JP6683950B2 - 電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源装置及びその制御方法 - Google Patents
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しかし、変圧器等を使用すると装置全体の大型化を招くため、例えば特許文献1に記載されているように、変圧器等の絶縁手段を用いずに、主回路から非絶縁でスイッチング素子に駆動電源を供給するようにした駆動電源装置が知られている。
ゲート駆動回路8は、外部から入力される光信号としてのオン・オフ信号によって動作し、その出力側はスイッチング素子1Aのゲート及びエミッタに接続されている。
コンデンサ6の電圧が確立すると、コンデンサ6の電荷は、コンバータ7においてゲート駆動動作に必要な電流、電圧に変換され、ゲート駆動回路8によりスイッチング素子1Aの駆動が開始される。
この時、抵抗4の抵抗値を、抵抗4の投入によりコンデンサ6の端子電圧Vcが前述の上限値Vc1より低くなるように選定することにより、コンデンサ6への給電が停止される。また、抵抗4とコンデンサ6との間には逆流阻止用ダイオード5が接続されているため、コンデンサ6に蓄積された電荷の逆流が阻止される。
これらの制御により、コンデンサ6の電圧Vcは、リプル電圧(Vc1−Vc2)を含んだ直流電圧となる。
[数式1]
Ioff={Edc/(スイッチング素子1Aの直列数n×2)−Vc}/R03
なお、数式1において、R03は抵抗3の抵抗値を示す。
[数式2]
Ion={Edc/(スイッチング素子1Aの直列数n)−Vc}/(R03+R04)×Duty
なお、R04は抵抗4の抵抗値、Dutyはスイッチング素子1Aのスイッチング周期をパルス周期により除算した値(デューティ比)である。
よって、パルスオン時のスイッチング素子1Aの両端電圧VCEがパルスオフ時に対して倍増したとしても、抵抗3に必要とされる電力容量は同じである。
コンデンサ6に流れる電流が最大値となる条件は、パルスオン時にコンデンサ6の端子電圧Vcが低下したことを過電圧検出器9が検出し、スイッチ10をオンさせることである。このとき、コンデンサ6に流れる電流Imaxは、数式3のようになる。
[数式3]
Imax={Edc/(スイッチング素子1Aの直列数n)−Vc}/R03
前記スイッチング素子の両端に、第1の抵抗と第2の抵抗と逆流阻止用ダイオードとコンデンサとが直列に接続され、かつ、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続点と前記スイッチング素子の負電位側端子との間に、第1のスイッチと第2のスイッチとが直列に接続され、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの接続点と、前記第2の抵抗と前記逆流阻止用ダイオードとの接続点との間に、第3の抵抗が接続されると共に、
前記直流電源により充電された前記コンデンサの電圧を用いて前記スイッチング素子の駆動信号を生成する駆動回路と、前記コンデンサの過電圧状態を検出する過電圧検出器とを備え、
前記過電圧検出器の出力信号により、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開閉制御可能であることを特徴とする。
前記電力変換器の動作時に前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをオフした状態で前記第1の抵抗を流れる電流の最大値が、前記電力変換器の停止時に前記第1のスイッチをオンし、かつ前記第2のスイッチをオフした時に前記第1の抵抗を流れる電流値と等しくなるように、前記第1の抵抗〜前記第3の抵抗の抵抗値がそれぞれ設定されていることを特徴とする。
前記駆動回路が起動するまでは、前記第2の抵抗と前記第3の抵抗とが並列に接続されるように前記過電圧検出器により前記第1のスイッチを制御し、前記コンデンサの端子電圧が予め設定された所定値以上になった時には前記第2の抵抗と前記第3の抵抗とが直列に接続されるように、前記過電圧検出器により前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御することを特徴とする。
前記スイッチング素子の両端に、第1の抵抗と第2の抵抗と逆流阻止用ダイオードとコンデンサとが直列に接続され、かつ、前記第2の抵抗に並列に第1のスイッチが接続され、前記第2の抵抗と前記逆流阻止用ダイオードとの接続点と前記スイッチング素子の負電位側端子との間に、第3の抵抗と第2のスイッチとが直列に接続されると共に、
前記直流電源により充電された前記コンデンサの電圧を用いて前記スイッチング素子の駆動信号を生成する駆動回路と、前記コンデンサの過電圧状態を検出する過電圧検出器とを備え、
前記過電圧検出器の出力信号により、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開閉制御可能であることを特徴とする。
前記主回路の直流電源電圧を前記スイッチング素子の1アーム当たりの直列接続数により除算した値が前記コンデンサの端子電圧よりも十分に大きい場合において、
前記電力変換器の動作時に前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをオフした状態で前記第1の抵抗を流れる電流の最大値が、前記電力変換器の停止時に前記第1のスイッチをオンし、かつ前記第2のスイッチをオフした時に前記第1の抵抗を流れる電流値と等しくなるように、前記第1の抵抗及び前記第2の抵抗の抵抗値がそれぞれ設定されていることを特徴とする。
前記駆動回路が起動するまでは、前記第2の抵抗を短絡するように前記第1のスイッチを制御し、前記コンデンサの端子電圧が予め設定された所定値以上になった時には、前記第2の抵抗及び前記第3の抵抗が回路に投入されるように前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御することを特徴とする。
まず、図1は、本発明の第1実施形態を示す回路構成図であり、図9と同様に、インバータの主回路一相分の上下アームにそれぞれ直列接続されたn個の電圧駆動型半導体スイッチング素子1に対する駆動電源装置を示している。
本実施形態では、スイッチング素子1としてMOSFETを用いた例を示しているが、図9のようにIGBTを用いる場合にも本発明は適用可能である。
このスイッチング素子1のドレインD−ソースS間には、第1の抵抗11と第2の抵抗12と逆流阻止用ダイオード5とコンデンサ6とが直列に接続されている。また、図9と同様に、コンデンサ6の端子電圧Vcを異なる大きさの直流電圧に変換するDC/DCコンバータ7と、このコンバータ7から直流電力が供給されるゲート駆動回路8とが設けられ、コンデンサ6には、その端子電圧Vcの過電圧状態を検出する過電圧検出器9が並列に接続されている。
なお、ゲート駆動回路8は外部から入力される光信号としてのオン・オフ信号により動作し、その出力側はスイッチング素子1のゲートG及びソースSに接続されている。
上記のスイッチ13,14は、過電圧検出器9の出力信号によって開閉が制御される半導体スイッチ等からなり、過電圧が検出されていない通常時には、第1のスイッチ13はオン状態、第2のスイッチ14はオフ状態となっている。
図3は、インバータの停止中であってコンデンサ6の初期充電時(パルスオフ時)における電流経路(破線)aを示している。図3において、第1のスイッチ13がオン状態であるため、抵抗11と、抵抗12,15の並列回路と、ダイオード5とを介してコンデンサ6に電流が流れ、電荷が蓄積される。
コンデンサ6の電圧が確立すると、コンデンサ6の電荷は、DC/DCコンバータ7においてゲート駆動動作に必要な電流、電圧に変換され、ゲート駆動回路8によるスイッチング素子1のゲート駆動が開始される。
コンデンサ6の端子電圧Vcが予め設定された所定値以上になった時には、図4に示すように、過電圧検出器9の出力信号によって第1のスイッチ13をオフし、第2のスイッチ14をオンすることにより、スイッチング素子1のドレインD−ソースS間には抵抗11,12,15が直列に接続され、抵抗15による分圧値がダイオード5を介してコンデンサ6に印加される。
図5に示すように、過電圧検出器9の出力信号によって第2のスイッチ14をオフさせる(第1のスイッチ13はオフ状態を維持する)ことで、抵抗15が電源回路から除去され、抵抗11,12とダイオード5とを介してコンデンサ6への給電が開始される。
[数式4]
Ioff={Edc/(スイッチング素子1の直列数n×2)−Vc}/{R11+R12R15/(R12+R15)}
なお、R11は抵抗11の抵抗値、R12は抵抗12の抵抗値、R15は抵抗15の抵抗値を示す。
[数式5]
Imax={Edc/(スイッチング素子1の直列数n)−Vc}/(R11+R12)
このため、パルスオン時に抵抗により消費される最大電力を大幅に低減することができ、損失の低減や抵抗の小型化を図ることができる。
上記のスイッチ18,20は、過電圧検出器9の出力信号によってそれぞれ開閉が制御される半導体スイッチ等からなり、過電圧が検出されていない通常時には、第1のスイッチ18はオン状態、第2のスイッチ20はオフ状態となっている。
図6は、コンデンサ6の初期充電時(パルスオフ時)における電流経路(破線)dを示している。初期充電時には、第1のスイッチ18がオン状態であるため、抵抗16、スイッチ18、ダイオード5を介してコンデンサ6に電流が流れ、電荷が蓄積される。
コンデンサ6の電圧が確立すると、コンデンサ6の電荷は、DC/DCコンバータ7においてゲート駆動動作に必要な電流、電圧に変換され、ゲート駆動回路8によりスイッチング素子1のゲート駆動が開始される。
コンデンサ6の端子電圧Vcが予め設定された所定値以上になった時には、図7に示すように、過電圧検出器9の出力信号により第1のスイッチ18をオフ状態とし、第2のスイッチ20をオン状態にすることにより、電源回路の構成は実質的に前述した図4と同様になり、スイッチング素子1のドレインD−ソースS間には抵抗16,17,19が直列に接続されることになる。
従って、抵抗19の抵抗値を、コンデンサ6の端子電圧Vcが前述した上限値Vc1を超えないように選定することにより、コンデンサ6への給電を停止することができる。また、コンデンサ6に蓄積された電荷の逆流は、逆流阻止用ダイオード5によって阻止される。
図8に示すように、過電圧検出器9の出力信号によって第2のスイッチ20をオフさせる(第1のスイッチ18はオフ状態を維持する)ことで、電源回路から抵抗19が除去され、抵抗16,17とダイオード5とを介してコンデンサ6への給電が開始される。
[数式6]
Ioff={Edc/(スイッチング素子1の直列数n×2)−Vc}/R16
なお、R16は抵抗16の抵抗値を示す。
[数式7]
Imax={Edc/(スイッチング素子1の直列数n)−Vc}/(R16+R17)
なお、R17は抵抗17の抵抗値を示す。
従って、この第2実施形態においても、パルスオン時に抵抗により消費される最大電力を大幅に低減することができ、損失の低減や抵抗の小型化を図ることができる。
2:還流ダイオード
5:逆流阻止用ダイオード
6:コンデンサ
7:DC/DCコンバータ
8:ゲート駆動回路
9:過電圧検出器
11,12,15,16,17,19:抵抗
13,14,18,20:スイッチ
Claims (6)
- 電力変換器の主回路を構成する電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源を、前記主回路の直流電源から非絶縁にて供給するための駆動電源装置において、
前記スイッチング素子の両端に、第1の抵抗と第2の抵抗と逆流阻止用ダイオードとコンデンサとが直列に接続され、かつ、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続点と前記スイッチング素子の負電位側端子との間に、第1のスイッチと第2のスイッチとが直列に接続され、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの接続点と、前記第2の抵抗と前記逆流阻止用ダイオードとの接続点との間に、第3の抵抗が接続されると共に、
前記直流電源により充電された前記コンデンサの電圧を用いて前記スイッチング素子の駆動信号を生成する駆動回路と、前記コンデンサの過電圧状態を検出する過電圧検出器とを備え、
前記過電圧検出器の出力信号により、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開閉制御可能であることを特徴とする、電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源装置。 - 請求項1に記載した駆動電源装置であって、
前記主回路の直流電源電圧を前記スイッチング素子の1アーム当たりの直列接続数により除算した値が前記コンデンサの端子電圧よりも十分に大きい場合において、
前記電力変換器の動作時に前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをオフした状態で前記第1の抵抗を流れる電流の最大値が、前記電力変換器の停止時に前記第1のスイッチをオンし、かつ前記第2のスイッチをオフした時に前記第1の抵抗を流れる電流値と等しくなるように、前記第1の抵抗〜前記第3の抵抗の抵抗値がそれぞれ設定されていることを特徴とする、電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源装置。 - 請求項1または請求項2のいずれかに記載した駆動電源装置の制御方法であって、
前記駆動回路が起動するまでは、前記第2の抵抗と前記第3の抵抗とが並列に接続されるように前記過電圧検出器により前記第1のスイッチを制御し、前記コンデンサの端子電圧が予め設定された所定値以上になった時には前記第2の抵抗と前記第3の抵抗とが直列に接続されるように、前記過電圧検出器により前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御することを特徴とする、電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源装置の制御方法。 - 電力変換器の主回路を構成する電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源を、前記主回路の直流電源から非絶縁にて供給するための駆動電源装置において、
前記スイッチング素子の両端に、第1の抵抗と第2の抵抗と逆流阻止用ダイオードとコンデンサとが直列に接続され、かつ、前記第2の抵抗に並列に第1のスイッチが接続され、前記第2の抵抗と前記逆流阻止用ダイオードとの接続点と前記スイッチング素子の負電位側端子との間に、第3の抵抗と第2のスイッチとが直列に接続されると共に、
前記直流電源により充電された前記コンデンサの電圧を用いて前記スイッチング素子の駆動信号を生成する駆動回路と、前記コンデンサの過電圧状態を検出する過電圧検出器とを備え、
前記過電圧検出器の出力信号により、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開閉制御可能であることを特徴とする、電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源装置。 - 請求項4に記載した駆動電源装置であって、
前記主回路の直流電源電圧を前記スイッチング素子の1アーム当たりの直列接続数により除算した値が前記コンデンサの端子電圧よりも十分に大きい場合において、
前記電力変換器の動作時に前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをオフした状態で前記第1の抵抗を流れる電流の最大値が、前記電力変換器の停止時に前記第1のスイッチをオンし、かつ前記第2のスイッチをオフした時に前記第1の抵抗を流れる電流値と等しくなるように、前記第1の抵抗及び前記第2の抵抗の抵抗値がそれぞれ設定されていることを特徴とする、電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源装置。 - 請求項4または請求項5の何れかに記載した駆動電源装置の制御方法であって、
前記駆動回路が起動するまでは、前記第2の抵抗を短絡するように前記第1のスイッチを制御し、前記コンデンサの端子電圧が予め設定された所定値以上になった時には、前記第2の抵抗及び前記第3の抵抗が回路に投入されるように前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御することを特徴とする、電圧駆動型半導体スイッチング素子の駆動電源装置の制御方法。
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