JP2008104314A - モータ駆動用インバータ制御装置とそれを備えた圧縮機、冷蔵庫、空気調和機 - Google Patents

モータ駆動用インバータ制御装置とそれを備えた圧縮機、冷蔵庫、空気調和機 Download PDF

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Shinobu Kake
忍 懸
Masanori Ogawa
正則 小川
Toshihiro Sugimoto
智弘 杉本
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Abstract

【課題】パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減し、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減し、効率の高いモータ駆動用インバータ制御装置を提供する。
【解決手段】パワー・スイッチング素子駆動回路の制御用電源に接続された昇圧コンバータ回路と、昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、電圧比較回路の出力をインバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続し、パワー・スイッチング素子をOFFする時に、昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFし、昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、電圧比較回路の出力をインバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、パルス幅変調制御により出力制御を行うパワー・スイッチング素子を駆動するパワー回路を用いたモータ駆動用インバータ制御装置に関するものである。
従来、モータを可変速制御するには、パルス幅変調制御により出力制御するインバータ制御が使用されている。
図7は、従来のモータ駆動用インバータ制御装置の一例を示す図である。図7に示されるように、この従来のモータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源2と、前記交流電源2を入力とする整流回路3と、前記整流回路3の正側と負側の出力間に接続された平滑用コンデンサ4と、前記整流回路3の正側と負側の出力間に接続されたブリッジ結線されたパワー・スイッチング素子5〜10と、前記パワー・スイッチング素子5〜10にそれぞれ逆並列接続されたフリーホイール・ダイオード11〜16と、前記パワー・スイッチング素子5〜10をそれぞれ駆動する駆動回路17〜22を備え、前記パワー・スイッチング素子5〜10のブリッジ結線の出力U、V、Wにモータ1が接続されている。
前記駆動回路17〜22は、それぞれ前記パワー・スイッチング素子5〜10をON、OFFするゲート駆動回路24〜29と、前記ゲート駆動回路24〜29を動作させる制御用電源30〜35で構成されている。
モータ1は、CPU23で演算されたパルス幅変調制御の結果により前記パワー・スイッチング素子5〜10のON、OFFする期間を制御され、可変速制御を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−233826号公報
しかしながら、図7に示す従来のモータ駆動用インバータ制御装置では、パワー・スイッチング素子5〜10がスイッチングする際にスイッチング損失が発生し、スイッチング周波数が高くなると、スイッチング損失が増大する。
なおここで、モータ巻線U相に流れる電流について説明する。一般的にモータ巻線の簡易等価回路は抵抗とインダクタンスと誘起電圧に相当する電圧源が直列に接続したものとして表される。
したがって、純抵抗負荷とは異なりモータ巻線U相に印加した電圧により一義的にモータ巻線U相を流れる電流の方向が定まらず、パワー・スイッチング素子5がONでかつパワー・スイッチング素子6がOFFでかつインバータ制御装置U相からモータ1に電流が流出しているAの状態と、パワー・スイッチング素子5がONでかつパワー・スイッチング素子6がOFFでかつインバータ制御装置U相にモータ1から電流が流入しているBの状態と、パワー・スイッチング素子5がOFFでかつパワー・スイッチング素子6がONでかつインバータ制御装置U相にモータ1から電流が流入しているCの状態と、パワー・スイッチング素子5がOFFでかつパワー・スイッチング素子6がONでかつインバータ制御装置U相からモータ1に電流が流出しているDの状態の、4つの状態を有する。
まずAの状態においては、モータ巻線U相を流れる電流はパワー・スイッチング素子5を流れることがわかる。またCの状態においては、モータ巻線U相を流れる電流はパワー・スイッチング素子6を流れることがわかる。またBの状態とDの状態については、モータ巻線U相を流れる電流はフリーホイール・ダイオード11およびフリーホイール・ダイオード12をそれぞれ流れることがわかる。ここでBの状態におけるモータ巻線U相電圧は、モータ巻線U相を流れる電流により上昇し、フリーホイール・ダイオード11が導通した時点で固定されることがわかる。このフリーホイール・ダイオード11の逆回復時間trrが長いとスイッチング損失が増大するため、なるべくフリーホイール・ダイオード11は逆回復時間の短いものを選定することが好ましい。
図8は、従来のモータ駆動用インバータ制御装置の上記Bの状態における動作を示す図である。同様に、Dの状態におけるモータ巻線U相電圧は、モータ巻線U相を流れる電流により下降し、フリーホイール・ダイオード12が導通した時点で固定される。このフリーホイール・ダイオード12の逆回復時間trrが長いとスイッチング損失が増大するため、なるべくフリーホイール・ダイオード12は逆回復時間の短いものを選定することが好ましい。
図9は、従来のモータ駆動用インバータ制御装置の上記Dの状態における動作を示す図である。このように、従来のモータ駆動用インバータ制御装置では、フリーホイール・ダイオードの逆回復時間特性を最適に選定する必要があった。パワーMOSFETにおいては、パワーMOSFETの構造上、ソース・ドレイン間に寄生ダイオードが形成されてしまい、この寄生ダイオードがフリーホイール・ダイオードの動作を行う為、逆回復時間の短いフリーホイール・ダイオードを選定することができず、また、IGBTまたはトランジスタにおいては、逆回復時間の短いフリーホイール・ダイオードを選定することは可能であるが、価格が上昇するという課題があった。
さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時間が早すぎると、過大なリカバリ電流が流れ過大なスパイク電圧がパワー・スイッチング素子にかかる課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、パワー・スイッチング素子5〜10がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオード11〜16の逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、効率の高いモータ駆動用インバータ制御装置を得ることを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源を入力とする整流回路と、前記整流回路の出力に接続されたパワー・スイッチング素子とフリーホイール・ダイオードをブリッジ結線したモータを駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路のパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路を備え、前記駆動回路は、前記駆動回路の制御用電源に接続されたリアクタとスイッチング手段とダイオードとを有する昇圧コンバータ回路と、前記昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続し、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFして前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加するものである。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、フリーホイール・ダイオードの逆回復時間特性を最適に選定する必要ないので、安価なフリーホイール・ダイオードを使用でき、
モータ駆動用インバータ制御装置の低価格化を図ることができる。
さらに、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、また、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第1の発明は、交流電源を入力とする整流回路と、前記整流回路の出力に接続されたパワー・スイッチング素子とフリーホイール・ダイオードをブリッジ結線したモータを駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路のパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路を備え、前記駆動回路は、前記駆動回路の制御用電源に接続されたリアクタとスイッチング手段とダイオードとを有する昇圧コンバータ回路と、前記昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続し、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFし、前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記パワー・スイッチング素子をONする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をONさせ、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFし、前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時点より前に一定期間、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をONさせ、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFし、前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第4の発明は、第1から3の発明において、前記整流回路の負側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路の制御用電源を一つの制御電源で共用して供給されることを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低
減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第5の発明は、第1から4の発明において、前記整流回路の正側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路の制御用電源は、前記整流回路の負側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路の制御用電源から、ブーストラップ充電で供給されることを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。

第6の発明は、第1から5の発明において、前記整流回路の負側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子をそれぞれ駆動する駆動回路のみに、前記駆動回路の制御用電源に接続されたリアクタとスイッチング手段とダイオードとを有する昇圧コンバータ回路と、前記昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続する回路を備えることを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第7の発明は、第1から6の発明において、インバータ回路のパワー・スイッチング素子は、SiC、GaN、SiGe、MOSFET、IGBTまたはトランジスタで構成することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第8の発明は、第1から7の発明において、昇圧コンバータ回路のスイッチング手段は、SiC、GaN、SiGe、MOSFET、IGBTまたはトランジスタで構成することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置である。
これによって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる。
第9の発明は、モータと、前記モータを駆動するモータ駆動用インバータ制御装置とを備えた圧縮機であって、前記モータ駆動用インバータ制御装置が第1から第7の発明のいずれかのモータ駆動用インバータ制御装置とすることにより、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、圧縮機の省エネを図ることができる。
第10の発明は、第9の発明の圧縮機を冷蔵庫に用いることにより、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、冷蔵庫の省エネを図ることができる。
第11の発明は、第10の発明の圧縮機を空気調和機に用いることにより、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、さらに、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、空気調和機の省エネを図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1であるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図である。この実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源2と、前記交流電源2を入力とする整流回路3と、前記整流回路3の正側と負側の出力間に接続された平滑用コンデンサ4と、前記整流回路3の正側と負側の出力間に接続されたブリッジ結線されたパワー・スイッチング素子5〜10と、前記パワー・スイッチング素子5〜10にそれぞれ逆並列接続されたフリーホイール・ダイオード11〜16と、前記パワー・スイッチング素子5〜10をそれぞれ駆動する駆動回路17〜22を備え、前記パワー・スイッチング素子5〜10のブリッジ結線の出力U、V、Wにモータ1が接続されている。
前記駆動回路17〜22は、それぞれ前記パワー・スイッチング素子5〜10をON、OFFするゲート駆動回路24〜29と、前記ゲート駆動回路24〜29のそれぞれを動作する制御用電源30〜35と、それぞれ前記制御用電源30〜35に接続されたリアクタとスイッチング手段とダイオードとを有する昇圧コンバータ回路36〜41と、前記昇圧コンバータ回路36〜41の出力にそれぞれ接続された電圧比較回路42〜47とを有し、前記電圧比較回路42〜47のそれぞれの出力を前記フリーホイール・ダイオード11〜16のカソードに接続している。
前記昇圧コンバータ回路36〜41は、同一構成なため、昇圧コンバータ回路36で回路構成を説明する。
前記昇圧コンバータ回路36において、リアクタL11の一端は前記制御用電源30の正出力に接続され、さらにリアクタL11の逆の一端は、スイッチング手段Q11の入力端とダイオードD11のアノードに接続され、前記スイッチング手段Q11をON、OFFするゲート駆動回路G11は前記スイッチング手段Q11のゲートに接続され、前記ゲート駆動回路G11は前記制御用電源30で動作される。コンデンサC11の一端は前記制御用電源30の負出力に接続され、さらにコンデンサC11の逆の一端はダイオードD11のカソードに接続され、前記ダイオードD11のカソードは昇圧コンバータ回路36の出力端としている。
前記電圧比較回路42〜47は、同一構成なため、電圧比較回路42で回路構成を説明する。前記電圧比較回路42において、ツェナーダイオードZD11のアノードとダイオードD12のアノードが接続され、前記ツェナーダイオードZD11のカソードが、電圧比較回路42の入力端となり、前記昇圧コンバータ回路36の出力端と接続され、前記ダイオードD12のカソードが電圧比較回路42の出力端となり、前記フリーホイール・ダイオード11のカソードに接続されている。
さらに、パワー・スイッチング素子5〜10は、SiC、GaN、SiGe、MOSFET、IGBTまたはトランジスタで構成することができる。
また、昇圧コンバータ回路のスイッチング手段Q11,21,31,41,51,61は、SiC、GaN、SiGe、MOSFET、IGBTまたはトランジスタで構成こと
ができる。
なおここで、U相での動作について説明する。図2と図3は、本発明の実施の形態であるモータ駆動用インバータ制御装置の動作を示す図である。図2は、パワー・スイッチング素子5がONでかつパワー・スイッチング素子6がOFFでかつインバータ制御装置U相にモータ1から電流が流入している状態で、フリーホイール・ダイオード11に電流が流れている場合である。
パワー・スイッチング素子5をONする時に、昇圧コンバータ回路36のスイッチング手段Q11をONさせ、リアクタL11にエネルギーを蓄積し、次に、パワー・スイッチング素子5をOFFする時に、昇圧コンバータ回路36のスイッチング手段Q11をOFFすることにより、昇圧コンバータ回路36の出力端の電圧が上昇しコンデンサC11にエネルギーが蓄積され、電圧比較回路42の出力端には、一定期間電圧が出力される。よって、導通状態にあるフリーホイール・ダイオード11のカソードに電圧が印加され、フリーホイール・ダイオード11の導通を遮断する。
これにより、パワー・スイッチング素子6がターンオンする時には、フリーホイール・ダイオード11は導通していないので、短絡電流が流れなく、スイッチング損失が低減する。
図3は、パワー・スイッチング素子5がOFFでかつパワー・スイッチング素子6がONでかつインバータ制御装置U相からモータ1に電流が流出している状態で、フリーホイール・ダイオード12に電流が流れている場合である。パワー・スイッチング素子6をONする時に、昇圧コンバータ回路37のスイッチング手段Q21をONさせ、リアクタL21にエネルギーを蓄積し、次に、パワー・スイッチング素子6をOFFする時に、昇圧コンバータ回路37のスイッチング手段Q21をOFFすることにより、昇圧コンバータ回路37の出力端の電圧が上昇しコンデンサC21にエネルギーが蓄積され、電圧比較回路43の出力端には、一定期間電圧が出力される。よって、導通状態にあるフリーホイール・ダイオード12のカソードに電圧が印加され、フリーホイール・ダイオード12の導通を遮断する。
これにより、パワー・スイッチング素子5がターンオンする時には、フリーホイール・ダイオード12は導通していないので、短絡電流が流れなく、スイッチング損失が低減する。よって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、また、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の低価格化と省エネを図ることができる。
さらに、フリーホイール・ダイオードを通じたスイッチング時の短絡電流がインバータ回路に流れなくなるので、平滑用コンデンサ4に流れるリップル電流が低減され、平滑用コンデンサ4の容量を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の小型化を図ることができる。
なお、実施の形態1において、パワー・スイッチング素子をOFFする時点より前に一定期間、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をONさせ、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFし、前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加した形でも本発明が適用できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2であるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図である
。図4に示されるように、この実施の形態2のモータ駆動用インバータ制御装置は、実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置の制御用電源31,33,35を一つの制御電源で共用して供給するものである。すなわち、この実施の形態2のモータ駆動用インバータ制御装置は、駆動回路18の制御用電源31を、駆動回路20,22の制御用電源とすることにより、制御用電源が2個削減できる。
よって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、また、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の低価格化と省エネと小型化を図ることができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3であるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図である。図5に示されるように、この実施の形態3のモータ駆動用インバータ制御装置は、実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置の制御用電源30,32,34を、制御用電源31,33,35から、ブーストラップ充電で供給するものである。
すなわち、この実施の形態3のモータ駆動用インバータ制御装置は、駆動回路18の制御用電源31の出力を、抵抗51とダイオード48とコンデンサ54を用いたブーストラップ充電で駆動回路17に制御用電源を供給し、さらに、駆動回路20の制御用電源33の出力を、抵抗52とダイオード49とコンデンサ55を用いたブーストラップ充電で駆動回路19に制御用電源を供給し、また、駆動回路22の制御用電源35の出力を、抵抗53とダイオード50とコンデンサ56を用いたブーストラップ充電で駆動回路21に制御用電源を供給することにより、制御用電源が3個削減できる。
よって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、また、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の低価格化と省エネと小型化を図ることができる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4であるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図である。図6に示されるように、この実施の形態4のモータ駆動用インバータ制御装置は、実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置の整流回路の負側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子をそれぞれ駆動する駆動回路のみに、駆動回路の制御用電源に接続されたリアクタとスイッチング手段とダイオードとを有する昇圧コンバータ回路と、前記昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続する回路を備えたものである。
すなわち、この実施の形態4のモータ駆動用インバータ制御装置は、フリーホイール・ダイオード12,14,15で発生するスイッチング損失を削減できる。
よって、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、また、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の低価格化と省エネと小型化を図ることができる。
以上のように、本発明にかかるモータ駆動用インバータ制御装置は、フリーホイール・ダイオードの逆回復時間特性を最適に選定する必要ないので、安価なフリーホイール・ダイオードを使用でき、モータ駆動用インバータ制御装置の低価格化を図ることができる。
さらに、フリーホイール・ダイオードを通じたスイッチング時の短絡電流がインバータ回路に流れなくなるので、平滑用コンデンサに流れるリップル電流が低減され、平滑用コンデンサの容量を低減でき、モータ駆動用インバータ制御装置の小型化を図ることができる。
また、パワー・スイッチング素子がスイッチングする際のスイッチング損失を低減でき、フリーホイール・ダイオードの逆回復時に発生するスパイク電圧を低減可能となり、モータ駆動用インバータ制御装置の省エネを図ることができる極めて有用なものである。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図 本発明の実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置の動作を示す図 本発明の実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置の動作を示す図 本発明の実施の形態2におけるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図 本発明の実施の形態3におけるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図 本発明の実施の形態4におけるモータ駆動用インバータ制御装置の構成図 従来のモータ駆動用インバータ制御装置の構成図 従来のモータ駆動用インバータ制御装置の動作を示す図 従来のモータ駆動用インバータ制御装置の動作を示す図
符号の説明
1 モータ
2 交流電源
3 整流回路
4 平滑コンデンサ
5,6,7,8,9,10 パワー・スイッチング素子
11,12,13,14,15,16 フリーホイール・ダイオード
17,18,19,20,21,22 駆動回路
23 CPU
24,25,26,27,28,29 ゲート駆動回路
30,31,32,33,34,35 制御用電源
36,37,38,39,40,41 昇圧コンバータ回路
42,43,44,45,46,47 電圧比較回路
48,49,50 ダイオード
51,52,53 抵抗
54,55,56 コンデンサ

Claims (11)

  1. 交流電源を入力とする整流回路と、前記整流回路の出力に接続されたパワー・スイッチング素子とフリーホイール・ダイオードをブリッジ結線したモータを駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路のパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路を備え、前記駆動回路は、前記駆動回路の制御用電源に接続されたリアクタとスイッチング手段とダイオードとを有する昇圧コンバータ回路と、前記昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続し、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFして前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置。
  2. 前記パワー・スイッチング素子をONする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をONさせ、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFして前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  3. 前記パワー・スイッチング素子をOFFする時点より前に一定期間、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をONさせ、前記パワー・スイッチング素子をOFFする時に、前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段をOFFして前記昇圧コンバータ回路を昇圧動作させ、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに印加することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  4. 前記整流回路の負側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路の制御用電源を一つの制御電源で共用して供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  5. 前記整流回路の正側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路の制御用電源は、前記整流回路の負側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路の制御用電源から、ブーストラップ充電で供給されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  6. 前記整流回路の負側の出力に接続されているパワー・スイッチング素子を駆動する駆動回路のみに、前記駆動回路の制御用電源に接続されたリアクタとスイッチング手段とダイオードとを有する昇圧コンバータ回路と、前記昇圧コンバータ回路の出力に接続された電圧比較回路とを有し、前記電圧比較回路の出力を前記インバータ回路のフリーホイール・ダイオードに接続する回路を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  7. 前記インバータ回路のパワー・スイッチング素子は、SiC、GaN、SiGe、MOSFET、IGBTまたはトランジスタで構成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  8. 前記昇圧コンバータ回路のスイッチング手段は、SiC、GaN、SiGe、MOSFET、IGBTまたはトランジスタで構成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  9. モータと、前記モータを駆動する請求項1〜8のいずれか1項に記載のモータ駆動用イン
    バータ制御装置とを備えた圧縮機。
  10. 請求項9に記載の圧縮機を備えた冷蔵庫。
  11. 請求項9に記載の圧縮機を備えた空気調和機。
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JP2011062039A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Mitsubishi Electric Corp インバータ駆動装置及び冷凍空気調和装置
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