巻線との極性が異なるので、図8の変圧器用スイッチング素子22aがオンして1次側巻線に電力が供給されたときには、2次側巻線から電流が流れない。その後、スイッチング素子22aがオフした時点で2次側巻線から電流が流れる(電力が供給される)。
リカバリー電流を低減するためには、スイッチング素子4d〜4fのオンタイミング(例えば、PWM信号Unで制御されるスイッチング素子4dでは図9のb点)までに上側アームである片側アーム3a〜3cの逆回復を概ね完了させる必要がある。このため、本実施の形態においては、実施の形態1に比べ、インバータ制御装置12が変圧器駆動回路11にオン、オフに係る変圧器駆動信号を出力するタイミングを微調整することが必要となる。
例えば、図9に示すように、スイッチング素子4aがオフして休止区間がスタートするa点よりも少し前のタイミングで、インバータ制御装置12は、変圧器駆動回路11aのスイッチング素子22aをオンさせる変圧器駆動信号を出力して調整を図る。
その後、スイッチング素子4dがオンする(b点)前のタイミングで変圧器駆動回路11aのスイッチング素子22aをオフさせる変圧器駆動信号を出力する。
このようにすることで、リカバリー電流を低減させ、逆回復をすばやく行い、損失を低減することができる。
ここで、図9では、スイッチング素子4dがオンした後もアシスト電流Iap2が残っているが、損失が多少悪化するのみで回路故障等の実動作上の問題は発生しない。
上記の図9ではU相の電力供給に係る上側アームである片側アーム3aの動作例について説明したが、V相、W相に係る片側アーム3b、3cについても同様に電流を流すことで同様の効果を得ることができる(図9ではV相に係る変圧器駆動信号をStrb、W相に係る変圧器駆動信号をStrcとしている)。また、実施の形態1と同様に、下側アームに変圧器駆動回路11を設置して動作させるようにしても良い。
以上のように、実施の形態2のシステムによれば、変圧器6a〜6cの一次側巻線と二次側巻線との極性が異なるようにしたので、インバータ制御装置12は、上側アームに係るスイッチング素子4a〜4c、下側アームに係るスイッチング素子4d〜4fの休止区間中またはその前後区間において、変圧器6a〜6cの1次側巻線と2次側巻線との間で異なるタイミングで電流を流すことができる。このため、インバータ制御装置12が生成、出力する変圧器駆動信号の自由度を高めることができる。例えば、休止区間のばらつき、スイッチング素子3a〜3c等の逆回復に係る電荷量、各対のスイッチング素子のオン・オフタイミングのズレ等を考慮する。そして、変圧器6a〜6cのインダクタンス値(一次側巻線に流れる電流勾配)を適切に設計し、変圧器駆動回路11aのスイッチング素子22aをオン・オフするタイミングを適切に設定することにより、システム効率のよい運転が可能となる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係るインバータ駆動装置を中心とするシステムの構成を示す図である。
図10において、図3と同じ番号を付しているものは、基本的には実施の形態1で説明した動作とほぼ同様の機能(動作)を行う。本実施の形態のシステムは、変圧器駆動回路11を含む、片側アーム3a〜3cの構成が実施の形態1のシステムと異なる。ここで、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、変圧器6a〜6cの一次側巻線と二次側巻線との極性を同じにする。このため、例えばロジック回路を用いて所望の区間に変圧器駆動信号を出力するようにしてもよい。
本実施の形態の片側アーム3a〜3cは、ダイオード7a〜7cの代わりに、変圧器6a〜6cの二次側巻線に対して、ブリッジ接続するためのブリッジ用ダイオード26a〜26c、27a〜27c、28a〜28c及び29a〜29cを有している。ブリッジ用ダイオード26a〜26c、27a〜27c、28a〜28c及び29a〜29cにより、例えば、変圧器6の二次側巻線からの電流が流れる方向に依らず、一方向(リカバリー電流を低減させる方向(以下、+方向という))に電流を流すことができる。ここで、ブリッジ用ダイオード26a〜26c、27a〜27c、28a〜28c及び29a〜29cに、炭化けい素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)等を材料とするダイオード、高耐圧のショットキーバリアダイオード等を用いることで低損失化することができる。
図11は実施の形態3に係る変圧器駆動回路11a〜11cを中心とする片側アーム3a〜3c構成を表す図である。図11では片側アーム3aについて説明するが、他の片側アーム3b、3cについても同様である。
実施の形態3における変圧器駆動回路11aは、例えば図11(a)に示すように、変圧器用スイッチング素子41a、42a、コンデンサ51a、52a及び直流電源31aを基本構成として有している。そのため、変圧器用スイッチング素子41a、42aのどちらかをオンさせることで、変圧器6の一次側巻線に対して、双方向に電流を供給することができる。これにより、変圧器6aに蓄積されるエネルギーをリセットさせることができる。本実施の形態では、インバータ制御装置12は、変圧器用スイッチング素子41aと42aとをキャリア周期毎に交互にオン・オフさせる。このため、本実施の形態では、インバータ制御装置12は、スイッチング素子41、42のそれぞれを制御するために、変圧器駆動回路11aに対して2系統の変圧器駆動信号を出力する。
また、図11(b)に示すように、コンデンサ51a、52aの代わりに、変圧器用スイッチング素子43a、44aにより回路構成をするようにしてもよい。この場合は、変圧器用スイッチング素子41aと44aとを同じタイミングでオン・オフさせ、変圧器用スイッチング素子42aと43aとを同じタイミングでオン・オフさせる。
本実施の形態の変圧器駆動回路11aにおいては、変圧器6の一次側巻線に対して、双方向に電流を供給するようにしたが、実施段階では変圧器駆動回路11aの機能を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。
例えば、実施の形態1と同様に、リーク電流、サージ電流、スパイクノイズ等への対策として、スナバ回路等を設けるようにしてもよい。また、変圧器6について、2つの一次側巻線で双方向に電流を流すようにすることもできる。
図12は実施の形態3に係るPWM信号、変圧器駆動信号及び電流の波形の一例を示す図である。ここでは、電動機1のU相への電力供給に係るPWM信号、変圧器駆動信号及び電流について説明する。図12ではアクティブ方向をHi側としている。
インバータ制御装置12は、変圧器駆動信号Stra1により、図12のa1点からb1点まで変圧器用スイッチング素子41aをオンさせる。これにより、変圧器6の一次側巻線に電流Iap1が+方向に流れ、さらに二次側巻線を流れる電流Iap2、還流ダイオード5a側に流れこむ電流Iap3も+方向に流れる。
そして、a1・a2点から見た次のキャリア周期では、インバータ制御装置12は、変圧器駆動信号Stra2により、図12のa2点からb2点まで変圧器用スイッチング素子42aをオンさせる。このとき、コンデンサ52に蓄えられた電荷により変圧器6の一次側巻線に電流Iap1が−方向(変圧器用スイッチング素子41aがオンしたときとは逆方向)に流れ、二次側巻線を流れる電流Iap2も−方向に流れる。一方、ブリッジ用ダイオード26a〜26c、27a〜27c、28a〜28c及び29a〜29cにより、電流Iap3は+方向に流れる。
このようにして、変圧器用スイッチング素子41aと42aとをキャリア周期毎に交互にオン・オフすることで、変圧器6aの1次側巻線と2次側巻線には、キャリア周期毎に極性が異なるパルス電流が交互に流れることとなる。そのため、スイッチング素子41がオンすることにより電流Iap1が+方向に流れることで増加する磁束は、スイッチング素子42がオンすることによりIap2が−方向に流れることで減少するので、磁束密度を元に戻すための一次側巻線が不要となる。これにより、一次側巻線の構造を簡素にすることができるため、変圧器6aを小型化することができる。
上記の図12ではU相の電力供給に係る上側アームである片側アーム3aの動作例について説明したが、V相、W相に係る片側アーム3b、3cについても同様に電流を流すことで同様の効果を得ることができる(図9ではV相に係る変圧器駆動信号をStrb1、Strb2、W相に係る変圧器駆動信号をStrc1、Strc2としている)。また、実施の形態1と同様に、下側アームに変圧器駆動回路11を設置して動作させるようにしても良い。
以上のように、実施の形態3のインバータ駆動装置によれば、変圧器駆動回路11aにおいて、対となるスイッチング素子41a、42aを有し、キャリア周期毎に交互にオン・オフさせるようにしたので、変圧器6の一次側巻線に対して、双方向に電流を供給することができる。このため、変圧器コアの磁束密度を元に戻す巻線が不要となる。このため汎用性の高いシステムを構築することができる。そして、このときに流れる変圧器6aの2次側巻線に流れる双方向の電流をブリッジ用ダイオード26a〜26c、27a〜27c、28a〜28c及び29a〜29cにより一方向(リカバリー電流を低減させる方向)に電流を流すようにしたので、実施の形態1のインバータ駆動回路と同様に、リカバリー電流を抑制することができ、逆回復に係る損失を低減することができる。
実施の形態4.
前述した各実施の形態においては、電動機1が三相交流電動機であったので、三対のスイッチング素子4a〜4fを有していたが、これに限定するものではない。例えば、電動機1が単相交流の場合には、一対のスイッチング素子を設けるようにすればよい。
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5に係る冷凍空気調和装置の構成図である。図13の冷凍空気調和装置は、熱源側ユニット(室外機)100と負荷側ユニット(室内機)200とを備え、これらが冷媒配管で連結され、主となる冷媒回路(以下、主冷媒回路という)を構成して冷媒を循環させている。冷媒配管のうち、気体の冷媒(ガス冷媒)が流れる配管をガス配管300とし、液体の冷媒(液冷媒。気液二相冷媒の場合もある)が流れる配管を液配管400とする。
熱源側ユニット100は、本実施の形態においては、圧縮機101、油分離器102、四方弁103、熱源側熱交換機104、熱源側ファン105、アキュムレータ(気液分離器)106、熱源側絞り装置(膨張弁)107、冷媒間熱交換器108、バイパス絞り装置109及び熱源側制御装置111の各装置(手段)で構成する。
圧縮機101は、構造については、上述した電動機1を圧縮機用として用いている。一方、運転制御については、実施の形態1〜4に記載したインバータ駆動回路2等を備え、運転周波数を任意に変化させることにより、圧縮機101の容量(単位時間あたりの冷媒を送り出す量)を細かく変化させることができるものとする。
また、油分離器102は、冷媒に混じって圧縮機101から吐出された潤滑油を分離させるものである。分離された潤滑油は圧縮機101に戻される。四方弁103は、熱源側制御装置111からの指示に基づいて冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り換える。また、熱源側熱交換器104は、冷媒と空気(室外の空気)との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては蒸発器として機能し、熱源側絞り装置107を介して流入した低圧の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させ、気化させる。また、冷房運転時においては凝縮器として機能し、四方弁103側から流入した圧縮機101において圧縮された冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮して液化させる。熱源側熱交換器104には、冷媒と空気との熱交換を効率よく行うため、熱源側ファン105が設けられている。熱源側ファン105も、実施の形態1〜4に記載したインバータ駆動回路2を有してファンモータの運転周波数を任意に変化させてファンの回転速度を細かく変化させるようにする。
冷媒間熱交換器108は、冷媒回路の主となる流路を流れる冷媒と、その流路から分岐してバイパス絞り装置109(膨張弁)により流量調整された冷媒との間で熱交換を行う。特に冷房運転時において冷媒を過冷却する必要がある場合に、冷媒を過冷却して負荷側ユニット200に供給するものである。バイパス絞り装置109を介して流れる液体は、バイパス配管107を介してアキュムレータ106に戻される。アキュムレータ106は例えば液体の余剰冷媒を溜めておく手段である。熱源側制御装置111は、例えばマイクロコンピュータ等からなる。負荷側制御装置204と有線又は無線通信することができ、例えば、冷凍空気調和装置内の各種検知手段(センサ)の検知に係るデータに基づいて、インバータ回路制御による圧縮機101の運転周波数制御等、冷凍空気調和装置に係る各手段を制御して冷凍空気調和装置全体の動作制御を行う。
一方、負荷側ユニット200は、負荷側熱交換器201、負荷側絞り装置(膨張弁)202、負荷側ファン203及び負荷側制御装置204で構成される。負荷側熱交換器201は冷媒と空気との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては凝縮器として機能し、ガス配管300から流入した冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化(又は気液二相化)させ、液配管400側に流出させる。一方、冷房運転時においては蒸発器として機能し、負荷側絞り装置202により低圧状態にされた冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒に空気の熱を奪わせて蒸発させて気化させ、ガス配管300側に流出させる。また、負荷側ユニット200には、熱交換を行う空気の流れを調整するための負荷側ファン203が設けられている。この負荷側ファン203の運転速度は、例えば利用者の設定により決定される。負荷側絞り装置202は、開度を変化させることで、負荷側熱交換器201内における冷媒の圧力を調整するために設ける。
また、負荷側制御装置204もマイクロコンピュータ等からなり、例えば熱源側制御装置111と有線又は無線通信することができる。熱源側制御装置111からの指示、居住者等からの指示に基づいて、例えば室内が所定の温度となるように、負荷側ユニット200の各装置(手段)を制御する。また、負荷側ユニット200に設けられた検知手段の検知に係るデータを含む信号を送信する。
以上のように実施の形態5の冷凍空気調和装置によれば、インバータ駆動装置におけるリカバリー損失を低減することができるため、高効率で、電力消費を抑えることができる冷凍空気調和装置を得ることができる。また、例えば、冷凍空気調和装置の中で特に重要な圧縮機101において、信頼性が高く、コストの低減を図ることができるため、冷凍空気調和装置全体としても信頼性が高く、コスト低減を図ることができる。
実施の形態6.
前述の実施の形態5では冷凍空気調和装置にインバータ駆動装置を適用する場合について説明したが、例えば、冷凍、冷蔵倉庫等に利用する冷却装置、ヒートポンプ装置等にも利用することができる。また、電動機を使用する他の機器にも利用することができるし、照明機器等にも利用することができる。
1 電動機、2 インバータ駆動装置、3a〜3f 片側アーム、4a〜4f スイッチング素子、5a〜5f 還流ダイオード、6a〜6c 変圧器、7a〜7f ダイオード、8a,8b 電流検出手段、9a,9b 増幅器、10 電圧検出手段、11a〜11c 変圧器駆動回路、12 インバータ制御装置、13 直流電圧源、21a,41a,42a,43a,44a 変圧器用スイッチング素子、22a ダイオード、23a スナバ回路、24a 抵抗、25a コンデンサ、26a〜26c,27a〜27c,28a〜28c,29a〜29c ブリッジ用ダイオード、31a 直流電圧源、51a,52a コンデンサ、61 p層、62 n層、100 熱源側ユニット、101 圧縮機、102 油分離器、103 四方弁、104 熱源側熱交換機、105 熱源側ファン、106 アキュムレータ、107 熱源側絞り装置、108 冷媒間熱交換器、109 バイパス絞り装置、110 熱源側制御装置、200 負荷側ユニット、201 負荷側熱交換器、202 負荷側絞り装置、203 負荷側ファン、204 負荷側制御装置、300 ガス配管、400 液配管。

Claims (12)

  1. 変換用スイッチング素子と、該変換用スイッチング素子に並列接続された還流手段とを備えるアームを一対以上有するインバータ駆動装置であって、
    前記変換用スイッチング素子及び前記還流手段に、二次側巻線を並列接続する変圧器と、
    該変圧器の一次側巻線への電流供給を制御する変圧器駆動回路と
    を、前記一対のアームのうちの一方のアームに備えることを特徴とするインバータ駆動装置。
  2. 前記変圧器の二次側巻線と接続されたダイオードをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のインバータ駆動装置。
  3. 前記変圧器及び前記変圧器駆動回路を備えるアームが、直流電源の正側と接続されるアームであることを特徴とする請求項1又は2記載のインバータ駆動装置。
  4. 前記変圧器及び前記変圧器駆動回路を備えるアームの前記変換用スイッチング素子は、スーパージャンクション構造のMOSFETであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインバータ駆動装置。
  5. 前記変圧器の一次側巻線と二次側巻線とにおける極性を同じにすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインバータ駆動装置。
  6. 前記変圧器の一次側巻線と二次側巻線とにおける極性を逆にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインバータ駆動装置。
  7. 前記変圧器駆動回路は、前記変圧器の一次側巻線に電流供給するための電源及び少なくとも1の変圧器用スイッチング素子で構成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインバータ駆動装置。
  8. 前記変圧器駆動回路は、前記変圧器の一次側巻線に電流供給するための電源、複数の変圧器用スイッチング素子及び複数のコンデンサで構成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインバータ駆動装置。
  9. 複数の変圧器用スイッチング素子を二組に分け、各組を交互に動作させて、前記変圧器の一次側巻線に対し、双方向に電流を供給することを特徴とする請求項7又は8記載のインバータ駆動装置。
  10. 前記変圧器駆動回路は、ダイオード又は抵抗の少なくとも一方をさらに有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のインバータ駆動装置。
  11. 前記変圧器駆動回路は、スナバ回路をさらに有することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のインバータ駆動装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のインバータ駆動装置を、圧縮機又は送風機の少なくとも一方を駆動するために備えることを特徴とする冷凍空気調和装置。
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