JP5029858B2 - アルカリ二次電池正極材の分離回収方法、アルカリ二次電池正極材の特性分析方法 - Google Patents
アルカリ二次電池正極材の分離回収方法、アルカリ二次電池正極材の特性分析方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ二次電池正極材の分離回収方法及びアルカリ二次電池正極材の特性分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では、これらの機器に用いる電源として、二次電池が実用化され広く普及するに至っている。また一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、二次電池が検討されている。
【0003】
二次電池のなかでも正極活物質に含酸素ニッケル化合物を用いるニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池などのアルカリ二次電池は、小型軽量にして且つサイクル特性が良好なことから、大量に使用されており、今後のさらなる使用量の増加が見込まれる。
【0004】
ところで二次電池は、電気化学反応により電力の貯蔵・放出を行っており、その使用によって徐々に劣化するために、そのリサイクルシステムの確立は急務である。特に、二次電池正極材中に含まれる高価な活物質、集電体等を効率的に分離回収することが求められている。
【0005】
従来技術として、特開平10−189063号公報では、粉体である廃ニッケル水素二次電池の正・負極材を粉砕した粉体混合破砕物より電極材以外のものを取り除き電極材粉末を選別した後に、その電極材粉末をスラリ状に薄流選別手段にながしながら・負極材粉末を分離回収する方法を開示する。本方法は、正極材のニッケル化合物粉末と、負極材のMH粉末との間の比重差を利用して、正・負極材を分離するものである。
【0006】
そして、特開平7−335276号公報では、活物質を溶媒に可溶性の結着材により発泡状やフェルト状の導電性多孔体(集電体)に保持した電極を用い、使用済みの電池を分解後電極を溶媒で除去し、溶液中で超音波による振動を加えて集電体から活物質を分離し、集電体と活物質とを回収する方法が開示されている。本方法は、溶媒によって活物質を集電体から分離しやすくし、その後に超音波を照射することで、完全に分離させている。
【0007】
また、特開平8−115752号公報では、ニッケル水素二次電池を分解して電極を取り出して端子部を除去した後に、その電極の正極と負極とを別々にあるいは混合してアルカリ溶液に浸漬する工程と、その電極を機械的手段によって解砕する工程と、その解砕物を活物質粉末と電極基板(集電体)とに分離する工程と、分離された活物質と集電体とを洗浄及び乾燥する工程とからなる方法を開示している。本方法は、アルカリ溶液中に電極を浸漬することで電極内の不純物を溶解・除去している。
【0008】
これらの方法により廃ニッケル水素二次電池から正・負極材を変質させずにそのままの形で分離回収することができ、正・負極材の再使用を可能としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法では、廃ニッケル水素二次電池から二次電池正極材を変質させずに、そのままで分離回収することができるという利点を有するものの、廃ニッケル水素二次電池では充放電サイクルを繰り返している等の理由で、二次電池正極材に含まれる含酸素ニッケル化合物等の活物質自身や、コバルト金属及び含酸素コバルト化合物からなる導電材自身が劣化しており、そのまま再利用すると満足な電池特性が得られない。たとえば、劣化した材料を用いて電池を製造すると、サイクル特性、保存特性が満足できない電池を提供することになる。また、電位低下の顕著な電池が1つでも存在すると、直列につないだすべての電池が充分な機能を発揮できない。
【0010】
本発明では、上記課題に鑑み、アルカリ二次電池正極材を構成する各要素について再利用性の高いアルカリ二次電池正極材の分離回収方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0011】
そして、アルカリ二次電池正極材の構成要素から電池特性を分析できるアルカリ二次電池正極材の特性分析方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0014】
つまり、アルカリ二次電池正極材の各構成要素について、酸への溶解性の差を利用することで、構成要素を分離している。すなわち、アルカリ二次電池正極材の構成要素の一つである酸素含有ニッケル化合物からなる活物質は、弱酸溶液に溶解するのに対して、コバルト金属及び酸素含有コバルト化合物からなる導電材並びにニッケル金属からなる集電体は弱酸溶液に溶解されない。したがって、活物質を溶解・分離できる。導電材については、アルカリ二次電池正極材内で活物質の粉末粒子と混合されているだけなので、活物質が溶解されると集電体から簡単に分離できる。
【0015】
このように、廃ニッケル水素二次電池から二次電池正極材の構成要素のうち活物質については、弱酸溶液に溶解させることで変質するが、導電材及び集電体については変質させずに、そのままで分離回収することができる。ただし、活物質は変質するといっても最終的な組成は制御可能であり、有用性が高い。
【0016】
前述のように、導電材と集電体とについては電池内そのままの状態で回収できるので、アルカリ二次電池正極の状態が推測できる。特に導電材については、その性質が電池の性能に与える影響が大きいと考えられる。
【0017】
したがって、前述のアルカリ二次電池の分離回収方法を応用することで、アルカリ二次電池の特性を評価することができる。すなわち、本発明のアルカリ二次電池正極材の特性分析方法は、前述の分離回収方法で分離された不溶性成分を分析して前記アルカリ二次電池正極材の特性を推定する推定工程を有することを特徴とする。
【0018】
特に不溶性成分のうち導電材に含まれる含酸素コバルト化合物の組成が電池特性に大きな影響をもつ。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明が適用できるアルカリ二次電池は、集電体と、その集電体上に形成された活物質層とを含むアルカリ二次電池正極材(以下「正極材」と称する)を有する。集電体は、金属ニッケル又はニッケル合金からなる。集電体としては、焼結式集電体、発泡式集電体、ポケット式集電体、繊維体からなる集電体等の一般的な集電体が例示できる。
【0021】
活物質層は活物質と導電材との混合物である。活物質は、酸素含有ニッケル化合物のうちの1種以上を含む。酸素含有ニッケル化合物としては、NiOOH、Ni(OH)2が例示できる。導電材は、金属コバルト及び酸素含有コバルト化合物のうちの1種以上を含む。酸素コバルト化合物としては、CoOOH、Co3O4、CoOが例示できる。集電体上への活物質層の形成方法は集電体の種類によっても異なるが、活物質と導電材とを混合したペーストを集電体上に塗布したり、集電体内に含浸させたりして形成する。また、必要に応じて結着材を含有できる。
【0022】
上述のような正極材に一般的な負極材料からなるアルカリ二次電池負極材(以下「負極材」と称する)を組み合わせて電池を形成する。負極材料としては、ミッシュメタルの化合物等の水素吸蔵合金(ニッケル水素二次電池)、カドミウム化合物(ニケッルカドミウム二次電池)を活物質層として、集電体上に形成したものが例示できる。この負極材と正極材とをセパレータを介して積層して電解液等と共に電池ケース内に封入して本発明が適用できるアルカリ二次電池となる。
【0023】
(アルカリ二次電池正極材の分離回収方法)
本発明のアルカリ二次電池正極材の分離回収方法は、溶解工程と分離回収工程とをもつ。溶解工程は、アルカリ二次電池を分解して分離した電池の構成要素中の正極材を弱酸溶液に浸漬して正極材に含まれる活物質を弱酸溶液中に溶解させる工程である。弱酸溶液によって活物質である含酸素ニッケル化合物が溶解されるが、集電体を構成する金属ニッケル及び導電材を構成する金属コバルト及び含酸素コバルト化合物は溶解されない。好ましい弱酸溶液としては、酢酸水溶液、亜硫酸水溶液、炭酸水溶液等が挙げられる。特に酢酸水溶液が好ましい。弱酸としては、溶媒中の解離定数Kaが10-2〜10-7程度の酸が好ましい。特に解離定数Kaが10-4〜10-5程度の酸が好ましい。また、弱酸溶液は、高温であることが好ましい。たとえば、弱酸溶液として酢酸水溶液を用いる場合には80℃以上とすることが好ましい。
【0024】
分離回収工程は、弱酸溶液と弱酸溶液中の不溶性成分とを分離する工程である。弱酸溶液は、ろ別、遠心分離等の通常の固−液分離操作により分離可能である。不溶性成分は集電体と導電材とその他構成成分との混合物である。
【0025】
不溶性成分中の集電体と導電材とは簡単に分離できる。集電体は一体の部材であり、洗浄等することで表面に付着した導電材が分離できる。なお、正極材の構成要素として結着材を用いた場合には、結着材を溶解できる溶媒で結着材を溶解除去することが好ましい。
【0026】
集電体及び導電材はこのまま再利用してもよい。集電体はアルカリ二次電池の使用によっても劣化し難いので、回収された状態そのままで再利用可能である。さらに、必要に応じて集電体を強酸に溶解させたり、金属ニッケルとして再生することもできる。
【0027】
導電材は強酸によって溶解した後にアルカリ処理することでCo(OH)2に均質化することができる。導電材を溶解できる強酸としては、塩酸、硝酸、硫酸やこれらの混合物等が例示できる。アルカリ処理としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示できる。同様に弱酸溶液中の含酸素ニッケル化合物も、導電材と同様のアルカリ処理を行うことでNi(OH)2に均質化して再生できる。
【0028】
(アルカリ二次電池正極材の特性分析方法)
本発明のアルカリ二次電池正極材の特性分析方法は、溶解工程と分離工程と推定工程とをもつ。溶解工程は、アルカリ二次電池を分解して分離した電池の構成要素中の正極材を弱酸溶液に浸漬して正極材に含まれる活物質を弱酸溶液中に溶解させる工程である。弱酸溶液によって活物質である含酸素ニッケル化合物が溶解されるが、集電体を構成する金属ニッケル及び導電材を構成する金属コバルト及び含酸素コバルト化合物は溶解されない。好ましい弱酸溶液としては、酢酸水溶液、亜硫酸水溶液、炭酸水溶液等が挙げられる。特に酢酸水溶液が好ましい。弱酸としては、溶媒中の解離定数Kaが10-2〜10-7程度の酸が好ましい。特に解離定数Kaが10-4〜10-5程度の酸が好ましい。また、弱酸溶液は、高温であることが好ましい。たとえば、弱酸溶液として酢酸水溶液を用いる場合には80℃以上とすることが好ましい。
【0029】
分離工程は、弱酸溶液中の不溶性成分を分離する工程である。弱酸溶液にろ別、遠心分離等の通常の固−液分離操作を適用することにより不溶性成分を分離可能である。不溶性成分は集電体と導電材とその他構成成分との混合物である。
【0030】
推定工程は、分離した不溶性成分を分析することでアルカリ二次電池の特性を推定する工程であるが、特に不溶性成分の成分のうち含酸素コバルト化合物、すなわち導電材に由来するものを分析することが好ましい。導電材は前述の溶解工程では溶解されないので、導電材由来の不溶性成分にはアルカリ二次電池内の状態が保存される。不溶性成分のうち導電材由来の部分は粉末であるので識別が容易である。
【0031】
推定工程では、まず組成分析、X線回折法、分析電子顕微鏡、赤外分光法等により、結晶構造や化合状態を分析する。分析された結晶構造や化合状態に基づいてアルカリ二次電池の特性を推定する。導電材の結晶構造や化合状態からアルカリ二次電池の特性を推定する方法としては、導電材を構成する含酸素コバルト化合物の結晶構造中のCoOOH、Co3O4及びCoOの含有量を算出し、その混合比から電池特性を推定する。たとえば、導電材中のCoOの含有量が少なく、CoOOHの含有量が多いほど初期性能が高くなること、CoOOHの含有量が多いほどサイクル特性が高くなること、Co3O4の含有量が少なく、CoOOHの含有量が多いほど保存特性が高くなることが判明している。
【0032】
(アルカリ二次電池)
本発明に関連するアルカリ二次電池は、上述した構成をもち、導電体中のCoOの含有量を導電材に対して10質量%以下としている。さらに、導電材は、Co3O4の含有量を導電材に対して10質量%以下とすることが好ましい。
【0033】
【実施例】
(使用電池)
正極材は集電体として発泡式集電体を用い、集電体上に活物質としての含酸素ニッケル化合物(Ni(OH)2)と導電材としての含酸素コバルト化合物(CoO)とを質量比で95:5の割合でイオン交換水中に混合したペーストを塗布して形成した活物質層をもつ。
【0034】
負極材は集電体としてニッケルメッキを施したFe板を用い、集電体上に活物質としてのAB5型水素吸蔵合金MmNi(・Co・Mn・Al)5からなる活物質層をもつ。
【0035】
正極材と負極材とをセパレータを介して巻回し巻回型電極体とする。電解液は濃度6mol/LのKOH溶液を用い、電極体と共に電池ケース内に封入した。
【0036】
前処理として室温雰囲気において、1C充電(1.2Vまで)、休止30分、1C放電(1.0Vまで)、休止30分を1回の充放電サイクルとして3サイクル行い、試験例1の電池とした。
【0037】
試験例1と同様の電池について、電池状態を変化させる条件下での前処理として雰囲気温度60℃での放置を行った後に、雰囲気温度60℃において、1C充電(1.2Vまで)、休止30分、1C放電(1.0Vまで)、休止30分を1回の充放電サイクルとして3サイクル行い、試験例2の電池とした。
【0038】
試験例1と同様の電池について、前処理として雰囲気温度60℃での放置を行った後に、雰囲気温度40℃において、1C充電(1.2Vまで)、休止30分、1C放電(1.0Vまで)、休止30分を1回の充放電サイクルとして3サイクルに代えて行い、試験例3の電池とした。
【0039】
試験例1と同様の電池について、前処理として雰囲気温度60℃での放置を行った後に、室温雰囲気において、1C充電(1.2Vまで)、休止30分、1C放電(1.0Vまで)、休止30分を1回の充放電サイクルとして3サイクル行い、試験例4の電池とした。
【0040】
(電池特性評価)
前処理を終えた各試験電池について、別々に初期容量、300サイクル後の容量、30日間放置後の容量を測定した。
【0041】
300サイクル後の容量は、雰囲気温度55℃において、1C充電(1.2Vまで)、休止30分、1C放電(1.0Vまで)、休止30分を1回の充放電サイクルとして300サイクル行った後の容量を測定した。30日間放置後の容量は、雰囲気温度55℃において、1C充電(1.2Vまで)行った後に30日間放置した後の放電容量を測定した。
【0042】
(分離回収方法及び特性分析方法)
前処理後の各試験電池について、解体して正極材を取り出した。正極材は水洗により電解液を除去した。電解液を除去した正極材を82℃に加温した氷酢酸中に4時間浸漬した(溶解工程)。
【0043】
酢酸水溶液を放冷後、ろ過により不溶性成分をろ取した(分離工程及び分離回収工程)。不溶性成分をエタノールで洗浄した後に集電体を除去した。以上の操作により正極材から集電体、活物質、導電材を分離できた。分離した構成要素はこのまま再生工程に供することができる。
【0044】
集電体を取り除いた不溶性成分の残りを赤外分光法(FT−IR)により分析し、Co化合物の状態を解析した。解析は各化合物に対応するピークの面積による組成分析を行った(推定工程)。
【0045】
(結果)
組成分析の結果及び電池特性評価の結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
試験例2〜4の電池は試験例1の電池と比較して初期容量が良好であったので、CoOが存在しないと、初期容量が向上することが明らかとなった。そして、試験例2〜4について比較すると、Co3O4に代えてCoOOHの含有量が増加するにつれて(試験例2、3、4と順番に増加する)、300サイクル後の容量(サイクル特性)や30日間放置後の容量(保存特性)が良好となることが明らかとなった。したがって、導電材中のCoOOHの割合を向上させることで性能が向上することがわかった。
【0047】
CoOの含有量とCo3O4の含有量とがほぼ同じ試験例1と試験例2との比較からは、初期容量及び300サイクル後の容量についてはCo3O4を含有する試験例2の電池の性能が優れるが、30日間放置後の容量については絶対値としては試験例2の電池の容量が大きいものの、初期容量に対する比とすると、試験例1の電池が84%なのに対して、試験例2の電池は77%と低く、さらなる長時間の放置における安定性では試験例1の電池が試験例2の電池よりも優れる可能性が示唆された。
【0048】
【発明の効果】
以上、本発明のアルカリ二次電池正極材の分離回収方法によると、正極材を構成する各要素のうち劣化が心配される活物質及び導電材については溶解させて組成を均一にして回収できるので、その後の組成制御も容易であり、新たな電池に再利用した場合でも電池特性の良好な電池を提供することができる。
【0049】
そして、本発明のアルカリ二次電池正極材の特性分析方法によると、製造された電池についての特性分析を新たな観点から分析する手法であり、より高性能なアルカリ二次電池を提供できる製造条件、構成等を探るための極めて有効な方法の1つとなる。
Claims (8)
- 集電体と、酸素含有ニッケル化合物のうちの1種以上を含む活物質と、金属コバルト及び酸素含有コバルト化合物のうちの1種以上を含む導電材とを含み、該集電体上に形成された活物質層と、を有するアルカリ二次電池正極材の分離回収方法であって、前記アルカリ二次電池正極材を弱酸溶液に浸漬し、前記活物質を該弱酸溶液に溶解させる溶解工程と、前記活物質が溶解した前記弱酸溶液と、前記アルカリ二次電池正極材の不溶性成分とを分離回収する分離回収工程と、を有することを特徴とするアルカリ二次電池正極材の分離回収方法。
- 前記弱酸溶液は、酢酸水溶液である請求項1に記載のアルカリ二次電池正極材の分離回収方法。
- 前記弱酸溶液は、高温の酢酸水溶液である請求項1又は2に記載のアルカリ二次電池正極材の分離回収方法。
- さらに前記分離回収工程は、前記活物質を溶解した前記弱酸溶液からニッケル化合物を再生する工程と、前記不溶性成分から、前記集電体とコバルト化合物とを回収乃至は再生する工程とをもつ請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ二次電池正極材の分離回収方法。
- 集電体と、酸素含有ニッケル化合物のうちの1種以上を含む活物質と、金属コバルト及び酸素含有コバルト化合物のうちの1種以上を含む導電材とを含み、該集電体上に形成された活物質層と、を有するアルカリ二次電池正極材の特性分析方法であって、前記アルカリ二次電池正極材を弱酸溶液に浸漬し、前記活物質を該弱酸溶液に溶解させる溶解工程と、前記活物質が溶解した前記弱酸溶液と前記集電体とを除去し、不溶性成分を分離する分離工程と、前記不溶性成分を分析して前記アルカリ二次電池正極材の特性を推定する推定工程と、を有することを特徴とするアルカリ二次電池正極材の特性分析方法。
- 前記推定工程は、前記不溶性成分中の含酸素コバルト化合物の結晶構造分析を行い、その結晶構造から前記アルカリ二次電池正極材の特性を推定する工程である請求項5に記載のアルカリ二次電池正極材の特性分析方法。
- 前記弱酸溶液は、酢酸水溶液である請求項5又は6に記載のアルカリ二次電池正極材の特性分析方法。
- 前記弱酸溶液は、高温の酢酸水溶液である請求項5〜7のいずれかに記載のアルカリ二次電池正極材の特性分析方法。
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