図1〜図5は、本発明の撮像装置の実施の形態の例を示すものである。即ち、図1は、本発明の撮像装置の第1の実施例を示すビデオカメラの外観斜視図、図2は図1に示すビデオカメラの使用状態を示す説明図、図3及び図4はビデオカメラの側面図、図5は同じくビデオカメラの背面図である。
図1〜図5に示すビデオカメラ1は、情報記録媒体として半導体記録媒体を用いたデジタルビデオカメラである。このビデオカメラ1は、レンズ装置から入力される被写体の光学的な画像を撮像素子で電気的な信号に変換し、内蔵された半導体記録媒体や外付けされる半導体記録媒体に記録したり、ビューファインダ等の表示装置に表示できるようにしたものである。撮像素子としては、例えば、CCDやCMOS等を挙げることができる。また、表示装置として、図示しない液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を設け、ビューファインダと併用して用いることもできる。
この実施例で示すビデオカメラ1は、業務用及び民生用の何れにも使用できるものである。更に、本発明の撮像装置としては、この実施例のデジタルビデオカメラに限定されるものではなく、アナログビデオカメラは勿論のこと、例えば、テレビカメラ、スチルカメラ、監視カメラ、その他の撮像装置として用いることができるものである。また、情報記録媒体としては、この実施例で示す半導体記録媒体に限定されるものではない。即ち、DVDやCD−ROMその他の記録可能な光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスク状記録媒体や、テープカセット等のテープ状記録媒体を用いることもできる。
このビデオカメラ1は、カメラ本体2と、レンズ装置3と、前述した撮像素子と、ビューファインダの一具体例を示す電子ビューファインダ4等から構成されている。カメラ本体2は、撮像装置本体の一具体例を示すもので、前面が開口された中空の筐体からなっている。このカメラ本体2の内部に制御装置が内蔵されていて、その制御装置によりレンズ装置3や図示しない撮像素子その他の装置及び機構が駆動制御されて所定の動作をするようになっている。カメラ本体2の前面には、レンズ装置3を着脱可能に取り付けるための接合部が設けられており、この接合部の略中央部に図示しない撮像素子が配置されている。撮像素子の受光面は被写体側に向けられており、その受光面の略中央部に、カメラ本体2に装着されたレンズ装置3の光軸が略一致するように構成されている。
レンズ装置3は、複数個のレンズ鏡筒と、複数枚のレンズの組み合わせからなる撮像レンズと、所定のレンズ鏡筒を光軸方向へ移動させるレンズ駆動部とを有している。複数個のレンズ鏡筒は、相対的に回動及び/又は光軸方向へ移動可能に構成されており、これら複数個のレンズ鏡筒に対して複数枚のレンズが取り付けられている。そして、レンズ駆動部の作動で所定のレンズ鏡筒を回転又は光軸方向へ移動させて撮像レンズを調整することにより、自動焦点合わせ、ズーム機能等を発揮し得るように構成されている。このレンズ装置3の前部には、撮像レンズに入射される光を規制するレンズフード5が着脱可能に取り付けられている。
カメラ本体2の上部には、レンズ装置3の光軸方向である前後方向に延在された取手6が取り付けられている。この取手6の前部に、電子ビューファインダ4が姿勢等調整機構7を介して姿勢調整可能及び位置調整可能に支持されている。この取手6及び姿勢等調整機構7については、後に詳細に説明する。
また、カメラ本体2の一方の側面部(本実施例では右側面部)には、カメラ本体2を把持するための把持部8が設けられている。把持部8は、カメラ本体2に側方へ突出するように設けた把持台9の側面に固定されており、片手で把持するのに都合のよい大きさ及び形状とされている。この把持部8の上面の略中央部には、レンズ装置3をズーム動作させるためのズームボタン10が設けられている。更に、把持部8には、この把持部8を掴むユーザーの手を支えてカメラ本体2の取り落としを防止するための保護バンド11が取り付けられている。
図3及び図4に示すように、カメラ本体2の他方の側面部(本実施例では左側面部)には、このビデオカメラ1を操作するための多数の操作ボタン12が配設されている。操作ボタン12はカメラ本体2の右側面部にも配置されているが、ユーザーの右手は専らカメラ本体2を把持するのに使用されるため、右側面部の操作ボタンの数は左側面部の操作ボタンの数よりも多いものではない。これらの操作ボタンとしては、例えば、電源ボタン、録画ボタン、再生ボタン、早送りボタン、戻りボタン、シャッタボタン、その他各種の機能ボタンを挙げることができる。
また、カメラ本体2のレンズ装置3が装着される前部と反対側の後部2aは、上方へ跳ね上がるように構成されている。即ち、カメラ本体2の底面14は略水平をなすように形成されているが、その底面14の後部から背面に掛けて、上方へ湾曲して背面に達するように下斜面部15が設けられている。この下斜面部15は、ビデオカメラ1の肩当部を構成している。この肩当部15は、カメラ本体2の下斜面部15をそのまま用いても良いが、本実施例においては、カメラ本体2に対して進退動作可能に取り付けられた肩当パッド16を用いて肩当部15を構成している。この肩当部15については、後に詳細に説明する。
更に、図5等に示すように、カメラ本体2の背面には、下斜面部15の上方に連続すると共に、前方へ折り返すように傾斜された上斜面部17が設けられている。この上斜面部の把持部8側には、電源バッテリー20が着脱可能に装着されるバッテリー収納部21が設けられている。そして、カメラ本体2の背面のバッテリー収納部21と反対側には、頬当パッド22が回動可能に取り付けられている。この頬当パッド22については、後に詳細に説明する。
図6は、取手6と電子ビューファインダ4を前側斜め上方から見た説明図である。また、図7は、取手6と電子ビューファインダ4を後側斜め上方から見た説明図である。そして、図8は、取手6と電子ビューファインダ4を前側斜め下方から見た説明図である。
図6〜図8に示すように、取手6は、握り部6aと、この握り部6aの前方に連続する軸受収納部6b、マイク収納部6c及び端子収納部6dと、握り部6aの両端から下方へ突出するように設けた前後の前脚部6e及び後脚部6fとを有している。取手6の握り部6aは、ユーザーが握り易い大きさ及び長さを有する棒状の部分からなり、この握り部6aの前側に軸受収納部6bが連続され、その軸受収納部6bの前側にマイク収納部6cが連続されている。また、端子収納部6dは、軸受収納部6bの側方に連続されている。軸受収納部6b、マイク収納部6c及び端子収納部6dは、それぞれ中空の空間部を有している。
軸受収納部6bには、姿勢等調整機構7の軸受部と、図示しない各種の操作ボタンが実装された配線基板が収納されており、各種の操作ボタンが所定の穴から露出されている。更に、マイク収納部6cには、図示しないマイクロホンが内蔵されている。このマイク収納部6cには、前面開口部、上下左右側面開口部及び下面開口部が設けられており、それらの開口部が、音波の通過が可能な網材によって覆われている。また、端子収納部6dには、他の電子機器(例えば、テレビジョン受像機、DVDレコーダ、画像編集装置等)と電気的に接続するための接続端子(図1を参照)が収納されている。
取手6は、前脚部6eと後脚部6fをネジ止めすることによってカメラ本体2に固定されている。この取手6に取り付けられている姿勢等調整機構7は、図8等に示すような構成を備えている。即ち、姿勢等調整機構7は、アーム部31とスライド軸32と軸受部33と荷重負荷部34を備えて構成されている。アーム部31には電子ビューファインダ4が取り付けられ、このアーム部31と一体にスライド軸32が設けられている。そして、スライド軸32が軸受部33に支持されていて、そのスライド軸32と軸受部33との間に、荷重負荷部34で所定の荷重を負荷することにより、スライド軸32に所定の摩擦抵抗が付与されている。
図9A,9B、図10A,10B及び図11は、姿勢等調整機構7を示す図である。図12は、姿勢等調整機構7の締込ネジ部を断面した説明図である。図13は、姿勢等調整機構7のスライド軸32から荷重負荷部34を分離させた説明図である。図14は、姿勢等調整機構7の軸受部材35を示す説明図である。図15はアーム部31等と軸受部材35等を分解して示す斜視図である。そして、図16は、荷重負荷部34等を分解して示す斜視図である。
図15に示すように、姿勢等調整機構7のアーム部31は、平面形状が眼鏡のフレームのような形状をした板状の部材からなっている。このアーム部31の一方の面の目玉部の略中央部にスライド軸32の一端が連続されており、スライド軸32の軸心線がアーム部31の平面に対して略垂直に設定されている。このアーム部31の、スライド軸32の接続面と反対側の第1の面には配線用のハーネスを通すための第1の凹部36aが設けられている。また、アーム部31の第1の面と反対側の、スライド軸32の接続面である第2の面にも、同じく配線用のハーネスを通すための第2の凹部36bが設けられている。
第1の凹部36aは、一方の目玉部に設けた円形部と、この円形部から他方の目玉部側に延在した方形部を有している。また、第2の凹部36bは、他方の目玉部に設けた円形部と、この円形部から一方の目玉部側に延在した方形部を有している。2つの方形部は互いに重なり合う位置に設けられており、その2つの方形部間が第1の連通穴37aによって連通されている。更に、アーム部31の第1の面には、電子ビューファインダ4のケーシングを固定するための嵌合凹部38が設けられている。この嵌合凹部38と第2の凹部36bとの間が第2の連通穴37bによって連通されている。
かくして、電子ビューファインダ4の回路基板とカメラ本体の回路基板とを電気的に接続するハーネスは、スライド軸32の貫通穴32aに挿通されて第1の凹部36aに引き出される。そのハーネスは、第1の連通穴37aを通されて第2の凹部36bに引き出され、更に、第2の連通穴37bに挿通されて電子ビューファインダ4の回路基板と接続される。なお、第1の凹部36aと第2の凹部36bは、閉じ蓋39で閉じられてハーネスが露出しないように処理されている。
スライド軸32は、中空の円筒軸からなり、軸受部材35の軸受部42により回動自在及び軸方向へ移動自在に支持されている。しかしながら、スライド軸32に荷重負荷部34を取り付けることにより、後述する所定の範囲内で回動可能及び軸方向へ移動可能に構成されている。軸受部材35は、円筒状の筒軸部43と、この筒軸部43と一体に形成されたベース部44とからなっている。筒軸部43には、その軸方向の両端に軸受リング45A,45Bが装着されており、両軸受リング45A,45Bを介してスライド軸32が回転自在に支持されている。筒軸部43と2つの軸受リング45A,45Bによって軸受部42が構成されている。
図12A,12B及び図13に示すように、筒軸部43には、半径方向の外側へ突出するボス部46が設けられている。ボス部46には、半径方向に貫通するネジ穴46aが設けられていて、そのネジ穴46aには、締付レバーである締付ネジ47が螺合されている。締付ネジ47は、ボス部46のネジ穴46aに螺合されるネジ軸部48と、このネジ軸部48と回動方向に一体とされたレバー部49を有している。レバー部49にはストッパ用の突起49aが設けられている。この突起49aに対応して、ボス部46には、円弧状の突起受部46aが設けられている。これにより、締付ネジ47は、突起49aが突起受部46aの一方の端面に当接する位置まで回動可能とされている。
図12A,12B及び図14に示すように、ボス部46のネジ穴46aにはスペーサ51が挿入されている。そして、スペーサ51の締付ネジ47と反対側にはクッション52が装着されている。クッション52には、ネジ穴46aに嵌合させて位置決めするための位置決め突部52aが設けられている。このクッション52は、2つの軸受リング45A,45Bの間に形成された空間部に配置されている。スペーサ51は、締付ネジ47のネジ軸部48の先端に接触され、このスペーサ51を介してネジ軸部48の締付力がクッション52に伝達される。
クッション52はスライド軸32の外周面に押圧され、締付ネジ47の締付力でクッション52とスライド軸32との間に発生する摩擦抵抗によってスライド軸32の回動が規制される。即ち、図12Aに示すように、締付ネジ47によるスペーサ51の押圧力を解除してクッション52をスライド軸32から離反させると、クッション52とスライド軸32との間の摩擦抵抗が解消され、スライド軸32の回動及び軸方向への摺動が容易になる。
これに対して、締付ネジ47を一方に回動させ、図12Bに示すように、締付ネジ47の締込みによってスペーサ51を押圧し、クッション52をスライド軸32に押し付けることにより、クッション52とスライド軸32との間に摩擦抵抗が発生する。その結果、スライド軸32の回動及び軸方向への摺動が困難になり、締付ネジ47を最大に締め込むことにより、スライド軸32がその位置においてその姿勢を保持してロックされる。
図15に示すように、軸受部材35のベース部44は、軸受部42を取手6に固定するために十分な強度を発揮し得る大きさを有する板状の部材からなっている。このベース部44は、幅方向の両側に設けた固定部44a,44aと、両固定部44a,44a間に設けた樋状部44bを有している。各固定部44aには、軸受部材35を取手6にネジ止めするための複数のネジ孔が穿設されている。樋状部44bは、荷重負荷部34が回転することに対応させて断面円弧形に形成したものである。この樋状部44bの筒軸部43側の面の幅方向の略中央部に、筒軸部43が延在する方向と平行に延びるレール部54が設けられている。
軸受部材35のレール部54は、荷重負荷部34の回動を制限してこれが延在する方向へのみ荷重負荷部34を移動可能とするものである。このレール部54は、断面形状が角形をなす突条として形成されており、荷重負荷部34のベース部材55に設けたガイド溝56が摺動可能に係合される。
荷重負荷部34は、図16に示すように、ベース部材55と、回動制限軸56と、弾性部材の一具体例を示すフリクションバネ57と、第1のスペーサ58と、第2のスペーサ59と、トルク受け輪60と、止め輪61とを備えて構成されている。ベース部材55は、荷重負荷部34の回転を防止すると共に、スライド方向のガイドをなすものである。このベース部材55は、略円環状に形成されたベースリング63と、このベースリング63の外周縁を挟み込むように組み合わされて固定されたガイドブロック64からなっている。このガイドブロック64の半径方向の外側に、レール部54に摺動可能に係合されるガイド溝65が設けられている。ベースリング63の中央穴63aには、スライド軸32が摺動可能に挿通される。
ベースリング63の材質としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304)が好適であるが、スチール鋼その他の金属を用いることもできる。また、ガイドブロック64の材質としては、例えば、POM(ホリアセタール)が好適であるが、その他のエンジニアリングプラスチックを用いることができることは勿論である。
このベース部材55の一方の面側に第1のスペーサ58が配置され、他方の面側に第2のスペーサ59が配置されている。第1のスペーサ58及び第2のスペーサ59は、それぞれリング状の部材として形成されており、ベース部材55とスライド軸32側との間に発生する摺動抵抗を軽減させることを目的とするものである。しかしながら、第1のスペーサ58には、更に、電子ビューファインダ4側のアースを取るための部材としての機能も果たしている。そのため、第1のスペーサ58には、半径方向の外側に突出する2つのアース片58aが設けられている。2つのアース片58aは、略くの字状に折り曲げることによって適当な強さの弾性が付与されており、それらの先端部が軸受部材35のベース部44に摺動接触可能とされている。第1のスペーサ58がアース部材の一具体例を示している。
第1のスペーサ58のベース部材55と反対側に、フリクションバネ57が配置されている。フリクションバネ57は、環状に形成された板バネを波形に湾曲させることによって弾性を付与しており、このフリクションバネ57のバネ力で荷重負荷部34による負荷荷重が発生される。このフリクションバネ57の凸側の直径方向に対向する2箇所に、第1のスペーサ58に対して点接触させるための摺動凸部66が設けられている。更に、フリクションバネ57の摺動凸部66,66と直交する方向の2箇所には、位置決めのためのフック片57a,57aが設けられている。
第1のスペーサ58及び第2のスペーサ59の材質としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304CSP)が好適であるが、バネ鋼その他のバネ材を用いることもできる。また、フリクションバネ57の材質としては、例えば、バネ鋼が好適であるが、その他のバネ材を用いることもできる。
荷重負荷部34の回動制限軸56は、ハーネスが挿通される中央穴56aを有する円筒状の部材からなり、スライド軸32の開放側の端部に嵌合されて固定される。回動制限軸56には、その外周面に半径方向外側に突出する2つのストッパ片68A,68Bが設けられている。2つのストッパ片68A,68Bは、回動制限軸56の回動角度を制限するものである。回動制限軸56を一方へ回動すると、一方のストッパ片68Aが、軸受部材35のベース部44に設けたレール部54の一方の側面に当接され、他方へ回動すると、他方のストッパ片68Bが、レール部54の他方の側面に当接される。従って、回動制限軸56は、一回転からレール部54の幅を引いた角度範囲内において、左右方向へ回動自在となっている。
2つのストッパ片68A,68Bの周方向の各端部間には、スライド軸32の開放側の端部に設けた2つのダボ69が係合される切欠き71がそれぞれ設けられている。組立時、2つの切欠き71,71に2つのダボ69を係合することにより、回動制限軸56がスライド軸32に対して回転方向へ一体化されている。更に、2つのストッパ片68A,68Bには、フリクションバネ57の2つのフック片57a,57aが係合される2つの切欠き56bが設けられている。この2つの切欠き56bに2つのフック片57a,57aを係合させることにより、フリクションバネ57が回動制限軸56に位置決めされ、回転方向に一体化される。
図13等に示すように、回動制限軸56における2つのストッパ片68A,68Bの一側にフリクションバネ57やベース部材55等が装着され、2つのストッパ片68A,68Bの他側がスライド軸32の開放側の端部に嵌合される。即ち、回動制限軸56の一側に、フリクションバネ57と第1のスペーサ58とベース部材55と第2のスペーサ59とトルク受け輪60が逐次的に装着され、その外側に位置する止め輪61によって抜け止めされている。そのため、回動制限軸56の一側には、止め輪61が嵌合される周方向に連続する環状溝72が設けられている。
また、トルク受け輪60は、第2のスペーサ59と略同じ大きさを有するリング状の部材からなり、半径方向内側に突出する位置決め凸部60aが設けられている。この位置決め凸部60aに対応させて、回動制限軸56の一側の端部には軸部切欠き56cが設けられている。この軸部切欠き56cに位置決め凸部60aを係合させることにより、トルク受け輪60が回動制限軸56と回転方向に一体化されている。この回動制限軸56にベース部材55等を組み立てることにより、軸受部42とスライド軸32との間に荷重を負荷して摩擦抵抗を生じさせる荷重負荷部34が構成されている。トルク受け輪60の材質としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304)が好適であるが、スチール鋼その他の金属材料を用いることができることは勿論である。
図13は、軸受部材35の軸受部42に支持されたスライド軸32に、荷重負荷部34を組み立てる状態を説明する図である。荷重負荷部34の回動制限軸56の他側をスライド軸32の開放側の端部に嵌合した後、図9A,9Bに示すように、その嵌合部を固定ネジ73でネジ止めする。これにより、荷重負荷部34がスライド軸32に固定される。このとき、荷重負荷部34のベース部材55に設けたガイド溝65が軸受部材35のレール部54に係合される。
これにより、スライド軸32及びこれと一体のアーム部31は、軸受部42の締付力を解除することにより、軸受部材35のレール部54にガイドされて、スライド軸32を回動することなく、そのスライド軸32を軸方向へ直線的に移動することができる。図9A,9Bは、スライド軸32を収納部側へ引き込めて、アーム部31をカメラ本体に最も近づけた状態である。一方、図10A,10Bは、スライド軸32を収納部から引き出して、アーム部31をカメラ本体から最も遠ざけた状態である。
このとき、軸受部42の締付ネジ47の締付力を調整することにより、スライド軸32を軸方向へ動かすために必要とされる力の大きさを調整することができる。なお、スライド軸32の突出量は、図9A,9Bに示す位置から図10A,10Bに示す位置までの範囲間で、任意の位置に設定することができる。
また、軸受部42の締付力を解除した後、スライド軸32を回動中心としてアーム部31を回動させることにより、そのアーム部31を旋回動作させることができる。図11は、このアーム部31の回動を説明する図であり、スライド軸32を軸方向へ移動することなく、アーム部31を旋回動作させることができる。このときのアーム部31の回動量は、荷重負荷部34に設けた回動制限軸56とレール部54によって制限される。即ち、図11に示すように、アーム部31は、実線で示す角度位置と二点鎖線で示す角度位置との間の範囲間で、任意の位置に設定することができる。
このとき、スライド軸32の軸方向には、荷重負荷部34に設けたフリクションバネ57によって常に一定の荷重が負荷されている。そのため、アーム部31を回動させるためには、フリクションバネ57のバネ力に抗してスライド軸32を回動させる必要がある。このフリクションバネ57のバネ力を、電子ビューファインダ4の自重等よりも適宜に大きく設定しておくことにより、電子ビューファインダ4の自重等に基づくアーム部31の回動を防止することができる。その結果、締付ネジ47によるスライド軸32の締付力を解除した状態においても、アーム部31を任意の姿勢に維持することができる。従って、締付ネジ47を緩めた手で、そのまま電子ビューファインダ4に力を加えてその姿勢を変化させることができ、電子ビューファインダ4の姿勢調整を片手のワンタッチ操作で簡単に行うことができる。
カメラ本体2、取手6及び軸受部材35の材質としては、例えば、マグネシウム合金が好適であるが、アルミニウム合金その他の金属は勿論のこと、強度の大きなエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。また、アーム部31及びスライド軸32の材質としては、例えば、アルミニウム合金が好適であるが、その他の金属は勿論のこと、強度の大きなエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。スペーサ51及びネジ軸部48の材質としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304)が好適であるが、スチール鋼その他の金属材料を用いることができる。
また、軸受リング45A,45Bの材質としては、例えば、POM(ポリアセタール)が好適であるが、その他のエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。締付ネジ47のレバー部49の材質としては、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)が好適であるが、その他のエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。また、クッション52の材質としては、例えば、シリコンゴムやアクリルゴムその他のゴム部材が好適であるが、軟質のエンジニアリングプラスチック等を用いることもできる。
上記アーム部31の先部に、図6及び図7等に示すように、電子ビューファインダ4が取り付けられている。電子ビューファインダ4は、レンズ装置3の光軸から斜め上方に離れた位置に配置されており、アーム部31に対して回動可能に取り付けられている。この電子ビューファインダ4は、ケーシング75と筒軸部76とアイカップ77等によって構成されている。ケーシング75の内部に、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示器が収納されている。この表示器を覆うようにケーシング75に、内部に一以上のレンズを有する筒軸部76が着脱可能に取り付けられている。そして、筒軸部76の後方側の先端部にアイカップ77が装着されている。
図17〜図22は、肩当パッド16及びその支持構造を説明する図である。即ち、図17は、カメラ本体2の一部を構成する後部支持枠80で肩当パッド16を支持した状態を示す説明図、図18は、その分解斜視図である。後部支持枠80は、カメラ本体2の後部の骨組となる部分であり、図17に示すように、前面部80aと上面部80bと上斜面部80cと下斜面部80dと底面部80e等を備えており、全体として五角形をなす枠材のように構成されている。
後部支持枠80の前面部80aは、カメラ本体2の前後方向の中間部を仕切る仕切り壁となる部分である。この前面部80aの上端に、取手6のカメラ本体2側となる上面部80bの前後方向の中間部が連続されている。この上面部80bは、弓のように上方に反り曲がるように形成されており、上面部80bの上部近傍に上斜面部80cの上端部が連続されている。この上斜面部80cの外側に、バッテリー収納部21が設定されている。そして、バッテリー収納部21と横並びとなるように頬当パッド22が取り付けられている。この上斜面部80cの下端部に、下斜面部80dの上端部が連続されている。このバッテリー収納部21の外側に、肩当パッド16が取り付けられている。更に、下斜面部80dの下端部に、底面部80eの後部が連続されている。
後部支持枠80の底面部80eは、水平方向に展開された水平面として形成されている。この底面部80eを基準として、カメラ本体2の背面に、底面部80eの後部から上方に湾曲して背面に達する斜面部となる下斜面部80dが構成されている。そして、この下斜面部80dの上方に連続する上斜面部80cに、ユーザーの頬に当接される頬当パッド22が、頬に当てる角度の違いによる姿勢変更を可能として頬当パッド22が配設されている。
図17〜図21に示すように、肩当パッド16は、パッド部材81と軸状部材82とカバー板84とスライド板85と鞘状部材86等を備えて構成されている。パッド部材81は、略四角形をなすベース板88と、このベース板88の前面である肩当て側を覆う袋カバー89と、ベース板88の上端から上方へ突出する突出部88aに固定された引掛け片91とを有している。袋カバー89の内部には、図21に示すように、柔軟性の高い軟質プラスチックやゴム状弾性体その他の緩衝材92が収納されている。また、引掛け片91は、適当な柔軟性を有するゴム状弾性体によって形成されている。そして、ベース板88と袋カバー89と緩衝材92によって突当部93が構成されている。
肩当パッド16の突当部93は、ユーザーの肩の部分に正面側から突き当てるようにして使用されるもので、主に、ビデオカメラ1の重量の一部を肩の部分に作用させてビデオカメラ1の姿勢を所定の状態に維持する役割りを果たすものである。一方、引掛け片91は、ユーザーの肩の部分に上方から引っ掛けるようにして使用されるもので、主に、ビデオカメラ1が肩からずれ落ちるのを防止する役割りを果たすものである。この突当部93の背面側に軸状部材82の軸方向の一端が固定されている。
軸状部材82は、断面がC字形状をなす3つの棒状体94a,94b,94cを連結させて一体に形成した軸状部94と、この軸状部94の軸方向の一端に固定された固定板95とからなっている。3つの棒状体94a,94b,94cは三角形を形成するように配置されている。そして、上棒状体94aと左下棒状体94bとは第1の連結片95aによって連結され、上棒状体94aと右下棒状体94cとは第2の連結片95bによって連結されている。これにより、軸状部94は、全体として三角形の山形をなしており、3つの棒状体94a,94b,94cはそれぞれ同方向に開口されている。
この軸状部94の一方の端面は、下斜面部80dの傾き角度と同じ角度を有する傾斜面として形成されている。この軸状部94の傾斜面に固定板95が一体に設けられている。この固定板95を固定ネジでベース板88にネジ止めすることにより、軸状部材82がパッド部材81に固定されている。更に、軸状部94の上面の軸方向の2箇所には、軸状部材82をロックするための第1のロック溝96aと第2のロック溝96bが設けられている。第1のロック溝96aは、固定板95に近い側に設けられていて、肩当パッド16を押し込んだ収納状態でロックするときに用いられるものである。また、第2のロック溝96bは、固定板95から離れた側に設けられており、肩当パッド16を引き出した状態でロックするときに用いられるものである。
カバー板84は、後部支持枠80の下斜面部80dに取り付けられて、カメラ本体2の背面の下部を覆うものである。このカバー板84の略中央部には、軸状部94の断面形状に見合った形状を有する貫通穴97が設けられている。このカバー板84の内側に、貫通穴97を囲うようにスライド支持部98が設けられている。このスライド支持部98に、スライド板85が上下方向へスライド可能に支持されている。スライド板85の略中央部には、軸状部94の断面形状に見合った形状を有する貫通穴99が設けられている。そして、貫通穴99の上部には、第1のロック溝96a及び第2のロック溝96bを保護するための緩衝材101が取り付けられている。
また、スライド板85は、図示しないコイルバネによって常時下方へ付勢されている。この下方への付勢状態において、スライド板85の貫通穴99に装着された緩衝材101が、図19及び図21に示すように、軸状部材82の第1のロック溝96a又は第2のロック溝96bに係合される。通常、軸状部材82よりもスライド板85の方が硬い材質のもので作られ、バネによって係合する方向に常時付勢されるため、緩衝材101は、スライド板85でロック溝96a,96bを削らないために用いるものである。
図19は、スライド板85が第1のロック溝96aに係合した状態を示している。この状態は、図3の状態に対応するもので、肩当パッド16は、カメラ本体2に最も接近した状態にある。一方、図20は、スライド板85を上方へスライドさせて第1のロック溝96aとの係合を解除した状態(ロック解除)を示している。また、図21は、スライド板85が第2のロック溝96bに係合した状態を示している。この状態は、図4の状態に対応するもので、肩当パッド16は、カメラ本体2から最も離れた状態に移動している。
スライド板85は、ユーザーの手動操作によって行われるもので、そのため、スライド板85には下方に突出する操作片102が一体に設けられている。この操作片102に対応して、カバー板84の下部には、操作片102を通過させるための切欠き103が設けられている。この切欠き103を介して操作片102の先端部がカメラ本体2の外に露出されており、外からスライド板85の操作が可能となっている。
カバー板84の貫通穴97とスライド板85の貫通穴99を貫通した軸状部94は、カメラ本体2側に固定される鞘状部材86によって摺動可能に保持されている。鞘状部材86は、上下方向に分割可能とされた上支持枠104と下支持枠105との組み合わせからなっている。この上支持枠104と下支持枠105を重ね合わせることにより、両支持枠104,105の間に、軸状部94に対応した形状及び大きさを有する空間部からなる軸状収納部106が形成されている。この鞘状部材86は、図17に示すように、後部支持枠80にネジ止めされて固定されている。
図22Aに示す本実施例のように、軸状部材82の軸状部94を、C字状の断面形状を有する3本の棒状体94a,94b,94cを三角形を形成するように配置することにより、横幅を短くしつつ強度を増加させて、捩れに強い構造とすることができる。そのため、斜め方向から加えられる外力に対して軸状部材82の強度を増加させることができ、肩当パッド16の捩れを効果的に抑制することができる。なお、本実施例においては、肩当パッド16の設置位置を2段階に設定した例について説明したが、その設置位置は3段階以上に設定できることは勿論である。
軸状部材82及び鞘状部材86の材質としては、例えば、ガラス入りPC+ABS(ポリカーボネート+アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)が好適であるが、その他のエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。カバー板84の材質としては、例えば、ABSが好適であるが、その他のエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。また、ベース板88及びスライド板85の材質としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304)が好適であるが、スチール鋼その他の金属材料を用いることができる。
図22B,22C及び22Dには、本発明に係る軸状部材の他の実施例を示す。図22Bに示す軸状部材110は、C字状の断面形状を有する4本の棒状体110a,110b,110c及び110dを台形を形成するように配置したものである。この軸状部材110に対応させて、その断面形状に見合う空間部からなる軸状収納部111を有する鞘状部材112が、上支持枠113と下支持枠114によって形成されている。
図22Cに示す軸状部材120は、4つの円柱体を十字形に配置して形成したものである。この軸状部材120の形状に対応させて、その断面形状に見合う空間部からなる軸状収納部121を有する鞘状部材122を、同一の断面形状を有する上支持枠123と下支持枠124によって構成したものである。また、図22Dに示す軸状部材130は、6つの円柱体を正六角形に配置して形成したものである。この軸状部材130の形状に対応させて、その断面形状に見合う空間部からなる軸状収納部131を有する鞘状部材122を、同一の断面形状を有する上支持枠123と下支持枠124によって構成したものである。
図22B,図22C及び図22Dに示すような断面形状を有する軸状部材及び鞘状部材であっても、前記実施例と同様の効果を得ることができ、腕の幅を短くして捩れに対する強度を増加させることができる。
図23〜図27は、頬当パッド22の構成及び作用を説明する図である。頬当パッド22は、頬当板140と、その支持軸141と、その下支持ブラケット142及び上支持ブラケット143と、弾性部材の一具体例を示すコイルバネ144等を備えて構成されている。
図23に示すように、頬当板140は、撮影時にユーザーの頬に当接される頬当部146と、その頬当部146の一側に一体に設けられた筒軸部147とからなっている。頬当部146は、頬に当接される面が凸側の曲面とされた板状の部分からなり、下部の一方の角部には大きな円弧状の面取り部146aを設け、これによりユーザーの頬と滑らかに接触できるように形成している。この頬当部146の、面取り部146aと反対側の側部に、その側縁に沿うように軸方向を延在させた筒軸部147が設けられている。筒軸部147には、その中心部を軸方向へ貫通する貫通穴148が設けられている。
図23及び図24に示すように、筒軸部147の上端部は頬当部146の上端部よりも低く設定されているが、上支持ブラケット143との間の相対的な回動を許容するために逃げ溝149を設けている。これにより、筒軸部147の上端部は、頬当部146の高さ以下において上方へ円筒状に突出されている。この筒軸部147を軸方向へ貫通する貫通穴148の上部には、その穴径を大きくしたバネ収納部148aが設けられている。このバネ収納部148aにコイルバネ144が伸縮方向へ圧縮した状態で収納されており、その内側に支持軸141が貫通されている。
また、筒軸部147の下部の外周面には、半径方向の外側に突出するストッパ凸起151が設けられている。ストッパ凸起151は、頬当部146を所定位置に固定するためのものであり、本実施例では、3箇所において選択的に固定可能に構成されている。このストッパ凸起151による3箇所の固定位置P1,P2及びP3は、下支持ブラケット142によって設定されている。なお、ストッパ凸起151が固定位置P1,P2及びP3間を容易に移動できるようにストッパ凸起151の下部は、横方向から見て直角三角形をなすように形成されている。また、ストッパ凸起151の上部には、その強度を増すために、周方向に展開されたリブ151aが設けられている。
図23及び図24に示すように、下支持ブラケット142は、支持軸141及び筒軸部147の各下端部を支持する軸支持部152と、この軸支持部152をカメラ本体2に固定する固定枠部153とによって構成されている。軸支持部152の上面には、支持軸141を下方から支えると共にその下端部141aが嵌合される軸受筒154と、3箇所の固定位置P1,P2及びP3を有するロック部155が設けられている。そして、軸受筒154の直径方向の外側には、筒軸部147の下端面が摺動接触されるリング状の摺動受面156が設けられている。
下支持ブラケット142のロック部155は、図25A及び25Bに示すような形状を有している。図25Aはロック部155の平面図、図25Bはロック部155の正面から見た展開図である。ロック部155の3つの固定位置P1,P2及びP3は、第1の固定位置P1を基準として、周方向へ所定の間隔をあけて設定されている。このロック部155の第1の固定位置P1は、頬当部146をカメラ本体2に最も近づけたときにストッパ凸起151が係合される位置である。このときの頬当部146は、図27において破線で表したような姿勢となる。このときの頬当部146の姿勢は、電源バッテリー20の外周面がカメラ本体2と略一致した面となる小形の電源バッテリーを使用したときのものである(図3を参照)。
また、ロック部155の第2の固定位置P2は、頬当部146をカメラ本体2から適度に離したときにストッパ凸起151が係合される位置である。このときの頬当部146は、図27において二点鎖線で表したような姿勢となる。このときの頬当部146の姿勢は、電源バッテリー20の外周面がカメラ本体2から大きく後方へ突出した状態となる大形の電源バッテリーを使用したときのものである。
更に、ロック部155の第3の固定位置P3は、頬当部146を完全に引き出してカメラ本体2から最も離したときにストッパ凸起151が係合される位置である。このときの頬当部146は、図27において実線で表したような姿勢となり、頬当部146がロックされる。このときの頬当部146の姿勢は、カメラ本体2の背面から後方へ大きく突出した状態となり、この姿勢において頬当パッド22として使用に供される(図2及び図4を参照)。
図25A及び25Bに示すように、ロック部155の3つの固定位置P1,P2,P3は、それぞれ断面形状が逆台形をなす溝として形成されており、隣り合う固定位置間をストッパ凸起151が移動可能とされている。しかしながら、第1の固定位置P1と第2の固定位置P2との間に形成された第1の障壁部157と、第2の固定位置P2と第3の固定位置P3との間に形成された第2の障壁部158とでは、これを乗り越えるために必要な力が異なるように形成されている。そして、第2の障壁部158の反対側には、通常の状態では乗り越えることができないようになっている。
即ち、第1の障壁部157の両側の壁面の角度θ1は、その立ち上がり角度が比較的小さく設定されており、コイルバネ144のバネ力に抗して比較的小さな回転力であっても、ストッパ凸起151が乗り越えることができるようになっている。その結果、ストッパ凸起151が、第1の固定位置P1から第2の固定位置P2に移動する場合、及び、第2の固定位置P2から第1の固定位置P1に移動する場合には、比較的容易に移動させることができる。
これに対して、第2の障壁部158の両側の壁面の角度θ2は、その立ち上がり角度が比較的大きく設定されており、コイルバネ144のバネ力に抗して比較的大きな回転力を加えないと、ストッパ凸起151が乗り越えることができないようになっている。その結果、ストッパ凸起151が、第2の固定位置P2から第3の固定位置P3に移動する場合、及び、第3の固定位置P3から第2の固定位置P2に移動する場合には、ある程度大きな力を発揮させて移動させる必要がある。そして、第2の障壁部158を乗り越えてストッパ凸起151が第3の固定位置P3に嵌まり合うときには、頬当パッド22として使用するときであるため、頬当部146を第3の固定位置P3にしっかりと固定して、ビデオカメラ1の姿勢を、その撮影状態に強固に維持するために、簡単には外れないように立ち上がり角度が大きく設定されている。
このような構成を有する下支持ブラケット142は、カメラ本体2の背面に嵌め合うようにして取り付けられる固定枠部153をネジ止めすることによってカメラ本体2に固定される。この下支持ブラケット142の軸支持部152に嵌合される支持軸141の上方に上支持ブラケット143が配置され、カメラ本体2にネジ止めにより固定されている。この上支持ブラケット143は、支持軸141の上端部141b及び筒軸部147の上部に嵌合される軸受部161と、この軸受部161をカメラ本体2に固定する固定部162とによって構成されている。
図23及び図24に示すように、上支持ブラケット143の軸受部161は、支持軸141の上端部141bが嵌合される内円筒部161aと、この内円筒部161aの半径方向の外側に所定の隙間をあけて同心に設けた外円筒部161bとを有している。内円筒部161aの端面部にコイルバネ144の伸縮方向の一端が着座されている。また、内円筒部161aと外円筒部161bとの間の隙間163に筒軸部147の上端部が入り込んでいるが、その隙間163の底面と筒軸部147の上端面との間には所定の空間部が設定されている。従って、この空間部の長さSの分だけ、コイルバネ144のバネ力に抗して、図26に二点鎖線で示すように、頬当部146を上支持ブラケット143側へ移動することができる。
このように、頬当部146を上支持ブラケット143側へ移動することにより、ストッパ凸起151を第1の障壁部157又は第2の障壁部158に乗り越えさせることができる。この際、第1の障壁部157を乗り越えるときのコイルバネ144のバネ力に比して、第2の障壁部158を乗り越えるときのコイルバネ144のバネ力が大きくなる。そのため、第1の固定位置P1と第2の固定位置P2との間にストッパ凸起151を移動させることは比較的容易であるが、第2の固定位置P2と第3の固定位置P3との間にストッパ凸起151を移動させることは比較的困難になる。そして、第3の固定位置P3においては、頬当部146をしっかりと固定して、使用時に頬当部146が回動するのを防止することができる。
図24に示すように、支持軸141の上端部は、固定ネジ164によって上支持ブラケット143の軸受部161に締付固定されている。そして、上支持ブラケット143の固定部162は、図26及び図27に示すように、固定ネジ165によってカメラ本体2の取手6に締付固定されている。
上述したような構成を有するビデオカメラ1は、例えば、図2に示すようにして、ユーザーの使用に供される。そして、上述したように、姿勢等調整機構7を動作させることにより、電子ビューファインダ4の姿勢を変化させたり、その電子ビューファインダ4をカメラ本体2に近づけたり、遠ざけたりして、片手操作で簡単に様々な姿勢及び位置に設定することができる。
本発明によれば、撮像装置を使用するユーザーは、前後左右任意の位置で、かつ、任意の姿勢でビューファインダを固定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、例えば、業務用カムコーダーに使用することにより、ユーザーにとって最適な位置にビューファインダを設定することができ、また、レバー操作によって、その固定・解除を単一操作で簡単に実現することができる。従って、窮屈な撮影姿勢を強いられることがなく、楽な操作で撮影活動を行うことができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
1…ビデオカメラ(撮像装置)、 2…カメラ本体(撮像装置本体)、 3…レンズ装置、 4…電子ビューファインダ(ビューファインダ)、 6…取手、 7…姿勢等調整機構、 14…底面、 15…下傾斜部、 16…肩当パッド、 17…上傾斜部、 20…電源バッテリー、 22…頬当パッド、 31…アーム部、 32…スライド軸、 33…軸受部、 34…荷重負荷部、 35…軸受部材、 42…軸受部、 47…締付ネジ(締付レバー)、 51…スペーサ、 52…クッション、 54…レール部、 55…ベース部材、 56…回動制限軸、 57…フリクションバネ(弾性部材)、 58…第1のスペーサ(アース部材)、 59…第2のスペーサ、 65…ガイド溝、 80…後部支持枠、 81…パッド部材、 82,119,120,130…軸状部材、 85…スライド板、 86,112,122,132…鞘状部材、 91…引掛け片、 93…突当部、 94…軸状部、 95…固定板、 96a,96b…ロック溝、 98…スライド支持部、 104,113,123,133…上支持枠、 105,114,124,134…下支持枠、 106,111,121,131…軸状収納部、 140…頬当板、 141…支持軸、 142…下支持ブラケット、 143…上支持ブラケット、 144…コイルバネ、 146…頬当部、 155…ロック部