JP5030956B2 - 所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイス - Google Patents

所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイス Download PDF

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Description

本発明は、供給源である供給元容器に接続可能とされているかまたはそれに接続されているディスペンサ・ヘッドを備えた、所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスに関する。
この種のディスペンサ・デバイスの用途としては、例えば、毒性を有する少量の材料物質などを、非常に高い精度をもって供給先容器に供給するという用途がある。供給先容器はしばしば天秤の上に載置されていて、ディスペンサ・デバイスから供給される材料物質の供給量を計量できるようにしてあり、それによって、供給された材料物質に対して引き続き指示に沿った処理を施せるようにしている。
所要量を供給すべき材料物質は、例えば供給元容器に収容されており、この供給元容器はディスペンサ・ヘッドが接続される接続部を備えている。所要量の材料物質を供給するプロセスを実行する際には、供給元容器とディスペンサ・ヘッドとが一体的に接続されて1つのユニットを形成し、このユニットが即ちディスペンサ・デバイスである。ディスペンサ・デバイスは吐出口を備えており、供給すべき材料物質はこの吐出口を介して送出される。この吐出口はなるべく小径のものとすることが好ましく、なぜならば、吐出口が小径であれば、供給先容器の口部が小さい場合にも、その供給先容器に何ら支障なく材料物質を供給することができるからである。
例えば染料粉などのような、乾燥した及び/または粉体状の、注ぐことのできる材料物質を、所要量、供給するためのディスペンサ・デバイスは従来公知であり、また実地に使用されている。その一例として、米国特許第5,145,009 A号公報には、供給元容器の底部に閉塞可能な吐出口を設けたディスペンサ・デバイスが記載されている。このディスペンサ・デバイスには、閉塞デバイスとして、上方へ向かって細くなる円錐形の弁体が用いられており、この弁体が鉛直下方へ移動することによって吐出口を開くようにしてある。また、この弁体は、開状態にあるときには回転し、この弁体には、材料物質を吐出口へ向けて移動させるための移動手段が装備されている。
以上に説明したデバイスは、注ぐことのできる材料物質を容器に供給する際に、その供給先容器の口部の断面が小さい場合には、適当なデバイスであるとはいえない。弁体の形状が上方へ向かって細くなる形状であることによっても、また、その弁体が回転することによっても、注がれて供給される材料物質の粒子に余計な速度成分が、即ち、水平方向の速度成分が付与される結果をもたらしており、その速度成分によって、粒子が周囲へ飛び散るため、供給先容器の口部の断面がかなり大きな場合でも、その口部の外へ粒子が散らばってしまうおそれがある。
例えば原子吸光分析などの用途に用いる、極めて少量の粉体状またはペースト状の試料物質を供給するための方法及びデバイスの一例が、米国特許第4,905,525 A号公報に開示されている。そのデバイスでは、供給元容器に定形通路が形成されており、その定形通路の先端に吐出口が設けられている。また、供給元容器に収容された試料物質の中へ押し込むようにしたピストンを備えている。試料物質の中へピストンを押し込むことによって、定形通路の上方で試料物質に圧力を加えることができ、その圧力に押された少量の試料物質が定形通路を通過して吐出口から送出される。その具体的な1つの実施の形態においては、供給元容器の形状を、吐出口へ近付くにつれて細くなる漏斗形の形状としてあり、また、ピストンは吐出口に対して相対的に傾斜させて配設されている。
粘性物質、ペースト状物質、粉体状物質、それに粒体状物質などを供給することのできる、所要量の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスの一例が、ドイツ特許出願公開第198 41 478 A1号公報に記載されている。このディスペンサ・デバイスは、このディスペンサ・デバイスが使用状態にあるときに下端となる側の端部へ向かって細くなる形状の供給元容器を備えており、その端部には吐出口が設けられている。また、その中心に回転可能な中空軸が配設されており、この中空軸に拭い落としツールが取付けられている。所要量の材料物質を供給するためのこのディスペンサ・デバイスは、供給量を設定するための供給量設定弁を備えている。この供給量設定弁は、その弁軸が中空軸の中に挿通されていて、上下方向に平行移動可能である。また、その弁軸の下端に、上方へ向かって細くなる形状の円錐形の弁頭が設けられており、それによって、供給する材料物質の送出量を規制できるように、また、吐出口を上方から閉塞できるようにしている。この特許文献に記載されている実施の形態のうちには、その供給量設定弁を、上で説明したデバイスにおける弁と同様に、回転可能にしたものもある。
米国特許第5,145,009 A号公報 米国特許第4,905,525 A号公報 ドイツ特許出願公開第198 41 478 A1号公報
上述したドイツ特許出願公開第198 41 478 A1号公報や、米国特許第5,145,009 A号公報に記載されている所要量の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスは、供給元容器から送出する材料物質を、どこまで少量にし得るかという点において、甚だ不十分なものであった。即ち、吐出口の開口部の形状がリング形であるため、吐出口を通過させて材料物質を注ぐようにして供給している間は、そのリング形の開口部の幅寸法を、材料物質の最小単位(粉体状の物質であればその粉の一粒)より狭くすることができず、そのために、注ぐようにして供給されている材料物質は、同時に複数の単位(粉の複数の粒)がリング形の開口部を通過できる状態となっている。また更に、注ぐようにして供給する材料物質の流動性が乏しい場合には、そのリング形の開口部が部分的に詰まってしまうこともある。このような事態が発生するのは、特に、所要量の材料物質を供給するプロセスの終わりが近付いて、供給速度を落とすために、リング形の開口部の幅寸法を狭めて行ったときであり、それによって、リング形の開口部の周長に対する幅寸法の比が、その材料物質を供給するのに望ましくない比になるため、部分的な詰まりが発生するのである。
本発明の目的は、所領量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスにおいて、極めて少量の材料物質を、その供給量を適切に制御できる方式によって、供給先容器に供給できるようにしたディスペンサ・デバイスを提供することにある。
上記目的は、独立請求項である請求項1に記載した特徴を備えることによって達成される。
所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスは、供給元容器と、ディスペンサ・ヘッドとを備え、前記ディスペンサ・ヘッドは、前記供給元容器に接続されているかまたはそれに接続可能とされており、断面形状が円形の吐出口を有するハウジングを備えている。前記ディスペンサ・ヘッドは更に、送出/閉塞部材を備えている。前記吐出口及び前記送出/閉塞部材は、前記ディスペンサ・ヘッドの長手中心軸線上に配設されている。前記送出/閉塞部材は、前記長手中心軸線を中心として前記ハウジングに対して相対的に回転可能であり、また、前記長手中心軸線に沿って前記吐出口に対して相対的に平行移動可能である。前記送出/閉塞部材は、その基本形状が略々円筒形状である。前記送出/閉塞部材は、前記吐出口を閉塞するための閉塞部であって前記長手中心軸線の延在方向に互いに離隔した夫々の位置に設けられた少なくとも2つの閉塞部を有し、また更に、それら閉塞部の間に設けられた供給すべき材料物質を送出するための送出部を有している。前記送出部は、円筒側面に形成された少なくとも1つの凹部を備えている。
このディスペンサ・デバイスは、強く固まった材料物質を供給するのに特に適したものであり、なぜならば、そのような材料物質を、所定量ずつ供給することができるからである。
このディスペンサ・デバイスを使用状態の姿勢としたときに、前記送出部の上方となる位置に第1閉塞部が設けられ、前記送出部の下方となる位置に第2閉塞部が設けられている。前記送出/閉塞部材は、前記第1閉塞部が前記吐出口の中に位置しているときにも、また、前記第2閉塞部が前記吐出口の中に位置しているときにも、いずれも、前記長手中心軸線を中心として回転可能な状態にあり、前記少なくとも1つの凹部がディスペンサ・ヘッドの中にあるときに、この送出/閉塞部材が回転することにより、その凹部に材料物質が充填され、また、その凹部がディスペンサ・ヘッドの外にあるときに、この送出/閉塞部材が回転することにより、供給すべき材料物質がその凹部から放出される。
特に1つの実施の形態においては、前記送出/閉塞部材の前記送出部の前記少なくとも1つの凹部を、連続表面を有する凹部としている。この送出面の形状は、1方向または2方向において凹状に彎曲した形状とするとよく、また場合によっては、前記長手中心軸線を中心として螺旋状にひねりを加えた形状とするのもよい。また、前記少なくとも1つの凹部を、不連続面を有する凹部とするのもよい。またその場合には、その凹部を、例えば三角溝として形成するとよい。
前記凹部の形状がいかなるものであるにせよ、また特に、前記溝の形状がいかなるものであるにせよ、前記第1閉塞部へ近付くにつれてその断面の大きさが減少するように、その幅寸法及び/または深さ寸法が変化しているようにするとよい。
前記送出/閉塞部材を金属材料またはセラミック材料で製作し、前記少なくとも1つの凹部の表面をその表面粗度Raが0.003mm以下であるようにすることが好ましい。
特に有利な1つの実施の形態においては、前記送出部を、上下方向に並んだ少なくとも2つの、また特に3つの、凹部を有するものとし、それら凹部を、円形の凹部として形成している。こうすることによって、供給すべき材料物質が、所定量ずつ、シーケンシャルに供給されるようにすることができる。
前記送出/閉塞部材が閉位置にあるときに、このディスペンサ・デバイスを使用状態の姿勢としたときの第1閉塞部の下端がハウジングと同一平面上に揃うようにしている。特に有利な1つの実施の形態においては、第1閉塞部はその端面に凹部が形成されており、この凹部は、その全周が突条周縁部によって囲繞されており、この突条周縁部は液切り部のように機能する。
特に好適な1つの実施の形態においては、ディスペンサ・デバイスは搬送ツールを備えており、この搬送ツールもまた、前記長手中心軸線を中心として回転可能に構成されている。この搬送ツールによって、供給すべき材料物質が吐出口へ向けて移動され、また、ハウジングの吐出口の口縁部にこびり付いている材料物質は掻き落とされる。そのため、吐出口の中に材料物質が残留することがない。またこれによって、所要量の材料物質を供給するプロセスの終了時に吐出口を全閉状態とする際に、材料物質が吐出口にはさまることがないようになっており、もしそのようなことが起こったならば、全閉状態にすることができなくなる。この搬送ツールは更に、例えば粉の粒子が静電気を帯びるなどして強くかたまった粉体状の材料物質や、ペースト状の材料物質を供給することを可能にするものでもあり、なぜならば、この搬送ツールは、かたまった粉体状の材料物質ならばそれをほぐし、また、ペースト状の材料ならばそれを攪拌して軟化させ、そして、その材料物質を吐出口へ向けて移動させると共に、その材料物質が吐出口の口縁部に付着した場合に、それを拭い落とすように機能するからである。
更に、前記搬送ツールは、スプリングの弾発力によって吐出口の口縁部に押し付けられているようにするとよい。好適な1つの構成例においては、搬送ツールは攪拌片と搬送片とを備えており、その搬送片は、特に有利な1つの構成例においては、ある程度の広さの滑らかな表面を有しており、使用状態にあるときには、その搬送片が、常に吐出口の口縁部に軽く接触している。また、具体的な1つの構成例においては、前記搬送片が先端を備えており、使用状態にあるときには、その先端が吐出口の口縁部に接触している。
前記搬送片は、この搬送片が前記長手中心軸線を中心として回転するときにたどる円形の運動軌跡の接線方向に対して鋭角をなすように傾斜させ、及び/または、前記長手中心軸線に対して鋭角をなすように傾斜させることが好ましい。
特に1つの実施の形態においては、前記送出/閉塞部材はロッドに結合されている。このロッドは、前記長手中心軸線上に配設されており、前記供給元容器を貫通して延在しており、駆動軸として機能するものである。また、前記搬送ツールは、前記長手中心軸線に沿って平行移動可能な状態で、ロッド及び送出/閉塞部材と一体に回転するように拘束されている。
特に好適な1つの実施の形態においては、ディスペンサ・ヘッド、及び/または、ディスペンサ・デバイスそれ自体が、吐出口へ近付くにつれて細くなる形状のハウジングを備えている。
本発明の更なる1つの特徴として、供給すべき材料物質を前記少なくとも1つの凹部から払い落とすための少なくとも1つの払い落とし機構をディスペンサ・デバイスの外部に設けたということがある。好適な1つの構成例においては、このの払い落とし機構を、前記少なくとも1つの凹部に接触可能なブラシまたは薄板から成る払い落とし部材から成るものとしている。また、別の1つの構成例として、この払い落とし機構を、噴出口を前記送出/閉塞部材へ向けた空気噴流ノズルから成るものとしてもよい。
更に別の好適な1つの実施の形態においては、この払い落とし機構を、ハウジング、及び/または、送出/閉塞部材、及び/または、ロッドに作用を及ぼし、且つ、その作用方向が、前記長手中心軸線に平行な方向、及び/または、直交する方向であるようにした、衝撃及び/または振動の印加ツールから成るものとしている。
以上のディスペンサ・デバイスによれば、ディスペンサ・ヘッドが接続されているかまたは接続可能とされている供給元容器から、所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給することができ、その供給方法においては、
−前記第1閉塞部が前記吐出口の中に位置付けられており且つ前記送出部が前記ディスペンサ・ヘッドの中に位置付けられている状態である前記吐出口の第1閉状態において前記送出/閉塞部材を回転させることにより、前記少なくとも1つの凹部に材料物質が充填されるようにし、
−前記送出/閉塞部材を前記長手中心軸線(4)に沿って平行移動させることにより、供給すべき材料物質が充填されている前記送出部の前記少なくとも1つの凹部が前記ディスペンサ・ヘッドの外へ移動されるようにし、
−前記第2閉塞部が前記吐出口の中に位置付けられている状態である前記吐出口の第2閉状態において前記送出/閉塞部材を回転させることにより、前記少なくとも1つの凹部から材料物質が放出されるようにする。
この方法の好適な1つの実施の形態においては、供給すべき材料物質が、搬送ツールによって前記少なくとも1つの凹部の中へ送り込まれるようにしている。
また、払い落とし機構を備えている場合には、その払い落とし機構によって前記送出部の前記少なくとも1つの凹部から材料物質が放出されるようにしている。
これより本発明のディスペンサ・デバイスについて、図面に模式図で示した実施の形態に即して更に説明して行く。
図1に示したのは所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスであり、このディスペンサ・デバイスはディスペンサ・ヘッド101と供給元容器2とを備えている。このディスペンサ・デバイスの形状は、基本的には略々、長手中心軸線を中心とした回転体形状である。このディスペンサ・デバイスは、使用状態にあるときには、即ち、例えば所要量の材料物質を供給するプロセスに用いられているときには、或いはまた、直ぐに使用することのできる状態とされているときには、その長手中心軸線4が鉛直方向に延在するような姿勢とされている。図1はそのような姿勢を示したものであり、同図において、ハウジング3を有するディスペンサ・ヘッド101は、供給元容器2の下方に位置している。ディスペンサ・ヘッド101は供給元容器2に接続されており、この接続は、供給元容器2に材料物質を充填するのに先立って、ディスペンサ・ヘッド101の雌ネジ部5と供給元容器2の雄ネジ部8とを螺合させて、ディスペンサ・ヘッド101を供給元容器2に螺着したものである。基本的に、ディスペンサ・ヘッドは、従来公知の任意の着脱可能な接続構造によって、供給元容器に接続可能にしておいてもよく、或いは、供給元容器に固定接続しておいてもよい。ただし、洗浄の容易性を考慮するならば、このディスペンサ・ヘッド101を、装着ないし螺着することによって供給元容器2に接続可能にしておくことが好ましい。
ハウジング3は突条23を有しており、この突条23は、例えば、このディスペンサ・デバイスをホルダの中に係止する際に役立つものであり、ただしそのホルダは不図示とした。このように次第に細くなる形状は、好ましい形状であるが、ただし、この形状とすることが絶対的に必要なわけではない。
図1に示した送出/閉塞部材106は、第1の実施の形態に係る送出/閉塞部材であって、この送出/閉塞部材106は、図1に示した状態にあるときには、吐出口7から外部へ突出している。この状態にあるときには、第2閉塞部127bが吐出口7の中に位置しており、これについては後に図2bを参照して説明する。また、この状態は、供給すべき材料物質が、送出/閉塞部材106によってディスペンサ・ヘッド101から外部へ送出されて、このディスペンサ・デバイスの下方におかれた容器の中へ投入されるときの状態である。送出/閉塞部材106は、ロッド9に結合されている。ロッド9は駆動軸として機能するものであり、図1に示したように、供給元容器2の中を貫通して延在し、その上端が供給容器2から突出するようにしてある。ロッド9のこの突出した端部は、駆動機構が連結される結合部19を形成している。図1では駆動機構を不図示としたが、この駆動機構は手動式の駆動機構とすることもでき、また、モータを用いた電動式の駆動機構とすることもできる。
図2aは、第1の実施の形態に係る送出/閉塞部材106を備えたディスペンサ・ヘッド101の破断斜視図であり、ディスペンサ・ヘッド101のハウジング3を縦方向平面で破断して示した図である。送出/閉塞部材106は2つの閉塞部127a、127bを備えており、それらはいずれも円筒形状に形成されている。
吐出口7を閉状態とするには、第2閉塞部127bを吐出口7の中に位置付けるようにする。送出/閉塞部材106は、ディスペンサ・ヘッド101の(ひいては、このディスペンサ・デバイスの)長手中心軸線4に沿って延在しているロッド9に固定結合されている。このロッド9は(ひいては、送出/閉塞部材106は)、長手中心軸線4を中心として回転可能とされており、また、長手中心軸線4に沿って平行移動可能とされている。このロッド9は、図示例の構成の場合、モータで駆動するようにしておくことが好ましい。尚、いうまでもないことであるが、送出/閉塞部材と、ロッドとは、それらを一体化した一体部品としても形成するようにしてもよい。
図2bは、ディスペンサ・ヘッドを示した図2aと同様の図であり、図2aと異なっているのは、図2bでは、送出/閉塞部材106の第1閉塞部127aが吐出口7の中に位置付けられていることである。送出/閉塞部材106を長手中心軸線4に沿って移動させると、即ち、図2a及び図2bに示した姿勢にあるときに鉛直方向に移動させると、吐出口7が、一旦、開状態になり、その後に再び閉状態になる。
送出/閉塞部材106は、その基本形状が略々円筒形状に形成されている。この送出/閉塞部材106の送出領域128には、その円筒側面から陥凹した形状の凹部120が形成されており、これによって送出部128が形成されている。凹部120の表面は、滑らかな連続表面であって、送出面110を形成している。送出/閉塞部材106は、金属材料またはセラミック材料で製作したものとすることが好ましく、また、この送出/閉塞部材106に形成する少なくとも1つの凹部の表面は、その表面粗度Raが0.003mm以下であるようにすることが好ましい。ディスペンサ・デバイスを使用状態の姿勢としたときに、第1閉塞部127aが送出部128の下方に位置し、また、第2閉塞部127bが送出部128の上方に位置するようにしてある。従って、第1閉塞部127aが、送出/閉塞部材106の外端(下端)を構成している。更に、これによって、図2bに示したように、送出/閉塞部材106の下端の端面121の高さをディスペンサ・ヘッド101の吐出口7の高さに揃えたときに、この端面121によって、吐出口7が閉塞されるようにしてある。
所望量の材料物質を供給するプロセスを実行するとき、その初期状態においては、吐出口7が閉状態にあり、また、送出/閉塞部材106はその第1閉塞部127aが吐出口7の中に位置付けられている。送出/閉塞部材106がこの第1閉塞位置にあるときに、長手中心軸線4を中心としてこの送出/閉塞部材106を回転させると、そのときディスペンサ・ヘッド101の内部に位置している凹部120(この凹部120は、送出部129の円筒側面から陥凹した形状に形成されている)の中に、供給すべき材料物質が充填される。このステップに続いて、送出/閉塞部材106を下方へ平行移動させて、その送出部128をディスペンサ・ヘッド101の外へ突出させる。また、それに伴って、第2閉塞部127bが吐出口7の中へ移動して、吐出口7を閉塞する。これに続いて、送出/閉塞部材106は回転させることによって、及び/または、払い落とし機構(図6b参照)を作動させることによって、供給すべき材料物質が、凹部120から払い落とされて、このディスペンサ・デバイスの下方に置かれた供給先容器の中へ落下するようにする。供給先容器は、材料物質の供給量を計量するために用いる天秤の計量パンの上に載置しておくことが好ましいが、ただしそのような計量手段は本発明の主題ではないため、図には示していない。
送出面110は、少なくとも1方向において彎曲した形状の表面であり、また、長手中心軸線を中心として螺旋状にひねりを加えた形状の表面である。ただし、この送出面を、凹部120の領域で2方向において凹状に彎曲した凹面形状とし、及び/または、長手中心軸線4を中心として螺旋状にひねりを加えた形状とすることも可能である。供給すべき材料物質が凹部120の中に充填されたならば、送出/閉塞部材106を長手中心軸線4に沿って移動させるようにすれば、所定量の材料物質をディスペンサ・ヘッド101から外部へ搬出することができる。そして、これによって、ディスペンサ・ヘッド101から送出しようとする粉体状またはペースト状の材料物質の送出量を、目標量に制御することができる。
送出面110の形状を、凹状に彎曲した形状としているため、また特に、凹部120の形状を、長手中心軸線を中心として僅かながらも螺旋状にひねりを加えた形状としているため、送出/閉塞部材106を回転させたときに、その送出面110によって、供給すべき材料物質が制御された状態で搬送されるという作用と、凹部120の中に所定量の材料物質が充填されるという作用とが得られるようになっている。かかる構成は、供給すべき材料物質が、注ぐ際の流動性に乏しい粉体材料、即ち、詰まりやすい粉体材料である場合や、ペースト状の材料物質である場合に特に有利である。また、そのような場合には、搬送ツール12を用いるようにすると、非常に有利である。
図3に示した実施の形態では、ディスペンサ・ヘッド101の内部に搬送ツール12が配設されている。搬送ツール12は、支持構造を備えており、この支持構造を介して、上下に離れた2箇所においてロッド9の外周に嵌合されており、これによって、搬送ツール12は遊嵌状態でロッド9に連結されている。搬送ツール12は更に、攪拌片14と搬送片15とを備えており、搬送片15は、シャベルないしスクレーパの形状に形成されている。搬送ツール12の上側のリング形支持片29は、ロッド9に固設された側方突出ピン16より上方に位置しており、下側のリング形支持片30は、この側方突出ピン16より下方に位置している。以上の構成により、搬送ツール12はこのディスペンサ・デバイスの内部において、その運動が拘束された状態で移動可能となっている。ロッド9を長手中心軸線4に沿って平行移動させるとき(即ち供給すべき材料物質を送出するとき)にも、搬送ツール12は、遊嵌状態でロッド9に連結されているため、重力の作用によって、吐出口7の口縁部に常に摺動可能に接触した状態に維持される。更に、ロッド9を回転させると、側方突出ピン16が攪拌片14に当接して、搬送ツール12を押動するため、搬送ツール12はロッド9と一体に回転する。
攪拌片14は、供給すべき材料物質がディスペンサ・ヘッド101の中にある間に、その材料物質をほぐしたり、攪拌して軟化させたりする機能を果たすものである。
搬送片15は広さを有する滑らかな表面部分を含むものとし、その表面部分が吐出口7の口縁部を向いた先端17を形成しているようにし、そして、その先端17が常に吐出口7の口縁部に摺動可能に接触しているようにすることが好ましい。搬送片15は、また特に、搬送片15の広さを有する滑らかな表面部分は、丸みを付けた、ないしは彎曲した形状とすることが好ましく、そうしておけば、その搬送片15がシャベルのように機能することによって、強くかたまった粉体状の材料物質でも、それをさらって凹部120の中に充填することができる。
搬送ツール12が長手中心軸線4を中心として回転するため、搬送片15は円を描くように運動する。搬送片15を、この搬送片15が長手中心軸線4を中心として回転するときにたどる円形の運動軌跡の接線方向に対して鋭角をなすように傾斜させておけば、及び/または、長手中心軸線4に対して鋭角をなすように傾斜させておけば、非常に有利であることが判明している。この搬送片15の傾斜角は、特に、供給すべき材料物質の流動性に適合した角度にするとよい。図3に示した実施の形態のディスペンサ・デバイスでは、搬送ツール12の形状及び傾斜の向きによって、送出/閉塞部材106の回転方向が決まり、即ち、この搬送ツール12の回転方向が決まる。搬送ツール12の形状及び傾斜の向きが図3に示したようなものであるならば、その回転方向は時計回りの方向となる。
既に述べたように、搬送ツール12は、ロッド9上に拘束された状態で案内されることによって、ロッド9が回転するときには共に回転するが、ロッド9ないし送出/閉塞部材106が長手中心軸線4に沿って移動しても、そのロッド9ないし送出/閉塞部材と共に長手中心軸線4にそって移動することはなく、それによって、この搬送ツール12の搬送片15が、また特にその搬送片15の先端17が、常に吐出口7の口縁部に摺動可能に接触した状態が維持されるようにしたものである。また、それによって、搬送片15が、粉体状の材料物質を凹部120の中へ押込んで充填し、また、その材料物質の粉を吐出口7の口縁部から拭い落とすようにしたものである。これを示したのが図4a及び図4bであり、それらの図は、ディスペンサ・ヘッド101の断面図である。
図4a及び図4bは断面図であるため、それらの図からは、送出/閉塞部材106がロッド9にどのように連結されているかも見て取れる。送出/閉塞部材106の本体部分の外径より小さな外径のピン18が、ロッド9の中に挿入されて、ロッド9に固定結合されており、この固定結合には、例えば、螺合、接着、等々の手段を用いればよい。
以上の図面に示した送出/閉塞部材106を、図5に断面図で示した。送出/閉塞部材106は、雄ネジ部として形成されたピン18を介してロッド9に結合されている。ここに具体例として提示した構成においては、送出/閉塞部材106が第1閉塞位置にあって吐出口7が閉状態にあるとき(例えば図4bに示した状態にあるとき)に、送出/閉塞部材106の第1閉塞部127aとハウジング3とが同一平面上に揃うようにしてあり、その第1閉塞部127aの端面121に凹部24が形成されている。この凹部24はその全周が突条周縁部25によって囲繞されており、この突条周縁部25は、液切り部のように機能することにより、たとえ供給する材料物質が付着性の強いものであっても、その材料物質が端面121端面に集積することがないようにするものである。
図6a及び図6bに、第2の実施の形態に係る送出/閉塞部材206を示した。図6aはディスペンサ・ヘッド201の斜視図、図6bはその側面図であり、それらはハウジング203を縦方向平面で破断して示した図である。この実施の形態において、送出/閉塞部材206の送出部228は、細長い三角溝46により構成されている。この三角溝46は、円筒側面の表面から陥凹する凹部として、この円筒側面に形成されており、上下方向に延在し、下方へ行くにつれて幅が狭まり、その下端が鋭く尖った頂角を形成しており、従ってこの三角溝46は、その幅寸法及び深さ寸法が、第1閉塞部227aへ近付くにつれて変化し、即ち次第に減少している。この構成においては、送出面は不連続面として形成されている。このような溝を送出部に複数設けるようにしてもよく、その場合には、送出部の周方向にそれら複数の溝を均等に配置することが好ましい。また、このような溝を送出部に複数設ける際には、それら溝の鋭く尖った頂角が、図6a及び図6bに示したように鉛直下方を向くようにするか、或いは、斜め下方に向くようにするとよい。
図6a及び図6bに示した第2の実施の形態に係る搬送ツール212は、搬送片215を有しており、この搬送片251は図3に示した搬送ツールの搬送片と同様の形態のものである。特に、この搬送片215の長手中心軸線4に対する相対的な姿勢は、この搬送片215を、この搬送片215が長手中心軸線4を中心として回転するときにたどる円形の運動軌跡の接線方向に対して鋭角をなすように傾斜させ、且つ、長手中心軸線4に対して鋭角をなすように傾斜させた姿勢としてある。また更に、この搬送片215は、この搬送片215の運動軌跡である円の径方向に対して角度をなすように傾斜させてあり、且つ、吐出口7の口縁部に対しては接線方向に延在するようにしてある。ロッド9は、搬送ツール212を支持し案内するために、摺動案内部31を有しており、この摺動案内部31には、その全長に亘って延在する少なくとも1本の溝32を形成するようにしている。搬送ツール212の支持リング部33が、この摺動案内部31の外周に遊嵌されており、この支持リング部33の突起34が溝32に係合している。溝32は摺動案内部31上の互いに180°離れた位置に2本形成し、突起34も支持リング部33上の互いに180°離れた位置に2個形成することが好ましく、図示例でもそのようにしているが、ただしそれらの図において、手前側の溝及び突起は見えているが、他方の溝及び突起はロッド9に隠れて見えていない。以上の構成によって、搬送ツール212は、ロッド9と一体に回転するように拘束されているが、長手中心軸線4に沿った平行移動に関しては、自由に移動できるようになっている。支持リング部33には、長手中心軸線4から径方向外方へ放射状に延出する複数のスポーク部35、38が設けられており、それらスポーク部35、38のうちには、先端37がハウジング203に形成された円形溝36の中に嵌合している複数のスポーク部35と、そうでない複数のスポーク部38とが含まれている。先端37が円形溝36に嵌合しているスポーク部35は、その嵌合している先端37がこの円形溝36によって移動可能に案内されるようになっており、そうでないスポーク部38は、攪拌片38として機能するものである。支持リング部33、突起34、スポーク部35、及び攪拌片38は、長手中心軸線4に直交する同一平面内に位置している。ただしそれらのうち、攪拌片38は、その他のものと同一平面内に位置させずに、折曲げて上方または下方へ延在させるようにしてもよく、そうすれば、供給すべき材料物質をほぐし、或いは攪拌して軟化させる機能が、より効果的に発揮されるようになる。搬送片は、複数のスポーク部のうちの1本のスポーク部235に接続しており、ただし、スポーク部と別体に形成した搬送片を連結するのではなく、一体形成とすることが好ましい。搬送ツール212は、金属の薄板で形成するか、または、プラスチック材料で形成した、一体形成部品とすることが好ましい。
図6bには、供給すべき材料物質を溝46から払い落とすための払い落とし機構を模式的に示した。この種の払い落とし機構は、例えば、長手中心軸線4に直交する方向の衝撃または振動をハウジング203に作用させる衝撃または振動の印加ツール49として構成してもよく、或いは、長手中心軸線4に平行な方向の衝撃または振動をハウジング203に作用させる衝撃または振動の印加ツール48として構成してもよい。また、いうまでもないことではあるが、その種の衝撃または振動の印加ツールは、送出/閉塞部材206またはロッド9に衝撃または振動を作用させるような構成とすることも可能である。別の構成例として、ハウジングの外側の吐出口7の近傍に配設した、凹部に接触することで供給すべき材料物質を払い落とすブラシまたは薄板から成る拭い落とし部材として構成した払い落とし機構を使用するようにしてもよい。更には、圧縮空気を噴出する噴流ノズルを備え、その噴流ノズルの噴出口を送出/閉塞部材へ向けて配設した払い落とし機構を使用するようしてもよい。
図7a及び図7bは、図6a及び図6bと同様の図示の仕方で、ディスペンサ・ヘッド401を示した図である。このディスペンサ・ヘッド401は、第3の実施の形態に係る送出/閉塞部材406と、第3の実施の形態に係る搬送ツール412とを備えている。送出/閉塞部材406の送出部428は、深さ寸法及び幅寸法が変化している複数の細長い溝45を、送出/閉塞部材406の略々円筒形の周面、即ち円筒側面に形成することにより構成されている。それら複数の細長い溝45は、それらの長手方向、即ち延在方向を、長手中心軸線4に対して互いに同一の鋭角をなすように傾斜させてある。それら複数の細長い溝45は、材料物質が一旦そこに充填された後にディスペンサ・ヘッド401から送出されるところの複数の凹部を構成しており、これによって、送出される材料物質の量がそれら凹部に対する充填量になるようにしている。
搬送ツール412は3枚の搬送片415を有しており、それらは支持リング部433と一体的に形成されることで支持リング部433に接続している。支持リング部433は、突起34が摺動案内部31の溝32に係合することにより、ロッド9に対して拘束されており、この部分の構成は、図6a及び図6bに関して先に説明した実施の形態の構成と同様である。ただし、図6a及び図6bに示した実施の形態と異なり、図7a及び図7bに示した搬送ツール412は攪拌片38を備えていない。この搬送ツール412に、図6a及び図6bに示したものと同様の攪拌片38を付加するようにしてもよいのであるが、しかしながら、材料物質をほぐし、或いは攪拌して軟化させるという機能は、3本のスポーク部435と、3枚の搬送片415とに担わせることができる。3枚の搬送片415の形状、並びに、それら搬送片415のディスペンサ・ヘッド401内における配設形態は、図6a及び図6bに関して先に説明した搬送片215のものと実質的に変わりはない。3本のスポーク部435は、その各々に1枚ずつの搬送片415が接続している。また、それらスポーク部435の先端37は、ハウジング3の円形溝36の中に嵌合しており、この円形溝36によって移動可能に案内される。
図8a〜図8cは、先に図1〜図5に関して説明した第1の実施の形態に係る送出/閉塞部材106を様々な方向から見た図である。図8aに示したのは送出/閉塞部材106をその送出面110が見える方向から見た側面図であり、図8b及び図8cに示したのはこの送出/閉塞部材106の斜視図である。送出部128の凹部120は、凹面形状の送出面110によって画成されており、この送出面110の境界線は、長手中心軸線4に直交する平面に対して平行に延在させるのではなく、その平面に対して傾斜させるようにしており、その傾斜角は任意の角度とすることができる。このような凹部120を形成するには、例えば、長手中心軸線4に対して90°以外の角度をなして延在する円筒形切削部を形成するようにすればよい。
図9a及び図9bは、先に図6a及び図6bに示した第2の実施の形態に係る送出/閉塞部材206を夫々方向から見た図であり、図9aに示したのは送出面が見える方向から見た側面図、図9bに示したのは斜視図である。細長い三角溝46は、長手中心軸線4の延在方向に対して傾斜させて形成してもよい。送出/閉塞部材306を回転させると、この三角溝46が、送出すべき材料物質を掻き取り、掻き取られた材料物質はこの三角溝46に充填される。三角溝46の形状は、下方へ行くほどその幅が狭まり、その下端に鋭く尖った頂角が形成される形状であり、この形状は、三角溝46に充填された材料物質を放出するのに特に有利な形状である。
図10a及び図10bは、図9a及び図9bcと同様の図示の仕方で、第5の実施の形態に係る送出/閉塞部材306を示した図である。送出部528の凹部は、2本の細長い三角溝346(図10a及び図10bでは、それら2本のうちの1本だけが見えている)から成り、それら三角溝346は、その全体形状が円筒形状の送出/閉塞部材306に形成されている。この第5の実施の形態では、図9a及び図9bに示した実施の形態の送出/閉塞部材206とは異なり、三角溝346の谷底線11が、長手中心軸線に対して平行ではなく、長手中心軸線に対してある傾斜角をもって傾斜している。
図11a及び図11bは、先に図7a及び図7bに示した第3の実施の形態に係る送出/閉塞部材406を示した図であり、図11aに示したのは送出面が見える方向から見た側面図、図11bに示したのは斜視図である。この実施の形態においては、深さ寸法及び幅寸法が変化している複数の細長い溝54が、送出/閉塞部材406の略々円筒形の周面に、即ち円筒側面に形成されており、それら溝54は、例えば、ボールエンドミルを使用して切削加工などにより形成することができる。
図12a及び図12bは、第4の実施の形態に係る送出/閉塞部材806を夫々の方向から見た図であり、図12aに示したのは送出面が見える方向から見た側面図、図12bに示したのは斜視図である。送出部828の円筒側面に3本の細長い凹部40が形成されている。細長い凹部40は、円弧状の凹面から成り、その凹面の輪郭線は鏡面対称形状であり、それら細長い凹部40の対称軸線は長手中心軸線4に平行に延在している。
図13a及び図13bに、第6の実施の形態に係る送出/閉塞部材606を示した。送出部628には、3つの円形の凹部41、42、43が、上下方向に並んで形成されている。それら凹部41、42、43は、内径寸法及び/または深さ寸法が互いに異なる凹部とするのもよい。それら凹部41、42、43には、送出/閉塞部材606が第1閉塞位置にあるときに、供給すべき材料物質が充填される。充填の後に、送出/閉塞部材606を移動させて、この送出/閉塞部材606の第2閉塞部127bを吐出口7の中に位置付けるようにすれば、それら3つの凹部41、42、43の全てから同時に材料物質を放出させることができる。或いはまた、送出/閉塞部材606を移動させて、この送出/閉塞部材606の凹部41と凹部42との間の部分を第3閉塞部127cとして吐出口7の中に位置付けるようにすれば、1つの凹部41だけから材料物質を放出させることができ、また、送出/閉塞部材606を移動させて、この送出/閉塞部材606の凹部42と凹部43との間の部分を第4閉塞部127dとして吐出口7の中に位置付けるようにすれば、2つの凹部41、42から材料物質を放出させることができる。尚、凹部41、42、43のような、複数の凹部から成る凹部の組を、送出/閉塞部材606の円周側面に複数組形成するようにしてもよい。
ディスペンサ・ヘッドのハウジングは様々な構成のものとすることが考えられ、駆動機構もまた様々な形態のものとすることが考えられる。原理的には、搬送ツールに専用の駆動機構を装備することにより、送出/閉塞部材の平行移動及び回転運動とは切り離して、搬送ツールを平行移動及び回転運動させるようにしてもよい。更に別の実施の形態として、送出/閉塞部材を結合したロッドに、平行移動する方向の引張力を作用させておき、そのロッドと駆動機構との結合が解除されたならば、吐出口が自動的に閉じられるようにしておくのもよい。
更には、吐出口を管状通路として形成することにより、少なくとも1つの凹部の全体がその吐出口の中に収まるような、中間位置を取り得るようにするのもよい。
供給元容器に螺着して接続したディスペンサ・ヘッドを備えたディスペンサ・デバイスの斜視図である。 ディスペンサ・ヘッドのハウジングを縦方向平面で破断して示した、第1の実施の形態に係る送出/閉塞部材を備えたディスペンサ・ヘッドの破断斜視図であり、送出/閉塞部材が第2閉位置にあるところを示した図である。 ディスペンサ・ヘッドのハウジングを縦方向平面で破断して示した、第1の実施の形態に係る送出/閉塞部材を備えたディスペンサ・ヘッドの破断斜視図であり、送出/閉塞部材が第1閉位置にあるところを示した図である。 図2bのディスペンサ・ヘッドに搬送ツールを付加して示した図である。 図3のディスペンサ・ヘッドの断面図であり、送出/閉塞部材が第2閉位置にあるところを示した図である。 図3のディスペンサ・ヘッドの断面図であり、送出/閉塞部材が第1閉位置にあるところを示した図である。 以上の図に示した送出/閉塞部材の断面図である。 ハウジングを縦方向平面で破断して示した、第2の実施の形態に係る送出/閉塞部材と、第2の実施の形態に係る搬送ツールとを備えたディスペンサ・ヘッドの破断斜視図であり、送出/閉塞部材が第1閉位置にあるところを示した図である。 ハウジングを縦方向平面で破断して示した、図6aのディスペンサ・ヘッドの側面図である。 ハウジングを縦方向平面で破断して示した、第3の実施の形態に係る送出/閉塞部材と、第3の実施の形態に係る搬送ツールとを備えたディスペンサ・ヘッドの破断斜視図であり、送出/閉塞部材が閉位置にあるところを示した図である。 ハウジングを縦方向平面で破断して示した、図7aのディスペンサ・ヘッドの側面図である。 図1〜図5の送出/閉塞部材を示した側面図である。 図8aの送出/閉塞部材を示した斜視図である。 図8aの送出/閉塞部材を示した別の方向から見た斜視図である。 図6a及び図6bに示した第2の実施の形態に係る送出/閉塞部材を、送出面が見える方向から見た側面図である。 第2の実施の形態に係る送出/閉塞部材を示した斜視図である。 第5の実施の形態に係る送出/閉塞部材を示した側面図である。 第5の実施の形態に係る送出/閉塞部材を示した斜視図である。 図7a及び図7bに示した第3の実施の形態に係る送出/閉塞部材を、送出面が見える方向から見た側面図である。 第3の実施の形態に係る送出/閉塞部材を示した斜視図である。 第4の実施の形態に係る送出/閉塞部材を、送出面が見える方向から見た側面図である。 第4の実施の形態に係る送出/閉塞部材を示した斜視図である。 第6の実施の形態に係る送出/閉塞部材を、送出面が見える方向から見た側面図である。 第6の実施の形態に係る送出/閉塞部材を示した斜視図である。
符号の説明
101、201、401…ディスペンサ・ヘッド
2…供給元容器
3、203、403…ハウジング
4…長手中心軸線
5…雌ネジ部
106、206、306、406、606、806…送出/閉塞部材
7…吐出口
8…雄ネジ部
9…ロッド
110…送出面
11…溝の谷底線
12、212、412…搬送ツール
14…攪拌片
15、215、415…搬送片
16…側方突出ピン
17…搬送片の先端
18…ピン
19…結合部
120…凹部
121…端面
23…突条
24…凹部
25…凹部の周縁部
127a、127b、127c、127d…閉塞部
128、228、328、428、628、828…送出部
29…上側のリング形支持片
30…下側のリング形支持片
31…摺動案内部
32…溝
33…支持リング部
34…突起
35、235、435…スポーク部
36…円形溝
37…先端
38…攪拌辺
40…細長い凹部
41…円形の凹部
42…円形の凹部
43…円形の凹部
45…細長い凹部
46、346…三角溝
48…衝撃または振動の印加ツール
49…衝撃または振動の印加ツール

Claims (23)

  1. 供給元容器(2)と、ディスペンサ・ヘッド(1)とを備え、前記ディスペンサ・ヘッドは前記供給元容器(2)に接続されているかまたはそれに接続可能とされており、前記ディスペンサ・ヘッドは、断面形状が円形の吐出口(7)を有するハウジング(3)と、送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)とを備えており、前記吐出口(7)及び前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、前記ディスペンサ・ヘッド(1)の長手中心軸線(4)上に配設されており、前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、前記長手中心軸線(4)を中心として前記ハウジング(3)に対して相対的に回転可能であり、また、前記長手中心軸線(4)に沿って前記吐出口(7)に対して相対的に平行移動可能である、所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスにおいて、
    前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、その基本形状が略々円筒形状であり、前記吐出口(7)を閉塞するための閉塞部であって前記長手中心軸線(4)の延在方向に互いに離隔した夫々の位置に設けられた少なくとも2つの閉塞部(127a、127b)を有し、また更に、前記少なくとも2つの閉塞部の間に、供給すべき材料物質を送出するための送出部(128、228、328、428、628、828)を有しており、前記送出部(128、228、328、428、628、828)は、円筒側面に形成された少なくとも1つの凹部を備え、
    供給すべき材料物質を搬送するための搬送ツール(12、212、412)を備えており、該搬送ツールは前記長手中心軸線(4)を中心として回転可能に構成されており、更に、該搬送ツールは前記長手中心軸線(4)に沿って前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)に対して相対的に平行移動可能に支持されていることを特徴とするディスペンサ・デバイス。
  2. 前記ディスペンサ・デバイスを使用状態の姿勢としたときに、前記送出部(128、228、328、428、628、828)の上方となる位置に第1閉塞部(127a)が設けられており、前記送出部(128、228、328、428、628、828)の下方となる位置に第2閉塞部(127a)が設けられていることを特徴とする請求項1記載のディスペンサ・デバイス。
  3. 前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、前記第1閉塞部(127a)が前記吐出口(7)の中に位置しているときに回転可能であり、且つ、前記第2閉塞部(127b)が前記吐出口(7)の中に位置しているときに回転可能であることを特徴とする請求項1又は2記載のディスペンサ・デバイス。
  4. 前記少なくとも1つの凹部は、送出面(110)を形成する連続表面を有する凹部であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  5. 前記凹部は、三角溝(46、346)の形状に形成された凹部であり、送出面を形成する不連続表面を有する凹部であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  6. 前記送出面(110)は、1方向または2方向において凹状に彎曲した形状を有することを特徴とする請求項4記載のディスペンサ・デバイス。
  7. 前記送出面(110)は、前記長手中心軸線(4)を中心として螺旋状にひねりを加えた形状であることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  8. 前記送出部(628)は上下方向に並んだ少なくとも2つの凹部を有しており、それら凹部は特に円形の凹部(41、42、43)として形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  9. 前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)が閉位置にあるときに、前記ディスペンサ・デバイスを使用状態の姿勢としたときの前記第1閉塞部(127a)の下端が、前記ハウジング(3)と同一平面上に揃うようにしてあることを特徴とする請求項2乃至8の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  10. 前記第1閉塞部(127a)は、その端面(121)に、凹部(24)が形成されており、該凹部(24)は、その全周が突条周縁部(25)によって囲繞されており、該突条周縁部(25)は液切り部のように機能するものであることを特徴とする請求項9記載のディスペンサ・デバイス。
  11. 前記送出部(128、228、328、428、628、828)の前記少なくとも1つの凹部は、前記第1閉塞部及び/または前記第2閉塞部(127a、127b)へ近付くにつれて該凹部の断面の大きさが減少するように、その幅寸法及び/または深さ寸法が変化していることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  12. 前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、ロッド(9)に結合されており、該ロッド(9)は、前記長手中心軸線(4)上に配設されており、前記供給元容器(2)の中を貫通して延在し、駆動軸として機能するものであることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  13. 前記搬送ツール(12、212、412)は、前記長手中心軸線(4)に沿って前記ロッド(9)に対して相対的に平行移動可能なように、前記ロッド(9)上において支持され及び/または案内されていることを特徴とする請求項記載のディスペンサ・デバイス。
  14. 前記搬送ツール(12、212、412)は攪拌片(14)と搬送片(15、215、415)とを備えており、前記ディスペンサ・デバイスが使用状態にあるときには、前記搬送片(15、215、415)が常に前記吐出口(7)の口縁部に軽く接触していることを特徴とする請求項1又は12記載のディスペンサ・デバイス。
  15. 前記ハウジング(3、203、403)は、前記吐出口(7)へ近付くにつれて細くなる形状であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  16. 前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は金属材料またはセラミック材料で製作されており、前記少なくとも1つの凹部の表面はその表面粗度Raが0.003mm以下であることを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項記載のディスペンサ・デバイス。
  17. 供給元容器(2)と、ディスペンサ・ヘッド(1)とを備え、前記ディスペンサ・ヘッドは前記供給元容器(2)に接続されているかまたはそれに接続可能とされており、前記ディスペンサ・ヘッドは、断面形状が円形の吐出口(7)を有するハウジング(3)と、送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)とを備えており、前記吐出口(7)及び前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、前記ディスペンサ・ヘッド(1)の長手中心軸線(4)上に配設されており、前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、前記長手中心軸線(4)を中心として前記ハウジング(3)に対して相対的に回転可能であり、また、前記長手中心軸線(4)に沿って前記吐出口(7)に対して相対的に平行移動可能である、所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給するためのディスペンサ・デバイスにおいて、
    前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)は、その基本形状が略々円筒形状であり、前記吐出口(7)を閉塞するための閉塞部であって前記長手中心軸線(4)の延在方向に互いに離隔した夫々の位置に設けられた少なくとも2つの閉塞部(127a、127b)を有し、また更に、前記少なくとも2つの閉塞部の間に、供給すべき材料物質を送出するための送出部(128、228、328、428、628、828)を有しており、前記送出部(128、228、328、428、628、828)は、円筒側面に形成された少なくとも1つの凹部を備え、
    供給すべき材料物質を前記少なくとも1つの凹部から払い落とすための少なくとも1つの払い落とし機構を備えたことを特徴とするディスペンサ・デバイス。
  18. 前記少なくとも1つの払い落とし機構は、前記少なくとも1つの凹部に接触可能なブラシまたは薄板から成る払い落とし部材から成ることを特徴とする請求項17記載のディスペンサ・デバイス。
  19. 前記少なくとも1つの払い落とし機構は、噴出口を前記送出/閉塞部材へ向けた空気噴流ノズルから成ることを特徴とする請求項17記載のディスペンサ・デバイス。
  20. 前記少なくとも1つの払い落とし機構は、前記ハウジング(3、203、403)、及び/または、前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)、及び/または、前記ロッド(9)に作用を及ぼし、且つ、その作用方向が、前記長手中心軸線(4)に平行な方向、及び/または、直交する方向であるようにした、衝撃及び/または振動の印加ツール(48、49)から成ることを特徴とする請求項17記載のディスペンサ・デバイス。
  21. 請求項1乃至20の何れか1項記載のごとくディスペンサ・ヘッド(101、201、401)が接続されているかまたは接続可能とされている供給元容器(2)から所要量の粉体状またはペースト状の材料物質を供給する方法において、
    前記第1閉塞部(127a)が前記吐出口(7)の中に位置付けられており且つ前記送出部(128、228、328、428、628、828)が前記ディスペンサ・ヘッド(101、201、401)の中に位置付けられている状態である前記吐出口(7)の第1閉状態において前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)を回転させることにより、前記少なくとも1つの凹部に材料物質が充填されるようにし、
    前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)を前記長手中心軸線(4)に沿って平行移動させることにより、供給すべき材料物質が充填されている前記送出部(128、228、328、428、628、828)の前記少なくとも1つの凹部が前記ディスペンサ・ヘッド(101、201、401)の外へ移動されるようにし、
    前記第2閉塞部(127b)が前記吐出口(7)の中に位置付けられている状態である前記吐出口(7)の第2閉状態において前記送出/閉塞部材(106、206、306、406、606、806)を回転させることにより、前記少なくとも1つの凹部から材料物質が放出されるようにする、
    ことを特徴とする方法。
  22. 供給すべき材料物質が、搬送ツール(12、212、412)によって前記少なくとも1つの凹部の中へ送り込まれるようにすることを特徴とする請求項21記載の方法。
  23. 払い落とし機構を備え、該払い落とし機構によって前記送出部(128、228、328、428、628、828)の前記少なくとも1つの凹部から材料物質が放出されるようにすることを特徴とする請求項22記載の方法。
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